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愛原様のたわごと(10年10月18日)




愛原「今回のテーマは、派閥だ。」

逆沢「こらっ。テーマに移るまでに言わないと駄目な事があるでしょ? なぜ更新を半月も放置した?」

愛原「このコーナーは隔週がデフォルトなんだから、半月ペースなら普通だろ? 何でそんなどうでもいい部分で突っ込む?」

逆沢「いや。でも大体週末更新が、ここのデフォルトだし・・・。」

愛原「一日遅れたくらいで気にするな。今週末は色々あったのだ。」

鼎「クライマックスシリーズの中継見るのに、忙しかったのかな?」

愛原「あいにくそんな時間はない。勤務超過と体調不良のダブルパンチとか、その他色々。」

逆沢「殺されても死なないようなタイプのくせに、何が体調不良だ? そんな事で同情を買えると思ったら大間違いよ。」

鼎「どっちかというと【ざまあみろ】というのが、読者の率直な感想だったりして。」

逆沢「あぁ、そんな気もするわ。やっとこのウザいコーナーが終わるかと思った人もいるかもね。」

愛原「終わらん終わらん。何者かに襲われたりして、作者の安否に異常でも発生したりせん限りわな。」


鼎「そう言えば、ウチのサイトのゲームって、伝統的に社会風刺色がすごく強いから、それだけでもある種の人を敵に回しやすいよね。」

逆沢「日本の利権団体とか、アメリカの軍産複合体がモデルっぽい組織とかがよく登場するけど、あんまり度が過ぎると、その内、アメリカか日本の政府の手の者に襲われたりして。」

鼎「今作はその辺で、ちょっとくらいは配慮とかされてる感じなのかなー?」

愛原「こらっ。人のゲームを不謹慎ゲームみたいに言うな。登場人物の一人一人は、それぞれノンポリであったり、特定のイデオロギーを崇拝していたり、色んな奴がいるが、作品全体としては常に特定の思想を推奨しているわけでもなく常に中立というのが、あくまで公式見解だ。」

鼎「なんかエロゲの断り書きみたいだね。」

逆沢「て事は今回も、色んな偏った思想の持ち主が色々いるわけね?」

愛原「まぁ、そういう形にはなるんだろうな。現実世界にも(君からみて)ウザい人間がいっぱいいるように、ゲーム内にも(君からみて)ウザいキャラクターはそれなりに登場するだろう。(君からみて)間違った方向に世の中を変えてやろうと考えるキャラも当然、普通にいるはずだ。」

逆沢「いちいち(君からみて)というキーワードが挿入されている事自体も、最高にウザいんだけど。」

愛原「つまりお前からみてウザいと思っても、別に人間からみると燃えや萌えの対象になる事もあり得るという事だ。と、前置きはその辺にして、そろそろテーマに入ろうか?」

逆沢「ところで何で今回のテーマは、派閥なのよ?」

愛原「前回、仲間をテーマにした事もあり、今回はその続編という形だ。仲間というかグループができるのはいいが、現実世界では、そのグループが一枚岩と言うことはほとんどなく、複数の派閥に分かれてしまいやすい。このメカニズムを考えていきたいという事だ。」

鼎「そう言えば、そうだよね。自民党の中にたくさんの派閥が存在したのは有名だけど、実際には民主党とか他の党にも、それぞれ派閥はありそうだもんね。小さい党の場合は目立たないだけで。」

逆沢「そして派閥争いが激化すると、内部分裂を起こしちゃう事すらあるわね。中世以前なら、複数の派閥が別々の後継者を擁立して、醜い後継者争いを繰り広げたり。現在でも政党ごとに代表争いをしたり、会社でも後継者争いは起こるし、本当に仲間同士で、何でそんなにケンカばっかりするって思いたくなる時もあるわ。」

鼎「けど【人が3人寄れば、派閥ができる】という有名な言葉もあるよね?」

逆沢「つまり3人が対等に仲良しというケースはほとんどなくて、2人と1人のグループに分かれたりする方が多いという事かな?」

愛原「人間には、競争原理という概念が備わっているからな。3人の内、1人だけが圧倒的なリーダーシップをもっていて、そいつが全体を公平に統御できていれば派閥争いも起きないだろうが、そうでない場合に派閥争いは起きやすいようだ。」

鼎「3人とも実力が拮抗していると、派閥争いが起きやすいという事かなぁ?」

逆沢「いやいや。実力が拮抗しても、それだけじゃ争いにはならないでしょ。むしろ実力が拮抗しているにも関わらず、【誰かを出し抜きたい】と欲をみせた奴が一人でも現われた時に、初めて派閥争いが起きそうな気が私はするんだけど。」

愛原「【誰かを出し抜きたい】という気持ちは、競争原理の心理そのものでもあり、向上心の動機付けにもなり得るものだから、単純否定はしない。しかし【誰かを出し抜く】という行為自体は、3人の間に上下の序列を作ろうとする行為でもある。1人が上に立とうとして、残りの2人の内の一人でもそれを素直に受け入れようとしなかった場合、その2人が軸となった派閥争いが起きるという方が、正確な表現だとは思う。」

逆沢「ああ、なるほど。1人が上に立ちたいという野心を持っていても、残り2人がそれを素直に認めたら争いは起きないだろうしね。」

鼎「けどその上に立ちたいと考える人間が、それだけの器を持ってなければ、下に置かれる2人は当然反発するよね。」

愛原「そう。さすがに2人に同時に敵対されると具合が悪いから、狡猾な野心家の場合は、自分以外の2人のうち1人を事前に取り込む事も考えられる。1人を勝手にライバル視して、そのライバルを出し抜くために残り1人を味方につくよう抱き込もうとするわけだな。」

鼎「うーん。けどせっかく3人で上手く行ってるのならそれでいいのに、何でわざわざ仲間内で波風を立てようとするのかなぁ? その心理が私には分からないかも。」

愛原「人間は、序列や区別が大好きだからな。3人一緒にいて、一人だけ趣味が違ったり、一人だけ出身地が違ったりするだけでも、疎外感を感じる事もあるし。無論、共通項が多ければ良いだけではなく、逆にライバル心を刺激してしまう事もある。人間というのは、【仲間がいると安心する】生き物であるくせに【誰かを踏みつけても上に立ちたい】生き物でもあるため、こういう困った争いが、ささいなきっかけで勃発する。」

鼎「政治家になろうと考える人は、普通の人よりも野心家が多いせいか、すぐに派閥を作ったり、派閥に属したり、派閥抗争に熱を上げる人が多いような気がするよね。」

逆沢「特に大政党になるほど、派閥争いの規模も大きくなりやすいような気もするわね。一昔では派閥と言えば、自民党の代名詞だったけど、今では民主党の方が、親小沢とか反小沢とか派手な派閥争いをやってるし。」

愛原「野党時代の民主党は、自民党という巨大な敵対勢力がいたため、内部で派手に抗争する余裕もなかった。重要なのは自民党を倒すことであり、その為に最も適性のある人材(選挙に勝ちたい時には選挙に強い小沢一郎。鋭い舌鋒とクリーンなイメージで自民党にダメージを与えたい時には菅直人といった具合に)を選ぼうという気概が強くあった。だが政権を取ってしまった今では、敵は自民党ではなく、自分の出世や政治理念の成就を阻む、同党の中の敵対派閥という事になってしまったんだろう。」

鼎「なんか小沢一郎さんって、幕末維新の西郷隆盛さんとかぶる所があるよね。幕府を倒すためには西郷の力が必要という事で薩長同盟が結ばれたけど、幕府が滅んだ以上、もう思想の異なる西郷はいらないという事で排除されたような感じで、小沢さんも反小沢陣営に脇に追いやられた感じがあるし。」

逆沢「でも親小沢派は親小沢派で、政権を取ったら反小沢派を干し上げてやろうとしてたわけだから、お互い様のような気はするけど。」

愛原「その通りだな。ちなみにこれは、与党時代の自民党も全く変わらない。そもそも小泉純一郎と麻生太郎なんか、水と油と言ってもいいくらい、政策理念に差があるからな。無論、森喜朗、古賀誠、加藤紘一、河野洋平、安倍晋三、谷垣禎一・・・、皆、それぞれ目指す方向が微妙に違う。だから派閥抗争も普通に起こす。」

逆沢「今の政治不信の元凶ね。例えば自民党の親小泉系と民主党の親前原系とでは、経済政策から外交政策までかなり近いんだから、そういう感じで政治理念が近い者同士で集めて政界再編してくれちゃったらいいのに。」

愛原「だが小選挙区制度では、それも難しいだろうな。例えば前原グループが自民党に鞍替えしようとした場合、その選挙区に元々いた自民党の候補者はどうなるんだという問題がある。また前原グループが自民党にいくなら、それと正反対に近い思想の麻生太郎や古賀誠らのグループが自民党に居残り続けるのは大きな矛盾になる。じゃあ古賀誠らのグループが小沢一郎のグループに属し、安倍晋三らのグループが平沼赳夫らのグループに属するか? 自分達こそが元祖自民党と思いこんでる麻生や安倍は、おそらく嫌がるだろう。」

鼎「もし政策理念別に政党を再編しようとすれば、最低でも5つ以上の政党に分かれなくちゃならなそうだよね。」

逆沢「二大政党制向きの小選挙区制を続けている限りは、政界再編はなかなか難しそうね。」

愛原「今の日本の政治が右往左往しまくってる問題は、政党が政党の役割を果たしていない事も理由の一つだろう。何せ政党自体ではなくその中にある派閥が、実質的に政権を運営しており、しかもどの派閥が党内抗争で勝つかも、なかなか読みづらくなっているからな。」

逆沢「そもそも小沢グループが復活するかどうかもまだ分からないし。仮に反小沢派が政権を守り続けても、今度は反小沢派内で派閥抗争が起きるかもしれないしね。」

鼎「小泉路線にクリソツの前原派と、それよりは穏便な野田派と、市民派志向の菅派では、そもそも反小沢陣営でも目指す方向はかなり違うよね。」

逆沢「うっかり前原グループが中核になろうものなら、小泉政権時代とどこが違うねんって感じになりそうだわ。」

愛原「特に菅直人は、他人を攻撃する時は元気だが、自分の政治信念をまったくといっていいほど持ってない人間みたいなので、どの方向に転ぶか全く予想がつかん。」

鼎「野党時代に自民党を攻撃したり、この前の総裁選挙で小沢さんを攻撃する時だけはやたら元気だったけど、ライバルを蹴落とす攻撃力が高い割に、【じゃあ政権をとったら、自分はこういう政治をしてみたい】というのが、菅さんの場合は、全くなさそうだもんね。」

愛原「市民運動家出身というだけあって利権に無関心っぽいのはありがたいが、国民に愛されたい気持ちだけが強すぎて、それ故に嫌われる可能性がある派手な改革を、決して行えないタイプだな。全てにおいて行き当たりばったりの安全運転というか、手探り状態過ぎて、見ていて怖いわ。」

鼎「でも、たくさんある派閥のバランスをうまく調整しながら、組織全体を運営しようとすると、そうなっちゃいやすいのかも知れないよね。」

逆沢「親小沢系を干しあげてしまってる以上、民主党内の過半数を維持する為には、残りの派閥全部の意見をバランスよく採り上げないと駄目だから、そうなりやすいって事かな?」

愛原「調整型リーダーの限界だな。学校の委員長向きかも知れん。」

逆沢「ああ、そういえば学校のクラスにも派閥は、やっぱりあるわね。」

愛原「スポーツも勉強もそこそこできる平凡に社交的なグループ。不良グルーブ。体育会系グループ。文化会系グループ。孤立に近い小グループ。中には複数の派閥を行き来するどっちつかずの生徒もいたりして、確かに派閥というのは、どこにもある感じだな。」

鼎「学校の委員長なども、小泉純一郎みたいな独断的なリーダーシップを発揮するタイプよりは、当たり障りなく任期を全うしたい人の方が多そうな気がするよね。」

逆沢「小泉の場合は、特定の派閥を抵抗勢力呼ばわりして、自分に敵対的な派閥をはっきりと潰しにかかってたけどね。いかにも独裁者タイプのリーダーというか。」

鼎「つまり学校で例えれば、委員長がいきなり、【風紀マナー徹底宣言】をして不良生徒の撲滅をはかったり、あるいは【体育祭のクラス対抗戦優勝宣言】をして、クラスメートを強制的に朝練に呼び出したりするようなものかな?」

逆沢「日本の学校では、あまりお目にかかりにくいタイプのリーダーね。生徒会長などでも、派手な事をやらかすタイプは、そうはいなさそうだし。」

愛原「まぁ日本の学校の場合は、派閥間抗争やクラス間競争が起きにくい構図の為、それでも問題ないのだろうな。選挙に負けたら失業したり、のろのろしてたら誰かの下に置かれてしまいかねない政治の世界ならそういうのんきな事もいえないだろうが。ただアメリカなどの場合は、日本以上にはっきりとスクールカーストがあるという話も聞くからな。」

逆沢「ああスクールカースト。聞いたことあるわ。カリスマ性のある人気者が率いる大派閥ほど、クラス内での立場が良くなり、そこから外れる小派閥や個人ほど、見下されたり、差別されやすいとかいう奴ね。」

鼎「けど大きな派閥の最下層と、小さな派閥のメインなら、どっちの方が上なのかなぁ?」

愛原「それは大企業の窓際族と、自営業者のどちらが上と聞いてるようなもので、ケース・バイ・ケースだろうな。寄らば大樹の陰タイプの人間なら、あくまで大派閥の末端に居続ける方が安心できるだろう。逆に自分の時間を確保したいとか、余計な人間関係のしがらみを嫌うタイプならば、独立もしくは小派閥にいる方が快適だろう。小派閥の方が派閥全体の格差は緩やかなので、支配欲もあまりないが支配されたくもないタイプにも向いていそうだ。但し、小派閥から天下取りを目指すのは難しい。これは自民党の派閥がまさにそんな感じで、野心の強い者ほど、大きな派閥に属したがる傾向というのは、ここ最近の5年ほどを除いて、ほぼ当てはまった。」

逆沢「それでも小さい派閥をあえて選ぶ政治家もいるけど、これは何が理由なのかな?」

愛原「与党時代の自民党のパターンでいえば、一番多いのは、しがらみの問題。次に何らかの理由で、大派閥に所属できないor所属したくない理由がある(選挙区が重複するなど、不倶戴天のライバルが大派閥にいるとか、大派閥の主力メンバーとケンカしているなど)。後は小派閥の方が機動性が高く、自分の意見が(その派閥の中では)通りやすい。独裁的なボスにこき使われるのが好きじゃない(小派閥のボスは、子分が逃げてこれ以上派閥の規模が小さくなる事を嫌う為、総じて管理が甘い。)。大臣ポストなどが若干手に入りやすい(100人いるような大派閥でも大臣ポストは通常5くらい。逆に10人程度の派閥でも最低1はもらえる事が多い為)。派閥を乗っ取りやすい(麻生太郎なんかも、河野洋平から事実上派閥を乗っ取った)。などなどかな。」

鼎「やっぱり大きい派閥の方が、ライバルも多い分、登りつめるのは大変そうだよね。でも大きな派閥で出世したければ、どういう努力が必要かなぁ?」

愛原「とりあえず人間関係に対して機敏というか、マメでなくては話にならんだろうな。個人の能力も重要だが、いくら能力だけが高くとも、人間関係をおろそかにしていては、大派閥では出世しにくいだろう。あと舎弟やシンパ、後見人(自分を尊敬してくれる部下。自分を支持してくれる同僚。自分をバックアップしてくれる上司)などが確保できると、出世競争の上ではかなり楽になる。企業など利害関係が大きなウエイトを占める組織内の場合なら、地位や権力があるほど、舎弟に関しては作りやすい。学校の場合はそう単純ではないが、家がお金持ちで色んな遊び道具を貸し出せる環境にあったり、社交的で頼りがいもありそうなイケメンで女の子を誘いやすい男性などの場合は、やはり若干はリーダーシップを発揮しやすいだろう。」

逆沢「でも派閥の中で出世したいのは自分一人じゃないだろうし、そうなると激しい争いが派閥内でも繰り広げられそうな感じもするんだけど。」

鼎「競争をあおる事で組織全体が活性化するメリットもあるだろうけど、いきすぎると派閥が分裂する危険性もあるし、この辺はどう調整したらいいかなぁ?」

愛原「冒頭に既に触れたが、トップが圧倒的なリーダーシップを発揮することさえできてれば、特に問題はない。将来、自分の地位を脅かすようなナンバー2を作らないようにしておけば、自分自身のカリスマ性(部下の心をつかむ能力など)が衰えるまでは、その派閥の結束はほぽ安泰だろう。」

逆沢「けど現実は非情なもので、どんな英雄でもいつかはもうろくしたり、死んじゃったりする訳だけど、これはどうすればいいわけ?」

愛原「それは後継者をどう選ぶか次第としか言いようがないな。後継者に指名した人物がイマイチなら、それに従わないメンバーが出たりして、内紛に発展しても仕方がない。また能力は十分でもトップに対して反抗的であったり、野心ギンギンの人間を後継者に指名しようものなら、トップが健在のうちから、トップを引きずり下ろすべく画策したりして、【当主VS次期当主候補】の形で内紛が勃発しかねない。これは戦国時代の武田家などが最も典型例だろうな。」

鼎「確か武田信玄さんは、自分の父を追放して政権を乗っ取って、その後は自分の長男も切腹に追い込んだりしてるよね。」

逆沢「武田家の歴史は、親子でだまし合いの歴史そのものね。信玄さんもその息子さんも、親父さんから平和的に政権を譲ってもらえるまで、いい子を演じて我慢しようとか思わなかったのかな?」

愛原「良くも悪くも英雄肌の限界だな。せっかちという事かも知れん。武田信玄だけに限らず、その息子の武田勝頼にしても、あるいは織田信長にしてもそうだが、この手の人間は先代から仕える老将を大切にせず、自前で新たに側近をそろえたがる癖もあるから、派閥がギクシャクする事もあるのも問題だ。」

鼎「そう言えば武田信玄さんは、4名臣と呼ばれる重臣(内藤・馬場・高坂・山県)達を新たに抜擢してるし、その息子は息子で4名臣をなしがしろして別の側近達を重用してるし、織田信長さんにしても、佐久間さん、林さんといった先代からの重臣達をないがしろにして、誰の手垢もついていない羽柴・滝川・明智などといった臣を結構重用してたよね。」

逆沢「小泉純一郎も、どっちかというと武田信玄や織田信長のタイプに近そうね。従来の派閥均衡人事を無視して、自分に忠実なイエスマンをたくさん抜擢してたし。」

鼎「けどそういう切り捨て人事ばっかりやってると、一部の仲間からは恨みも買いやすいよね。」

逆沢「実際、織田信長は敵も多く作りすぎて最後に自滅したし、武田勝頼も先代が見いだした名将達がどんどん特攻自殺したりして、あえなく滅んじゃったしね。」

愛原「逆に毛利輝元などの場合は、吉川元春・小早川隆景・福原貞俊などといった先代が残した遺臣をそのまま重用した。毛利輝元といえば凡人のイメージがぬぐえないが、それでもその凡人ぶり故に、派手に部下に逃げられたり、めぼしい反乱を起こされる事もなく、結果的に雄藩として生き延びた訳だから、凡人肌の調整型リーダーもそう捨てたものではない。」

逆沢「調整型リーダーってのは、ひ弱なイメージがあって、私はあまり好きじゃないけどねー。」

愛原「それは偏見だ。田中角栄にしても、基本は調整型リーダーだぞ。敵には容赦しないが、味方に対してはすごくマメなタイプだ。田中角栄なんか、自分が大臣を務める役所の官僚らの誕生日までいちいち覚えていて、誕生日プレゼントなどを贈ったりして、人心掌握にも努めていたほどだからな。確かに田中角栄は部下に鉄の忠誠を強要する怖いリーダーでもあったらしいが、その代わり、部下が選挙に落選しないように徹底的に資金援助したり、応援演説にも積極的に回りまくったりするなど、面倒見も良かったらしい。自分に逆らった奴をその日の内に切り捨てる小泉のようなタイプとは、本質的に違うのだ。」

鼎「そういえば、民主党の小沢一郎さんは田中角栄さんの愛弟子だったらしいけど、やっぱり小沢グループも鉄壁の派閥集団なんて呼ばれてるよね。」

逆沢「あれだけ国民からみて評判が悪いにも関わらず、小沢グループの人達の結束は相当のものみたいだしね。」

愛原「つまりそれだけの面倒を、小沢一郎という人は子分にみてやってると言うことだ。こういう部分は、国民にはなかなか分かりづらいけどな。」

逆沢「派閥のリーダーってのは、なかなか大変そうねー。子分の心もつかまないといけないし、野心ギンギンの子分の反乱や謀反も防がないとならないし。」

鼎「でも子分の方も、所属する派閥はよく選ばないと大変だよね。自分と全然考え方や趣味が違う派閥に所属すると、毎日が苦痛になっちゃうし。大きな派閥にも小さな派閥にも、良いところと悪いところがあるし。」

逆沢「今、作ってるゲームのパーティーの人間関係はどんな感じ?」

愛原「とりあえずリーダーの地位は、安定してるぞ。もっともこの傾向は、7lcwの時と全く同じだが。」


逆沢「ああ、そういえば7lcwシリーズに登場する君主は、配下に寝首をかかれそうな人望のない君主はほとんどいなかったわね。アンタを除いて。」

鼎「とすると今回の主人公のポジションは、また一組織のリーダーなのかな?」

愛原「ああ、それは全然違う。主人公はあくまで組織の一メンバーに過ぎん。まぁ話も長くなったから、今回はこの辺で。」


















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