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愛原様のたわごと(08年8月09日)



愛原「【京都府にある福知山自衛隊駐屯地で、1人の陸士長が、上司や同僚の冗談を真に受けて、決して発砲させてはならない場面で発砲した】事件があったんだが、お前らはどう思う?」

鼎「そんな話はどうでもいいよ。今は北京オリンピックの方が大事だよ。」

逆沢「前の冬のオリンピックでは、大人数を派遣しておきながら金メダル一個だけって、残念な結果だったからねえー。何とかリベンジしたいところね。」

愛原「・・・いきなり人の話を無視するな。」

鼎「【あるある大事典】の不祥事で関西テレビがオリンピックを放映できなくなる可能性もあったけど、特例措置で放映できるようになったから、これでオリンピック観戦の懸念材料もなくなったよ。」

逆沢「今回はお盆を挟む期間のオリンピックだから、夏休みを満喫中の学生さんから社会人まで、例年以上にオリンピックに関心が集まる可能性があるわね。」

愛原「福知山の話から入らないと、今回のテーマに移れないのだが・・・。」

鼎「ちなみに今回のテーマは【COMの思考ルーチン】のお話なんだよ。」

愛原「こら、北京オリンピックの開会式のリハーサル場面をこっそり放映しようとした、某マスコミみたいな真似をするな。ネタバレはやめろ。」

逆沢「けちけちすんなって。たまには前置き抜きで本題に入れって!」

愛原「・・・畜生。という訳で、今回のテーマは【COMの思考ルーチン】の話だ。要するにゲーム内の人工知能とか、思考パターンとか、そういうお話だ。」


逆沢「世の中には、チェスの世界チャンピオンを破るようなすごい人工知能をもつCOMもあるらしいけど、大抵のゲームに登場するCOMは、思考がお馬鹿さんなのが普通みたいだけどね。」

鼎「COMがあんまり賢すぎると、クリアできなくなっちゃうよ。だからちょっとくらい頭が悪いくらいの方がいいと思うよ。」

逆沢「COMが敵として登場するケースの場合わね。けど味方として登場する場合は、あんまり頭が悪いとかえってストレスがたまんのよ。」

愛原「COMが味方として登場するケースといえば、SRPGなんかでは割とあるわな。大抵やられ役だが、まぁCOMの味方があまりに強すぎると経験値稼ぎがしにくくなるから、そう思ったらちょっとくらい頭が弱いくらいの方がいいとも思うけどな。」

逆沢「戦国史で軍団に委任する事ができるけど、軍団の頭があまり良くないといらついたりしない?」

愛原「そりゃ軍団の使い方が悪い。【部下を無能呼ばわりする、無能な上司】の典型だ。部下の使い方を知らない、教育の仕方をしらない、適材適所を考えない、命令や指示の伝達方法を知らない、権限や責任の所在を知らない、士気の高め方を知らない・・・etc。色んなパターンがあるが、部下の失敗を責める以前に、部下の扱い方を知らない困った上司というのは、残念ながらどこでも存在する。戦国史の軍団の使い方についても、それと同様な可能性がある。現実世界でも、自分と同じ行動を別の人に取らす事は困難なのに、COMに人間と同じ行動パターン活躍を期待するのが、そもそも間違いというものだ。」

逆沢「まぁ、そりゃあそうだけどねぇー。」

鼎「じゃあ、どういう使い方をすればいいのかなぁ?」

愛原「SLGゲームの中で、特定のユニットなり都市経営なりを【委任】できるゲームは多いが、確かにCOMは人間ほど、頭は良くないのが普通だろう。しかし人間と違って、とにかく実直である。機嫌に左右されない。それなりには真面目に仕事をしてくれる。任務の与え方さえ間違わなければ、やはり役に立つケースは多い。戦国史の軍団の使い方としてオススメの使い方をあげれば、【内政委任】と【残党掃討】の2つが、まず上げられるだろう。」

逆沢「内政委任の方は、何となく分かるわ。最前線で無くなった後方の内政を委任するって事でしょ。」

愛原「後方である必要はない。俺は一定以上の部隊数と資金がたまり次第、直ちに内政軍団を作る事にしている。勿論、当主のいるエリアも含んで全エリアで委任する。資金さえ十分にもたせれば、商業開発から貿易まで全部やってくれる。鉄砲の買い入れ作業を除く、全内政をやってくれる為、内政フェイズに費やす時間が、大幅に削減できる。ちなみに資金さえ十分にもたせていれば、所領を与える必要はない。」

鼎「残党掃討といえば、例えば残党勢力が蜂起して後方を脅かした時に侵攻専用の軍団を用意したら、便利だよね。」

愛原「一定の兵力を預けた上で、侵攻元エリアと侵攻先エリアをきっちり軍団に任せれば、すぐに行動してくれる。有事の際のみ臨時的に侵攻用の軍団を結成してもいいし、既存の内政軍団に追加の戦闘用部隊を預けて侵攻可能な設定に変えてもOKだ。」

鼎「そういえば、戦国史の場合は、部下をCOMに委任するパターンだけど、太閤立志伝や銀河英雄伝説Wとかのパターンだと、上司がCOMなんだよね。」

逆沢「無能な上司に翻弄されちゃうゲームって奴ね。銀河英雄伝説Wの場合は、上司が無能であればある程、雰囲気が出るから、それはそれでいいかなと思えなくもないけど。」

鼎「パソコンゲームの世界では、それなりに有名な市販ゲームだよね。」

愛原「太閤立志伝シリーズも銀河英雄伝説Wも、作者のお気に入りゲームの一つだな。困った上司に足を引っ張られるシーンも悪くないが、困った上司をいつか出し抜くべく力をつけていく過程もなかなか楽しい。COMが賢すぎると、ライバル達をなかなか出し抜けないだろうから、ライバルの思考ルーチンが適度に弱いとすごく助かる。ゲームバランスの都合上、故意に手加減してくれているなと思うこともある。」

逆沢「ある程度、慣れたプレイヤーだと、それはそれで簡単すぎてつまらないって事になるんだけどね。」

愛原「【アホな思考ルーチンしか持たないCOMは嫌いだ】というプレイヤーは結構多い。もっと歯ごたえのあるCOMの敵が欲しいという事もあれば、もっと頼りになる味方のCOMが欲しいという事もあるだろう。実際、そのさじ加減は確かに難しいし、技術的・予算的・時間的に賢明な思考ルーチンの構築は困難という事もあるが、それはそれで味として受け取るのも一案な気もするけどな。」

逆沢「技術も何も、ツクールや戦国史にツールを頼っている時点で、独自で思考ルーチンを構築する事自体、限界があるんだけどね。」

愛原「・・・まぁな。一からプログラムを組むのでもない限り、COMの思考ルーチンの根幹を成す部分は、どうしても基本となるゲーム作成ツールに依存せざるを得なくはなってしまうからな。ただその決められた思考ルーチンを、作者がどれだけ逆手に取れるかで、実際のゲームの深みはいくらでも変わってくるような気もするけどな。例えば7lcwでは、COMの思考ルーチンの弱さを、ユニットの性能や物量でできるだけ穴埋めしないというコンセプトをもって作ったつもりだし、非戦術部分で、できるだけ独自の思考ルーチンの構築には励んだつもりだが・・・。」

逆沢「勢力ごとに攻め込む確率を変える事で、勢力や君主の好戦性に違いがあるんだという事を表現したりみたいな感じとかね。退却のしやすさとかも指揮官ごとに変化をつけたりして、個性を出そうとしてる努力だけは認めなくもないわ。」

鼎「麻雀ゲームとかでも、できるだけ役満を狙いたがるキャラとか、とにかくリーチが好きとか、逆に鳴きたがるとか、混一色系が好きとか、短期決戦型とか、危険牌を打ちたがらないとか、色んな性格のキャラを設定して、別々の思考ルーチンを用意しているゲームとかもあるよね。」

愛原「そういうゲームは、すごくキャラが生きている感じがして好感が持てる。まさしくゲームデザイナ−の努力に乾杯という奴だな。」

逆沢「作る側はメチャクチャ大変だけどね。」

愛原「その通り。思考ルーチンを一つ用意するだけでも大変なのに、複数作ろうとすれば数倍の労力がかかる。けど【同じ局面になれば、全COMキャラが同じ確率で同じ行動を取る】というだけでなく、あいつは熱血型だから、あいつは慎重派だから、あいつは真面目だから、あいつは欲深いから、みたいな差が表現されている作品の味わいは格別だ。COMの頭の良さに関しては、技術の限界もあればゲームバランスの問題もあるので表現が困難な部分も多いが、COMの性格に関しては、比較的表現がし易いので、力のあるメーカーや作者さんには、是非とも色々挑戦して欲しいと思うわな。」

逆沢「ところで最後まで、福知山の話が出てこなかったけど、一体、どういう前置きから、今回のテーマに移るつもりだったわけ?」

愛原「・・・ああ、その話か。いや、ろくでもない上司に恵まれると不幸だよなという話だ。詳しい内容はネットと検索してもらえば分かるが、やっていい冗談と悪い冗談がある。人殺しの道具の間違った使い方を、いかにも正しいがごとく示すなんて、まともではない。冗談を信じてしまった陸士長は真面目な人柄だったいう話だが、だったらなおのこと、むごい話としか言いようがない。オオカミ少年の逸話でもそうだが、軍隊組織でこんなタチの悪い冗談を許せば、肝心の場面で上官の司令を無視されたり、即時行動が求められる場面で迷いや逡巡を生む要因にもなりかねん。」

逆沢「でも、たとえ上司の命令でも万引きとか強盗とか産地偽造とか贈収賄とか、法に反する事をしたら許されないのは当たり前だし、今回の件は、自衛隊法でとがめられている行為だから、それを実行に移してしまった陸士長にも一定の責任はあると思うけど。」

愛原「それは否定しない。しかし司法試験の合格者でもない限り、法の全てを熟知している人間はまれだし、マイナーな法の事を言われても困るという人は多いんじゃないか? たとえマイナーであっても、その職にある者として絶対に知っておかねばならない法に関しては、上司などが責任を持って事前に教えておくべきであり、逆に間違ったことを教える上司などまともではない。ゲームの世界では、無能なCOMの上司はいずれ出し抜く対象でしかないから、笑って許せる事もあるだろうが、この件の上司はゲームに登場するCOMの上司よりも数倍タチが悪いと言わざるをえん。」

鼎「ゲームに登場するCOMキャラは、味方の足を引っ張ったり、味方の嫌がらせをするようなキャラは、あまりいないよね。」

逆沢「歴史や原作の世界では佞臣とされているキャラでも、ゲームの世界では、コマンドを実行するたびに自軍の国力を下げたりするようなキャラはほとんどいないし、それどころかすごく真面目に(賢明かつ的確とはいえなくも、愚直以上には)仕事してくれるキャラが殆どの気がするしね。」

愛原「ウチのゲームの場合は、7lcwの長光とか、戦国史S版の美しい親衛隊辺りは、味方の足を引っ張りまくるキャラとして登場するけどな。まぁ現実世界では、正しい情報を報告しない困った部下とか、責任を転嫁する嫌な上司とか、優秀なライバルを組織から追放する為に陰謀を巡らす同僚とか、とにかく味方の足を引っ張る奴は残念ながら多い。ゲームの世界の住人は、ある意味、いい人が多すぎるといっても過言ではない。」

逆沢「ま、まぁ・・・、確かに能力値が低いとか、思考ルーチンが弱いとかの理由で、大して役に立たない味方というのはいるだろうけど、コマンドを実行する度に資金を着服したり、組織にいるだけで味方の忠誠心や民衆の支持率を下げ続けたりするような、困ったちゃんはあまりいないと思うけど・・・。」

鼎「ここの作者の考えるCOMの思考ルーチンや行動パターンは、ちょっと変わってるところがあるよね。」

逆沢「本気で味方に損害を与えようとしたり、頼りになる同盟国のふりして、その逆のことを企んでたりとか、信用できない味方ってのが必ず登場するもんね。」









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