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愛原様のたわごと(10年9月6日)




愛原「うーん。率直に言って時間が欲しい。時間が足りない。」

逆沢「あたしゃ、こんなクソ暑い季節なんか、さっさと早送りしたいくらいなんだけど。」

鼎「季節的には9月だから、一応、秋のような気もするんだけど、本当に暑いよね。」

愛原「暑いのはたまらんが、時間が早く過ぎるのはもっと困る。もう9月なのかと思うと、正直ゲンナリする。【光陰矢のごとし】とは言うが、本当に早すぎる。今年が終わるまで、あと3ヶ月半余りしかないではないか?」

逆沢「今作ってる作品の製作に取りかかってから、とっくに1年以上かかってるわね。」

鼎「でもそれは仕方ないと思うよ。今まで製作した作品も、本格的な作品になれば、数年がかりという事も珍しくないし。」

逆沢「まぁ、それもそっか。7lcwシリーズも、赤竜編と北狄編を加えるだけで、1年近くかかったし。」

愛原「まぁ作者を缶詰にしたら、もっと早く完成する事は間違いなさそうだが、まさか作者に仕事や他の趣味を一切やめさせる訳にもいかんしな。」

逆沢「ゲームを作るだけじゃなくて遊ぶ方も好きだし、休日はすぐに遠出したがるし、プロ野球があったらそれに夢中になってる時もあるし、そりゃそんな寄り道ばっかしてたら、制作が進むはずもないわ。」

鼎「学生さんだったら、それでも時間は取りやすい方だと思うけど、社会人の場合は、本当に時間が取りにくいというのもあるよね。」

逆沢「いっそのこと、ニートになっちゃえば?」

愛原「作者は金持ちのボンボンではないので、ニートになったら、ネット回線も解約する羽目になって、ゲーム作りにかまけている余裕自体も吹っ飛ぶぞ。」

逆沢「うーん、残念。作者を缶詰にするのは、結局どうやっても不可能か?」

愛原「だから欲しいのは、あくまで時間。実は今、制作と平行して、最初から通しのテストプレーも進めているのだが、これが本当に時間がかかる。」

逆沢「ん? 今回はSRPGみたいなジャンルじゃないから、プレイ時間はわずかで済むと思うんだけど。」

鼎「確かRPG的な戦闘部分も含まれたAVGという話だったよね?」

愛原「うむ。といっても、もう戦闘部分だけでも100戦を突破したからな。戦闘が100戦あるという事は、その戦闘にまつわるシナリオ自体も、100はあるという事だ。もちろん戦闘に至らないシナリオも、かなりあるし。いくら一戦闘あたり1分ちょいのサクサクシステムといっても、やはりトータルのテストプレー時間は、かなりかかる。」

逆沢「戦闘部分で3分もかからないなら、テキスト部分はどうせ誰も読まないしから早送りで済ませるし、テストプレーも余裕なんじゃない?」

愛原「どうせ誰も読まないなんて、酷いこと言ってくれるなよ。それじゃAVG仕様にする意味が無くなってしまう。」

鼎「でもプレイヤーの皆さんは斜め読みでさっさと読み飛ばせるけど、作者まで斜め読みで済ませてしまったら、肝心な事が抜け落ちていたり、誤字脱字も頻発する事になるから、その辺はちゃんとチェックしないと駄目だよね。」

愛原「うむ。だがこの作業が、正直かなり時間がかかる。たとえるなら文庫本を、いちいち音読しながら読み進めているようなものだからな。」

鼎「AVGは、プレイする方からしたら楽ちんっぽいけど、作る方からしたら、意外と大変って事かな?」

愛原「まぁ7lcwも、テキスト量は多めだったし、ある程度は予想の範囲内ではあるけどな。ただテキスト量は7lcwよりも明らかに多い。まぁ今回はウディタ仕様なので、連射機能のあるゲームパットを使えば、テキストの早送りも可能な分、プレイヤーに優しくはなってるが。」

鼎「つまりゲームパット推奨って事かなぁ?」

愛原「うむ。公開後、マウス仕様にすべきという要望が強く起これば、マウス仕様に切り替えられるようなレイアウトにしているつもりだが、現時点ではゲームパット推奨という形にした。ホームセンターに売ってるような数百円のものでも、連射機能がついているものも探せばあると思うし、それくらいは負担してくれてもいいと思う。まぁフリゲまでプレイするようなゲーマーなら、始めからゲームパットを持っている人も多そうな気もするしな。まぁ無ければないで構わないが、あると読みたくないテキストを楽に早送りできるので、推奨はしておく。」

逆沢「おいおい。作者自身が、テキストの早送りを推奨してどないすんねん?」

愛原「でもプレイヤーの立場に立てば、今時、テキストの早送りは基本だろ? まぁ7lcwのように、マウス連打によるテキスト早送りも悪いとは言わんが。」

鼎「執筆してる方は結構、手間がかかってたりもしてるんだけど・・・。」

愛原「まぁ、それは仕方ない。プレイ時間が数十分のゲームを作るのに半年以上かける、フリゲ作者さんも珍しくないようなものだ。」

逆沢「まぁプロの小説家も、似たようなものみたいだしね。読む方は1日もあれば、文庫本の一冊くらい読み終えてしまうけど、それを執筆している小説家さんは、数ヶ月から半年以上かけてるって事も、全然珍しくないし。」

鼎「それで最初から、通しでテストプレーをしてみてどんな感じだった?」

愛原「最初から通しでプレイしてみると、やはりパーツを製作し終える為にテストプレーをしていた時とは、雰囲気がだいぶ違ってくるな。正直、反省部分も多いのだが、全部手直しすると一から作り直しになってしまうので、シナリオに矛盾が生じない程度に微調整を繰り返しながら、うまく辻褄を合わせるようにしている。まぁ厳密には、矛盾と呼べる程、変な展開にはなっていないが、既に説明済みと思っていた事が説明仕切れてなかったりみたいな事は、意外とあった。」

逆沢「キャラの性格設定や能力設定や過去設定に、矛盾が生じるような事にはなってないでしょうね?」

愛原「大きな矛盾までは生じてないと思うが、調整中。一度に情報を詰めこみすぎてもプレイヤーがついてこれないし、とかいって説明不足でもいけないからな。あと今回の主人公は、無個性型にした為、シナリオに方向性を持たせるのに思いの外、苦労している。」

鼎「ほえ? 方向性?」

愛原「うむ。主人公が理想や大志、あるいは目標意識を強く持つタイプの場合、シナリオに方向性を持たせる事も、かなり楽になる。【甲子園で優勝する】でも【悪の魔王を倒す】でも【ハーレムを作る】でも何でもいいから、とにかく理想像とか目標意識が一つは欲しい。」

逆沢「つまり何の理想も目的意識もなく、ただダラダラ生きているような主人公は一番困るって事ね。」

鼎「でもそういうタイプって、意外と多くないかなぁ? 意見を求められたらコメントもするし、不愉快な事があれば批判したり怒ったりもするけど、積極的に理想をかなえる為に努力したり、強い目的意識を持って頑張る人って、必ずしも多いとは言えないよね?」

逆沢「質問に応えたり、批判したり怒ったりするのは、ある意味では条件反射というか、刹那的な行動に過ぎないというか、受動的な反応でしかないけどね。」

愛原「というわけで今回のテーマは、【理想や目的意識をもった能動的な人間。そうでない人間】だ。」

逆沢「おー! 今回はなんか説教くさくなりそうというか、すごく偉そうなテーマねー。」

鼎「なんかこういうテーマの話をすると、必ず【少年よ、大志を抱け】と言わんばかりに、積極的に理想や目的意識を持って生きる人間の方が高く評価されがちだよね?」

愛原「まぁ、それはやむを得んな。まさか【理想や目標意識の一つも持たず、ダラダラ生きろ】なんて薦められるはずがないからな。」

逆沢「でも変な理想や目的意識を持つ人間ほど、迷惑な存在はないとも思うんだけどねー。ほら、たまにいるじゃない。頼みもしないのに特定の思想や宗教を、やたら人に押し付けようとする人とか。」

愛原「この手の話は、政治思想を例に取ると一番分かり易いと思う。たとえばお前ら、ノンポリを自称する人達をどう思う?」

鼎「ほえっ? ノンポリというと、確かノンポリティシカルの略だよね。特定の政治思想や政党を応援する事なく、無関心に徹する政治思想といえばいいのかなー?」

逆沢「一番、中立っぽい思想に見えるけど、そうじゃないのかな?」

愛原「【中立】と【無関心】と【欲望や思いつきのままに】というのは、それぞれ全然、中身が全く違うぞ。だが現実世界のノンポリには、この3種類が混在しているような気がしてならない。」

鼎「本当の意味で【無関心】な人なら、何かの政治的な話題が出る度に、いちいち文句をいったりしないよね?」

逆沢「いちいちこまめに文句をつけたりする人なら、それなりに関心だけはありそうだから、真の意味でのノンポリとは言えないと思うわ。」

鼎「【中立】【欲望や思いつきのままに】も、中身は全然違うよね?」

逆沢「自分にとって都合のいい意見こそが、一番中立とか、一番世の中にとってベストとか、思いこんでる人も世の中には多そうだけどね。」

愛原「中立というのは、定義づけ自体が難しいけどな。一方、【欲望や思いつきのままに】というタイプについてだが、これは自覚症状が自分にあるか否かで、扱いが変わるだろう。【俺は、俺にとって都合のいい法案や政党を常に支持する】という信念をはっきり持っている場合は、彼は利己主義という政治思想を強く持った人間といえる。つまり絶対にノンポリではないし、ただ衝動的にダラダラ生きているとも言い切れなくなる。」

逆沢「自覚症状のないタイプの方が、よほどダラダラ生きている可能性があるかも知れないって事か?」

愛原「ダラダラ生きているとは限らないが、誰かに踊らされているだけの場合もある。どちらにしても自分の意思など、有って無いようなものだ。」

逆沢「つまり能動的に生きている人間と、受動的に生きている人間の差ね。」

愛原「そうなるな。能動的な人間は、理想をかなえる為に積極的に行動したり、自分自身の抱く理想の中身について強く関心を持って学んだりもする。逆に受動的な人間は、自分の置かれた状況が今より悪化しそうと感じたら、その時初めて、文句を言ったりする程度。しかも能動的な人間ほどには、裏付け調査などもしっかりしないまま、刹那的に判断したり行動する事も多い。同じ【欲望のままに】行動する人間でも、計算高く動く能動的な人間と、ただ振り回されてパニックになるだけの受動的な人間とは、中身が全然違うのだ。」

鼎「中には、計算高く見えるだけで、実は計算高くもない人も多いよね。たとえば諦めの早い人とか。」

逆沢「ああ、なるほど。言われてみれば【これが現実だからどうしようもない】とか【世の中を変えられるはずがない】とか【無駄な努力はしない主義だ】とか言って、結局、ぶつぶつ文句を言うだけで、何もしない人も多いわね。」

愛原「現実主義といえば聞こえはいいが、内実はただの諦め根性でしかないケースも多いからな。あと現実主義を自称する人間の多くは、受動型ばかりのような気がする。自分が動いて相手を振り回すのではなく、相手が動いたのを見てから、自分の行動を決めるタイプだな。」

逆沢「日本の外交なんか、まさにそんな感じね。日本側から他国に要望する事はほとんどないのに、他国から圧力をかけられたら、過敏に反応しちゃうあたりとか。」

鼎「米を買え、牛肉を買え、我が国の戦争を支持しろ、過去の侵略を謝罪しろ、クジラは捕るな、二次元ポルノは規制しろみたいな感じで、常に外国から日本に要望されるケースは多いけど、日本側から外国に、能動的に要望する事なんて、確かに言われてみたらほとんどないよね?」

逆沢「他国から要望や圧力を受けてから、いち早く賛同したり、曖昧戦術でお茶を濁したり、強気に反対する事はあるけど、こちらから相手国に要望する余裕がない以上、防戦一方なのは一緒だしね。相手国からしたら、仮に日本に要望を断られても、逆に日本側から新たに要望させない時点で、少なくともマイナスにはならない訳だから。」

鼎「日本って、もしかしてすごく受動的な国民性なのかなぁ? 他人を振り回すよりも、他人の目線や意見ばかり気になるタイプというか。」

愛原「分からん。ただ積極的に【今より良くしよう】というのではなく、【今より悪くならなければそれでいい】という受動的な思想の勢力が強そうな気はする。ただいずれにしろ受動タイプは、ドラマを作る上では面倒な存在だ。何しろ追い詰めてやらないと、自分からは大してドラマになるような行動をしたがらないからな。」

鼎「それで主人公には、理想や目的意識のあるタイプの方が望ましいという事になるのかな?」

逆沢「ただもし日本人の多くが受動型だとしたら、主人公も受動型にした方が、プレイヤーの共感は得られやすいんじゃない? ほら、ヤンデレの美少女が主人公の生活をかき回したりするような作品も多いし。」

愛原「受動的な主人公を活躍させようと思えば、別の誰かに積極的に動いてもらって、主人公をかき回してもらうしか方法はないからな。つまりこの場合は、脇役なり悪役が強力な能動型である必要がある。何かの理想に燃えていたり、何かの目標に向けて突っ走るタイプの脇役や悪役がな。」

鼎「なんか脇役や悪役の方が、格好良くなっちゃいそうな気もするかも。」

逆沢「変な思想や信仰を持ってる悪役なら、味のある嫌われ役にはなりそうだけどね。」

鼎「けど受動的な主人公を中心とした物語だと、【理想をかなえる形】のエンディングではなく、【元の平和(幸福)な状態に戻す形】のエンディングになりそうだよね。だって主人公は、今より悪くならなければそれでいいだけだし。」

愛原「だから主人公が、能動的に変わっていくタイプのシナリオもあるのだ。【いつの間にかヤンデレの美少女に情が移って、命を賭けてまで守りたくなる】とか【殺された親友や師匠の仇を絶対に取ってやると決意する】とかみたいにな。かつて何の目標も持たなかった主人公が、いつの間にか強い目的意識を持つように変わっていく。こういうタイプのシナリオは案外多い。」

鼎「きれいな形のエンディングにつなげようと思うなら、どんな受動的な主人公にも、いつかは理想像なり目標を持たせてあげた方がいいって事かな?」

愛原「そうなるのかも知れんな。」

逆沢「今作ってるゲームは、無個性型らしいけど、最終的には何かの目標なり理想を持つように変わっていくのかな?」

愛原「アクの強い目標や理想を持つようにすると、プレイヤーがどん引きする可能性があるから、基本的には他のキャラにシナリオ自体を牽引させるスタイルを維持する予定だ。まぁその辺は深く追及するな。第一、そこまでまだ作り込まれていないしな。」

逆沢「やれやれ。まぁ期待しないで待ってるわ。」









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