トップページに戻る


愛原様のたわごと(07年09月08日)




鼎「久々にアンケートを更新したねー!」

逆沢「ようやく、質問5のパラメータ部分にも手をつけたわけね。」

愛原「本当はもっともっと早く公開に踏み切りたかったんだが、標本数がいかんせんもう少し欲しかったからな。」

逆沢「で、ようやく一定数たまったと!」

愛原「いや、標本数の伸びが落ち着いてしまったから・・・。」

鼎「だったらもっとアンケート状況の部分も頻繁に更新して変化が見て取れるようにするとか、あと新規のお客さんも獲得しないと駄目だと思うよ!」

逆沢「宣伝してないからねぇー。」

愛原「どういう理由か分からんが、フリーゲーム宣伝サイトの多くは、宣伝したゲームの詳細部分を手軽に修正なり削除できるのかどうかよく分からないサイトが多そうだからな。いちいちメールとか送らないと駄目なサイトはイヤだし、反応が遅そうなサイトも困る。あと登録時に個人情報をやたら書き込ませるようなサイトとかもな。まぁいい宣伝サイトがあったら教えて欲しいが、荒れる事もなく優良なプレイヤーに恵まれている現状に満足しているというのもあるので、まぁその辺は気長にな。」

鼎「でも平均値で90台が取れる人がいるなんて、すごいよね!」

逆沢「誰か1人が90台をつけてくれるのなら、1回だけテストで90点以上取るようなものだから、まぁ狙えない事もない人もそれなりにいるだろうけど、平均値で90台というのは、1年間平均で90点以上テストで取るようなものだもんねぇー。辰巳も大神も那珂田も、本当に圧巻の一言ね。」

愛原「お前が武力90台の奴を褒めちぎると、すごく引っかかるものがあるんだが・・・。」

鼎「逆沢ちゃん、3票ないから、そもそも評価外だもんね!」

逆沢「・・・くっ!!」

愛原「人気投票とはあくまで違うみたいだから、気にすんな。今はまだ中間発表以下の段階だし、そもそも大門司軍の強豪どもがそろって評価外だからな。」

逆沢「そもそもこの質問5の企画って、一体何なのよ! 素直に一言コメント専用にしてても良かったと思うけど?」

愛原「だからほんのお遊びイベントだって。ちょうどこのアンケートを作った頃、たまたま某所で政治家を能力値評価するスレなるものを見つけてだな。で、思わず触発されて、この項目を作ったって訳だ。」

逆沢「って事は、あの人達がモデルっぽいヒデブ派5隊長の評価辺りも、作者的には要チェックって訳ね。」

愛原「まぁ・・・気にはなるな。完全想定外のキング様すら、有難い事に個性的な評価をいただけた事だしな。」

鼎「でもゲーム的には、ヒデブ派5隊長って悪役だよね。」

逆沢「本当に、やたら悪役の多いゲームね。しかも色んな悪役を取り揃えておりますって言わんばかりに、やたら個性派ばかりだし♪」

愛原「では今回は、【悪役】をテーマに語る事にしよう!」

鼎「よくあるRPGとかでは、大量殺人を是としてたり、残虐非道というのが悪役の基本パターンだよね。」

逆沢「時代劇とかでは、賄賂を受け取ったり、利権がらみの悪役が多そうね。」

鼎「学園ものとか、日常ネタ中心の展開の中では、人を見下すイヤミなキャラクターとかがライバル役とか悪役になる事が多いよね。」

愛原「それらは、まさしく悪役のテンプレートそのものだな。何が悪かどうかの哲学的な話は置いておくとしても、要するに上記の悪事は、いずれも直接・あるいは間接的に人を傷つける行為だからな。」

鼎「ウチのゲームの場合は、政治経済と軍事が大きな柱となってる事もあるからか、いわゆる戦争犯罪と政治的(あるいは社会的)不正行為にまつわる悪事が多く登場するよね。」

愛原「その通り。ちなみに悪役を構成する要素としては、先の指摘のような例に代表される【悪事と呼べる行為を成す】事の他に、【悪事を成す動機】の設定がある事が望まれる。あと【その悪役に対する他者から見た評価】みたいなものがあるとなお深みが出来て良いかも知れん。」

鼎「ほえっ??」

愛原「一口で一気に言うよりも、具体例を出す方が良さそうだな。という訳で本作で明らかに悪役と思われるヒデブ派5隊長と、黒藤軍の略奪4人組をサンプルに出して、色々分析してみよう。」

鼎「じゃあ、とりあえずヒデブ派5隊長のリーダーでもあるイエローさんから始めよ!」

逆沢「イエローといえば、確か黒藤から【失言の魔神】というホーリーネームを授かってたわね。なんとなく乱暴な力馬鹿って印象かな?」

鼎「宮田編と婆娑羅編で第21部隊をゲットするイベントで、すごい悪役ぶりを発揮してたよね! 失言の魔神というよりは暴言の魔神って思えるくらいの・・・」

逆沢「赤竜編では、味方に見放される形で無残な最期を迎えているくらいだから、あまり人望はなさそうな感じはするけどね。」

鼎「でも茅野さんの事前の評価だと部下をまとめる力はあるらしいし、実際に仲間から見放された後も、一部の部下が最期までイエローさんに付き従ってくれて、実際に最期までイエローさんと一緒に戦ってくれたシーンもあるくらいだし、直属の部下からの人望は厚かったのかなぁ?」

愛原「赤竜編でプレイすればイエローの人となりがある程度把握できると思うが、部下の為に餅代とか氷代と称す、いわゆる資金援助行為もきちんと行うなど、間違いなくイエローは直属の部下に対する面倒見はかなり良い。また日頃お世話になっている地元の人への恩返しのつもりか、北狄編では整備幹線道路とかいう公共工事を地元に配分してやろうというシーンも存在する。だがそういった自分に近い人間以外に対する対応は最悪だ。鼎が触れた通り、第21部隊入手関連イベントで、特にその暴虐ぶりは発揮される事になる。黒藤軍によって溺死させられようと、全く気にとめる事はないし、いわゆる親密な人間以外の人間は、虫クズ程度にしか思わないタイプ。北狄の一般民衆が戦火に包まれることになろうと、国家財政をどんなに悪化させようとも、全く気にならない。」

逆沢「たとえるなら、極悪ヤクザの兄貴分タイプかな? 麻薬もばら撒くし、カタギに対しても悪さし放題だけど、部下思いではあるという・・・。」

鼎「でもレッドやピンクには最期に裏切られているし、部下の全てがイエローさんに心服しているみたいではなさそうだね。」

愛原「イエローに最期まで付き従うような部下は、義理堅く実直だけが取りえのような奴だけ。レッドのような野心家やピンクのような保身第一主義者や、日ごろのイエローの一般人に対する暴虐行為にウンザリ来ているような部下などは、まず彼と最期を共にしたいなどとは思わないはずだ。」

逆沢「じゃあ次に人気ワースト候補のレッドについて!」

愛原「レッドはイエローに最も近いタイプだな。但し、イエローのような力馬鹿タイプではなく、知性もそれなりにはあるが、それだけに他者が鼻白むような冷酷非道な振る舞いをよくやらかす。血筋が良い事を鼻にかけ、それだけに上昇志向が極めて強い。自分こそが人の上に立って当然という意識が強く、当然ながら一軍人で一生を終えるつもりなど毛頭ない。血筋という要素も含めて自分の存在価値を絶対的なものと思い込んでいる為、上司だろうと昔年の同僚だろうと、一般民衆だろうと、利用できるものは何でも利用しようとし、邪魔と思えば躊躇なく排除できる。婆娑羅編では祖国だって躊躇なく消してしまう程だ。」

鼎「すごい自信家だよね。赤竜編では、赤竜軍なんて自分が前線に出たら余裕で蹴散らせると言わんばかりだったし。」

逆沢「自分が一番偉いと思っているから、たとえ自分が最高責任者である時の選挙で歴史的大敗をしても、今の職に飽きるまでは絶対に自分からは辞めるといいそうにないタイプね。」

愛原「・・・・今、一瞬、リアルの世界と混同してしまいそうになったではないか・・・。話を戻す為に、次はピンクの分析に移るとするか?」

鼎「ピンクさんは、裏切りの名人だよね。」

逆沢「自分が可愛くない人間なんて普通じゃないと思うし、保身行為自体は責められる行為じゃないと思うんだけどね。」

愛原「裏切りは許さないなんていうのは、裏社会の人間にとって最も都合のいいルールでしかないし、一歩間違えれば池田が好む【生きて虜囚の辱めを受けず】思想にもつながりかねない。黒藤編でプレイすれば【内部告発は世界を救う】というエンディングもあるし、今いる組織がひどい組織と思うなら、それに対して反旗を翻す事自体は、決して非難されるべき振る舞いではない。」

逆沢「でもピンクの場合は、どちらに与するのが倫理的にまっとうとか、そういうのは関係なくて、単純に強い者に媚びるって感じでしょ。しかも恩人でも平気で見捨てて、罪も平気で他人になすりつけるような性格だし。コイツ、半分以上のシナリオで【俺は悪くないんだ。○○が全部悪いんだーっ!】みたいな事を言ってるような気すらするし。」

鼎「赤竜編で見られるイエローさんを見捨てるイベント辺りの立ち回りはすご過ぎるよね。後で弁明させられるシーンでも、全責任をレッドさんと一緒になってイエローさんになすり付けようと必死だったし。」

逆沢「しかも必死で黒藤軍に媚びていながら、隙を見て今度は、自分の持つ情報とかを全部教えて全力で尽くす事を手土産に赤竜軍にさっさと降ってしまうし。」

鼎「でも結局、最後まで生き残っちゃうんだから、生き残り術は本物だよね。イエローさんもブラックさんもレッドさんも、みんな途中で死んじゃうのに、気がついたら何気に勝ち組だしね。」

愛原「ピンクは決して、冷徹なキレ者という訳ではない。むしろちょっとした事で動揺するような小心者だし、そのくせ愛人作ったり、利権団体の為に便宜を図ったり、自らの保身と欲望の為にはなりふり構う事もない。まさしく【卑しの魔神】の名に恥じず、タイプ的には長光に近いかも知れない。でも知性とは別種のある種の勘みたいなものがあり、危険を素早く察知しては、恥も掻き捨てて直ちに行動できるパワーを持っている。ただ根が小心者なので、宮田編では自ら(及び息子)の保身の為に、レッドが仕組んだ計画をあっさり宮田軍にばらしてしまったりもするんだけどな。」

逆沢「イエローとレッドとピンクは、アンケートでも上位に来るホンモノのワルって感じだけど、ブラックとホワイトはちょっとだけタイプが違う気がしなくもないけど、この辺はどうなの?」

愛原「ブラックとホワイトは悪役には違いないが、確かに他の3人とは違う。そしてブラックとホワイトとの間でも実は180度、悪役としてのベクトルが正反対だったりする。まずはブラックの悪事から見てみよう。」

鼎「でも私、ブラックさんの悪事イベントって、記憶ないよー!」

愛原「確かにブラックは北狄編のオープニングでも語られるとおり、5人の中で最も触犯行為に縁遠い人物だ。ブラックが他の4人の悪事にブレーキをかけるシーンも多少はあるくらいだしな。但し【男は黒ヒョウ】という独特の価値観を持っているのが唯一最大の問題点。特に黒藤編でとある都市で略奪すると、イエローらと一緒になって、レイパーとして大暴れするイベントが見られる。ブラックが積極的に悪事に加担する、ほぼ唯一といっていい程、貴重なイベントだ。」

鼎「一国の幹部としても、一人の人間としても、そんなに悪い人間ではないかも知れないけど、性癖に問題があるタイプって事なぁ?」

愛原「性癖なのか、信念なのかは知らんけどな。ただイエロー達のような分かりやすい悪役と異なり、ブラックの場合は、性倫理に問題点があるのを除けば、基本的に悪役とまでは断定しきれない。吉武に一番近いタイプかも知れないな。」

逆沢「女性の敵ってだけで、悪人に決まってるでしょうが!!」

愛原「俺達男性陣から見れば、身内に累が及ばない限りは人畜無害だけどな。むしろヒデブ派の暴走にブレーキをかけられるナイスガイといえるかも知れん。打倒黒藤軍を目指す俺達にとって、黒藤軍に媚びて悪さし放題のヒデブ派内で唯一の良識派ともいえる奴の存在は、むしろ期待できる部分すらある。実は黒藤編でプレイして、とあるバッドエンディングに入ると、このブラックが北狄で黒藤軍からの独立を目指して蜂起するイベントすら起こしてくれるからな。基本は悪い奴じゃないんだ。」

逆沢「でも女性の敵!!」

愛原「少子化対策にもなっていいんじゃないか?」

逆沢「あんた、殺されたい?」

愛原「・・・ごめんなさい。言い過ぎました。という訳で次はホワイトな。」

鼎「ホワイトさんって、すごく微妙な位置にいるキャラクターだよね。善玉キャラとは思えないけど、イエローさんやレッドさんのような分かりやすい悪役という程でもないし・・・。」

逆沢「でも確か茅野さんからの情報によると、ホワイトが改革を唱えると、それだけで改善か改悪かの中身も殆ど論議されることもなく、民衆は彼を支持してしまうと言われている程の人気者らしいわね。私はすごく胡散臭い奴だと思うけど。」

愛原「ホワイトは、作者的にはヒデブ派5隊長の中で最もこだわりのあるキャラクターだ。プレイヤーに上手く伝わったかどうかは分からないが、一応【信念を貫く颯爽とした紳士としての外面と、邪悪な愉快犯としての内面を併せ持つキャラクター】として設計されている。外面に関しては、銀河英雄伝説のヨブ=トリューニヒトみたいなイメージかな?」

鼎「ヨブ=トリューニヒトってキャラクターは確か、軍需産業を中心とした利権団体と強く癒着し、巧みな政治的手腕と判断力で、若くして国家元首の地位につき、外国の侵略で本土を脅かされるまで磐石の政治的支配体制を維持し続けた人物だよね。実は典型的な亡国政治家だけど、甘いマスクと巧言令色に満ちた演説で、巧みに民衆を扇動する事で高い支持を保ち続けたとかいう・・・。」

逆沢「設定ではそうなんだけど、実際は主人公キャラクターであるラインハルトとヤンには、そろって毛嫌いされ、ついでにラインハルトの重臣のほぼ全員と、ヤン軍閥の主要キャラクター全員に嫌われまくっているから、読者的にも一発で、こいつはワルだなって分かるんだけどね。」

愛原「ホワイトはその点だけは違うんだ。ぶっちゃけていえば、特定のキャラクターが特にホワイトを毛嫌いしているという設定はない。ヒデブ派の一員として嫌われてはいても、ヒデブ派5隊長の中で特にホワイトが嫌いというキャラクターは存在しない。作者的にも、ホワイトが他の4人と比べて特に目だって邪悪だというような演出方法はしていない。ていうか狙って避けてみた。ホワイトの邪悪さは、勘のいいプレイヤーか、やりこみプレイヤーじゃないとおそらく分からない。」

鼎「本当は邪悪なの?」

愛原「極めて狡猾な愉快犯。例えるなら、自分自身の手を汚す事無く、他人を利用して悪事を成し、おいしい所だけはちゃんと持っていくタイプ。しかも庶民は彼を立派な人間として讃えてる感じ。しかし例えば、さっき何度も触れたイエローを見捨てるシーンだが、これを最初にけしかけたのは実はホワイトだ。よくテキストを読み直せば分かるが、ホワイトの一言がきっかけで誰か一人捨てようという話になり、イエローが抵抗した時にここぞの場面でイエローを捨てる事を皆に決定付けさせる名セリフを吐き、最後には【時間がない。いくぞ!】といって、仲間に最終決断を促した。その後、黒藤相手に弁明する場面でも、要所となるセリフはホワイトが抑えている。えげつない行動や言動をする役目は全てレッドとピンクが引き受けた為、プレイヤーを含めた他者の非難は全てレッドとピンクに浴びせられる形になってるが、元々は全てホワイトの描いたシナリオのままに進んでいるだけの話なのだ。」

鼎「そういや確か赤竜編で、赤竜軍が北狄に喧嘩を売るきっかけを作ったのは、殆どホワイトさんの挑発的な行動ばかりだったよね。」

逆沢「あ、そうか。開戦のきっかけはレッド関連のイベントだから、てっきりレッドが最大の戦犯かと思ったけど、よくよく考えたら不仲の原因を作ったのは、殆どホワイトだった気がするわね。」

鼎「でもどうして、ホワイトさんは、あんな意味のない挑発行為をしたのかなぁ?」

愛原「ホワイトの悪事は、ピンクの保身と利権、レッドの野望、イエローのわがままや好き勝手のような質に起因するものではない。最初に触れた通り、ズバリ愉快犯だ。先のシーンで黒藤や池田の前で弁明する際に、詰問されたあげく【言わずが花】と抜かして、池田に【我々をおちょくっているのか?!】とすごまれるシーンもあるが、こういう愉快犯が好むような茶化す行為を、ホワイトはたまにする。」

逆沢「でも外面はいいのよね。」

愛原「愉快犯ホワイトにとって、最大の愉快ごとは、愚民を手玉に取る事だ。ホワイトは黒藤から【弱者切り捨て政治】の推進を命じられているが、切り捨てられるはずの弱者本人が、彼のそんな政策を支持しているシーンなどを見ると、特に最高の喜びを感じる。【馬鹿な愚民どもめっ!】て腹の底で笑っている感じだな。」

逆沢「心理学的にみると、弱い立場の人間程、かえって人を見下したくなる欲望が強くて、それが特定の少数の人間や、見えない不特定の相手に対しての攻撃性とかにつながるらしいという話もあるけど、ニートとかワーキングプアの人にも、格差社会を推進したがる意見に与する人が意外に多いのは、自分は決して弱い立場じゃないと思い込みたがっている心理の裏返しなのかも知れないわね。他人を見下す若者たちとかいうのが、最近特に多いらしいし。」

鼎「そういや北狄編のオープニングで、ホワイトさんの為に過去に便宜を図ってくれた恩人の社長を小馬鹿にするシーンがあるけど、ホワイト隊長の為に便宜まで図ってくれた恩人の社長さんの事を、やっぱりホワイト隊長は内心で【愚かな奴だ】くらいにしか思わなかったのかなぁ。」

愛原「おそらくな。ちなみにホワイトはイエローやピンクと違い、自らの保身や野望の為に悪さをするという事は少なめ。そういう世俗的な欲望とは無縁で、先に触れたブラックら4人がレイパーと化すイベントでも、ホワイトだけはその宴に参加していないくらいだ。これは庶民に対する人気を維持する為にクリーンなイメージを守りたいという計算もあるだろうが、それ以上の問題として、ホワイトの愉快犯としての性質に起因する部分が大きい。ホワイトは性欲も野心もあまりなく、ただ愚民どもを騙したい。手玉に取りたい。そういう部分に倒錯した快感を感じる人間。北狄編で、ホワイトの地元に魔核力要塞船を置く計画に執心なのも、一番の理由は、愚民どもが追い詰められていくシーンに快感を覚えるから。しかも実は追い詰められている事に気づかず、ホワイトを彼らが信じ続けるというシチューエーションに、ホワイトは最高のエクスタシーを感じる。例えるなら【毒薬を良薬と偽って与え、相手はそれを良薬と信じて感謝して受け取り、そして相手はやがて病魔に犯され、それでも与えられた薬が実は毒薬である事に気づかず、最後までホワイトに感謝したまま死んでいく・・・】そんなシーンがひたすら見たくて、だからこそ人気を維持しながら悪事を行い続けるのだ。奴は。」

逆沢「・・・怖っ! 猟奇ものの世界ね。もはや。」

鼎「ホワイトさんって言えば、黒藤編のエンディングで最後にイエローを出し抜く形で北狄民族の王様に抜擢されるシーンもあるし、都合の悪い部分だけは【お前が私の後を継ぐのだ】とか言って丸投げしたり、すごく要領のいい所もあるよね。」

愛原「あくまで汚い部分には一切触れず、おいしい所だけを持っていくキャラだからな。ホワイトにとっては幸いなことに、イエローやレッドのような汚れ役を代わりに引き受けてくれる奴が何人もそばにいるから、安心しておいしい部分を持っていけるという事だ。中でも圧巻なのは、赤竜編でのラスト戦闘での立ち振る舞いだな。」

逆沢「うーんと確か、レッド隊長を護国戦士に変えちゃってたのかな? 合ってる?」

愛原「合ってる。詳細はあのマップで20ターンオーバーしてバッドイベントに入らないと体験できないイベント内での話だが、実は黒藤はレッドとホワイトを2人とも、オトリ要員に使う予定だったんだ。そして日頃から【ダークビショップ様のお言葉は全てに優先する】が口癖のホワイトが自分の命令に背くことはないと考えた黒藤は、レッド隊のみ護国戦士隊に変え、ホワイト隊はそのままでオトリ要員としての役割を果たすように命ずる。しかしはなからオトリ要員として人生を終える気もないホワイトは、戦闘開始後1ターン目にさっさと戦線離脱して、20ターンオーバー後、のうのうと黒藤の目の前に戻ってくる・・・。」

逆沢「確かその時、命令を破ったホワイトを池田が激しく詰問するんだけど、ホワイトは【この程度の公約違反は大したことない!】とかいって開き直っちゃうのよね。で、吉巻と吉武らにニセ伝令を飛ばして、自分が本来負うべきオトリ要員としての役割を無理やり2人に負わせて、そのまま吉巻と吉武は赤竜軍と一緒にドカン。で、ゲームオーバーだったかな?」

愛原「うむ。いつもならレッドらが汚れ役を引き受けてくれるのだが、その時点ではレッドもイエローもブラックも死亡済みで、ピンクは寝返り済みで、汚れ役が不在だったからな。いつもは汚れ役を嫌い、自分だけは常にカッコいい存在であり続けようとする男だが、いざとなればレッドにもイエローにも負けない悪行も起こせるぞ。」

鼎「・・・ホワイトさんって、そんなキャラクターだったんだ・・・。私、知らなかった・・・。」

愛原「婆娑羅編の最後のマップでも、仁保相手にひどい茶化したセリフを吐き、レッドが北狄本土を吹き飛ばした時も【レッドは痛みに耐えてよく頑張った。感動した!】とのたまうなど、愉快犯としての資質は相当のもんだぞ。赤竜編で見れる賽銭チャリンイベントも、あの時点で黒藤軍側が挑発活動を控えろと言ってたのを、ホワイトが無視して決行したくらいだから、ホワイトの黒藤軍に対する忠誠心は【ダークビショップ様のお言葉は全てに優先する】って言い続けている割には、高くない。むしろ愉快犯らしく、面白おかしい展開が起こる事の方に強い関心を持っている人物だ。それでもホワイトが黒藤軍を原則として一貫して支持しているのは、その方が自分から見て、面白おかしい体験ができるからという思惑があったからだろうな。」

鼎「こうして見ると、ヒデブ派5隊長の5人は、いつも一緒につるんでいるように見えても、実は腹の底の思いはバラバラだったのかも知れないね。」

愛原「そうだな。ここらで悪役としてのパターンを表にして整理してみようか?」


悪事を成す動機 主な悪事と呼べる行為 他者からの評価 あえていえる良い所
イエロー 信念・欲望から来る衝動がメイン。親しい人に対して、悪事を伴う形で恩返しを行うケースも多い。 一般兵・一般人に対する各種暴虐行為。人命軽視。女性蔑視の傾向が特に強い。良心の呵責もない。 身の回りの一部の利権団体や忠臣からの評価は極めて高い。が、その他一般からはすこぶる低く、敵国からの評価は勿論の事、黒藤軍の幹部やヒデブ派の同僚からの評価も、実は低い。 地元の支援者や、部下に対しての面倒見は良い。
レッド 野心・保身の為の手段としての行為がメイン。 特に内容を選ばない。目的のためなら大量破壊活動から罪のなすり付け行為まで、大小を問わずなんでもやる。良心の呵責もない。 一部、あべ信者と呼ばれる狂信的な支持者がいる模様。反面、彼の悪事の被害者など、別の一部からは強く敵視されている。そういった例外を除けば、ごく普通。ブラックと犬猿の仲。 向上心があり、信念が固い。
ピンク 保身がメインだが、刹那的な欲望に基づき、セコい悪事を行う事も多い。 背信行為がメイン。小心者なので、大それた悪事は苦手。セコい悪事に関しては、慢性的に常に行い続けている。 「卑しの魔神」の異名を得るなど、評価は全般としてイマイチ。 息子思い。良心の呵責はそれなりにある。
ブラック 特定の性倫理に基づく確信犯としての行為がメイン。 特定の性倫理に基づく悪事をチャンスがあれば行うが、逮捕されたりすると困るので、国内法に反する形では行わない。故に逮捕に至る可能性は低い。 ごく普通。レッドと犬猿の仲。 基本的には、5人の中で最も良識派に近い。
ホワイト 特定のシチュエーションに萌える愉快犯としての行為がメイン。 自分の名声を保ちながら、他人をそれとなく不幸にする事に最大の快感を覚える。自らが汚れ役となる事は好まず、他人の手で悪事を行い、おいしいところを持っていくのが得意技。良心の呵責もない。 北狄国内での民衆の支持は高い。同僚間や他国からの評価としては、ブラックらと同レベル。ダークビショップの意向に最も忠実な人物とも、割と広く信じられている。 外面を良いイメージで保つ為か、露骨な形での悪事は嫌う。
黒藤 保身・野心の為の手段としての行為がメインだが、愉快犯としての側面も強い。 あまり内容は選ばない方だが、自分に報いが跳ね返ってくるような事がないよう、悪事の実行に際しても注意を払う。費用対効果を重視する事も多い。良心の呵責もない。 教団信徒からは狂信的な支持を受けている。巧みな演説能力により、それなりのファンもおり、利権がらみの支持者も多数。反面、野党支持者や敵国関係者からは、悪の親玉として認知されている。 効率主義。現実主義者。
池田 特定の思想に基づく確信犯としての行為がメイン。 特に内容を選ばない。目的のためなら大量殺人活動から罪のなすり付け行為まで、大小を問わずなんでもやる。良心の呵責もない。 黒藤の腰巾着として、全般的な評価は国の内外を問わず、非常に低い。但し、黒藤軍No2という立場が幸いしてか、国内では彼に対して表立って反発する人は少ない。利権がらみの関係者とは持ちつ持たれつの関係。 なんだかんだ言っても、忠誠心は本物。信念も決して曲げない。
吉巻 戦争を効率的に勝ち抜こうとする信念に基づく行為がメイン。 敵将兵・敵国住民に対する各種残虐行為がメイン。 残虐行為の執行者として、全般的な評価はかなり悪い。但し、その用兵能力の高さと意外と冷静沈着な人柄、そして部下に対して極めて公平かつ適材適所を貫く姿勢から、その部下として配属された者は、いつの間にか彼に対する印象を改め、見直す者も多い。 冷静沈着。現実主義者。
長光 保身とお金儲けの為の手段としての行為がメイン。 略奪・人身売買から横領まで、金銭取得に関するあらゆる活動。・他人を儲けさせないとの動機から、その阻害活動を行う事もあるが、その際には放火という手段を好む。良心の呵責もない。 世間体を一切無視した、その無法な振る舞いぶりから、全般的な評価は最悪に近い。ただ自分に似たタイプの人間を見破る能力が高く、それらをいつの間にか部下に取り込む妙な得意技を持っている為か、それらとの関係はまずまず。 世間体に決してとらわれない。



鼎「へえー。長光って、そんな得意技があったんだー。」

愛原「江南で長光に略奪させたら、分かる。もっと言えば、江南で長光以外のキャラで略奪させた後、ロードして、長光で略奪させてみたら、その違いがなおよく分かる。暇なら試してみよう。ちょっとしたマイナーイベントの中に、ちょっとした特定キャラのエピソードとかが入ってる事もあるから、ま、参考までに。」

逆沢「こうして見ると、悪役といっても、色んなタイプがいる事が分かるわね。動機も人それぞれ。悪事の内容も人それぞれ。」

鼎「悪役でありながら、必ずしもみんなの嫌われ者じゃない人もいるしね。」

愛原「悪役=嫌われ者ではないからな。例えばキモオタとか腐女子などと形容されるキャラは、概して嫌われ者として登場する事が多いが、必ずしも悪党という訳ではない。逆も真なりなのは、上でもじっくり触れたところだな。」

逆沢「イエローや長光なんかは、プレイヤーからも世界の中の住民からも多く嫌われている典型的な悪役。でも黒藤やレッドみたいに、プレイヤーからは嫌われていても世界の中では一部で評価されてる人もいるし、ホワイトのように一部のプレイヤーまで巻き込んで錯覚させてしまう人もいるし、本当に評価は色々って感じね。」

愛原「このプレイヤーに錯覚させる技術というのは、特に考察する価値があると思うぞ。たとえば世界をどん底に突き落とした悪の美少女ロリキャラが、主人公によって改心させられたとする。この演出技術次第で、素直にハッピーエンドになる事もあるし、逆に大量殺人者をあっさり許すなよ!って事にもなる。冷静に考えれば、勿論後者だと俺は思うが、現実世界でもマスコミの報道次第で、同じような罪でも凶悪犯人として社会的に大々的に話題にされたあげく裁かれる人と、そうでない人でくっきりと分かれる事はあるからな。」

逆沢「昔、学歴詐称疑惑とかで話題になった時でも、民主党の古賀某は辞職に追い込まれて、自民党の原田某は殆どおとがめなかったとかのようなものかな?」

鼎「それを言ったら、役所側のミスで民主党の菅直人は党首の座を引き摺り下ろされたのに、未納三兄弟の麻生太郎総務大臣・中川昭一経済産業大臣・石破茂防衛庁長官の三人はおとがめなしとか(役職はいずれも当時)、松岡元農林大臣は数千万円の事務所費疑惑で散々追い込まれたのに、伊吹文明文科大臣や中川昭一元政調会長は数億の事務所疑惑が明らかにされながらおとがめなしとか、いっぱいあるよ!」

愛原「今回、同じヒデブ派5隊長でも、明らかに悪役くさいイエローやレッドと、ブラックやホワイトを演出上でも差をつけたのは、実験的な意味もあったんだが、なかなか興味深い結果になった。悪役として強調したければ、ヨブ=トリューニヒトのような外面の良いキャラも含めて、その悪人らしい部分をやはり露骨に作品上に出していき、それを裏付けるような客観的な描写や、他キャラクターから見た評価の後押しも必要だなって事が。」

鼎「今回のこのコーナー読んで、ヒデブ派5隊長への評価を改めたプレイヤーの人もいるかも知れないね。」

愛原「そうだな。イエローなんかはそのままだろうが、ホワイト辺りはかなり新たな印象を受けたプレイヤーもいるかも知れん。ブラックに対する評価は多分賛否両論・・・・」

逆沢「な、訳ないでしょ!! ホワイトは女性の敵ではないかも知れないけど庶民の敵! ブラックは庶民の敵じゃないかもしれないけど、女性の敵!」

鼎「でもパラメータ企画上は、ホワイト隊長辺りはかえって優遇されるかもね。という訳でヒデブ派キャラにも是非、愛の協力をお願いしまーす!」

逆沢「あと、私の分も(笑)!」






トップページに戻る