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愛原様のたわごと(08年6月7日)



愛原「今週も震災ネタ。」

逆沢「あ、あんた・・・、一体どこまでそのネタ引っ張るつもり?」

鼎「さすがにちょっと飽きちゃったよぉー。」

愛原「不謹慎な奴らだ。被災者が実感を伴う形で、起きた惨劇を振り返ったり、これからの生活設計を考えて打ちのめされたりするのは、むしろこれからなんだけどな。言葉は悪いが、ブームとして、あるいはイベントとしての震災は飽きられて、中国政府や諸外国なども、以降はパフォーマンスよりも、会計を優先して行動するようになる。」

鼎「なんか冬の大雪イベントみたいだね。最初の内は雪が降って綺麗だねとかロマンチックだねとか雪合戦できるかもとか言ってても、降り続けると除雪とか大変な事しかなくなるもんね。」

逆沢「各国も中国政府も、震災をアピールに利用してた所があったけど、ブームが去った後の処理で、本当の素顔が分かりそうな気はするわね。」

愛原「今までの日本の政府の対応としては、まぁ良かったとは思う。軍用機で物資を運ぶとか、余計なことを考えなければより最善だった。」

逆沢「ああ、あれか。日本国内でも色々反対意見はあったけどねぇー。政府が軍用機の派遣を前向きに検討したとの第一報があれば、反中派の人らから中国の策略とか、逆の事が起これば中国軍がやって来るからノーとか言って派遣に反対。で、次に中国政府からの要請で軍用機派遣が中止になれば、被災者でも何でもない人の勝手な感情で中止に追い込まれたと、派遣中止に反対。お前ら、どっちやねん。反対の為の反対かって。」

鼎「逆に日本政府は、軍用機の派遣にノリノリだったけど、何でだろうね?」

愛原「日本国内でも、アメリカ軍の艦船が寄港する度に反対運動は起こる。日本で普通に起こる事が中国で起こっても不思議はないだけの話だ。基本的に軍隊とか軍人とかいうのは、暴力によって人を統制する歴史と性質から、どちらかというとネガティブなイメージを与える存在なので、だからこれはやむを得ない。故にそのネガティブなイメージを払拭する為に、北朝鮮など軍国タイプの国では軍事パレードなどを好むし、アメリカでは軍艦に民間人を招待するなどのイベントも行うし、日本などでも災害救助などの慈善事業を積極的に行う。」

逆沢「その民間人を招待して同乗させた某アメリカ原子力潜水艦は、日本の実習船を沈めるパフォーマンスまで見せてくれたけどね。」

愛原「まぁいずれにしろ、軍隊は嫌われ易い。いつの世でも軍艦や軍施設を嫌う人はそれなりに出る。これはやむを得ない。まして中国人の日本軍アレルギーは、日本人の反米感情の数倍はあるだろう。ただ不思議なのは、今回の日本にしろ、アメリカにしろ、なぜか派遣する側の国は、嫌われる事を分かっていながら派遣したがるのか? これが理解できない。しかも今回、派遣したがったのは、反中派ではなく親中派がメインだろう。意味不明だ。」

鼎「もしかしたらアメリカも、他国の軍艦とかを日本の港に寄港させたら日本人が喜ぶと思って、それで反対運動が起こることが分かってても寄港を強要したりするのかなぁ?」

愛原「知らん。ただ派遣する側は、なぜか喜喜として派遣したがる。あれがなければ、日中友好の進展は飛躍的に前進していただろうと思えただけに、画竜点睛を欠く思いではある。」

逆沢「ま、友好関係なんてものは、そう簡単には築けないものだし、気長にいけばいいんじゃない?」

鼎「でもガス田の問題とかあるし、難しい問題も多いよね。」

愛原「ゲームや小説の世界では、最後は大団円というのも珍しくないが、現実の世界では友好関係を維持するのはなかなか難しい。壊すのは簡単だが、築くのは難しく、維持するのもなかなか大変なのが、友好関係の一面ともいえる。という訳で今回のテーマは、【和解】だ。」

鼎「和解って事はー、仲直りって意味でいいのかなぁ?」

愛原「うむ。ちなみにRPGの世界では対立の構図というのが、極めて高い確率で登場するわな。」

逆沢「ってか、途中で和解したらゲームにならないじゃない?! ラスボスとの対話は必ず決裂するってのはお約束なのよ。」

鼎「ラストバトルが終わるまでは、本当に分かり合えないよね。ラストバトルが終わったら、すぐに打ち解けちゃう事も多いのにね。」

逆沢「コブシで語る人達ってわけね。」

鼎「熱血型の主人公なら、グダグダ言い訳する悪役を一喝してバトルに入るし、逆に仁愛型の主人公なら、悪役の方が対話を強制的に打ち切ってやっぱりバトルになっちゃう事が多いよね。」

逆沢「本当に、話し合っても分かり合えない人達ね。」

愛原「まぁ、話し合っただけで分かり合ったら、RPGとしては大問題のような気もするしな。ただこの展開は、お約束だからという理由だけで終わらせるのは安直かも知れないな。現実世界でも、話し合いで分かり合えるケースは、実はそんなに多くないからな。」

鼎「ほえっ? そうなのかなー?」

愛原「テレビで与野党の政治家が集まって、日曜討論とかTVタックルとか朝まで生テレビとかで話し合うけど、分かり合える事などほとんどないだろう?」

逆沢「あはは。そらそうだわ。人の話に割り込みまくる奴もいれば、司会は司会で勝手に話を打ち切って次のテーマやCMに移ってしまうし、話し合うというよりは、一方的に主張しまくっては相手を叩くだけだからねぇー。」

鼎「国会でも与野党合意ってのは、あんまりないよね。」

愛原「話し合いで合意に達するには、相手の言い分に耳を傾け、落としどころを探す努力がいる。相手を一方的に叩くだけでは相手を怒らせるだけで、和解への道はむしろ遠のきかねない事も多い。勿論、【論戦】で相手を言い負かしたりする事は可能だが、それで敗者が勝者の言い分を聞くような形になる事は意外と少ない。例えば、お前が狂信徒と論戦をして、相手の矛盾点を尽きまくって言い負かしたとしても、それで相手が改宗するかといえば極めて難しい事は想像に難くないだろう?」

逆沢「簡単に改宗するような人は、そもそも狂信徒なんかにはならないって!」

愛原「狂信徒に限らず、始めから一切自分の主張を譲るつもりのない相手に、論戦を仕掛けても、それで相手を説得できる事などほとんど無い。せいぜい【地獄に落ちるぞ】とか【頭の悪い奴にこれ以上、何を言っても無駄】とか【wwwwww】とか、返ってくるだけで時間の無駄だ。」

鼎「でも始めから相手の主張の矛盾を突くとか失言を突く目的以上の、相手の主張の良いところを学び取ろうみたいな姿勢で、話し合いに応じられる人ってあまりいないかも知れないよね。」

愛原「説得する人より、説得される人の方が、実は人間としての器は大きいのかも知れんな。人間、自分に近い陣営の人の意見は前向きに聞くけど、対立する陣営の言葉を前向きに聞ける人は少ない。勝海舟を斬りに行きながら、逆に勝海舟に触発された坂本龍馬は後に英雄になるが、そういう例もあるように、敵と思っていた人間からも知識を吸収し、味方とするような人こそが実は偉大なのかも知れん。」

鼎「って事は、和解する気のない人と和解するのは無理って事なのかなぁ?」

愛原「不可能とまでは言わないが、極めて難しいだろうな。」

逆沢「物で釣るって方法はどうかな?」

愛原「買収か? まぁ相手の性格にもよるし、あと力関係次第だな。たとえばよく新聞で、クソガキが同級生や下級生から金品を脅し取るというのがあるが、このケースの場合、いくら貢いでも真の友好関係にはつながったり、あるいは力関係が逆転するケースは殆どゼロだろう。あと数年前、アメリカが日本政府に対して牛肉の再輸入を求めてきた際、イラク戦争を日本が支持したことに関して【(イラク戦争を支持した事による日本のアメリカへの貢献は)賞味期限切れだ】とアメリカの担当高官が発言した事もあったようだが、まぁそんな感じ。過去にどんなに貢ごうと支持しようと、それはそれ、これはこれ、で終わる事は珍しくない。アメリカは日本政府が常任理事国入を目指して本格的に動いた時も潰す側に回ったし、日米の力関係が歴然としている以上、どんなに貢いでも無駄なものは無駄というか、対立しないで済むだけマシみたいな展開になる事は珍しくない。」

鼎「力関係に差がある相手と、本当の意味で仲良くするにはどうすればいいのかなぁ?」

愛原「前にも言ったが、相手に仲良くする意志がないと、かなり難しい。例えば、アメリカの外交を例に取ると、かつてアメリカは核兵器を新たに所持したパキスタンに対して経済制裁を断行した事があるが、アフガニスタンと戦争する事になった途端、突然パキスタンと和解した。このように周囲の状況に左右される事はある。また北朝鮮がアメリカ相手に、核を取引材料に支援を引き出しているように、駆け引きや取引をうまくやるのも、そういう相手と付き合う一つの方法。仮に北朝鮮がアメリカと友好関係だったならば、イラク戦争支持と引き替えに、間違いなく北朝鮮はアメリカから金品を貢がせていただろうし、その意味でも、イラク戦争を支持させられたあげく、お金も貢がされ自衛隊も派兵させられた日本は、ギブ&テイクならぬギブ&ギブで、外交能力は北朝鮮の足下にも及ばないと言わざるを得ない。」

鼎「だから日朝交渉も全然うまくいかないのかなぁ?」

愛原「安倍らは北朝鮮相手には対話よりも圧力が有効とか言っているが、圧力なんてものは自勢力の方が力が上でないと意味がない。まして3国間で武力行使の意志がない以上、【アメリカ=北朝鮮】【アメリカ>日本】の公式が外交上ほぼ成立しているのに、【日本>北朝鮮】を前提とした外交方針を取るというのは厳しいと言わざるを得ない。まぁいずれにしろ、圧力という手段は、元々和解したり友好を深める意図ではなく、ただ単に強者が弱者を言いなりにしようという方策でしかないので、一方がこの手段で関係を迫っている内は、心からの友好関係の構築はほぼ絶望だ。」

鼎「日米関係も、基本は圧力なのかなぁ?」

愛原「体裁上は対等同盟関係だが、実質的に要求する側とされる側が、ほぼ一方通行で成立してしまっているから、真の友好関係というのは無理があるかも知れん。極論で言えば、犬と飼い主の友好関係に近そうだ。」

鼎「犬と飼い主?」

愛原「うむ。例えば、人間サマは、トイレをちゃんとして、お手やお回りなどもちゃんとこなしたり、場合によっては犯人を追跡したり暴漢を追い払ったり、それでいて不要に他人にかみついたり吠え回ったりしない、忠実な犬を【賢い】と評価するだろう。」


逆沢「ああ、分かった。要するに人間サマにとって、都合の良い犬程、賢いとか可愛いとかなりやすいけど、アメリカ人からみた日本人もそんな視点かも知れないって事ね。」

愛原「現在、牛肉問題で揺れている韓国だが、今月3日、アメリカの駐韓大使が【科学と事実をもう少し学べ】と言って、韓国民の多くを憤慨させたが、このようにアメリカは常に自分達の正しさに確信を持っている。イラク戦争を日本が支持したときも【日本政府は正しい判断をした】と彼らは言ったし、常に上から目線。RPGの世界で言えば、心優しい僧侶がゴブリンと友情をはぐくもうとするような類で、あくまでゴブリンの側が人間の風習や宗教に合わせる事が前提になっているようなものだ。」

鼎「相手の言いなりになることが、唯一の和解や友好の手段だとしたら悲しいよね。」

逆沢「でもRPGの世界では、主人公が悪役をバトルでやっつけた直後に、和解する事もあるし、やっぱり弱者が強者の言い分をのむ形で和解するのが、意外とありがちなパターンなのかもね。」

鼎「でもそんな、ひどいのばかりじゃないと思うよ。主人公のパーティーとかは結構、対等の立場で仲良くやってると思うし。」

愛原「その通りだな。さっき飼い主と犬の友情の話をしたが、主人公パーティーの動物使いの中には、一方的な主従関係じゃなくて、お互いに自分の自我をもって考え行動するみたいな、本当の友情みたいなケースもなくはないしな。やはり真の友情というのは、相手を理解し合える関係で成り立っているのだろう。一方的に理解するよう押しつけるのではなくな。」

逆沢「友情が芽生える時って、どんな時があるかな?」

愛原「まず相手に好意なり興味なりをもってもらえるかどうかだな。三文ネタだが、ピンチの時に現れて助けてやるとかは定番だろう。」

逆沢「元々、デフォルトで好意なり興味を持っていてくれる相手ならいいけど、敵対してるとか、何の関心もないとか、そんな相手と和解するには、格好のネタかもね。」

愛原「悪役や脇役同士で和解させるなら、利害で結ばせるのが一般的だろう。」

逆沢「アメリカとパキスタンが手を結んだようなものかな?」

鼎「義理人情とか、利害で和解するケースは多いけど、を語って和解できるケースが少ないのは意外かも・・・。」

愛原「人は、道理感情利害のいずれか、あるいは複数を考慮して物事を判断する事が多い。人間として理性、特に良識というものを前提に行動するなら、理を最優先に判断すべきだが、対人関係において理が最優先にされる事はむしろ少ないという事かも知れんな。」

逆沢「政治の世界では、タテマエ上は理性や良識に基づいて行動する事を求められているはずだけど、それよりも感情や利害で人間関係が結ばれている感じはあるしね。」

鼎「でもタテマエ上は道理で行動する事になってるから、本音と一致するとは限らないきれい事をそれぞれ主張して、でもお互いに道理で歩み寄る気はないから、それでいつも話は平行線で終わるという事かも知れないよね。」

愛原「平和的解決の観点で言えば、じっくり話し合って、譲るべきは譲り合い学び取る精神をもって、道理と道理をもって最善の決断をもって和解できれば言うことはない。だがRPGでそんなシーンは滅多にないし、むしろ一時的な感情利害の一致の方が、人間関係修復で大きな役割を果たすことが多いのが現実のようだ。悲しいことだけどな。」

逆沢「そのくせ、大衆相手の場面だけは、主人公や生徒会長が熱弁を振るうだけで、生徒一同がすんなり一丸となって結束したり、主人公陣営の王様が、諸国に停戦とか和解とか平和的な解決を呼びかけた途端、臣民一同、すんなりとまとまって大結束って事も多いけどね。お前らどれだけ素直やねん。ってか、重要キャラはみんな反抗的とかツンデレとか、とても理性的な話し合いだけでは納得しない曲者ばかりのくせに、一般大衆だけはやたら理性的すぎるのか、極端にあおられやすいのか・・・」

愛原「馬鹿素直な人間は、アメリカには喜ばれるけど、ゲームの登場人物としては端役にしかなれないって事かも知れんな。世間に背を向けるくらいのキャラの方が、ゲームの世界では望まれるらしい。」

逆沢「じゃあ私達も、世間のその他大勢に迎合しない、いっぱしのはぐれ者って事かな?」









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