トップページに戻る


愛原様のたわごと(07年08月24日)




愛原「前回、セーブ&ロードの話をしたが、ウチのゲームも、御多分に漏れず、セーブ&ロード推奨というのが、世間一般の評価らしい。」

逆沢「てか、SRPG自体、セーブ&ロード推奨ジャンルだしねぇー。作者も他のゲームをプレイする立場だったら、セーブ&ロードは多用したりするクチじゃない?」

愛原「いわゆるキャラゲータイプのSRPGで、なおかつ【ユニット壊滅=死亡扱い】のゲームの場合は、確かに味方ユニットが死亡する度にリロードするクチだな。あと大戦略のような、作者から見て難易度が高めのゲームの場合、セーブ頻度はやはり高くなる。いわゆるヌルゲーマーだからな。」

鼎「ウチのゲームは、ヌルゲーマー仕様かな?」

愛原「作者自身がテストプレイの基準値である以上、パズル級難易度にはなり得ない。もっともはるか昔のたわごとコーナーで触れたとおり、初心者向きになるだけ近づけるよう心がけているのもある。上級プレイヤーは、縛りプレイややりこみプレイをする事でいくらでも自発的に難易度を高められるが、その逆は困難な以上、初心者向きを基準にするのは、いたって当然の配慮というスタンスだ。」

逆沢「アンケートではどんな反応?」

愛原「【難易度が高すぎる】にチェックにあったのが、約8%。【難易度が低すぎる】にチェックがあったのが、約6%。【セーブ&ロードは割とよくやる】にチェックがあったのが約73%で、これは質問2でトップの反応だったりする。」

鼎「セーブ&ロードを駆使すれば、適度の難易度って事かなぁ?」

逆沢「それ、全然駄目じゃん♪」

愛原「・・・・・。うーん、まぁそう言われると身も蓋も無いが、ただ逆説的な言い方をするならば、セーブ&ロードを殆ど駆使する必要のないSRPGってのは、どのくらいの難易度にすればいいのだ?」

鼎「難易度だけの問題じゃないよ。リスク管理の問題だよ。」

逆沢「おっ! 言うねえ嬢ちゃん。で、そのココロは?」

鼎「例えば、ユニットが壊滅すると死亡扱いになるシステムだと、ユニット壊滅時のリスクが大きすぎるから、どうしてもそうなる度にロードってなったりするんだと思うよ。あと確率を多用するゲームも、ロードする度に状況が好転するチャンスがあるから、やっぱりロードを多用し易くなるんだと思うよ。」

逆沢「おお、なる程! とするとユニットが1体や2体壊滅しても、さほど全体の戦況に響かないようなユニットバランスにして、死亡扱いにもせず、確率要素も少なめにすれば、セーブ&ロードの使用頻度も下げられるって訳ね!」

愛原「・・・まぁ、それはそうなんだろうな。特に確率という要素が、セーブ&ロードの多用を誘引させているきらいはあるかも知れん。という訳で、今回のテーマは【確率】だ。」

逆沢「ウチのゲームで、最も確率が大きく関わってくるのは、混乱技能が効くか効かないかって部分にありそうだけど、これは当たっているかな?」

鼎「しつもーん! 工作兵による混乱の成功率は、どのくらいー?」

愛原「地形効果0、総大将用兵修正5同士、1レベル無名部隊同士に関してみれば、こんな感じだ。」

工作兵
傭兵
歩兵
陸獣兵
弩兵
愛国兵
空獣兵
水軍兵
水獣兵
突撃兵
人民兵
親衛騎士 雑兵 騎兵 輜重兵 装甲騎兵 魔砲兵 装甲兵 機械兵
42% 48% 51% 54% 55% 57% 58% 59% 62% 63% 65% 68%


逆沢「大体、5分5分という事か。まぁ大体、そんなものだと思ってたんだけどね。」

愛原「ちなみに混乱に限らず、虚報・地計・火計のいずれも、確率としては同じだ。」

鼎「でもこれって、1レベルの無名部隊長相手の場合の確率だよね。例えば黒藤さんや武内さんに対してだと、確率は全然違うよね。」

愛原「黒藤や武内って、モロ工作兵担当将軍じゃねえか? そんな奴らに混乱を成功させられる確率など、殆どないぞ。一応、数値を上げておくと、上記と同条件(但しレベルは13とする)の場合は、黒藤に対しては27%、武内に至っては18%しかないぞ。」

鼎「とすると例えば、平地にいる武内さんに、上の条件で工作兵が3隊がかりで混乱を決めようと思っても、成功率は約45%。4隊がかりでようやく55%で過半数。すごい厳しい確率だよね。」

逆沢「魔方陣や塔要塞にいると回避率に25%の修正がつくから、黒藤や武内にそういうところに篭られると、1レベル工作兵程度では殆どお手上げって訳ね。」

鼎「それでセーブ&ロードに頼っちゃうって事かなぁ?」

愛原「厳密には、味方のユニットもレベルアップしてるはずだし、地形効果も利用できるし、総大将用兵修正の恩恵もあるはずだから、上記の基本確率よりは高いけどな。例えば7レベルの武内が混乱を成功させられる確率は、1レベル無名工作兵よりも10%は高い。13レベルならさらに約5%くらいは高くなると思われる。味方としての将軍ユニットは、間違いなくかなり使える。」

逆沢「でもその分、敵に回ったらかなり厄介と。」

鼎「越中の寺島さんなんかは、こちらの部隊にどんどん大混乱や伏兵を放ってくるもんね。」

愛原「13レベルの寺島は、7レベルの武内と同等の命中率で、大混乱や伏兵を仕掛けてくるぞ。弩兵担当将軍のくせに、とんでもない奴だ。」

逆沢「ここで提案! この際、確率なんて概念はやめて、混乱とか火計の成功率を100%にしちゃうのはどう?」

愛原「混乱の成功率を100%にした場合は、かなりプレイヤー有利になるな。COMはそんなに頭が良くないから効果的な混乱使用相手を選択できないが、プレイヤーはそうじゃないからな。あと黒藤など一部のキャラを混乱が絶対に効かない仕様に変更にしておかないと、難易度が暴落しそうだ。」

鼎「【〜が絶対に効かない仕様】ってのは、プレイヤーにとってすごく分かりにくい事もあるよね。」

愛原「作者の心理として、ボスキャラとかにあっさりスリープ系やデス系が決まると困るというのは、すごく理解できる。ただ作者だけが知っている【〜が絶対に効かない仕様】ってのは、個人的にはあまり好きじゃない。【特定の攻撃に弱い仕様】なんかもそうだが、こういうのをマスクデータ形式でやられるのは、出来る事なら多用しないで欲しいとも思う。作者的にはニヤニヤできる仕様かも知れんがな。」

鼎「ウチの場合は、精鋭なんとか隊というのを率いている将軍の部隊が、その【〜が絶対に効かない仕様】って奴だよね。」

逆沢「で、騎兵とか獣兵とかが【特定の攻撃に弱い仕様】がある兵科ね。」

愛原「どっちも事前に断ってるし、マニュアルにも載せてあるから、別に隠し要素でも何でもないぞ。」

逆沢「まぁ、そういう【〜が絶対に効かない仕様】とか、そういうのを乱発さえしなければ、確率100%ってのは、やはりプレイヤー有利って事ね。」

鼎「でも火計成功率100%ってのは、敵に回したら怖いと思うよー。黒藤軍や大神軍の場合は【火計+神速】で2連続火計が可能だし、ウチでも私と大久保さんが2人とも火計持ってるから・・・。」

逆沢「2連続火計!! そんなもの使われたら、騎兵部隊壊滅ものじゃない!!!」

愛原「火計などのダメージ系計技能の成功率を100%にする場合は、ダメージ量を下げるなり、消費技能値を増やすなり、何らかの大幅な修正措置を施さないと駄目だろうな。例えば魔砲兵の魔砲斉射攻撃や特攻兵の特攻自爆攻撃なんかは、ほぼ100%の成功率を誇るが、どちらもペナルティーがあるから、それでもバランスが取れている。魔砲兵なら足が遅く、特攻兵なら【防御力が紙&使うと自部隊も消滅】という大ペナルティーがあるからな。」

鼎「でも、そういう修正を施す事で、戦術マップで確率という概念を廃せる可能性はあるんだよね。」

愛原「確率という概念を廃した場合、ほぼ純粋なパズルゲームになるぞ。あと確率というのは、単に技能の命中率だけでなく、工作兵の回避率とかの要素とかもあるしな。それに確率というのは【プレイヤー救済】の意味合いもあって、これが無くなると、詰まったけどかなり前からやり直すのがキツいプレイヤーにはこたえると意見もなくはないと思う。」

逆沢「プレイヤー救済か。まぁ、そういう考えもあるかもね。」

鼎「ウチのゲームって、戦術モードだけでなくて、戦略モードとかも含めて、すごく確率を重視しているけど、これって何か理由があるの?」

愛原「これは作者の趣味的な理由もある。例えばお前は偶然とか運命というものを信じるか?」

鼎「よく分かんな〜い。でも世の中の事は全て論理や科学で説明できるという人とか、この世の出来事は実は未来まで全て決められているという人もいるよね。」

愛原「その辺の理屈は、俺にも分からない。だが現実として、明日の天気を完全に予知するのは、今の我々には絶対には不可能だし、いかなる目の前の人間の行動も完全に予測し、打ち倒したり意のままに操る事もまず不可能だと思う。つまり世の中の出来事が運命なり科学なりで全て固定されていると仮定しようがしまいが、現実の人間にそれを完全に読み取る能力がない以上、世の中に100%というのは存在しないとしか言いようがない。明日の天気も、人の心理も、完全に読めない者がどんなに智将ぶったところで、100%未来を予知し、それを成功させるという事はありえない。いや、仮に100%だったとしても、それは幸運なり偶然なりという要素が多くを占めると思う。つまり未来をなるべく固定化させたくないというのが、作者の密かな持論。作者が確率をゲームに盛り込むのを好むのは、そういう個人的な趣味による事情もある。」

鼎「でもゲームという媒体自体は、まず必然として固定された土台なりがあって、それに派生する形で分岐とかランダムとかがあるから、現実世界とは逆だよね。」

逆沢「現実世界は、不確定の未来とか、未知なる法則を、あらゆる知識や経験を動員することで、少しでも確実なものに近づけようとする世界だけど、ゲーム内の世界は、システムとして確定された展開に、どう作者が人為的な手を加える事で、広がりを持たせられるかという世界だから、本当に正反対よね。」

愛原「小説などは、ゲームブックとかでもない限り、当然ながら分岐もランダムもなく、確定されたエンディングを迎える。ゲーム内の世界でもビジュアルノベル系などでは、特にその傾向が強いが、SLG系では比較的、過程や結末に差が出るものもある。ウチも一応、SLGを気取っているから、あの手この手で未来に幅を持たせているつもり。」

鼎「でも実際には、確率の幅とかの配分とかが難しいよね。」

愛原「そうだな。リアリティーという問題もあれば、ゲームバランスという問題もあるし、ゲーム的な面白さという問題もあるからな。一例をあげれば、基金命令書を使用する経済振興イベントは、成功確率が高いか、もしくは成功時のメリットが大きく設定されている。さもないとわざわざ高価な基金命令書を使用するメリットがなくなり、ゲーム的な存在価値がなくなるからだ。確率というのは、不確定の未来を演出する効果的な手段であると同時に、思わぬ幸運を得る機会でもあると考えている。」

鼎「ウチのゲームでいえば、レベルアップ時に用兵パラメータが上昇した時なんか、すごくラッキーって思えるかなぁ?」

愛原「確率10%だからな。0%にしても良かったのだが、ちょっとしたラッキーイベントの一環という事で。まぁセーブ&ロードを苦にしないプレイヤーに対してなら、ちょっとした救済措置の一つにもなりえるかも知れん。」

逆沢「逆に20レベルユニットを、大門司軍の計略イベントでいきなり消されたりとか、とんでもないアンラッキーイベントも低確率で起こるけどね。」

愛原「相手の部隊ユニットを消すイベントは、COM黒藤軍相手に使用される分には、ラッキーと思えるかも知れんが、自分が黒藤軍の立場ならかなりつらいかもな。大門司軍と常時敵対関係にある婆娑羅軍か黒藤軍でプレイする際には、かなり警戒する必要がある。まぁ何にしろ、アンラッキーイベントは、ラッキーイベント以上に取り扱いが難しいかも知れん。」

逆沢「黒藤編でプレイすれば、山ほどのバッドイベントにぶつかるけどね。」

愛原「黒藤編や大神編の場合は、いわゆるバッドイベントが起きるのが普通の状態だ。」

鼎「用兵パラメータの上昇がラッキーイベントとしての位置づけなら、黒藤さんや武内さんランクの相手に混乱が決まるのも、ラッキーイベント程度のシロモノって考えた方がいいって事かなー?」

愛原「プレイヤー側の努力でかなり確率は上昇するので、ラッキーイベントとまではいかないが、まず混乱を成功させる事が前提の難易度設計にはなっていない。大体、黒藤の攻撃で怖いのは地計くらいだし、その一撃に耐えられるユニットがメインなら、そんなに問題はないと思うしな。武内相手の場合も、平地に誘い出して袋叩きにしたり、あるいは逆に技能値が無くなるまで待つのも一つの方法。まぁ那珂田級の敵が相手なら、混乱を事前に決められないとかなり厳しいだろうがな。敵将を混乱させるのは基本戦術そのものだが、事前に絶対に混乱させないとならないというシロモノでもない・・・と思いたい。」

逆沢「まぁ確率は確率だし、絶対成功させないと攻略できないというんじゃ、ただの運試しゲームになっちゃうもんね。」

愛原「世の中に絶対はなくとも、限りなく100%に近い事実とか真実というのはいくつでも存在すると思う。例えば仮に100%により近い確率で相手を混乱させたければ、混乱技能を持つ部隊を多くしたり、自軍部隊のレベルを上げたり、双方のモチベーションに注意したり、色々工夫する方法はある。どうやっても人知の及ばない不幸な事象が発生する時も多いが、自力で確率を良く出来る範囲では、少しでも確率が高まるように布石を打つ。そういう思考もあっていいと思うぞ。」










トップページに戻る