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愛原様のたわごと(09年1月23日)



逆沢「やっとイスラエルの侵攻は一息ついたか?」

鼎「アメリカでオバマ大統領の就任式が行なわれる前日までに、撤退したみたいだよ。」

愛原「今更ながらに、アメリカの影響力の大きさを考えさせられるな。アメリカが狂ったら世界は大混乱になりかねないし、アメリカが優れた影響力を行使すれば、第三国の争乱をもある程度は鎮められる可能性があるという事か。」

逆沢「オバマがどの程度のもんかは分からないけど、少なくともブッシュとは違いそうな感じはするわね。今の所は。」

鼎「イスラエルの政治指導者さんの方からしたら、今回の侵攻の目的の一つは選挙対策として、【ハマスに断固屈しない】という意志をイスラエル国民に示す事だったらしいし、ブッシュ政権下である内なら、アメリカが激烈にイスラエルの侵攻に抗議する事は考えられないという計算もあったらしいよ。」

逆沢「逆にオバマなら、止めに入る可能性があるから、速やかに戦闘を止めたってことかな?」

愛原「オバマは、むやみな戦争には反対というスタンスで当選した経緯もあるから、就任直後にまだイスラエルが戦闘継続していた場合、パフォーマンス的な意味合いも含めて、イスラエルに抗議せざるを得ないからな。イスラエルもその辺の駆け引きは分かっているのだろう。」

逆沢「国際社会が介入するしないのタイミングを見計らって、戦闘を始めたり終わらせたりする辺りは、戦巧者の風格アリってとこかな? だからって褒める気はさらさらないけど。」

愛原「【戦争は政治の延長】とはよくいったものだな。真の戦巧者は、政治上手、外交上手でなければならないという一面を見た気がするな。」

鼎「日本でも昔、日清戦争とか日露戦争とかがあったけど、戦の結果を見たら、やっぱり外交的な駆け引きを無視して、戦をすることはできないと感じたよ。」

逆沢「確か、日清戦争の時は、欧州列強の三国干渉によって、事実上、戦勝のメリットをかなり失った感じがあったわね。」

鼎「日露戦争の時は、ポーツマス条約によってかなり日本側にとって有利な停戦にこぎつけたような気がするけど、それでも当時の日本国民の多くは、賠償金を取れなかった事とかを理由に、政府の弱腰を強く非難し続けたと聞いたことがあるよ。」

愛原「日清戦争の時も日露戦争の時も、欧米の列強が停戦の仲買なり干渉なりをしている。戦争というのは、一見すると二者間で行なわれるドンパチでしかないように見えるが、実際には世界も巻き込んでしまうのが常なんだ。漁夫の利を得ようとする第三国もあれば、ミリタリーバランスを調整しようともくろむ第三勢力もある。今回のイスラエルにしても、アメリカの政治的な動向を確認した上で戦闘計画を進めていた観があるし、第三国がどう出るかを考慮できるかできないかで、戦術レベルの戦果は全く同じでも、戦略レベルの戦果が大きく変わる事は往々にしてあるものだ。

逆沢「日清戦争の時は、有力な第三勢力である欧州列強を無視した日本側の失策が明らかね。」

鼎「日清戦争の時は、ロシアの勢力伸長を抑えたいアメリカをうまく味方に引きずり込んだイメージがあるよ。」

逆沢「それでも当時の日本国民は、ポーツマス条約の結果を見て、弱腰外交と非難していたらしいけど、この差はどこから来るのか、それがちょっと気になるんだけどね。」

愛原「かの有名なバルチック艦隊を破った事で、日本国民は明らかに自国の国力に対して自信を深めていたという一点。そして戦勝国は賠償金を取って当たり前という世界的な一般的論理。それでいながら日清戦争の時には賠償金請求権を放棄せざるを得なかった事によるうっぷんなどが理由として上げられるだろう。でも日露戦争は、戦後のベトナム戦争と同じで、防衛側が侵略側を追い返しただけに過ぎないから、賠償金なんか取れる訳がないんだけどな。」

鼎「でも当時の高揚した日本の世論に押し切られて、もっと当時の日本政府が強気に出たら、ポーツマス条約はどういう展開を迎えていたかなぁ?」

愛原「歴史にIFはないので推測でしかないが、度を過ぎた要求はロシアのみならずアメリカの不快感も買う事になる。また停戦交渉が決裂して、ロシアと全面戦争に入った場合、最悪の場合、日本は滅ぼされていたかも知れない。格上国家と停戦できただけでも良しだし、たった一回迎撃に成功しただけで、朝鮮半島の支配権、南樺太や満州方面の譲渡などまで引き出せたのだから、これ以上の成果はないくらいだと俺としては思う。もしも仮にロシアから賠償金まで取りたければ、シベリアまで攻め入って、その上でロシア軍を破って、領土を奪い取るくらいの事をしないと駄目だろう。」

逆沢「まー、私達は未来の人間だから、推測の範囲は出ないにしても、ある程度は客観的な判断ができるから、ポーツマス条約の成果すら物足りないと騒いだ当時の日本国民が欲張りすぎだという判断も可能なんだけどね。」

鼎「今、現在、置かれた状況を客観的に判断するのってすごく難しいよね。今回のイスラエルの戦闘行為みたいな、直接利害に関与しない立場だったら、第三者の立場だから【おかめ八目】ような感じで比較的冷静な判断ができるかも知れないけど。」

愛原「ふりかえってみて、今の日本の置かれた状況はどう思う? 近い内に日本が戦争に巻き込まれる可能性はどれくらいあると見る?」

逆沢「ゼロじゃない? アメリカ様が守ってくれているんでしょ。」

鼎「でも北朝鮮の朝鮮人民軍総参謀部報道官が17日に、韓国に対して【我々の革命的武力は全面対決姿勢に入ることになるだろう】と警告する声明を発表したって報道があったよ。これってすごく危ないんじゃないかなぁ?」

逆沢「どうせいつものブラフでしょ。大体、本気で北朝鮮が日本なり韓国なりと戦争を始めたとして、何のメリットが北朝鮮にあるわけ?」

鼎「でも大日本帝国も暴発してアメリカに喧嘩売ったし、必ずしも理性的でいられるのが人間じゃないし、安心はできないよ。今は金正日さんの健康状態がすごく悪化して、北朝鮮の指導部の状態がかなり混沌としつつあるから、誰がどういう決断をして何をしてくるかとか、予想がすごく難しくなってるから、決めつけは危険だと思うよ。」

愛原「日本がこれからも戦争と無縁であり続けるかどうかは、残念ながら分からない。平和であり続ける事ができれば、鼎寄りの論者は、ただの心配性とか、悲観主義者とか、誇大妄想狂と呼ばれる可能性もあるだろう。逆に北朝鮮が暴発してしまった場合は、逆沢寄りの論者は、平和ボケとか、外交オンチとかののしられる可能性もあるだろう。という訳で今回のテーマだが、【カタストロフィーを未然に阻止しよう】だ。」

鼎「カタストロフィーって、【破局】とか【破滅】とか【悲劇的な結末】とか【判断や適応次第で生死を分けるような大きな環境の変化】を差す言葉だよね。」

逆沢「ある意味では、戦争に巻き込まれる事自体が、カタストロフィーそのものね。」

愛原「RPGの世界などでは、残虐な皇帝なり魔王なりが悪いことをしてから、主人公がそれを止める為に旅に出るパターンが多い。だがそれとは別に【あと何日以内に、●●をしないと世界が滅びてしまう】みたいなシチュエーションもある訳で、今回のテーマは、その未然に阻止するという視点で考えてみようという事だ。事件が起きてから対処するのではなく、事件そのものが起きないように対処するという視点でな。」

逆沢「あいにくだけど、わたしゃ、そういうのはどっちかってと嫌いだわ。訳の分からない【疑い】だけで一国を潰したアレを思い出すから。」

鼎「それって、一歩間違えると、先制攻撃による自衛権の発動みたいな事になっちゃうよね。」

逆沢「【将来あいつは大量殺人を行なう可能性があるから、とりあえず先手を打って殺しておきました。これで皆様の生命と財産の危機を一つ、事前に排除する事ができました。】みたいな論理を、私が認めるとでも思ってるってか?」

愛原「・・・のっけから、テーマを否定するなよ。」

逆沢「けどねぇー。【警察は、事件が起こらないと動いてくれない】という被害者側の人からの怨嗟の声は確かに聞かないでもないけど、だからといって事件が起きない内に疑わしきを罰するってのは、あるべき姿じゃないと私は思うけどねー。」

愛原「確かに事件が起きてもいない段階で、裁いたり罰するのはやってはいけない事だと思う。しかし事件が起きないように、未然にしかるべき対処をする事自体が、イコール罰する事になるとは限らないだろう。例えば、ブッシュのイラク戦争決行を阻止する為に、ブッシュを事前に暗殺すれば、それは犯罪かも知れない。しかしブッシュに戦争を思いとどまらせるよう、説得しようと試みる事は、犯罪でも悪でも何でもないだろう。」

逆沢「説得して止められるくらいなら、当時の国務長官だったパウエルがイラク戦争に反対した結果、ブッシュによって更迭されるなんて事はなかったって。」

鼎「でも言いたい事は、何となく分かったよ。何も不安要素を力ずくで排除するだけが方法でもないって事だよね。」

愛原「もっとも力ずくをもってしても、事前に排除しなくてはならないケースがないとも限らないけどな。適切な例ではないかも知れないが、7lcwの世界でも、愛原編・宮田編・婆娑羅編・門司編・大神編のそれぞれで、そういうシチュエーションは残念ながら発生する。」

逆沢「ああ確か、【黒藤軍が遠隔発射装置を完成させるまで、あと●ターンです】みたいな展開になってたわね。」

鼎「一定時間内に敵を攻略しないとならないというのは、バトルものの漫画とかでもかなりメジャーだし、ゲーム的にも使いやすい設定だよね。」

逆沢「けどこれも冷静に考えたら、疑いだけで黒藤軍への戦闘行為を肯定化しているという点では、ブッシュ的な発想に近いわけよね。」

愛原「もっともだな。まぁゲーム的なご都合的設定と言われればその通りだが、越後攻略後に、黒藤軍が製造した大量破壊兵器と、様々な具体的な根拠のある計画書が見つかるので、裏付けとなる証拠はほぼ完璧であり、決して根拠の乏しい疑いだけで攻めている訳ではないという基本設定下ではあるんだが・・・。」

鼎「私は、緊急性のある場面での強制捜査とかは、全面否定はしないよ。」

逆沢「捜査令状があれば、ガサ入れも合法みたいなものかしらね。もっとも世界の警察を自称する某国の例があるから、それでもケース・バイ・ケースかも知れないけど。」

愛原「まぁ一般論として、裏付けとなるちゃんとした証拠があれば、相応の対応は認められる範囲だろう。例えば、痴漢の容疑者をとりあえず現行犯逮捕する事は是か非か。確かにえん罪の可能性はある訳だが、だからといって容疑者の身元も一切確認せずに、一方的に解放するのは妥当性を欠くだろう。一方的に犯人と決めつけるのは大問題だが、1%でもえん罪の可能性があれば、極力追求しないというのも間違いだと思う。ちなみにこういう話題になると、俺がよく思い出すのが、2002年に神戸で起きた【大学院生リンチ殺人事件】だ。カタストロフィーを回避する為に、しかるべき正義の組織がどの程度の干渉を行なうのか妥当なのか? この事件はそういう意味では、大きな教訓を持っていると思う。」

逆沢「確かこの事件か?」

鼎「警察官の対応が不味すぎて発生したといわれる凶悪殺人事件の中でも、特に象徴的な事件だったよね。」

愛原「類似した事件としては、警察の見通しの甘さによるストーカー殺人事件とか、児童相談所の見通しの甘さによる無数の幼児虐待致死事件とか、病院側の見通しの甘さによる精神障害者による殺傷事件のケースがあるが、これらの場合は、どこまで警察や病院に責任があるといえるのか、俺には分からない。警察も病院も予知能力者達で構成されている訳でもないし、【疑わしきは即拘束する】という訳にもいかないからだ。だがこの【大学院生リンチ殺人事件】に関しては、その範疇を大きく超えている。迫り来る大悲劇(カタストロフィー)に対して、あまりに警察側の認識が甘すぎる。」

鼎「単なる思いこみで私的制裁するのはバツだと思うけど、迫り来る危険に対して事なかれ主義で放置するのも、私はバツだと思うよ。」

愛原「カタストロフィーの多くは、予兆がある。【大学院生リンチ殺人事件】の場合も、明らかな予兆があり、警察自体もそれを直接見ていたはずだが、にも関わらずそれを見逃して、最悪の結果になっている。そりゃあ通り魔事件のように、何の予兆もなく突然起きる悲劇も多いが、予兆があった場合、やはり即座に対応すべきなのは間違いないだろう。」

逆沢「イラク戦争だって、ある日突然起きたものじゃなくて、アメリカの政府内でも開戦するか否かを巡って激しいやり取りがあったし、国連でも大きく話題にされてたしね。」

鼎「いじめ自殺事件とかでも、自殺という決断をするまでの兆候というのはあったと思うし、ちゃんと気付いてあげれば対処可能なものが多かったと思うよ。」

逆沢「病気も本格的な病に至ってから治すよりも、早期発見・早期対処の精神で早めに治す事が第一だと言われているしね。」

鼎「病気にかかっていない元気な人に風邪薬を飲ますようなのは、罪のない人を疑って一方的に制裁を加えるようなものだからNGだけど、風邪を引き始めている人に対して、早めに休養させる精神は大事って事だよね。」

愛原「つまり予兆を正しく把握できるかどうかが、ポイントになる。病気でない者を病気と誤診して、妙な手術をするのは論外だが、病気の兆候が出てる者を病気でないと誤診して事態を放置してると、気がついたらガンの末期症状みたいな状態になる事もありうるからな。」

鼎「けどみんながちゃんとカタストロフィーの予兆に気付く事ができればいいけど、それに気付かない人とかがいるのが問題だよね。周りの者がみんな病気じゃないかと疑っているのに、その当事者だけがそれを否定して断固として病院にいかないなんて事もあるもんね。」

愛原「大神編で赤竜軍と戦う選択肢を選んだ場合に、まさしくそういうシーンを見ることも可能だ。赤竜や楠木らは必死で超大国となった大神軍と戦争状態にならないように頑張っているのに、肝心の自国民が、赤竜ら指導部を弱腰外交とか非難して煽りまくって、その結果、黒藤軍とヒデブ派がしくんだ暴発事件によって戦争状態になってしまうという展開などは、まさしくその好例だな。」

鼎「逆に、せっかく努力してカタストロフィーを阻止しても、世間は誰もその事を認めてくれないという可能性もあるよね。」

逆沢「仮に赤竜ら指導部が屈辱的なまでの下手外交路線に徹して、見事大神軍との戦争を回避した場合は、実際には勝ち目のない戦争というカタストロフィーを回避した英雄として讃えられるべきはずなのに、国民からは売国外交とかののしられそうで、それはそれで悲劇かもね。」

愛原「【未然に防ぐ】という事は、事情を知らない第三者からしたら【特に大変な事は依然として何も起きていない】という事にもなりがちだからな。【特に大変な事は何も起きていない】のに、何でそこまでの屈辱的な外交をしなければならないんだという視点にはどうしてもなりがちだ。」

逆沢「一人の勇者が、学校を長期休暇して悪の秘密結社を滅ぼしても、その事情を知らない一般市民からしたら、ただの長期不登校児にしか見えないからねー。自分が悪の秘密結社を滅ぼした勇者であるという事をちゃんと証明できない限りは、どう頑張ってもただの社会不適合者にしか見えないし。」

鼎「事件が起きてから対処するなら、誰の目にもその活躍は明らかな場合が多いけど、予兆すら殆ど一般人には感じられない段階で、そのカタストロフィーを阻止しても、誰も認めてもらえないとしたら、こんなにつまんない事はないよね。」

逆沢「しかしガンとか病気の種類によっては、誰が見ても分かるくらい健康状態が悪化した頃には手後れって場合もあるからねぇー。イラク戦争も、マスコミがブッシュの野望を色々報道しだした時には、既に米軍の戦闘準備も殆ど完了してて、回避は極めて困難な状態になってたって話も聞いた事もあるし。」

愛原「【未然に防ぐ】というのは、正義の味方にとっては、ある意味ではつまんない仕事だ。誰からもその活躍を認めてもらえない事も多いしな。外交の世界でも、その傾向は割と強い。カタストロフィーが起きたら起きたで政府の無能を非難され、カタストロフィーが起きずに済めば何でそんなに弱気なんだと叩かれそうな気がして、どっちにしても正直面白くないが、まぁ真の正義の味方というのは、必ずしもみんなに愛され尊敬されるヒーローばかりではない。当然、人知れない苦労を分かってくれない人も多いだろうが、分かってくれる人も必ずいる。そう信じたい。」

逆沢「さっき取り上げた【大学院生リンチ殺人事件】にしても、もしも警察の人達がちゃんと対処して未然に食い止められてた場合は、せいぜい新聞の三面記事で終わってて、警察の人が実はカタストロフィーを食い止めてたという事を誰も気付かないままで(勿論、当の警察官自身も気づかないまま)終わるような気がするけど、それはそれで本当は素晴らしく良いことだと思うしね。」

鼎「とすると新聞の三面記事以下で終わっている小さな事件も、ひょっとしたら誰かの活躍で、カタストロフィーを止めた結果かも知れないよね。」

愛原「いじめ自殺事件も、もしも周囲がちゃんと対処して事前に事件を食い止めていたら、新聞にも載らない日常の一コマでしかなくなるからな。【事件を未然に防ぐ】という事は、ドラマとしては限りなくつまらないままで終わるという事であり、正義の味方の活躍も殆どだれにも気付かれずに終わるという事でもあるが、それが実は最善という事は多い。事件が起きた後に颯爽と活躍する正義の味方よりも、実は事件を未然に防いでくれた無名の英雄の方が立派なんだという視点も是非とも大切にしたい。」

鼎「末期ガンの摘出治療すらやってくれる腕利きのお医者さんはすごく立派だと思うけど、小さなガンの内に早期発見してくれるお医者さんは、もっと偉いかも知れないって事だよね。」

逆沢「ノストラダムスの大予言が外れたのも、誰かが未然にカタストロフィーを食い止めたからだったりして♪」















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