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愛原様のたわごと(08年9月21日)




愛原「前の更新から数日の間だけでも、なかなか激動の国際情勢だな。」

逆沢「あー、【リーマン破綻!】とか、【アリコがピンチ?!】とか、【北の将軍サマ、まさかのダウン?!】とか、【流通先公表でますます大混乱?! 汚染米シリーズ】とか【総裁選劇場してる場合か?! こんな大変な時に政府与党は何してる!?】とかね。」

愛原「【!】や【?】を連発させると、アニメやタイトルワイドショーの小タイトルや見出しくさくなって、台無しだな。」

鼎「なーんか、大相撲のスキャンダルと同レベルくらいの、どーでもいい話題にしか感じなくなるから不思議だよね。本当は!や?は、強調させる働きがある文字なのに、使い方次第では逆に安っぽくなっちゃう所が面白いよね。」

愛原「お前らにかかると、どんな社会派ネタも、ただのバカネタに早変わりだな。」

鼎「でも世の中って、本当に予測不能な事ばかり起こるよね。」

逆沢「地震とかでもそうだけど、いつ起きてもおかしくない事ではあるんだけど、いつ起きるか?という話でいえば、確かに予測不能な事ばかりではあるわね。」

愛原「いつ、何が起きるか? それが事前に分かれば株とかで大もうけで、人生ウハウハなんだけどな。」

鼎「でも自分の命がもう残り数日とか、自分の人生は将来大転落確実とか、そんな未来は予測したくないよね。」

愛原「自分以外の事を知るのは、他人の秘密をのぞき見るような気持ちになれてちょっとウハウハ気分になるかも知れんが、自分の事を知ってしまうのは、特にそれがネガティブな内容だと、ショックだろうな。」

逆沢「自分の悪口を言っているクラスメートの陰口を、うっかり聞いてしまったりとか?」

鼎「【○○、あんたの事好きらしいよ。】【嘘、サッイアクーッ!! キモー!】とか、うつなネタとしては定番だよね。」

愛原「・・・泣きそうだな。余程、自分に自信のある人間でもない限り、自分の未来なんて知ろうとしない方が、自分のためだ。」

鼎「でも未来を知るんじゃなくて、予測したり妄想したりするのは楽しいよね。」

逆沢「予測が当たったらニヤリとする事もあるしね。」

愛原「悪い予測が当たると、何とも言えん不愉快なモヤモヤ感が残る事もあるので、ケースバイケースだと思うが・・・。ってかそろそろ、まさにそれを体験することになりそうだ。」

逆沢「悪い予測って何よ? 麻生総裁誕生?」

愛原「もしも新総理がバラマキとか小泉外交やりやがったら、それも不幸な予想的中みたいな感じになってしまうんだろうが、まぁそれはまだ後の話。それよりも間近に迫った大いなる不安が1つある。」

逆沢「何よ、それ? もったいぶらず言っちゃいなさいよ。」

愛原「もう間もなく原子力空母ジョージワシントンが、日本の横須賀港にやって来る。ちなみに表敬訪問のような類ではなく、いったん、駐留したが最後、常駐態勢になる。」

逆沢「ああ、【魔核力要塞船、ジョージ43号】のモデルね。」

鼎「7lcwと戦国史S版の両方に登場する、隠れたスターシステムキャラだよね。」

愛原「モデルかどうかは、俺は知らんけどな。まぁ何年も前から、ここの作者が【それだけはやめてくれ】と懸念していた嫌な話が、まさに現実化しているとの認識のようだ。確かに衆議院選挙や金融不安や汚染米も大きな話題だと思うが、それよりも余程、痛いニュースだとは思う。それなのになぜ、大相撲スキャンダルの10分の1以下のニュースにしかならんのだ? これはどういう事なんだ? 情報統制されているんではないのか?」

逆沢「どうでもいいからじゃない? アメリカ様が守ってくれるんだから、黙ってアメリカ様の言うことを信用してれば間違いないということで。」

鼎「ちょっと前に、在日米軍の原子力潜水艦の放射能漏れ事件が明らかになったけど、この時も長崎市長とかがわざわざ出向いて厳しく抗議する程の事件だったにも関わらず、殆どニュースにならなかったよね。」

逆沢「ああ、あれか? でも確かアメリカ軍側が、漏れた放射能の量は極めて軽微だから心配ないと日本政府に報告して、日本政府側もその回答に【感謝する】とかいって笑顔で握手で、幕を下ろしたんじゃなかったっけ?」

鼎「政府が長期戦で捜査を要求している中国産ギョーザ事件とか、世論が責任の徹底究明を要求している汚染米事件と違って、すごくあっさりと片付いたよね。やっぱりアメリカが出したコメントは、それだけ信用性が高いという事かなぁ?」

逆沢「ジョージワシントンの件も、アメリカ政府が大丈夫と言うだけで、政府も安心して信頼しているし、マスコミも国民も全く問題視してないし、その通り、安心なんじゃない? なんてったって世界のアメリカが米国産牛肉の件で危険部位が混入することは絶対にないと言っていたのと同じくらい、自信をもって安心宣言してるんだから。」

愛原「俺も、アメリカ並みに愛され、信用されたいところだがな。どんなに嫌いな相手にいちゃもんつけては痛めつけたり、子分からはお金を搾り取りしながらも、それでも最も正しく最も信用できるパートナーと呼ばれたいものだ。」

逆沢「あはは! まぁでも現実問題として、ジョージワシントンが横須賀に配備される事で、日本の国防にはどんな影響があるのかな?」

愛原「直接的には、あまり関係ない。なぜならジョージワシントンは、元々日本を守る為ではなく、極東地域におけるアメリカの軍事的な影響力を誇示する為に存在するからだ。無論、極東からインド方面における有事の際には、ほぼ唯一の出撃拠点となる。空母はそもそも防衛目的ではなく遠方への侵攻を円滑にする為の兵器だから、日本の守りにはほとんど関係ない。」

鼎「でも原子力空母ともなると、もしもの事があったら、大変な災害を引き起こす可能性があるよね?」

愛原「幸いにして原子力空母や原子力潜水艦が直接攻撃を受けて撃沈されるような大戦争は、今まで全く起きていないから、撃沈されたりした際の被害の程度は想定できない。チェルノブイリの原発が吹き飛んだ時は、広島に投下された原爆の500倍くらいの威力で被害がもたらされたそうだが、原子力空母の場合は、どうなのか? 無論、アメリカや日本政府、及びそれに与する側の陣営は口をそろえて問題ないと主張するだろうが、実例がないので判断のしようがない。だが空母というのは、単に5000人規模の兵士が搭乗できるのみならず、半年以上の航海も当たり前という前提で作られている事もあって、ちょっとした遊具から教会から床屋まである小都市でもあるからな。その小都市規模の原子力艦船が吹き飛べばどうなるかは、全く想像できない。意外と無問題かも知れんし、歴史的惨禍を引き起こすかも知れないし・・・。」

鼎「でもよく考えたら、日本には結構原子力発電所も多いし、ジョージワシントンが日本にいるいないに関わらず、もしも敵国の攻撃を受けたら怖い状態のような気がするよね。」

逆沢「ロシアやアメリカのような広い土地を持つ国じゃないから、1つ原子力発電所を壊されるだけで、大惨事かもね。」

愛原「ちなみにチェルノブイリの原発事故を受けて、その周辺30kmが、人の住めない土地と化したという。ちなみに半径30kmでいえば、大阪府のほぼ全域がまるまる収まる面積だ。」

鼎「前に福島県にある原発の1つが使えなくなって、関東の電力がピンチって話もあったけど、もしも6機ある福島県の原発が全部壊されたら、関東の電力供給はパニックになっちゃうかも知れないよね。」


逆沢「福井県の原発銀座が壊滅したら、関西経済がピンチになりかねないのと同じようなものね。」

鼎「もしかして、日本の国防って、かなり危ないって事かなぁ?」

愛原「イエス。原発集中地域を空爆されるなり、ミサイル打ち込まれるなりしたら、それで実質日本は終わり。そうなったら戦いにもならん。日米同盟がどうのこうの言ったところで、アメリカ様に守ってもらうとか、そんな前提にすら、おそらくたどり着く前に日本は終わる。相手が北朝鮮レベルなら、後でアメリカがしっかり復讐してくれる可能性はあるが、別に復讐してくれても、それで日本人が生き返る訳じゃないしな。小泉や安倍がよく言う【彼らの貴い犠牲の上に、今の日本の繁栄がある】を真似て、【日本人の貴い犠牲の上に、今のアメリカの繁栄がある】などと讃えられても、こっちはちっとも嬉しくない。」

逆沢「相手が中国やロシアレベルだと、アメリカは復讐すらせず、適当に手打ちにする可能性もありそうだしね。あぁ、それ以前に、アメリカが用済みになった日本との同盟を切る可能性もあるかな?」

鼎「黒藤編では、ポチ国家の北狄を使って赤竜軍に宣戦布告させるシーンもあったよね。もしも北狄が黒藤軍の命令を断ったら、無理矢理北狄が黒藤軍に軍事制圧される事は目に見えてるし、戦況次第では、赤竜軍の迎撃で北狄の大地が主戦場になる可能性もあったりして、どうやっても北狄が不幸になるような展開になってたよね。」

愛原「攻撃を受けたらオシマイな日本にとって重要な事は、勝てる相手と仲良くする事ではなく、どこからも攻められないようにする事だ。たとえ陣営としては勝っても、日本自体が滅びたら意味がない。まして敵を作りたがる好戦的な国と密着しすぎて、巻き添えを食らう可能性まで広げるのは、愚の骨頂でしかない。また一部の勘違い右翼がやっているような挑発行為も論外だ。別に不必要に媚びる必要はないが、責任ある立場の人間が人様の国を【悪の枢軸】とか【怪しげな国】とか呼ぶのは、日本国のような国を預かる者としては、決してやるべきではない。他国を意味もなくクサして喜ぶのは、同類の勘違い人間だけ。無論、アメリカと中国・ロシアなどといった大国が団結して日本が包囲されるような展開になっても困るが、最も困るのはアメリカと中国や北朝鮮やロシアが戦闘状態に入って、日本が巻き込まれる構図だ。日本が非戦主義を歩もうとしても、それは別に脳の中がお花畑だからじゃなくて、極めて合理的な防衛戦略の一環でもある。」

逆沢「まぁアメリカがいくら超大国といっても、同時爆破テロみたいな手痛い攻撃を受けることは当然ありえるし、仮に日本がアメリカの一部と反米テロ組織に判断されてしまった場合は、よりテロ対策の弱そうな日本に標的を絞ってくる可能性は否定できないからねぇー。」

鼎「日本としては世界が丸く収まってくれた方がベストだけど、世界の国の中には、現状維持よりも更なる支配力を望む覇権国家が結構あるから難しいよね。」

逆沢「隙あらば、権力や圧力や武力を駆使してでも、権益をさらに拡大したいと考える勢力ってのは、いつの時代にもそれなりにいるからね。」

愛原「そして残念ながら、その巨大かつ覇権主義的な勢力に目をつけられて、ひぃひぃ言わされる勢力も、歴史的には数多く存在する。地理的にも経済的にも権威面でもどうでもいい勢力なら、さして目をつけられずに済む可能性も高いが、中途半端に何らかの面で優れていたりすると、その危険はなおのこと高くなる。ある勢力は前線基地としての地理的条件の良さから目をつけられ、ある勢力は貴重な資源を保有することから目をつけられ、ある勢力はなまじ経済力だけは高いから貢がせるのに絶好とばかりに目をつけられ、といった具合だな。」


逆沢「まぁ中にはそんな打算がらみのものだけじゃなくて、単に肌の色が違うからとか、単に宗教や文化が違うからとか、単に力を誇示したいだけとか、そんな好き嫌いや優越心を満足させる為だけの動機で、何の罪のない人に刃を振るうなんて事もあると思うけどね。」

鼎「最近は、怨恨でも利欲でもない理由での殺人事件も増えてるし、大した理由もなく人を殺しちゃう人も増えてる世の中だから、国規模でも、力があるというだけで、つまんない理由で他国を攻撃したり挑発したりするのかなぁ?」

愛原「いじめられっ子がいじめっ子に、いくら道理や道徳を説いてイジメをやめさせようとしても難しいように、攻める気マンマン、いびる気マンマンの相手国を、目をつけられた国の単独で排除するのは難しい。という訳で、今回のテーマは、【避けられない強大な敵】だ。」

逆沢「強大な敵ってか。まぁゲームの世界なら、敵は強大であればあるほど、燃える展開になっていいんだけどね。ていうか自分達より弱い敵と戦うなんてのは、単なる弱い者イジメでしかないし、そんなゲームをプレイしたい人はいないんじゃないかなー?」

鼎「辰巳さんも、【俺より強い奴に会いに行く】とか言ってるよね。」

逆沢「ゲームの世界では、ゲームバランスという巨大な神の掟があるから、どんなにプレイヤーの担当勢力が弱くても、やり方次第で勝ち抜けるバランスになってるのが普通だからねぇー。まぁ中には、難易度崩壊のクソゲもあるかも知れないけど。」


鼎「でも国盗りSLGとかでは、選択した勢力や個人によっては、どう頑張っても、ベストクリア(例えば、統一勢力の主となる)が迎えられないような、弱小も存在するよね。」

愛原「通常のゲームの場合は、負けた時のリスクがない為、どんなに勝算が薄くとも、積極的に勝ちに向かって頑張っていける。難易度崩壊のクソゲでも、その人なりに過程が楽しめれば頑張れる。しかし例えば、賭け麻雀みたいなものをしていたとしたら、どうするか? そういう視点で、今回は考えて欲しい。つまり負けたら、リスクのある戦いという視点だ。」

逆沢「負けたらリスクのある戦いってか。まぁ現実世界では、株取引から宝くじまで、大抵の勝負事はリスクと背中合わせだからねぇ。まぁハイリスクな割にローリターンだったら、そんな勝負は避けるのが普通だと思うけど。」

愛原「今回のテーマは、【避けられない強大な敵】だから、挑まれた以上は、勝負は避けられない前提なのだ。」

逆沢「・・・うっ、何という卑劣な!!!」

愛原「そう。今回のテーマは、卑劣なのだ。敵が現れたが最後、【逃げる】という選択肢を選べないバトルなのだ。」

鼎「しかもその敵は、強大なんだよね。それってどうにもならないよー。」

愛原「この強大な敵を目の前にした時、どうするか? 色々考えて欲しい。」

逆沢「やっぱ開き直って、戦うしかないんじゃない? あくまで強大な敵であっても、勝てない敵ではないんだし。」

鼎「敵で無くなったらいい訳だから、何とか仲良くできればいいんだけどなぁ。」

愛原「敵に回らないように、日頃から仲良くするという選択肢は重要だな。だが既に敵として確定してしまった場合は、大変だ。この場合はどうするか?」

逆沢「だから戦えっての。勝てば一番だけど、勝てなくても、大きな損害を与えたり、これ以上の戦闘を続けてもメリットがない事を思い知らせてやれば、停戦にこぎつける事だって可能じゃない? ベトナム戦争なんかでもそうだし、要は敵から敵対意識を奪えば、敵じゃなくなる訳だし。」

鼎「名義は【降伏】でも【和解】でも【停戦】でもいいから、とにかく戦いを終わらせる努力をしないと駄目だと思うよ。滅亡とか無条件降伏みたいな無惨な終わり方じゃなくて、少しでも良い条件で戦いを終わらせられるように交渉できればいいと思うよ。」

愛原「逆沢はタカの論理。鼎はハトの論理だな。無論、実際には両方の歯車がうまくかみ合えばベストだろう。相手に痛撃を与えられれば、それだけで敵の意志はにぶる。焦土戦術をも恐れない強い姿勢で臨み、これ以上戦闘を継続した場合、たとえ勝っても戦勝後のメリットが殆どない事をアピールしても良い。また払える範囲の上納金を払う事で、とりあえず停戦するのも有効なアイデアだが、その上納金を元手にさらに戦力を強化して来て、さらに要求や圧力が強くなる場合もあるから、この点の配慮は必要かも知れないな。」

逆沢「美女や美酒を定期的に献上する事を条件に、和解したりする例は歴史でも多いけど、これは結構、うまい手よね。美女や美酒は、その国を堕落させる役には立っても、その国の軍事力がさらに強まる方向にはあまりつながらないだろうし。」

鼎「逆に、大坂冬の陣の時には、大坂城の外堀を埋める事を条件に、大坂方は停戦にこぎつけたけど、外堀も埋められて、もたもたしてたら内堀まで埋められる事にもなって、それに抗議してたら、徳川方に再び戦争を仕掛けられて、防御力が大きく下がった大坂方はついに滅亡したなんて話もあるよね。」

愛原「大坂冬の陣の停戦条件は、結果から見れば最悪だな。寿命の迫った徳川家康としては、何とか自らの余命のある内に後顧の憂いを断ちたいという強い執念で、何としても豊臣家を滅ぼそうとしていたと言われているが、その家康をもってしても、冬の陣の時には、ついに大坂城を落とすことはできなかった。徳川方からすれば、力攻めで落ちない大坂城を落とす為の作戦としての一時的な和睦でしかなかったのに、豊臣方はそれにまんまと乗せられて、大坂城の鉄壁の源であった堀を埋められたという形になる。結果論だけでいえば、安易な和睦によって、より確実に滅亡させられることになっただけの事かも知れん。」

鼎「でも普通に戦ったら勝ち目が無さそうな強大な敵と和解できるとなったら、飛びつきたくなる気持ちは分かるよね。」

逆沢「似たようなケースは、イラク戦争もそうだけどね。父ブッシュがしかけた湾岸戦争の時点では、査察受け入れを条件に停戦になったけど、子ブッシュの【大量破壊兵器を保有している疑い】とかいう得体の知れない言いがかりで、再度攻められ、それまでの査察によって中身を殆ど丸裸にされていたフセイン軍は、あっさり敗北。内戦という形では今でも泥沼状態だけど、フセイン軍という形では瞬殺に近い終わり方だったもんね。」

愛原「潰す気マンマンの敵との和解は、要注意だ。特に信義を大切にしない陣営は、いちゃもんをつけてでもチャンスが来たらすぐに戦争に持ち込みたがるので、生半可な友好関係への努力は無意味。イジメの構図と同じで、都合のいいポチである事を受け入れるなら攻撃を回避できるかも知れないが、【対等の立場で友好関係を】なんて思ってたら、始めから【相手を醜い見下すべき存在】としか思っていない側は、容赦なくコブシを振り上げてくるだろう。」

逆沢「強大な敵が、そういう嫌な奴だった場合は、やっぱり少しでも痛い目に遭わせて攻撃をあきらめさせるしか方法はないってか?」

愛原「豊臣家は徳川家に滅ぼされたが、関ヶ原で徳川の敵に回った島津家が所領安堵で済んだのは、関ヶ原の戦いの最後の部分でその武勇をしっかりと徳川方に見せつけたからだろう。もっとも大日本帝国みたいに、原爆落とされ、北方領土も取られ、あげく無条件降伏に至るまで抵抗するのは、少し考え物のような気がするが。たとえるなら、島津家も上杉家も徳川に頭を下げるタイミングをわきまえていたから、家を保ったわけで、もしも最後まで従属を拒んでいたら、豊臣家のように滅亡しかなかったと思うしな。」

鼎「豊臣家は、徳川方にとって、残していればいつか徳川家に復讐しかねない巨大な潜在的な脅威と思われていたから、警戒されて滅ぼされたんだと思うよ。」

逆沢「力を見せつけるのは一つの強力な戦略だけど、行き過ぎると警戒心だけが強まって、徹底的に滅ぼされる原因にもなりかねないって事ね。」

愛原「まぁゲームの世界では、どんな苦境でも勝ちに行くのが基本戦略になるが、現実の世界ではどれだけ被害を抑えるかが基本戦略になる。強大な敵に勝つことは非常に難しい作業であり、リターンよりもリスクが大きな戦いになる事は目に見えているからだ。【勝ち方】ではなく【負け方】を考えるようなノリになる。」

逆沢「まぁ【名将は、引き際を知っている】とも言うしね。」

愛原「人生でもそうだが、なかなか百戦百勝とはいかない。それに10戦9勝しても10戦目で大敗してぶっ殺されるよりは、10戦9敗しても、10戦目で相手を滅ぼした方が上だ。漢の劉邦は楚の項羽に対して、殆ど戦えば負けるような状態だったが、それでも最終的に勝っているし、負け方を知っている者が、最終的に勝ち残るというケースは意外とあるものだ。」

鼎「たとえ勝てても損害が大きかったら意味がない事も多いし、逆に試合放棄みたいな形で負けても、戦力を維持できたらそれをすぐに次につなげられるという事は多いよね。」

逆沢「そういえば、黒藤軍なんかも、アメリカっぽい力で押しつぶす戦をしたがるイメージがある割に、上位の将軍では意外と負け方を知ってるような人も多いような気がするわね。」

鼎「逃げ上手の吉巻将軍とか、敵味方の損害を最小に抑えたがる寺島将軍とかだよね。でも吉巻将軍は敵の損害は増やしたがるけど、寺島将軍は敵の損害も減らしたがる所は違うよね。」

愛原「吉巻はシンプルな戦上手だ。残虐将軍ではあるが、味方の戦力を温存しつつ、敵の戦力を少しでも多く削ぐ事で、地道に有利な状況を持ち込もうとするタイプ。寺島は、黒藤軍を崩壊させたいという思惑もあるので、敵の戦力を温存したがる一面もあるが、外交などの話し合いをもって物事を解決したいから、なるべく相手の憎悪や敵対心や復讐心をあおりたくないというハト派的な思考も含まれると思う。」

逆沢「そのせいかどうか知らないけど、悪名高き黒藤軍の中にいる割には、寺島と吉武に対する諸外国の敵意はそれほどでもなさそうな気はするわね。」

鼎「とすると、強大な敵に攻めこまれた側が色んな戦い方や負け方を考慮するように、一方的に攻め込んだ側も、それなりの戦いの方針とかスタンスがあるって事だよね。」

逆沢「一方的に攻め込むような真似をした時点でとても善玉とはいえないけど、それでも話し合いの余地を広く残してくれる方が、攻め込まれた側にしても対応の可能性が広がってありがたいという事はありそうね。」

愛原「とはいえイニシアチブ(主導権)は、あくまで攻め込んだ側にあるのが普通だからな。強大な大国側が仕掛けた経済制裁などを受けてやむを得ずに立ったなんかの場合で、攻め込む側が攻め込まれた側よりも弱小という事もあるが、こういうのはあくまで例外。普通は勝ち目があるからこそ戦闘行為に踏み込むパターンが大半で、つまり攻め込んだ側がより多くの選択肢を持ち、攻めこまれた方は不利であるのみならず、限られた選択肢での対処を余儀なくされるのが一般的だ。」

逆沢「まあねー。防御側はあらゆる手を使って、和解や停戦に持ち込もうとしたりするだろうけど、実際にそれを受け入れるかはどうかは、攻め込んだ方の決断次第って事は多いだろうしねぇ。防御側の都合で、いつでも和解や停戦に持ち込めたら楽だけど、そんなケースは少なそうだしねー。」

愛原「選挙対策とか軍需産業の利権みたいなつまんない理由での開戦だけなら、防御側が頑張って相手を痛い目に遭わせてやれば、比較的早く停戦に至る見込みはある。しかし攻め込んだ側に【こんな奴らに負けたら恥だ】みたいな名誉心があると、一定の戦果を上げるまでは引くに引けず、泥沼にはまる恐れもある。また守備側の親玉をうっかり滅ぼして守備側をゲリラ化(メインとなる指揮系統が分散し、しかも戦力を温存したまま地下に戻った状態)させてしまおうものなら、和解したくとも和解の窓口自体が無くなってしまい、攻め込んだ方も攻め込まれた方も大変な事になる。とかいってまたその際に掃討作戦などの残虐行為をしでかしたりすると、憎悪を重ねるだけで、将来の脅威を増幅させるだけの悪循環状態になる。」

逆沢「それ、モロに現在進行形の実例があると思うんだけど・・・。」

鼎「でも、守備側としてはできるだけ被害を抑えた状態で戦闘状態を終わらせたいのに、攻撃側が残虐行為とかをして、仲直りしにくい状態を作ってしまったら、本当に困るよね。」

愛原「アメとムチという言葉がある通り、敵を痛い目に遭わすことで、譲歩を引き出すのは一つの有効なやり方だ。だがムチだけで、相手を思い通りにできるなんて思わない方がいい。食事すら与えなければどんな奴隷でも反乱を起こそうとするようなものだ。ムチでしばき続ければ、餓死するまで思い通りに働かせ続けられるなんて思ったら大間違いだ。【たとえ殺されてもこれ以上敵の思い通りにはならない】というレベルがあるから、進んで特攻兵や自爆テロ要員に志願する者も出るし、見せしめの自殺を試みる者もいるし、やけになって無差別殺傷事件を起こす者も出る。経済制裁というムチで縛るだけで思い通りにできるなんて思ってたら、不利を承知でアメリカに喧嘩を売った大日本帝国みたいに、逆に暴発する可能性は十分にある。圧力や武力だけで、人様を思い通りにできるなんて思わない事だ。

逆沢「でも力のある存在は、力で脅せば大抵のことは、思い通りにできると思ってるだろうし、弱いと思ってる奴に反撃されたら尚更プライドを傷つけられた気持ちになって、100倍返しにしてやらないと気が済まない気持ちになって、それで泥沼にはまったりするのかも知れないけどね。」

鼎「そうなってしまったら、【損害を最小に抑えた上手な負け方】なんて、もう不可能だよね。」

逆沢「そうなったら開き直って、勝ちに行くしかないわね。滅ぼされたくなければ。」

愛原「弱者から予想外の反撃を受けた場合、はっと冷静に立ち返る人間と、キレて我を忘れる人間の両方がいる。冷静になる人間相手なら、停戦の余地はあるだろう。修好の余地もあるだろう。キレるタイプは、困るとしかいいようがない。キレられたら泥沼だし、とかいって相手が攻撃に飽きるまで一方的にやられっぱなし貢ぎっぱなしになる訳にもいかないからだ。」

逆沢「バカとハサミは使いようって言葉があるけど、キレやすい人間に武器を持たせる事程、危険な事はないわね。」

愛原「人間としての理性も持たない連中に、決して強大な武力を持たせてはいけない。ただ一般的に武力至上主義の禽獣は、強弱を見抜く目はしっかりと思っているものだ。故に猛獣に仕込むがごとく、武力を振りかざすことが無駄である事を教え込むのは、一つの方策である。猛獣相手には決して下手に出るのではなく、むしろ社会全体・世界全体で包囲・監視して抑え込むのが上策だろう。人間は単独では、ライオンには勝てない。持てる銃弾の数にも限界はあるし、それ以前に一人で銃を作る事もできないだろう。しかし人間社会がライオン社会に負ける事は絶対ないし、ライオンに人間が媚びる必要もない。それと同じで、超大国が仮に獣同然の武力至上主義なら、媚びるのではなく、国際社会全体で包囲・監視するのが利口だと俺は考える。ライオンにエサを与えて懐柔するのはいいが、武器を与えるのは論外のように、そういう超大国とは付き合い方を、余程よく考えるべきだ。」

逆沢「おぉこわ。でも話して分かる人ばかりなら、狂信徒も殺人狂もいないだろうし、そういう人との付き合い方ってのは、あるかも知れないけどねぇ。」

鼎「つまり武力至上主義の人には、単独では無理でも集団で頑張って武力づくで押さえつけるのが良い。逆に武力至上主義でない人には、どんなに圧力や暴力に訴えても、それだけではなかなか言いなりにはできないから、話し合いの機会を大切にしたいって事よね。

愛原「強い誇りや信念を持っている人間は、命よりも大切な価値観を持っている事があるからな。そんな相手にアメリカばりの攻撃を行なっても、泥沼にはまるだけ。逆に猛獣は、自分より力のない存在には高圧的だが、力のある存在には従順になりがちだから、暴発しない程度に調整しつつも集団の力で何としても押さえつけたいという事だ。」

逆沢「つまり【強大な敵】が話し合いの通じる相手なら、話し合いに持って行けるような戦況に運ぶべきだし、話し合いが通じないような猛獣相手には、猛獣が逃げていくまで徹底して戦うしかない。でも猛獣は、そもそも自分より強い相手に喧嘩を売る事は滅多にないから、日頃からそういう展開にならないように、社会全体で監視すべきって事かも知れないわね。」

鼎「でも話し合いの通じる、仲良くできそうな相手とは、常日頃からもっと仲良くしておいた方がいいよね。敵に回さないのは当然だけど、味方に回ってもらえばすごく助かるしね。」

愛原「日本のような国の場合は、国防費をいくらかけようと、国土の性質や経済の構造から攻撃を受けた時点でかなりヤバい構図になっている以上、強国の視点で、国防を考えるのには無理がある。つまり本質的に【勝つ】事よりも【負けない(被害を受けない)】視点が重要になってくる。アメリカが原子力空母を日本に置くと言うことは、アメリカが中国や東南アジアに積極的に攻撃できる態勢を構築する事を意味するのみならず、攻撃される立場となる各国の警戒を強める事にもなる。もしも中国やロシアや北朝鮮がアメリカと戦わざるを得なくなった場合、当然、原子力空母はいち早く潰す対象になるはずだから(アメリカが北朝鮮に喧嘩を売る場合、最初に空爆などで重要な軍事施設などを破壊するのと同じ理由)、そうなると関東自体が壊滅する恐れもある。日本を守ってくれる存在どころか、危険要素だらけだ。もしもアメリカに日本を守る意図があるなら、空母のような遠征用の攻撃兵器ではなく、グアム辺りに戦力を固めるか、国境警備用の部隊派遣の方がずっと望ましい。」

逆沢「アメリカにとってはそれは望ましくないから、白兵重視の駐韓米軍の規模も減っていくばかりだけどね。アメリカのシフトは、どう見ても日本や韓国を守ることから、中国やロシアをいつでも攻撃できるような態勢に変わりつつあるみたいだし。」

鼎「でも日本政府は、もしも原子力発電所に何らかの不具合が起きても、東京や大阪だけは決して被害を負わないようにという意図でか、原発は田舎寄りの地方ばかりに置くようにしてたのに、それよりも危険かも知れない原子力空母が横須賀に来るのは、すごい計算違いのショックだよね。」


愛原「名古屋から岡山までの大阪を中心としたエリアだけは、米軍基地も原子力発電所も大きな自衛隊基地もない空白地帯だから、有事の際に攻撃を受ける可能性は最も低そうだが・・・。何にしても今の日本政府の国防センスには、色々問題を感じざるを得ない。」

逆沢「そうなると外交で何とかするしかないんだけど、もし麻生が総理になったら、いらん挑発までしそうで怖いわ。」

鼎「小泉さんは、外交では問題が多かったけど、歴代総理が手をつけられなかった利権構造や財政部分に大きなメスを入れる功績はあったよね。けど麻生さんは小泉さんの悪い部分だけ引き継いで、良かった部分を元の悪い状態に戻そうとしているみたいだから、すごく不安だよ。」

愛原「世の中、思い通りにならない事くらいは自覚しているが、思い通りにならない事ばかりだとつらいな。【君子は豹変する】ではないが、麻生が総理就任後、勘違い右翼がのたうち悲しむくらい、派手にキャラクターが変わってくれる事を期待するしかないか・・・。」

逆沢「児童ポルノ関連の法律の断行次第では、一部のオタクだけはのたうち悲しむかも知れないけどね。」









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