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愛原様のたわごと(07年11月16日)




愛原「今回のテーマは、前回の続きだ。」

鼎「あれれ? 今回はまくらの部分はないんだー?」

愛原「これもちょっとしたサプライズだ。という訳で、深くは考えるな。」

逆沢「前回の続きって事は、テーマは【ゲーム世界での対人関係その2】って事になる訳ね。」

愛原「前回は、主人公を中心とした人間関係をメインに取り上げた。魅力的な主人公と、それを取り巻く魅力的な相棒・親族達、そんな構図についてだな。今回は逆に、いわゆる悪の勢力とか、ライバル勢力とかで繰り広げられる人間関係を掘り下げてみたいと思う。」

逆沢「ははーん? 要するに悪の勢力の幹部級とかを槍玉に考えてみるって事ね。」

鼎「四天王とか7人衆とか、色んな幹部の人達がゲームには登場するよね。」

逆沢「一般的には、悪の組織では、幹部間の仲が悪かったりする例が多いわね。」

鼎「でも一人か二人は、主人公組織に好意的な人がいるよね。条件を満たしたら仲間になってくれる人もいてくれたりするもんね。」

逆沢「主人公達に好意的な敵幹部のキャラってのは、正統派キャラみたいなのが多いわね。」

鼎「その逆に、主人公達に対して憎悪むき出しだったり、卑怯な性格だったりするキャラは、最後まで主人公の仲間にならないというか、主人公側もはなから仲間に誘う気がないというか、これでもないくらいむごい最期を迎えたりする役回りだよね。」

逆沢「悪役間の人間関係って、本当にありきたりなのが多い気がするわね。本当に倒されるべき悪役キャラは、友情も信義も軽蔑するような奴ばかり。味方間で足を引っ張ったり、味方を捨て駒同然に扱ったり、ロクでもない奴ばかりだもんね。」

鼎「ウチのゲームでも、その傾向はあるかなぁー?」

愛原「・・・うーん。ウチのゲームで悪の勢力といえば、黒藤軍とヒデブ派辺りだが・・・。確かに人間関係が円満な組織とはいえないな。宮田軍・愛原軍・辰巳軍・婆娑羅軍・大神軍などは、確かに基本的には人間関係が円満な組織で、よくある主人公勢力型パターンといえる。逆に黒藤軍は、まんま悪の勢力って感じの人間関係で構成されているといっても、確かに過言ではない。」

鼎「吉武さん寺島さんは、黒藤軍のメンバーの中では比較的良心的だし、よくある主人公勢力に理解のあるキャラとしての役回りを与えられた人達って感じになるのかなぁ?」

愛原「吉武に関しては、悪の組織の中でもあえて正論を吐くキャラという意味では、まさしくその通りかも知れん。但し、吉武は自国が民主主義国である事に強い誇りを感じており、シビリアン・コントロールに対する揺ぎ無い信念も持っている事から、間違っても他勢力に寝返ろうとはしないけどな。逆に寺島は、主人公勢力に内通という手段で寝返ってくれるし、根は悪い奴ではないが、策士キャラ丸出しで、とても正統派とはいい難い。」

鼎「でもアンケート結果では、寺島さんは策士キャラでも、殆ど嫌われてないよ。野川さんもそうだけど、策士イコール悪玉って事じゃないのかも知れないよ。」

逆沢「一般論で言えば、純粋な心を持つ正統派こそが善玉なんだけどね。けど【手段は目的によって正当化される】という事かも知れないわね。」

愛原「それはそれで、俺的には怖い思想だとも思うが・・・・。」

鼎「ところで以前に、藤村さんのサイトで、吉巻さんと吉武さんとの人間関係に関して書かれてあった事があるけど、これはどうなの?」

逆沢「あ、そういや気になるわね。残虐将軍の異名を取る吉巻将軍と、正論派の吉武将軍とじゃ思想にだいぶ隔たりがあると思うけど、結構、この2人の話の波長は合ってる気がするし。」

愛原「吉巻と吉武は、共に職業意識のしっかりした大人キャラだからな。思想の違いだけで、いちいち対立したりはしない。仮に自○党員と共○党員と創○学会員とネッ○右翼が同じ職場にいても、それだけで四六時中、対立して、職場が荒れたりするような事はあまりないように、大の大人はそれとこれは別とちゃんと区別できるものだ。政治思想が対立してても、職場やサークルの同僚としてはうまくやっている光景があっても、別にいいだろう。そういう概念をいちいち職場に持ち込んで、顔をあわせるごとにいがみあってる内は、まだまだガキだ。」

鼎「しくしく。ガキ呼ばわりするなんて、ひどいよー。」

愛原「吉巻と吉武は共に、それなりに空気を読める人達でもある。だから吉武からすれば、いかに黒藤や池田がメチャな悪さを企んでいても、それで感情任せに辞表を叩き続ける事はしない。吉巻にしても、寺島や吉武の能力は高く買っており、職務遂行の上で信頼もしている。黒藤にしても、能力主義的なところがかなりあるから、吉武や寺島に対しても、できるだけ適材適所を心がけてる所があるし、決して思想の対立や好き嫌いだけで、人を区別するような小人ではない。ましてや吉巻と吉武は、共に冷静沈着で奇策を好まない点で、見事に共通しているからな。定石を重んじる二人にとって、策士タイプのキャラである黒藤・池田・寺島よりは、事、戦略・戦術を語る上では、連携を組みやすい相方である事は想像に難くない。」

逆沢「成る程ね。確かに思想面の対立に目をつむって、職務として軍議にて軍略を披瀝するなら、確かにアクの強い黒藤や池田や寺島よりも、吉巻と吉武が共闘した方がやり易いというのはあるかもね。」

愛原「長光があえていえば、吉巻に最も近いスタンスを取るのにも理由がある。吉武の事は単純に嫌いだし、国家主義者の池田とも合うはずがないし、タメ口大好きの長光が上司の黒藤に気安くクチを利き続けるのも問題だし、逆に吉巻は、思想の異なる吉武とも正常に人間関係を保てるなど、長光にとって最もビジネスライクなトークが期待できる相手だからな。」

鼎「吉巻さんって、敵に対しては残虐でも、部下イジメもしないというし、同僚に対しても本当に冷静で私怨を交えない大人な対応ができる人だったんだね。」

愛原「吉巻は悪玉キャラには違いないが、実は何気に黒藤軍内の人間関係を調整できる潤滑油的要員だからな。対立関係が多い黒藤軍の人間関係において、珍しく陣営内の誰からも、特別に敵対視されていない所が、地味にポイント高い。」

逆沢「ワルのくせに、生意気ね。」

愛原「まぁ、そう言うな。あと善玉とも悪玉とも断定しがたい、微妙なスタンスを保つ勢力が、大門司軍と赤竜軍だが、これらは当然、人間関係も独自な具合になっている。」

鼎「大門司軍の人間関係って、リアル系の戦国ものに近い感じもするよね。」

愛原「自民党の中に派閥というものが存在する事は有名だが、悪の派閥、善の派閥と区別する事が困難なように、リアルの世界では、善悪を超越した緊張した人間関係が生じる事は多い。中学や高校のクラスでも、クラス一丸という事は滅多になくて、いくつかの友人グループが存在したり、複数の友人グループにまたがるメンバーもいたり、幹部級もいればその他大勢もいたりして、複雑な人間関係が存在しただろう。それと同じ。大門司軍の人間関係は、よくある主人公パーティーのように全員本音で和気藹々でもないが、悪の組織ほど醜い対立もなく、主君を守り立てるという一点を除けば、基本的に是々非々の人間関係なのが特徴だ。」

逆沢「武内・国東ら主戦派グループが、大門司軍では主流派みたいだけどね。」

愛原「婆娑羅軍相手に有利に戦況を運んでいる段階で、ゲームがスタートするからからな。とはいえ自民党内の権力闘争と同じで、状況が変われば、枠組みがどう変わってもおかしくない。財政問題では石田と国東は【大きな政府】路線で共に近い立場にあり、逆に武内と中津は【小さな政府】路線だ。外交戦略でも、原理主義の武内と、柔軟外交の夢前、穏健外交の中津らとは、当然立場は異なる。とかいって、黒藤軍の人間関係程、ギスギスしたものではなく、共通の目的に向かって力をあわせる事もできる。気風の異なる吉川元春と小早川隆景が、主家を盛り立てるという共通の目的の為に団結しているようなノリに近いかも知れないな。」

鼎「赤竜軍も、そんな感じのノリだよね。」

愛原「善玉勢力だから、みんな最後は仲良し。悪玉勢力だから、不信うずまくギスギスした人間関係。といった単純な2択ではなく、その間があってもいいと思うのだ。ウチのゲームの場合、外交関係はあらかじめ固定されているのが原則だが、赤竜軍のみ例外としたのも、これが一端にある。作者の思惑通りに仕上がったとは断言できないのが実情だが、狙いとしては赤竜軍の場合は、善悪を超越した勢力というのを目標に作ったつもりだからな。」

逆沢「清濁あわせもち、国家を興隆させんとする使命を第一に考える赤竜さん。反戦共産主義を成功に導かんと真摯に挑む楠木さん。この辺りは本当に真面目キャラそのものって印象はあるけどね。」

鼎「アンケートのコメントにもあったけど、トーヨーさんを張飛にたとえる例は、結構面白いと思ったよ。張飛の怒りを買って皆殺しにされる方はたまらないと思うけど、人情漢ってイメージもあるよね。」

逆沢「枚方は良くも悪くも過去に拘泥しない未来志向の技術肌って感じだし、茅野は闘志と才幹を内に秘めた現実主義者ってキャラだし、どっちも善悪の枠で語るのはナンセンスなタイプな気がするわね。」

愛原「大門司軍のメンツも、思想的には真面目なものが多い。反戦重農福祉主義の穐本、無宗教思想の国東、富国政策の石田、穏健重商主義の中津などが代表的だ。」

鼎「赤竜軍も大門司軍も、ハリセンチョップが許されるような馬鹿ノリや過激な冗談が通用する程、仲良し組織じゃないけど、最終的には見事に団結しちゃうところが、スゴいよね。」

逆沢「ヒデブ派はちょうどその正反対ね。普段はいつも一緒につるんでるけど、ここぞの場面で仲間を売ったり見捨てる奴ばかりだし。」

愛原「大門司軍の武内と穐本は、思想面で対立する事は多いが、内心で相手の技量を最も高く評価している関係でもある。例えば黒藤編で河内が被爆した後、その救護に向かう穐本に対して、最も敬意を払っていたのが武内だった。石田も武内も、互いに不満を表明する事はあっても、相手の職分を犯したり、足を引っ張る事は絶対にない。黒藤軍の吉巻・吉武に近い性質の連中らで構成されている団体かも知れんな。」

鼎「そういや、黒藤軍の吉巻や吉武も、味方の足を引っ張ったり、そういう振る舞いは全然しなかったよね。悪の組織の幹部なのに。」

逆沢「長光辺りは、私利私欲のカタマリだけどね。池田も公務員利権への執着とか、国民を消耗品同然に扱う思想とかが災いして、この辺は救いようのないワルって感じがするけど。」

愛原「残虐将軍の異名を取る吉巻が、悪役でないはずがない。吉巻も【歪んだ思想】の持ち主という意味では、池田や長光や黒藤と同種だ。ただ人間関係を構築する能力という点で、吉巻と黒藤は相対的に大人。池田と長光は相対的に子供というなんだろうな。」

逆沢「確かに能力面や実績面を考慮しながら冷静に人事を行える黒藤や吉巻と、思想が対立するだけで相手を非国民呼ばわりとして排斥しようとしたり、部下に責任を転嫁したり八つ当たりしまくる池田と比べたら、大人と子供と言われても仕方ないのかも知れないわね。」

鼎「どんなに勉強ができて仕事ができても、人間関係を無茶苦茶にするような人は、管理職になって欲しくはないよ。」

逆沢「名選手が必ずしも名監督になれないようなものかもね。日本のスポーツ界はその点、まだまだって気がするけど。」

愛原「個人プレーだけで何とかできる世界ならまだしも、組織パワーがものをいう世界で、人間関係を壊したがる奴が多いのは明らかにマイナス。特に人の上に立つ者がそういう奴だと最悪だ。RPGの世界で、弱小の勇者パーティーが心を一つにして、敵の幹部級を各個撃破していく構図というのは、組織パワーの偉大さを表す比喩としてみれば、至って的確かも知れん。」

鼎「友情パワーって、本当に偉大なのかもね。」

愛原「ヒデブ派のようなうわべだけの友好関係は、ここぞの場面であっさりと崩壊しちまうけどな。」

逆沢「ってかヒデブ派は、打算の一致が生み出した、ただのビジネスライクな協力関係でしかないでしょ。」

鼎「利害関係で結ばれた関係ってのは、一緒に組む事で得られる利益が失われると、壊れるのは一瞬なのかも知れないよね。」

逆沢「長光辺りは、その辺で一番分かりやすいタイプね。池田の場合は黒藤に対する忠誠心は本物みたいだけど、これも信頼関係で結ばれているというよりは、独特の思想がもたらした【下は上に尽くして当たり前】みたいな部分が影響しているだけの気がするし。」

愛原「だから池田は、部下には嫌われる。敬愛する黒藤からも、実は決して心から信頼されてはいない。池田一人だけが、自分の思い込みに酔っ払っているような状態かも知れんな。」

逆沢「ひどい片思い状態ね。」

愛原「信頼関係を築きあげるというのは、結構大変だからな。俺達愛原軍のメンツのように自然体で信頼関係を築きあげられれば一番、簡単だが、現実はかなり難しい。クラスメイト間でも派閥ができるように、どうしても相性とかは存在するからな。」

鼎「外交関係でも同じ事だけど、誰かと仲良くしたら、別の誰かには嫌われる事もあるし、みんな仲良しってのはすごく難しいよね。」

愛原「まぁそれでも、信頼されやすいタイプと信頼されにくいタイプってのは、やはりある。池田や長光のようなタイプは、やはり好かれにくいだろう。逆に大門司軍の重臣達がいざという時に力を合わせられるのは、共通の目標を持っている事、心の奥では相手の能力や性格に信頼や敬意を感じられている事、普段からいがみ合っているように見えても、実は相手の足を引っ張ったり、陰口を言い合うような事は絶対にしないなどの配慮ができている事などがあると思う。」

鼎「あ、そうか。確かによく考えたら、大門司軍も赤竜軍も、よく考えたら、私達と同じなんだよね。相手と違う主張でも言いたい事ははっきり言うし、時には喧嘩にもなる普通のパーティーだけど、お互いの事はよく知っているし、決して背中から斬りつけるような振る舞いをしない同志でもある事を知ってるから、ここぞの場面では仲良くできるのかも知れないよね。」

愛原「黒藤軍やヒデブ派には、そういう概念がない。だから悪役風の人間関係にしかならない。現実を知っても愛のない黒藤と吉巻。打算だけで人付き合いをする長光とヒデブ派。独りよがりの歪んだ正義感に酔いしれる池田。そしてそんなロクでもない同僚に囲まれた吉武と寺島・・・。むしろ吉武はよく暴発もせず、とかいって現実に屈して理想も捨てず、よく頑張っている。寺島の場合は、元々黒藤軍を内部崩壊させる意図でいるから、うわべ以上の付き合いをしたがらないのはある意味当然だな。」

鼎「吉武さんや寺島さんにとって、真の友人となれる人は、おそらく黒藤軍に対立する側にいると思うよ。」

愛原「寺島の場合は、内通シーンを振り返ってみる限り、既に信頼できる同志は、黒藤軍外か自軍直属内でそれなりにいるようだ。吉武の場合は、寺島と違って、打倒黒藤軍という発想がない所が痛ましい。例えて言うなら、寺島は少数派の社内の同志と協力して、クーデターを起こして現経営陣を総退陣させてでも、会社を一気に立て直そうと企んでいるタイプ。吉武はやる気なしの同僚や、利権まみれの上司をそれとなく諌めつつも、自分だけは必死で営業周りをやっているタイプかな。」

逆沢「私なら、そんなクソ会社は、すぐに辞めてやるけどね。」

愛原「会社ならすぐに辞められるし転職も割と簡単に可能だが、今いる国の国民を辞めて他国の国籍を取るのは大変だからな。宗祀のように命の危険が間近に迫れば、亡命も一つの選択肢だが、そこまで追い込まれていない状況で国民を辞めるのは、いかにも難しい話だ。」

鼎「私、やっぱり国の行方を左右するような上の人たちには、池田さんや長光さんやヒデブ派みたいなタイプの人はなって欲しくないなー。」

愛原「いまさりげなく、一部の政治家にとってものすごく痛い事を言ったな・・・。」










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