愛原様のたわごと(07年07月15日)
愛原「最初に断っておくが、プレイ評価システムは肝心の部分で大きく難航する事が判明してしまったようだ・・・。」
鼎「えー、そろそろかなぁと思ったのにー。」
愛原「漠然と項目だけ並べるだけなら、今すぐにでも公開できるけどな。かかった戦略ターン数とか、戦場覇道値とか・・・。要するにデータ部分は既に完了している。これはこれで公開してもいいんだが、もう少し工夫が欲しいかなと考え直して、見送った。ただ正直詰まっているので、結局現段階より変わりなしで終わる可能性も高いが、悪あがきしているという所かな?」
逆沢「そういうケースって、大体時間を浪費しただけで、意味なく終わるのよね。堂々巡りするだけで。」
愛原「その通りだな。挑戦もしないまま終わるか、挑戦したけど駄目だったとして終わるかだけの違いしかないような気がする。まぁウチはメーカーじゃないから、気長に構えてもいいだろう。無論いつものごとく、とりあえずver.1.28として出して、さらにうまくいったらver.1.29として出す案もあるが・・・。」
鼎「その頃には、ver1.40くらいになってると思うよ。」
逆沢「あはは。まさにそんな感じね。で、今回のテーマは?」
愛原「前回の続き。前回はマップ面から基本システムを見てみたが、今回は白兵部分のゲームシステム処理について見てみようと思う。」
鼎「ほえっ? 白兵部分のゲーム的処理? 漠然として意味分からないよー。」
愛原「うーん、とだな。例えばSRPGツクール95では、3種類の白兵処理システムからゲームスタイルを選択できるというのは知っているか?」
鼎「うーん。よく分かんない・・・。」
愛原「ぶっちゃけて言うと、【攻撃側のみダメージを与えられ、その場で被攻撃側が反撃を行わないシステム(以下@)】、【攻撃側が攻撃を行った後、被攻撃側が攻撃側に対して反撃を試みるシステム(以下A)】、そしてウチのような【Aの処理後、一定の速度を持つ攻撃側はさらにもう一回攻撃を行えるシステム(以下B)】だ。いくつかのSRPGツクール95製ゲームを試してみると、この3種類のいずれかで作られている事が分かるはずだ。」
逆沢「一番多いのは、Aのパターンのゲームかな?」
愛原「SRPGツクール95製で見渡す限りは、多分そんな感じだな。Bのパターンは、プレイヤーにとって少し複雑なシステムで、ぶっちゃけ初心者には分かりにくいシステムだと思う。」
鼎「SRPGツクールでは不可能なシステムだけど、戦争SLGの中には、【攻撃側と被攻撃側が同時に相手に攻撃を試みるシステム(以下C)】なのも多いよ。」
逆沢「正直、どれが一番いいのかな?」
愛原「どれが良いというのはない。ただそれぞれに特色がある。例えば@のゲームでは、相手が即反撃を行ってこないタイプなので、攻撃側はとりあえず安心して相手を攻撃できる。敵がどんなに攻撃力の高いユニットであっても、敵がこちらが攻撃を仕掛けるよりも早く、集中攻撃などを加えて速攻で倒してしまえば、こちらは無傷だ。その意味では、攻撃重視システムともいえる。ウチのゲームの場合はBだが、魔砲兵や輜重兵が相手なら、事実上@の白兵パターンになるだろうな。」
鼎「工作兵や弩兵に対しても@に近いよね。」
逆沢「工作兵は回避力が高いから、意外と前衛でもそこそこいけるんだけど、白兵攻撃力が低いから、@でいえば盾ユニットのような感じになるかもね。弩兵は弩兵側が攻撃側なら当てはまるけど、被攻撃側ならあまり当てはまらないから、変異型かな?」
鼎「よくある弓兵ユニットとかなら、ウチの弩兵のように攻撃間合いが1〜2じゃなくて、隣接マスが攻撃射程外のゲームも多いから、かなり@に近くなると思うよ。」
愛原「次にA。SRPGでは最もメジャーなパターンだな。反撃させるまもなく一撃で倒せる相手なら@と実質同じなのだが、一撃で倒せない相手の場合、反撃を食らう可能性を考慮する必要がある。よって攻撃力は高いが防御力が貧弱な強襲型のユニットは、なるだけトドメの一撃を担当させたい。トドメに至らない攻撃を重ねる役割は、ウチでいうところの弩兵や魔砲兵のような反撃を食らいにくいユニットに任すか、あるいは壁役も務まる前衛ユニットに任せたい。」
逆沢「わざと相手の攻撃間合いに入って、先に攻撃を食らう戦術も取りやすいのが、このAパターンよね。」
愛原「そうだな。どの道、一撃でトドメをさせないなら、先に攻撃を食らってから相手に攻撃を食らわせようと、こちらの攻撃後に相手から反撃を食らおうと、トータルの双方のダメージ量は全く同じだからな。それなら敵側からひたすら攻撃させて、プレイヤー側はひたすら回復とかに徹するというのも一つの作戦。相手がどんなに固くて強くとも、相手の一撃に耐えられるだけのHPがあるなら、ひたすら専守防衛に徹するだけでも、(回復が続く限り)いずれ勝てる。@のゲームの場合は、こちらから攻撃を仕掛けない限り、原則として全く相手にダメージを与えられないから、専守防衛なんてのはいずれやられるのを待つだけの愚策なんだが、Aの場合は、逆に専守防衛は強敵対策の有効な戦法の一つだ。」
鼎「でもゲームによっては、HPによって攻撃力とか防御力に変動が加わるタイプもあるから、そういうゲームの場合は、やっぱり先手必勝なケースもあるよね。」
愛原「HPが多いほど、攻撃力や防御力が高まるゲームの場合は、確かにその要素も考慮に入れないと駄目だな。」
逆沢「軍隊がユニットのゲームとかなら、リアリティーを出す為に、HPが下がる程、攻撃力や防御力が低くなっていくゲームも多いわね。逆に単体がユニットのゲームなら、HPが一定以下に下がる事で、気合が入ってか(?)、攻撃力や防御力がいきなり数倍になるユニットが登場するゲームもあるし!」
鼎「HPと攻撃力や防御力が比例関係にあるゲームは、Aでも先手必勝になり易いけど、@の場合は、もう致命的なまでに先手必勝になっちゃうよね。」
愛原「そういうシステムの場合、陣営ごとのターン交替制ゲームなら、単に戦術の問題になるが、ユニットごとに行動順位が決まるパターンのゲームなら、なおの事、ユニットの攻撃速度という概念が重要になるな。攻撃速度の速いユニットが多いなら、少々の攻撃力や防御力の低さもカバーできる。攻撃速度というややもすればマイナーな要素が、最もメジャーになるゲームシステムがそういうタイプのゲームなのかも知れんな。」
逆沢「そしてウチのゲームも含むBのゲームも、攻撃速度のようなものが割と重要になって来るわね。」
愛原「ちなみにウチのゲームの各兵科別の攻撃速度(部隊機動力)を順に並べるとこんな具合になる。ちなみに1レベルで総大将用兵修正Lv3の時な。」
19 | 18 | 17 | 16 | 15 | 14 | 13 | 12 | 11 |
傭兵 | 突撃兵 | 歩兵 | 装甲兵 | 雑兵 | 弩兵 | 魔砲兵 | 機械兵 | |
陸獣兵 | 工作兵 | 人民歩兵 | 親衛騎士 | 騎兵 | 輜重兵 | |||
水軍兵 | 愛国兵 | 装甲騎兵 | ||||||
空獣兵 | ||||||||
水獣兵 |
鼎「ウソー!! 工作兵がダントツで一番だと思ってたのにー!」
逆沢「ど、どうなっちゃってんのよ?! この順位?」
愛原「命中率や回避率と攻撃速度(部隊機動力)は全く別だからな。誤解があると何だから断っておくが、歩兵や工作兵を含む大多数のユニットの攻撃速度は7lcwのver.1.00が出た時から、一切不変だぞ。」
逆沢「ま、まぁ、2回攻撃が発生するかどうかの数値差は3だから、トップの傭兵から2差の工作兵らが、2回攻撃を食らう危険は普通ないんだけどね・・・。」
愛原「・・・普通わな。但し、モチベーション100%の寺島とかが率いていたら、話は全く違ってくるけどな。」
逆沢「突撃兵や陸獣兵を扱う勢力には軍神はいないけど、もしいたと思ったら、結構ゾッとするかもね。」
鼎「傭兵がゲーム内で登場する事はあまりないから、とすると装甲兵ランク以上の部隊なら、とりあえず2回攻撃を食らう可能性は低いという事になるのかな? 総大将の能力が互角の場合は。」
愛原「そうなるな。ちなみにウチのゲームの場合、ゲーム内の「雑学」でも触れているが、将軍は耐久力(用兵)が低い変わりに戦術値がかなり高いので、将軍相手への2回攻撃はほぼ不可能だ。」
鼎「私、魔砲兵なんだけど、それでも大丈夫かなぁ?」
愛原「ちなみに将軍別ならこんな感じ。7レベルでモチベーション60%の場合な。(甑のみ1レベルで登場するので、1レベルで60%の場合)」
24 | 23 | 22 | 21 | 20 | 19 | 18 | 17 | 16 | 15 | 14 | 13 | 12 | 11 |
婆娑羅 | 機械兵 |
||||||||||||
舞鶴 | 鼎 池田 東出 |
野川 不破 楠木 |
石田 勝山 大久保 中津 |
魔砲兵 輜重兵 |
|||||||||
夢前 | 小松 寺島 |
灘 | 吉武 | 柴田 門司 今佐 逆沢 東 |
平野 | 弩兵 騎兵 装騎兵 那珂田 |
|||||||
宮田 | 親騎士 | ||||||||||||
赤竜 | 神代 | 大神 長光 |
大森 枚方 |
装甲兵 人民兵 |
|||||||||
仁保 | 穐本 武内 |
吉巻 高田 国東 |
峰 黒藤 茅野 |
愛原 宗祀 四条 早川 甑 |
歩兵 工作兵 水軍兵 |
||||||||
辰巳 | 突撃兵 |
逆沢「うーん。私って、何とも微妙な位置にいるわね・・・。並みの騎兵よりは2もマシだけど、上には上がいるというか・・・。」
愛原「舞鶴とか、小松や灘とか、神代とか、仁保とか、微妙な所でマイナー将軍が健闘しているのがポイントだな。特に仁保などは、工作兵離れした高い攻撃力と防御力をしている事もあって、実力はメジャー将軍と遜色ない。舞鶴も兵科が魔砲兵でなければ、充分に一級線の実力の持ち主だと思う。」
逆沢「・・・それって、私が大した事ないって暗に批判してるわけ?」
愛原「お前や那珂田は、たった一撃で並みのユニットを消滅させるだけの破壊力をもっているからな。まぁ、ゲームバランスの問題もあるだろう。普通の兵科と違って騎兵は移動力も1位だし、しかも反撃アリのルールな以上、お前みたいなスーパー武将はどこかで制限が必要になって来るという事だと思うぞ。」
逆沢「・・・うーん、うまく誤魔化されたような・・・・。そもそも2回攻撃なんてややこしいルールがなければ、私の使い勝手はもっともっと良くなっていたと思うのに・・・。」
鼎「何でウチはBみたいな、複雑なルールにしたの?」
愛原「Aのルールの場合は、どんなユニットも攻撃回数は一律同じで、1ターン1回だ。つまり単純に攻撃力の高いユニット程強く、防御力やHPの高いユニット程強くなる。つまり騎兵のように強くて堅くて足も早いユニットが無制限に有利になり、歩兵などは騎兵の劣化ユニットという事になりかねない。Aで歩兵を優遇しようと思えば、例えば斜めも攻撃可能にして攻撃範囲を広げたり、あるいは魔法戦士のような技能上手にしたり、有利になる地形を増やすなり、プラスアルファが必要だ。あるいは逆の発想で、騎兵に移動制限をつけたり、騎兵の防御力や命中率などを低くしたり、あるいは三すくみなどを作って弱点を加えるとか、とにかく騎兵を弱くする工夫が必要になる。」
鼎「ウチの場合は、騎兵は魔砲兵の魔砲攻撃に弱くなってるよね。」
愛原「ウチがBを採用したのは、突撃兵や傭兵のようなユニットに、プラスアルファをつけたかったというのが理由の一つ。特に魔砲兵や輜重兵のような攻撃速度(部隊機動力)の低いユニットに対しては、絶対的な相性の良さがある為、騎兵の一撃以上に頼りになるはずだ。あと装甲兵の攻撃速度(部隊機動力)にも注目して欲しい。」
鼎「ほえっ? なんか特徴でもあるの?」
愛原「実は装甲兵は守り重視という事で、かなり微妙な攻撃速度(部隊機動力)に設定されている。攻撃速度(部隊機動力)が高すぎれば、2回攻撃を積極的に狙うような攻撃重視型になってしまうし、低すぎれば2回攻撃の餌食になりかねないからだ。実は装甲兵は防御力が高いのみならず、攻撃力もそこそこ高く、命中率に至っては確か全兵科中1位だったと思う。どこぞの固いだけで鈍重で使えない壁キャラと違って、迎撃性能はピカイチだ。足も遅い為、攻撃面はイマイチだが、レベルの高い装甲兵に壁になられると、相手としてはかなり厄介な事になる。」
逆沢「今にして思うと、寺島さんって、かなり越中で手を抜いてた気がするわね。用兵修正7レベルの傭兵や装甲兵を、ゴール地点間際に置いていたら、もっとプレイヤーを苦しめられたかも知れないのに。」
愛原「・・・・・・。」
鼎「あとSRPGツクールでは無理な仕様だけど、Cみたいなタイプのゲームもあるよね。」
愛原「Cは、@からBのゲームとかなり違うゲームになる可能性がある。というのも先手必勝の一撃で敵をしとめれば、攻撃側が必ず無傷で済む@〜Bと異なり、Cの場合は、攻撃側もダメージを受ける事が前提になるからだ。つまり力の弱いユニットが力の強いユニットに攻撃を仕掛けると、仕掛けた側の被害の方が例外なく大きくなるシステムという事になる。このタイプのゲームは、HP=兵士数で、HPが攻撃力や防御力にも比例する傾向が強く、要するに物量第一主義の戦争SLGゲームで、最も多く見られるシステムだな。」
逆沢「まぁ、弓とかによる遠隔攻撃でもない限り、攻撃を仕掛ければ必ず反撃を受けるというのは、中世以前の白兵戦システムとしては極めて普通だしね。」
鼎「もしもSRPGツクールでCのシステムも導入可能だったら、導入してた?」
愛原「当然、真剣に検討はしていたな。無論、Cのシステムの場合は、@〜B以上に、前衛がダメージを蓄積させ易いシステムになるので、それなりに前衛の打たれ強さを高めないと、そのままではゲームにならないかもな。あるいは出撃ユニット数が15ユニット以上にもできるなら、物量で押し潰すシステムとして作り上げるか・・・、いずれにしても一からゲームシステムを考え直す必要があるだろうな。」
逆沢「反撃の程度によって、前衛の価値とか、打たれ強さとか、色んな要素が変わって来るもんね。」
愛原「反撃という概念がないゲームの場合は、【前衛=攻撃力が高い】という公式は、必ずしも必要ない。極端な話、前衛はただ堅いだけで、攻撃は遠距離攻撃可能な後衛に任せきるというのも、一つの有力な手段。逆にCのように反撃必須なゲームの場合は、攻撃力と防御力のいずれかが低いユニットに前衛を任せると、最終的に打ち負ける可能性が高い。とかいって後衛ユニットの性能が高すぎると、前衛が役立たずになってしまう為、Cタイプのゲームは、総じて後衛の使い勝手は弱くなっている。」
逆沢「確かにCタイプのゲームの弓兵部隊とかは、攻撃力とか命中率とか防御力とか、色んな部分で前衛より劣りまくっていて、所詮支援程度にしかならないようなゲームが多いわね。」
愛原「@ABC、いずれのゲームシステムを導入するかによって、当然ゲームスタイルは異なる。集団戦争ゲームらしく物量の重要性を前面に出したいなら、Cもいいだろう。ゲーム的な戦術も重視したいなら、それぞれの志向に応じて@なりAなりBなり選べばよい。中でも@は、ユニット別ターン制ゲームで最も相性が良さそうだ。逆にBは、ルールの複雑さもあって、勢力別ターン制ゲーム向きかな? 初心者をターゲットにするなら、Bは向かないと思う。あとAは最もメジャーだが、実は最もパワーゲームになりやすい。@程には先手必勝の原則が絶対的でもなく、B程戦術的な複雑さもなく、その代わり、ユニットの性能が単純に表面に出てくるからだ。」
鼎「でもパワーゲームになり易いって事は、いわゆる勧善懲悪な少年漫画型のヒーローものには打ってつけだと思うよ。単純に攻撃力とかHPとか防御力とかが高いユニットが目立つし。」
愛原「@ABC、それぞれに長所がある。SRPGツクール製のゲームでは、@ABの三種があるので、色々と遊んでみてはとも思うぞ。」