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愛原様のたわごと(08年9月07日)




愛原「今週も更新だ。」

逆沢「もしかして失業して、暇になったとか?」

鼎「こういうサイトで、日記コーナーの更新頻度が上がるのは、制作停滞を意味する事もあるらしいよ。」

愛原「・・・お前ら、本当に容赦ないな。だが残念ながら外れだ。仕事はまぁ何とか平常モード。制作はしばらく休息&充電タイムだったが、メドが立ったのでちょこちょこ始動はしている。」

逆沢「今度の企画は?」

愛原「詳しくは知らないが、制作中のゲームをあれこれサイト内で宣伝すればする程、制作が中断しやすいみたいなジンクスが、このフリーソフト界にはあるらしいから、触れない方がいいんじゃないのか?」

鼎「そういう作者さんって、エターナラーとか言うんだよね。私、知ってるよ。」

逆沢「で、今度の企画は? エターナってもいいから、教えて?」

原「エターナってもいいのなら、ちょっとだけ教えてやろう。7lcwの追加企画だ。大幅バージョンアップともまではいかないが、小幅というにはちょっとだけ大きい。本年度中に完成させるのが目標。教えてやったから、エターナっても文句はいわせんぞ。」

鼎「という訳で、今回の更新内容は終わりでーす!」

愛原「こら待てや! エターナる報告する為に、わざわざ更新しに来たんじゃねえ!」

逆沢「・・・んじゃ何しに来たのよ?」

愛原「聞いて驚け! 何と福田首相が電撃辞任を表明したのだ!!」

逆沢「・・・そんなの月曜日には、既に発表されてんだけど?」

愛原「しかも俺に何の相談もなしにだ!!」

逆沢「ってか、何であんたに相談しなきゃならないの?」

鼎「仮に相談されたとしたら、どういう助言をしてあげるつもりだったの?」

愛原「・・・・特に目新しい助言とかは何もないな。どんなに親身になって相談に応じたとしても、他に妙案もないし、少なくとも反対とはいえん。」

逆沢「じゃあ、結局あんたに相談しても、無意味って事じゃない? この役立たず!」

愛原「ぐっ・・・それを言うな! たとえ役に立てなくても、相談してくれただけでうれしい時もあるじゃねえか?」

逆沢「じゃあ、お金に困った時には絶対に相談に行くから、絶対に【誠実に】対応してよね!」

愛原「・・・ごめんなさい。反省します。調子こいた事は以後自重しますんで、許して下さい・・・。」

鼎「でも野党の人とかからは、無責任だとか色んな批判が出ているよね。」

愛原「別に前総理の時のように、会期中に突然辞任した訳でもないし、無責任でも何でもないだろう。もっと早く辞めるべきだったという指摘なら、少しは分かるが、もっと続けるべきという積極的な理由は殆どない。無論、惰性で続けるだけなら、まだまだ続けることは可能だろうが、政治的にももはや意味はあまりなく、自民党や与党自体にもメリットは殆どない。福田総理の名声を少しでも保とうとするなら、従来のように花道を用意した上での辞任を画策するのがベストだったんだろうが、パフォーマンス嫌いの福田総理らしく、個人の名声よりも党などの実利を優先したという事だろうし、その本人の覚悟を知った上での決断を、止めるのも非難するのも、俺としてはできないとしか言いようがない。」

逆沢「確かに、与党の利益にはなったかもね。公明党は狙い通り、遅くとも春までの総選挙が実行可能になった訳だし、自民党員の大半にとっても、新しい総裁がご祝儀支持率を維持してる間に早期選挙に持ち込めやすくなった訳だし。一番、悔しがってるのは民主党を始めとした野党の方かもね。」

鼎「福田さんの、最後の自爆テロのようなものだったのかも知れないよね。」

愛原「福田内閣は大きな不祥事もなく、参議院で過半数割れ起こしている現状の中では、そこそこ手堅い実績があったと思うが、その地味さ故か、何をやっても支持率好転の材料にはならなかったな。小泉内閣、安倍内閣と比べると、その差は特に分かり易い。例えば小泉内閣は、非常に優れた面と、非常に問題がある面を併せ持ち、話題性は十分だった。安倍内閣は、とにかく不祥事続きであったが、それ故かやはり話題性はあった。福田内閣は、前二代の負の遺産を地味に処理していたが、その地味さ故か、具体性を持つ話題にはならない代わりに、何となくじめじめした印象だけが残った感じだ。」

鼎「福田さんは、参議院が過半数割れしている状況だったから、強引な強行採決とかができないという事情もあったのかも知れないよね。」

逆沢「しかもその参議院選挙が最も最近の選挙だったから、野党の【民意】の旗も効いてたと思うしね。次の総理が選挙を行なって、与党にとってそこそこの結果が出たら、この【民意】の旗が弱まるだろうから、次期総理は福田よりはちょっとはマシな状況で国会運営ができるかも知れないけどね。」

愛原「福田政権において出来る基本戦略は、おそらく2つくらいだったと思う。一つは小泉ばりの派手なパフォーマンス、あるいは小渕恵三などが得意とした、バラマキ批判を恐れず人気取り政策を断行し、国民世論を味方につけて、それをもって運営していく方法。もう一つは、ひたすら平身低頭して、野党の協力を懇願し、また誠実な政策を断行して、正直さと誠実さで地道に支持を重ねていく方法だ。」

逆沢「どっちかというと、福田がとった方針は、明らかに後者ね。公明党や麻生陣営などが強く主張していたバラマキ路線に、最後の最後まで抵抗してたくらいだからねぇー。」

鼎「派手なカリスマ性や分かりやすさで押していく戦略か、地味な誠実さをアピールする戦略か・・・。【ヒーロー】をアピールするか、【いい人】をアピールするかの、どっちでいくかって事だよね。」

逆沢「【いい人】にも【ヒーロー】にもなれない【寝業師】が、とりあえず【いい人】を演じてみたけど駄目だったとかいうと、言い過ぎかな?」

鼎「けど最近は、本当に【いい人】よりも【ヒーロー】タイプのリーダーが、もてはやされているような気がするけど、気のせいかなぁ?」

愛原「多分、気のせいではないと思う。人畜無害の【いい人】と、清濁併せ持つ【ヒーロー】のどっちがベストかはケース・バイ・ケースだが、世の中が安定していればローリスクの【いい人】が、世の中が混沌としていればハイリターンを期待して【ヒーロー】が望まれやすい。またマスコミは話題性を何よりも欲するので、基本的には常時【ヒーロー】を好む。また不祥事のデパートのようなキャラも叩き甲斐抜群なので、実はそれなりにお好みだ。過激な発言や過激な行為を繰り返す人間も、過激な支持者と過激なアンチを同時に生み出す為、ネタが増えて面白いという事になる。」

鼎「そういや、全国には知事さんが47人もいるけど、やっぱり話題性が期待できる知事さんほど、知名度は高いよね。」

逆沢「国会議員もそうね。真面目にコツコツ政策を語る政治家の先生も実はたくさんいるんだけど、知名度が高いのは、元タレントとか、普段からテレビに出たがりのセンセイとか、毒舌政治家とか、豪腕政治家とか、不祥事のデパートとか、そんなんばかりだもんね。」

鼎「スポーツの世界でも、ビッグマウスの選手とか、容姿が特に華やかな選手とか、経歴が特に印象的な選手とかに、知名度が偏りがちだよね。」

愛原「知名度が、人気につながるか、あるいは悪名につながるかは人それぞれだが、無名よりはマシという事かも知れん。【不言実行】はかつて日本人の美徳であったが、今はちょっとくらいビッグマウスな方が良いのかな?」

逆沢「そうなんじゃない? 無名のボクサーは、どんなに王者として活躍してもギャラはわずからしいしね。芸能界でも、無名だとどうしようもないってのはあるだろうし。」

鼎「でも、逆に静かに穏やかに生きたいのに、事件とかに巻き込まれて有名になってしまう人もいるよね。」

愛原「人間、何が原因で有名になるか分からない。だが良い意味で有名になりたいとか、人気者になりたいという人間は、かなりいるはずだ。勿論、長嶋茂雄であろうが小泉純一郎だろうが、人気の高さに比例してアンチも増えるのはやむを得ないが、それは有名税というべきものだろう。という訳で今回のテーマは、【人気・魅力・カリスマ】でいきたいと思う。」

逆沢「【人気・魅力・カリスマ】ってか。あんたに一番、不足している要素ね。」

鼎「残念な話だけど、ウチのゲームの全主人公の中でも、リーダーは一番カリスマないよね。」

愛原「・・・いきなり、そんな話から入るか。だが事実だし、例題としても悪くないから、無視する訳にはいかないか?」

鼎「他の君主さんとかは、どうしてそれなりにカリスマ性とか、あるのかなぁ?」

逆沢「よそのゲームでも、大抵の主人公は、それなりに優れたカリスマ性を持っているわね。中には、そいつのどこが良いのか、全く理解できないような不思議ちゃんもいるけど。」

愛原「その人の人気を支えるのは、性格的要素としてその人に【期待】【尊敬】【安心】などができる要素がどれだけあるか、社会的要素としてその人に【権威】や【実力】がどれだけあるか、外見的要素としての【カッコよさ】とか【可憐さ】などがどれだけあるかなどがあげられる。」

逆沢「騎士団領の大神辺りは、権威・尊敬・期待・実力などが全てそろってそうね。硬派っぽいから威風も十分っぽいし。」

鼎「でも庶民人気では、宮田さんが一番だよね。外見も男前で、振る舞いも格好良くて、頭脳明晰で実力も十分みたいなキャラ設定だから、ヒーローの王道行ってるような感じだよね。」

愛原「大神の場合は、人間としての重みがカリスマの源泉になっているような気がするな。愛想が特別良いわけではないので、アイドル的な人気者では決してないが、【尊敬】は間違いなくされるタイプ。宮田の場合は、若々しく颯爽としている部分と、気さくな部分もあるので、アイドル的なニュアンスも含まれるかな? 小泉にちょっとだけ近いかも知れん。まぁいずれにしろ、【憧れ】られるタイプなのは間違いない。」

逆沢「ちょっと変わったカリスマをもっているのは、辰巳とか門司のタイプね。」

愛原「辰巳の場合は、人間性が一番だな。まぁどこにでもいるようで実はあまりいない、裏表がない憎めないタイプって奴だろう。太っ腹で情深い部分や、もろ庶民感覚な部分もある。完璧人間は嫉妬や警戒心も周囲に感じさせる事があるが、辰巳の場合はスキだらけで嘘のつけない性格なので、【安心感】があるという事かも知れん。豪快で話題性も十分だから、周りの者をハラハラもさせるが、飽きさせないタイプだ。一度、信頼関係を築けば、コイツは絶対に裏切らないだろうとか、とことん親密に付き合ってくれるだろうとか、そう思わせる人間性も大きいと思う。」

鼎「門司さんの場合は、家臣団からの支持が厚いよね。」

愛原「門司のケースは、企業のオーナーとしてのカリスマ性があるという事だろう。しかも己の実力によってグイグイ引っ張るようなワンマンリーダーではなく、この人の為ならと思わせる愛玩的な要素と、公平な人事をする事によって、全ての派閥から天秤の支柱として期待されている側面があると思う。組織内で対立する複数の派閥がある場合は、この派閥調整力が馬鹿に出来ない要素になる事があるからな。」

鼎「婆娑羅さんのカリスマ性も、門司さんのタイプに近いのかなぁ?」

愛原「どちらかというと近いだろう。婆娑羅の場合は、王様という社会的地位による生まれついての権威によるカリスマ性もあるが、海千山千のギルドの連中などともうまくやり、庶民人気も地味ながら悪くない範囲という事は、全体のバランス感覚が優れているのだと思う。」

鼎「でも福田総理と同じ、地味タイプだよね。婆娑羅さんは?」

愛原「門司も婆娑羅も地味タイプだが、幸いにして野党に相当する有力な政敵がいないのが大きいと思う。地味タイプは、政敵が強大だと、ネガティブキャンペーンによってガンガン人気を削られるリスクがあるが(しかも派手タイプのように、積極的な人気取りがしにくい為、一度人気が下がると挽回は難しい)、彼らの国はほぼオール与党なので、手堅く実績を積み重ねていれば、それで十分だというだろうな。」

鼎「よく考えたら、殆どの群雄の国は、意外とオール与党状態なんだよね。」

逆沢「あ、そうか? よく考えたら、元々トップの人気を積極的に奪おうとする国内の政敵とかが元々殆どいないから、自然と人気が上がりやすいというだけの事なのかも知れないわね。」

愛原「大神・辰巳・門司・婆娑羅の場合は、特にその傾向があてはまるな。但し、婆娑羅と大神に関しては、外国(大門司軍や黒藤軍)の侵攻が厳しい事もあって、国民の不満が高まりやすい。凡君・暴君の類なら、政権維持はやはり困難だろうな。」

逆沢「現実世界でも、オール与党状態の独裁政権が、必ずしも国民から高い支持を受けているとも限らないしね。そういう国の上層部は、表向きは言論統制したりして国民の不満を顕在化させないようにはしてるみたいだけどね。」

愛原「7lcwの世界では、黒藤軍と一部の独立勢力を除いて、そういう悪政政権は登場しないけどな。」

逆沢「ああ確かに、独立勢力の中には、いわゆるDQN国家みたいなのがちょくちょくあるわね。」

愛原「但し、有力な政敵を持たない国は、残念ながら腐敗しやすい。その意味では特に騎士団領の場合は、かたくなに伝統と倫理観を守る事でシステム的に腐敗を防ぐ事に成功した好例だといえる。辰巳軍の場合は、今のところ君主や吏僚次第の国家でしかない為、政権が腐敗する可能性は長期的にみれば十分ある。大門司軍や婆娑羅軍も、トップのカリスマ性や調整能力、家臣やギルドの思惑や力関係によって、将来的な不安定要素はありそうだな。」

逆沢「そして、始めから政敵を持ったまま政権を運営しているのが、ウチと黒藤軍という事になるわね。」

鼎「ウチは一応、共和国だから仕方ないよ。黒藤軍の国も、タテマエ上は議会制の民主主義国だし。」

逆沢「いやいや。国の制度のせいにしちゃいかんわ。もしもウチの国のトップが、もっとカリスマ性や調整能力のある人間なら、反主流派といわれる人達もスムーズに味方につけて、国民と一体となって、もっとスムーズに対外戦略を進められた可能性はあると思うしね。例えば、ウチのリーダーが、婆娑羅軍や大門司軍のトップに就任したとしても、海千山千のギルドや家臣団をうまくまとめられる保証はないしー♪」

愛原「・・・俺、そこまでダメキャラなのか?」

逆沢「何を今更♪ 議会内抗争のドサクサに紛れて、消去法的に議長についたラッキーボーイでしかないくせに。」

愛原「・・・そんな設定まで、勝手に作るな。」

鼎「でも勝手に反主流派の人達が宮田軍に喧嘩を売って、勝手に大敗して自滅してくれたとか、色々ラッキーな部分はあったと思うよ。」

逆沢「前のたわごとコーナーに取り上げた、マモノ高校みたいね。運をつかんで登りつめた男ってか?」

愛原「・・・ひどい。俺だって、努力してんだぞ。反主流派が再び力をつけて政権を奪い返そうとしないように色々見えない努力もしてるつもりだし、民衆の皆様を怒らせないように善政も頑張ってるつもりだし、環境問題にも取り組んでいるし・・・。」

逆沢「でもゲーム内のどこを見渡しても、宮田とか門司とか他の君主みたいに、名君として慕われているみたいなシーンなんか、登場しないけどね。」

鼎「福田総理の事をチンパンとか呼ぶ心ない人もいるそうだけど、リーダーも実は、庶民からブタとか呼ばわりされてるかも知れないね。」

愛原「・・・しくしくしく。」

逆沢「まぁ地理や外交関係上、隣の国の宮田とどうしても比較されちゃうし、パフォーマンスでも能力でも外見でも、どうしても負けちゃってるもんねー♪」

鼎「リーダーは本当に福田さんみたいなポジションだよね。リーダーは反主流派の無謀な戦で大敗したところからゲームがスタートするけど、福田さんも前総理が参院選で大敗して、ひどい状況からのスタートだし。」

逆沢「でも自軍のひどい大敗があったからこそ、改めてリーダーの座が転がり込んできたという解釈も可能だけどね。」

愛原「しかしそれでも、就任以後、そんなに目に見えて失政しまくってるとは思わないのに、人気が出ないのは悔しいな。冷静に考えれば、政治を全くやらない辰巳よりも、政治をきちんとやる俺様の方が、どう見ても為政者としての評価は上だろう? なのになぜそうならないんだ?」

逆沢「あはは、ひがんでやんの♪ まぁそこがカリスマの差という事で。」

鼎「優秀な人に任せるのも才能なんだと思うよ。」

愛原「いや、そんな次元だけじゃないと思うぞ。例えば同じ仕事をしても、評価される人と評価されない人がいる。例えば大阪府の橋下知事は、職員の人件費の大幅削減を打ち出して大きく話題になったが、実際には北海道や兵庫県の知事の方が、もっと大きく削減している。しかも大阪府は、大きな話題になった事もあって反発も多く、結局、割と妥協した内容で落ち着いたのに対して、北海道や兵庫県は水面下で巧みに通している。冷静に考えたら、波風を立てずにより大きな成果をあげた北海道や兵庫県の知事の方こそ、評価されるべきではないのか? ちなみにこういう事例は、国会レベルでも割とあるぞ。」

逆沢「いやいや。だからそんな話じゃないって。ほら、例えば、毎日学校で真面目に掃除とかをやる優等生よりも、掃除サボリまくり、宿題サボリまくりの生徒の方が、人気があるって事はよくあるじゃない。【いい人】と【ヒーロー】の差は、仕事ができるとか、思いやりがあるとか、公共心があるとか、そんな次元じゃないんだって。」

鼎「プロ野球の世界でも、名監督で知られた仰木さんとかよりも、長島さんとか王さんとか星野さんとかの方が評判は高かった気がするよね。」

逆沢「それでも男はまだマシかもね。女性の場合はより外見的な比重が高くなるからね。特にテレビに出たり受付したりとか、いわゆる公共の場に露出する仕事ほどね。」

愛原「人気と実力は全く別問題というのが、嫌なほど伝わるな。まぁアイドルとかの人気商売なら、人気を基準に序列が発生するのは当然かも知れん。スポーツとかも、入場料とかテレビ放映権とかの要素を考えれば、人気商売といわざるを得ない側面はあるから、これもやむを得ないかも知れん。しかし政治とか、どう考えても実績を軽視して考えたら駄目な分野もあるのではないか?」

逆沢「実力に裏付けられた人気ならいいんじゃない?」

鼎「価値観は人それぞれだから、ある人から見たら駄目な人でも、ある人から見たら優れた人いう事は多いと思うよ。」

愛原「価値観の相違についてどうこう言うつもりはない。ただ先の知事の例で取り上げたように、同じ事をしても、評価に差があるとすれば問題があるのじゃないのか? 同じ条件で同じ失敗をしても、ある人なら許され、ある人なら許されないとか、そういう二重基準が人気によってできあがる事を危惧しているんだ。」

逆沢「せっかくだけど、そりゃ無理だわ。俗に言うセクハラ問題でも、ある人がすればスキンシップで済む問題が、別の人がするとセクハラとか痴漢になってしまう事はあるからねぇー。著作権問題とかでも親告罪である事をいいことに、弱小の同人サークルには強気に対応して、大手の出版業界には見て見ぬふりするなんて事はあるし。人気だけじゃなくて、力関係とか、様々な要素によって、人は人を差別するからねぇー。」

鼎「そう考えると、カリスマとか魅力というのは、実は必ずしも【結果】的に生じるものではなくて、学力とか運動能力とか、あるいは知力とか武力みたいな項目で評価される、一種の能力の一つなのかも知れないのかなぁ。確かに自分を鍛えることで、ある程度は能力値を伸ばすことはできるかも知れないけど、元々足の遅い人が、オリンピックの陸上選手には決してなれないように、ある程度は素質として最初から決定されているみたいな感じなのかなぁ。」

逆沢「そりゃ化粧で容姿をごまかしたり、シークレットブーツで背の高さをごまかしたりするにも、限度はあるようなものなんじゃない?」

愛原「ゲームの世界では、運とか知力とか、あやふやな要素まで数値化されている作品も多いが、魅力を数値化しているゲームもまた多い。魅力が高いほど、説得が有利になったり、女の子がデートを受けてくれるようになったりとか、色んな恩恵があるようだ。」

逆沢「魅力が高い割に、邪悪であったり、頭が悪かったりみたいなキャラが、勝手におかしな助言をしまくったりして、組織がメチャクチャになったら大変だと思うけど、意外とそんなゲームがないのは救いかも知れないわね。」

鼎「でも現実世界では、この魅力が高い人程、監督とかリーダーにも選ばれやすいよね。確かに魅力が高い人ほど、部下や世論を納得させる力はあると思うけど、それと知力とか決断力とか人を見る目とかが、うまくかみ合わないと怖い事になっちゃう可能性はあるよね。」

逆沢「逆に言ってることはもっともなのに、魅力が低すぎるせいか、あるいは魅力の高いライバルに邪魔されているせいか、全く意見を採用してもらえないとか、大きな仕事を任せてもらえないとか、信頼してもらえないとか、そんな人もいるだろうしね。この辺は前に【軍師】をテーマにした事でもネタになったけど。」

愛原「ちなみにアンケートの項目で見る限り、魅力が低いと一般に認知されているのは、やはり池田・長光らの嫌われ者系が最下位に来るようだ。但し彼らは、個人の魅力やカリスマなどで人間を一切差別しない黒藤に仕えている事もあって、組織内の立場は意外と悪くない。ちなみに黒藤は、ダークビショップ教団の主宰という立場もあって、人を印象操作したり扇動する事にかけてはプロ中のプロであり、魅力という概念を、ある意味最も冷徹に考えている人間といえる。」

鼎「怪しい新興宗教の教祖とかは、実は必ずしもイケメンとかそんなんじゃないのに、ものすごく崇拝されていたりして、本当に不思議な魅力をもってる人なんだなーって感じる事があるよ。」

愛原「我々凡人には理解できない、極めて高度の印象操作術を、彼らは身につけているのだろう。彼らほど、魅力という概念がいかに無根拠なものであり、そのくせ、いかに強い影響力を与えるものかを知っているタイプはいないと思う。怖い存在だ。」

逆沢「普通の人気者と違って、胡散臭いと思っている人も多そうなのに、一部からは狂信的にまで信頼されているという、かなり厄介なタイプね。」

愛原「極端な例としてあげれば大日本帝国の天皇やナチスのヒトラーなどもそうだが、特定の空間の中にいる人間と、その空間の外にいる人間で、全く印象の異なる人間は、意外と多い。魅力やカリスマというのは、万人に等しく通用するものではないという好例だな。支持者にとっては神だが、対立陣営とっては凡人とか悪魔にしか映らない存在というのは、教祖とか政治家の中にはそれなりにいると思う。」

逆沢「人を差別するタイプの人も、人によって評価が分かれそうね。ある人から見たらすごく謙虚な好青年とか美少女にしか見えないのに、別の人から見たら傲慢で残酷な人間のクズにしか見えなかったり。」

鼎「池田さんとかは、上司に対して忠実で、部下に対して傲慢なキャラ設定だったから、黒藤さんに見いだされるまで普通の官僚をやってた時代では、うわべで部下を評価する上司には好かれ、部下には嫌われまくりみたいなタイプだったのかも知れないね。」

愛原「ゴマスリタイプは、総合的に見れば魅力の低い嫌われ者キャラとして判定されがちだが、もう一つの顔を知らない上司や恋人からすれば、凄く感じのいい好青年・美少女にしか映らないだろうから要注意だな。教祖キャラの黒藤もそうだが、特定の空間内や相手にのみ、強い魅力を感じさせる人間というのは確かに存在する。もっともこういう人間は、本性は下劣な事が多い為、どこかでストレス発散がてらにロクでもない本性を発散させているかも知れんがな。」

鼎「複数の顔を持つキャラの魅力をどう評価するかは、結構難しそうだね。」

逆沢「逆に人によって態度を使い分けない人間もいるけど、この場合の魅力の評価は、まだ分かり易い方かな?」

愛原「常に正論を吐く人間。例えば大門司軍の石田などが代表的だが、こういうタイプは、ちょっと損な役割が多そうだ。辰巳軍の勝山とかも、非常に献身的で有能な人材だが、なかなか【いい人】以上に扱われないのが少し惜しくはある。婆娑羅軍の仁保や東出に至っては、仁愛の人といっても良い側面を多く持つ人達だが、偏見によるマイナス修正が強すぎる。【いい人】がそのまま魅力の高い人に直結しないケースは、残念ながら多そうだ。」

逆沢「普段から不真面目な人がたまに良いことをしたら、すごく人間性を見直されて評価が上がる事も多いのに、普段から真面目に頑張ってきた人が、少しサボったりキレるだけで、評価ががた落ちってケースもあるしね。」

鼎「それってよく考えたら、すごく理不尽だよね。」

愛原「そういう理不尽・不可解な要素も、魅力とかカリスマとかいう不思議な概念を構成する要素の一つだ。完璧人間がスキだらけの人間に魅力で負けるという事も、現実には多い。しかし魅力と能力とか人間性は、あくまで別物だ。人の上に立つ者なら、見かけの魅力に騙されて調子の良いことばかり言うようなゴマスリを重宝することなく、地味にみえても誠実にコツコツ頑張る人や、口うるさくとも有益な意見を多く持つ者などを重宝したいものだな。」

鼎「人の上に立つ者だけじゃないと思うよ。例えば私達は民主主義の国の人間だから選挙権も持っているし、自分達を統率するリーダーを選ぶ機会も少しはあるんだよ。」

逆沢「総理大臣は選べないけどね。」

愛原「確かに話の面白い人は好かれるだろう。価値観の合う人程、親近感を覚えるだろう。しかし政治家選びは恋人選びでも友達選びでもない。調子の良い事ばかり言って、バラマキやって、借金を増やしまくったりするようなリーダーは、俺的にはゴメンだ。魅力というパラメータは、あくまで学力とか運動能力とか知力とか勇気とか思いやりとか忠誠心とかなどと同列のパラメータの1つに過ぎず、【総合力】ではない。魅力の高い人材が総合力においても優秀などと勘違いして、他の要素も考慮せず要職を任すのは、非常に危険な事だと思う。」

逆沢「頭でそう思っても、なかなかその通りで出来ないのが魅力なんだけどね。人によっては【外見を見れば、その人の人間性や生き様が大体分かる】と豪語するくらい、見た目や魅力自体にその人全体の善し悪しを託す人もいるくらいだしねぇ。」

鼎「面接のプロを自称する人は、特にその傾向が強そうだね。」

愛原「印象操作を見破れる面接のプロと、印象操作を得意とする一流の詐欺師や教祖やゴマスリや政治家との対決を、一度是非ともみてみたいものだな。」








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