トップページに戻る


愛原様のたわごと(09年3月22日)



逆沢「今回の時事ネタは、なぁにかな?」

鼎「WBCの話は、まだ途中ぽいし、ネタにも持って行けなさそうだから無理かな? とすると今回は硬派に、北朝鮮の人工衛星打ち上げ問題ってとこかなぁ?」

逆沢「わたしゃ、同じ人工衛星の話をするなら、東大阪の中小企業が打ち上げたとかいう【まいど1号】の方が関心あるわ。アマチュア無線機があれば、データ受信ができるとか、結構庶民的で明るい話題っぽいし。」

鼎「そういう話題は、夢があっていいよね。中小企業でもそれなりの機能を持った人工衛星が打ち上げられるというのも夢があるし、人工衛星そのものが、決して国家プロジェクト級の特別な存在ではなくて、一気に庶民レベルまで下がってきそうで、もしかしたら大きな科学的進歩の第一歩って感じがしなくもないよね。」

愛原「・・・人工衛星を使った技術で、庶民にも馴染みが深いのは、おそらく気象衛星とGPS衛星だろう。もっともGPSに関しては、元来がアメリカの軍事衛星という事もあって、本来、日本人が馴染みとするにはあまりに危険なシロモノでもあるんだが・・・。」

逆沢「GPS機能があるという事は、カーナビや携帯電話を通じて、自分が今どこにいるかを逐一管理されてるって事だからね。」

鼎「確か当時、防衛省がらみの不祥事が相次いだ時に、【もし不祥事が起こった際には、速やかに上層部に情報が伝わるように】という意図を込めて、上層部には携帯電話の所持を義務づけようという話も出たんだよ。でも、それをやるとアメリカ軍に、日本の政府関係者や軍上層部が今どこにいるかを逐一把握されてしまうから、それで見送ったという経緯もあったんだよ。」

愛原「逐一居場所が把握されたら、料亭で誰と誰が密会していたとか、誰が良からぬ場所に行っていたとか、みーんな筒抜けになって、アメリカ軍にとって都合の悪い日本の要人は、密かに週刊誌にゴシップ情報流されて、社会的に抹殺されかねないデメリットもあるしな。」

逆沢「携帯電話にしろカーナビにしろ、持ってるだけでアメリカ軍に特定の人物が今どこにいるか、どんな生活サイクルを送っているかが把握されてしまうというのは、考えてみたら怖い事ね。日本の政界や財界のトップは、余程気をつけていないと、いつ襲撃されたり社会的に殺されてもおかしくないって事かな?」

愛原「GPSか別の衛星によるものかどうか知らんが、こんな話もある。かつて横山ノックが大阪府知事だった頃に、大阪でAPEC(アジア太平洋経済協力会議)が開催された事があったんだが、そこで予定を変えて知事自ら某国トップを関西空港で迎えることになったんだ。その結果、知事専用車が必要になった訳だが、するとより1台多く車を出しただけで【アメリカの情報機関が偵察衛星で確認したところ、車列の車が予定より1台多い。緊急事態発生ではないかと連絡があった。】と大阪府庁の元に通報があったそうだ。つまりアメリカがその気になれば、仮に日本政府の関係者がもしもどこかの国の要人を暗殺してやろうと考えたとしても、車一台余分に出すだけで、アメリカには筒抜けの可能性があるという事かも知れん。」

逆沢「おっそろしぃー。GPSの裏の顔を知ってしまった感じだわ。」

鼎「そういえばレンタカーにも、実はカーナビが内蔵されているのが普通だから、もしもレンタカーで妙な場所に行ったりすれば、レンタカー会社には全てそれが後で把握できるらしいし、そういうのはもう当たり前なのかも知れないよね。」

愛原「・・・・。まぁ携帯電話にしろカーナビにしろ、便利の影には常時監視されてますよという裏がつきまとう。まぁそれをいえば今回の給付金政策も、個人の銀行口座を公権力が把握する事によって、万が一の際に税金の差し押さえをスムーズにやってやろうという裏があるかもしれん。また高速道路が一日最大1000円までになるキャンペーン(首都高速と阪神高速では適用されず、またその他諸条件もあるが)によってETC搭載車が激増中らしいが、これも一種の国家による国民の動向把握策とも取れなくはないけどな。」

逆沢「疑いだせばキリはないって奴だとは思うけどね。」

愛原「とにかく国民生活は、あらゆる場面で日本政府、あるいはアメリカ軍などによって監視されている可能性がある。無論、これは大きな犯罪抑止策にもなるから、悪い事ばかりではない。個人の口座を把握する事による脱税逃れの阻止も、監視カメラによる容疑者特定の効果も、全く無視できないからな。」

逆沢「一昔なら、よそ者が村に入ってきたら村の者はすぐ気づくとか、村の者がどこで働いていていくつの子供がいるとか、周りの者は大抵知っているというのが、日本のムラ社会のデフォルトだったらしいわね。だから口コミだけで犯罪者の逮捕にこぎつけやすかったらしいけど、現在の首都圏とかでは、隣に誰が住んでるかも分からない事も多いらしいから、代わりに監視カメラとかが頑張らないと駄目だという事かも知れないわね。」

鼎「でもムラ社会特有の【プライベートだだ漏れ状態】を嫌う人も、今の日本人は多いから、それはおあいこなのかも知れないよね。」

逆沢「ネットの世界でも、匿名が原則なのをいいことにムチャクチャ言ったりするのが多い現状を見ると、やっぱり【匿名が原則なら、監視も必要】って事かも知れないわね。監視が嫌なら、原則実名もやむを得ないというか、まぁムラ社会特有の状態に近くしないと駄目というか。」

愛原「かつてのミクシィは、実名が推奨されている代わりに紹介制でもあったが、これは典型的な、ムラ社会型ネット空間だったといえる。実名そのものではなくとも、誰からの紹介が必要とか、実名推奨というくびきがあった為、無茶がしにくいという利点はあったんだが・・・。」

逆沢「けど匿名性がウリの首都圏型ネット空間が今ではやはり主流だけどね。ただ匿名性を利用して、嫌がらせをする人は後を絶たないし、中には匿名性を保ちながらムラ社会型ネット空間にまで押し入って、暴れる困った人もいるようだし。」

愛原「ちなみにウチのサイトの場合は、いわゆるフリゲ作者同士のなれ合い的なものもないし、どちらかというと首都圏型ネット空間そのものではある。ただ扱うネタが政治的というか、難しい問題も含んでいるので、そのまま運営しているとトラブルになりやすい側面を持っている為、実は少しだけ工夫している部分もある。」

鼎「ほえっ? そうなの?」

逆沢「ただの安っぽいサイトにしか見えないんだけど。今時のフリゲ作者さんと比べても、かなりチープな部類に入りそうだし♪」

愛原「ウチのサイトの最大の特徴は、【入り口が非常に狭い】という事だ。ベクターのような大型サイトにゲームを置いている訳でもないし、大人気の作者さんに相互リンクをお願いしている訳でもない。またサイト自体も、グーグルなどの通常の検索では、実は原則的に引っかからないからな。」

鼎「えっ? 検索サイトでは引っかからないの?」

逆沢「ここの【たわごとコーナー】では時事ネタが多めだから、ゲームそのものに関心のない特定の時事ネタに興味のある人が、検索に引っかかったんでつい見に来てしまうとか、そんなケースも結構あると思ったんだけどねー。」

愛原「政治ネタをうかつに触れると、イタい人が紛れ込みやすいので、そういう人が入ってこないように、実は検索サイトからは引っかかりにくいように工夫してある。ここの【たわごとコーナー】がいつまで経っても、ブログ形式にならないのも、検索サイトに引っかからないようにという配慮の元だ。」

逆沢「ほとんどのフリゲサイトは宣伝してナンボのもんだし、宣伝してもなかなかヒット数が伸びないケースも多いのに、ウチのサイトは実は真逆を行ってたとはビックリだわ。」

鼎「じゃあ、ここのサイトの常連さんはどこからやって来られたのかなぁ?」

愛原「アクセス解析によると、現在、圧倒的なシェアを占めているのは、【フリーソフト超激辛ゲームレビュー】さんところだな。次点で【ツクールweb - 作品宣伝掲示板】だな。あと【フリーソフトで面白いゲームまとめページ保存版】さんとこや【作ればいいじゃん!】さんとこなども少しある。ちなみにツクールwebの分に関してだけは、作者自身が自発的に宣伝させてもらっている板という事もあり、相互リンクというのはちょっと違う観がある。」

鼎「つまり誰か有志の人が書いて下さったゲームレビューの影響が、今は一番強いって事だよね。」

愛原「ああいう高評価のサイトに掲載される事による影響の強さには、今更ながらに驚かされる。投稿していただいた方にしても、掲載していただいた管理人の方にしても、本当にありがたいとしか言いようがない。ウチが検索サイトに引っかからないようにしているのは、ゲームに関心のない人がうっかり迷い込んできたあげく暴れられると困るからという配慮だからであって、逆をいえばそれ関連の紹介サイトや、他のフリゲ作者さんからのリンクはむしろ大歓迎なのだ。」

逆沢「確かにヨソから色んな人が流入してきたりしたら、いつか誰かに暴れられそうな気がしてならないわ。特にここのコーナーは、イタい人からしたらツッコミどころ満載だし♪」

愛原「だから入り口をしぼってるんだ。グーグルなどの検索サイトで目に付いたからという理由で、トップページ以外から初見の人がウチに来る事は殆どない。誇張ではなく、99%以上が上記からやってこられる。ゲームサイトから来られる方については、ウチのゲームが受け付けようが受け付けまいが、少なくとも場違いの方はほぼいないので無問題。」

逆沢「ああ、そういえば、グーグルとかのロボットに探知されにくい工夫のせいか、ウチの掲示板にスパムが入り込んだ事もないわね。」

愛原「レンタルする掲示板によっては、掲示板自体が検索サイトの探知対象に深く入ってしまっている為に、結局スパムが入り込んでくるケースも多いけどな。とかいって掲示板の迷惑書き込み拒否機能を強化すると、そうでない書き込みまで拒否してしまう弊害も起きやすい。ウチのサイトは、確かに安っぽいつくりではあるが、こっそり工夫している部分が全くないわけではない。(注〜厳密には検索キーワードによっては、一部ページと掲示板だけ、少しだけ引っかかる。)」

逆沢「ちょっと勉強した小中学生でも作れそうな、安っぽいサイトのくせに生意気ね。」

鼎「でもウチのパターンは例外として、たいていのフリゲ作者さんはもっと広く宣伝もしてるよね。」

愛原「その方が妥当だろう。大体、宣伝しても、効果が思うほど出ない事の方が多いからな。まぁそうでなくともフリゲ界は、通常は場違いの人が入りにくい為か、ムラ社会型になりやすい。特にフリゲ作者同士の交流が深いサイトの場合は、強烈なまでのムラ社会型サイトになる事もあるからな。」

逆沢「あぁ、あるある。掲示板みたら、なれ合いみたいな書き込みがやたら多くて、新参者が入り込みにくい雰囲気のサイトとか見たことあるわ。」

鼎「どことは言わないけど、某商業ゲームメーカーとこの掲示板も、そんな空気感じた事があるよ。」

愛原「通常のゲームサイトの場合は、見ただけでゲームサイトと分かる事もあって、ゲームに興味のない部外者が深く入って来る事はない。荒れるケースも限られている。市販ゲームなら、バグが酷かったり、駄作過ぎたり、サポート体制がまずかったりするとかくらいかな。フリゲ界の場合は、ブログ等で反感を買いやすい事とか他者への中傷を書きまくってたりすると、さらしに遭う危険があるが、やはりその程度だろう。ただウチの場合は、扱うネタの関係上、部外者が誤って入り込む可能性が高く、しかも一般にはタブーとされがちな政治ネタが横行している事もあり、その結果、グーグルなどから直接たどり着けないように調整した。ちょっと大げさに考えすぎかもとは思っているけどな。」

鼎「ムラ社会型も首都圏型も、いい部分と悪い部分があって、加減が難しいよね。」

逆沢「過度のなれ合いはイヤ。それよりはできれば匿名がいい。でも匿名をいいことに悪いことをする人は困る。悩ましい所ね。」

鼎「日本でも韓国でも、ネットの匿名性に関する議論ってのは活発だよね。」

逆沢「この前、スマイリーキクチとかいう芸人さんがらみで、匿名の中傷者というか脅迫者が逮捕されたのは画期的だったけど、こういう問題行為を行なう類は他にも多そうだしね。」

鼎「訴える事のできる人ならいいけど、それができない人に対しては問題だよね。容疑者として世間から隔離されている人とか、外国の人とか団体とかが誹謗中傷のターゲットにされてるとしたら・・・。」

愛原「その鼎の指摘に関しては、何もネットだけの世界ではない。マスコミも、容疑者扱いされている人とか公民扱いの政治家などに対しては、彼らが容易に名誉毀損などで反撃に打って出れない事を知ってか、かなりプライバシーや名誉侵害的な事をやっているだろう。重要なのはネットだからという問題ではなく、それをする事によるリスクの問題だろう。罰せられない、もしくは罰されても怖くない犯罪は犯罪じゃないというか・・・。」

鼎「匿名だからこそ、逆に人の良い部分が出ても良さそうなのにね。」

逆沢「そんな事ある訳ないじゃない。匿名性は、どちらかというと人の邪悪さが出るものだとも、最近感じなくもないし。」

鼎「でも現実世界では見栄を張ったりしなくてはならない事もあるから強がったりする事もあるけど、匿名の世界では無理せず謙虚で素直な自分が出てもいいんじゃないかなぁ?」

逆沢「逆ね。現実世界でパッとしないから、匿名世界で見栄を張るのよ。だから上から目線の人とかも多いような気がするし。」

愛原「一例を出そう。例えば、現在では小泉純一郎に関するブームもやや熱気が冷めて、小泉アンチに転向した人が多いのか、ネットでの世論も以前ほど小泉マンセーではなくなっているわな? あるいはかつてはブッシュのイラク戦争や、それに賛同した小泉に共感を持っていた人もそれなりにいたが、今、ブッシュのイラク侵攻は正しかったという人は極めて少数だよな。」

逆沢「今は、小泉の格差推奨経済とかアメリカ追従経済が今の日本経済を駄目にしたなんて意見も、割と見られるようになったわね。昔は、自己責任論というのがやたらもてはやされて、格差万歳、弱肉強食万歳。アメリカのイラク侵攻も賛成みたいな人も、ネットではもっと多そうだった気がするのに。」

愛原「そう。つまりかなりの数の人が、宗旨替えしている可能性がある。だがネットでは【宗旨替えをした】とか【私は間違っていた】という声は殆ど聞かない。聞くのは【小泉は国民を騙した】とか【国民は小泉に騙された】といった【自分は悪くない。悪いのは小泉(ブッシュ)だ。もしくは国民全体が悪いのだ】的な論調だけ。あるいは初めからアンチ小泉でしたと言わんばかりの論調だけ。彼らの中にはマスコミ嫌いの人間も多くいるが、そのマスコミ自体が小泉フィーバーを作り出し、自分達が過去にそれに踊らされたという事にも、彼らは一切触れない。これはなぜだ?」

逆沢「だ・か・ら、彼らは精一杯、見栄を張っているのよ。自分をよく見せようとしているのよ。匿名なんだから、見栄を張っても意味ないのにね。あ、でも匿名だから、宗旨替えしてもバレないってのはあるかな? 現実世界で小泉ファンを公言しながら、後になって宗旨替えするのはバツが悪いけどね。」

鼎「匿名の世界だからこそ、素直になれる自分が出せればいいのに残念だよね。」

逆沢「だ・か・ら、彼らは極めて素直に、自らの欲望に忠実に【なりたい自分】を出してるだけって。悪くない自分。カッコいい自分。他人を説教できるくらい強い自分。他人に屈さないたくましい自分。正しい自分を。但し、本当の意味で他人に好かれるような素晴らしい自分ではなくて、独りよがりの独善的な自分に過ぎないけど。」

愛原「サイトを運営している側からしたら、そういうご都合的な匿名性は出せないけどな。」

逆沢「あんたがある日突然、ブッシュの信者に転向して、何の断りもなく【いかにも私は昔から、ブッシュの正しさを確信していました】的な目線でこのコーナーを仕切りだしたら、おそらくサイトの訪問者は誰もが???となるだろうしね。」

愛原「そういう事。サイトやコーナーの管理人は、そのサイト村の住人そのものだから、完全な匿名にはなれない。どうしてもこの【たわごとコーナー】でブッシュの正義を熱く語りたいならば、俺様の代わりに池田あたりを連れてきて、【池田様のたわごと】くらいにしないと駄目だわな。」

逆沢「あははは! それはそれで面白いかも知れないけどね。」

鼎「でも一般のネット住人はそうじゃないから、いつでも今までの自分と違うキャラになりすまして、【私は昔から正しい側を確信していた】的な視点で熱く語る事もできてしまうって事なんだよね。」

逆沢「あくまで持論を変えない人もいるけどね。勿論、少数派が必ず間違っている訳じゃないし。少数派であってもそれを貫ける人は、それはそれでカッコいいとも思えなくもないけど。」

愛原「今のマスコミが嫌われる原因の一つは、常に多数派に媚びる事もあるかも知れん。小泉フィーバーの時も、ボクシングの亀田親子フィーバーの時も、星野ジャパンの時も、彼らは潮の流れが変わると、あっという間に手のひらを返す。政治家や一般人の犯罪には厳しいのに、島田紳助が暴行で容疑者となった時には、あえて容疑者と呼ば部分を飛ばして報道した番組もあったようだし、大手芸能事務所や有力スポンサーにも弱いなど、強きに媚び弱きに厳しい部分も感じる。」

鼎「あれ? でもマスコミに批判的なネットの住人は、マスコミが多数派の意見を正確に報道せず、偏向報道ばかりするという意見を出す人も多いよね。」

逆沢「ネット住人にとっての【なりたい自分】には、【普通の自分】とか【多数派の自分】も多いから、そう信じたいだけじゃない?」

愛原「商業マスコミが重視するのは、まず第一に金を出すスポンサーを集める事と視聴率だ。だが視聴率を上げないとスポンサーは逃げていくし、ではどうすればいいか? 答えは決まっている。マスコミが少数派に合わせる事などありえない。有料放送ならいざ知らず、視聴無料の地上派の場合は、収入源が限られている以上、(特にネットでの広告収入に押されている今では尚更の事)、マスコミが多数派を敵に回す事など考えられない。逆をいえば、多数派を満足させる為には、少数派の人権も良識も容赦なく切り捨てる部分もありそうだ。」

鼎「でも私は、最近ひどくなりつつある、あおり気味の放送は苦手なんだけど、それでも喜ぶ人は多いって事かなぁ?」

逆沢「ってか、つまらなそうなタイトルだと、誰も関心持ってくれないし。だから【大げさなタイトルつけやがって】とか【勘違いさせるようなタイトルつけやがって】くらいの方がいいんじゃない? 芸能人と一緒で、無名よりは悪名でも目に止まった方が勝ちって事で。」

愛原「マスコミ嫌いの人自身が、一番マスコミに依存している可能性もあるしな。読売ジャイアンツにとっての最大の敵は、実はアンチ巨人ではない。野球そのものに関心のない人だ。同様にマスコミが最も恐れるのは、アンチマスコミではなく、自分の配信するニュースを見てくれない人だ。たとえアンチでも番組を見てくれれば視聴率は上がるが、見てくれなければスポンサーも降りて番組は打ち切りだからな。」

鼎「あっそうか。そういえばマスコミも、いちいちニュースに過激なコメントをつけたりしてあおり気味になりつつあるけど、ネットの世界の住人にもあおり気味な人は多いよね。とするとマスコミが、あおり(あおられ?)好きな多数派に合わせているだけと見えなくもないんだよね。」

逆沢「同族嫌悪ってか?」

愛原「マスコミというのは、匿名の多数派を相手にした商売だ。そしてネット世界の多数派も匿名型だ。そして匿名というのは、総じて無責任な存在と言わざるを得ない。民主主義自体も匿名の多数派が力を持ちやすい政体だが、無責任な匿名が力を持つとどうなるか? これをちょっと考えてみて欲しい。例えば、貴方が会社の平社員で、今後の経営方針に関するアンケートを求められたらどう答えるかというようなパターンだな。あるいは学校の講師の評価に関するアンケートを求められたらどう答えるかというパターンでも構わない。」

鼎「うーん。学校の先生の通信簿を生徒側がつけるとするなら、やっぱり面白い先生とか、優しい先生とかに高得点が集まりそうだよね。逆に成績つけるのが厳しくて単位をなかなかくれない先生とか、生活指導が厳しい先生とかは一部から激しく嫌われそうだから、それで平均点がかなり下がりそうだよね。」

逆沢「会社の場合は・・・、うーん、でも幹部級じゃなくてヒラに聞いても意味ねえって気がするんだけど。本気で会社の経営が苦しくて何とかしようと考えてるトップとかなら、リストラも辞さないとか渋い判断もしそうだけど、下々は辞めさせるな給料も下げるなって自分本位な発想で臨みそうだし。」

鼎「でも会社の場合は、トップでも無責任な人は多いよね。アメリカではAIGの幹部とかがすごく高い賞与をもらって平然としてるなんて話も聞くし、これって、会社が潰れようが、取引先が困ろうが、世界経済がどうなろうが、自分個人が豊かになる方が大事って発想だよね。そのお金を少しでも多く、会社の再建に充てる方が筋だと思うのに。」

逆沢「それを言ったら、日本も同じようなものだわ。社会保険庁の歴代トップとかは、結局給料も殆ど返さずじまいだし。銀行が公的資金を受け入れる時でも、【もしも代償にトップや幹部に経営責任を取れというなら、我々には公的資金は不要だ(つまりトップらが経営責任を取らされて、個人資産を取り上げられる代わりに銀行を救うというなら、銀行は潰れても構わない)】という路線で押し切ったから、結局、トップらに経営責任を求めない形で、最終的に落ち着いたし。」

愛原「そういう事。つまり責任感のない人間、自分さえよければ周りがどうなっても構わないという人間が、いくら多数集まっても、ロクな結論にはならないという事だ。それよりは責任感あるワンマンによる独裁の方が上な事もある。例えば中小企業の社長さんは、自宅を担保に入れて資金繰りをしているパターンも多いから、経営は必死だ。会社が傾いたり、より好条件の会社が見つかったらいつでも辞められるヒラとは、覚悟が全然違う。そんな覚悟も忠誠心もまるでないヒラから民主的に意見を募るよりも、社長の独裁の方がマシな事もゼロではないのだ。逆に社長の決断が、夢をかなえる事もある。もしもヒラが【余計な事考えずに、堅実に本業だけやってればいいのに】的な考えばかりで、かつ民主的であれば、【まいど一号】も誕生しなかっただろう。」


逆沢「民主主義は最強ではなかったってか?」

愛原「そうは思いたくない。但し、権利と責任はセットでなければならない。つまりその一票は、自分さえよければ他人はどうなっても良いではなくて、全体を見据えなければならないという視点が欲しいという事だ。その点でいえば、匿名という状態は、責任が伴いにくい状態。つまり個人のエゴとか欲望が丸出しになりやすい状況でもある。過激な意見がもしも通過してしまった場合の現実世界のリスクよりも、過激な意見をいう事で個人的な満足感を充足させたいという極めて個人的な欲望が、匿名世界ではどうしても上に来やすいのが問題なのだ。」

鼎「世論が無責任で中身のないものになっていくのは、すごく危険なんだね。」

愛原「匿名ゆえの美点の多さは認める。民主主義の美点の多さも認める。だが匿名や民主主義を守りたければ、一定のモラルや責任感を一人一人が強く持つ事が自覚すべきだ。匿名をいいことにネットで悪い事ばかりする人が増えれば、いずれネットが匿名でなくなる日がくるかも知れない。世の中が監視カメラだらけに変わっているのも、そうしなければ犯罪が抑止困難になりつつあるからだろう。」

鼎「ムラ社会型の場合は、ムラ自体が自力で相互監視する事で治安を守ったり、困った時に助け合ったりできるけど、その代わりプライバシーがただ漏れになりやすいとか、ムラの慣習から外れると村八分にされやすいという欠点がある。逆に首都圏型社会の場合は、プライバシーは守られやすいというタテマエはあるけど、実際には匿名性をいい事を悪さをする者を監視する為に(あるいはそれをタテマエに権力層が個人を管理する為に)、一部の権力が実は逐一個人を監視できる状態にある。他人に対して全体的に冷たいという欠点もある。難しい所だよね。」

逆沢「監視されるのが嫌なら、一人一人がもっと責任感を持って自浄能力を発揮しないと駄目ってか? あとGPSもそろそろ純日本製の衛星を打ち上げて、一日も早くアメリカ依存から脱却しないと。」

愛原「欲を言えば、有事の際には、他国の偵察衛星を打ち落とすなり、無力化する方策も欲しいな。中国はそういう技術を開発中らしいし、アメリカも同様らしいが。」

鼎「ところで今回は、何のテーマだったの?」

愛原「お前らの話に合わせている内に、完全に今回予定していたテーマと違う話になってしまった。仕方ないから、テーマは【匿名社会】という事にしておこう。」












トップページに戻る