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愛原様のたわごと(08年8月29日)




愛原「北京オリンピックという夢の祭典が終わった後、アフガニスタンで活動中のNGOの有志が殺されたりして、いきなり現実に引き戻された感じだ。」

鼎「いつもの事だけど、政府やマスコミの反応は、理不尽な犯行は許せないとか、テロは許せないとか、そんな感じだよね。」

逆沢「けど、あんたの事だから、そういう普通の発想は絶対しないと予想するわ。で、勿論、今回も期待に背かないひねくれた発想をしてくれちゃったりするのかなー?」

愛原「なんかすごく引っかかる言い方だが、まぁ当たり前の感想しかなければ、ここのコーナーでわざわざ取り上げるはずもないわな。ちなみに今回の事件を振り返って思ったのは、黒藤編オープニングに登場する吉巻のコメントだったりしてだな。」

逆沢「具体的にどの部分?」

愛原「【宮田領を廃墟にした後には、我が国の人道支援部隊を派遣しましょう。学校や病院を再整備し、いかに我々が人道的な国家であるかを諸国に知らしめるのです】というセリフがあっただろ?」

逆沢「ああ、あのセリフは、あまりに偽善過ぎて記憶残ってるわ。マッチポンプ過ぎるというか、壊した張本人が、何人道主義者ぶってんねんって感じね。」

鼎「でもアメとムチの占領政策としては、実は珍しくもないらしいよ。植民地政策とか占領政策というのは、逆らったら痛い目に遭わせるとか、適度に怖さを植え付けて逆らいにくい環境を作るとかのムチの政策もするけど、それだけじゃもたないから、言うこと聞いたらちょっといい目もみせてやるとか、人道主義的な側面も見せて、現地人が心理的に従属しやすい環境作りもセットでしたりするらしいよ。」

逆沢「でもその手のアメとムチは、占領される側からしたら、あまりに露骨でミエミエだから、容易に占領されたくなくて、必死で抵抗を試みる側の人からしたら、逆に嫌悪感の対象になりそうね。」

愛原「国際社会の視点で見る限り、日本の立場は世界一露骨にアメリカに追従する国だから、アフガニスタンの無辜の民を、空爆などで無差別殺傷を続けるアメリカと同じ嫌悪感で見られてもやむを得ない。アフガニスタンの世論は非常に複雑だから、タリバン嫌いの者も多いし、親米・親日に近い者もそこそこいるが、そうでない者も同様に多いし、彼らからみれば、そこで人道支援と銘打つ活動家は、いわば侵略者が派遣した宣教師と変わらないという側面も知るべきだ。」

鼎「日本でも、尊皇攘夷運動とかが起こって、外国人に対する排他的な動きは色々起こったし、それと同じ事かも知れないよね。」

愛原「世界一安全な国の民であろうが、戦闘地域の民であろうが、家族を理不尽に殺されたら、悔しいのは同じだ。今の日本人は、相手の立場になって考える思考が足りないのか、自国の有志が殺された事には敏感だが、アフガニスタンの一般人の相当数が、アメリカ軍の無差別攻撃によってに殺され続けているという背景に対する認識が足りない。相手の国の民が日夜感じている悔しさや理不尽さを配慮せず、自分達の立場だけで理不尽だとか許せないとか騒ぐのは、やはり手前勝手と言わざるを得ない。日本は、自国の有志がアメリカによるアフガニスタン占領政策のアメの部分で事実上荷担している側面、及びそのリスクについても、もっとよく思考するべきではないのか?」


逆沢「けど、侵略者はいつの世でも偽善的で傲慢だからねぇー。例えば幕末時代とかでも、特定イギリス人の無礼な振る舞いに怒った薩摩藩士がそのイギリス人を慣習に則って成敗したら、勝手にイギリス本国がブチ切れて、薩英戦争まで起こした例もあるし。」

鼎「薩英戦争の前後に薩摩藩士の人達が感じた強国の傲慢と理不尽を、今の日本人は、逆にアフガニスタンの人達に感じさせているのかも知れないよね。かつてのイギリス人は、生麦事件が起きた時に【恩を仇で返された】と思いこんで薩英戦争に踏み切ったみたいだけど、今の日本人の感覚も、そういう自分本位の独善的な考え方に陥っているのかも知れないよね。」

逆沢「そういやアフガニスタンを巡っての国際貢献(アメリカ貢献?)の中身に関しては、一部政治家から、従来のタダのガソリンスタンドでアメリカの歓心を買う方針から、自衛隊による人道支援などにシフトすべきだなんて声もあるけどね。」

愛原「従来のNPOによる人道支援は、中身が良い割に安価な方策だった。これを自衛隊がやった場合、イラクのサマワで不評を買ったような顛末になりかねない。義侠心とか慈善の心で活動するNPOと異なり、自衛隊はその点で劣るという問題もあるし、万が一死者が出たら、遺族補償とかを巡って、大変な金銭的保証が発生するという問題もあるしな。無論、自衛隊は一応、軍だから、処理方法を誤ると、国際社会に非難されたり、あるいは逆に侮られたりといった、目に見えないリスクも多い。」

逆沢「公務員にもしもの事があったら大変だけど、NPOなら構わないという考えは、えげつなすぎて私はすごく不快だけどね。」

愛原「同感だ。けど太平洋戦争の時でも、死亡した軍人の遺族には高額の遺族年金とかが出るけど、空爆で殺された民間人の遺族には事実上無補償だったり、公務員マンセーな空気は、日本固有の文化だからな。21世紀になった今でも、田舎と呼ばれる事が多い地域ほど、公務員指向は根強いらしいしな。」

鼎「けどNPOの人からしたら、必ずしもアメリカの占領政策をサポートしたくて危険な地域で頑張ってたんじゃないと思うし、そう考えるとちょっと残念な部分もあるよね。」

愛原「アフガニスタンの反米武装勢力の人からしたら、親米国であり、アメリカの対アフガン軍事活動を世界で一番経済的に支援している国の人間が自分の国の中に入り込んで慈善活動をやるのは、宣教師による洗脳行為にしか映らない。あるいはそう認識する人がいても不思議はない。被害者の日本人は、地元のアフガニスタンの民からも高い信頼があったようだが、だからこそより危険な宣教師と警戒視されてもおかしくないという側面も、日本のマスコミはもっと報道すべきだ。でないと幕末時代のイギリス世論ばりの勘違いした一方的視点の世論が、日本国内でさらに増幅しかねない。」

逆沢「そういやアンタは、この事件が起きる前までは、星野ジャパン惨敗後の、インターネットや週刊誌レベルでみられる星野バッシングにも、苦々しそうにしてて、そっちを今回の話題にするつもりだったらしいけど、これもまた、独自のひねくれ視点とかがあった訳?」

愛原「・・・いや、これは少し違う。星野監督の起用や采配に大きな問題があったという認識は、おそらく大半の世論と同じだ。だが今更ながらに話題になっている敗因を振り返ると、公式ボールの問題とか、ストライクゾーンの問題とか、事前準備の段階で既に大きな差があったと感じてだな。これは星野監督の采配以前の問題だとは思わんか?」

逆沢「まー、星野監督自体、【敗軍の将は兵を語らず】といいながら、あえてその点だけは、こだわって主張し続けた部分だからねぇー。」

鼎「でもアマチュアだけで五輪に出場していた頃の方が、意外と活躍できた理由も、少しは分かった気がしたよね。アマチュアの人は、五輪優勝を目標にしっかりと準備してたから、選手の質はプロに負けててもそれなりに活躍できたけど、今回は選手の質だけに頼って、準備抜きのぶっつけ本番だったから負けたような気がするしね。」

愛原「韓国の野球界のように、あらかじめプロ野球の公式ボールを五輪仕様に変えたり、しっかりとウォームアップ期間を設けたりするだけでも、少しは変わったと思うが、それすらしなかったからな。アマチュアなら、元々それが普通だから問題はなかったんだろうが、要するに【よく訓練された二流】と、【ぶっつけ本番の一流】のどっちが上かという好例になってしまったのかも知れん・・・。」

逆沢「でも私達自身や日本人ファンの多くも含めて、こんな結果は夢にも思わなかったし、だからそこまで対策をする必要も無かったと考えて、上から目線で余裕ぶってた訳だけどね。」

鼎「国民総慢心状態の、あげくの惨敗だったかも知れないよね。」

愛原「俺も結果的にその一人だった訳だが・・・。ともかく、惨敗の責任を星野監督一人に押しつけるのが正当か? 俺はそう考えた訳だ。確かに我々、国民が出来る事は何もない。だが日本プロ野球組織(NPB)は別だろう。いきなりぶっつけ本番でさぁ勝ってこいと言われる星野監督よりも、(ペナントレースの売り上げを重視したのかどうか知らんが)事前対策をなにもして来なかったNPBの責任の方が大きいと俺様は考える。」

逆沢「世間レベルでは、選手の起用方法がまずかったとか、選手村に泊まらずリッチな環境で試合を迎えた選手達の甘やかしが問題とか、色んな声もあるけどね。」

鼎「巨人の球団会長の渡辺恒雄さんとか、ソフトバンク監督の王貞治さんとかは、選手のハングリーさが韓国やキューバに比べて大きく劣っていたとか言ってたよ。」

愛原「ナベツネや王のコメントに関しては、精神論でごまかすなという感じだな。確かにモチベーションは大きな要素だが、精神状態というのはそもそも実力の何パーセントまで引き出せるかという要素であって、実力の基本値じゃない。そんなものだけで勝てるなら、大日本帝国はアメリカに勝っている。ましてやナベツネや、その傀儡であるNPBは、根幹である事前準備の部分を未だに改めようとしないまま、星野監督に引き続きWBCの采配を任せようとしているというではないか? 連中いわく、【星野監督の反骨心に期待】という事らしいが、精神論は大概にしてもらいたい。」

鼎「NPBが言うには、代表監督には【メジャーリーガーも従うような、威光がある人がふさわしい】って事だけど、これってどうなのかなぁ?」

愛原「一般にプロ野球選手のような職人は、自分より上位の実力を持っていた職人に、より尊敬の念を表しがちだ。故に長嶋監督や王監督などは、特に多くの選手から慕われていた訳だが、そもそも名選手と名監督は違うからな。」

逆沢「ところで星野監督って、結局名監督だったわけ?」

愛原「知らん。とりあえずペナントレースでは、過去にそれなりの実績を上げている。但し、故島野ヘッドコーチのおかげという厳しい声もある。一方、日本シリーズで一度も勝ててない事などから、短期決戦に非常に弱いという声もある。阪神監督時代も、不調の伊良部を、ペナントレースの前半戦で大活躍したからという理由で積極起用し、あげく敗北を重ねるなど、情に弱く、失敗した選手ほど、汚名返上させようという訳か、執拗に使い続ける悪癖もある。長いペナントレースなら、一流選手を一時の不調で下げて二流選手に頼るよりも、あくまでシーズン中に立て直した方が良いという考えは分かるが・・・。」

逆沢「コーチ人事に関しても、山本浩二が走塁コーチなんてあたりは、どうみても実力本位じゃないし・・・・。」

愛原「まぁ個別の采配などに関しては、個人的憶測の範囲でしかないので、言及は避けたいが・・・。まぁいずれにしろ、大会前は【普通に試合に臨むだけで、勝てるはず】という、根拠のない慢心だけで選手・国民の大半が納得していたのが、その意識が変わったというだけでもマシと思うしかないか・・・。」

逆沢「本当は、WBCで韓国に2連敗した時点で、事態の深刻さを認識すべきだったのかも知れないけど、最後の最後でうっかり韓国に勝って、あげく優勝してしまったから、勘違いのままオリンピックにいっちゃったのかも知れないけどねー。」

鼎「ところで、このままの流れだと、前置きだけでコーナーが終わりそうなんだけど・・・・。」

愛原「たまにはいいんじゃないのか? ここは元々、俺様がいいたい事をいうだけのたわごとコーナーだ。だがせっかく恒例になっているので、そろそろテーマに移るか? という訳で、上記2つの元ネタの共通点だが・・・。」

逆沢「共通点? そんなものあるの? 全然、関係なさそうだけど。」

鼎「うーんと、オリンピックでは確か、負けた事で根拠のない慢心が消えて、それでライバルがしっかり準備してきた対策が私達の耳に入ってくるようになったんだよね。とすると【敵を知り己を知れば、百戦すれども危うからず】って事かなぁ? アフガニスタンの問題でも、相手国の住民の立場で考えろという趣旨だったような気がするし。」

愛原「はずれ。そのテーマは、過去に何度もそれとなく言い続けている事だから、テーマにはしない。今回のテーマは【黒幕】だ。」

逆沢「おー、【黒幕】ってか?! 何の関連もなさそうだけど。」

愛原「黒幕とは、表舞台ではなく、背後で強大な影響力を行使する個人・団体などを指す。表向きはそれほど話題の渦中とされない、あるいは直接的な関与はあまりないように感じられるが、実は物事を動かしている真の大きな存在・・・それが黒幕だ。」

鼎「あー、分かった! つまり今回のオリンピックの野球で惨敗した件での真の黒幕は、星野監督ではなくNPBや渡辺恒雄さんって事が言いたいんだよね。」

逆沢「アフガニスタンで起きた事件は、一見すると、テロリストによる理不尽な殺人劇でしかないけど、実際はアメリカという巨大な存在が遠因となって引き起こされた事件の一コマでしかないって事ね。」

愛原「うちのゲームでは、一応黒藤が、かの民主主義国を牛耳る真の黒幕という立場で登場する。責任は取らず、権利は絶大という恐るべき存在だ。」

逆沢「大門司軍とか辰巳軍とかの専制国家は、表向きの権力者が実際の権力者そのものでもあるから、黒幕なんてものはいないみたいだけどね。」

愛原「現実世界は、専制国家でも黒幕キャラはいくらでもいるけどな。中国などでは宰相や宦官がその役割を担う事が多いし、日本でも隠居したはずの元君主が、事実上の2頭政治を行なったり、幼君を操る後見者が、その役割を担う事も多い。もっとも黒幕というには、あまりにも分かり易すぎて、例としてはあまり良くない気がしなくともないが・・・・。」

鼎「でも黒藤さんに関しては、民主主義国家なのに、法的で担保された実力者とかでは実はないんだよね。」

愛原「黒藤の力の源泉は、圧倒的な組織票と集金力に支えられたダークビショップ教団主宰という身分だ。だがこれは、公的な役職ではない。にも関わらず、公的な役職で上位の地位にある者を、実際にはアゴで使う事ができる。しかも責任は取らない。というか公的な役職者としては中核ではないので、責任を取る義務も必要も殆どない。かなりタチの悪い存在だ。」

逆沢「いやぁー、でも黒幕ってのは、この手の悪役には欠かせんでしょ!」

鼎「でも【実は訳アリでいい人】みたいな黒幕もいるんじゃないかなー?」

愛原「まぁな。ただ一般的には、黒幕ってのはやはり悪玉が多い。良い事をしていれば、そもそも隠す必要がないし、後ろめたいことがある人程、隠したくなるのが人情だからな。チンピラみたいな悪玉を使役する、本当は善人の黒幕というキャストもあり得なくはないが、余程練り込まないとクサいシナリオになりそうで、少なくともここの作者ではとても使いこなせない設定としか言いようがない。」

逆沢「狙わない設定なら、黒幕は悪い方がいいってか?」

愛原「善悪だけの問題でなく、黒幕の特徴には、要するに自分の手は汚さないとか、自分だけは責任を取らないとか、自分だけは傷つかない所にいるとか、そういうネガティブなイメージがどうしてもつきまとう。要するに美醜の問題でもあるのだ。そういう奴は、汚い奴と認識されるのが、やはり一般論的だからな。」

鼎「でも黒幕ってのは、表向きでは、善人を装っていたり、リッチでスマートな成功者として過ごしていたりする事も珍しくないから、外見的には綺麗であったり、格好良かったりする事も珍しくないよね。」

逆沢「性格も腹黒いけど、外見も毒々しい黒幕ってのもいるけどね。」

愛原「黒幕になるには、何らかの力がいる。それは経済力であったり、カリスマ性であったり、政治力であったり、様々だがな。経済力がある黒幕なら、政治家を献金漬けにして政治を操ったり、テロリストに資金を流して暴れさせたりできるだろう。政治力がある黒幕なら、犯罪をもみ消したり、逆に事件をでっち上げて無罪の者を罪に陥れたりとかな。」

鼎「経済力のある黒幕と、政治力のある黒幕ってのは、時代劇の悪徳商人と悪代官の関係みたいで、どっちが黒幕か分からないのも多いよね。」

逆沢「それを言ったら、マフィア(暴力団・テロリスト・軍需産業・宗教などでも可)と政治家がグルになったケースも同じね。マフィアやテロリストが表向きの悪役なら政治家が黒幕って事になるし、政治家(あるいは政府・皇帝・独裁政権など)が表向きの悪役なら、軍需産業や悪徳宗教や自称同盟国などが真の黒幕って事になるんだろうし。」

愛原「どっちが黒幕か断定しにくいケースの場合は、要するに持ちつ持たれつという事になるんだろうが、多くのゲームや小説の場合、物語の全容を主人公が最初から知っている事は少ない為、分かり易い悪を行なう方が、普通は表向きの悪という事になる。犯罪組織と戦うお話なら、犯罪組織が表向きの倒すべき悪となり、犯罪組織に力や資金を与える大企業や政治家が黒幕になり易い。逆に悪の帝国を倒すお話なら、悪の皇帝らが表向きの倒すべき悪という事になり、皇帝を操る悪魔とか神とか軍需産業とかが、真の黒幕という事になるんだろうな。」

逆沢「単純なお話なら、必殺仕事人みたいに、悪玉はみんな武力づくで成敗してしまえば終わりなんだけど、大企業みたいなアバウトな存在が黒幕だと、倒す方は厄介ね。」

愛原「黒幕が個人とか単体なら、そいつを倒してしまえばシナリオは大団円なので分かり易い。ゲームや小説の世界では、世界征服を企む地下組織の親玉とか、悪の教祖とか、悪の政治家や宰相を斬れば、なぜかそいつが率いていた組織や派閥自体が消滅したり無力化してしまうので助かるが、リアル路線だとこの辺の処理が難しくなるのが、悩みどころだ。」

逆沢「物わかりの良い民衆だらけの国なら、特定の政治家や特定の団体が黒幕である事を世間にバラすだけで、勝手に世論が同調してくれて、簡単に黒幕を追い詰める事ができるんだけどねー。」

鼎「けど日本みたいな国は、なかなかそうはならないよね。談合を仕切ってた黒幕が実は役所そのもので、官製談合が明らかになったからといって、その役所が世論の圧力で壊滅したりはしないし、気がついたらすぐに官製談合が復活しちゃったりするもんね。」

愛原「それは、単に真の黒幕が倒されてないからだろうな。トカゲのしっぽ切りで終わっていて、問題の解決につながってないからだ。黒幕を倒したと思っているのは関係者だけで、それは替え玉なり偽物に過ぎないという奴だな。シナリオ的にいえば・・・。」

逆沢「ようやくボスを倒したつもりが、そいつは黒幕から見たら、組織の末端に過ぎなかったってノリね。」

愛原「黒幕を倒さないと、本当の解決にはならない。安っぽい悪の組織なら、四天王が倒されるごとにどんどん陣容が薄くなったりするが、実際には四天王の一人が倒されても、時間が経てば新しい四天王が登場してもおかしくないし、世代交代なり配置換えなりで、より強力な四天王が赴任してきてもおかしくないからな。」

逆沢「総務部長が談合の罪で逮捕されても、その会社では新たな総務部長が替わりに就任して終わりって事も珍しくないからねぇー。」

鼎「で、その新しい総務部長が、前任者の業務を引き継いで、今までのように談合を担当したりするんだよね。」

愛原「上の例で触れたように、どっちが黒幕か分からないような関係、つまり持ちつ持たれつの関係の場合は、どちらか一方を潰すだけで、当面の悪の勢力を封じ込める事も不可能ではない。しかし黒幕の力が、表向きの悪と比べて圧倒的に上な場合は、表向きの悪を倒しただけでは、残念ながら焼け石に水だ。」

逆沢「いきなり黒幕を潰せればラクなんだけど、組織の末端でしかない表向きの悪からチマチマ潰していかなきゃならないとしたら、面倒くさいわね。」

愛原「面倒くさくても仕方ない。黒幕が実行犯を兼ねる事は殆どない為、まず実行犯をとっつかまえて、吐かせなければ、先に進めないからな。現実の警察もこの段階で苦労していて、暴力団や政治家がらみの犯罪はなかなか本丸まで攻め込めないでいる。捕まえられるのは、下っ端のチンピラとか、政治家の秘書とか、そんなんばかりで、なかなか黒幕までたどり着けないケースばかりだ。」

逆沢「現実の鬱な実情を知っているだけに、余計にファンタジーの世界くらいでは、スカッと黒幕を倒したいんだけどね。」

鼎「けど現実の黒幕は、手下に汚れ役をやらせて甘い汁を吸い続けるばかりで、自分自身はひたすら逃げの一手ばかりなんだよね。」

逆沢「ファンタジーの世界の黒幕は、その点、割と好戦的なんだけどねー。幹部の一人が倒されたり、末端組織の一部が破壊されるだけで、次々と刺客を送り込んだりして戦局を拡大したり、下手すると黒幕自体が表舞台に出て来るから、気がついたら芋づる式に黒幕までたどり着けちゃうもんねー♪」

鼎「しかもラスボスはダンジョンとかにこもってたりするだけで、なぜかあんまり逃げないもんね。」

愛原「リアル世界の黒幕は、逃げたり隠れたり、他人に責任転嫁したりする事は、恥でもなんでもないと考えるからな。不祥事が起これば、トカゲのしっぽだけ切って、ほとぼりが冷めるまで姿をくらましたりするだけで、間違っても自分達を苦しめたマスコミや警察に復讐したり、本気でマスコミや警察をぶっ潰してやろうなどとは企まないからな。」

逆沢「なんか嫌な奴という意味では、リアルの黒幕の方が嫌な奴ばかりって気がするわね。」

愛原「カッコよくないからな。政治家から暴力団まで、部下に責任転嫁したり替え玉にする事をお家芸とするような連中ばかりだし。」

逆沢「ウチのゲームでは、池田辺りが、他人に責任転嫁したがるNo1キャラかな? 確かに嫌われ者キャラね。」

愛原「黒幕になれるくらいの存在なら、確かに一定の力はあるだろう。部下を畏怖させたり従順にさせるだけのカリスマ性があってもおかしくないし、やろうと思えば部下に責任を押しつけたり、人身御供にさせる事も可能だろう。現実世界の黒幕は、そういう利点も最大限に活用しているといえなくもない。他人に責任転嫁するのを躊躇するような性格なら、そもそも黒幕には似合わないような気もするしな。」

鼎「でも何で、黒幕に従うトカゲのしっぽちゃんは、そこまでして黒幕のために尽くすのかなぁ? 正直に警察やマスコミに対して、本当の供述をしてくれたら、事件も解決し易くなるのにね。」

逆沢「宗教関係なら、狂信徒はトップの命令に絶対服従だから、少しは分かるような気がするけどね。自爆テロも恐れない程の忠誠心をもって行動してくれるから、黒幕にとっては最高に使いやすいだろうしね。池田の思想みたいに【生きて虜囚の辱めを受けず】と薫陶しておけば、拷問とかで吐かされる確率も下がるし。」

愛原「ちなみに暴力団員にとっては、服役は【おつとめ】でしかない。服役を終えたら、幹部への昇進が約束されていたり、莫大なお金がもらえたりといったメリットがあるから、下っ端の暴力団員は替え玉要員となって人身御供となる事にあまり抵抗がないのだ。彼らは、カタギの思考回路と違うので、その点を誤解してはならない。報酬次第で、人殺しも引き受ける感覚というのは、つまりはそういう事だ。」

鼎「それで極道ドラマとかで、刑期を終えて刑務所からようやく解放されたヤクザを出迎えるチンピラ役の人が、【オツトメ、ご苦労様です!】とか言うんだね。」

愛原「んな訳で、黒幕をやっつける段階まで、追い詰めるのはなかなか大変だ。黒幕の元にたどり着くには、エンカウントのモンスターばりの豊富な雑魚キャラと戦わねばならない。」

逆沢「聞けば聞くほど、何としても黒幕キャラを倒したくなってきたわ。」

愛原「だが黒幕は、表向きの悪玉を従えさせる力があるだけあって、それなりに強いぞ。しかも強いだけではなく、逃げ上手だ。冒頭の2例だけを取ってみても、何となく分かるだろう?」

鼎「星野ジャパンの例でいえば、星野監督は、渡辺恒雄さんやNPBが切り落としたトカゲのしっぽみたいなものなのかも知れないよね。本当に一番に叩かれなくてはならないのは、事前に公式試合の日程やルールを決める権限のあるNPBとかの黒幕なのに、黒幕は星野監督を捨て駒の煙幕にして、うまく逃げ切った感じすらあるよね。」

逆沢「でもWBCで星野監督を再起用したいと考えているという事は、まだ再利用できるトカゲのしっぽくらいに考えているのかな?」

鼎「長嶋監督も王監督も、国民や選手からの人気は高いから、表向きのトップというか、責任者としては的確だったという事なのかなぁ?」

逆沢「でもペナントレースの利益にも直結するような肝心な部分は、黒幕が完全に抑えていると。そういえばナベツネらは何年か前に、飛びやすいボールに変更して、その年に、年間ホームラン記録を巨人が大幅更新したなんて事もあったわねー。」

愛原「黒幕は、そう簡単には傷つかない。失敗して傷つくのは、大抵表向きの責任者だ。仮に世論が黒幕の存在に関心を向け始めても、やはり責任を取るのは傀儡のNPBトップくらいで、肩書き上は一球団の会長でしかないナベツネまではとても及ばないだろう。実際には、フリーエージェント制度を筆頭としてあらゆるプロ野球ルールの変更をごり押して来た実力者なのだが・・・。」

鼎「ナベツネさんやNPBの人達は、せっかく今回、問題点もたくさん明らかになったんだから、上から目線で一方的に監督を指名した上に、その監督に全責任を押しつけるんじゃなくて、黒幕の立場でしかできない試合日程や各球団の利益調整やルールの部分に切り込んで、頑張って欲しいよね。」

逆沢「アフガニスタンの問題も、塗炭の苦しみを味わっているアフガニスタンの民や、アメリカ軍の攻撃に抵抗する人達のせいになって、その戦争をふっかけた最大の当事者であるアメリカの責任が、決して表に出ないように、政府とマスコミが一体になって情報操作しているフシがあるけど、いい加減何とかして欲しいもんだわ。」

愛原「民主主義国家というのは、正確な情報を元に運営されなければならない。一方を美化し、一方の視点だけで全てを語り尽くしたかのような偏った報道を元に、どっちを支持するかを多数決で問われれば、そりゃ結果もゆがむに決まってる。」

鼎「もしかしたら、日本を動かしている最大の黒幕は、自民党でも創価学会でも経団連でもなく、マスコミかアメリカのどちらかなのかも知れないね。」

逆沢「いや、案外、ナベツネだったりして♪」











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