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愛原様のたわごと(07年11月03日)




愛原「何でも、【RPGツクールVX】とかいうのが、今年度末に出るらしい。」

逆沢「あれ? 今回は政治の話はしないの?」

愛原「そりゃ、イジメが最も蔓延し易い中学生の年数を5年にしようと企む連中とか、年金問題で誰も実質的に責任を取らないまま幕引きを図ろうとする連中とか、防衛利権を食い物にしようとした連中とかに言いたい事は山ほどあるんだが、今回はお休み。」

鼎「【RPGツクールVX】を買う予定はあるの?」

愛原「状況次第かな? ただあの激高いスペックは何とかならんのか? 実は作者は、かつてツクールXP製の某フリーゲームが面白そうで、早速プレイしてみた事があるんだが、あまりの動作の重さに絶えられず、それ以来、ツクールXP製のゲームには手を出していないそうだからな。大体、市販ゲームよりも動作の重いフリーゲームって、非常識だとは思わないか?」

逆沢「私は別に思わないけど。嫌ならプレイしなきゃいいんだし、フリーゲームにケチをつけるのはお門違いもいい所よ。」

愛原「そ、それは正論なんだが・・・。いや、俺が言いたいのは、必要スペックのやたら高いツクールをあえて販売しようとするメーカーの意図が、少し気になってだな。」

鼎「ツクールVXの必要スペックは、ツクールXPに輪をかけて高いみたいだよ。」

愛原「フリーゲーム作者がフリーで公開するのは、いろんな人にプレイしてもらいたいという思いと、また感想なども欲しいという動機がメインだろうから、高スペックを要求するツクールは、率直に困るというのが実感だ。」

逆沢「それ以前に、新作でも作る予定はあるの?」

愛原「具体化している予定はない。別にツクールに限らず、他のフリーのゲーム製作支援ソフトでもいいから、良いものが出れば、アイデア自体はあるし、取り掛かってもいいと思うのだが・・・。」

逆沢「でも真面目な話し、行き当たりばったりでゲームの製作しても、なかなか完成までにこぎつけられないからねぇー。余程の根気か計画性がないと。」

愛原「そうなのだ。ちなみにアンケートによると、【SRPGツクール95を持っている】に票を入れていただいたのが8票分。【自作ゲーム(スタッフの一人としてでも可。商用・非商用を問いません)を一般公開・販売した事がある】に票を入れていただいたのが2票分。勿論、SRPGツクール95を購入された動機は人様々だろうが、公開に踏み切れる段階までたどり着ける人は少ないのだろう。勿論、自作ゲームが必ずしも、SRPGツクールによるものとは限らないだろうが、いずれにしろ統計的にみても、これが現状だ。」

鼎「自分好みのツクールじゃなかったら当然買わないとして、もしも自分好みだったら、買う予定?」

愛原「高スペックなのが気になるが、自分好みのツクールだったら、やはり誘惑には勝てないだろうな。」

逆沢「それで例えば、今度、今までと全く傾向の異なるゲームを作るとしたら、どんなゲームを作りたい?」

愛原「うーん・・・。今までと異なる傾向とまで限定されるとキツイな。新しい【学園AVG】にでも挑戦するか?」

逆沢「AVG!!? それ、ウチが絶対にやるべきジャンルじゃないと思うけどねー。」

鼎「絶対に似合わないよー、それ。」

逆沢「AVGって、シナリオとキャラグラが第一じゃん! それ、絶対無理だって!」

愛原「・・・・妄想くらいさせてくれよ。大体、質問自体、【どんなゲームを作りたい】かであって、【どんなゲームが作れる】かではないだろう?」

逆沢「でも仮に絵師が見つかっても、シナリオライター自体が駄目駄目だとねー。」

愛原「最近のAVGは、キャラゲーと見なしてもいいくらい、パターンが偏っているから、キャラクターさえちゃんと作れればそれなりにシナリオは何とかなると言ったら横暴かな?」

逆沢「うーん・・・。本当に良い作品は、シナリオ自体も良くないと話にもならないと思うけど、二流以下のAVGでいいなら、適当に個性的なキャラクターを作って掛け合いをさせたりするだけでも、作品としては成立するかもね。」

鼎「普段は、適当に掛け合い漫才とかをさせて、イベント的に刺激が欲しくなった時には、新キャラ出すか、適当に喧嘩させたり、人殺したり、別れを演出したりする事でシナリオを持たせようとするのは、王道だよね。」

愛原「なんちゅう事を言うのだ・・・。まぁ確かに、漫才形式にならずとも、人と人の関わりがあってこそのキャラゲーであり、AVGでもあるという一面はあると思うけどな。という訳で、今回のテーマは【ゲーム世界での対人設定】だ。」

逆沢「おっ! これはまたアバウトなテーマねぇー。」

愛原「まぁそう言うな。ところで人間関係を最も大雑把に分ければ、おそらく【好き】【嫌い】【無関心】に分けられると思う。また別の角度で見れば、【信頼できる】【信頼できない】といった区分も出来るし、【内面をさらけ出せる打ち解けた関係】【相手の反応を伺いながら応答すべき緊張した関係】といった区分もできると思う。」

鼎「でも大抵の場合は、【好き≒信頼できる≒打ち解けた関係】だよね。」

逆沢「とことん嫌いな人間に対してこそ、最も自分の本音をさらけ出せるって事もあるわよ。はっきり罵声浴びせたり・・・。逆に好きな異性に気に入られる為に、カッコつけたり猫かぶる事もあるだろうしね。」

愛原「RPGでもAVGでも構わんが、よくあるゲーム的に理想的な人間像というのは割と単純で、【信頼で結ばれた関係】とか【本音で付き合える関係】というのが、一般的だな。ちなみにここの作者は、実は純愛AVGというのが苦手なクチだったりするのだが、その理由の一つに、安易な展開と心情表現が気に入らないというのがあげられる。ぶっちゃけて言えば、ヒロインと恋仲になるまでの過程がご都合主義過ぎ。先の逆沢のセリフの中にもあったが、好きな異性を引き寄せようとする努力とか、そういう部分が殆どない。自然体で口げんかしたりするだけで仲良くなったり、それこそ勝手にヒロインがピンチに陥って、その場面に主人公がいつもいるような展開になっていたり・・・。確かに偶然の積み重ねだけで人間関係が成立する事も珍しくはないが、もう少し積極的に努力したり、駆け引きしてもいいと思うと考える訳だな。」

逆沢「ああ、成る程。確かに地道にアルバイトしてプレゼント買うお金貯めたり、頑張って訓練してライバルを倒せるようになったり、そういう努力はするかも知れないけど、もっと基本的な努力とか駆け引きがあってもいいと思う事はあるかもね。」

愛原「こんな事を言うと、嫌な印象を持たれるかも知れないが、俺は裏表のあるキャラクターの方が味があっていいと思う。これは何もホワイト隊長のように、悪人としての内面があるとかいうだけじゃなくて、もっと世俗的な部分があってもいいと思うんだ。最近はツンデレという属性が人気のようだが、2面性があるキャラというのは、確かに1面しかないキャラよりは、深みがあっていいと思う。もっとも最近のツンデレキャラは、底が丸分かりで事実上の1面性キャラというのも多そうだが・・・。」

鼎「でもゲーム的には、【純粋な心を持つ人】ってのが、善玉向きというか、主人公向きというか、そんな感じだよね。」

逆沢「策士だらけのウチのゲームは、そうすると最低なキャラばかりが集まるゲームって訳ね。」

愛原「ウチは、例えば甑のようなクリーン属性キャラでも、とても純粋で誰にでも優しくけなげな理想的ヒロイン像とは程遠いからな。」

逆沢「あえて最も純粋なキャラをあげろと言われたら、辰巳かな? 純粋というよりは単純なだけかも知れないけど。」

鼎「でもって、そんな純粋な心を持つ主人公の周りの人も、基本的にはいい人ばかりだよね。」

逆沢「確かにね。普段はワルぶっていても、いざとなったら頼りになる好漢ばかりというか。生き別れの兄弟や親父が敵幹部として登場する事もあるけど、最後は分かり合えたりするのが王道だもんね。」

愛原「リアル世界では、遺産相続でもめたりして、醜い修羅場も再現してくれるのが兄弟だけどな。必ず最後で分かり合えるなんて甘い甘い。ファンタジーの世界では、王位継承権を巡って兄弟が対立して、そのバックに大臣とか大貴族とかがついたりして骨肉の争いを繰り広げるドラマもあるが、現実世界の遺産相続のシーンの場面では、兄弟愛など気にする必要もないヨメとかが先の大臣とかの役割を引き受けて、骨肉の争いを主導してくれるケースも多いぞ。」

逆沢「まぁ、嫁姑問題を始めとして、血縁関係のない外戚がからむと、余計にこじれる事はあるかもね。って、子供の夢を壊すような事は言わない!!」

鼎「でも現実世界は、アニメやゲームの世界みたいに、自分の周囲の人はみんないい人になってくれないのが残念よね。」

愛原「まぁ、そう言うな。主人公はいい人という前提だから、周りもいい人だらけになるのかも知れない。そう考えると、現実の人間の圧倒的大半は、とても主人公役が務まる程の純粋な善人でもなければ、ドラマを呼ぶ漢でもないし、特殊能力もないのが実情だからな。」

鼎「もし現実世界にいるような凡人を主人公にしてみたら、どうなるのかなぁ?」

愛原「通常の場合、凡人は大きなドラマを自ら引き起こす力がないからな。何か外圧を加えてやらなければ、冒険の旅に出る事もないだろうし、世界を救う事もないだろう。一般に凡人は、欲望もあれば、怠慢もするし、媚びる事もあれば、キレる事もあるし、他人に煽動される事もあれば、醜い責任逃れをする事もある。そんな奴を主人公にして何が面白いのだ?という意見は確かに多いだろうが、逆の視点で捉えてみても俺は面白いと思う。」


逆沢「ははぁ? もしかしてそんなアホなAVGでも作りたいとか、まさか作者は考えているわけじゃないでしょうね。」

愛原「ツクールの仕様とスペックを考慮しながら、もしチャンスがあれば作ってみたいと考えているようだな。主人公も周りのクラスメイトも全くの凡人という、当たり前すぎるキャラクターでの学園AVGを。」

逆沢「うへぇー。私は絶対パスだわ。そんな夢も何もないゲームは。」

愛原「俺は、【渡る世間は鬼ばかり】の世界じゃないが、少々緊張した人間関係の世界観も大好きだぞ。ってか、【本音で言い合って、みんな仲良し】なドタバタコメディーまがいのシナリオも嫌いじゃないが、人間関係の駆け引きを楽しめる作品というのが意外と少ないような気がするので、そういうゲームももう少し体験してみたい。」

鼎「そういう作者の思想が反映されているのかどうか知らないけど、ウチのゲームも、国家間の駆け引きとかは多いよね。」

逆沢「駆け引きも何もない、【魔族の国は悪の国だ。俺たち人間勢力は、一致団結してお前達をやっつける】みたいなゲームも、昔は多かった気がするけどね。」

鼎「最近は、悪の国を滅ぼしちゃってから、【相手側にも言い分はあったんだ。俺たちも反省しなければならない】みたいなシナリオの方が主流の気もするよん。」

逆沢「恐ろしい欺瞞ね。しかも考える前に行動して、一見反省もしているように見えるけど、実は基本的に自分たちは最後まで正しかったと確信してそうな所が、某国みたいで最高に怖いわ。」

愛原「ウチのゲームの場合は、基本的に情熱的なヒーローのハートに従って国家戦略が決まる事はまれで、それよりは軍師級の人材の提言に基づいて国家戦略が決まる事が多いけどな。あるいは黒藤軍のように、利権や欲望が侵略の動機になる事もあるが、いずれにしろ綺麗事だけで戦略が決まる事は少ない。あえていえば、北狄編の北狄国辺りが理想主義に近そうだが、それでも甑を国家権力づくで無理やり軍人に仕立てたり、おせじにも王道とは言いがたい展開だしな。」

逆沢「よくある王道ゲームなら、三森辺りが真摯に事の重大性を説いて、それに甑が目をキラキラさせて【分かりました!私、みんなの為に頑張ります!】と言って、北狄の国民達も心を一つにして悪の黒藤軍に立ち向かうんだろうけど、ウチの場合は、そういう展開には絶対にならないもんね。」

鼎「ってか、北狄の国民はすごくヘタレ属性高いよね。」

逆沢「・・・嫌なリアリティーね、それ。」

愛原「悪玉勢力として登場する黒藤軍にしても、分かりやすい悪の魔王軍みたいに【世界を消滅させてやるぜ!】とか【正義など打ち砕いてくれる!】とは言わず、むしろ自分達こそが正義だとうそぶいているし、よくある訳アリ型のように悲壮な決意の元に悪事を強行している訳ではなく、むしろ利権とか愉快犯的な欲望とかが動機になってるくらいだからな。」

逆沢「こうして見ると、ゲームとかでよくある世界観の対人関係って、かなり現実世界と比べると違和感があるわね。」

愛原「凡人を主人公にして、凡人ばかりの世界観でシナリオを作っても、何の刺激もないという指摘は一面の真理だ。だが現実世界の要素をうまく取り入れていけば、それだけシナリオに厚みや説得力が出てくるのも間違いない。現実世界にいるような俗物キャラは、決して人気者になれないかも知れないが、そういう要素をうまく調理したゲームこそプレイしてみたい。御都合展開ではなく、現実世界でも通用しそうな心理描写や駆け引きを駆使しながら、目標を達成していけるシナリオとかも体感してみたいな。」















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