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愛原様のたわごと(07年06月17日)



愛原「何とか今月中に【プレイ評価】仕様を仕上げようと思ったが、どうやら無理っぽいようだ。」

鼎「ほえっ? お仕事の加減かなー?」

愛原「無論それも無いとは言わんが、主な原因は単純に見通しの甘さの問題。ちなみに現在5つ目の主人公でのテストプレイが終わったところ。要するに折り返し地点ってところだな。」

逆沢「で、今回のテーマは?」

愛原「年金。」

逆沢「・・・は?」

愛原「前回の衆院選で野党側が争点を年金と言ってたのに、小泉が【郵政民営化は改革の本丸だ】とかわめき散らして年金問題の処理が後回しになったあげく、結局これだ・・・。何も現総理の責任という訳でもないだろうに、支持率も急降下して何とも気の毒な話だな。」

逆沢「・・・ちょ、ちょっと何の話してんのよ?!!」

鼎「本当だねー。事務所費問題にしても年金問題にしても、可愛そうなくらい総理の資質や政策とは無関係の不祥事ばかり続いてるよねー。」

愛原「事務所費問題では、執行部自ら処理を誤ったから支持率低下は当然だし、俺としても強い不快感を示さざるを得なかったけどな。俺は、失敗や失言は誰でもあるものだと思ってるから、それ自体を強く責める気は毛頭ないが、その後の対応次第ではうるさい。世間が過ぎ去った過去の事件にしても、ここの作者はいずれネタにして掘り起こしてしまうかも知れないぞ。」


逆沢「・・・いや、そんな話はどうでもいいから・・・。ウチのサイトに来る大半の年齢層にとっては、親の年金をアテにするつもりでもない限りは、全く関係ない話だし・・・・・。」

愛原「んな事はない。結論だけ言っておくと、年金制度自体がネズミ講型の自転車操業システムで運営されている事もあって、このままでは確実に破綻する。あと年金事業自体、福祉目的といいながら、実は議員年金や共済年金などの対象となり得るような、いわばどちらかというと富裕層程、もらえる額と収めた額に対するもらえる額の平均比率が高くなっており(国民年金は最も率が低く、共済年金と議員年金は厚生年金で言うところの企業負担分が全部税金で賄われており、しかも公費負担比率も最も高い)、つまり貧乏人程、実質的に割損になるという特徴を持っているものだしな。詳しく語ると長くなるが、議員年金は10年以上在職した者だけが対象だから、小粒議員は恩恵を得られにくく、国民年金には扶養家族に対する特典もない(いわゆる第三号と呼ばれるもの。厚生年金や共済年金には普通に存在する。但し共働き夫婦には適用されにくい為、貧乏家族はこの恩恵を受けにくい。大学に進学できない者はこの件に関する減免措置も受けられないので、なお割が悪くなる。)など、【所得の再分配】という税の機能面でみれば、貧乏人程、損になるシステムだ。こんな制度は即効で廃止した方が、俺はいいと思う。福祉制度の理念からすれば、金持ちの老人に年金など必要なく、清貧な老人にこそ手厚くすべきなのだから、一定以上の資産や収入を持つ老人に対して、受給資格を停止すれば、年金財政問題も解決するだろうにな。」


鼎「今、問題になってるのも国民年金とか厚生年金の対象者が殆どで、共済年金や議員年金の対象者にはあまり関係ない問題だしね。訳の分からない土木事業や投資で焦げ付かせてるのも、国民年金や厚生年金の事業団関係ばかりで、共済年金とかは殆ど無傷だし!」

逆沢「だ、だから、そんな話はもう終わりにしなさいって・・・。ここは元々、そういうコーナーじゃないでしょ!」

愛原「ここは俺のコーナーだ。俺が好き勝手しゃべるコーナーだ。文句あるか?」

逆沢「そんな事言うなら、ここであんたを蔵の中に閉じ込めて、強制的に私のコーナーに変・え・る・わ・よ!」

愛原「畜生・・・。せっかく日本の将来に対して真面目意見を表明するコーナーにするつもりだったのに・・・・。」

鼎「じゃあ、改めて今回のテーマは?」

愛原「年金・・・にこだわると、本気で撲殺されそうだからな・・・。しょうがない。ここは【徴収と略奪】をテーマにするか?」

鼎「ほえっ? ひょっとして今回は黒藤軍ネタ? でもどうしてそういうテーマにしたのかなー?」

愛原「年金を食い物にした連中・・・というか、今も現在進行形だが、そういうニュースを聞く度に、俺達、本当に搾取されまくってるなーと思ったから。ぶっちゃけ思いつき。」

逆沢「はぁ・・・。で、徴収と略奪といえば、どちらも弱き民が強き権力機構や暴力組織などに金品を巻き上げられるって点では同じだけど、違いは合法的かどうかでいい訳?」


愛原「まぁ、大雑把にニュアンスとしてみれば、お前の指摘通りだな。但し、立憲君主制度などが確立する前の時代におけるというのは、本質的に【民を縛る】ものだからな。民主主義じゃないのだから当然といえば当然だが、搾取される側にとっては、実質はそう大差はない。お上が勝手に税率とかを決めて、それを盾に金品を巻き上げるか、そうでないかの差しかないからな。」

鼎「国とか領土みたいな概念が希薄な時代だと、特に区別がつきにくい事もあるよね。」

愛原「国とか領土の概念がはっきりしてくるのは、地方にもよるがおおむね中世以降だ。特に遊牧型の民族は、領土という概念が殆どなく、彼らにとっての戦争行為は、領土の拡張が目的ではなく、まさしく略奪が主目的になる。攻め込んだエリアを掌握して統治する意思がない為、攻め込んだエリアの民を手なづける必要も殆どない。とりあえず満足のいく範囲で略奪を済ませ、ついでにそのエリアの領主から定期的な貢物を送らせるように約束でもさせれば、彼らにとっては大満足だという訳だ。」

鼎「なんかイラクをぐちゃぐちゃにした、今のアメリカみたいだね。」

愛原「自分の国の一部として統治していくつもりなら、あまり派手な略奪や虐殺は害悪にしかならないが、でなければ適度に威圧して、力づくで金品を奪うか、もしくはその地の権力者を薬籠にしたり、不平等条約を締結させたりして、将来にわたって収入源にした方が簡単かつ効果的だからな。」

逆沢「ウチのゲームでも黒藤軍だけは、占領地を自分の国の一部とするのではなく、あくまで現地総督を置いて片っ端から植民地化する手法を取ってるもんね。」

愛原「完全に自分の国の一部にしてしまったら、人権も同等に保障しなくてはならなくなるしな。特に現代の流儀に沿って解釈すれば・・・。」

鼎「そういや古代の戦争は、侵略勢力による奴隷狩りみたいなものも行われていたんだよね。」

愛原「ヨーロッパ人は、中世以降でも黒人奴隷狩りを公然と行い続けていたけどな。まぁこれも略奪の一種というか、その究極の形だな。少なくともアラブ圏やインド圏の奴隷制度の歴史とは、中身が全く違う。」

鼎「ほえっ? どこが違うの?」

愛原「中世以降のアラブ圏でも、奴隷階級ははっきり存在した。但し、平民が牛馬を酷使するが如き扱いをした欧米人のタイプと異なり、こちらは権力者の召し使いから兵士要員みたいな感じ。権力者に見込まれた奴隷ならば権力者によって英才教育も受けられるし、将軍にもなれる。故に貧しい平民のままにいるよりも、進んで権力者の奴隷になる者もアラブ圏には存在した。ちなみに奴隷王朝というのが、アラブ圏ではいくつも立つが、これはかつて奴隷階級にあった者が立てた王朝。欧米人からみた奴隷と異なり、彼らは兵士として、場合によっては将軍として、いずれも武力を所有しているから、クーデターなどの手段を行使する事で、こういう芸当も可能なのだ。逆に欧米人は、奴隷を兵士として活用するという発想は、あまりしない。奴隷への扱い自体がむごいのに武器まで与えたら、大変な事になるのは目に見えているからだ。ちなみに欧米人の奴隷制度は、奴隷制度廃止後も南アフリカのアパルトヘイトなどでもおなじみの通り、有形無形の差別的な扱いで根強く残る事になる。差別自体はどこでもあるが、その根深さはインド圏やアラブ圏と比較しても段違いだ。」

逆沢「日本とか中国とか、東アジア文化圏では、奴隷という概念はあまり馴染まない気もするけどね。」

愛原「全く無い訳ではないが、歴史的に規模としてみれば欧米やアラブの比ではないな。日本にしろ中国にしろ、彼らの行う戦争という行為は、略奪よりも権力基盤と領土の拡張強化を目的とした部分が大きいというのが効いているのだろう。ヨーロッパでは十字軍の時代でも、領土的なこだわりよりも金品の収奪が戦争目的の大半を占める。イギリスのリチャード王が他勢力の捕虜され、身代金と引き換えに解放された話があったり、十字軍自ら当時のキリスト教の大聖地だったコンスタンチノープルを落として略奪に走ったり、東アジア文化圏の人間の感覚からすればもうメチャクチャ。日本や中国では、軍隊が規律を乱して略奪に走ったりする行為には比較的非寛容だが、遊牧民族や西方文化圏とでは、そもそも戦争の目的が違うのだから、ある意味やむを得ないのかも知れんが・・・。」

鼎「略奪が目的の戦争と、支配地拡大を目的とした戦争では、当然形態も違うよね。」

愛原「その差が最も顕著に現れるのが、兵糧という概念だ。例えば中国でははるか古代から、兵糧は戦争前にあらかじめ用意しておくのが基本となる。その兵糧は、国内であらかじめ収奪されたものであって、行軍中に行く先々で奪っていく質のものではない。この理由としては、兵力規模が大きすぎて、現地調達では量的に賄いきれないという物理的事情と、民衆の反発という政治的事情がある。これがヨーロッパなどでは事情が全く変わって、いわゆる国家的規模で軍隊を動員する事もあまりないし、その代わり、現地調達の比率が高くなる。ていうか国家的規模で軍隊を運営できるような勢力構造自体が出来上がっていない為、ナポレオンやモンゴル帝国みたいな存在が現れると、一気にまとめて蹂躙される事になる。」

逆沢「日本人や中国人は、国としての単位で物を見るのが好きなのかどうか知らないけど、一時的に分裂したり混乱する事はあっても、割とすぐに統一したがるくせがあるみたいねぇー。21世紀の今でも大小たくさんの国家が乱立しているヨーロッパとはすごい格差ね。」

愛原「植民地の歴史もあるので単純化はできないが、アフリカでも東南アジアでも、その点はヨーロッパと同じ。ってか植民地時代以前も含めて、アフリカや東南アジアで大国が誕生した歴史はおそらくない。アフリカや東南アジアでも多くの王朝が興亡を繰り返したが、日本人や中国人のような思考回路でなく、むしろヨーロッパ人と同様の思考でもって戦争などを繰り返して来た歴史のせいだろう。世界規模でみれば、東アジア文化圏の方がむしろ特殊な存在なのかも知れん。」


鼎「戦争みたいなものを起こせるのは多分権力者だけだと思うけど、それだけ目的や考え方に差があるとすれば、統治に関する考え方も大きな差があるのかも知れないね。」

愛原「その通り。次に徴収のありようを考えてみよう。まず日本や中国のような形態の国家は、戸籍というか、要するに平民の生活や居住基盤を権力側が厳しく管理する傾向がある。そして厳しく税という形で徴収する。日本のような狭い国土の国なら勿論の事だが、中国のような大国でも古代から徴税のシステムはそれなりには整っていたし、この点でも東アジア文化圏の特性を感じなくもない。これが例えばヨーロッパなどだと、考え方が結構変わって来る。」

鼎「よくある中世ヨーロッパ風ファンタジーなんかだと、帝国もあれば王国も公国もあったりするけど、これって必ずしも主従関係がつながってなかったりして、関係が分からないと思う事があるよ。」

愛原「元はつながっていても、現実的に関係なくなってくるケースも多いわな。この点、中国の皇帝と王侯の関係とは全然違う。確かにヨーロッパの封建領主も民を管理して、そこから税を得たり、兵をかき集めたりするのは同じだが、民に関する拘束の度合いも違うし、そもそも領土的な関心も薄いからな。まして王侯間の主従関係なんか、もっともっとドライなもの。徴税といっても、行幸がてらに臨時徴収みたいなアバウトなケースも珍しくない。特に中世の日本では【平民=農民】みたいな公式がかなりの比率で成り立っており統一基準で一括徴税し易く、、古代でも例えば租庸調みたいな形で、いずれも徴税し易いシステム、もしくは社会形態をしていたが、ヨーロッパの平民は、職業面にも定住性でも、もっと多様かつアバウトだった事もあって、法的な基準で公平に徴税を行うのが困難だった事情もある。」

逆沢「アバウトというかドライというか・・・。まぁヨーロッパの騎士なんかも、無償の忠義とか主従関係みたいな概念よりは、契約とかごく個人的な誇りみたいなそういう概念の方を上に置いてたとも言われてるし、雰囲気としては分からない事もないわね。」

愛原「東アジア文化圏は秩序重視だから、徴収と略奪の違いははっきりしている。そして徴収権のある権力者にとって、略奪者は許すまじき敵だ。山賊なり盗賊なり、国内で略奪を行う者は無法者として徹底的に取り締まるし、外国からの侵略者も、略奪者として強く対抗する。これがヨーロッパの方に移ると、ニュアンスが大きく変わって、権力者の権力基盤が犯されない限りでは、賊に対しても寛容だし、故に賊自体が一定の勢力を持っている事も珍しくない。複数の異なる王侯貴族から領土や報酬を貰う領主や騎士もいるし、逆に複数の異なる領主から徴収されるケースもある。ってか、このケースになると正規の領主と不正規の領主という垣根自体がアバウトで、徴収と略奪の垣根も同様にアバウトだ。徴収者の視点で見れば、自勢力が強大ならば、その武力なり人脈なりでかなり広大なエリアまで取り立てに向かえる事になるし、弱体化すれば、遠方の都市とか、山間離島とか、ライバル領主や賊の支配力が強いエリアまで徴収の手が回らなくなる。この辺の理屈は、日本や中国などでも同じだが、領土というか国境線の概念がアバウトな分、徴収範囲や頻度・程度自体、その時の情勢でいくらでも変わるのが実情だ。」

鼎「ウチのゲームでいえば、私達の国が、中世ヨーロッパ的な支配システムに一番近いよね。」

逆沢「いくら議長でも、他の有力貴族の領土の統治には、なんら関与できないくらいだしね!」

愛原「ウチの国の場合、共和国という国の単位の中に、大小複数の貴族領がある。辰巳軍領もゲーム開始時点では独立国扱いだが、元々は共和国の一部だ。長年の歴史を経て、いつの間にか半独立みたいな感じになって、気がついたら独立国として既成事実化してしまっていたという感じだな。宮田軍領も、ゲーム開始時点では宮田という大カリスマがまとめあげて国としての体裁を保っているが、もしもアイツが突然急死なりしたら、複数の独立勢力に空中分解しかねないというのが実情だ。もっとも宮田はそうならないように、開明政策という名の立憲政治システムを急いで推し進め、国としての形を完全なものにしようとしているが・・・。」

逆沢「ウチのような国の場合だと、システム的に領土拡張に躍起になっても、あまりうまみがないというのが本当のところね。」

愛原「そうだな。侵略者には立ち向かわざるを得ないが、出なければ積極的に外国に攻めあがる意味は少ない。ウチにとっての打倒黒藤軍は、十字軍遠征に近いノリと解釈した方が利口かも知れん。黒藤軍領を直轄統治する気もないし、植民地支配する気もない以上わな。」

鼎「私達と正反対なのが大門司軍よね。」

愛原「大門司軍は、本当の意味での帝国主義だな。黒藤軍のケースの方がイメージ的には帝国主義だが、こちらは傀儡国家や植民地を増やす為の戦いであり、軍国主義的といった方が近そうだ。大門司軍の思想は、侵略して新たに得たエリアにも本土並みの待遇をもたらす(悪く言えば本土の制度を強制する)タイプだが、黒藤軍の場合は、要は好きな時に好きなだけ搾取したり、言いなりにできればそれでいいといった感じ。当然ながら侵略地=略奪地に過ぎず、侵略地の民に本国並み待遇を保証するなんて発想自体存在しない。アメリカが侵略活動による奴隷獲得制度(もしくは労働力としての強制連行行為)を公認したら、黒藤軍みたいな感じになるのかも知れん。ウチの場合は、領土欲は乏しく、気に入らない奴(黒藤軍)をとっちめる為に兵を出してるタイプになるから、二者択一でいえば黒藤軍寄りと言わざるを得ないが、ノリとしては中世ヨーロッパ的なもっとアバウトなもので、植民地獲得みたいな意思は全くない事はしっかりと弁解しておきたい。」

鼎「それを言ったら、黒藤軍と大門司軍以外は、どの勢力も統一志向じゃないところばかりだよ。」

逆沢「辰巳軍はモンゴル帝国型の暴れまくりタイプだし、赤竜軍は地方割拠志向で留まっているし、ウチは討伐目的の侵略タイプで、宮田軍はレジスタンス活動の延長線でしかなく、婆娑羅軍に至っては、防衛戦そのものだしね。」

愛原「このように徴収と略奪の関係は、意外と奥深いものだ。今の日本も、納税の義務とやらが実は国家権力を背景としたただの略奪行為と言われないように、しっかりと国民の為に公金を扱って欲しいものだが・・・・年金一つとってもあの有様だからな。」







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