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愛原様のたわごと(10年3月12日)



愛原「いやはや。油断した。てっきり今週で隔週になるのだとばかり思ってた。」

逆沢「てっきり死んだのかと思ったわ。」

鼎「私は、花粉症かインフルエンザあたりでダウンしたのかと思ったよ。」

愛原「勝手に殺したりダウンさせたりするな。死んでもいないし、花粉症の体質でもないし、病気も全くナシだ。この通り、ピンピンしているぞ。」

逆沢「なんだ、ただのサボリか?」

愛原「サボったつもりはないんだけどな。てっきり1週間間違えただけで。仕事がちょっと忙しくなった事と、制作中のゲームのネタがたまって、そっちの処理も忙しくやっていたり、あとプライベートで、【遠方より友きたる】イベントが発生したり、まぁ色々あったのだ。」

鼎「一週間余分に休んだおかげで、このコーナー向きのネタも、だいぶたまってしまったよね。」

愛原「うむ。時事ネタがいくらでもあるが、ネタがたまっている時に調子に乗ると時事ネタだけで終わってしまいかねないので、今回はテーマを先に出す形にする。今回のテーマは、【困ったパーティーメンバー】だ。」

逆沢「それ、あんたの事?」

愛原「・・・・・。」

鼎「一応、パーティーメンバーって事は、敵ではなく味方だよね。」

愛原「うむ。まぁ敵か味方かを問われれば、一応は、味方なんだろうな・・・。」

鼎「とすると【困った味方】という事は、【味方の足を引っ張る味方】とか【あまり居て欲しくないタイプの味方】という事になるのかなぁ?」

逆沢「なんか排他主義者が喜びそうなテーマねー。ま、ゲームの世界でも、たまにそういうキャラクターはいなくもないけど。」

鼎「あまり言いたくないけど、歴史SLGとかでも、給料だけは高いのに能力はイマイチで、しかも解雇できないキャラがいると、ムッとしちゃう事はあるかも知れないよね。」

逆沢「雇えるキャラの上限数が決まっているのに、その貴重な雇用枠に無能なキャラが入ってきてしまったら、ムッとしちゃう気持ちも分かるわ。」

鼎「SRPGでも、レベル1のまま育っていないキャラクターがいきなり単独で強制出陣扱いになってたら、詰まったと思っちゃう事はあるよ。」

逆沢「【正直、こいつ、いらんわ】とか、しみじみ思っちゃう事は、確かにないといえば嘘になるわね。」

愛原「まぁプレイヤーの視点で言えば、そうなるのかも知れんな。だがキャラクターの視点で言えば、必ずしもそうじゃない。一例を出そう。お前ら、愛原編のオープニングをおぼえているか?」

逆沢「そりゃあ自分達のシナリオだしね。確か無能な大貴族どもが、圧政を敷いた結果、宮田軍が独立。でもってそれに怒った大貴族ともが、今度は議長であるアンタの反対を押し切って、宮田軍相手に戦争を仕掛けて大敗する。で、その大貴族どもの勢力が弱まったのを受けて、アンタがいよいよ満を持して登場というプロローグだったわね。」

鼎「でも実際には大和などでは、無能系大貴族がリーダーの指揮下に入るのを嫌って独立しちゃったり、敗戦処理から始めないとならないような戦力からのスタートになっちゃっているんだよね。」

愛原「その通りだ。この場合は、俺からみれば【大貴族どもは、無茶な圧政と戦争で、我が国の経済力と国防力を大きく損なわせた困った味方】という事になる訳だ。」

逆沢「ああ、なるほどね。確かに私達からみれば、大貴族どもは【困った味方】でしかないわ。マイナスになるような行いしか、してないし。」

鼎「でも大貴族の側からみれば、私達の方がずっと【困った味方】の可能性もあるよね。」

愛原「良いところに気づいたな。その通り。大貴族から見れば俺のような人間は、【国を挙げて反乱勢力を討つべき時に、兵を起こすのを拒否した売国奴】という事になるかも知れない。また大貴族が大敗したのを受けて、密かに温存していた武力を盾に政権を掌握した事から【国家の一大事に参加もせず、それどころか自国のピンチに乗じて国を乗っ取った卑劣漢】と認識されている可能性もあるだろう。」

逆沢「あはは! 自分本位な愛国心に燃えて宮田軍相手に勝手に兵を起こした貴族なら、確かにアンタに対して、そういう思いを持ってても不思議はないとは思うわ。」

愛原「【困った味方】というのは、時に双方向なものなのだ。こちらからみれば【困った味方】は大貴族の方で間違いないんだが、大貴族から見れば【困った味方】は俺達という事になっても、不思議はないのだ。」

鼎「こういう内部対立って、すごく困るよね。本当なら同じ国を守ろうとする人間同士なのに、路線が対立した結果、お互いに相手の事が邪魔になってしょうがないというのは。」

愛原「邪魔という表現は、あまりしたくないんだけどな。この辺は2008年12月5日のたわごとで触れた内容になるから、同じ話はいちいちしないが。」

逆沢「しかし味方同士で分かり合えればいいんだけど、必ずしもそうならないのが厄介なのよねー。」

愛原「話し合いに関しての有名なことわざとして【三人寄れば文殊の知恵】という言葉がある。しかし【船頭多くして船、山に登る】という言葉もある。」

逆沢「ちょ、それ。どっちが正しいのよ?」

愛原「ケース・バイ・ケースだな。ただ一般論で言えば、自分なら思い浮かばないような良い案を相手から拝借しようという人達で話し合いの場が構成されていれば、文殊の知恵になりやすい。お互いが自分の足りない部分を取り入れる事で、全員のアイデアの中身がパワーアップするからだ。」

鼎「じゃあ、逆に自分の意見を相手に押し付けたいという人が混じっていると、どうなるのかな?」

愛原「これは駄目だ。仮にA君が論戦の勝者になっても、A君のみの利益にしかつながらない事も多いしな。それにこういうケースは、【桶の理論】と同様の、【最も愚劣な主張が通ってしまう】危険性が往々にして高い。」

逆沢「【桶の理論】。聞いたことがあるわね。」

鼎「【桶の理論】とは【木桶を構成する板の高さが違う場合、一番低い板の高さまでしか水は貯められない。】事をいうんだよ。口で言うと分かりにくいから、図解つきの用語説明がされてあるページをネットで調べた方が分かり易いかも知れないけど。」

愛原「仮に10枚の板のうち、9枚の板の高さが50cmあっても、残り1枚の板の高さが10cmしかなければ、水は高さ10cmまでしか貯められないだろう。それ以上の高さまで貯めようとしても、その低い板の場所からあふれてしまうからな。」

逆沢「ああ。要するに【護送船団方式】と同じね。一隻でも遅い船が混じってると、その遅い船に合わせて全船が航行せざるを得なくなるようなもので。」

愛原「そのたとえでも良い。実は話し合いの場でも、桶の理論的な【最も真面目に話し合いをする気のない奴の主張を、最も優先して取り入れざるを得ない】局面というのは多いものだ。世の中には、自分の意見を押し通す事しか頭にないというか、自分の意見を潰されるくらいなら、話し合いを簡単に決裂させてしまおうって奴は、確かにいるからな。」

逆沢「あー、いるいる。そういう奴。でも愛原編オープニングに登場する馬鹿貴族どもも、そのクチじゃない。一応、正式な権限者である議長の指示を無視して、勝手に軍を起こしたくらいだから。」

鼎「つまり話し合いをどうしてもまとめたいなら、リーダーは馬鹿貴族の意見に賛成する以外に道はなかったって事だよね。」

愛原「そういう事になる。自分の意見を押し付けるタイプの相手と話し合うのは、かなり不毛だ。まとめるにはこっちが一方的に相手に譲歩するか、あるいは何らかの利益を供与する事でこっちに寝返らせるか、あるいは脅すなり情に訴えるなりするか、いずれかしかない。こちらに相手を寝返らせるような、利益誘導材料なり、脅迫ネタなり、哀願ネタがないと、とてもじゃないが、相手に聞く耳をもってもらうのは無理だろう。」

鼎「理性や道理をもって、相手に自分の意見を聞いてもらおうとしても、なかなか思うようにはならないって事かなぁ?」

愛原「相手が【こちらの意見から何かを学ぼう】という思想の持ち主なら、理性や道理で訴えるのが最もいいだろう。お互いにとって有益な話し合いの場になるはずだ。だが自分の権益なり野望なりを満足させるために相手を利用してやろうと考える人間に、それを説いても無駄だ。そして愛原編オープニングで出てくる大貴族達は、間違いなく後者に当たる。」

逆沢「宮田軍が独立してしまった事で、その土地から搾取していた貴族達は、絶対にその土地を取り戻そうとするだろうけど、その動機は誰が見ても、自分の既得権益を守ろうとする身勝手なものでしかないもんね。」

愛原「無論、彼らも本音と建て前を使い分ける事くらいはするだろうから、【彼らの独立を許しては、国家衰亡の危機だ。断固戦うべし】みたいな事は平気で言うだろう。だが本音の部分が、道理ではなく利害にある以上、俺がいくら【圧政を敷いたお前らの自業自得だろ。】とか【今、軍を出しても分が悪い。】と言っても、多分駄目。どうせ逆ギレされるだけだ。まぁ、今だから言える本音としては、あの時、大貴族と一緒になって宮田軍から領土を取り戻したとしても、その取り戻した領土は大貴族の物になるだけで、結局元の木阿弥だから、アホらしくて乗れなかっただけだけどな。」

鼎「そういえば公共工事を巡って住民が賛成派と反対派に割れた時も、建設業者の関係者などは大抵、賛成側に回ってるけど、これも本音と建て前を使い分けた結果だよね。」

逆沢「タテマエでは【きっと地域の景気活性化につながるはず】とかいうけどね。けど本音が道理ではなく利害に関わる部分にある以上、いくら反対派が説得力のある需要予測のデータを持ってきても、それを理由に反対派に鞍替えする事はないようなもので。」

鼎「って事は、もし地元の建設業者が一切、その公共工事の受注に参加できないシステムにしてしまったら、賛成派だった地元の建設業者達は、一転して反対に回る可能性があるって事だよね。」


愛原「うむ。逆の立場も言える。例えば諫早湾干拓問題では、干拓事業で廃業せざるを得なくなった漁師の多くが建設業者で働くようになって、賛成派に鞍替えした例も多いらしいからな。」

鼎「沖縄の米軍問題でも似たような例はあるよね。米軍施設に働いている人などは、大抵米軍の維持に好意的だし。」

逆沢「でも彼らの多くはそんな本音はあまり出さず、【日本の安全の為】とかをタテマエにして米軍駐留に賛成してる人も多いわね。逆に米軍施設で働いている訳でもなく、米軍に土地を貸してお金をもらってる地主でもなく、米兵相手に店を経営してる人でもなければ、米軍はただ危険で邪魔な存在でしかないから、自然と反対派に回るだろうし。」

鼎「って事は、もし米軍施設で働いている人達の給料を半分に減らしたり、沖縄県の建設業者を米軍基地の建設作業に一切参加させなくしたりしたら、【日本の安全の為に】という大義名分で賛成したはずの人達の多くが、一気に反対派に鞍替えする可能性があるって事だよね。」

愛原「在日沖縄米軍に関しては、本州の人達も似たようなものだ。沖縄県民が負担してくれる内は、【米軍は必要だ】みたいな事を平気でいうが、いざ地元に米軍が来るかもとなれば、大抵、諸手を挙げて反対に回るからな。自分達が損な役回りを演じずに済む分には、いくらでもカッコ良さそうな事を平気でのたまうが、いざ【お国の為に、お前がイケニエになれ】と言われたら、一転して反対に回る奴がなんと多い事か・・・。」

鼎「なぜか東京近辺には原発がないようなものかなぁ?」

愛原「【原発は必要だ。安全だ。クリーンだ。大丈夫だ】といいながら、彼らは地元には絶対に原発を建てようとしない。首都圏と比べたら貧しい東北地方の人間の頬を札束でたたいて、これで原発を受け入れろみたいな事を平気でやるようなものだな。」

鼎「つまり結論としては、話し合いでまとめようとしても、本音の部分で利害が絡むと、いつもうまくまとまるとは限らないって事かなぁ?」

愛原「残念ながらそういう事になる。ってか話し合いでまとまるなら、彼らは【困った味方】ではない。【自分にない優れた考えと、こちらの考えに真摯に耳を傾ける度量を併せ持った、すごく頼りになる味方】だ。下手なイエスマンよりも、余程、頼りになる。」

逆沢「下手なイエスマンは、こっちが間違った意見を言った時も、それを止めようとはしないだろうからね。」

愛原「上司の意見にノーを突きつけるような部下は、そんなに多くない。だが上司とて間違った事をする事はあるし、もしもそれを邪心なく勇気を出して止めようとする部下に恵まれたなら、イエスマンの百倍は有益かも知れないぞ。」

鼎「そういえば、ゲームの世界に出てくる主人公パーティーのメンバーも、いつも漫才やケンカばかりしてる割に、相手の意見にはちゃんと耳を傾ける人が多そうだよね。」

逆沢「確かに、自分の意見をいつまでも押し付けようとし続けたり、簡単に話を決裂させて無茶な行動を取るメンバーは、意外と多くない感じね。」

愛原「ファンタジーの世界では、悪役寄りでもない限りは、不思議な程、みんな人の話をちゃんと聞くからな。邪教の信者ですら、ちゃんと実は邪教であった理由を説明してやれば、あっさり改宗する奴もいるくらいだし。」

逆沢「で、今回、なんでまた、そういうコアなテーマにした訳?」

愛原「うん。今回の元ネタになったのは、実はこの時事ネタだ。記事の部分とコメント部分を切り貼りしている。」


逆沢「うーん。コメントの中身は笑えないけど、記事そのものは私的には全くどうでもいいんだけど。」

愛原「俺も、記事の中身自体はどうでもいい。気になるのは記事の中身ではなくて、下のコメントの方だ。よくこんな恥ずかしいコメントをかけるものだという中身のものがかなりあったんでな。」

逆沢「うーん。ぶっちゃけ嫉妬系のコメントが多そうね。条件が悪いとか、手加減したとか、相手がズルしたとか、所詮はお遊びとか、【本気だしたら負けるわけない】系のコメントだらけというか。あと韓国側のマナーが悪いとかいう意見もあるわね。」

鼎「でも冷静に考えたら、これってすごく何の実りもないコメントだよね。」

愛原「全然ない。日本のインターネットメディアは、なぜか中国や韓国の人達が書いた一個人の感想や意見をニュースにする事もあるが(アメリカ人が書いたブログをとりあげたりする事は殆どないのに・・・何かの意図があるのか?)、逆も真なりで、こんな恥ずかしいコメントを、とても韓国の人達にはとても見せられないなと思ったな。(もう手遅れのような気がするけど)。」

鼎「逆の立場で想像してみたら、韓国側に何の落ち度も非もない事は明らかだと思うのは私だけかな?」

愛原「仮に日本側が日本の敷地で韓国軍相手に大勝利したら、彼らのコメントの内容は、180度逆転してた事は想像に難くない。間違っても、日本側がズルしたとか、韓国側はお遊びだったとか、韓国側は手加減したとか、日本人はマナーが悪いとか言って、韓国側を讃えたりはしないだろう。」

逆沢「まー、良くも悪くも無責任な日本寄りの応援団って立場だからねー。彼らのコメントは。」

愛原「俺は恐怖を感じたぞ。別に日本の自衛隊が惨敗した事に対してではない。どんな惨敗をしても、訳の分からない慢心をしたままの彼ら匿名コメンテーターに対してだ。今の日本の情勢からしたら、とても彼らを見下す余裕なんてないはずだが。素直に相手を賞賛するか、それが嫌なら【何くそ!】という思いを持っても良さそうなものだが、どちらもない。これでは日本に追いつけ追い越せで必死で頑張ってきた彼らに、追い越されるのも当然だと感じた。」

鼎「イソップ寓話の【酸っぱいぶどう】に出てくるキツネみたいだね。」

愛原「この意見が少数派なら、何とも思わなかったのだが、こういう内容の記事がずーっと100件以上続くのだ。なんだこれっ?て思った。」

逆沢「でもまともな人なら、こんな所に何のメリットもないつまんないコメントなんかしないと思うけどね。だからまともでない暇な人ばかりのコメントであふれているだけのような気がするし。」

愛原「俺もそう思いたいと考えている。ただこの相手の実力を冷静に分析したり、あるいは何くそと奮起のきっかけにする事もなく、ただ負け惜しみを言ってる奴らが、今の日本で増えつつあるとしたら、これはヤバいと本気で思う。こういうタイプの人間が同じ日本国内に多くいるとすれば、ちょっと怖いなと感じたんだ。」

逆沢「ああ、それで今回のテーマにつながる訳ね。」

愛原「軍記物でもよくあるシーンだろう。名将キャラがいくら【用心なされよ】と警告を促しても、多くのモブ武将達が【あんなザコなど、ひとひねりよ】とか【あんな奴らをなぜ恐れる。臆病者だな】とか言って、油断しまくってるようなシーン。」

鼎「ひどい場合だと、【敵を持ち上げて、味方の士気を損なうような事を言うな!】とか言われて、用心を促した側の名将の方が悪役にされてしまうんだよね。」

逆沢「ああ、よくあるわ。て、負けたら負けたで【ば、馬鹿な。なんで俺が、あんなクズどもに!】とか【こ、これはまぐれだ。そうに違いない】とか【おのれ、奴の事だ。きっと卑怯な真似をしおったに違いない】とか言って、それでも最後まで、相手の実力を認めようとしなかったり。」

鼎「ひどい場合だと、【あいつが余計な事を言ったせいだ】とか【きっとあいつが敵に内通していたに違いない】とか【今頃、あいつは俺達を笑っているに違いない。絶対に許せん!】とか言って、名将に責任を転嫁して誅殺しようと企むようなシーンすらあるよね。」

愛原「頭に血が上っている人間とか、考えるよりも先に結論を出すタイプの人間とか、メンツばかり重視して決して考えを変えようとしない人間とか、色んな人間がいる。そして不幸なことに、よりによって味方のメンバーの中で最も愚劣な者の主張に、組織全体が引っ張られる事すらある。5人中4人がまともな考えを持っていても、残る一人が勝手に兵を率いて隣国に戦争を売ったせいで、残り4人も無謀な戦争に引きずり込まれるような事もあるようにな。」

逆沢「まさしく桶の理論ね。もっとも出来の悪い奴に、全体が合わさざるを得ない典型というか。」

愛原「内部抗争はできればしたくない。だが人の意見に真面目に耳を傾けようとせず、あまつさえ他人に無断で勝手に行動する奴すらいるから困る。」

鼎「そういえばここ最近、色んな対米密約が明らかにされているけど、これも民主主義的な正規の手続きをせず、一部の人間が勝手に判断してこっそり外国と約束事まで交してるって点では、【他人に無断で勝手に行動する奴】のカテゴリーに入っちゃうのかなぁ?」

愛原「色んな意見があるのは百も承知だが、【国民にも多くの国会議員にも秘密にして、独断で行動した】点では同じだな。そいつなりの正義感なり識見に基づいた判断かも知れんが、法を誰よりも遵守すべき人間が勝手にそういう真似をして、【当時の判断は正しい行動だった】なんて事は、俺は絶対に言いたくないな。それが許されるなら、今後、鳩山や他の奴らが同じ事をしても、後で絶対文句を言うなよとしか言いようがない。」

逆沢「あはは。でも世の中には、【自分の意見に沿う中身なら、違法行為でもマル】で、【自分の意見に沿わない意見なら、合法でもバツ】って人も多いからねー。」

鼎「それ。ただの俺様正義というか、自己中心的でしかないと思うんだけど。愛国無罪と一緒だよね。」

愛原「自分の信じた道を突き進むといえばカッコいいが、アウトローの正義の味方ならともかく、誰よりも法を遵守するべき立法府の議員が、堂々と無法を正当化したら、それはさすがにまずいだろう。」

鼎「確か前総理の麻生さんが密約をした当時の政権を指して【賢明だった】と、言ってたよね。」

逆沢「あはは。国民の前で堂々と嘘をついて鳩山邦夫を悪役に仕立てあげたあげく、鳩山に真相をばらされた途端、開き直って【私文書を勝手に見せるなんて下品だ】みたいな事を言って開き直った麻生らしい一言ね。」

鼎「安倍元首相も、【秘密を暴露して過去の人を非難するな】みたいな事を言ってたよ。」

愛原「密約問題では、密約を暴き出したジャーナリストの関係者が有罪にまで追い込まれているのだが・・・。えん罪で犯罪者に仕立てられた人が、えん罪である事を証明したら、それは下品な事なのか? 自分を不当におとしめた人間を非難してはいけないのか? 麻生や安倍が嘘をついてまで自己正当化を図ったならば、俺達はそれを支持して、別の誰かを悪人に仕立て上げないとならないのか? 国民を騙し、国会を無視した人間を賢明なんて言うようになったら、さすがにそれはまずいだろう。確かに人間は誰しも、冷静に判断できない時というのはあるから、冷却期間が必要な時はある。だからアメリカでは機密文書の存在を合法化する替わりに、しばらく後にそれをきちんと公開するルールがある。だが日本にはそれがない。もしくは機能していない。だから機密費問題とかもいつまでも無くならないのだ。」

逆沢「おーおー、言ってのけた。でも国会という話し合いの場での決議事項よりも、一部の人間の密約の方が、より優先される外交の世界って、ちょっと怖いと思ったわ。北朝鮮との関係改善が進まないのも、もしかしたら小泉や安倍が密かに、互いに不干渉とする内容の密約を結んだせいかも知れないし。」

鼎「そんな密約はあるはずはないと言いたいけど、非核三原則を掲げた事を理由にノーベル平和賞を受賞した佐藤栄作さんが、実は核持ち込みを認めた張本人であったように、世間の評判と正反対の事をやってる可能性が否定できなくなったってのは、残念な話だよね。」

逆沢「麻生や安倍があれだけ必死になってるのは、もしかしたら自分達もとんでもない密約にからんでたからかもね。世間のイメージとは実は正反対の。」

愛原「だから密約を、賢明などと言ってはならないのだ。」

逆沢「でも色んな人がいるのが、この世の中の面白い所だし、あんたのような意見も、あんたと正反対の意見も、どっちも堂々と主張できるという点では、日本はまだまだ民主主義国なんだろうけどね。」

鼎「自分と異なる意見の持ち主のパーティーメンバーと、どう付き合っていくか? ちょっと考えるテーマだよね。」

逆沢「【東京に遊びに行く】だけでも、人によって安い高速バス派もいれば、シンプルに新幹線派もいるし、マイレージも見込んで一気に飛行機派もいるように、目指す方向は同じでも、手法を巡って人は対立するからねー。みんなで話し合って団体割引もオトクに活用するか、話し合いを決裂させておのおのが好きなルートで東京に行くかみたいなノリで、色んな過程や結末がありえるわね。」

愛原「人には色んな意見があるのは認める。そして俺が相手のことを【身勝手な事を考える困った奴】だと思っていても、相手は相手で俺の事を【馬鹿で困った奴】だと認識しているケースも多いだろう。こういう時、どうするか? 自分が相手に譲歩するか? それとも相手の意志を無視してでも、独断で自分の正義を貫く道を選ぶか? あるいはあらゆる交渉手段を駆使して、とにかく意見の集約に努力するか? 俺の場合は、馬鹿貴族が先に暴発して自滅するのを待った上で、国を掌握する方法で臨んだが、それがベストな判断であったかと問われると、正直今でも自信はない。」











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