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愛原様のたわごと(08年4月18日)




愛原「前回更新して2週間だが、橋下大阪府知事による大阪府財政再建への活動が良い意味で活発化して、本当に驚いている。」

逆沢「本当にびっくりねぇー。2週間ですっかり過去のネタだもんねぇー!」

鼎「本気で頑張ってる感じで、すごく応援したくなる感じだよね。」

逆沢「どちらかというと、批判的立場のアンタとしてはどんな感想?」

愛原「・・・・そういうレッテル貼りはつらいな。俺はマンセーは嫌いだが叩きや煽りも嫌いで、あえていえばマイノリティー寄りの是々非々党だからな。ここのコーナーでいえば、昔、安倍内閣で当時の厚生労働大臣が失言した件を取り上げた事もあるが、世論がどうあおろうと、それに安易に追従しないのが俺様キャラだと思っているのに・・・。」

逆沢「大衆の敵。少数派の味方ってか?」

鼎「じゃあ、今んところの橋下知事の印象はどんな感じ?」

愛原「かなり良い。歴史の教科書に載るくらいの良い意味での大活躍をしてもらいたい。ただ、別にいちゃもんをつける意図ではないが、あえて助言をさせてもらうならば、小泉流の【自分は一切痛みや責任を負わず、他人に痛みや責任を押しつけるだけの改革】はやめてもらいたいという事かな?」

逆沢「ああ、それはあるかも。格差社会も何のそのの、オペラや歌舞伎三昧のセレブ小泉ってか。」

鼎「でも良い仕事をしたら、それにふさわしい待遇があるのは普通だし、その結果のセレブだったらいいんじゃないかなー?」

愛原「いや、そういう意味じゃなくてだな。つまり弱者からより多く搾取しより多く痛みを負わせ、元々豊かな者に対してはそれは殆どなく、過去の失政の責任をそれまでの与党に求めることもなく、それでいて母子家庭等、より格差が広がってより生活が不安定化した人に対して自己責任を要求する。そんな改革は困るということだ。自分たちに都合のいい改革をして、自己責任を押しつけるのは、さすがにひどいとは思わんか?」

逆沢「でも誰も痛みを受けないような改革ってないんじゃない?」

鼎「改革で痛みを受ける側の人は絶対に反発するし、でもそれで撤回してばかりだったら、改革はできないよね。」

愛原「じゃあ今回のテーマは、【冷酷な指導者】でいこう!」

逆沢「冷酷な指導者って誰の事やねん? 橋下? 小泉?」

鼎「でも冷酷って表現は、すごく悪いイメージで使われるよね。」

逆沢「なんちゅうか、小説や漫画のキャラクター紹介で使われたら、即悪役決定みたいな感じね。」

鼎「独裁者とか、そんな感じだもんね。温厚とか善良とかいわれるのと反対なイメージだよね。」

愛原「その通り。漫画や小説で登場する指導者で善玉といえば、民の大多数に慕われているとか、善政を施しているとか、優しいとか人当たりがいいとか、そんな感じで、冷酷とは反対のイメージだ。だが実際には、誰からも反発を受けず、誰からも慕われる形で、リーダーとして君臨し続けるのは簡単じゃない。たまたま時代的にも情勢的にも恵まれた状況で、一切の変革を必要としない恵まれた時代にリーダーの椅子に座ることができたのなら、普通に現状維持さえできれば、良い指導者と言われるだろう。マキアベリの君主論でも少し触れられている事だが、基本的に大衆というのは今が余程悪くない限りは変革を嫌うので、うまくいってれば無闇にいじる必要はないし、それが組織をうまく保つコツでもある。だが変革をせねばならないほど状況が悪ければ、指導者としてはどうせねばならないか、ここが課題なのだ。」

逆沢「あー、悩みどころねぇー。小説や漫画の世界なら【改革によって国を立て直した名君】みたいな結果論で語られるから問題ないんだけど、現実世界はそうじゃないもんねぇー。」

鼎「歴史の世界でも、結構改革者っているけど、みんなやっぱり大変だったのかなぁ?」

愛原「【改革します!】といって、臣民みな【賛成!どんどんやれ!】には、決してならないからな。既得権益を持っていた権力層などは当然反対するだろう。潰しにもかかるだろう。逆に改革者が悪人なら、その改革によって不当に絞られる側は、やはり怒り狂うだろう。中学の教科書に登場する江戸時代の中の話だけでも、徳川家光、徳川綱吉、徳川吉宗、田沼意次、松平定信、水野忠邦らがそれぞれ改革を行ったが、成功したもの、失敗したもの、数あれど、それぞれすくなからずの社会的な混乱があった。【改革を成し遂げた名君】なんて事には、なかなかならないのが多くの実情だ。」

鼎「無理矢理、現状を変えようとすればパワーがいるし、それをあえてやり遂げようとすれば、冷酷とか横暴とか言われてもおかしくないよね。」

逆沢「でもそれって、本当に世の中のためを思って、嫌われ者になる覚悟でしんどいことを頑張ろうとするリーダーにしては、つまんない話ね。一生懸命頑張って叩かれるんじゃ、そりゃヘコんでもしゃあないと思うわ。」

愛原「もっとも改革の中身によって、改善にも改悪にもなる。確かに良い改革もあるが、漫画や小説に登場する悪の独裁者みたいな、どうしようもなく私欲にまみれた汚い改革者もいるのは事実だからな。例えばアメリカは毎年、【年次改革要望書】というのを日本に送りつけて改革を強要しているが、このアメリカ謹製の改革の中身が、アメリカの国益を損なっても日本の国益だけは守る内容だと思ったら大間違いだ。」

逆沢「ってか逆でしょ。」

鼎「でも小泉さんは、アメリカの言う事聞いてたら間違いないと思ってたのか、すごく忠実に実行した感じはあるよ。」

逆沢「その結果、電源開発株まで外国の投資家に買われて、経済産業省が大あわてしてるけどね。」

愛原「【民営化】とか【規制緩和】とかいうキーワードを聞くだけで、それは素晴らしく正しいものと自動的に条件反射する者もいるみたいだし、渡辺喜美大臣にもその傾向がありそうだが、パブロフの犬じゃあるまいしって感じだ。【外国からの投資を呼び込む】というお題目も絶対善として使われがちだが、本来、投資というのは必要なときにふさわしい相手から募れば良いものだ。必要もないのにお金を借りても返済がしんどくなるだけだし、リスクの多い相手から借りると面倒ごとが増える。ましてや株を売るという行為は、相手に経営権の一部と配当金を譲る事でもあるのだから、必要もないのにやっちゃいけない。国益にモロ直結する部分まで意味もなく手を出した小泉は、欧米のスパイかと言いたくなる。」

逆沢「ウチのゲームでも、黒藤軍に電力部門の株を抑えられて四苦八苦する辰巳軍のイベントがあったけど、まさか現実化する日が来るとは思わなんだわ。」

愛原「今、問題になっている後期高齢者の医療問題も小泉政権時代の産物だが、どうもまずい事ばかりやってくれたイメージだ。実際には小泉改革にはかなり良い改革もあるんだが、分類すると【日本の国益にもなるが、アメリカの国益にも反しないもの】か、【日本の国益にはマイナスだが、アメリカの国益にはプラスのもの】ばかりで、小泉改革の目線は、まず日本国民よりアメリカ国民の利益を最優先に考えているような感じがしてならない。」

鼎「本当に、改革っていっても色々あるんだね。」

愛原「いずれにしろ物事を変えるには、反対者を押さえこむ工夫がいる。それはヒトラーや小泉のように、大衆の大半を扇動する一方、反対者にレッテル貼りをして弾圧する方策もあるし、あるいはあくまで正論で押していくものもあるし、逆にペテンもあるし、強行採決やクーデターのような実力行使もあるし、今回の後期高齢者の医療問題のように、こっそり進めて既成事実を作ってしまうものもあるだろう。だがいずれにしても、改革を成そうとする指導者には力がいる。実力行使ができる程、強い腕力なり権力があればよいが、足りなければ知恵なり勇気なり人望なりが必要になってくる。」

逆沢「橋下大阪府知事の場合は、熱意っちゅうか勢いというか、そんな感じで押し切るつもりみたいね。ちょっと抵抗される度にすぐに心が折れそうなのが少し気にかかるけど。」

愛原「まず削減目標値を設定した手順に関しては、大きくは間違っていない。自民党の国会議員とかは【必要な道路は建設する】とか言ってるが、そんな事真に受けたら、【じゃあ今まで作った不必要な道路はどこどこのものなのか? 今後予定中の不必要な道路はどこに造る予定なのか?】って事になって、おそらくそんな物は認定できないから、結局全部作る事になってしまう。【優先順位を決めた上で、今ある予算の中で生活する】というのが普通の家庭で行われているように、行政もそうでなくてはならない。」

逆沢「でもその優先順位の決め方に、問題があるって意見もあるけど?」

愛原「そりゃ、まぁな。公務員人事に関しては寺島の方が専門だが、とりあえず言えるのは、公務員試験を通さないいわゆる非正規公務員の扱いにも目を向けて欲しい。彼らは100万円台の年俸での労働を余儀なくされており、しかも不安定だ。それなのに県全体の人件費がバカ高いのはなぜか? そのカラクリに目を向けてみろ。公務員試験で合格した者の層の年俸の高さが異常なのだ。それから各市町村に協力を呼びかけるのなら、先に県内の改革をある程度進めてからにするように。自分の身内は汗を流させないが、他人に汗を強要するでは、そりゃあ相手も怒るに決まってる。そんな卑劣な真似が通用するのは、小泉くらいのもので、誰でもできると思わない方がいい。」

鼎「熱意と勢いだけじゃ駄目って事?」

愛原「小泉政権の例があるから、うまく煽っていく方向にもっていければ絶対不可能とはいえんが、誰でもできる芸当じゃない。あとそれと改革という行為は、誰かをより幸せにする代わりに、別の誰かをより不幸にする可能性があるものだ。つまりある人から見れば冷酷な指導者であり、別の人から見れば温情ある指導者という事にもなりがちだ。できるだけ多くの人を敵に回したくなければ、改革自体を見送るのが無難だが、それは自分が可愛いから嫌われたくない側面もあり、本当の意味での善良で思いやりのある指導者とはいえなくなってくるだろう。言いたい事は分かるか?」

鼎「うーん、冷酷な指導者が、実は一番思いやりのある指導者になりえる事もあるって事かなぁ?」

逆沢「逆のタイプもいるわね。例えば、イエロー隊長とかは、身内への思いやりはそれなりにあるし、自分の支持者とか親しい部下には、利権を回したりお金を配ったり、いい兄貴分みたいなところもあるかも知れないけど、その分その他の人に無関心というか、極めて残酷というか・・・。」

愛原「良いところに気づいたな。全ての人を同時に幸せにするのは難しい。その結果、誰かを幸せにする代わりに誰かを不幸にせざるを得ない局面というのはあるが、イエローはその中でも最悪の典型だ。自らの身内への利権拡大の為の改革なら積極的に賛同するだろうし、逆なら徹底して抵抗するだろう。一般の大衆からみれば悪役そのものだが、イエローを信奉している仲間からみれば、頼もしい兄貴分という訳だ。そして彼も、決して優柔不断でなぁなぁな指導者ではなく、ある意味では断行できるタイプの強い指導者でもある。」

逆沢「い、嫌な意味で強い指導者タイプね・・・。そんなキャラだから、あの個性強すぎるヒデブ派で、リーダーやってられるのかも知れないけど。」

愛原「【たとえ世界を敵に回しても、お前だけは守ってみせる!】というセリフは、恋愛物ならカッコいいかも知れないが、公金を扱う人間がそれではまずいとしか言いようがない。それではペルー人の妻に公金15億ほど横領して貢いだ青森県の住宅公社の職員となんら変わりがない。」

逆沢「うへぇー、なんてたとえ!!」

愛原「安倍晋三もそんな傾向が強かったな。特に衛藤晟一復党事件を含む一連の復党騒ぎはひどかった。イエローと同様で、もし大衆と身内の利益不利益が相対したら、間違いなく大衆を怒らせても身内を取るというか、それを本気で実行したからな。最初は色んな意味で期待感もあったんだが、はっきりいってガックリ来た。松岡騒ぎの対応とか、親友の中川昭一が道路特定財源見直しに反対姿勢を見せた直後に先送りを明言した事といい、友情や仁義を最上の価値観ととらえてる姿勢は、ファンタジーとしては美しいかも知れんが、国の指導者としてはひどすぎる。その友人キャラが良い奴ばっかりなら、まだともかく、そうでないからなお救われない。ぶっちゃけイエローや先述の青森の公社職員と同類で、今回のテーマで言えば、本当は熱く温かい冷酷な指導者とは逆のタイプ。」

逆沢「恋愛ファンタジーなら、権力の座を投げ打ってまで好きな人と結ばれるみたいなキャラになりそうなんだけどねぇー。安倍は。」

愛原「ってか、権力の座を投げ打ってもいないだろ。それどころかあと10年ちょいで安倍晋三の甥が選挙に出れる年齢に達するんで、それまでは絶対に選挙区を死守する為に現役にしがみつくなんて話も聞くくらいだし。まぁこの辺の真偽は、10年から15年もすれば分かるだろうけどな。


鼎「そんなに経ったら、今の成人の人達でも、30歳過ぎのおっちゃんおばちゃんになっちゃうよ!」

愛原「まぁ結論として言えるのは、まずうわべだけでも安定した人気を保ちたければ、改革など企まず問題の先送りをした方が無難だ。但し、それは本当に尊敬に値する人間ではない。次に改革を推進すれば、敵を作る可能性がある。ファンタジーのような皆に愛される改革者になるのは難しい。ってか、そんな素敵な改革があるなら、時の権力者が先にやっている。そして改革者は時に冷酷とののしられるが、重要なのは誰を敵に回し、誰を味方につけるかだ。改革が改善となるか改悪となるかは、おそらく後世の歴史が見定めてくれるので、安易な世論に踊らされる必要はないが、独りよがりの判断は、単なる身内びいきや自己満足で終わる事もあるので要注意。」

鼎「橋下知事も、これから本気で改革をしようとしたら、たくさんの障害があると思うけど、後世の人を一人でも多く味方につけるくらいの気持ちでやり遂げて欲しいよね。」

愛原「橋下は若い。後世の人の評価といっても、余程早死にしなければ、生きている内にちゃんと結果は出る。早ければ4年後の選挙までに一定の結果を出すこともできる。粛々と頑張り抜いて欲しい。あぁでも、小泉改革の模造品は、大阪にはいらんぞ。小泉改革は、とりあえずお腹いっぱいだ。」










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