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愛原様のたわごと(06年02月05日)


逆沢「掲示板で確か、ツクールの仕様が話題になってたわね。」

鼎「一般のプレイヤーさんには、どこまでが単なるバグで、どこまでが作者の意図で、どこまでがツクールの仕様か分からないもんね!」

愛原「そうだな。せっかくだから今回使用させていただいた、SRPGツクール95の仕様についての話でもさせてもらうとするか。」

逆沢「お、今回はそう来たか!」

愛原「まず大前提として断っておくと、このツクールが発売されたのは確か1998年ごろ。Windows95全盛期で、当然ながら当時保証された動作環境はWindows95のみ。ついでに言うとこの頃、エンターブレインなんて会社名ではなくASCIIだった。」

鼎「ほえっ? いつ会社名変えたの?」

愛原「俺も知らん。単に会社名が変わっただけなのか、どこかに買収されたり合併されたりしたせいなのか、そんな事も知らん。作者の家にある箱を見るとRPGツクール95とSRPGツクール95が、ASCII製だな。Value系は全部エンターブレイン。RPGツクール2000の分は、箱ごとどこかに紛失したらしくどっちか忘れた。作者が出したユーザーはがきも、ちゃんと届いたかどうかも知らん。今まで使用したツクールの数だけ送ったが、届きましたよって返信がたった1通すらあった訳じゃなし、そもそもASCII充てのはがきで、ちゃんと通用したのかなとも今更ながらに思う。出した当時、まだASCII社のままだったら郵便局がミスしない限りはまず大丈夫だと思うが・・・」

鼎「大丈夫だよ。引越しとかで住所変更しても、1年はちゃんと届けてくれるよ!」

逆沢「でも別会社だからねぇー。それに1年以内の期間だったかどうかも分からないしね!」

愛原「まぁ作者はやる事やった。後はシラネ!」

逆沢「ユーザー登録はがきの要望欄とかに何か書いた?」

愛原「SRPGツクール95の分に関しては、確か新作出せと書いたんじゃないかな? 今思うと原稿用紙数枚分くらい要望もあったりするんだが・・・」

逆沢「はがきにそんなにたくさんの要望を、書き込める訳ないでしょ!」

愛原「でもそれくらい言いたい事はあるんだな。クソみたいなツクールなら始めから要望も出さないのだが、なまじ他のツクールにない美点があるんで、余計に色々注文つけたくなっちまう。」

逆沢「ウチのゲームの兵科にたとえれば、弩兵のようなものかな? 雑兵みたいに使い勝手が最低だと始めから要望出す気にもなれないけど、長所と短所がはっきりしていると、どうしても言いたい事は出やすくなるのよねぇー!」」

鼎「という事は、いいところもたくさんあるって事だよね!」

愛原「未だに一定のツクラーに使用されて続けている、人気は微妙だがしぶとい支持のあるソフトだからな。ただ格闘や恋愛系ツクールが新作バージョン出してるのに、なぜSRPGツクールの新作だけは出さんのかという不満は正直ある。格闘系や恋愛系ツクールと比較してもそんなに見劣りしないというか、これだけ古いソフトにしてはむしろ健闘してるくらいなのに・・・。作者的にはむしろ、RPGツクール2000や恋愛シミュレーションツクール2なんかは、ある意味SRPGツクール95よりも一番重要な部分で退化したと思ってるくらいみたいだからな」

鼎「それ、例えばどういう部分?」

愛原「一番大きいのは、イベント作成画面の見やすさ。SRPGツクール95のイベント作成画面は、文字も大きいので特に見やすい。文章セリフなんかも全てイベント作成画面内に完全表記されているので、デバッグがすごく楽。あとイベント作成用のパレットも1ページでまとまっており、使いやすい。もひとつ重要な美点は、スイッチを入力する画面が一覧になってるので、スイッチの検索や指定がすごく楽。RPGツクール2000や恋愛シミュレーションツクール2なんかは、その点で思いっきり退化してる。作者がいつの間にか恋愛シミュレーションツクール製の作品製作を中断したりする羽目になったのは、その辺の退化がもたらすフラストレーションに耐えられなかったからだ。文字送り速度なんかも、いちいちいじってやらなきゃならないし、なんでこんな不快指数の上がる仕様にしやがったんだというのが、恋愛シミュレーションツクール2で作ってて正直な感想。もしかしたらもっと楽な方法があるのかも知れないが・・・」

逆沢「RPGツクール2000なんか、既に行方不明状態だしね。」

愛原「捨てた覚えはないから、その内出てくるだろ。」

鼎「じゃあ、逆にSRPGツクール95の問題点は?」

愛原「まず画像ファイルで使用できるのがbmpのものだけなので、異常に容量を食う。ウチのゲームでも使用容量のうち60MBが画像関係のものだ。これは作り手の都合としては必ずしも重要ではないが、プレイしてもらうにあたっては、やはり恐縮ものと言わざるを得ない。よって本ゲームをプレイされる為にダウンロードして下さった皆様には、改めてお礼を申し上げたい。」

逆沢「作り手からみた問題点としては?」

愛原「作者や作品によってまちまちだろうが、まず全体的に何をするにも数量制限が厳しい事。例えば長編志向の作り手ならマップ制限最大100が引っかかる。確か作者イチオシの名作である【SPIRAL TALE, KNIGHTS OF HATE】は、100まるまる使用されていた。」

鼎「ウチのは?」

愛原「70くらいじゃないか? 戦場マップがほぼ都市数だけはいるからそれだけで50近くになるし、あとイベント用にその他もろもろ。」

逆沢「じゃあウチの場合は、マップ制限にはひっかからないか。ウチで引っかかりそうなのは?」

愛原「ウチにとってまず厄介なのが、ユニット数250という壁。都市ユニット約50に、将軍ユニットを敵味方合わせて40×2で80。あと1から30までの各部隊長ユニットで30。敵一般ユニット用にやはり30程度。これに独立都市将軍系ユニットや北狄5隊長ユニットなどを入れると、もうパンパン。実は作者は北方異民族とかでもプレイ可にしたかったらしいが、このユニット数の壁に当たって断念したらしい。」

鼎「装備制限100とか、技能制限100とか、2択スイッチ制限500とか、変数スイッチ制限200とか、変数最大絶対値1000とか、他にも色々厳しい制限あるよね! ユニットのパラメータの最大値もすごく限られているし!」

逆沢「マニアックだけど意外と引っかかりやすいものとしては、クラス制限150とか、戦闘アニメ数制限80×2とか、顔グラ制限300とか、1マップ総ユニット制限99とか、1マップ広さ制限40マス四方とか、1マップ容量制限600KBとか、1マップ味方出陣ユニット制限15とか、1ユニットイベント制限5とか、1ユニット最大移動力12とか、地形変更制限1とか、セーブポイント制限8とか・・・、うーん、キリがないわね。」

愛原「ウチは画像系は作者が無能なせいもあって力の入れようがないから、こっちの制限には引っかかる事はない。しかしスイッチ制限と装備制限はリミットぎりぎりだ。例えば都市ユニットで表現される【経済力は現在10です】とかいったものや、各将軍のモチベーション表記なんかも、全部装備カテゴリーだから、これだけで相当数を圧迫する。変数スイッチは、各都市の経済力と保有勢力を記憶させる為だけで47×2を使用し、さらに勢力や将軍ごとに、色んなマスクデータをもってるから、これも限界近い。」

鼎「大作系のゲームは、大抵、この限界の壁にぶつかるもんね!」

愛原「例えば【コズミックバーム】はメインマップにおいて1マップ容量制限において600KBまるまる使ってるな。ちなみにウチのゲームでもまともな方法では、ターン始めのイベントマップで600KBを余裕で超えてしまうんで、3つにマップ分割して対応してある。また相模攻防戦なんかでも、まともな処理では1マップユニット制限の壁にぶち当たるため、やはり3つのマップに分割した。」

逆沢「スイッチ数やユニット数に関しては、最近のツクールでは随分改善されてると思うけどね。SRPGツクールでもメーカーがその気になれば、1週間以内で拡張版バージョンアップファイルを公開できそうな部分だと思うけどな〜!」

愛原「そうだな。通常の演出関連や、変数や固定名詞に関する表記関連部分も、RPGツクール2000のシステムをそのまま転用するだけでも、楽勝で改善できそうだしな。」

鼎「でもRPGツクールじゃなくて、SRPGツクールシリーズなんだから、それ独自の部分もパワーアップして欲しいかな?」

逆沢「掲示板でもあったCOMの思考回路の改善なんかも出来たらいいかな?」

愛原「それはメーカーにとって難しいかも知れんが、可能なら望みたいところかな? だがそれ以前の部分としての要望点は多い。それこそちょっとした企画書が作れるくらい多い。例えば援軍登場予定マスを既に何らかのユニットが占拠している場合の処理とか、中立ユニットにも能動的に敵ユニットに対して攻撃させられる処理とか、スリープ系の攻撃を受けている時にやたらと回避行動を取らないようにもできる処理とか、攻撃力低下系とかの技能にも成功率を設定できる処理とか、地形独特の技能が使える処理とか、戦闘アニメをカットできる処理とか、ダメージ値にランダム要素をつける処理とか、移動時に敵のユニットと隣接したらそこで強制停止させる事もできる処理とか、前の部隊をすり抜けて追い越せないようにもできる処理とか・・・・」

逆沢「最後の方で触れられた処理は一部の市販戦術ゲームでは健在だけど、プレイヤーのフラストレーションを高める原因にもなり易いから使いにくいとは思うけどね。」

鼎「ウチのゲームにとって一番大きな問題点は、自軍が全滅したら勝手にゲームオーバーになってしまう仕様かな?」

逆沢「RPGツクール95でも悩みの種だった点よね。RPGツクール2000以降ではその点は改善されて、味方がやられる事で進行するイベントも作りやすくなったけどね。」

愛原「やろうと思えば可能だが、現状では非常に処理困難なイベントにも改善措置が欲しいな。例えば現在のターン数を簡単に表示できたり、毎ターンごとに発生条件をチェックできるイベントを設置できたりとか、仲間を一時離脱扱いにする処理とか、魔方陣などの特定地形から次々ユニットが湧き出てくる処理とか・・・」

鼎「それ、実は前作でやってたイベントばかりだよん! できない事はないけど手間がすごくかかるものばかり・・・」

逆沢「あとSRPGとかは、パラメータが重要な意味を持つ事が多いから、任意で色んなパラメータを表示できるのもいいかも。例えば命中率とか回避力とかを表示した方がいいゲームもあるでしょ。現状では装備や技能の説明欄で表記する方法しかないけど、1行分しかないから、結構どう表記するか苦労するのよね。」

鼎「そうそう。装備の伝承や外見的特徴とか、技能の中身とかも説明したいけど、具体的な数値的特徴も示したいとかね。とても1行じゃ足らな〜い!」

愛原「ウチのんみたいにいい加減な設定のゲームでは、その点ではあまり困らないが、設定に懲りたいプレイヤーには悩みどころだろうな。やろうと思えば別個【雑学】の項目でも作れば、何とでもなるが・・・・。」

逆沢「こうしてみると、改善してもらいたい点は結構多いわね。もっともそれも期待の裏返しだと思うけど。」

愛原「おっと一番肝心な事を忘れていた。できればRPGツクール2000のデータを2003にインポートできたように、SRPGツクールでも新作にインポートできれば最善だと言う事だ。新作が無理ならバージョンアップみたいな感じでも構わない。」


鼎「単なるバージョンアップでは、カネにならないから多分ないと思うよん! 有料バージョンアップにしても、せいぜい1000人も利用すればいい方だから1000円でできたとしても、100万円にしかならないし、これだったら数人の従業員の1ヶ月の給料分に消えておしまいよん!」

愛原「いや、そんな今はやりの拝金主義者みたいな論理を言わないでだな。何年も放置してきた罪滅ぼし(?)として、善意のバージョンアップをだな・・・・」

逆沢「だったら経済制裁も視野に入れた上で、対話と圧力でエンターブレイン社に交渉してみたらどう?」

愛原「・・・・・・・!!!」

鼎「採算性を考えたら、やっぱり新作しかないと私は思うけどなぁー!」

愛原「期待して待つしかないのか・・・・。少なくとも今のままでは、これ以上の作品は作れんしな。」








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