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愛原様のたわごと(10年5月29日)




鼎「アンケートの結果はどんな感じかなぁ?」

愛原「【ウディタ以外で何か作れ】がすこぶる低調なのを除けば、横一線だな。」

逆沢「で、方針は決まったか?」

愛原「鳩山総理じゃあるまいし、むりやり期限を先に区切ってから、方針を決めて活動するつもりもないぞ。アンケートの現状の結果も見事に横一線だし、どの意見を採用し、どの意見を切り捨てるという事も不可能だ。まぁ製作状況を見ながら、ゆっくり判断していけばいいという風に解釈している。」

鼎「期限や方針を、最初に決める必要もないのもフリゲというか、同人の特徴だよね。」

逆沢「プロとの最大の差ね。もっともプロでも、大幅な方針変更や半年以上の発売延期は珍しくないけど。」

愛原「我々アマチュアの場合は、期限を無理矢理区切って、グダグダな作品のままむりやり発表しなくていいというメリットはあるな。」

鼎「しっかり時間をかけて、良作を作るのがベストって事かなぁ?」

愛原「必ずしも、そうとも言えん。あえて未完成品を先行公開する事で、プレイヤーからバグ報告を募集したり、感想や要望などを受け付けることが、結果的にベストな事も多い。特に難易度やゲームバランス、レイアウト関連などは、完成してからでは修正が困難な事も多いから、まだ直せる余地のあるうちに、感想を求めるという判断もアリだと思う。」

逆沢「どの選択肢がベストか、人に聞くまでもなくすぐに見通すことができれば、苦労もないんだけどねー。」

鼎「まして意見が横一線だと、みんなが納得という選択肢も導き出せないよね。」

愛原「みんなの意見が仮に一択に絞られても、こちらの力量不足や判断の甘さで、ダサい結果になる事もあるしな。」

逆沢「普天間基地移転問題も、どうやらかなりダサい結果に終わりそうね。」

愛原「普天間問題に関しては、俺自身にとっても、穴の中に入りたいくらいの痛恨のエラーだ。あんなオチになるくらいなら、何も騒がず、自公政権時代の現行案でいった方が、マシだったかも知れない。たまらんくらいに悔しく、かつ鳩山らに期待した自分自身が恥ずかしい。」

逆沢「あんたが穴の中に入ったら、そのまま埋めたくなるくらいの心境ね。私としては。」

愛原「本当に埋めるのは堪忍してくれ。でもまさかあそこまで無様な判断を鳩山がする事になるのは、予想外でもあり、見る目が無かったと言われてもやむを得ない。交渉や駆け引きに失敗したのではなく、アメリカと本格的な交渉や駆け引きの段階に入るまでに、まさか敵前逃亡するとは思わなかった。」

逆沢「官僚達に水面下の打診を色々やらせただけで、鳩山総理も岡田外相も、何ら自分自身で交渉のテーブルにつく事もないまま、勝手にアメリカに対して白旗をあげちゃったからねー。何が政治主導なんだか? 思いっきり官僚主導じゃない?」

鼎「官僚主導だったら、今までの政権と何ら変わらないし、官僚の顔ぶれが変わらない限り、官僚達が今までと同じ結論を導き出す事くらい、予想できそうなものなのにね。」

愛原「民主党の政策の中で唯一、評価する世論の方が勝っている事業仕分けなんかは、政治主導だから成功した。官僚主導だったら、また官僚達が自分達にとって都合の良い天下り先を、都合の良いように解釈して温存させる方向に結論を出すことが目に見えているからな。」

逆沢「普天間問題に関しては、官僚主導の壁をついに鳩山達は破ることができなかったって事ね。」

愛原「何も官僚達が悪いわけじゃないけどな。官僚に任せざるを得ないくらい、自分達の知識や能力が足りなかった事の裏返しだ。いや、能力ではないか? 勇気だな。アメリカと戦う勇気が、鳩山らにはなかった。だから国外移転論すら出そうとできなかったのだ。」

逆沢「あんたが最終的な落としどころとにらんでいた地位協定改定論も、これっぽちも出なかったしね。」

愛原「地位協定の改正がなされれば、在日米軍問題の課題の何割かは改善される。米兵が起こす事件などを適正に裁く事でその不祥事を抑制できれば、米兵の存在はある意味、経済資源にもなるからな。」

鼎「実際には、アメリカ兵というのは、どれくらい問題を起こすのかなぁ?」

愛原「手元にある数日前の新聞記事によると、2000年以降、2007年までの間で、年間約1000件の米軍関連の事件が沖縄県内で起きているみたいだな。特に2004年は1150件以上になるらしい。」

逆沢「ちょっと待て。一年は365日なんだけど。」

愛原「つまり一日3件ペースで、沖縄の米兵は何らかの事件を起こしているんだろ?」

鼎「2008年以降の統計はないの?」

愛原「新聞記事によると、個人情報保護の観点から、警察が米兵関連の不祥事をあまり公開しなくなったらしい。」

逆沢「外国人犯罪者の割合の統計にもアメリカ兵による犯罪行為は含まれなくなったし、年々、米兵関連の犯罪記録が隠蔽されつつある気がして、なんかムカつくわ。」

愛原「こういう部分を改訂するだけでも、俺は沖縄の世論は相当変わると思うんだがな。ましてや治外法権なんて、幕末から問題になってる不平等条約の最たるものだろ。自称正義の国に対して、【これは不平等条約ではないのですか?】とはっきり言ってやればいいんだ。我々日本人がアメリカや中国で犯罪を犯せばその国で裁かれるのは当然だし、ならば逆も当然だろう。」

鼎「うーん。でもアメリカ人は、日本の裁判制度にすごく不信感をもってるから、アメリカ側を説得するのは意外と難しいかも。実際、米兵による犯罪を日本側が裁こうとする度に、アメリカの弁護士をつけろとか、裁判内容を可視化しろとか、色々注文をつけられているくらいだし。」

逆沢「まー、日本人が中国の司法は信用できないといってるのと同様くらいに、アメリカは日本の司法制度に不信感を持っていそうだからねー。日本とアメリカで、どのくらい司法制度が違うのか知らないけど。」

愛原「司法制度の問題ではない。人種として信頼されていないのだ。たとえば中国が日本やアメリカと全く同じ司法制度にしても、中国共産党の息のかかった中国人裁判官や中国人陪審員による裁判なんか信用できないという人は多いだろ? それと一緒で、アメリカ人は日本人というか、イエローモンキーがアメリカ人を裁くこと自体に、強い不信感を持っているからな。」

逆沢「それが嫌なら、帰ればいいのに。少なくとも現地で事件を起こせば、現地のルールで裁かれるのは当然というのは、世界の常識な訳だし。」

愛原「俺もそう思う。だから普天間問題をテコに、そこまで踏み込めと俺は何度も言い続けていたのだ。治外法権自体は、世界の常識からしても明らかにおかしい訳なんだから、強く交渉すれば、何とかなる余地は大きい。拒み続けると、アメリカの印象が世界的に悪くなるだけなんだからな。」

鼎「でもなんで鳩山さんは、そういう話を全然しようとしなかったのかなぁ?」

逆沢「発想自体がなかったんじゃない? そもそも交渉のテーブルに着くまでに敵前逃亡するくらいだから、アメリカの嫌がりそうなことは初めから全く提案するつもりも無かったようだし。逆にアメリカをイライラさせたお詫びという訳か、現行案に加えて、徳之島まで新たにサービスするつもりらしいし。」

鼎「そんなにアメリカが怖いのなら、初めから県外移転なんて言わなかったら良かったのにね。」

逆沢「鳩山も、最初の内はアメリカ依存を見直すとかタンカ切ってた頃もあったくらいだから、最初は全く怖くなかったんじゃない。でもいざ政権を取ってから、色々な方面でアメリカから脅しを受けたとか。」

鼎「そういえば、鳩山さんが強気だった頃に、ちょうど鳩山さんや小沢さんの秘書さんがどんどん逮捕されたり、トヨタがアメリカにひどい目に遭わされりしてたけど、それも関係あるのかなぁ?」

逆沢「反米的な田中角栄も、色々謎のルートから不祥事を暴露されて逮捕までされたし、色んな諜報手段を持つアメリカが、日本の政治家のスキャンダルを色々握ってても不思議はないわね。アメリカに逆らった政治家は、自動的にスキャンダルで潰される仕組みになってたりして。」

鼎「それで鳩山さんも小沢さんも、震え上がっちゃったりしたのかなぁ。このままだと、自分達も逮捕されかねないから。」

逆沢「裏の事情は知らないわ。でも現実として、鳩山が今の元に戻る路線に転換しだしてから、鳩山さんや小沢さんに対する金権疑惑や、トヨタ叩きなども一気に弱まりだしたからねー。少なくとも鳩山が表向きの理由としてあげた、【米軍は抑止力として必要だから】という理由は詭弁だと思うわ。」

愛原「抑止力なんて理由なら、うん十年前から自民党が使ってきた説明と変わらないからな。しかも鳩山自身が、その抑止力という自民党の説明がうさんくさいと思ったからこそ、最初は見直そうと思ってたはずだし。もし本気で【抑止力】が理由と説明するなら、その抑止力の中身を、もっと細かく説明する義務があるはずだ。だが鳩山も歴代自民党政権も、その抑止力の中身には全く具体的に触れていない。アジアの安定の為にとか、北朝鮮や中国に対する備えというなら、具体的にどういう形で各部隊を運用するのか説明があっても良さそうだが。」

逆沢「説明したら、かえってボロが出るから、説明できないんじゃない? 役に立たないものを役に立つと下手に色々理由をつけて強弁すればするほど、かえって矛盾を突かれて論破されやすくもなるし。」

鼎「でもまさか、【脅されましたから、アメリカの言い分をまるまる受け入れました】とは言えないよね。」

逆沢「だから【抑止力】なんて、散々使い古された理由で国民をごまかすしか無かったと。」

鼎「私達は、外交機密も軍事機密も何ら知らされてない一般人だから、【抑止力】と言われても、推測で判断するしかないんだけど、実際には米兵は何のためにいるのかなぁ?」

愛原「という訳で今回のテーマだ。すなわち【相手の思考を読んでみよう】だ。」

逆沢「おっと、シリアスなテーマから、いきなりテーマが飛び出して来たか。」

愛原「今回は、テーマ自体もちょっとリアル系だぞ。だが誰かと戦う者なら【相手の思考を読む】という視点はすごく大事だ。麻雀でも将棋でも、相手の狙いや次の手を読んだ上で、こちらの手を打つのは常識だろう?」

逆沢「相手の裏をかくためには、まず相手の行動パターンや思考パターンを読まないと話にならないからね。」

鼎「ゲームの世界でも同じだよね。SRPGなどでも、相手を希望通りのマスに誘い出したり考えるのは常識だし。」

愛原「普通のSRPGなどの場合は、こっちは相手の思考パターンを読めるが、CPUはこっちの裏をかこうとは基本的にしない為、プレイヤーからすればいいカモだな。だが相手も人間の場合は、そうはいかん。」

逆沢「たかがゲームでも、相手が人間だと、相手もこちらの裏を読んでこようとするだろうからね。」

鼎「運の要素が強いジャンケンでも、もし相手が【次はパーを出そうかな?】とか言って挑発してきたら、色々裏を読んだり、考え込む事になっちゃうよね。」

愛原「国防も、つまる所はそれと同じだ。自分の思い通りに、いつも相手が動いてくれると思ったら大間違いだ。アメリカは日本を守ってくれると信じているだけでは、それが実際に実現する保証はどこにもない。逆に北朝鮮との同盟は絶対にありえないと、選択肢を自ら狭める必要もない。」

逆沢「特にアメリカは、かつての同盟国を優先的に手にかける傾向があるからねー。イラクにしてもアフガニスタンにしても。」

鼎「確かイラクは、元々イラン・イラク戦争の時には、アメリカの支援をバックにしてイランと戦ってたんだよね。アフガニスタンもソビエト侵攻に抵抗する為に、アメリカが積極的に援助していた国だったし。」

愛原「今日、アメリカと同盟関係にあったからと言って、明日それが続く保証はどこにもない。日本だって、幕末からアメリカに脅されたり、逆にアメリカに協力してもらったり、逆にアメリカと戦争をしたり、その二国関係は何度も変化しているからな。というわけで、まずはそのアメリカの視点で、沖縄海兵隊を分析してみるとしよう。」

鼎「アメリカ視点って事は、自分がアメリカ国民。もしくはアメリカの指揮官の立場で考えればいいわけだよね?」

愛原「そう。仮に日本側が【海兵隊はもう日本には不必要だ。帰って下さい】と通告してきた場合、君達アメリカの立場としたらどうしますか?という事だ。」

逆沢「それは困るわねー。帰れと言われても、新しい敷地なんてどこにもないし。」

鼎「確か前に、沖縄の米軍基地の面積は、東京23区の3分の1という話があったよね?」

愛原「沖縄には陸軍基地などもあるので、海兵隊基地の面積だけなら、もう少し少なくなるけどな。」

逆沢「グアム島の面積は?」

愛原「東京23区より、いくらか小さいくらいだな。」


逆沢「その程度じゃ、全面移転は無理か。海兵隊自体の規模を減らすしかなさそうねー。」

鼎「韓国やフィリピンに新たに海兵隊を受け入れる敷地がないのも、当然だと思ったかも。そんな広い土地は極東エリアの諸島や半島部のどこにもないよね。」

逆沢「大陸に海兵隊を置いても機能困難な以上、置くとしたら日本か韓国か東南アジアくらいしかなさそうだけど、新たにそれだけの面積は、ちょっと用意できないわねー。第二次世界大戦後のドサクサに紛れて、沖縄人から無理やり土地を巻き上げたからこそ、できた芸当って事かもしれないわね。」

愛原「海兵隊は、その任務の特殊性から、アメリカ本土に置きっぱなしにもしにくいからな。揚陸部隊という性質上、仮想敵国の海岸線に適当な距離で近い、海際の島や半島が便利なのは間違いない。俺がアメリカ太平洋軍の責任者なら、沖縄以外の別の場所で適当な場所を探せと言われたら、無理といわざるを得ないだろう。」

逆沢「つまりアメリカの立場では、日本が何を言おうと、沖縄に居座るしか選択肢がないと。」

愛原「あくまでアメリカ人の立場でという前提だけどな。但し、アメリカにとって必要不可欠でも、日本にとって必要かどうかは別問題だ。そしてこういう需要と供給のバランスの場合は、本来なら日本はもっとアメリカに対して強気の立場に出れるはずなんだが。」

逆沢「現実には、大家さんが借家人に、家賃も光熱費も払ってあげてるみたいな異常な状態になってるからねー。」

愛原「次に中国人になりきってみよう。貴方は中国の責任ある指導者です。今、日本やアメリカと戦争や領土紛争をする事で、どんなメリットがありますか? またどういう状況になれば、そういう覇権行動に打って出たいと思いますか?」

鼎「私なら、高度成長期バリバリの今は、ひたすら富国戦略でいくと思うよ。他国に妨害されないようにだけ配慮さえできれば、もう10年か20年もすれば、アメリカにも負けない超大国になれそうな感じもするし、今、他国と事を荒立てるのはできれば避けたいと思うよ。」

逆沢「今、アメリカと直接戦争になるのだけは避けたいわね。今の国力では、さすがにキツいし、仮に相打ちに持ち込めたとしても、それで国力が疲弊して、インドやEUなどに追い抜かれても最悪だし。」

鼎「だからアメリカが中国側にちょっかいをかけてこないように、色んな懐柔策を駆使したいと思うかも。たとえばアメリカの国債をたくさん買ってれば、それだけでも対アメリカの抑止力にはなるよね。」

逆沢「もしその国債を売られたら、アメリカ経済も大打撃だろうしねー。なるほど。そんな感じでアメリカを足止めするわけね。」

愛原「日本もアメリカ国債を大量に買ってるが、日本とは状況が正反対だな。日本は無理矢理、買わされてる感じだし。」

鼎「で、アメリカが中国に対して、強制措置を取らないレベルの範囲で、他国にプレッシャーをかけたりするくらいはするかも。南沙諸島や尖閣諸島付近では、領土問題もあるから、この辺ではやっぱり他国に遅れを取りたくないと思うから。」

逆沢「南沙諸島は、元々はどの国にも所属していなかった、中国とフィリビンとベトナムとブルネイの間にある海域ね。尖閣諸島は、日本の領海だけど中国の安全保障強化のためには、是非とも抑えておきたい海域ね。ガス田問題とかもあるし。」

鼎「この辺にちょっとプレッシャーをかけるくらいなら、アメリカも見て見ぬふりすると思うよ。というか現実にそうなってるよね?」

逆沢「こらっ、アメリカ!! お前らは本気で日本を守る気があるんか?! 中国にもっと抗議せんか? なんで北朝鮮にはあれだけ強気なのに、中国相手にはだんまりなんじゃっ!!」

愛原「・・・中国人に成りきれと言っただろうが。なんでそこで日本人に戻る?」

逆沢「あははは。これは失敬。でもアメリカは本気で日本を守る気があるのかって、正直そんな気にならない?」

愛原「軍事は政治の一部分でしかない。そして戦わずして相手を抑え込むことができればそれが最善なんだから、抗議すべき所は事前に抗議するのは常識だ。北朝鮮相手に対しても、外交交渉や経済的圧力などでそれを実現しようとしているみたいにな。そういう意味では、本気でアメリカに日本を守る意志があるなら、ガス田や尖閣諸島でもめた時点で、(北朝鮮に対しては既に実行しているように)何らかの抗議姿勢を見せるのが本来のあり方だ。だが現実には、日本が北朝鮮に抗議すればアメリカもそれに同調する事はあるが、日本が中国に抗議してもアメリカは全く同調する事はない。つまりアメリカは、北朝鮮からの脅威に対しては少しは日本を守る気があるかも知れないが、中国からの脅威に対しては全く守る気がないととられても仕方がない。」

逆沢「悔しいけど、中国側によるアメリカに対する足止め策は、完全に成功しているのかも知れないわね。」

愛原「竹島問題でもそうだが、アメリカが日本と韓国の両方と同盟を結んでいる限り、どちらかを一方的にアメリカが支援する事はできない。つまり米中の間に不戦同盟的な関係が成立すれば、仮に日中戦争が勃発しても、アメリカは中立に徹さざるを得なくなる。外交とはそういうものだ。」

逆沢「つまり中国は今、アメリカと戦争をしたくないと思ってるけど、アメリカも中国にはうかつに戦をしかけられない、一種の不戦同盟的な関係が、米中間には成立している可能性があるって訳ね。」

鼎「とすると、もしアメリカが対中国行動を一切取れないと確信したなら、中国側はいつでも南沙諸島や尖閣諸島を押さえにかかれるって事なんだよね。」

愛原「まぁ、そうともいえる。少なくとも俺が中国側の指揮官なら、まずアメリカを足止めさせる策を最優先で構築する。アメリカが動けないと分かったら、もう怖い者はないからな。仮に日米同盟がいくら強固だとしても、アメリカが動かなければそんな日米同盟は無いも同然。場合によっては、米中同盟を結んで、【日本や韓国や東南アジアを仲良く食い物にしませんか?】という提案もアリだ。無論、この提案はアメリカ側から中国側に先に提案される可能性もある。」

逆沢「つまり同盟国をアテにし過ぎるのは危険って訳ね。」

愛原「マキアベリの著作に書かれてある思想の大きな柱の一つにも、【傭兵を頼るな】というのがある。まぁ傭兵だろうが同盟軍だろうが、要するにヨソ者はアテにならないという思想だ。ヨソモノはその国を守る為に戦っているのではない。戦争や敵対関係が終われば失職しかねないから、適当に緊張関係が続くように工作も行なうし、八百長もする。もちろん自分が死んだら終わりだから、命を賭けて戦うような事は決してしない。まして雇い主に義理立てて一緒に死んでやるつもりもないから、不利な局面とみれば雇い主を裏切ったり、乗っ取り行為や鞍替え行為も平気でする。だから傭兵にはできるだけ頼るなという主張だ。」

逆沢「ああ、なるほど。確かに日本と中国や北朝鮮があまりに仲良くなったら、在日米軍不要論は絶対に日本国内で出るだろうし、アメリカとしてはそれは面白くないだろうし、だからやたら隣国の脅威を煽るというのはあるかも知れないわね。」

鼎「この前も、中国側が領海侵犯をしたなんてニュースがあったけど、これはどう解釈したらいいのかなぁ?」

愛原「これも中国人に成りきって考えたら分かる。例えば俺がもし、日本を本気で武力制圧してやりたいと仮定した上で考えたならば、今の時期に領海侵犯行為などをして、日本人の不安だけを煽るような事は絶対にしない。そんな事をして警備を強化されたらやぶ蛇だし。むしろ徹底的に油断させて、がら空きになった隙に一気に制圧した方が好ましいので、今の時期に日本人の不安だけあおって、中国側に一文の得にもならないような事は絶対にしない。」

逆沢「ああ、言われてみればそうだわ。とするともしかして、中国側がアメリカをアシストする為に、あえて嫌われ役を買って出た可能性もあるわけね。」

愛原「100%無いとはいえんな。中国側としては、今は少なくともアメリカだけは刺激したくない訳だから、むしろアメリカに恩を売っておいた方が得策と考えても不思議はない。」

鼎「ところで今、北朝鮮がまた不穏な感じになってるよね。もし現実に日本がどこかの国に戦争をしかけられたなら、どういう展開になっちゃうのかなぁ?」

愛原「それも相手の立場になってシミュレートしてみたら、大体は分かるだろう。たとえば【中国vs日本&アメリカ】と戦争やむなしになったと仮定した上で、中国軍の司令官になったつもりで考えてみよう。」

逆沢「う、これはキツい。アメリカを足止めさえできてれば余裕なのに、なので日米連合軍が相手なのよ?」

愛原「まぁこのパターンは、アメリカ側から中国側に宣戦布告しない限り、まず発生しないシチュエーションだろうな。あるいはアメリカを足止めできたと思って、日本に戦争をふっかけたのに予想外にアメリカが動いた場合とか。」

鼎「うーん。この場合は、私はまず米軍基地のある沖縄・横須賀・佐世保・岩国あたりを優先的に潰しておくと思うよ。」

愛原「ほう。なんで?」

鼎「大日本帝国も、まず真珠湾を奇襲して、ハワイのアメリカ艦隊を潰しておいた事で、最初の数年間を有利に戦う事ができたよね。敵国の前線拠点を潰すのは軍事の常識だと思うし。特に飛行場を最初に潰しておくのは、今の軍事では当たり前みたいになってるし。」

愛原「空爆マニアのアメリカなら尚更だな。アメリカがパキスタンを必要としたのも、最大の理由は飛行場の確保だからな。」

逆沢「それでアメリカは、鳩山が提唱した桟橋方式も、拒否した訳ね。桟橋方式だと軽く空爆されるだけで、飛行場自体が海の藻屑に消えてしまう可能性があるから。」

愛原「しかしその論理だと、沖縄や横須賀は、抑止力で守られているどころか、逆にいち早く襲われる可能性のある危険な都市という事になってしまうな。」

逆沢「抑止力どころか、敵を呼び寄せる的になっちゃってる可能性すらあるわけね。」

鼎「米軍基地は、反米勢力にも恨まれてる分、テロリストにも狙われやすいし、確かにそれはいえるかも。」

逆沢「よく考えたら、平時は米兵の犯罪や騒音に悩まされて、有事になれば一番真っ先に標的にされるってんじゃ、米軍基地って疫病神そのものじゃん。」

愛原「アメリカが他国にいらん戦争をしかけて、世界から恨みを買うほど、日本が巻き添えに遭う可能性も増えるってのはあるかもしれんな。」


鼎「あ、でも戦争の動機によっては、違う方法もあるかも。日本人に対する憎しみとかが前提にあれば、福島県や福井県の原発をいくつか潰すだけで、日本をライフライン的に終わった状態にできそうな気がするし。あと横須賀の原子力空母を空から爆撃する事で、関東圏を強制終了できる可能性もあるかもしれないし。」

逆沢「北朝鮮ならやってくるかも。」

愛原「北朝鮮相手なら何とかなる可能性はあるかもしれん。空軍力はそんなに無さそうだから、ミサイルだけ警戒してればいい。後は先手を打って、ミサイル基地だけ潰すことができればな。ていうかもしも北朝鮮相手に、米軍の力を借りないとならないくらい日本の軍事力が貧弱だとしたら、これはさすがにヤバすぎる。アメリカへの上納金を削って、その分を直ちに日本自身の防衛費に回すべきだ。自衛官の人数自体は、実はイギリスの現役兵力とも大差ないし、軍事費自体もイギリスよりもずっと上なんだから、上納金を減らして自国の防衛費に回せば、十分北朝鮮やイギリス以上になれるはずなんだが。そしてイギリスクラスになれれば、おそらく中国も日本に安易に手は出せなくなる。総力戦を挑めばそれでも中国優勢だろうが、国際情勢がそれを許さないだろうしな。」


鼎「日本が一撃で中国にやられるレベルならどうしようもないけど、ある程度粘れるレベルなら、中国の一人勝ち状態になるのを喜ばない国際情勢がおそらく調停に持ち込むか、包囲網を敷く形になると思うよ。もちろんその場合は、インドやフィリピンや韓国などが先にピンチになった時は、日本も彼らと歩調を合わせて、協力し合う事が条件になるけど。」

逆沢「韓国の潜水艦の事件を受けて、日本が韓国に歩調をそろえて抗議行動しているようなものね。」

愛原「アメリカは同盟国を自称している割に、日本の領海が危機にさらされても、全然動いてくれないけどな。本当の同盟関係というのは、戦争という悲劇の形態に至るまでの段階で、助け合える関係のはずだ。今の潜水艦の問題のようにな。日本が他国に蹂躙されてから、海兵隊が得意の揚陸能力を生かして奪還活動をするのではなく、そもそも蹂躙されるまでに、それを未然に防ぐのが本来の国防のあり方だ。韓国が北朝鮮に侵攻されてボロボロになってから颯爽と駆けつけても、そんなのはただの漁夫の利行為だ。それこそ役に立たない傭兵軍。マキアベリズムそのものだ。」

鼎「日本政府も、アメリカがマキアベリズムに徹さないように、もしも傭兵に依存し続けるつもりなら、その辺をよく考えて欲しいよね。」

逆沢「私としては、実はかなりの潜在的な防衛力があるのに、日本政府がその予算の多くを傭兵代につぎ込んでる方が、よほど疑問だわ。並の先進国よりも、ずっとポテンシャルは上のはずだと思うのに。」

鼎「しかしアメリカからしたら、勝手に日本が弱体化してくれて、しかもアメリカ軍を強化して守ってくれる訳だから、何としても今の既得権益を死守したいところだよね。」

逆沢「アメリカの立場なら、下手に日本が強くなって、言いなりにならない状態にしてしまうよりも、脅したら屈する程度の方がずっとありがたいってのはあるかもね。鳩山は確かに反抗的だったけど、それでも脅しに屈するレベルなら、脅しに屈さない奴が政権のイスに座るよりも、ずっと扱いやすいってのもあるかも知れないし。」

愛原「アメリカにとって最も脅威なのは、金権などのスキャンダル一つない清廉な政治家が、日本のトップになるという事なのかも知れんな。弱みがない奴を脅すのは、かなり難しいからな。」

鼎「それで自民党政権は、アメリカからすれば望ましかったのかなぁ? 」

愛原「分からん。だが今の鳩山には、はっきり失望している。そもそもなんで5月末なんて期限を切って、共同声明まで出したんだ? あんな事をされると、次の首相の代になっても、普天間問題を仕切り直せないではないか? 一度、あの場所に飛行場を作ってしまうと、最低でも数十年は、もう沖縄米軍は動かせなくなってしまう。何十年に一度しか訪れないようなこの千載一遇のチャンスに、なんて事をしてくれたんだというのが正直な感想だ。」

逆沢「ゲーム作りでも、先に期限を区切って方針を固定してしまうと、とんでもない駄作になってしまう可能性があるからねー。」

愛原「鳩山に期待した俺は、今、本気で恥じて後悔している。なので俺は鳩山と違って、自分がそれなりに納得する形でじっくりと結論を出したいと思う。なので現状では、まだいつどの段階で公開するのは未定だ。」

逆沢「駄作はいくら時間をかけても、長い駄作にしかならないと思うけどねー。」

愛原「それを言うんじゃねえよ!!」













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