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愛原様のたわごと(10年7月24日)




愛原「最近、一番の楽しみと言えばダントツで野球だな。」

逆沢「野球は好きな人と全く興味のない人で、関心の程度が全く違うから、ネタ的に理解できない人も多いだろうけどね。」

愛原「ペナントレースもセリーグでは、3チームが優勝争いにからむようになって、以前よりも大変面白くなった。個人タイトル争いも面白い。そして昨日のオールスターも、藤川による3者連続三振が見れたのは幸福だった。」

鼎「分からない人には全然分からないし、つまんない話題だと思うから、その話はそろそろ終わった方がいいと思うよ。」

逆沢「大体、前回話した話題と全然違うじゃない? 参院選も終わったし、てっきり政局の話だとばかり思ってたのに。」

愛原「ああ、いかにもつまんない選挙だったな。もっと面白くなればいいなと思ってたが、あまりにもつまんな過ぎた。選挙翌日のニュース見て、はっきり失望した。」

逆沢「なんで? 与党は過半数割ったし、大体あんたの予想通りになったんじゃないの? ってか何で、翌日のニュースを見る必要がある? どこのテレビ局も選挙特番一色だったのに。」

愛原「選挙特番の時間帯は、サンテレビで阪神戦を観ていた。サンテレビ以外は、くだらん選挙特番をやってたようだが。」

鼎「もっと政治に興味のあるタイプだったと思ったのに、ちょっと意外と思ったかも。」

愛原「どう頑張っても投票日の内に選挙結果が確定する見込みがないのに、確定前段階のダイジェストなんか見てもしょうがないだろ。特に参院選の場合は、システムにも問題が多すぎて、見る気にもなれん。」

鼎「システムというと、確か1票の格差というのが、参院選はすごく大きいそうだよね。」

逆沢「2人区はどうせ自民と民主が1議席ずつ取るに決まってるし、1人区も自民か民主以外はほとんど議席を取れないような仕組みだしね。」

愛原「比例一本にすればまだマシなんだが・・・。ああ、でも有名人の票がそのまま政党票として上積みされるシステムは不快だな。まぁ一番不快なのは、全然懲りた様子のない自民党が、民主党のオウンゴールで勝手に息を吹き返した事だな。東京や大阪のような一部の大都市(要するに3人区以上)を除いて、自民か民主しか選択肢がないようなシステムはいい加減、廃止してもらいたいもんだが。」

鼎「でも自民党も民主党も、議員削減をよく公約に掲げたりもするけど、どちらの政党も比例だけを削る方針で一致しているよね。」

逆沢「究極の党利党略ね。2大政党が2大政党にとって都合の良いように選挙制度まで決めている印象ね。」

鼎「アメリカと中国の2強国家が、裏で手を組んで自分達の都合の良いように世界を動かそうとしているような感じかな?」

愛原「温暖化協議などでは、両国が裏で手を組んでるのが明白すぎるからな。一見、先進国VS新興国による争いに見えるが、実はこの構図を維持している限り、アメリカも中国も悪い意味で均衡が取れて血を流さずに済むからな。」


鼎「アメリカと中国が一番恐れているのは、第三勢力が結集して、アメリカと中国の両国に同時に圧力をかける構図だと思うよ。」

逆沢「でも実際の話。二酸化炭素の排出量は、アメリカと中国の2国だけで50%近くなるからねー。極端な話、この2国が協力しない温暖化対策は意味がないし、逆にこの2国の排出量さえ半減させることができれば、それ以外の全世界の国が一切協力しなくても、かなり目に見えて成果はあがるだろうしね。」

愛原「だからアメリカは先進国を巻き込みその勢力のリーダーとなり、中国は新興国を巻き込んでその勢力のリーダーとなっているんだ。そしてリーダー同士が話し合って、日本などの舎弟国家が一番損をして、リーダーだけは一切血を流さない内容の会談をまとめて終了。これが現実。本当なら【アメリカ&中国VSアメリカ以外の全先進国&中国以外の全新興国】の構図にすべきなのに。そもそも諸悪の根源であるアメリカと中国が、それぞれの陣営のリーダーになってる事自体が間違いだと誰も気付かない。」

逆沢「先進国はアメリカをひたすら助けようとするし、新興国は中国をサポートし続けるから、アメリカと中国にだけは、どうやっても有効なダメージを与えられないのよね。で、ダメージを受けるのは日本とかばっかり。」

鼎「日本の政治も、自民党と民主党が、それぞれの陣営のリーダー格であり続けるという構図は、これからも変わりなさそうだよね。どちらかが与党チームのリーダーとなって、もう一方が野党チームのリーダーであり続けるという構図は。本当なら第三勢力が結集して、利権まみれの2大政党をまとめて追放できればいいとも思うのに。」

逆沢「自民と民主のどっちがリーダーになっても、バラマキはやめない。利権もそのまま。足りなければ消費税やタバコの増税。対米追従も変わらない。2大政党制もやめないという強い意思が、このところ、見え見えだしね。」

鼎「マスコミ業界も同じだよね。一見、右より左よりみたいな色を出してるように見えるけど、実は大手の報道の内容は全く同じだしね。」

愛原「大韓航空機爆破犯をVIP扱いで報道する傾向も、どのマスコミもそんなに大差はないしな。また外国から笑われそうだ。拉致問題も制裁路線一色の横田夫妻グループばかり取り上げて、逆に蓮池さんらの主張する思想や路線が真面目に取り上げられる事はほとんどない。」

鼎「経済界でも、大手同士の駆け引きやライバル関係や競争はよく取り上げられるけど、【大手グループVS下請けグループ】みたいな感じで、対等に取り上げられる事はほとんどないよね。」

愛原「金持ち同士がいくら激しい戦いを繰り広げていても、貧乏人を蚊帳の外において搾取するという基本方針を守るという点では、常に一致しているからな。麻生太郎と鳩山由紀夫がいくら敵対していようが、10億円以上の財産を持つ者を対象として相続税をアップするといえば、二人とも歩調をそろえて反対しそうだ。」

逆沢「実際、自民党も民主党も、消費税に対する考え方も大差なくなりつつあるしね。」

鼎「結局、豊臣と徳川のどちらが天下を取っても、庶民の生活はそんなに変わらないのと同じようなものなのかなぁ?」

逆沢「政権交代して、もっと劇的に変わることを期待してたんだけどねー。」

愛原「という訳で今回のテーマは、【勇者は世直しができるか?】だ。」

逆沢「ほうっ。何でまたそんな突飛なテーマを思いついたわけ?」

愛原「うむ。RPGではよく勇者が登場するだろう。そして勇者は、平和を乱す大魔王なり軍事帝国などを滅ぼして、再び平和を取り戻すわけたが。事はそう単純な事なのか?とふと思った訳だ。ちなみに今回のテーマを思いつくきっかけになったのは、リンク先の某ブログ様宛からさらに伝ってこのサイトのNo33をプレイした事が主な理由である。」

鼎「注〜30分もかからない短編ですが、ちょっと鬱エンドです。」

逆沢「まぁ、この作品をプレイして率直に思った事は、勇者は政治家じゃなかったって事ね。」

愛原「そう。いわゆる王道RPGで登場する魔王や独裁者は、世界を滅ぼしたり、人類の平和を乱そうとする悪党である。だが本当に悪党かどうかは、あくまで主観の問題であり、要するに魔王達は、客観的に見れば【世直し(革命)を強要する者】でしかないわけだ。」

鼎「つまり勇者というのは、革命を起こそうとする者を武力づくで倒す一種のテロリストという解釈もできるって事かなぁ?」

逆沢「まぁ一般論で言えば、悪の魔王達も、武力づくで革命を起こそうとしている訳だから、どっちもどっちではあるわけだけどね。」

愛原「ともかく勇者のした仕事は、【革命(魔王達による世直し)を阻止した】だけに過ぎない。革命を起こそうと企む者が現われるまでの世の中が、いわゆるユートピアであったならば、革命を阻止した事で再びユートピアに戻るかも知れない。だが元の世界がユートピアという訳でもないのに、元の世界に戻したからといって、ユートピアな世界がそのまま実現できるはずがないのだ。」

逆沢「ていうか差別も貧困も既にある元の世界を、よりよい世界にする為には、それこそ真の意味での世直し(革命)が必要になるんじゃない?」

愛原「そう言わざるを得ない。つまり勇者が真の意味で平和で幸福な世の中を実現したいと願うならば、自らが王様なり改革を主導できる立場の者となり、革命を起こすしか方法はない。」

鼎「でも小説やゲームに登場する大抵の勇者は、魔王を倒した後にすぐに旅に出ていったりしちゃって、全然世直しをする気がないよね?」

逆沢「てか旅に出ちゃったりしたら、元々の権力者であった王族達が、その既得権益を背景にして、今まで通りの政治を行なうだけじゃない? 相変わらず自分達だけは贅沢な日々を送ったり、隣の国に戦争ふっかけたり、ふっかけられたりするだけの日常が再現されるだけというか。」

愛原「もしも勇者達が、魔王によって人間が蹂躙されるのは許せないが、人間同士で戦争したりするのは構わないと考えるのなら、それでいいのかも知れない。だがそうでなければ、勇者は人間同士の争いにも積極的に首を突っ込まないと話の整合性がとれない。」

逆沢「でも勇者って、女の子を誘拐するゴロツキとかは容赦なくシバキ倒すけど、あまり政治的な判断をするイメージがないのよねー。仮に特定の国が戦争に勝つように協力するにしても、明らかに個人的な好き嫌いが前面に出過ぎというか。」

鼎「でも大体の場合は、先に攻め込んだ方が悪の国で、勇者達は攻め込まれた国を守る為に活躍するってケースが多いよね。」

愛原「まぁ、それ自体は間違ってるとは思わないけどな。だが現実の人間の世の中は複雑だ。正義の国と悪の国にはっきり二分されているなんて事はほとんどない。正義の国にも貧困や差別はあるだろうし、悪の国と位置づけた勢力も、単に思考回路が違うだけかも知れない。@あの国は、鯨を平気で殺す野蛮な悪の国だ】とか【Aあの国はお金儲けしか考えない、醜悪な国民性の国だ。しかもそれで稼いだお金は、世界一の軍事大国の暴虐行為に利用されている】とか【Bあの国は、我が国の常識では考えられない非人道的な法律に基づき、我が国の国民を死刑にするような残虐で非民主的な国だ】とか【Cあの国は、かつて残虐な振る舞いをして世界を恐怖に陥れたにも関わらず、再び軍備を整え、世界を威圧しようと企んでいる危険な軍事大国だ】とか、色んな解釈方法があるからな。」

逆沢「ちょ・・・それ、嫌な意味でリアル過ぎるんだけど。」

鼎「けどそれらのシチュエーションって、全部、RPGの世界観でも応用できそうな気がするよね。例えば【C60年前、先代の勇者が魔王を滅ぼした。だが魔王の子孫が再び力を蓄え、世界を恐怖に陥れようとしている。再びモンスターも大量生産され、世界に姿を見せるようになった】とか【@あのモンスターは人間を喜んで食べる。しかもただ食べるのではない。残虐に刃物で切り刻んだり、皮をはいたり、ゆでたりもする極めて残虐なモンスターだ】とか【Bかの邪教集団は、罪なき我々の同志を極めて理解不能な理由をもって、死刑にしたという。しかもそれを全く恥じる気も改める気もない。それどころかその考えをさらに広めようと企んでいる以上、もう放っておく事はできない】とか【Aあの悪徳商人は、貧しき民をだまし、極めて劣悪な環境で民達を働かせているという。しかも彼らは悪代官に献金し続ける事で、役人達の摘発もくぐり抜けているようだ】とか。」

逆沢「本当に見る角度次第では、日本人全員が滅ぼされるべき悪のモンスターに含まれそうで嫌な感じだわ。」

愛原「まぁ、何が正義かはここではあえて触れない。だが重要なことは、【魔王を滅ぼせば、それだけで本当に素晴らしい世の中が実現するのか?】という事だ。」

鼎「よく政権交代すれば日本は良くなるとか、日教組がいなくなれば日本は良くなるとか、色んな主張をする人がいるけど、世の中、そんな単純なものじゃないよね。」

逆沢「でもRPGや時代劇の世界では、憎むべき悪を滅ぼせば、自動的に世の中が良くなるという前提になっているけどね。」

鼎「そう言えばネットの世界では、いわゆる戦犯をすぐに決めつける人が割といるよね。何か嫌な事が起これば、誰々のせいに違いないとか。」

逆沢「天災まで人災という事にして、誰かに責任を押し付けたがる人もいるしね。」

鼎「何でもかんでも、【憎むべき悪を滅ぼせば、それで世界は良くなる】という論法は、考えてみればすごく危険だよね。」

逆沢「Aを滅ぼした事で、Aを苦手としていたもっと凶悪なBが大手をふって暴れるようになったみたいな例も、動物の世界では珍しくないしね。」

鼎「邪悪な誰かの虚言を信じて、良い人を悪い人だと勘違いして始末してしまったりしたら、みんなにとって大変な損害だよね。」

愛原「ただ多くのRPGは、あえて【こうすれば世界は良くなるだろう】という部分を、あえて触れたがらない気はする。それどころか【変革を企む者を滅ぼせば、とりあえず世界は最悪の事態から回避できる】みたいな展開ばかりなのは、さすがにどうかとすら思う。」

逆沢「確かにそれは言えるかもね。でも実際の世の中も、そんなとこ、結構ありそうな気はするけどね。」

鼎「過去の政権が、何か新しいことをしようとする度に、反対が出て潰される事も珍しくなかったよね。」

逆沢「特に利権がらみは、激しい反発ばかり起きるわね。公共工事を減らすとか、年金給付額を減らすとか、公務員の人件費や天下りを減らすとか言えば、必ずその既得権益で得していた人から激しい反発が出るし。」

愛原「たとえば年金を例に取れば、年金はそもそも老後の安心を保障する為の社会保障事業なのだから、元々お金を持ってる人に配る必要はないのだが、なぜかそういう議論すら出ようとしない。まぁみんな、もらえるもんはもらいたいし、それを止めるといったら、それだけの額をもらえるはずの人はきっと怒り出すだろうからな。」

鼎「子供手当てなども、もしもそれが当たり前になってしまったら、後で止めたくなっても止められなくなりそうね。子供がいる世帯って結構多いし。」

逆沢「公共工事なんかもそうだけど、毎年これだけの収入があると思いこんでる工事業者がいる限り、それを減らそうとすれば、絶対に猛反発はでるだろうしね。」

鼎「差別をやめさせようと思えば、被差別階級を見下す事で優越感を感じていた人や、特権的待遇を得ていた人が反発すると思うし。一部の人だけが得をしたり、一部の人だけが損をするものをやめさせようとするのは、なかなか難しいよね。」

愛原「だが石炭関連業者が困るからといって、いつまでも石油などの他の資源に切り替えなければ、きっと今の日本は無かったように、変えなければならない部分も、本当は多いはずだ。前原のアホがフェリー業界が可哀想だから、四国の橋の料金だけ他より高くするとかホザいてるが、お前は四国400万人の生活と経済と、フェリー業界のどっちが大切なんだと。フェリー業界の人が気の毒だと思うなら、転職支援だのフェリーの他分野での利用促進策などをやれというのが、俺の本音だ。少なくとも四国の人だけ、差別的に扱う理由など全くない。」

逆沢「私としては、天下り問題とか特定業界や宗教団体だけを対象にした優遇税制とか、明らかに特定の個人や団体だけが得をする利権にメスを入れろって気分なんだけど。」

鼎「けど今まで得をしてた人から、その得してた部分を削ろうとすれば、きっとその人は反発するだろうし、難しいよね。」

逆沢「与える方の革命は楽だけど、取り上げる方の革命は本当に難しいわね。」

愛原「で、結局、世直し自体を諦めてしまう例が多すぎる。特に民主党はひどい。何かを変えようと思えば、誰かから反発が出るのは当然なのに、業界から怒られたらそれを引っ込め、役人が抵抗したらそれを骨抜きにし、アメリカから圧力を受ければさっさと詫びを入れる。世直しとは、ある意味、世直しをして欲しくないと考える保守層との戦いなんだという事が全く分かっていない。」

逆沢「このままだと、石炭業界の圧力を受けて石炭時代から石油時代にいつまでも移行できないみたいな感じになって、日本は取り残されそうでちょっと怖いわ。」

鼎「けど日本人の多くは、革命自体は決して嫌がってないよね。むしろ自民党時代と大して変わらなかった事に関する失望感も強そうな感じだし。」

愛原「早い話が【総論賛成、各論反対】という奴なんだ。財政赤字を減らしたいという総論には賛成だが、自分がもらえるお金は減らされたくないし、自分が払うお金は増やされたくないという事。で、庶民は大企業や官僚と比べるとはるかに立場が弱い。だから最も立場の弱い庶民からお金を巻き上げる事で財政赤字を解消できれば、大企業も官僚も満足という話になってるだけの事だ。」

逆沢「なんか二酸化炭素の排出量を減らしたければ、強い立場のアメリカや中国が努力せず、弱い立場の他の国が頑張ればいいという構図になってるのと同じ感じね。」

鼎「議員定数を削減したければ、自民党や民主党の議席を減らすのではなく、その他の弱小政党が消えていけばいいという感じで比例枠ばかり絞っているのも、そういう感覚だよね。」

逆沢「何か強い者が主導する世直しって、ロクなものじゃない感じね。」

愛原「とか言って、弱い者に世直しなんかできないからな。ただそれでも弱い者が集まって、強い者に対抗する事ならできる。あるいは自分達の味方となってくれる者を応援する事はできる。」

鼎「まして魔王様を倒せるくらいに強い勇者様なら、ある意味では王様よりもずっと強いし、私達が主導するよりも、ずっと世直しもしやすいはずだよね。」

逆沢「但し、本人にそれだけの気持ちと才覚があればの話だけどね。少なくとも【自分の気に入らない奴をやっつけたら、それで世の中は良くなるはずだ】と考えてるような子供脳の勇者が下手に政治に口出すと、自分自身が(自覚なき)第二の魔王なり独裁者に変質しそうな感じもするし。」

愛原「【自分にとって都合のいい世の中】とか【俺が気持ちいいと思う世の中】が最善と考えるような勇者なら、そいつの行なう世直しの結果、人々はきっと勇者を恨む事になるだろうな。」

鼎「けど逆のパターンもあるよね。勇者が魔王なり独裁者なりを倒した後、その圧倒的な強さを恐れた王様や国民が、勇者を恐れたり警戒するようになるってオチのシナリオも全くないとはいえないし。」

愛原「勇者が第二の魔王になったら手をつけられないという恐れがあるのは理解できる。特に王族からすれば、勇者も魔王も自分達の権力を武力づくで脅かす事ができる危険因子でしかない訳だから、【勇者と魔王が相打ちになって、両方とも滅んでくれればいいのに】というのが偽らざる本音だろうな。王族は、【もしも革命などが起きず、現状を維持する事ができれば、その権力を最も容易く維持できる】存在なのだから、ある意味、保守の中の保守だろう。」

鼎「もしかしたら世直しを最も嫌っているのは、王族とか権力者と言われる人なのかも知れないよね。」

逆沢「勇者といわれる人の多くは、より平和でより幸福な世の中を望み続ける理想家だと思うけど、そう考えると勇者の最大の敵は、異界の魔王ではなくて現世に君臨する王族・貴族かも知れないわね。彼らがロクな政治をしないから、差別も貧困もなくならないわけで。」

鼎「もしかしたら既存の王様が憎み嫌う魔王や独裁者達は、単なる世直し主義者なのかも知れないよね。だから【あいつは魔王だ。アイツは独裁者だ。】と悪い噂をばらまいて、王様の既得権益を破壊しようとする人達を排除しようとしているだけかも知れないよね。」

逆沢「現実世界でも、アメリカなんかは敵対国の事を必ず【悪い国】と決めつけて、制裁したがるしね。世界の王様状態であるアメリカも、世直しイベントが起こって、自分達の地位が脅かされたら嫌なだけかも知れないのに。」

愛原「だが人間社会では、権力を持っている者ほど、総じて保守的だ。なぜならば【変えない】事で、彼らの権力が保たれる訳だから。王様の手先となって、王様の既得権益を脅かす魔王やライバル国を武力づくでつぶしまくるだけの勇者は、ある意味、最もタチの悪い権力者直属のテロリストかも知れない。」

鼎「勇者が本当の意味で、幸福で平和な世の中を作ろうと思えば、結構大変そうだね。」

愛原「自分の仕える王様が、いわゆる有能な善政家であれば、一番話は早いんだけどな。」

逆沢「日本のような国を舞台に、勇者が幸福で平和な世の中を作ろうとすればどうすればいいのかな? 自民党や民主党の党員になって、その手先として勇者稼業を進めても、・・・絶対に世直しはできそうにないわね。」

鼎「勇者の所属する国も、最初から大国とは限らないよ。だから弱小政党を育てるくらいの意気込みで行動するのもいいかもしれないよ。元が弱小なほど、自分の発言力も大きくなりやすいから、自分好みの世の中を作りやすくなると思うし。」

愛原「勇者自身に政治の才能があるなら、自分が革命者となって陣頭指揮をとるのが一番早い。幕末の桂小五郎や坂本龍馬達は、維新志士という名の冒険者であると同時に、高い政治の才能も持っていた。逆に【とりあえず敵対陣営に所属する奴を斬る】事しか頭にないような物騒な人斬りも幕末には多くいたが、彼らは所詮、誰かの操り人形か、混乱の元凶でしかなかった。」

逆沢「新撰組なんかも、当時の日本の王様である幕府の為に人斬りを行なう武装集団だったけど、新撰組はある意味、魔王を討伐する為だけに存在するような最も安物の勇者タイプだったのかも知れないわね。」

愛原「【自分の思想に合わない憎たらしい奴を、正義の名の元に斬る】しか脳のない勇者は最も危険だ。変な宗教にハマったら、何をしでかすか分からん。」

逆沢「ただネットの世界でも、そういう安物の勇者タイプを、ちらほら見るけどね。何か事件や不祥事がある度に、誰かのせいにして上から目線で叩く事しかしない奴とか。本当に世の中を良くしたければ、気に入らない奴を叩くだけじゃなくて、【自分ならどうやって世の中を良くしていくか】みたいな視点も必要なのに。」

愛原「【敵を攻撃する】だけで世直しができるはずがない。勇者が真に理想の世の中を作りたいと思うのなら、既得権益の保守にどっぷり浸かった王様任せにするのではなく、政治の勉強もすべきだ。それ次第で、ただの人斬りで終わるか、歴史上の偉人として名を残すか、きっと差も出るはずだ。」













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