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愛原様のたわごと(07年10月20日)



愛原「今、国会で一番人気の話題は、テロ特措法の延長問題。ていうか今はシビリアンコントロールをないがしろにしかねないとも言われる問題の新法の制定について、議論が成されているところだな。」

鼎「せっかくだけどウチのようなゲームサイトで、そんな難しい話をしても、よく事情が分からないと思うよー!」

逆沢「でもゲームサイトだからとか、そういう問題じゃなくて、世間一般レベルで、この問題についてちゃーんと他人に説明できるレベルまで理解している人は少ないと思うけどね。」

愛原「世論調査の推移をみても、正直不思議な思いがある。この問題はなかなか単純化できない問題を含んでいて、賛成派・反対派のいずれが正しいとは、俺としては断言できないし、どちらの派にも相応の敬意を払うべきだと考えている。そんな中、気になるのが、いわゆる鞍替え派の存在で、俺にはこのグループの真意がどうもよく分からない。」

逆沢「ああ、そういや、昔は反対派の方が多かったのに、今は賛成派の方が多いらしいわね。理由は知らないけど。」

愛原「別にアメリカや日本政府などが、新たに機密部分の新情報を提供した訳でもないし、賛成に転じられるような新情報がもたらされた訳ではない。それどころか流用疑惑とか、むしろ反対派を勢いづかせるネタばかりが増える一方で、それに対して日本政府もアメリカも、証拠も見せず口先で否定するばかりで、どう見ても反対から賛成に鞍替えする理由が思いつかないのだ。逆はあっても。」

鼎「でもそれは仕方ないよ。一般国民は政治のプロじゃないから、雰囲気で流されるところがあってもしょうがないんじゃないかなー?」

逆沢「元々、賛成派の人からすれば、無知な国民の一部がようやく少しまともになったととらえるだろうし、元々、反対派の人からすれば、雰囲気で流されるような無知な流動層がキャスティングボートを握っている現状に、いらだちを隠せないという事になるかもねー。」

鼎「靖国参拝問題でも、小泉フィーバーの時は参拝賛成派が多数を占めてたけど、安倍政権の時は反対派の方が多数に転じてたし、世論って本当によく分からないよね。」

愛原「実際には、どんなに状況が変わっても主張を変えない原理主義者よりも、周囲の状況に応じて柔軟に対応を変えられる人の方がマシという意見もあるだろうし、流動層が無知と決め付けるのは早計だ。だが今回のケースに限っては、俺が思うに、賛成派も反対派もそれなりに主張せんとする理由は理解できるが、反対から賛成に転じた層の心情だけが、全く理解できないのだ。」

逆沢「戦後の日本政府は新米一直線だから、政府もマスコミも原則的にはアメリカ寄りだけど、世界規模でみれば、別にアメリカの対アフガニスタン政策自体が、全面的に支持されている訳ではないし、客観的にみればみる程、一方的にどっちが正義と決め付けるのは野暮っぽい感じもあるしね。」

鼎「【テロとの戦い】というけど、【戦争程悪いものはない】という視点からみれば、アメリカの方がずっと悪いと思うよ。」

愛原「そうなのだ。仮にフセイン政権やタリバン政権がアメリカとまともに戦争できる力があれば、両勢力の対立関係の中身はおのずから変わってくるはずだ。そのバランスが崩れているから、強い側のアメリカは容赦なく戦争という形態で相手側を蹂躙するし、弱い側は、テロやゲリラ戦術などの奇策をもって対抗しているだけの事。アメリカは【テロは許せない。だから戦争してでも叩き潰す】という視点だが、相手からすれば【戦争は許せない。だからゲリラ戦術やテロ戦術を駆使してでも、断固抵抗する】という事だ。」

鼎「ゲームの世界でも、圧倒的な戦力を持つ大国とか正規軍とかと、それに対抗する小国とか解放軍とか反乱軍とかレジスタンス(抵抗)勢力とかが登場する事があるけど、大抵の場合は、弱い方が主人公側というか正義の味方だよね。」

愛原「鼎、ナイスアシストだ。という訳で、今回のテーマは【レジスタンス勢力】だ。」

逆沢「レジスタンスって、言葉の通りそのまんまなんだけども要するに抵抗する側だから、敵対勢力と比べたら当然弱いのが普通よね。」

鼎「弱い側が、一気に相手に押し潰されないようにするには、当然、何らかの工夫が必要だよね。」

愛原「史実でも最もメジャーな方法が、隠れアジトの設立だな。場合によってはアジトそのものを固定せず、常に移動させるというのも一つの方法だ。ベトナム戦争でアメリカが結局敗退に追い込まれたのは、これが効いている。要は指揮系統が破壊されないようにする事。」

鼎「指揮系統も必要だけど、同じくらい大事なのが補給の問題だよね。」

愛原「そう。食糧は勿論の事、武器弾薬の類なども必要だろう。あと無形ではあるが、情報収集手段も必要だ。情報に関しては、ある意味で敵勢力以上の能力が求められると思われる。」

逆沢「これって、冷静に考えれば、すごく大変な事よね。」

愛原「大変も大変。シチュエーションにもよるが、一般的には地元の民の支持を受けている必要がある。支持を受けていれば、いくら悪の大国が市井ににらみを効かせていても、支援者による金品や情報の提供も受けやすいし、さらに工作員を市井に紛れ込ませやすくもなるからな。旧日本軍が中国大陸で苦戦し、アメリカがベトナムで敗北し、現在でもイラクやアフガニスタンで苦戦しているのも、そこの民を味方にできてないという面は確かに大きい。」

鼎「逆を言えば、民の支持を受けていないレジスタンス勢力は、全然ダメだって事?」

愛原「その場合は、より資金力のウエイトが高くなるな。特撮アニメとかでよく出てくる悪の秘密結社などは、怪しい怪人とかを常時生み出せる技術力などがあるが、それを資金力に置き換えてみると良いだろう。つまり武装を整え、アジトを設立し、人員を雇えるだけの経済力を持っている者が幹部なりパトロンとしていれば、非常に都合がいい。その者が何らかの政治的権力とかそういうのも持っていれば、より彼らをかくまいながら力をつけさせる事もできるし、なお良い。」

逆沢「資金力がない場合は、どうするの?」

愛原「率直に苦しい。例えば地下鉄サリン事件で有名なオ○ム真理教のケースを例に取ると、彼らは信者の勧誘と、それに伴うお布施いう手段をもって、第一義的に資金を調達し、パソコン販売業などの営業活動をもってさらに資金を調達していた。信者の勧誘という手段は、サティアンと呼ばれる秘密基地の建設能力者や、サリンの生成技術者の確保にも貢献したし、いずれにしろ何らかの方法で、金と人を調達しない事には始まらない。まぁゲームで登場するレジスタンス勢力の大半は、民に慕われている設定の為、放っておいても常に人も金も入ってくるんだろうけどな。ベトナムやイラクの反米勢力と同じで。逆にアメリカ軍は、対イラク戦略などで、よく懸賞金を出して有力なゲリラ勢力の幹部の情報提供を呼びかけたり、時には掃討作戦という名の恐怖を民に感じさせる方策で、相手を屈服させようとしているが、これは支持を得ていない事の裏返し。なぜイラクやアフガニスタンの反米勢力が、簡単に資金不足で追い詰められる事もなく、長期にわたって武器人員を整え、歯向かえ続けられるのか、逆にアメリカ軍は懸賞金まで出して対応せねばならぬのか・・・。一方はお金を提供してくれるパトロンに恵まれ、一方はお金を差し出してまで情報を買わねばならない。その差は双方の支持の差も大きいと思う。特にイラクでは、【ノー、フセイン、ノー、ブッシュ】というスローガンが広く知られているようだが、2つのノーの内、1つがいなくなったから、残り1つのノーであるブッシュアメリカ軍に対する非難が激化して、それが今の治安の悪化につながっている事を、アメリカはもっと知るべきだ。」

鼎「でもいくら民の支持を得て、資金力あるパトロンにも恵まれても、それだけでは強大な相手を倒すのは難しいよね。」

愛原「【退ける】だけならまだしも【倒す】のは、正直前者の数倍は難しいな。例えばベトナム戦争でアメリカは敗北したが、別にベトナム側がアメリカ本土を脅かした訳じゃないし、要するに侵略を諦めさせただけ。イラクでもアフガニスタンでも、アメリカ軍を撤退に追い込む事はできても、アメリカ本土に逆侵攻できる可能性はゼロに等しいと思う。ある意味、史実とゲーム世界の最大の差かも知れん。」

逆沢「まぁ私は、【退ける】事ができるだけでも、十分に偉業だと思うけどね。」

鼎「自分より強い相手に勝つには、やっぱり一工夫も二工夫もいるよね。」

愛原「そりゃもう、情報面で相手を上回るよう心がけて、できる限り相手の裏をかくようにしなければな。あと余程の事がない限り、専守防衛なんて考えない方がいい。これは、【相手に撤退してもらうには、相手に痛い目見てもらわないと話にならない】という直接的事情に加えて、【レジスタンス勢力に勝利の可能性が存在する事を内外に強くアピールしなければならない】という広報戦略的な意味合いもある。レジスタンス勢力に勝ち目がないと内外に確信されては、支援者の減少は勿論の事、最悪の場合は裏切り者が続出して内部崩壊という事にもなりかねないからな。」

逆沢「織田信長や毛利元就みたいに、奇襲で相手をしとめられたら、最高だけどね。」

鼎「ブッシュ大統領がイラクやアフガニスタンに常駐してくれてたら、もしかしたらちょっとくらいはチャンスがあるかもと思うけどどうかなー?」

愛原「仮に常駐してて、なおかつ討ち取る事に成功しても、それだけで情勢が好転するとは思えないけどな。民主主義とか共産主義とかいった近代政治体制の国家は、元首が突然倒されても、それで即、国自体が半壊するような脆弱なシステムではない。ウチのゲームでいえば、君主主権としての色合いが濃い、宮田軍・辰巳軍・大門司軍・婆娑羅軍辺りはかなりヤバいが、我が共和国のような国の場合、元首である俺様が突然暗殺されても、新たに元首が選任されてそれで終わり。国としてはビクともしない。日本でも、小渕が憤死し、安倍が前代未聞の敵前逃亡をしでかし、アメリカでもケネディーが暗殺されたりした事があるが、それで国家の屋台骨が揺らぐ事がありえないのと同じだ。新聞の1面を飾るかも知れないが、たったそれだけ。」

逆沢「想像以上に、レジスタンスが大国や正規軍を打倒するのは難しそうね。」

愛原「リアリティーのある話をすれば、弱い側は落としどころを考えて、相手との戦いを優勢に進めないとならない。例えば日露戦争では、日本軍が大国ロシアのバルチック艦隊を撃退して勝利した訳だが、厳密に言えば相手の攻撃を阻止しただけの事で、別にロシア領に逆侵攻をかけた訳ではない。結局、日本はポーツマス条約により、ロシア側から賠償金も取れない形で停戦にこぎつけた訳だが、もしもここで日本が要求を釣り上げて停戦交渉を破談にさせたら、もしかしたら本気になったロシア軍の2度目の攻撃で、日本は滅んでいたかも知れない。ゲームの世界では、完全勝利か完全敗北の2者択一でシナリオが進む事が多いが、リアリティーでいえば大体こんなもん。ベトナム戦争で、ベトナム側がアメリカに賠償させる事ができなかったのも同様。」

逆沢「でもそんな中途半端な勝利じゃ、ゲーム的には面白くないし、やっぱり悪の皇帝とかは滅亡させてこそナンボのもんって気がするけどね。」

鼎「RPGとかでは、レジスタンス勢力の一般兵とかが敵軍を抑えている間に、勇者一向が敵本拠地とかに侵入して、敵のボスなり侵攻軍の幹部なりをヌッ殺して、勝ち鬨をあげるのが、よくあるパターンだよね。」

愛原「まぁシナリオ的には、無茶な展開とまではいえないし、別に問題はないと思うけどな。凡人離れした勇者一行なら、それだけの芸当を期待してもいいだろう。」

逆沢「でもって、勢いに乗ったレジスタンスは、そのまま地元住民達と共に改めて大々的に大国打倒を宣言して、そのまま敵対勢力に逆侵攻して押し潰しちゃったりするのよね。」

愛原「それも別におかしくない。中国とかなら、そういう例は結構あるし、フランス革命とかもその亜流だろう。日本の徳川幕府崩壊劇も、最大のきっかけは第二次長州征伐で幕府軍10万の大軍が、5千人前後の長州軍に敗北したのがきっかけで、そのわずか1年後、徳川慶喜が大政奉還して終わっている。状況次第で、弱小のレジスタンス勢力が、大国を滅ぼしてしまう事は、別になくはない。弱い側は落としどころを考えて戦をするのが基本だが、状況次第では反攻作戦も可能だし、ゲームでよくある展開が、荒唐無稽とまではいえない。」

鼎「それじゃ、もしかしてタリバンの人達も頑張ったら、もしかしたらアメリカを滅ぼす事も可能かなぁ?」

愛原「逆侵攻できないから無理。どうしてもアメリカを滅ぼしたければ、力のある他国を少しでも多く味方に引きずり込まないと駄目。という訳で、ゲーム的にも第三勢力を登場させる方法で、レジスタンスのチャンスを増やす事は十分に可能。レジスタンス勢力にとって友好的な第三国なり第三勢力なりを物語に登場させる事で、シナリオの幅を広げるやり方は一つの方策だと思う。」

逆沢「なーるへそ。弱小のレジスタンス勢力にも、やりようによって確かに勝算はある訳ね。まぁ勝ち目がないと、ゲーム的には困るんだけど。」

鼎「圧倒的な力を持つ勇者がレジスタンス勢力に参加するだけで、問答無用に不利な戦況をひっくり返せるようなゲームも、爽快感があってとても楽しいと思うけど、知力・戦略の限りを尽くして、多くの人とのつながりも大事にしながら難局を切り抜けていくようなシナリオのゲームも、私は大好きだよ。」

逆沢「【覚醒→どかーん】の繰り返しだけで、難局を切り抜けるゲームもいいけど、せっかく頭のいいキャラとか、義侠心のあるキャラとか、困った人を放っておけないキャラとか、色んなキャラを出すのなら、それぞれのキャラが持ち味を出して難局を切り抜ける作品も、確かに悪くはないわね。各キャラが持ち味を出す事で難局を切り抜けられた時に、思わずそのキャラに愛着がわいてファンになる事もあるしね。」

愛原「そうでなくとも弱小勢力というのは、力だけでは相手に勝てないからこそ弱小勢力なのだ。力だけで相手を打倒できるなら、その勢力はそもそも弱小じゃないし、弱小でも知恵や勇気や人々の協力などで必ず難局を切り抜けられるという夢を、せめてゲームの世界くらいでは堪能させて欲しいな。」











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