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愛原様のたわごと(10年11月20日)




逆沢「更新、遅いっ!」

鼎「前回から3週間近く経っちゃったよね。」

愛原「気にするな。どうせ誰も心配してないから。それにウチのコーナーが更新してないだけで、新作のスクリーンショットを入れたりはしてるだろ?」

逆沢「全く反応ないけどね。」

愛原「うーん。スクリーンショットのページへのアクセス数は、そこそこあるんだけどな。まぁマイペースで開発を進めればいいかなとは思ってるぞ。ただ先に目標を決めて期限を区切ると、色々しんどい思いはあるな。確かに自分自身にハッパをかけるという意味では、いつまでに作品を出すと決める方法は有効だろうが、いざやってみるとなかなか大変だ。」

逆沢「ん? 予想外のトラブルが発生したとか?」

愛原「まぁトラブルはなくもないが、とりあえず今の所は想定の範囲内。それよりも作者のリアル生活が忙しくなってる事もあって、想像以上にテストプレーに時間がかかるのがつらい。」

鼎「プレイ時間は、どれくらいになる予定?」

愛原「AVGだから、早送りすればいくらでも短くなるが、普通にプレイをし、なおかつ途中で投げ出さなければ、一週間くらいは十分遊べるんじゃないのか? 社会人なら。」

鼎「社会人よりも時間に余裕のある学生さんとかならどうかな?」

愛原「うーん。あまり缶詰になって短期集中で終わらせるタイプのゲームじゃないから、その点は何ともいえんな。」

逆沢「テストプレーしてて、これは良くないなぁーと思う部分はある?」

愛原「かなりあるな。例えば、オプション設定の中身でももっと凝りたい部分も多々ある。だがここの作者的には、今の状態(つまりデフォルトの状態)に大きな不満はないから、他の人にとっては不便かもしれないなーと思いながらも、どうしても後回しになってしまっている。この点はご意見がいただければ、改善するかも知れないという事で、とりあえず今はそのままの形で出そうかと考えている。あとプロローグ部分も改善の余地がかなりありそうだが、迷いに迷った結果、とりあえずは今のままで行く予定。」

鼎「迷いに迷ったという事は、プロローグ部分に関して、今でも納得できない要素があるって事なのかなぁ?」

愛原「うん。俺も色んなAVGやRPGをプレイしてきたが、そこで思う事は大体次の2点だった。一つは【長ったらしいプロローグうぜえな。内容もくだらない日常の光景の垂れ流しだし、早く本編入れよ。】という感想。もう一つは【しょっぱなから色々詰めこみすぎるなよ。訳の分からない専門用語までバンバン出しやがって。プレイヤーを置いてけぼりにすんじゃねえ】という感想。」

逆沢「うーん。随分とわがままな感想ねー。【お前、何様やねん】と突っ込みたくなるくらい。」

鼎「でも最初のつかみは、なかなか難しいよね。プロローグなしでいきなり本編に入ってもいいけど、それだと世界観も人間関係もさっぱり分からずじまいで、プレイヤーが何をしてよいか全然分からなくなるリスクもあるし。」

愛原「うん。本当に悩む。そして悩みに悩んだ結果、苦渋の決断ではあったが、それでもプロローグなしだけは、AVGとしては致命的にやばいだろうなという事で、ちょっと長いプロローグをあえて入れる事にした。戦闘部分も、鼻歌交じりで何とかなる程度のものをプロローグ部分に少し入れたりもしながらな。」

逆沢「嘘つき。私、試しにやってみたけど、第6戦なんかどうやっても、勝てなかったわよ。」

愛原「第4戦と第5戦以外は、負けてもゲームの進行に全く関係ないから気にするな。いつも勝つだけでなく、たまには負けを経験する事も含めてのチュートリアル扱いだ。」

鼎「第6戦を終えたら、いよいよ本編だよね。」

逆沢「最短でプレイしても、本編に移行するまでに、15分はかかりそうな印象を受けたけど。」

愛原「見なくても良いイベントも含めて、真面目にテキストを読みながら進めてたら、1時間でも足りないかも知れんな。まぁ世界観や人間関係を知る上では役に立たない事もないだろうから、だるいと思ってもそこは勘弁して欲しい。」

逆沢「まぁ市販のAVGとかでも、ヒロインとのくだらない掛け合い漫才とか、どうでもいい日常とかを散々流す作品は無数にあるから、いちいち驚かないけどね。」

愛原「遊び手としては、くだらない日常シーンはダルいだけかも知れんが、作り手の立場としては、それはやはり必要なものなのだ。無ければ無いで、プレイヤーが【はぁ? あんた誰? ここはどこ? 君何してんの?】のオンパレードになってしまうからな。」

逆沢「なるほどね。まぁそこは根気よくお付き合い下さいって事になるのかな?」

愛原「うむ。いいアイデアがあれば積極的に改善したいとは思うが、そういう部分も含めて色んなご意見をいただければ非常にありがたい。」

逆沢「まぁ、とにかくしばらく放置していた間も、それなりに製作はちゃんと進めていたと判断して良い訳ね?」

愛原「そう判断してくれ。尖閣諸島での例のビデオが流出したと世間が騒いでいる時も、【それがどうした?】といわんばかりの何食わぬ顔で、真面目にゲーム製作を進めていたぞ。」

逆沢「おいおい。それはそれで一国民として無責任な気がしなくもないんだけど・・・。」

愛原「俺よりも無責任な奴は、国会にもたくさんいるから気にするな。俺としては、流出ビデオの事よりも、日本シリーズの地上波野球中継が全試合行なわれなかった方が、よっぽど大ニュースだったくらいだ。」

逆沢「あー、確か半分くらいしか放送されなかった気がするわね。私もなめてんのかと思ったわ。」

鼎「確か東京キー局のお偉いさんが、【中日VSロッテ】では視聴率が取れないと勝手に判断して、それで放送される日数が減らされる事になったんだよね。」

愛原「東京キー局の連中は、何でもかんでも東京目線で判断するから困る。確かにこのカードでは、東京では視聴率は取れにくいだろう。2007年に行なわれた【中日VS日本ハム】戦でも、関東での視聴率は平均12%ほどだった。だがこれはあくまで東京目線のものに過ぎず、中日や日本ハムの本拠地がある名古屋や札幌では、最高40%。平均30%もの視聴率が取れていた。紅白歌合戦並の高水準といってよい。」

逆沢「でも名古屋も札幌も、所詮日本全体からみればローカルだしねー。」

愛原「それは認識が甘い。例えば今年の【中日VSロッテ】の場合、両球団の本拠地は名古屋と千葉だから、関西人からみれば、一見どうでもいい組み合わせだよな。だが実際には試合中継があった第6戦と第7戦では、平均20%もの視聴率を関西でも出している。これは龍馬伝よりも4%も高い視聴率なんだぞ。ってか同週の関西で他に視聴率20%を越えていたのは、【探偵!ナイトスクープ】しかないくらいだしな。」

鼎「関西でも20%なら、野球熱の高い四国とか他の地方でも、それなりの視聴率は出てそうだよね。」

逆沢「関東では、とある日の日本シリーズの視聴率は、早慶戦をも下回ったなんて報道も見たことあるけどね。」

鼎「関東と関西では、番組の好みが全く違うのかな?」

愛原「分からん。だが少なくとも、関東に次ぐ人口密度を持つ関西地方と中日の本拠地である東海地方の人口を合わせれば、3500万人になり、関東地方の総人口と大差なくなる。関東で視聴率が取れなくとも、その埋め合わせは余裕でできる数字のはずだ。そこらのバラエティー番組で、視聴率15%を越える番組自体、ほとんどないんだから。」

逆沢「それで、ぶりぶり怒っちゃってるわけね。」

愛原「日本シリーズを映さないで、じゃあ代わりに映していた番組が何かと思えば、見る気も起きないバラエティー番組ばかりだし。公共の電波も、いつの間にかすっかり悪い意味での商業の論理に乗っ取られてしまった感じだな。

鼎「バラエティー番組って、商業の論理的にはオトクなのかな?」

愛原「現在、採算性の良い番組は大きく2パターンに分かれると思われる。一つは番組内で特定の何かを宣伝するタイプの番組。表向きは【主婦目線をウリにしたお得情報番組】というスタンスだが、実態は特定の商品や商店。イベント会場や旅行プランをただ宣伝しながら垂れ流す番組そのものだ。」


逆沢「あーあー。そういう番組。言われてみれば確かに最近、すごく増えた気がするわ。格安旅行を紹介したり、デバートや展示場などでイベントがあればそれを紹介したり、時には都内のデパートの開店セールとかリニューアルオープンセールとかも取り上げたり。」

鼎「私達からしたら心底どうでもいい、スカイツリーや羽田空港がらみのイベントの宣伝とかも、この前見た事があるよ。」

逆沢「羽田空港発の格安旅行なんか宣伝されても、こっちの住民には全く関係ないわって感じだし。そんなの関東広域圏ローカルだけでやってろよとか、本気で思うわ。」

愛原「こういう番組の場合、通常のCMによる収入だけでなく、番組内宣伝による収入も見込めるからな。あー、これは無責任な憶測で言ってんじゃないぞ。本当に冗談抜きで、テレビ局はこの手の番組内宣伝をやる際には、その対象となる企業や団体からカネなり別の便宜を得ているからな。ちなみにニュース番組なんかで、デスクの上に、特定の映画の宣伝とか書いたボードを置いてる事もあるが、あれもその手合いだ。」

逆沢「番組の中で宣伝するのは、テレビショッピングくらいにしとけやって感じね。改めてカラクリを知るとなんかガックリだわ。」

鼎「採算性の良いもう一つの番組は?」

愛原「下請けに肝心な部分を丸投げできる番組だ。例えば【衝撃の映像を入手】とか【●●にお詳しい××先生によるコメント】とかの名目で、番組内のほとんどはビデオを流すだけで、余った時間だけ、ビートたけしとかがコメントする番組とかあるだろう。」

逆沢「あー、そういう番組も増えてるわ。メインのタレントはスタジオでずっと偉そうにしていて、肝心の大部分は三下のレポーターが走り回ってるような番組。」

愛原「こういう番組も、比較的採算性は良い。肝心な部分は、ブラック企業並の薄給激務で下請けが全部やってくれてるからな。」

鼎「アニメ業界なんかも、結構厳しい職場環境と聞いた事があるけど。」

愛原「アニメ業界も、アニメ製作会社などが実質的に下請け同然に製作している事が多いから、テレビ局側からみて採算効率が良いと思われたなら枠は増えるだろうし、逆なら枠も減るだろう。」

逆沢「うーん。公共の電波が、商業の論理ですごく私物化されてるというか、汚されているような気がしなくないけど。」

鼎「という事は、特定の団体がたくさんのお金をテレビ局に支払えば、テレビ局はその団体に有利な形の宣伝や報道もやりかねないって事だよね。」

愛原「それは既にやっている。例えば10年以上前までは、CMはほぼ100%国内企業関係のものに限られた。だがここ10年ほどの間に、外資系保険会社とか外資系IT企業などがやたらCMを流すようになったからな。その結果、ある国に関するネガティブな情報がほとんど流されなくなってしまった。」


逆沢「ある国って、アメリカ以外に考えられないんだけど。」

鼎「10年前までなら、沖縄米兵による少女レイプ問題なんか、ものすごい大問題にとして取り上げられてたよね。」

逆沢「今なら、米兵の不祥事が大ニュースになる事なんてまずないけどね。」


鼎「という事は、もしも中国や韓国系の企業が、CMをたくさん流すようになったら、それらに関する批判的な報道もなくなっちゃう可能性があるって事だよね。」

愛原「そりゃ普通にそうなるだろう。日本人の感覚では、企業と政府の癒着の構造が理解しにくいかも知れんが、アメリカでも中国でもロシアでも、政府の息のかかった企業というのはいくらでも存在するし、特定の企業を政府がバックアップする事も多い。日本の民主党政権は、トヨタがアメリカで袋叩きにされてる時にも他人面していたが、アメリカならこんな事は絶対ありえない。もしも日本政府がビッグ3の一つでもつるし上げにしようとした場合、アメリカ政府は絶対にそれを阻止するべく、強力な圧力をかけてくるぞ。」

逆沢「まぁ他国では、大統領や首相自らトップセールスに立つ例も珍しくないし、特定業界の利益の為に、貿易協定のルールを変えるべく政府が直接動く例も珍しくないからね。」

鼎「中国のレアアース問題でも、中国国内の各企業は、政府の意思に忠実に反応したよね。」

愛原「しかし中国が特殊なのではないぞ。アメリカでも実は似たようなものだ。まぁこの手の話をすると、現代スパイ戦術の話からしなければならなくなるので、今回は割愛するが。まぁ現代スパイ戦術に関するウンチクに関しては、また他にネタがなくなった時にでもゆっくりやってもいいかもな。なぜ中国政府がグーグルを国外に締め出したかとか、グーグルが街中を巡回中にパスワードを盗み取ろうとした話とか、この手のネタ話はいくらでもできるからな。」

逆沢「じゃあ結局、今回は何をテーマにするつもり?」

愛原「今回のテーマは、【理想と現実】でいきたいと思う。」

鼎「ほえっ? なんでそういう内容のテーマにしたの?」

愛原「ゲーム作りでも日本の政治でもそうだが、理想をかなえようとしても、現実の壁を前にして妥協を余儀なくされる時ってあるよな。こういう時、よく【現実に屈した】みたいな表現をする事がある。その一方で【現実路線に舵を切った】として前向きに受け止める事もある。この辺の話を、ちょっとしてみたいなと思ったんだ。」

逆沢「ある意味、理想と現実って、対義語扱いになってる事が多いわよね。」

愛原「俺はそういう扱いにはしたくないけどな。俺に言わせれば【理想は戦略レベル。現実は戦術レベル】で、どちらも無視できない要素そのものだ。例えばゲーム作りを例にとってみよう。まずゲームを作りたいなんていう人は、当然ながら理想を持ってるよな。」

鼎「【みんながあっと驚くような、面白いゲームを作ってみせるぞ】とか【●●みたいなシステムのゲームを作ってみせるぞ】とか【××みたいなキャラクターが大活躍するゲームを作ってみせるぞ】とか【売れるゲームを作ってみせるぞ】とか、色んな形の理想像があるよね。」

愛原「そう。理想とはモチベーションと置き換えてもいいかもしれない。これがないと、ゲーム作りなんて奇特な事をやり遂げられる事はまずないだろうし。」

逆沢「つまり理想があってこそ、前向きに人は動く事ができるって事ね。」

愛原「仮に何の理想もなければ、人は何の努力も挑戦もしないだろう。【良い大学に行きたい】とか【もっと異性にモテたい】とか、人は目指す目標があるからこそ、前向きに突き進めるのだ。」

逆沢「しかしいざ理想をかなえるべく動き出したら、必ずと言ってもいいほど、現実という名の障害物が立ちはだかるのよね。」

愛原「おいおい。現実は障害物扱いなのか? それは違うだろう。【現実なき理想は、妄想に過ぎない】という事をお前達は、もっと認識すべきだ。」

鼎「ゲームを完成までこぎつける為には、たくさんの現実の壁を越えなくてはならないよね。」

逆沢「あー、システムを作ったり、シナリオを書いたり、絵や音楽の素材を準備したり、たくさんの実務的な作業が確かに必要になるわね。」

愛原「そう。妄想の世界で終わるのではなく、実際にゲーム作りを完成させる為には、それだけの現実的な対応が必要になる。俺が【現実は戦術レベル】と言ったのも、それが理由だ。」

鼎「つまり理想と現実は相反するものではなく、実は両方ともないと、実体としての完成体にはならないという事かなぁ?」

愛原「そういう事にもなる。もちろん、理想と現実との間に距離がある場合、それをすりあわせる作業も必要だ。例えば絵が描けないなら、絵描きさんを別途調達するか、素材を別途調達するしかない。そのどちらも嫌なら、修行して自分で絵を描くしかない。理想と現実の距離を縮めるとは、そういう妥協をする事でもある。」

逆沢「でも安易な妥協を繰り返すと、ろくなもんにならない気もするんだけど。」

愛原「もちろん、そういう高潔な精神は大事だ。だが自分が大した男でもないのに、【性格も抜群に良くて、お金持ちで、しかもモデル並に外見も良い結婚相手を見つける】なんて大それた目標を設定しても、それは無謀だろう。そりゃあ自分がそれだけ立派な男に将来なれるという目算があるなら結構だが、そうでもないのにそれにこだわるのは、それこそただの妄想と言わざるを得ない。理想は高いが、現実が見えていないと言われてもやむを得ない。」

鼎「逆に現実に妥協しまくって、理想がどこにあるか分からない人もいるよね。」

愛原「受動的な人間には、そういうタイプが多そうだな。何かの目標に向かって突っ走るタイプではなく、ただ今の生活水準を維持する為だけに仕事をしてたり、自分の意思があまりなくて他人の目線や評価を気にしながら物事を判断したり、そういう人間が結構いる事は確かに認める。まぁこの辺の話は9月6日にもしたから、いちいち深くは語らないが。」

逆沢「どんな小さな事でもいいから、やっぱり理想はもってた方がいいのかな?」

愛原「他人に多大な迷惑をかけるものでなければ、理想はあった方が人生も楽しくなっていいとは思うけどな。ブログのアクセス数を稼ぐも良し、自慢のコレクションを充実させるも良し、ゲームのスコアを伸ばすも良しだ。冗談抜きで理想や使命感のある人ほど、歳をとってもボケにくいらしいしな。但しプレッシャーが強くなりすぎると脳梗塞とかで倒れる可能性も高くなるから、ストレスがたまりまくるような内容の理想や使命感を持つのは、お年寄りには勧められないが。」

鼎「つまりストレスという形に変わらないレベルの理想を持てれば、最高って事かな?」

逆沢「けど理想はある程度は高くないと燃えないし、理想をかなえようとすればトラブルもつきものだから、ある程度のストレスは覚悟する必要もありそうだけどね。」

愛原「体育会系の人なら、目的達成までに避けられない苦痛の部分を、快感に変えるのが得意な人も多いらしいけどな。」

逆沢「それはただのマゾだって。でもマゾの人の方が、少々のトラブルがあっても頑張れるかも知れないけどね。」

鼎「ところで民主党政権も、大風呂敷とも言えるほどの大きな理想を掲げて政権をもぎ取って見せたけど、どうも最近ひどくなる一方だよね。これはどう評価したらいいのかなぁ?」

愛原「俺としては、政治家に全知全能を望むつもりもないから、ある程度は寛容でいたい所だが、さすがにもう支持できない水準に来たという心境だな。今の民主党は、理想をかなえる為の努力の跡が見えないというか、理想自体をポイ捨てして、それと真逆の事をやりまくりだ。ぶっちゃけ軽蔑の対象になりつつある。」

逆沢「おおっ。軽蔑とまで言いだしたか。」

愛原「でも考えてみろ。民主党はそもそも、自民党がやってきた政治の悪い部分を否定する目的をもって設立された政党だぞ。それがなんだ。かつて自分達が野党の時に自民党を散々非難してきた時の内容と、同じ事をやりまくりではないか? 逃げの答弁に終始するのも醜いし、政権維持の為に不適性な大臣をかばうのも見苦しい。事業仕分け自体は良いが、族議員化した民主党議員達が裏に回って、次々と看板だけ変えた事業を復活させまくっている光景も汚らしい。無駄な公共工事を減らすどころか、その一番手のなるべき八ツ場ダムの件も棚晒し。財政再建どころかバラマキ放題。かつてあれだけ問題視していた年金問題はどうなった? 自民党が与党だった時に問題点とされてきた点を、まるまる維持し続けている有り様ではないか?」

鼎「結局、現実の壁を越えられなかったというかなぁ?」

愛原「ってか、壁を越える努力自体してないだろ。壁の方が勝手に壊れてくれると思ってたけど、そうじゃなかったから、さっさとUターンしたような感じだ。特に対米外交なんか、今では自民党政権時代の状態に戻すべく、スタート地点に向かって全力でダッシュし始めた感じだぞ。ゴールに向けて走らなきゃならないのに、逆にスタート地点に突っ走る馬鹿がどこにいる? 理想をかなえる為に妥協する事はあっても仕方ないと思うが、理想自体をなかった事にして、それでいて偉そうに政権の座に留まろうという心理が理解できん。」

鼎「でも公約100%とはいかないだろうし、他にやりたい事や理想の政治とかがあるなら、それをやり遂げる為に一部の理想を諦めちゃう事は誰でもあると思うよ。」

逆沢「プロ野球選手として成功するという理想をかなえる為に、堅実に就職して安定した人生を築くというもう一つの理想を捨てなければならないように、確かにそういう形の妥協はあるかも知れないけどね。」

愛原「今の民主党に、目玉商品となるような公約が何か一つでも残っているか? 年金は手つかず。財政も政治倫理問題も景気問題もイマイチ。正々堂々とした国会運営すら全くしなくなり、クリーンさすら感じられなくなった。何かの理想を示す事もなく、ただダラダラ政権に居座っているという点では、麻生政権と全く同じだ。自民党は【民主党よりはマシ】といい、民主党も【自民党の時よりはマシ】とか罵り合ってるが、中身はどちらも大して変わらん。不合格同士で政権のたらい回しだけはやめてもらいたいのだが。」

逆沢「一年前と、随分と評価ほ変えてきたわね。」

愛原「それは仕方ない。実績がない時点から【どうせ●●政権は駄目に決まってる】みたいなレッテルを貼って、一方的に悪口を書き連ねるのは嫌いだし。まぁ民主党の功績部分をあえてあげろといわれれば、事業仕分けでいくらかの無駄な利権を取っ払えた事と、自民党を引きずり下ろした事くらいかな?」

逆沢「一部では、自民党政権の頃の方がマシだったって人もいるけどね。」

愛原「仮に前の選挙で自民党がギリギリで勝ってたとしても、それで自民党の支持率が急に上がる事はないだろう。結局、3年から4年遅れて民主党政権が誕生していただけだろうから、歴史の流れを遅らせるだけの効果しかない。ってもしも小泉純一郎が総理になっていなければ、もう3年か4年は早く民主党政権が誕生していたような気がする。」

逆沢「で、結局、民主党が国民を失望させるのは同じと。」

愛原「多分そうなるだろうな。どっちみち避け得ない不幸なら、早いに越した事はない。まともな政権が誕生するまで、徹底的に歴史を早送りし続けていれば、いつかまともな政権にもぶつかるのではないかと期待はしているんだけどな。まして再び自民党が政権を取り戻して、歴史を逆回転させるなんてあり得ん。自民党が政権を取り戻してもいいのは、旧来の自民党の体質が大きく改められた場合のみ。だが今は【ここが昔の自民党と変わったところです】みたいなセールスポイントが何もない状態だし、そんなタイミングで戻しても、より緩慢な腐敗か滅びに向かうだけだ。今の自民党も、理想を持っていない点では全く同じだからな。」

鼎「言われてみれば、自民党もあまり理想像を表に出したがらない政党って感じだよね。妄想レベルの理想なら大抵の歴代首相さんが掲げてたけど、現実的な実務手腕も兼ね備えていたのは、最近では小泉首相くらいだよね。」

逆沢「善し悪しは別にして、確かに小泉首相だけは、規制緩和をして格差を広げたり、目に見える改革を多少なりとも進めてみせた感じはあるわね。」


愛原「小泉は竹中平蔵をブレーンとして起用したり、抵抗勢力とレッテルを貼って敵対勢力を本気で排除しようとしたり、色々と本気だったからな。名物知事とか名物市長といわれる人達も、自前のチルドレンを多く当選させたりして、議会運営を有利にしてるし、彼らはいずれも現実と理想のバランスが取れていたからこそ、そういう芸当ができたのだ。逆に横山ノックや東国原などは、名声だけは高かったが結局セールスマンどまりだった。彼らは客寄せパンダにはなれても、実務能力と理想像のどちらか、もしくは両方が根本的に欠如していたという事だろう。」

鼎「国会議員さんにも知事さんにも、ただ単に有名になりたいとか、経歴にハクをつけたいだけで、理想像を何一つもってなさそうな政治家さんって割といそうだよね。前政権の手法を踏襲するとかいう人は特に。」

愛原「まぁプロ野球の世界でも、チームが連勝している時にはなるだけ編制をいじらないのが定石だし、同様に、県民が今の政治に満足している時には、変えないタイプの知事が好まれるというのはあるからな。」

逆沢「でも国政レベルに関していえば、今の状態に満足なんて人はほとんどいないと思うけどね。」

愛原「じゃあ新しい理想像を掲げた政治家なりにご登場願うしかないな。民主党みたいな現実に立ち向かう覚悟のかけらもないヘタレ政党は、二度と御免だが。」

鼎「民主党の掲げる理想は、結局、妄想ととられても仕方ない内容だったのかなぁ?」

愛原「うーん。民主党の場合は、単に勇気も覚悟もなかっただけで、理想像の中身自体がおかしいとは、それほど思わなかったけどな。例えば今の年金制度が百年安心とはこれっぽちも思わないし、その解決方法として年金一元化を提唱した民主党の理想像には十分な説得力がある。事業仕分けにしたって、そのアイデア自体は何も悪くない。他の部分でも(もしも勇気を持って本気で取り組めたなら)賞賛に足る部分はかなりあった。俺が恐れるのは、勇気や覚悟ややる気不足で失敗した事で、その理想を抱いた事自体が悪とか妄想であったと曲解される可能性だ。」

逆沢「結果的に失敗したからといって、その計画や理想の中身自体が誤りだったと判断する愚は避けたいって事ね。」

愛原「そう。例えば【今年の阪神タイガースは、優勝請負人としてブラゼルとマートンを起用した→にも関わらず優勝できなかった→ブラゼルとマートンは優勝を逃した戦犯だから直ちに解雇すべし】なんて、誰も思わないだろう。その方針自体は正しくとも、他の要因に問題があって、結果的にうまくいかない例は非常に多い。民主党の場合は、理想が高すぎた訳でも、理想の方向がおかしかった訳でもなく(内容にもよるが、少なくとも仕分け問題等に関しては)、ただ単に運営者の器が最悪すぎた。アメリカにも中国にも沖縄にも土建業者にも、とにかく誰にもいい顔をしようとしたら、最終的に誰からも嫌われたという最悪のパターンでな。」

鼎「せっかく事業仕分けをして、不要な天下り団体を一度は廃止したのに、再び復活したからといって、事業仕分け自体が不要とか、天下り団体を潰すべきではないと、解釈されちゃうと困るという事かなぁ?」

愛原「現実の壁に阻まれたからといって、そんな理想を抱いた事が誤りという事にはならないと俺は思う。一回や二回、失敗したからといってすぐに諦める方が余程ヘタレだ。今年の新卒予定者は50社近く受けても内偵をもらえない学生さんもいるらしいが、本当に気の毒な話だとも思う。しかしだからといって彼らが就職活動をした事自体が誤りとはいえないように、努力したという部分自体は経験値にもなるし、他人から褒められてもいい部分だ。今の民主党よりもずっと上。彼らはもっと自分に誇りを持って良い。」

逆沢「私達も理想を形にする度にもう一息かな?」

愛原「思わぬ厳しい評価をいただいて落ち込む可能性は否定できないが、だからといって公開自体を中止予定はない(事故とかに巻き込まれたら別だが)。その為に非才ながらも現実の壁と理想像をすりあわせながら、1年以上コツコツとやってきたんだからな。」












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