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愛原様のたわごと(07年06月30日)




愛原「聞け。今回のバージョンアップでは、こっそり【プレイ評価】項目のマスクデータを埋め込んだのだ。」

逆沢「おっ! いよいよ、【プレイ評価】が出来上がったってか?」

愛原「いや、出来上がってない。出来上がったのはその根底部分だけ。ただしver.1.26以降で始めたプレイでゲームクリア直前のセーブデータを取っておくと、いずれバージョンアップで【プレイ評価】が導入された際に、その結果がエンディング直後に表示されるようになるのだ。」

逆沢「なーんだ。期待して損した! もうちょっと待った方が利口かな?」

愛原「そう言われると身も蓋も無いが・・・。ここまで作るだけでも結構苦労したのだ。もっと簡単かと思っていたが、やって見ると想像以上に手こずった。まず目安となる総ターン数とか、総戦闘回数とか、経済力とか、色々記録に控えたりしてだな。」

鼎「意外な結果も出たみたいだね。」

愛原「まだチェックが終わってないシナリオもあるので暫定だが、漠然とした結果でいえば、総ターン数や総戦闘回数は、難易度が高めの主人公程、多くなる。ラストマップのある都市からの距離や、最低攻略都市数とは、実はあまり関係なかった。例えば辰巳編や門司編では、守りの戦をやる機会は少なく、所持金で困る事も少なく、モチベーションの管理も楽な為、その分、かかるターンや戦闘数は意外と抑えられる。逆に大神編の場合は、理論上はたった7つ都市を落とすだけでクリアできるはずなのに、実は恐ろしく長期戦化し易い。場合によっては黒藤編以上の戦闘を経験する事すらある。」

鼎「色々、大変だったんだね。」

逆沢「で、今回のテーマは?」

愛原「今回は【SRPGにおける戦場マップをシステム面で見てみよう】というテーマでいきたいと思う。」

逆沢「おー、今回はまたゲーマー向きのマニアックなテーマねぇー! また年金や事務所費流用の話続けるかと思ったわ!」

愛原「某総理が、無理やり国会の会期延長に打って出た事で、地方の選挙関係者が混乱したり、野党からは【自分が通過させたい法案が廃案間近の土俵際に追い込まれた事で、無理やり土俵自体を広げた】とか言われているからな。実はSRPGの土俵である戦場マップも、ルールを変えたらゲームバランスがメチャクチャ変わってしまいかねないという事をシステム面から語りたいと思ったのだ。」

逆沢「あっそう。ほんじゃ本題に・・・。」

愛原「えー、ウチのゲームの場合は、いわゆるスクエア方式(マス目方式。斜めという概念を無視すれば、隣接マスは4つ。斜め方向も隣接マスと位置づければ、隣接マスは8つのマップの事)の戦場マップを採用している。スーパーロボット対戦シリーズやファイヤーエムブレムシリーズや三国志英傑伝シリーズでも、スクエア方式だ。その一方で大戦略シリーズのようなヘックス方式(こちらは隣接マスが6つあるタイプ)も古くから存在する。つまり大雑把に言えば、この内どの形式のマップを採用するかによって、隣接マスが4,6,8のいずれかに分類できる訳だ。そして当然、隣接マスの数字によって、ゲームの世界観が根本から変わってくるというのは分かるか?」

鼎「すごく分かるよ。例えば味方のユニットを横一列に並べて壁状に布陣して、背後に敵がいない場合、隣接マスが4なら、各ユニットが直接敵と隣接するマス数は1になるよね。隣接マスが6なら2になって、隣接マスが8なら3だよね。」

逆沢「つまり前衛ユニットが敵の集中攻撃をどの程度まで引き受けられるかが、マップによって変わるって事よね。」

愛原「そう。とりあえず隣接マスのみ攻撃可能なユニットしかないSRPGゲームが、仮にあったとしよう。ウチのような隣接マス4のゲームの場合は、壁状に味方部隊を並べる事で、かなり粘る事ができるようになる。1つのユニットに対して1体しか攻撃できない為、集中攻撃を食らう危険が殆どないからだ。無論これは敵にもいえる事なので、逆に敵にこれをやられると、攻略には結構時間がかかる事になる。」

鼎「これが隣接マス8のルールだと、最低でも敵3体の攻撃を1つの味方ユニットが一身に引き受けなくてはならなくなるから、集中攻撃で潰されやすくなるよね。その代わりこっちも集中攻撃し易いけど。」

逆沢「つまり隣接マスが多ければ多いほど、敵も味方も互いに集中攻撃を受け易くなって、消耗戦モードになり易いって事よね。」

愛原「ゲーム上の観点でいえば、激しい消耗戦をウリにしたければ、隣接マスが6なり8なりのマップシステムを採用すれば良い事になる。敵も味方もちょっとした油断でどんどんやられていくし、物量で押し潰すのが醍醐味のゲームにしたいなら、これでユニットのHPも減らせばより完璧だ。」

鼎「逆に隣接マスが4しかないタイプは、布陣重視になるよね。敵の集中攻撃をうけないような布陣できれば、それ程固くないユニットでも、結構粘れる事があるもんね。」

逆沢「その代わり、猪突猛進は禁物よ。隣接マスが4しかないという事は、敵のユニット4体に囲まれるだけで逃げ道がなくなるって事だし。隣接マスが8もあるシステムのゲームなら、完全包囲される危険は殆どないけどね。」

愛原「但し以上の説明は、ウチのゲームのシステムを基本にしたあくまで一般論な。ゲームシステムによっては、【敵に隣接すると強制的に移動が中断されるシステム(いわゆる「ゾーン・オブ・コントロール」)】とか【味方ユニットのいるマスに進入(通過)できないシステム】とか【行動順序が固定されているシステム】なんかもある。勿論、逆に【敵ユニットのいるマスすら通過できるシステム】のゲームもあるしな。」

鼎「【敵に隣接すると強制的に移動が中断されるシステム】のゲームの場合は、本来の半分のユニット数で、敵のユニットの移動を大きく封じる事ができるよね。」

逆沢「そのシステムの場合、猪突猛進プレーは、なおの事、自殺行為になりかねないわね。」

愛原「【敵に隣接すると強制的に移動が中断されるシステム】は、集団戦ならではの醍醐味を示したいゲーム向きだな。反面、強力なユニットを単騎突入させて、いきなり敵の総大将を討ち取ったりするような、爽快プレーは困難になる。ウチのゲームの場合は、無茶苦茶にレベルを上げたユニットなら、そのような芸当も何とか可能らしい。ちなみに今作成中の【プレイ評価】の項目の中に【戦場覇道値【という概念があるのだが、これは敵ユニット撃破数やターン数によって上下する。敵総大将を早期に討ち取って戦闘の早期終結に成功すると、この【戦場覇道値】が大きく下がる。もしも気が向いたら試してもらいたい。」

逆沢「おっ、何気に新システムの宣伝ってか!?」

愛原「ふっふっふ。【戦場覇道値】は、敵兵全壊プレーやターン数ぎりぎりまで粘ってレベルアップに執念を燃やすプレイをすれば、どんどん上がる。逆なら下がる。とことんまでこの数値を上げるも良し、下げるも良しだ。」

鼎「【敵に隣接すると強制的に移動が中断されるシステム】の場合は、単騎突入が難しいから、どうしても敵の全滅を狙うのが基本戦法になりやすいよね。」

逆沢「その代わり、敵の単騎突入を阻止しやすいメリットもあるから、前衛をうまく活用する事で、貧弱な後衛タイプのユニットでも、もっと活用できるわよ。うまくローテーションみたいなものを組む事で、少ないユニットで鉄壁の前衛陣を組む事も可能だしね。」

愛原「ローテーションか・・・。それは先に触れた【味方ユニットのいるマスに進入(通過)できないシステム】か否かにもよるわな。味方のユニットを通り抜け出来ないシステムの場合は、最前線の前衛ユニットが後ろに下がりにくい為、味方のHPを回復できるユニットがいないゲームの場合は、下手すると消耗品になりかねない。回復役がいたとしても、回復可能な間合いまで回復役を前衛役に近づけないといけないし、どちらにしてもかなりプレイヤーをヤキモキさせることになるだろうな。まぁそんな訳で、それぞれのパターンについて表にしてみたぞ。」



【敵に隣接すると強制的に移動が中断されるシステム】=a
【味方ユニットのいるマスに進入(通過)できないシステム】=b
【敵ユニットのいるマスに進入(通過)できないシステム】=c
【ユニット別に行動順序が固定されているシステム】=d(×なら敵味方勢力別ターン交替制。○ならユニット個別ターン制とする)
a b c
@ × × × × 最も移動が自由なシステム。防御力に難のあるユニットは単純に使い勝手が悪くなる為、そういうユニットは消耗品の一発屋ユニットとして割り切るべきか・・・。一発屋ユニットの活用次第で、ゲームが面白くなる可能性は高い。集中攻撃がし易く、消耗戦モードにもなりがち。部隊の壊滅率が高くなり易い為、クリエイター次第で、消耗戦パターンか、回復選任役がやたら目立つ展開になるか、タフユニットだらけになる危険も・・・。個別のユニットの固さよりも、移動間合い・攻撃間合いの方が大事な要素の為、こういう部分にも気を配りたい。
移動の自由度も高い事もあり、余程移動力が低いとか、地形効果がキツいというのでもなければd部分で大差は出ないと思われる。
A × × × 「SRPGツクール95」で作られたゲームは全てこれ。できるだけ多くの前衛ユニットを用意して、少数の後衛ユニットを守るパターンに比較的なり易い。@程ではないが、やや前衛重視型。前衛役や回復役の性能次第では、たとえ敵味方のユニット性能が互角以下でも、味方のユニットを全く消耗させないまま、敵のユニットを全滅させる事も十分可能。
移動の自由度も高い事もあり、余程移動力が低いとか、地形効果がキツいというのでもなければd部分で大差は出ないと思われる。行動順序をうまく先読みする事で、守りにこだわらず疾風怒濤の攻めに転じ易いのも醍醐味か。
B × × ×○ 味方のいるマスを通過できないのに、敵のいるマスは通過可能って・・・・こんなゲームはさすがに知らないなぁ。
C × × ×○ 敵ユニット通過可能なのに、ZOCありというのは、矛盾があるように思います。こんなゲームも知らないなぁ。
D × × b要素により、味方に移動ルートを妨害される事が多い為、壁役の前衛ユニットと遠距離攻撃ユニットの性能をどうするかがカギ。プロックをところてん方式でずらしてローテーションを組むなどして、前衛役・回復役・遠距離攻撃役をうまく活用するのが定石戦術で、うまく決まればプレイヤーに知的な満足感を与えやすい。反面、いわゆる狭いマップでこのシステムだと、プレイヤーをいらだたせる可能性大。前衛の育成要素を殆どなくして、物量に物を言わせるスタイルにするのも一つの手か。「やっつけ負け」をうまく活用するのも奇策としてはアリかな? いずれにしろこのシステムで良作を作るには、少し技術がいりそう。
製作側・プレイ側双方にかなりのセンスがないと、このシステムのゲームはキツい。特に障害物の多い、いわゆる狭いマップでこのシステムだと、プレイヤーをいらだたせる可能性大。行動順序が制約されている分、詰まった展開になるとプレイヤーに理不尽さを感じさせる事すら、大いにあり得る。前衛の育成要素を殆どなくして、物量に物を言わせるスタイルにするのも一つの手か。部隊が壊滅すると二度と復活しないシステムで、なおかつ育成重視のシステムだと、なお多くのプレイヤーを怒らせる可能性すらアリ。いっその事、遠距離攻撃ユニットを主体にしてしまうのが無難かも。
E × × オーソドックスなZOCシステムのゲーム。味方の壁役をどれだけうまく活用できるか、敵の包囲をどれだけかわせるか、そして敵の壁をどうやって崩していくかが、重要視される戦術重視型。前衛役や回復役の性能次第では、たとえ敵味方のユニット性能が互角以下でも、味方のユニットを全く消耗させないまま、敵のユニットを全滅させる事も十分可能。但し、定石と呼ぶべき戦術パターンがやや固定されている事が、人によってはやや欠点か。壁役になれる前衛ユニットの重要性も高いが、長距離攻撃可能なユニットの重要性も高く、ユニットバランスは取れている。
基本はd×と同じだが、製作側のセンス次第で良くも悪くもなりそう。
F × ×○ 敵ユニット通過可能なのに、ZOCありというのは、矛盾があるように思います。こんなゲームも知らないなぁ。
G × Dとほぼ同じ。ZOCの活用次第では、前衛の退路も確保しやすいのが、微妙に救いか。戦術性は高い。集団歩兵戦術主体の戦争ゲームとして考えるならば、このシステムが最もリアルに近いのかな?
Dとほぼ同じ。遠距離攻撃ユニットの性能面をうまく考えたい。



愛原「てな具合かな?」

鼎「すごいー。なんかよく分からないけど、何となくすごいー!!」

愛原「ちなみに隣接マスという概念を重んじた前提で書いているぞ。遠距離攻撃とかがメインのゲームの場合は、当然、a〜cが全部×のゲームに近くなってくる。遠距離攻撃がメインになる程、前衛の価値が下がってしまうからだ。そしてその分、防御よりも攻撃の要素が重要視されるように変わっていく。」

逆沢「防御型ユニットは、相手の攻撃を引きつけてナンボだから、攻撃側が好きな相手に攻撃をしかけられるゲームだと、その意味も当然薄くなってしまうもんね。」

愛原「よく気づいた。もしも仮に攻撃射程無限のユニットばかりのゲームがあるとしたら、まず攻撃側が潰すべきは、当然攻撃力の高いユニットだ。そいつから集中攻撃で倒すべし。但し、集中攻撃でもすぐに倒せない程、そいつが固いのなら、すぐに倒せそうでその割りに脅威度そこそこ高い敵とか、回復能力の高い敵から潰すって具合だな。」

鼎「それって、よくあるRPGの敵の倒し方と同じだね。」

愛原「全く同じだな。好きな敵から潰していけるなら、倒しやすさと脅威度を量りにかけて、とにかく1体ずつ集中攻撃で倒すのが基本。SRPGがRPGと違うのは、好きな敵から潰せるとは限らない事。そしてそのキモとなるのがマップシステムであり、それを支えるZOCなどの特殊仕様だ。これによってお互いに、好きな相手から潰せなくなり、好きな相手から回復や支援ができるとは限らなくなる。RPGとSRPGの最大の違いは、この種の縛りの差かも知れんな。」

鼎「遠距離攻撃(支援)ユニットの性能次第で、よりSRPGらしさが出るかどうかが、変わってくるのかも知れないね。」

愛原「遠距離攻撃(支援)ユニットが貴重になればなる程、味方の布陣が重要になってくる。布陣の良し悪しで、敵味方の攻撃回数も差が出てくるし(例えば敵をうまく突出させれば、数体がかりで敵1体を叩く事も可能)、こちらは相手の強力な支援ユニットを叩いて、向こうはこちらの壁ユニットしか叩けないなんて事も出てくる。勿論、システムも重要で、先述の通り、隣接マスがいくつか、移動制限はあるか、障害物の程度はどうかなど、さまざまな要素で、消耗戦にもなれば、持久戦にもなるし、逆に電撃戦にもなりうる。オリジナルシステムでSRPGを作りたい人は、こういう部分も考えて、どういう雰囲気のゲームを作りたいか考えられればすごくいい物ができるんじゃないかとも思う。」

鼎「ウチのゲームの場合は、技能を除けば、遠距離攻撃ができるのは弩兵と機械兵と愛国戦隊系だけだし、遠距離攻撃が可能な技能を持ってるのも、魔砲兵を除けば、4レベル以上の工作兵と一部の将軍だけだし、本当に敵に隣接しないと始まらないって感じだよね。」

愛原「しかも部隊の壊滅率が非常に高いからな。布陣第一のゲームという事になると思う。反面、隣接マスが4しかないから、布陣次第で貧弱なユニットでもかなり粘れる。特に装甲兵辺りを横一列に並べてその後ろに輜重兵を置いたら、敵の魔砲兵でも近くにいない限り、まず前衛に穴が開くことは無い。歩兵や工作兵辺りを前衛に置いても、敵の弩兵や魔砲兵などが近くにいなければ、相当粘れるぞ。」

逆沢「if北狄編でやってみて思ったんだけど、実は輜重隊ですら騎兵とタイマンで十分戦えてビックリした事もあるし!」


愛原「あれは甑の軍神スキルのおかげだ。お前や俺が甑とあの条件(後日訂正〜「モチベーション60%以下の時に」に修正)であの戦場で戦うと、二回攻撃食らっていきなり輜重隊が沈められるから、決して真似はするなよ。」

逆沢「あははは。仮に二回攻撃食らわなくても、私らが率いた輜重隊では騎兵に2しかダメージが通らないから、最低でも8ターン覚悟しないといけないし、それまでに騎兵がクリティカル出す確率の方が高いから、どうあがいてもウチらの輜重隊では、戦力にならないって!」

鼎「戦場のルールを少しいじるだけでも全然ゲームバランス変わってくるけど、ほんの少しのパラメータの違いでも、全然難易度が変わってくるから、こういう部分の調整は大事だよね。」

愛原「国会の会期延長も同じ事だ。首相はたった数日の会期延長を強行しただけのつもりかも知れんが、それをやる事で億単位の損失が出る事も考えるべきだったかも知れん。どうしても通したい重要法案なら、例えば教育関連とかイラク関連法案とか、そういう他の法案を後回しにしても先にやるべきだったし、段取りがまず過ぎたとしか言いようが無い。ゲーム作りもそれと同じで、最初のシステムで段取りを間違うと、後々面倒な事になる。育成重視なのか、消耗戦覚悟の物量重視なのか、戦術重視なのか、長期戦覚悟なのか、そういう根幹に関わる部分は最初に狙いを定めておいた方がいい。これは自戒の念でもあるが、今更ながらにマジでそう思う。」







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