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愛原様のたわごと(09年5月10日)




愛原「スマップの草gクンがうらやましい。」

逆沢「その話題、とっくに賞味期限切れ。やるならもう1週間くらい前にやるべきだったって。」

愛原「今年のゴールデンウイークは、高速道路が例年を大きく上回る大混雑だったらしい。」

鼎「まだゴールデンウイークが終わって3日くらいしか経ってないのに、その話題もなんか過ぎてしまった話題って気がしちゃって不思議だよね。」

愛原「阪神が巨人相手の連敗を11で止めたらしい。」

逆沢「トラキチ以外、どうでもいいネタ振るな。しかもそれもゴールデンウイーク中の話題だし。」

愛原「・・・畜生。ゴールデンウイークが開けて初のコーナーだから、ゴールデンウイーク中にはやった鮮度ピチピチの話題で始めようと思ったのに、全部鮮度落ち扱いかよ。畜生。」

逆沢「あんたは畜生じゃなくて、ブタだから家畜。」

愛原「うがぁー。俺様が草gクンなら、絶対にそんなひどい扱いしないくせに!!」

鼎「それはちょっとだけ分かる気がするよ。もしも夜の公園で裸になって、大きな声で何か叫んで、やって来た警察官相手に抵抗したりしたら、普通の人ならもっとひどい扱いされてもおかしくないよね。」

逆沢「やったのが鳩山大臣とかだったら、大スキャンダル間違いなしね。」

愛原「俺達凡人でも同じだ。【なんとか24時】みたいな番組で、大阪ミナミあたりで泥酔中のサラリーマンが警官に連行されてるシーンとかが放映される時もあるが、あれも基本的には【日夜、治安維持の為に頑張るカッコいい警察官と、だらしないモザイク入り酔っぱらい中年親父】の構図でしかなく、泥酔親父はただの馬鹿にされる対象でしかないからな。」

鼎「それでもなんとか24時で出てくる酔っぱらいのオジサンにしても、裸になったりまではしないよね。」

逆沢「探したらいるかも知れないけど、そんな例は極めてレアだと思うわ。もしも裸オヤジをマスコミが発見したら、モザイクたっぷりかけた上で、百発百中裸で寝てるオヤジを取り上げて、それも楽しいネタにしてしまいそうだし。」

愛原「つまりそれだけの大不祥事を、草gクンはやったわけだ。確かに凶悪犯罪でもなんでもないし、我々一般人ならニュースにもならない程度の事件でしかないが、【その程度の事は誰でもやっているだろう】とまでは思えない。」

逆沢「そんな事言ってると、ジャニオタに刺されても知らないヨー♪」

愛原「まぁそう誤解するな。俺は元々草gクンはどちらかというと好きな方なくらいだ。ただここでわざわざ取り上げたのは、良くも悪くも人によって、同じ事をしても扱いに差が出るんだなという一例を取り上げたかったから。例えば俺や鳩山大臣が、夜の公園で奇声をあげて裸で寝そべってたら、絶対誰もフォローしてくれないだろ。まぁそういう意味で考えてもらいたい。」

逆沢「日頃の行いの差かなねー♪」

愛原「お前らでも一緒だろ。人の事をどうこう言う前に、自分に置き換えたり別の誰かに置き換えたりして、少しでも、より客観的に判断しようと努めるくせをもう少しつけてみてもいいんじゃねえか?」

逆沢「あぁ、そうそう。客観的にと言えば、おとついくらいからニュースになってた足利事件について、まさにそう思ったわ。」

鼎「確かDNA鑑定をやり直したら、無期懲役で服役中の受刑者とのDNAと全く一致しなくて、えん罪の可能性が極めて高まったという内容だったよね。1990年の事件で、91年に逮捕されて以来だから、えん罪だったら実質18年間、無罪の罪で収監されていた事になるんだよね。」

逆沢「それで某所のネット世論見てみたら、思わず吹いてしまった訳だわ。警官とか裁判官とかの無能を糾弾したり、彼らを非難する声の多い事多い事。」

愛原「・・・大体、お前の言いたい事は把握できた。が、非難するようなコメントを乱発した連中の言い分も簡単に予想はつくからな。」

鼎「確かに、取調べをする刑事さん達による自白の強要とか、そういうのはよくある事とも言われているし、そういう警察の体質を非難する人達の心理はすごく分かるよ。」

愛原「ただ当時のDNA鑑定のレベルでは、裁判官らがそう先入観を持ってもやむを得なかったという指摘もある。」

逆沢「裁判員制度が始まって、これからは私達もこういう事件の量刑や有罪無罪を判断する事になる訳だけど、私らにえん罪にならないような正しい判断ができるのか? 私はそう思ったわけ。裁判官の人などを叩くだけ叩いて、一生かけて償えとか激しくカキコするのは簡単だけど、お前らがこういう事件に立ち会った時、じゃあもっと適切な判断かができるのか? わたしゃ、そう思ったわけよ。」

鼎「そういえば去年の11月22日のコーナーでも少し触れたネタだけど、裁判員制度で私達が参加する対象の事件は、殺人・強盗・誘拐・放火などの、もしもえん罪だったら大変な重大事件ばっかりなんだよね。」

愛原「そう。だから俺は、現行法の裁判員制度には、否定しないまでも少し疑問はつける立場なのだ。まぁ軽い気持ちで裁判官叩きばかりしている人にとっては、自分もその裁判官の立場を体感できるいい機会になるとは思うが。」

逆沢「まぁそういう人は、仮に感情に任せて無罪の人を有罪にしてしまっても、【俺ですら間違えたんだから、他の奴でもどうせ同じだ。】くらいに考えて、自己正当化しそうだけどね。逆に裁判員に選ばれずに済んだ場合は、今まで通り、【当時、裁判員やってた奴は全員責任取れ】みたいに大合唱しそうだし。」

鼎「他人にはすぐに責任取れといいながら、自分がその立場になると自己正当化ばかりする人はちょっと苦手かも・・・。」

愛原「詐欺師に引っかかる人は、決して気の弱い人が主流ではない。銀行の人が止めても言うこと聞かずに、強行して振り込んでしまうような、思いこみの激しい自信家の人の方が圧倒的に多いんだ。自分は簡単に騙されない賢明な性格だと信じ込んでいるから、周りが止めても聞かないし、後で詐欺にあったと気づいても、【俺ですら騙されたのだから、お前らならもっとイチコロだ】みたいに開き直ったりする。実力の伴わない自信家ほど、厄介なものはない。激しく裁判官叩きの書き込みをしている人は、余程自分が正しい判断をできる自信があるのかも知れないが、そういう人程、自信たっぷりに間違いを犯しそうだし、間違いに気づいても開き直って自己正当化しそうだという意見には賛同だ。」

鼎「詐欺師にとって最大のカモは、内実の伴わない理論家らしいよ。そういう人は、(たとえ詭弁でも)理屈づめで言いくるめられると、簡単に折れるから騙しやすいんだって。門前払いする人よりも、とりあえず話だけでも聞いてみようとする人の方が、結果的には騙しやすいらしいよ。」

逆沢「ヤクザは【同じ家族なんだから、お前も払うのが筋だろう】みたいな筋論とか人情論とか、【俺が間違っているとでもいうのか?】みたいな立証責任をこちらに押し付けるような論法を特に好むけど、それも理屈づめに弱い人相手に押し切るには有効らしいからね。」

愛原「ネット世論というのは、議論と違って、政治家の演説と同じような一方通行の自己主張の応酬でしかないから、調子に乗って書き込んでいると、自分は理論的だとも勘違いしやすいし、自信たっぷりにもなりがちだ。でも実際には、そういう奴らほど、実は踊らされ易いし、騙されやすかったりもしやすい。いかにもカルト宗教やカルト政治団体にはまりやすいタイプだ。」

逆沢「足利事件に関するネット世論に関して、もう一つ、意味不明と感じたのは、国民全員に対してDNAの提供を強制しろみたいな意見も少なからずあった事ね。連中の言い分だと、そうする事で、犯罪が起きても、簡単に容疑者が判明しやすいという事らしいけど。」

鼎「一方では警察の捜査は信用できないと主張しているのに、その割りに適当な容疑者の唾液とかを証拠品に塗りつけて、ねつ造する可能性とかは少しも考えてないってのも不思議だよね。」

逆沢「そりゃ、彼らの中には国家による管理こそ善だから、国家が厳しく監理しろという思考の持ち主も多いから。それでもし不祥事が起きたら、全て国家の責任という事で、関係した公務員とかを叩けばいいという事で。」

鼎「何でもかんでも国任せ、公務員任せっていうのも、ちょっと無責任だと私は思うよ。」

逆沢「まぁ死刑にやたら積極的な人にとっては、多角的な見方をする上で一つのよい実例になっただろうし、色々教訓に満ちたニュースだったとは思うわ。」

愛原「ともかく俺達も含めて、人間はなかなか客観的にはなれない。理性的にもなれない。そういう意味で言えば、裁判官の多くが安易に叩かれるべき、無能ばかりではないと俺は考えるけどな。勿論、【推定無罪の原則】がある以上、こうなった以上は速やかに再審に取りかかるべきだし、十分な額の国家賠償も検討するべきだ。国民の税金の使い道としては、こういう局面でこそケチるべきではない。」

逆沢「現行の刑事補償法では、1日辺り1000円から12500円だったっけか?」

愛原「ソフトバンクの孫正義代表ランクなら満額の12500円もらえる可能性は十分あるが、我々凡人だと酷くなるけどな。まぁ国家賠償法という別の法律もあるので、そちらに期待したいところだが、裁判費用とか考えると・・・。」

鼎「訳の分からない公共工事にも何千億とか兆の予算を投じられるのに、そういう所では税金の使い道って、すごくシビアだよね。」

愛原「まぁいずれにしろ、我々は自分で思いこんでいる程、必ずしも賢明ではない。個人的な好き嫌いや一時の感情、あるいは一方的な見方だけで、安易に結論を出す事も多いのが人間だ。仮にもしも草g君以外の有名人が同じ事をしたらどう反応するか? あるいは自分が裁判員だったら、案外既存の裁判官と同じ、あるいはもっと安直に極刑を言い渡したりはしなかっただろうか? そういう配役を置き換えるという発想も大事だと思う。」

鼎「キャラクターが変われば、全く同じシチュエーションであっても、自分や周りの反応とか、起きる結果が大きく異なる事があるって事だよね。」

逆沢「同じ事をしても、相手によってスキンシップになる事もあれば、セクハラになる事もあるくらいだし♪」

愛原「・・・いつも損な役割ばかりしているような俺がいうのもなんだが、今回のテーマは【担当キャラクターを変えてみる】だ。」

逆沢「おおっ。これはすごい。どう見てもつながりそうもない草gネタと足利事件ネタから、無理矢理いきなりテーマが出てくるとは!」

愛原「落語の形態の一つに、【三題噺(さんだいばなし)】というものがある。観客が適当に出した3つのキーワードを無理矢理混ぜながら、即興で落語をやるのが三題噺だ。何のつながりもない複数のネタ話を無理矢理結びつけて、一つのオチをつけるという、落語好きなら一度は挑戦したい一種の芸を、今回はまねてみた。」

逆沢「シロートのマネゴトだから、2つのキーワードが限界だけどね。」

愛原「所詮、マネゴトだからな。ともかく担当キャラクターを変えれば、同じ事をしても結果が大きく変わるというのは、実はゲームの世界でも頻繁に起こる事ではある。人材活用型の国盗りシミュレーション辺りでは、特にその傾向が顕著だわな。」

逆沢「猛将キャラに戦闘を任せたら大きなダメージを敵に与えられるけど、文弱系のキャラに任せたら、全く戦闘で役には立たないとかのような感じね。」

鼎「魅力の高いキャラクターに人材登用を任せたら成功しやすいとか、魅力の低いキャラクターに人材登用を任せたら登用にしにくいとか、そういうのは色々あるよね。」

愛原「アクションゲームでも、主人公を変えられるゲームというのは存在する。俺が知ってる某アクションゲームの場合は、選ぶ主人公によっては、ジャンプ力に優れていて普通のキャラなら飛び越せない谷も飛び越せるとか、もっと効率よく敵を倒せるとか、色々な特徴付けがなされていた。」

逆沢「それを言ったら、格闘ゲームなんかもっと極端だわ。一人一人の性能が反則的なまでに違うから、【この戦法を使えば、どの主人公を選んでも有利に戦える】みたいな王道パターンが全くといっていい程、存在しないし。」

鼎「キャラクターによって得意な戦い方とかは様々だから、単純にこの戦い方がベストというのは言えないんだよね。」

逆沢「でも格闘ゲームの場合は、どのキャラクターも総合的にはほぼ互角の性能になるようにデザイナーが設計しているだろうから、そのキャラクターにあった有利な戦法を見つけ出せば、どのキャラクターにも勝てるチャンスがあるわけだけどね。て゜もゲームジャンルによっては、何をやらせても本気でダメなキャラクターがいたりして、気の毒になるわ。」

愛原「KOEIの三國志10とか、太閤立志伝5とかでは、やろうと思えばどんなザコキャラを主人公としてプレイするのも可能なんだが、ザコキャラでいざプレイを始めると、色々泣けてくる事になる。そもそも登用すらしてくれない事も多いし、うまく登用されても活躍できないし、じゃあ能力アップを頑張ろうと思っても、それも決して簡単ではないからな。」

逆沢「それも一つのリアリティーなんじゃない? 能力アップなんて言っても、現実にはそんな簡単に運動オンチを一流アスリートにできる訳がないし。そもそもその人その人によって得意分野は違うから、相撲取りをマラソンランナーに変えるような無茶な能力アップを企んでも時間の無駄だし。短所を補うよりも、長所を伸ばすべきというか。」

鼎「でも高校や大学の入試とかでは、90点取れる科目を100点に近づける努力よりも、20点しか取れない科目を50点取れるようにするような、短所を補う努力の方が大事という話も聞くよ。」

逆沢「私は、そこそこ才能のある高校野球児を、プロ野球選手として通用するレベルまで磨き上げるような、長所を伸ばす教育の方が大事だと思うけど。数学や国語が中途半端にできようとできまいと、プロ野球選手として成功するかどうかに比べたら大した問題じゃないし。社会人になったら、どうせ特技ゼロの偏差値50クンよりも、一芸に秀でた方が有利なのは間違いないし。」

鼎「でも公務員の採用試験に合格するのなら、苦手科目を潰さないと、縁故採用でもない限り、まずうからないよ。どんなに一芸に秀でても、一科目でも赤点級だったら総合点で届かなくなるから実質的にダメだし。警察官やSPを目指すなら、身長制限とかもあるケースが多いから、どんなに頭が良くて体力があって人間性が良くても、背が低いとそれだけでアウトだし。」

逆沢「何、その訳分からん基準・・・。だから日本の役所は、無難主義の二流なのよ。長所がある事よりも短所がない方が大事という発想とか、減点主義の発想ばかりだから、不祥事が起きる度に隠蔽しようとしたり、責任回避ばかりして、体質がいつまで改善されないというか。今の公務員志望者は、公益の為に貢献しようという社会正義を大事にしたがる公務員はほとんどいなくなって、民間のサラリーマン以上に、安定した生活を望むような超サラリーマンばかりになってる気もするし。」

鼎「警察官とか学校の先生とか中央官庁の官僚さんみたいな、特に社会正義や教員・役人としての倫理観を大事にすべきお仕事の人が、身の安全ばかり重視して、リスクのある仕事を怖がったり、責任回避ばかり考えて不祥事を隠蔽しようとするのは確かに問題だと思うけど・・・。」

逆沢「我が身の保身や将来の個人的な生活の安定を重んじる人は決して公務員を目指すべきじゃないと思うけど、逆にそういう人程、公務員を志望したがるあたりも、日本の問題点だと思うわ。」

愛原「・・・何の話をしてんだ、お前ら。まぁ長所を伸ばすにしろ、短所を潰すにしろ、育成がたやすい世界観のゲームなら、どんなダメキャラでも活躍のチャンスはあるだろうが・・・。それすら乏しいのにダメキャラでプレイした場合は、本当にダメ人間の人生をゲーム内で再現させられるハメになるからな。」

鼎「仕官して活躍の場を得ようと思っても、採用すらしてくれなかったりすると、もうガックリだよね。」

愛原「でも、これがTRPGの玄人達になってくると、ちょっと感覚が変わってくる事もある。元々優秀なキャラでプレイして【俺様スゲー!】なプレイだけを希求せずとも、それなりに楽しめる事が出てくる場合もあるようだ。」

鼎「TRPGは複数の人達と一緒にプレイする事も多いから、自分一人だけが目立ってカッコいいプレイはあまり他に喜ばれないし、役割分担とかも大事になってくるよね。」

逆沢「味のある三枚目とかを演じられるキャラは、それだけでおいしい部分もあるしね。もっとも三枚目を演じるには、キャラの能力面でのパラメータだけでなく、性格設定とかプレイヤーのセンスとかも大事になってくるけど。」

愛原「コンピュータのRPGの場合は、ゲームシステムの関係上、おいしい三枚目とか脇役の立場でプレイするのは難しい。その為、どうしても能力至上主義にならざるを得ない面はある。」

逆沢「確かにコンピュータRPGで、足を引っ張りまくるトラブルメーカーとか、馬鹿なことをいいながらも場を盛り上げる三枚目タイプの主人公は、ほとんど知らないわ。」

鼎「最近では、デフォルトでモテモテだったり、仲間をまとめるカリスマ性を持っていたり、それでいて仲間内で最強だったり、いわゆる完璧人間タイプの主人公が多いよね。」

逆沢「だからといって、必ずしも容姿端麗であるとか、トークやファッションセンスを磨くために努力しているとか、人一倍部活やガテン系のバイトなどをして体を鍛えているとか、そういう裏付けがある訳でもないんだけどね。」

鼎「あとなぜか分からないけど、ほぼ完璧人間という設定の割には、なぜか成績はトップクラスとか、委員長やキャプテンを努めているという設定までは、あまりないんだよね。」

愛原「委員長やキャプテンに推薦される水準でもないのに、密かにそれら以上にカリスマ性や人気はある。実はモテモテだけど、本人にモテルように努力しているフシや外見的な優位性がある訳でもなく、それどころか本人は実はモテている事に気づかない事も多々。でもいざ恋愛モードになると、スマートに最後までエスコートもできる。特に格闘系やスポーツ系の何かをやってる訳でもないのに、やたらスタミナや格闘センスがある。成績上は必ずしも優秀とは限らないけど、言ってることはいつも正論で、誤った科学知識や風評に惑わされて、大恥をかく事もない。・・・冷静に考えれば、色んな意味で恐ろしい主人公だな。」

鼎「いつもは超・ご都合的完璧人間の視点でプレイしているからこそ、気づきにくい視点というのも、あるかも知れないよね。」

逆沢「実際には、三枚目キャラもトラブルメーカーも、皆それぞれの立場や才覚の範囲で、活躍したり行動したり思考したりしてるはずだけどね。」

愛原「自分と完全に同じ思想や才覚を持つ人間などあり得ない。故に能力的な優劣や、思想上の対立が起こるのもやむを得ない。故に【あいつなら難なくやってのける簡単な仕事】が、【俺にはどう頑張っても達成困難な仕事】となるケースも多い。また同じ業績をあげたり建言をしても、【あいつなら皆に尊敬される】のに、俺の場合は【のび太のくせに生意気な】とか【きっと卑怯なことをしたに違いない】とか【お前が言っても説得力がない】となるケースも残念ながらある。」

逆沢「確かに、三枚目キャラが【俺、本当に見たんだってば!】と叫んでも、【また幻覚でも見たんだろ】とか言われて、終わりにされちゃう可哀想な脇役キャラもいるわね。」

鼎「でもカリスマ性のあるキャラクターが、【いや、可能性はあるはずだ】とか【ここは○○の言うことを信じてみよう】とか言うと、みんな従っちゃうし、本当に人間格差を感じちゃうよね。」

愛原「俺はどちらかというと、そういう三枚目キャラを大事にしたいと思っている。あるいは、ときめきメモリアルに登場する早乙女好雄君のようなサービス精神にあふれた【いい奴】も大好きだ。」

逆沢「でも【いい人】は、なかなか【いい男】とか【いい女】には勝てないけどね。面白い話で場を盛り上げたり、豊富な知識を活かして色んな情報やアイテムを提供したり、色んな形の有能な人はいるけど、気がついたら完璧人間とかモテる男、モテるヒロインあたりに利用されてるだけだったりして。」

鼎「正論をあげても信じてもらえなかったり、わざわざ危険な偵察活動を引き受けてやってるのに、いつも悲鳴を上げて逃げ戻ってくるトラブルメーカー扱いされたりすると、本人もきっと悔しいよね。」

逆沢「ああ、それ分かるわ。カリスマキャラが敵に追われたりして逃亡を余儀なくされたとしても、トラブルメーカー扱いにはならないし、偵察行動すら怠って突然敵の襲撃を受けても誰もドジキャラ扱いはしないけど、トラブルメーカー扱いの三枚目が夜の見張りをしている時に襲撃されたりしようものなら、【何やってんだよ。もっと早く起こせよ。バカ!】とか言われちゃうだろうしね。」

鼎「のび太君、涙目過ぎるよ・・・。」

愛原「俺、すごく同情するわ。【何、この扱い?】って感じだよな。」

鼎「同じ事をしていても、キャラクターが変わると、こんなに扱いは変わるのか?ってケースは、意外と多いかも知れないよね。」

逆沢「能力の差はやむを得ないにしても、同じ成果を上げても(あるいは同じ失点を犯しても)評価で差が付いたりしたら、理不尽だと思うのはすごく分かるわ。」

愛原「個人的には、そういう部分をもう少し強調したようなキャラゲーを作ってみたいと思う事もあるが、あいにくAVGは畑違いだからな。」

逆沢「能力値的にはほぼ互角だけど、一方は何をやっても尊敬されて、一方は何をやっても叩かれたり馬鹿にされたりするゲームってか? 馬鹿にされたり叩かれたりする側は、ちょっと気の毒過ぎるんだけど・・・。」

愛原「具体名は出さないが、あるSLGで【無能】の異名で一定のユーザーに知られている女将軍がいたんだけどな。でもソイツ、パラメータには実はかなり優秀だし、人間的にもそれなりに肝も据わっている上、謙虚に人の意見に耳を傾けるなど、実は度量もなかなかなんだ。それでも主人公がそいつを下に見ていたりしてた影響もあってか、あだ名は【無能】。人が人を判断する上で、イメージとか印象のウエイトは、実際の能力や人格よりもはるかに上なんだと感じたものだ。」

鼎「もし何者かによって、誹謗中傷されたり差別されたりして、イメージや印象が悪化しちゃったら、同じ事をしても正当に評価されなくなったりして可哀想だよね。」

愛原「可哀想とかの次元で済まない事もある。それで優秀な人材が去っていったり、誤解で誅殺される事も実際にある訳で、そうなると組織全体にとって大きな損失だ。」

逆沢「痴漢のえん罪とか、今回の足利事件もそうだけど、誤解や先入観だけで不当にひどい評価や待遇をされる事は現実にも多いと思うわ。」

愛原「それでも誤解や不当な待遇から解放されればまだマシだ。それらから一生解放されないケースも多い。特に戦争や差別を正当化する者は、余程の事がない限り、あらゆる手段を使ってでも、相手をおとしめ続けようとしがちだ。そうしないと相手の名誉が回復された時点で、今度は自分達が不当に相手を傷つけ続けた悪役という事になってしまうからな。警察がなかなか捜査の誤りを認めたがらないのも、当時の技術や状況という側面だけでなく、保身という一面もある。公務員は減点主義の出世システムだから、学校の先生から一警察官に至るまで、一度マスコミに載るようなミスをすると、(元々幹部候補とかでもない限り)将来がキツいからな。」

鼎「私達は、普段完璧人間に近い、愛される主人公でプレイする事が多いから気づきにくいけど、実際にはいい仕事をしてもなかなか評価されないキャラクターとか、目立つ能力としては劣るかも知れないけど、ひたむきに頑張ったり、裏方としてすごく有能だったり、ムードメーカーだったり、色んなもっと愛されるべきキャラクターがいるって事だよね。」

愛原「そしてそいつら愛すべき脇役キャラクターの全てが、主人公がヒロインと結ばれるのを必ずしも祝福しているとも俺は思ってないしな。どんなに場を盛り上げても、最終的にヒロインをかっさらうのは主人公。お茶目な三枚目が全身傷つきながらもお膳立てをしつつも、トドメはやっぱり主人公。どんなに優秀なメカニックとして裏方作業をこなしても、やっぱり評価されるのは主人公。何でも一人で美味しいところを持っていく主人公に対して、【この野郎!】と内心で思ってる奴がいても、俺はおかしくないと思う。」

逆沢「あはは、ひがみひがみ!」

鼎「でもTRPGとかでは、そんな独り占めばかりしたがるプレイヤーが一人いたら、雰囲気台無しだよね。」

逆沢「まぁ一人のプレイヤーだけパラメータとか待遇とか印象とかを散々優遇して、残りのプレイヤーが皆、提灯持ちレベルとかだったら、皆怒ると思うわ。」

愛原「だから時には、とても主人公にはなれそうもないけど、いい味出してる奴にスポットを当ててもいいと思うのだ。一流の作者なら、のび太君のようなダメ系キャラクターでも主人公としてそれなりに活躍の場は与えられるしな。」

逆沢「私も、のび太君は好きだわ。RPGの脇役キャラみたいに完璧人間をいたずらに称賛ばかりはしないし。出来杉君にも嫉妬もすれば、ジャイアンをギャフンと言わせたり、スネ夫君に復讐しようとしたりする辺りは、いかにも凡人そのものだし。でもダメ人間なりに、心優しい一面も人情もろい面もあるし、特技が全くないかといえば、そんな事はなくて射撃の腕のようなちょっとは使えそうなものから、昼寝やあやとりといった役に立たないものまで、意外と多才な面もあるし。それにどんなにダメダメ言われても、ふさぎ込むような性格ではないし、好奇心旺盛で発想力も豊かだし、普段はぐうたらな割に、意外と行動力もあるし。」

愛原「完璧人間が脇役を押しのけて幸福を独り占めして、脇役は完璧人間が幸せをつかむためのお膳立てをしながら、彼の幸福をただ祝福するだけの世界観ではなく、ダメ人間なりに良いところもあって、そんな彼でも活躍できるチャンスも夢もある作品というのも、俺は好きだ。」

鼎「一人向けのコンピュータゲームは、【俺様スゲー!】を体感できる事が一つの大きな値打ちになっていると思うから、それはそれでいいと私は思うけど。でもたまにはその他大勢の視点とかにも、気を配ってもいいかなと思ったかな。」

愛原「最近は、リアルでも【俺様スゲー!】と思いこもうとしている人が多いのか、すさまじく独善的で、上から目線で、自信に満ちた発言とかも割と見られるからな。【俺様スゲー!】型主人公が今の流行なのは、何となく分からないでもないが・・・。」

鼎「けど実際には、【俺様スゲー!】型主人公が名声や幸福を独り占めしたがるおかげで、同じくらいいい仕事をしても三枚目の地位で我慢しなくてはならないキャラクターが出たり、損な役回りばかり押し付けられるキャラクターが出たりという傾向はあるよね。」

愛原「主人公だってピンチに陥る事はあるが、ピンチに陥った責任をトラブルメーカーに押し付けちまえば、一番楽だからな。」

逆沢「冷静に考えたら、トラブルメーカーに何でも責任転嫁する連中って、すっげぇ心の中がダークだと思うわ。厳密には、トラブルメーカーが行動する度にバッドイベントを起こそうとするシナリオライターの方が、実はもっとダークなのかも知れないけど♪」

愛原「・・・・・。まぁ正答率100%の絶対的な軍師様の権威を損なわない為に、もしもピンチに陥る場合は、別のトラブルメーカーが暴走した事が原因にするなんて手は、多くの小説やゲームの作者が使う手だとは思うがな。踏み台とか叩かれ役という役割のキャラは、本当に気の毒としかいいようがない。一人のキャラを優遇する為に、別の一人のキャラを不遇にせざるを得ないとすれば、それはそれでダークな発想と言われても、弁解できないな。」

鼎「誰よりもダメキャラでありつつも、不幸な分だけ幸福になれるのび太君のようなキャラは、実はすごくフェアな存在だったのかも知れないよね。」

逆沢「ドラえもんパーティーは、いかにもTRPG的なパーティーといえそうね。皆それぞれに良いところと悪いところがあって、一人だけが良い所だけを独り占めする訳でもなく、全体のバランスが取れてるというか。」

愛原「もしも【いい人】キャラが、【俺様スゲー!】気取りの主人公に対する支援を拒否したらどうなるか? 地道に偵察任務や情報収集任務をこなす名脇役が、いつもトラブルメーカー扱いされて叩かれるのに反発してキレたらどうなるか? 現実世界でも同じ事だが、いつも不当に扱われ続けていながら、常に我慢し続けていられると思ったら大間違いだ。」

鼎「本来なら脇役同然のキャラクターでもプレイできるというか、脇役キャラにも活躍のチャンスがあるというか、そういう発想も面白いかも知れないよね。」

逆沢「ザッピングシステムみたいなゲームはそこそこあるから、本来の主人公以外の視点を体験できるゲームくらいは、既にあるんだけどね。」

愛原「主人公からみた脇役は、ただの面白い奴とかだらしのない奴とか便利な奴でしかないかも知れない。しかし脇役から見た主人公はどんな奴なのか? 本当に称賛に値するナイスガイなのか? 悔しいけどコイツに頼るしかないと思わせるだけの、とりあえず実力だけはある奴なのか? 実はいいとこ取りだけして、都合の悪い部分には一切触れないような、嫉妬心だけを駆り立てる嫌な奴でしかないのか? その辺は、正直興味がある。」

逆沢「トラブルメーカーと呼ばれている脇役自身が、自分のことをどう思っているかにも興味あるわね。自分はダメ男なんだと自信をなくしているかも知れないし、あるいは不当な評価を受けていると怒っているかも知れないし。」

鼎「私は、早乙女好雄君系のキャラに興味があるかも。彼は、やたら友人である主人公の恋愛が成功するように色々アドバイスしてくれるけど、彼は何でそんなに主人公に好意的なのか、ちょっと興味があるよ。」

愛原「実は主人公に弱みを握られていて舎弟状態なのか? それともあわよくばタナボタを狙って、密かに策動しているのか? 我々凡人なら、あそこまで精力的・献身的に一友人の恋沙汰をバックアップしてやろうとは思わないだけに、言われてみれば確かに興味が出てこなくもないな。」

逆沢「脇役も脇役なりに、何らかの思惑を持っていてもおかしくないし、嬉しいことがあれば喜ぶし、クサされれば怒ったりショックも受けるだろうしね。確かに誰でも草g君みたいな扱いはしてもらえないのも事実だし。」

愛原「【俺様スゲー!】的な主観的な視点だけでなく、時には配役を変えてたり、別の誰かの視点で考えてみるのも面白いと思う。主観的に見れば、自分こそが正しくて、他人が愚かな三枚目とかトラブルメーカーとか狂信徒にしか見えなくても、他人からみたら自分の方がそう見られている事もあるものだ。早乙女君がただのボランティア精神あふれる裏のない【いい人】なのか、いつも馬鹿にされてる無能君が本当に無能なのか? 脇役の全てが、主人公にとって単なるご都合的な存在でしかないとは思いたくない。現実の人間の多くは、決して誰かの踏み台とかピエロで終わりたいとは思ってないだろうし、脇役の行動に何らかの思惑があっても不思議はないはずなのだ。」









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