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愛原様のたわごと(09年3月6日)



愛原「今週一番の話題は、何と言っても小沢一郎の公設第一秘書逮捕だな。」

逆沢「わたしゃWBC。」

鼎「結構厳しい気はするけど、なんとか2連覇して欲しいよね。」

愛原「・・・頼むから、俺に話を合わせてくれ。WBCはまだ始まったばかりなんだから、いつでもネタにできるだろ?」

逆沢「西松建設の違法献金の話も始まったばかりなんだから、いつでもネタにできるでしょ。」

鼎「もしも予選落ちになった場合は、WBCの話はすぐに鮮度落ちになっちゃうよ。」

愛原「・・・多分、予選落ちはない。それは大丈夫だと思う。」

逆沢「西松建設の問題も、すぐには鮮度落ちにはならないから後回しでも大丈夫だって。これから森喜朗の足下とかにも飛び火して、ますます盛り上がるから。」

愛原「・・・多分、それもない。田中角栄がロッキード事件でパクられて以降、与党の大物議員にまでこの手の事件が及んだことは殆どないから。リクルート事件でも、竹下登の秘書が自殺しただけで、竹下も安倍も宮沢も逮捕されずに終わったし、この前の橋本派の献金問題でも、落選した村岡兼造一人に罪を押しつけられて、橋本も野中も青木もピンピンしてたじゃねえか。これが現実だ。」

鼎「そう言えば確かリクルート事件でも、森さんは深く関与してたと言われてたよね。」

愛原「海部内閣の時に、当時有力な入閣候補だった森喜朗が突然入閣見送りとなったのも、森が特にクロいと見られたからだ。海部は個人的には森と親しかったが、海部自身がクリーンさを買われて首相に抜擢された政治家でもあったし、彼は人事には特にうるさかったからな。」

逆沢「その森もそろそろ年貢の納め時・・・。」

愛原「だから、多分それはない。与党の大物を逮捕するには、相当の労力がいるのだ。ついでにいうと、小沢一郎の秘書が逮捕されたとしても、それが小沢一郎本人に及ぶ可能性も、高いとまではいえない。」

鼎「選挙を有利にしたい与党側の陰謀とか国策捜査という批判も、民主党側から出てるけど、これはどうかなぁ?」

愛原「まぁ鈴木宗男が突然逮捕された時もそうだったし、ロッキード事件や橋本派の献金問題の時もある意味ではそうだったが、確かに時の政権の強い意志が捜査を加速させたり、逆にもみ消しに向かう事は残念ながらあると見ざるを得ない。しかしこの手の事件で、えん罪の可能性は殆どない。クロだけどもみ消されるか、クロであった事がようやく断片的・限定的ながらも明らかになるかのどちらかが殆どだ。」

逆沢「確か小沢一郎サイドから西松建設サイドに宛てた請求書まで発覚したそうだから、クロといえばクロに見えなくもないわね。」

愛原「一般的には、選挙の直前に政治家の周辺を騒がすような動きをする事を、司法機関が好まないのは事実である。だが予算が通るまでに与党が解散に打って出る可能性は極めて低いし、それを考慮すれば、今の時期に小沢の秘書を逮捕するという行為が、与党の仕掛けた陰謀と断じるのは、少し困難だと俺は思う。まして西松建設の問題は、以前からくすぶっていた問題でもあるしな。」

逆沢「でも最終的に、小沢の周辺だけ逮捕されて、森ら与党の周辺が一切おとがめなしだったら、やっぱり捜査機関と与党がグルになったと見られても仕方ないんじゃない?」

愛原「・・・うーん。まぁそれは言えそうだが、現実にはやはり難しいだろう。もしも西松建設側が自民党に勝って欲しいと考えていたなら、故意に小沢に関する部分だけ証拠を残して、他は処分済みという可能性もあるし、それ以前に森らは証拠となるようなもの自体を残していない可能性もある。」

鼎「どっちにしても、それで小沢さんが免罪されるという事にはならないよね。」

愛原「えん罪でなければ、議員辞職に値すべき重大な不祥事だな。タイミングを見て速やかに党首を降りた方が、民主党全体のダメージも低く抑えられて、俺はマシだとおもうけどな。その点、麻生は中山にしろ中川にしろ、不祥事を起こした閣僚は速やかに切ってダメージを最小限に留めているし、こういう処理をできるかどうかでも、政権担当能力は関係すると思う。」

鼎「安倍さんの時はモタモタしすぎて、被害がどんどん拡大して大変な事になっちゃったもんね。」

逆沢「小沢は見る限り、強行突破を狙っているみたいだけどね。」

愛原「個人的には周りから圧力をかけられて辞めるのではなく、自発的に辞めた方が潔く映る。当面のことだけで考えれば、後任は岡田克也あたりが適任だろう。まぁグダグダやってて民主党が思わぬ敗戦をしても、それはそれで自業自得だとは思うけどな。」

逆沢「まぁ、私も自民党と民主党のどっちが勝とうと、森が失脚さえしてくれたらどっちでもいいわ。」

愛原「・・・だから森喜朗が今回の事件で逮捕されるなんて事は絶対にないし、森喜朗が落選する事も、森喜朗が党内から追放されたりはみごにされる事もないって。確証はないけど、十中八九そうなるから。」

逆沢「だから、なんでそうなるのよ!」

愛原「だから与党の大物は、滅多なことでは逮捕されないからと言ってるだろ。ましてこのレベルの事件では、森喜朗以前に小沢一郎本人が逮捕される事もないから。そもそも法に抵触するかどうかの点でも、この事件はかなりグレーだしな。小沢の場合と違って、他の疑惑の政治家に関しては、グレーをブラックに変えるだけの物的証拠や参考証言が、現段階では足りないのだ。」

鼎「与党の大物が大物である内は逮捕されないという隠れルールは、法的根拠じゃなくて過去の結果でしかないから、あくまで疑惑でしかないよね。」

逆沢「それを言ったら、公明党と創価学会のつながりも、疑惑でしかないんだけどね。【暗黙の了解】というか【公然の秘密】とでも言うのかな?」

鼎「なんでも陰謀論で考えてはいけないけど、実態が明らかにそうなっていると断言せざるを得ない程の、半ば以上、公然の秘密というのはやっぱりあるよね。」

逆沢「そりゃ諜報機関とか、マフィアや暴力団のような闇社会組織とか、表沙汰にできない事を生業にしてる人も現実は多いからね。政治の世界でも密約とかは普通にいっぱいあるし、そういうのが何十年か経ってようやく公開される例も多いくらいだからね。」

鼎「ファンタジーの世界では、特にそういう非公式な存在がたくさん存在するよね。世界征服を密かに企む謎の組織とか、裏の仕事を持っている仕事人とか、大衆の中に紛れて暗躍するスタンド使いとか。」

愛原「というわけで今回のテーマは、【暗躍する超能力者たち】だ。ちなみにここでいう超能力者というのは、いわゆるエスパーだけに留まらず、広義の【超・能力者】、即ち凡人の持っていない能力の持ち主全体で解釈してもらいたい。スタンド使いのような者は当然含むし、人格を持ったロボットや怪人を作れるような科学者も含まれるし、デスノートのような特殊なアイテムを入手した者も間接的な超能力者として扱う。とにかく凡人がいくら努力しても決して執行できないような所行ができる者を、全て含めて考えてもらいたい。」

逆沢「そういう人達に、私もなりたいもんねー。」

鼎「でも実は、私達は一応はそういう【超・能力者】扱いではあるんだよ。逆沢ちゃんは武勇面で、私は技術面での、一種の達人というか天才というか、とにかくそういう扱いだから、凡人枠ではないんだよ。」

愛原「俺や大久保らは、凡人枠での扱いだけどな。」

逆沢「あんたは顔が、凡人枠じゃないから♪」

愛原「うるっせぇなぁー。でも外見が悪い意味での非常識なのに、能力は凡人並って、考えてみれば最低だな、俺。」

鼎「でも私達の世界は、ブタ顔だからって、いきなり天然記念物扱いされて隔離されたり、逆に異質なる者として排除されたり差別される世界観ではないから、大丈夫だよ。」

逆沢「ドラえもんの世界観と同じようなものね。異質な者とか超・能力者が街の中を平然と歩いていても、誰も奇異な目でみたりしない、ご都合的な世界観って奴かな?」

愛原「一方、リアルな世界観の場合は、超能力者達が平然と能力を発揮し、なおかつ一庶民として平然と街を歩く事は極めて困難といわざるを得ない。そんな事をしたら、政府なりマフィアなりアメリカなりが、その超能力者を何とかしようと企む事が明白だからだ。」

逆沢「だから超能力者は、必然と暗躍するようになるって事かしらね。表沙汰になるような事をする訳にはいかないから。」

愛原「まぁこういうファンタジーネタは、自分に置き換えた上でシミュレートしてみるのが一番分かり易いだろう。というわけで、今日から俺やお前が現実世界の日本で、スタンド使いとして覚醒したという設定で考えてみよう。

鼎「ジョジョの第4部みたいな設定だね。」

逆沢「つまり私らが、仮にS市杜王町の住人で、突然矢で打ち抜かれてスタンド使いに覚醒したらどうなるかっていう妄想ゲームね。」

愛原「そういう事。ジョジョの第4部を読んだ事のない人からすると、ちょっと退屈なネタかも知れんが、その場合はまぁ適当に脳内補完しながら想像して欲しい。で、お前ら、スタンド使い
(俺様注〜特定の魔法的な能力を保有した一種の守護霊を使役できるタイプの超能力者。)として覚醒した訳だが、まずはどうする?」

逆沢「警察に行く。矢で射抜かれてほっぺたに穴が空いたりしたら悲惨だし、傷害容疑で犯人不詳のままとりあえず告訴と。」

愛原「だあぁぁぁぁ。なんでいきなりジャンケン小僧??! もう少しマシな例で考えてみろ。」

鼎「特に大した外傷がないか、あるいは何らかの特殊能力なり異変を感じ取れたなら、私としてはちょっと探究してみたくなるかも。」

逆沢「背中になんか張り付いてるみたいだから、とりあえず誰かに背中を見てもらったらどうなるかとかを探究するわけね。」

愛原「それも特殊な例!! とにかくだっ! まぁ一般論としては、せっかく身についた特殊能力を試したいとか、特殊能力の性能やリスクなどを把握したいという気持ちがわいてくるのが普通だろうな。」

鼎「でもそう考えると、背中を他人に見られたら死を迎えるという設定のスタンドを身につけてしまったあのキャラクターさんは、その誘惑に駆られなかった偉大で希少な例だと思うよ。私だったら、本当に背中を見られたらどうなるかとか、いつか興味本位で試してみたくなるかも。」

逆沢「実際には、特殊能力といってもピンキリだから、試す事で自分の身に災いがふりかかる事もあるしね。できればそういうリスクが殆どないありがたーい特殊能力が欲しいんだけど。」

鼎「わたし、ハーヴェストとか欲しいな♪」

愛原「それはそれで、みみちい発想だな。確かに地味な割には強力かつ有用なイメージだが。」

鼎「格闘系とか戦闘系とか言われるようなタイプの特殊能力には、私は興味ないよ。」

逆沢「まぁ鼎は、本職マジシャンだからね。武勇自慢の私とは本質的にキャラが違うから、鼎がハーヴェスト選んでも確かに納得するわ。で、あんたの希望は、グレイトフル・デッドか、グリーン・デイか?」

愛原「んな無差別攻撃しか使えないような、非生産的なスタンドなんかいらんわ!」

逆沢「あははは、冗談冗談。いくら戦闘タイプの私でも、そんなスタンドは欲しかないわ。」

愛原「まぁともかく話を戻して、鼎がハーヴェストのスタンド使いになれたと仮定しよう。持ち前の探究心をもってその性能やリスクもちゃんと把握し、使いこなせるようになったとしよう。で、そのハーヴェストのスタンド使いとして一人前になったお前は、改めてどう行動する?」

鼎「どうもしないよ。うーん、でもやっぱり他人には黙っているかな? うっかり悪い組織の人に知られてしまうと、突然拉致されないとも限らないし。」

逆沢「それが賢明ね。どんなに戦闘能力のある特殊能力を身につけても、24時間起きている訳にはいかないから、警察や自衛隊の集団を相手に持久戦になったらいつかはやられるし。仮に寝てる間も自動操縦で戦ってくれるような特殊能力に目覚めても、東西南北上下から色んな種類の攻撃を試されたら、いつかはやられそうだし。」

愛原「ハマスのロケット弾以上のものを家に打ち込まれたら、並の特殊能力者では対抗できないだろうな。」

逆沢「漫画の世界ではおなじみだけど、特殊能力で登場する自動操縦の相手が固体なら、凍り付かせて破壊とか、粘着材で封印とか、網で包んで捕獲とか、落とし穴や海面に誘い出して倒すとか、色々方法は試せそうだしね。」

鼎「液体や気体なら、蒸発させたり閉じこめたり分散させるとかも、一つの方法だよね。」

愛原「そりゃあもしかしたら、自衛隊どころかアメリカ軍が最新兵器を駆使して束になってかかってもかなわないくらい強力な特殊能力の持ち主も、中にはいるかも知れないが、こういうのは例外中の例外と考えて欲しい。現代の軍がその気になると、核兵器を出すまでもなく、バンカーバスター一発で周辺の土地を更地に変えられるし、化学兵器の類も出せるので、やはり並の特殊能力者では、政府を敵に回すのは極めて危険だと認識して欲しい。」

逆沢「一対一では、スタンド使いが一般人に負けることはないかも知れないけど、集団を相手に戦うのはそれなりに困難だから、できたら集団を武力として投入できる政府だけは敵に回さない方が利口って事ね。」

鼎「特殊能力といってもピンキリだから、あまり戦闘分野に特化していない特殊能力者の場合は、特に人に能力を知られないようにしないと危険だよね。」

逆沢「宝くじでも1等当てた事を他人に知られると色々面倒なことになるらしいけど、超能力者である事を他人に知られても、やっぱり色々面倒ごとが増えそうな気はするからね。」

鼎「という事は、やっぱり特殊能力者は決して表社会にその能力を知られないように、できるだけ隠匿して生きるか、暗躍に留めるのがやっぱりベストって事になっちゃうよね。」

逆沢「まぁ科学者タイプの超能力者みたいに、スポンサーなり他人の支援がないと本領を発揮できないタイプなら、そうとばかりは言ってられないだろうけどね。誰かとチームを組むことで初めて力を発揮するタイプの場合は、ちょっと立ち回りに苦労しそうな気がするわ。」

愛原「と、ここまでは基本な。次に応用だが、仮に超能力者が自分以外にも存在したらどうするかを想像してもらいたい。つまり鼎がハーヴェストのスタンドを身につけたのは良いとして、実は他にも同様の超能力者が、やはり街に潜伏していたらどうするかというシチュエーションだ。」

逆沢「それはちょっとドキッとするシチュエーションね。こちらはたまたま相手が超能力者である事を知ったけど、相手はこちらがスタンド使いである事にまだ気づいていないかも知れない。あるいは逆にこちらが相手に気づくよりもずっと前に、相手は既にこちらの事を把握していて、こちらが泳がされていただけかも知れない。仮に相手がこちらに気づいていないとして、こちらから声をかけるべきかどうか? うまくいけば頼りになる仲間になってくれるかも知れない。あるいは潜在的な脅威として認識されて、今後命を狙ってくるかも知れない。うーん、ドキドキだわ。」

愛原「しかし常識的に考えれば、もしも自分がある日、超能力者として覚醒したならば、自分以外の誰かが、別の場所で覚醒していてもおかしくないとは覚悟すべきだろう。60億人住む地球の中で、自分だけが特別な存在と思いこむのはさすがに危険な発想だとも思う。」

鼎「もしも自分が超能力者として覚醒したら、ワクワクするのは確実だけど、確かに言われてみればそうかも知れないんだよね。自分以外の誰かが同様に覚醒しててもおかしくないし、その人が仲間になってくれそうな人か、そうでないのかも分からないんだよね。」

逆沢「吉良吉影みたいな奴に素性がバレたら、ハーヴェスト使いのあんたも、いつ殺されてもおかしくないわね。アイツのようなタイプは、秘密を知った者は絶対に殺すって発想だし、そういう発想の超能力者は、ライバルの超能力者と比べても、より高い戦闘能力がありそうだしね。」

愛原「こちらが仲良くとまでは思わなくても、せめて不干渉でいたいと思っていても、相手はそう思っていない事は十分にありえる。その場は笑顔で別れても、その直後からチャンスがあり次第、相手を殺そうと企むスナイパータイプでないとも限らないからな。」

鼎「超能力に目覚めたらいい事ばかりだと思っていたのに、実際にはリスクも大きいんだよね。一般大衆に超能力者である事がバレて見せ物にされても嫌だし、公権力に素性がバレて危険人物として消されても嫌だし、ライバルの超能力者との戦闘に敗れて殺されても嫌だし。」

逆沢「まぁその3種類の中では、見せ物になる方がマシかな? 少なくとも殺されるよりは。」

愛原「まぁ超能力者としての素性をあえて世間に公表した上で、市民権の獲得に努力するというのも一つの方法かもな。いきなりこっそり政府なり警察なりに素性を明かした結果、こっそり隔離されたり処分されるよりも、もしかしたらマシかも知れん。世間にその存在を広く知られてしまった場合は、さすがの政府も、表だってその超能力者を殺す事はためらわれるから、軍が出動して容赦なくフルボッコされる可能性は殆どなくなりそうだ。」

逆沢「うおっ。何と基本で出した結論と、方向が逆になってきた!?」

鼎「でも何も政府や警察を、そんなに悪く考える事もないとは思うよ。もしかしたら政府関係者からVIP待遇で迎えてくれる可能性もあるし。実際、スーパーロボットものの科学者だったら、政府から丁重に扱われている人もいるし、戦隊ものでも政府のお墨付きの正義の味方もいるよね。」

逆沢「もしかしたら、政府直属の秘密の正義の味方の一員として、再配属される可能性があるかも知れないって事ね。」

鼎「それだったら、やっぱり吉良吉影さんのような悪い超能力者さんに命を狙われるよりも早く、政府や警察に庇護を願い出て、逆に政府直属の超能力者として活躍する方がいいかもって気もしたよ。」

愛原「政府関係者が基本的にいい人で構成されていたらいいが、でなければ悲惨だぞ。悪の片棒をかつがされる可能性もあるしな。」

逆沢「例えば、森元総理に命じられて、西松建設や検察の元にある請求書などの証拠品を、ハーヴェスト使って密かに取り戻せとか♪」

愛原「・・・それはセコ過ぎる発想だな。でも極端な話、政敵のスキャンダルをつかんだり、ひどい場合は暗殺したりとか。超能力には色んな用途があるから、どんなヨゴレ仕事をさせられるかという懸念は、やはりつきまとう。アメリカのCIAにしろ、徳川幕府の御庭番衆にしろ、秘密組織というのは光だけでなく影が多くつきまとうのが常だからな。」

鼎「政府にこっそり助けを求めるというのも、善し悪しだよね。先にマスコミを通じて世間に素性を明かすのが、やっぱり一番安心なのかも知れないよね。」

逆沢「けど世間に素性を明かすという事は、ライバルの超能力者全員にも素性が知れ渡る事を意味するから、より命を狙われるリスクも増える事も意味するけどね。味方も増える可能性があるから、良い悪いは分からないけど。」

愛原「どれがベストというのは俺には分からない。だが一つだけ、自信を持っていえる事がある。それは複数の超能力者が出現した場合は、いつまでもそれが暗躍状態で留まる事はなく、いずれは政府なり世間なりの周知となってしまうであろうと言うことだ。」

逆沢「そりゃあ、仮に超能力者が10人いたとして、その10人が10人とも、能力を秘匿しようとは考えないだろうからね。身の危険を感じた1人が政府やマスコミに駆け込んだ時点で、超能力者が存在するという断片くらいはどうしても明らかにされてしまうからね。」

鼎「10人いたら、いい人も悪い人もいてもおかしくないよね。とすると悪い人が犯罪予告をしたりして、超能力の断片を世間にわざと公表してもおかしくないよね。」

逆沢「覚醒したスタンドがグリーンデイのような無差別攻撃用だった場合は、根が邪悪な人じゃなくとも、興味本位で発動させた結果、街一つ壊滅させたりする事もありえるしね。神が与えたもうた偉大な力と認識して、前向きに使う機会を検討するようなバカも中には出そうな気がするし。そうなったら世間が超能力者の存在に気づくのも時間の問題だろうしね。」

愛原「そういった超能力者が犯罪予告をしたり、世間を恐怖に陥れることをした場合は、逆に正義の心を持つ超能力者が立ち上がる事も予想される。とすると大規模な戦闘が発生して、その結果、否応にも超能力者同士の戦闘による深い痕跡が残ってしまう事もある。また正義の心を持つ超能力者が、マスコミなどを通じて超能力という概念が存在する事を、世間にあえて公表した上で、一般大衆に注意を促す事も考えられる。」

逆沢「つまり自分一人が、いくら超能力という概念を世間に隠蔽しようとしても、別の誰かがいずれ世間に公表してしまってもおかしくないという事ね。」

愛原「自分自身の超能力の中身とか、自分が超能力者であるという事実くらいは、もしかしたらずっと隠し通せるかも知れない。だが超能力者が実在するんだという事実まで隠し続けるのは困難だろう。」

鼎「でもせめて自分だけは、誰にも自分が超能力者である事を知られたくないという気持ちは分かるよ。でもそれだったら、どういう風にしないと駄目かなぁ?」

逆沢「その場合は、仲間作りは基本的に諦めるしかないわね。仲間を増やそうとしたらこちらの素性も明かさなければならなくなるし、その分、他人の口から自分の素性を明かされる可能性も高くなるから。それからライバルの超能力者が諜報能力に秀でた能力の持ち主の場合は、積極的にこちらに探りを入れてくる場合があるから、見つけ次第、速攻で始末するか無力化しないと駄目だろうしね。」

鼎「でもそれって、吉良吉影さんの路線と一緒だよね。素性を知ろうとする者や、素性を知ってしまった者は殺せって路線は。」

逆沢「そういや、そうね。つまり自分自身はただ平穏に生きたいと思っていても、なかなかそうはならないって事ね。こちらが平穏に生きたいと思っていても、相手からこちらに探りを入れてくる事もあれば、偶然深く知り合ってしまう事もある。そこで相手を消そうとすれば吉良吉影路線まっしぐらだし、仲間としてつきあい始めれば、そこから自分の情報が次々と外に流出する可能性もある。もう割り切るしかないってか?」

愛原「それならいっその事、ディアボロのように特殊能力を活かして、政府も介入できないくらいの強大な私的団体を作って対抗するしかないか・・・。でもその場合は、超能力よりも本人自体のカリスマ性とか政治力とか知謀とか、むしろ人間そのものとしての資質の方が大事になって、やはり凡人にはできない所行だな。」

逆沢「あー、良いことを思いついたわ。政府の犬にされるよりも早く、自分が政府を手先にしちゃえばいいのよ。特殊能力を使ってこっそり麻生太郎や森喜朗あたりに圧力をかけて、言いなりにさせるとか。」

鼎「日本は独裁国家でも大統領制でもないから、首相や裏番といえども絶対的な権力は持ってないから、その手を使うなら、かなり多くの要人を手駒に変えられるくらいの手腕と能力がないと駄目だと思うよ。首相自体1年持たない事も珍しくないし。」

逆沢「あ、そうか。まぁ始めは乗り気じゃなかった定額給付金でさえ、最終的には自ら受け取るとまで明言した上で3分の2を使ってまで推進せざるを得なくなったくらいだから、確かに首相といえども、自分の意志はあってないようなものだからね。日本国は、超能力者が操るには不便な国だわ。」

愛原「まぁ一冊のデスノートで権力機構にメスを入れる事すら可能ではあるようだから、日本国を支配する事までは無理でも、日本国を混乱させる事くらいはできるかも知れんけどな。」

逆沢「自分以外の超能力者達が、勝手に犯行予告をしたり政府を脅したりする一方で、別のある者はマスコミに超能力者が今の日本に存在する事を暴露したり、政府の庇護下に入ったりする。そんな中、あくまでマイウェイを貫き、仲間を募り派閥を作ろうとする者も多く出るだろうし、秘密を知った者は殺すという孤立主義に走る者もいるかも知れない。そんな混沌とした状況下の中、あなたはどうするかと問われたら、結構迷うかも。」

鼎「でもその回答を聞けば、人間性が分かるような気もするよね。あぁこの人は成り行きに任せるタイプだなとか、この人は地味に生きたい人だなとか、この人は政府を信頼しているんだなとか、この人は今の世の中を変えてやろうと思っているんだなとか、この人は人を信用しないタイプだなとか、この人は勘違いしやすい人だなとか。」

愛原「次に超能力者になれなかった場合も、想像して欲しい。つまり例えば、世間にスタンド使いというのがそれなりの数で実在した事が世間に知られてしまった時、あなたはどうしますか?という視点だな。」

逆沢「その場合は当然ながら、スタンド使いの身元の把握を、政府に強く要請するわね。誰がスタンド使いかも分からないと、不気味でしょうがないから。【スタンド使いは政府に速やかに名乗り出るように。名乗りでなかったスタンド使いは、見つけ次第政府の手により処罰する。】くらいは最低でも言って欲しいわ。」

鼎「超能力者の中には悪い人もいるから、悪い超能力者が何人か出たら、世論は【超能力者は人間ではないから、人権は必要ない。見つけ次第、有害生物として殺せ】って具合になるかも知れないよね。」

愛原「そんな事になったら、弱気な超能力者は政府に頭を下げて庇護を願うか、あくまで一般人として溶け込んで細々と生きるだろう。が、中には堂々と政府や社会に対して宣戦布告しそうな超能力者も出る可能性はある。」

逆沢「あるいは一般人として細々と生きようとしたにも関わらず、最終的に正体がバレた途端に、キレたり開き直る奴も出そうだしね。」

愛原「ともかく超能力者でない一般人からみれば、超能力者というのは危険視されやすい存在でもある。さっき【市民権】という言葉が出た事もあったが、この市民権を獲得する努力を超能力者が怠った場合は、いつかは超能力者でない一般市民から排斥される可能性がないとも言えない点は、やはり留意すべきだ。超能力者は、ライバルの超能力者や政府だけでなく、一般市民からも敵視されやすい問題点はあるからな。」

鼎「超能力者になった自分が警戒されて、政府や市民から抹殺されないようにするには、どうすればいいのかなぁ?」

逆沢「市民にばれないように生きていくのが不可能なら、国防や治安維持要員として政府の庇護下に入るしか、やっぱないのかな? それで悪い超能力者と戦ったりしてれば、とりあえずそれなりに褒めてもらえて市民権も獲得できるかもと。」

鼎「つまり戦闘や諜報などに特化したような生活を、政府から強制させられるようなお仕事に落ち着きそうって事かなぁ。」

愛原「まぁ夢のない結論に落ち着きそうだが、超能力者になれなかった市民の感情からすれば、最終的にはそうなる公算が高そうだな。かくして超能力者達は、政府管理下の公認された正義の味方になるか、政府非公認のアウトローとして生きるかの二者択一に集約され、公認組が非公認組を見つけ出しては狩りをし、時には互いが激しく激突するといった構図に収束しやすいという事だな。」


逆沢「政府や大衆公認のローな超能力者として、公的機関の監視下に置かれつつ拘束されながらも、堂々と生きるか。あるいは誰にも能力を知られず一般人と混じりながら、誰にも縛られず生きられる代わりに、素性がバレたらただじゃ済まないカオスな超能力者として生きるか。これはこれで面白い二者択一ね。」

愛原「カオス派の自由な生き方は、俺的には大変魅力的だ。だが超能力者を政府や警察組織の管理下に置きたいと考えるであろう、国民や政府関係者から見るとカオス派は煙たい存在だし、公権力寄りのロー派によって狩られる危険もあるだろう。表だった仲間捜しができないカオス派と異なり、ロー派はチームワークを組んで対抗しやすいので、戦闘になるとカオス派はどうしても分が悪くなるのも悩みどころだ。さらに問題なのは、カオス派同士で仲良くできる保証もない事。ディオ様やディアボロクラスの超能力者と相対すれば、殺されるか下僕として組み込まれるかの二者択一になりかねない。政府の管理下に置かれるのと、アウトローな独裁者の下僕として働かされるのとどっちが魅力的かと問われれば、これはこれで嫌な二者択一だとも思うしな。」

鼎「自由な魔法使いみたいになれたらどんなに毎日が楽しいかと思うのに、リアルに考えたら、結構超能力者の人生も過酷かも知れないんだね。」

逆沢「特に日本人は、出る杭は打つ主義というか、異質な者に対して非寛容だから、超能力者が日本国内に現れたという事になったら、世論や政府の反応は、超能力者が政府の管理下から逃れて自由に生きる事に対して、厳しい姿勢をしそうな気がしてならないわ。」

愛原「だからこそ、政府にすりよるロー派と、自由だけどサバイバルなカオス派に分断されるのは避けられないだろうな。」

鼎「他のみんなは、もしも超能力者なりスタンド使いに覚醒した場合は、どんな道を歩むのか、ちょっと興味あるかも。」











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