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愛原様のたわごと(09年8月14日)




逆沢「掲示板の方で、ウディタというツールの話があったけど、どんな感じ?」

愛原「RPGツクール2000に自由度を加えたような感じだな。自由度と引き替えに、ゲーム作成初心者への敷居は高くなっている感じがしたが、まぁこれはやむを得ないというところだろう。ツクールXPが、中級者泣かせのツールだった事を思えば、その穴を埋める意味では大変有意義なツールだとは思った。」

鼎「ツクールXPは、ツクール2000と同様に基本システムは最初にそろっているから、初心者には扱いやすいし、スクリプトを使う事で上級者にも向いてるけど、その間の中級者にはすごく大変な印象があったよ。スクリプトの扱い方に関する基本説明がほとんどないから。」

愛原「ウディタは、まさにその穴を埋める感じだ。最大の懸念材料は掲示板にも書いてあった通り、素材の調達をどうするかだな。ツクールの場合は、メーカーがあらかじめ用意した素材がそもそも豊富だが、ウディタは今の所、その点で見劣りしないといえば嘘になる。」

鼎「でもウディタは、元々制作者さんの好意で公開されたフリーソフトだから、それを言ったら駄目だよ。」

逆沢「ウディタの作者さんは、絵描きのスキル持ってるから、自力で画像系の素材くらいは作れるしね。」

愛原「ウチにとっては、そこが最大の問題だ。」

逆沢「で、今後の方針だけど、結局、どうする事にしたの?」

愛原「まぁせっかくだから、お試し感覚ではあるが、ウディタをしばらく扱ってみるかという事にした。とりあえず前回クラッシュしたゲームの内容に近いゲームを作ってみようと思う。ツクール2000でもなんとか作れそうなシステムではあるんだが、ウディタの方が自由度が高い分、壁にぶつかった時の対応性が高そうだからな。」

逆沢「なーんだ。もしかしたらツクール2000でも作れそうなシステムなら、大した事なさそうじゃん。」

愛原「元は、恋愛シミュ2仕様のゲームだったくらいだからな。まぁどっちみち、高度なシステム作りが必要なゲームを作る予定は、全くない。初めてのツールを扱うのに、いきなりそんな大げさな目標を立てたら、企画倒れになるのは目に見えているからな。」

逆沢「いわゆる【エターなる】って奴ね。」

鼎「大作志向でゲームを作り始めたのはいいけど、2つ目の町を作った辺りで投げ出したとかいう作者さんはたくさんいそうだよね。」

逆沢「そこまで持たない人も、多そうだけどね。」

愛原「カッコいいゲームを作りたい気持ちは分かるが、実力に見合わない高い山を目指すのは、投げ出す元にしかならん。実力があっても、根気が続かず投げ出す人の方が多いのに、実力より高い山を目指すなんてのは論外だ。」

鼎「でも、実力相応のつまらないゲームを作っても、誰にもほめてもらえないしー、とか言う思いはあると思うよ。やっぱり同じ作るなら、あっと言わせるようなゲームを作りたいと思うし。」

逆沢「せっかく作っていても、ふと【このゲーム面白くないかも】とか思っちゃったら、その時点でモチベーションが激減して、投げやるきっかけにしかならないからねー。ありふれたしょぼいゲームではなく、最初から大作を作りたいという気持ちは、確かに理解できなくもないからねー。」

愛原「でも、かのウディタの作者さんにしても、最初はツクールの公式素材オンリーで、決して大作とはいえない短編シナリオの公開から始めているんだぜ。少なくとも、大作を狙ってさっさと投げ出すよりは、短編だろうが、素材オンリーだろうが、基本システム100%だろうが、とにかく一つの作品を完成させる方が上だ。まずは山を登る。話はそれからだ。」

鼎「とすると、あまり凝ったシステムにする予定はないのかなー?」

愛原「まずはウディタの使い具合を覚える目的があるから、できるだけウディタの基本システムを尊重した作り方でいきたいと思う。といっても戦闘システムとかは、一から自作するしかないだろうが、それでもできるだけ負担にならない仕様にしたいと考えている。【より単純に】がキーワードだ。基本システムを尊重した作りをしていれば、いざ高度な技術に組み替えたいと思った時にも、作り替えるのが簡単というメリットもあるしな。」

逆沢「うーん。そんなもんかねー? わたしゃ、ツクールにしてもウディタにしても、デフォルトシステムの原形も感じさせないような大作を作ってこそ、スゲーって思うんだけど。」

愛原「投げ出さなければな。あとストレスがたまるような自作システムよりは、デフォルトシステムの方がマシだという事も覚えておくべきだ。例えば7lcwシリーズにしても、実は【いじる必要のない所は、極力いじらない】というコンセプトで作られてある。メッセージ画面の色とかレイアウトとか、あるいは効果音なんかも含めて、実は初心者でも簡単にいじる事は可能なのだが、あえていじってない。なぜならメッセージ画面にしても、今の色・今のデザインが一番見やすいと感じたからだ。原形を留めない程、いじる事がエラいんじゃない。いじっても大して良くならないなら、いじらない。そんな所に労力をかけるなら、もっと別の必要な部分にこそ労力を回すべきだ。少なくとも俺はそういう主義だ。」

逆沢「おーおー、言ってのけたわ。」

愛原「まぁそんな訳で、クラッシュしたゲームの全面復旧作業も兼ねながら、のんびりと【ただ今練習中です】という奴だ。という訳で現状報告は終わり。という訳で、久々に好例の時事ネタを始めようとするか?」

逆沢「あ、そろそろチャンネル変えよ。」

愛原「こらっ! 何、【打ち切り推奨な不人気コーナーが、いよいよ始まりました】みたいな態度を露骨に取るんだ?」

逆沢「だって今の最大の時事ネタといえば、聞いててムカつくだけの衆議院選挙の話じゃない? 自民党は自民党で、4年前の公約自体が存在していないかのような態度で、平然と10年後の所得をなんたらとか甘言いいまくっているし、民主党は民主党でぶれまくりで、政権を取ったら何がしたいのか分からない状態だし。こんな出来の悪い2党が、よりによって2大政党? ぶっちゃけありえんわ。」

愛原「・・・なぜ、衆議院選挙の話をすると決めつける?」

鼎「じゃあノリピーの麻薬騒動の話?」

愛原「んな、くだらん報道なんかクソ食らえだ! 今回の時事ネタのヒントは【復旧作業】だ。」

逆沢「ああー、確かウディタを使ってクラッシュしたゲームを復旧作業するってネタね。それ、さっき聞いたわ。ローカルニュースにもならない、小さな小さな時事ネタだけど。」

愛原「んなネタ、時事ネタとは言わんわ! 今回の時事ネタは、台風9号による大雨被害の話だ。」

逆沢「よりによって、そんなローカルネタが、今回の時事ネタか?」

愛原「うむ。今回はこのネタを使って、【今時の報道スタイル】のお話をしたいと思う。」

鼎「けど今回の水害事件って、例題として取り上げる価値がある程、大きな事件だったかなぁ? 去年の6月に起きた【岩手・宮城内陸地震】と比べても、ずっと話題性は低そうだし。」

逆沢「ってか、酒井法子にも負けてるし♪」

愛原「逆だ。逆の視点で考えてみろ。例えば去年起きた【岩手・宮城内陸地震】と比較してみよう。この地震の人的被害は、今年7月時点で死者13人。行方不明6名だそうだ。一方、今回の水害事件は?」

鼎「現在進行形の事件だから、一日経つ事に数字は変わるだろうけど、最も被害を出した兵庫県佐用町内だけに限っても死者15人。行方不明者9人って話だよね。」

逆沢「うおっ?! 実はこっちの水害事件の方が被害がデカい!?」

愛原「計算方法にもよるが、少なくとも鉄道がぐちゃぐちゃになるくらいの被害規模ではあるからな。ちなみにJR姫新線の完全復旧には、最悪半年かかるとの見込みだ。田畑の土もたくさん押し流されたり、別の土砂が乗っかったりしてるから、農業は壊滅的な状況だし、その押し流された土砂によって、街中は泥だらけ。水が引いた後の道路には、たくさんの魚の死骸が散乱してたとかなんとか。」

逆沢「うへぇー。魚臭そう!!」

鼎「となりの宍粟市でも、橋が3本ほど落ちて、たくさんの世帯が孤立したという話だよ。宮城の地震の時みたいに、ヘリコプターが来て空から空輸したりしてたみたいだよね。」

愛原「いちいち比較する形になって恐縮だが、今回の水害の舞台となった佐用町と、【岩手・宮城内陸地震】の舞台となった宮城県栗原市とは似た状況である事から、もう少し比較してみよう(栗原市は平成の大合併で10町が合併して市に昇格した、山村部を主に抱える山間の町だが、佐用町の場合も、平成の大合併で4町が合併して成立した新自治体であるにも関わらず、まだ町から昇格できない山村の町である)。例えば、【岩手・宮城内陸地震】の場合は、50棟の仮設住宅を必要としたそうだが、今回の水害では約70棟の住宅確保が必要だそうだ。これは水害で押しつぶされた佐用町の被災者に加えて、隣の宍粟市で橋が落ちた為、家に戻れなくなった人も多いため。3本の橋の内、1本は早期の復旧が可能らしいが、あとの2本は未定という事でな。」

逆沢「ライフラインの方はどうなってるの?」

愛原「水害時は、当然ながら電気も水道も電話も皆アウト。特に断水の状況は深刻で、これを書いてる最新の情報でも、約4800戸がまだ未復旧らしい。当然ながらこの暑い炎天下の中、給水車もフル稼働。町内のゴミ捨て場などは、廃棄された電化製品や木材や土砂でパンク寸前。地震は地震で最悪だが、水害の場合は土砂という余分なゴミまで発生するから、後の負担はより大きいらしい。地震と比べてマシなのは、火事が発生しにくい事くらいだけか?」

逆沢「水害だから、火事になる可能性は低そうね。」

鼎「でも電話の復旧作業で、ちょっと驚いた事があるよ。実は、固定電話よりも携帯電話の方が復旧に時間がかかるそうだよね。」

逆沢「携帯電話って、電線いらずのはずなのに何で?」

愛原「詳しくは分からんが、おそらく携帯電話用の中継局かなんかが、アウトになったんじゃないかと思われる。今回の水害で床上浸水した家屋も600軒以上あったようだが、1階にあった電化製品も、かなりご臨終になったらしい。機械を扱う工場なども涙目ものだ。」

逆沢「転落させても簡単には壊れない構造の電化製品でも、水をまともにかぶったらアウトだからね。」

愛原「だから地元紙では、自動車の販売店とかが、水を浴びた車に対する処置法を告知する広告も出していた。とりあえずパッテリを外せとか、何項目があったが、とにかく水害というのは、他の災害と比べてもかなり特殊で大変な部類に入るらしい。」

鼎「この炎天下の中で、災害復旧しなければならないというだけでも大変なのに、水害ってのは本当に恐ろしいんだね。」

愛原「地震で道路が壊れるのはおなじみだが、実は水害でも国道や鉄道を破壊する力くらいは十分にあるという事を、今更ながらに思い知らされた。とにかくすさまじい威力で、流されたはずの被害者の発見現場が、遭難地点から5kmもズレてたりする事も、行方不明者の捜索を難航させる理由の一つになっているようだ。」

鼎「最近発見された被害者の中には、何キロも離れた場所の泥の中に埋もれていた所を発見された人もいたらしいよ。ちょっとひどすぎるよね。」

逆沢「よくよく調べたらとんでもない大災害なのに、なぜか世間一般では酒井法子にも負けっ放しというのは、考えてみればちょっと不思議かもね。あまりに魚臭い現場に、マスコミも逃げていったか?」

鼎「【岩手・宮城内陸地震】と比べても、扱いはかなり小さいよね。こっちの方が色んな被害も大きいかも知れないのに。」

逆沢「やっぱり魚臭いから? あと炎天下の猛暑の中の取材もしんどいし。しかも泥だらけの現場だから、記者さんのズボンが泥まみれになる危険もあるという事で。」

愛原「・・・んなしょうもない理由ではないと信じたいが。ってか、猛暑の影響で、かなりの泥水が蒸発して砂塵に変容しているくらいらしいから、泥の心配はそこまではいらん。あと陸に打ち上げられた魚も、そろそろ廃棄し終わってる頃かも知れん。報道によると、その代わりむしろ粉じんマスクが必要な状況らしいぞ。」

逆沢「それはそれで激しく困る。ってか、なるほど。洪水で水をかぶった電化製品が殆どアウトな理由がまた分かったわ。浴びたのは泥水だから、電化製品の中は、今頃はサビと砂まみれになってるわけね。そりゃ故障して当然だわ。」

鼎「でもこの事件の場合は、被災者ではない一般の国民に対しても、色んな教訓をもたらせたと思うよ。それだけでも、報道する意義は大きいと思うけどどうかなぁ?」

逆沢「水害の恐ろしさもそうだけど、最大のポイントは【避難勧告のあり方】についてね。」

愛原「そうだ。今回の死亡者や行方不明者の大半は、避難勧告や緊急時マニュアルに従い家の外に出た人も多く、おとなしく家の2階などに駆け上がって立てこもった人はおおむね無事だった。真夜中で、しかも町中が停電してるから光も何もない状況で、外に飛び出す事のリスクというのをまざまざと感じさせられた。もっとも仮に日中であっても、水害が起きている最中に外に出る事自体が間違いという指摘もあるかも知れないが。」

逆沢「でも水害ってのは、気がついたら瞬間的に増水してるって奴だからねぇー。去年の7月28日に神戸市の都賀川で起きた水害でも5人が死亡してるけど、あの事件はわずか5分でただの川が洪水に化けてたし。」

鼎「都賀川の事件は映像がネットでも公開されてたけど、本当にあっという間の増水だったみたいだよね。間に合うわけないよって感じの。」

愛原「外に出ようとした時から洪水気味なら外に出ようとしなかったかも知れないが、外に出た時点ではまだそれほどでもなかったならば、どう考えても間に合わないからな。5kmも人を引きずり、家も鉄道もまとめて押し流してしまうような洪水なんか、個人の力でどうにもできるはずがない。」

鼎「ネットでは、だからダムが必要だみたいな感じで、いきなり政治論してる人もいたけど、これはどうかなぁ?」

愛原「神戸市の都賀川の事件は、市街化を進めていく上で2つの川を合流させた地点の直後で起きた。2004年に豊岡市の市街地を水没させた事件では、堤防が決壊して一カ所に水鉄砲を浴びせた形で惨事になった。ケース・バイ・ケースとしかいいようがない。少なくとも、ダムをたくさん造れば安全だなんて主張は、郵政民営化を進めれば全てが良くなる的な暴論だとしか言いようがない。自然の土による吸水効果や、森林による地崩れ防止効果を軽んじて、コンクリートで川底を覆うやり方が一元的に効果があるとも言い切れないしな。まぁこれについては、今回のテーマの本題ではない。」

逆沢「ああ、要は酒井法子よりも、 こっちの方が余程大きなニュースだろうって事が言いたい訳ね。」

鼎「でも西日本は、在京マスコミからしたら遠すぎて、取材に行くのが面倒というのがあるかも知れないよね。例えば1999年の6月29日に起きた福岡市での水害でも、地下街に水が浸水して大変な事になったけど、大したニュースにはならなかったという話があるし。けど、それから1ヶ月後の7月21日に東京都の地下街で似たような水害が起きた時には、手のひら返したように全国ニュースとして何日も特集組まれて長く報道されたという話もあるよ。

逆沢「大都市偏重主義もあるかもねー。去年の8月に愛知県の岡崎市で水害が起きた時でも、麻生太郎が【安城や岡崎だったからいいけど、名古屋で同じことが起きたらこの辺、全部洪水よ!】とか発言して、岡崎市民らからブーイングあったと聞くし。」

鼎「そういえば麻生さんは、数日前の8月10日に兵庫県と徳島県で選挙演説するつもりだったらしいけど、雨がひどいという理由でキャンセルしたらしいわね。佐用町で事件が起きたのは8月9日だから、近くに寄ったついでに佐用町まで慰労に向かって積極支援をアピールすれば、好感触だったかも知れないのに、残念だよね。」

愛原「被災者まで選挙用のパフォーマンスに利用するような行為には反対だから、俺はその点に関しては賛同はしないけどな。実際問題、佐用町や宍粟市を含む兵庫12区の候補者達は、余計な混乱を避ける為に佐用町を入りを避ける方針を明言している。ただ未だに、日本政府から何の具体的な支援の動きもないのは、ちょっと気にかかるが・・・。」

逆沢「まぁ世間では、酒井法子のシャブ漬け事件にも負ける、マイナー事件だしねー。」

鼎「けど【岩手・宮城内陸地震】の時よりも、ずーっと扱いが低いのはちょっと不思議かも。」

逆沢「【岩手・宮城内陸地震】の時は、他に大きなニュースがなかったからじゃない? 今回同じ時期に起こった酒井法子事件は、在京テレビ局が取材費をかけなくてもいい東京近辺が舞台だし。それに比べると、鉄道も寸断されて、ヘリコプターも飛ばしにくい佐用町まで取材しに行くのは、メンドイという事で。」

愛原「それが公共の電波を扱う人間がとるべき対応か?」

鼎「けど最近、マスコミ業界では売り上げが急落して、経費節減を深刻に考えないとならない状況にあるらしいという話も聞くよ。朝日のような大手でも、赤字に転じたという話もあるし。」

逆沢「不景気によるスポンサーの自重もあるだろうし、ネットの発展に伴うマスコミ離れもあるだろうしね。」

愛原「よくネットでマスコミ叩きをしている人がいるが、もしもマスコミが衰退したら、どういう恐ろしい状況になるか分かっているのかなぁと思う事もある。そしてその恐ろしい状況が、少しずつ現実化しつつあるようにも思えてならない。今回の水害事件の扱い一つにしてもそうで、明らかに地方が切り捨てられつつあるのを感じる。」

逆沢「費用対効果という意味では、遠い佐用町まで出向いてキツい環境下で取材を続けるよりも、酒井法子のケツを追いかけてた方がずっと上っぽいしねー。」

鼎「特に政治部の劣化はひどいらしいよ。昔のマスコミの取材力はもっとすごくて、政治家の汚職とかでもどんどん暴いていたけど、今はそういうものに費やす費用も労力もかけられなくなって、それで失言にイチャモンつけて特ダネ扱いにするとか、そういうのが中心にシフトしてるみたいだし。」

愛原「昔のマスコミは【夜討ち朝駆け】といって、いわゆる記者の張り込みはもっともっとすごかった。警察も一目置くというか、まさに警察とマスコミが競い合うようにして事件の情報入手合戦を繰り返し、一つの事件を解決していくみたいな凄みもあった。そういうマスコミの凄みが段々無くなって、いやらしさだけが増しているような気がしてならない。」

逆沢「ネットで無料情報が出回っている事も原因かも知れないけど、マスコミ叩きをする人が、ますますマスコミを追い詰めているという側面もあるかも知れないわね。マスコミによる政治家の失言探しなんか問題にならないくらいの酷い内容で、マスコミのあら探しをして、叩きまくる人もたくさんいるみたいだし。」

鼎「代わりに、JーCASTとか新興のメディアが色々出てきてるよね。」

愛原「確かに旧来の大手マスコミは、記者クラブ制度などであぐらをかいて、新興マスコミを閉め出し、自らを腐敗させてきた経緯があるから、彼ら新興メディアの台頭はありがたいと思う。だが現時点では、新興メディアにはまだまだ力が足りない。今回の佐用町の水害事件のようなローカルニュースには、新興メディアは全く見向きもしないし、儲からない取材には手を出さないという姿勢も、大手マスコミ以上だからな。」

逆沢「確かにそういう点では、資本力のある大手マスコミの方が、まだ何倍もマシかもねー。酒井法子以下の扱いには違いないけど。」

鼎「そもそもマスコミが記事にする優先順位は、どうなっているのかなぁ?」

愛原「一昔までなら、とにかく話題性優先だろうな。特に非日常性がある事件とか、攻撃しがいのある標的を取り上げたがる傾向がありそうだ。但し、スポンサーや大手芸能事務所の圧力には弱そうで、そういうものが背景にあれば、及び腰になるみたいだがな。」

鼎「そして最近は、それらに加えて費用対効果みたいな概念にもこだわりだしたって事かなぁ?」

逆沢「読売系列のテレビ局でありながら、巨人戦を映さないなんて事も増えてるくらいだからねぇー。」

愛原「今年のセリーグ開幕戦での読売系列の対応を例に取ると、関東広域圏では巨人戦を映してたらしいが、北海道では日本ハム戦、関西では阪神戦を映していた。個人的には、はっきりいって不愉快の極み。読売系列は巨人戦だけを映していればいいのに。」

逆沢「アンタ、巨人ファンだったっけ?」

愛原「そういう問題じゃない。大体、読売系列が阪神戦の放映権を取らなくても、その場合はどうせ他の局が阪神戦をゲットするだろうから、関西のプロ野球ファンにしてみたら読売が阪神戦を映すメリットなんかないんだ。巨人ファンなら読売を観て、阪神ファンなら他のチャンネルを観るという事で、昔は阪神ファンにとっても巨人ファンにとっても幸福な状態だった。それが今はなくなった。いまの関西では、読売系列まで阪神戦中継にシフトした為、巨人戦は殆ど地上波で観れなくなって至極残念だ。(無論、阪神や巨人の対戦相手のファンにとっても、かつてはうれしい状態といえた。今は阪神戦以外では見れなくなった為、事実上、それらのチームのファンが観戦できるチャンスも半分になった)」

逆沢「商業の論理でいえば、関西で巨人戦を映しても、大して視聴率が取れないからねー。」

鼎「その商業の論理が災いして、最近はサンテレビによる阪神戦中継が激減しているよね。」

愛原「昔は、毎日系列やフジ系列とサンテレビが競合する事も珍しくなかったが、競合するとサンテレビに視聴者が奪われてしまうという理由からか、資本力のある系列局陣営が、独占中継権を獲得してサンテレビを閉め出すケースが目立つ。特にテレビ東京系列のテレビ大阪は、100%サンテレビを閉め出しやがる。テレビ大阪は映らない地域も多いのに、はっきりいって迷惑千万だ。」

逆沢「テレビ東京系列は民放大手5系列の中では最弱だけど、それでも地方独立局よりは力はありそうだしねー。」

愛原「自社制作率が10%ちょいしかないテレビ東京の寄生虫の分際で、自社制作率40%級のサンテレビを閉め出そうなんて、傲岸極まりない。不愉快だ。」

鼎「そういえば現在では、多くの地方テレビ局の自社制作率は10%程度しかないんだよね。」

逆沢「東京キー局からの番組供給で成り立っている地方局が殆どだからねぇー。」

鼎「それがますます、報道の東京偏重を招いているような気がしなくもないよ。」

逆沢「確かにね。15分程度の地方のニュース枠以外はほぼ全て、東京キー局からの配信で埋まっているなんてテレビ局も、地方では珍しくないからねー。おかげで情報はやたら東京中心ばっかり。安い店とか流行のお店があるといって観てみたら【また東京か?】って感じだし。GW特集とかで日帰りできる観光地を特集してるかと思ったら、【東京から日帰りできる場所】ばっかりだったりして、ガックリくるわ。」

愛原「今では持ち直したが、【せんとくん】も東京キー局が最初に広めた時はキモいの一言で、エラい言われようだった。東京でウケない地方の流行はいつの間にかボロクソ扱いだが、ガングロ娘とか白塗りお化けとかが東京でブームになった時は、普通に【若者の間で大人気】みたいな感じで報道するからな。なぜ東京初の流行は、どんなキモいブームでも、いつの間にか日本中の流行にまで格上げされるのに、地方初の流行はボロクソに言われなきゃならんのだ?」

鼎「たまに略したハヤリ言葉(KYとか)とかがバラエティーニュースになる事もあるけど、マスコミが広めるまでは、東京の渋谷あたりの女子高生が使ってた程度のマイナーな文化も多い気がするよね。」

逆沢「東京文化は、全国文化。地方文化は、キモ文化って事で。」

愛原「俺からすると、ガングロや白塗りお化けまで全国文化のごとく広め回った、東京キー局の罪は軽くない。」

逆沢「けど東京キー局からの番組配給がないと、局として成り立たない地方局ばかりというのが、そもそもの原因なような気もするけどねー。」

鼎「そのせいか、【東京で、本場の讃岐うどんが食べれる】なんて番組が、平然と香川県でも流されるって話も聞いた事があるよ。」

逆沢「それ、香川県民にしてみたら、ちょっとキツいかも知れないわね。」

鼎「香川県民に限らず、西日本の人達にしてみたら、東京まで讃岐うどんを食べに行かなくても、直接香川県に食べに行った方が早いのにね。」

愛原「幸い、関西広域圏内のテレビ局は、テレビ大阪以外は40%〜50%超の自社制作率があるおかげで、その点ではまだマシだけどな。【香川県に讃岐うどんを食べに行きました】的なバラエティー番組も見たことがある。東京キー局にとっての伊豆の価値と、関西準キー局にとっての香川県の価値は、ほぼ同等だから、東京キー局による伊豆を舞台にした番組の頻度程度には、香川や徳島を舞台にした番組が組まれている可能性はある。また自社制作率が高めな事もあって、東京キー局にもかなりの番組を配給しているが(当然ながら、東京キー局の自社制作率が100%になる事もない)、中には【たかじんのそこまでいって委員会】のように、関東広域圏以外の日本の大半で放映されているという、変わった放映範囲を持つ番組も存在する。」

逆沢「たかじんは、大の東京嫌いだからねー。たかじんが拒否した事で、関東広域圏を除く全国の読売系列局に配信という変異型の全国放送になってるし。」

鼎「関東の人は知らないのに、事実上の全国放送扱いってのも、珍しい気がするね。」

愛原「関東で放映されている番組が、イコール全て全国放送と思いこむのは間違いだ。関東で巨人戦を映していても、別の地方では日本ハム戦が映ってるなんて事も珍しくない。関西のように40%以上も自社制作率がある地域では、そもそも一日の約半分は、東京キー局発ではない番組が配信されているのだから・・・。関東で○○という番組があると言われても、へーとしか言いようがない事も多い。」

鼎「そもそも地方では、民放5局が全てそろっていない地域も多いよ。民放が1局とか2局しか存在しない地方もあるし。東京発の情報が、全ての日本国民に供給されていると思ったら大間違いだよ。」

愛原「それだけに地方向けの番組と、全国向けの番組をよく考えて、東京キー局は制作してほしいと思う。東京でしか通用しないようなローカルネタを全国配信されても迷惑だ。そしてそれで空いた分は、全国中に配信すべき別の情報に回すべきだ。少なくとも酒井法子のケツ追い回す暇があれば、もっと地方に出て、きちんと取材しろと言いたい。でなければ全国放送を仕切る資格はない。」

逆沢「他に大したニュースもなければ、東京から遠い遠い宮崎県まで出向いて、一人の知事の尻を追いかけたりもするんだろうけどねー。」

鼎「相撲取りの尻を追いかけるのも得意だよね。」

逆沢「そういや一人の相撲取りが大麻やってた事が発覚した時にはすごく大騒ぎして、相撲取り全員に検査を義務づけようという事にもなって、その結果、2人のロシア人力士がクビになったりもしたけど、芸能人全員に麻薬検査を義務づけようっていうコメンテーターが1人も出ないのは不思議だわ。」

鼎「そういえば、そうだよね。大麻よりもずっと悪質な覚醒剤やって捕まっている芸能人もたくさんいるのに、その割りに、クスリやってる芸能人を一斉に洗い出そうという意見を出すコメンテーターの人はいないよね。」

愛原「それも同感だ。相撲協会よりも芸能界の方が、ずっと汚染度は高そうなのに、なぜかそういう声が出てこない。」

鼎「相撲協会はNHK寄りで民放とは殆ど関わりないけど、芸能界は民放とべったりだからというのもあるのかなー?」

逆沢「島田紳助が逮捕された時もそうだったけど、酒井法子に逮捕状が出た時も最初は【さん】づけで、容疑者扱いし出したのは、それから時間が経っての事だったしねー。芸能界に対しては、どうしても民放は及び腰よね。」

鼎「でも草g君が公然わいせつで逮捕された時だけは、初めから容疑者として報道してたよね。でもそれで草g君のファンの人達が【この程度で騒ぐのか】と猛抗議して、鳩山大臣も叩かれたりしてたよね。そう考えたら、確かに業界の圧力とかもあるかも知れないけど、視聴者からの圧力も無視できないんじゃないかなぁ?」

逆沢「つまりマスコミというのは、決して中立な存在ではない。スポンサーに対しても、大手の芸能事務所に対しても、時にはクレーマーまがいの政治家に対しても、もちろん視聴者に対しても気を配りながら、ギリギリの範囲で利益を追求するだけの存在かも知れないって事かもね。」

愛原「だからといって、マスコミ叩きをするだけでは、ますますマスコミの質は劣化する。現実問題として、政財界の闇について追求できる能力では、大手マスコミは週刊誌に殆どかなわないレベルにまで落ちている。とかいってネット界でだけ存在をアピールするような新興メディアは、週刊誌の足下にも及ばないようなレベルでしかない。」

鼎「ただそれでも、マスコミの質がいくら落ちたとしても、マスコミの影響力まで激減したわけではない所は、最大の問題かも知れないよね。」

逆沢「質は落ちているのに、影響力だけは落ちてないってのは問題すぎるわ。低レベルな情報だけが蔓延しかねない危険もあるし。」

愛原「残念ながら、メディアリテラシー(情報を評価・識別する能力)に関しては、日本人の民度は決して高いとはいえないからな。郵政選挙の時でもそうだったし。」

鼎「今はマスコミの情報をうのみにする人は少なくなったけど、その代わり、自分に都合がいい情報だけを容認したり、押し付ける人が増えて、それでマスコミが翻弄されているみたいな部分があるかも知れないよね。マスコミも昔ほどは、資金的に余裕が無くなっているから、より有力なスポンサーや扇動的な世論に振り回されやすくなった感じもするし。」

逆沢「真面目に地味な情報を流しているだけだと誰も見向きもしない。しかしワイドショーまがいの派手で浅薄な情報を出していると、今度はアンチから叩かれる。確かにマスコミの立場に立ってみたら、同情できない事もないわ。」

鼎「ところで少し気になったんだけど、情報が東京中心に偏っているのは、もしかしたら、地方にも責任はあるのかなー?」

逆沢「うーん。確かにそれは少しあるかもねー。キー局に売り込める程の番組を、地方局が制作できない原因次第だとは思うけど。確かに現状ではキー局から地方局(準キー局は除く)に配信するばかりの一方通行で、地方の声がとても関東までまともに届いているとは思えないからねー。」

愛原「・・・うーん。まぁ確かに東京のタレントを地方局で起用しようと思うと、交通費やら何やら色んな費用がかかるだろうし、地方局に全国で通用するような番組を作れというのは酷かも知れない。それに東国原ブームの時に、大して重要でないニュースの為に宮崎県まで張り込めるくらいの余裕がキー局にあった事から判断する限りは、例えば重大なニュースが地方で起これば、もっと積極的に記者を地方に派遣しろよという気持ちもある。被災地の中にまで乗り込んで、面白おかしく報道されるのはカンベンだが、ある程度は関心度が高い方が、義援金も集めやすくなるし、政府からの支援も期待しやすいからな。」

逆沢「冷静に考えると、甚大な災害が起こったにも関わらず、一人のクスリ漬け芸人の話題が優先されまくっているのも不思議だし、そこまで大きく騒ぐなら、大相撲のように業界全体でヤクの検査すればいいのに、そういう意見はこれっぽちも出ないのも不気味だし、今のマスコミがちょっとどうかしてるとは、確かに思うわ。」

鼎「けど全国のたくさんの人からしたら、酒井法子さんの事件に隠れてしまうくらいだから、実際には水害の件も、大した災害じゃなさそうというイメージの人は多いかも。それって怖い事だよね。」

愛原「マスコミが出した記事に対して、いちいちコメントや批判を繰り返す人間はたくさんいるが、隠れてしまいがちな小さな記事の中にまで、ちゃんと気づいてくれる人は、なかなかいない。ちょっと残念で、難しい問題だとは思う。」








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