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愛原様のたわごと(11年5月14日)




愛原「グハハハハ。ついにver1.20。公開にこぎつけたぞ。今の俺様は最高に気分が良い。」

逆沢「あれ? あんたの事はどうでもいいとして、作者の調子が結構悪いと前回、言ってなかったっけ?」

愛原「ああ、そんな頃もあったようだな。だが今の俺は、最高にハイって奴だ!」

鼎「それ、誰かの名セリフだったような気がするけど。でも調子が良くなったのは、誰にとってもすごくいい事だよね。」

愛原「うむ。まぁ調子が悪い時なりの対処方法ってのはあるし、それを乗り越えた時のすがすがしさと言ったら、何回体験してもまた格別だ。こういう時は特に作業効率が上がりがちだから、一気に仕上げてしまったって感じだな。」

鼎「でも実際には、調子に乗りすぎた時ほど、一番ミスに気付かないものだから、慢心は禁物だと思うよ。」

逆沢「あと、失言もいつも以上に増えそうで困るわ。しかも本人は気付かないままという、いかにも最悪なパターンで。」

愛原「なぜお前達は、そうやって人のノリを下げるような事ばかりいうのだ?」

逆沢「まぁ強いて言えば、勝って兜の緒を締めよの感覚かもね。こういう時ほど、特に足をすくわれやすいってのは一種の定番だしね。」

鼎「そうそう。こういう時こそ自制心。」

愛原「やれやれ。つまんねえな。せっかく大仕事が一つ片付いたのに。」

逆沢「で、大震災の余波とか色々あったけど、それなりの形で仕上がったか?」

愛原「うむ。最初の公約通り、100以上の選択肢が追加された。それに伴い、難易度が微妙に変化した。あとこれは当初想定外の仕様変更であるが、実は画像の綺麗さが微妙にアップした。」

逆沢「画像?! どうやって?」

愛原「いや。俺自身、正直謎なんだが、なぜかゲームデータを圧縮すると、画像の質が圧縮前より悪くなっていてだな。つまり簡単に言うと、作者が持ってる生のゲームデータと、プレイヤーの皆様がダウンロードしたゲームデータとでは、実はゲーム画像の質が今まで異なっていたのだ。」

鼎「なんで?」

愛原「分からん。 理由は分からんが、なぜかそういう現象が起きていた。とか言って、作者の生データをそのままアップする訳にもいかず、今までは泣く泣くそれを放置していたんだが、今回、ある種の偶然も重なって、画像の質の向上にようやく成功した。まぁまだ一部だけどな。以前から不評だった画質に関して、多少なりとも改善の好評が得られるとうれしいと思う。」

逆沢「まだ一部だけという部分が引っかかるけど、どうせならなんで全部手を付けなかった?」

愛原「バグが怖いからに決まってるだろう。一度に大幅な変更を行なうのは、さすがに性急すぎる。」

鼎「でも危険を恐れてたら、前進もないと思うよ。」

愛原「ごもっとも。だからデバッグ可能な範囲から順次手を付けて、ようやく今の段階までこぎつけたのだ。世の中、変えようとすれば、必ずと言っていい程、リスクというものがつきまとうが、だからといって現状維持で満足するという選択肢は、俺的にはできるだけ選びたくないタイプだからな。」

逆沢「おお、前向き。勇者とも言うけど♪」

愛原「うむ。だが真面目な話。前に進む勇気。変えようとする勇気。リスクを恐れず挑戦する勇気。行動する勇気。そういう勇気は、すごく尊いと思うぞ。失敗を恐れて行動しない。恥をかくことを恐れて躊躇する。反対派に非難される事を恐れて主張すらしない。そういうのは俺的には、あまり好きな生き方じゃないな。」

逆沢「おお、まさしく今日のアンタはハイだわ! 人間、弱気になってる時ほど、守りに入って冒険しようとしないからねー。」

愛原「という訳で今回のテーマは、【挑戦する勇気】だ。」

逆沢「おお! まさしく調子に乗ってる勘違い人間でもないと、とても恥ずかしくて語りきれないようなテーマを取り上げたわね。」

鼎「でもなんで、そういうテーマにしたのかなぁ? 何もハイになってるだけが理由じゃないよね。」

愛原「うむ。東日本大震災が起きて、約2ヶ月。で、改めて阪神大震災が起きて2ヶ月後のボランティアの数と比べると、その参加人数が4分の1しかいないらしいのだ。お前ら、これを聞いてどう思った?」

逆沢「うーん。4分の1というのは、ちょっと少なすぎる気がするわねー。確かに物珍しさが無くなったとか、色んな要因はあると思うけど。最近は原発問題ばかりに報道の関心が集まって、震災や津波被害の報道が後回しになってるせいもあるのかもねー。」

鼎「私は、未熟なボランティアは邪魔だと言わんばかりのネガティブな一部世論の声の方が問題だと思うけど、どうかなぁ?」

愛原「俺も、個人ブログや一部ツイッターなどで、残念なコメントを何度か見てしまった事がある。要するに【足を引っ張るようなボランティアは困る】とかいった論調なんだが、彼らに共通しているのは【中途半端にボランティアに参加するくらいなら、何もしない方がよっほどいい】と言わんばかりの主張なんだ。」

逆沢「ああ、なるほど。まさしく【失敗する可能性があるなら、何も挑戦しない方がいい】的な主張の典型ね。」

愛原「彼らのコメントの共通点は、ボランティアの人達の貢献部分に関しては、全くと言っていいほど、触れていないことだ。大半の有用かつ献身的なボランティアの人達の活躍には全く関心を払おうとせず、一部の残念なボランティアの人達の例ばかり取り上げて、【ほら、見ろ。だから安易にボランティアなんかに参加すべきじゃないんだ】みたいな結論を出している事。当然彼らは間違っても【みんな、もっとボランティアに参加しようぜ】なんて事は絶対言わない。」

逆沢「ああ、でも私にはそういうコメントしてる人達の気持ちが分かるわ。要するに【ボランティアに参加しようとしない自分】を肯定したくて、そういう風な理屈で自己正当化してるだけだろうし。」

鼎「つまりボランティアの人達を悪く言う事で、ボランティアに参加しない立場の自分の格を上げようと必死になってるって事だよね。市民活動に参加しない人が、市民活動を悪くいう事で、そんな自分を正当化しているような感じで。」

逆沢「でもそういう人達に限って、【自衛隊の皆様、ご苦労様です】くらいは平気で言うけどね。」

愛原「自衛隊の人達は給料もらってるし、いわば職務なんだけどな。もちろん自衛隊の人達に限らず、警察官や地方役場の職員達は、ある意味、自衛隊員以上のハードワークをこなしている。例えば福島県の侵入制限地域などを警備しているのも、福島県外の警察官がたくさんいるくらいだし。もちろん公務員だけじゃなく、医療従事者を始めとして多くの民間人も頑張っている。自衛隊員は自衛隊員で敬意を払って当然だが、自衛隊員だけを特別視する必要はないんだけどな。」

逆沢「アハハ。でも政府とか役人とかは、結構、叩きやすいし、ほめてやる気にもならないんじゃない?」

鼎「でも無償が基本のボランティアの人こそ、一番に敬意を払うべきだと思うのに、その人達に対してネガティブな人がいるのは、とても残念な事だよね。」

愛原「10年以上前のビートたけしの本だが、その中に面白いことが書いてあったな。何でも【人間というのは、高級なものに対して程、敬意を払う】なんだそうだ。例えば同じメシを食うにしても、高級ホテルでメシを食うのと、安い大衆食堂でメシを食うのとでは、お客さんの振るまい自体が全然違うだろう?」

逆沢「ああ、分かる分かる。安い居酒屋ではドンチャン騒ぎをしても店員にタメ口聞いて少々の注文つけてもご愛敬で済みそうだけど、高級ホテルではかしこまってしまうみたいな感じね。」

鼎「でも考えてみたら、すごく不思議な現象だよね。本当なら、より高いお金を払っている所でこそ、もっとワガママに振る舞っても良さそうなのに、実際には安い食事場の方がお客もワガママ言いまくりって感じだもんね。」

逆沢「本当に言われてみれば、納得だわ。なんでより高いお金を払って、しかも店側により遠慮してあげないと駄目なんだか。しかもそういう高そうな場所ほど、服装から食べ方から、色々うるさそうだし。」

愛原「つまりその原則で言うと、ボランティアによる無料の炊きだしなどでは、割り込み有り、怒号有りの、超ワガママ客が多くいても不思議でない事になる・・・。」

逆沢「ああ、なるほど。タダに近くなるほど、敬意を払われるのではなく、逆にナメられるって事ね。」

鼎「それで無償のボランティアほどちょっとした事でも非難されやすく、逆に装備にも金をかけてここぞの場面でしか働かないレアな自衛隊ほど尊ばられて、警察官とかはその中間の扱いになるって事かなぁ?」

愛原「本当に尊敬されるべきは、俺からするとボランティアで間違いないと思うのだが、自衛隊の活躍をいちいち取り上げる人の数の割には、ボランティアの人達の活躍はとても取り上げられているとは言い難い。というかボランティアの活躍を一番取り上げているのは、当のボランティア自身という感じすらする。」

逆沢「何かを率先して実行しようとする人程、それを他人に評価してもらいたいという思いもあるだろうしね。」

愛原「【努力した者が報われる世の中】という有名なフレーズがあるが、それ自身は俺も極めて正しいと思う。良い事をしても誰も評価しようとしない世の中は怖いしな。」

逆沢「でもボランティアを悪く言う人ほど、【本当の善行は、見返りを求めてやるものではない】的な事を平気で言いそうな気もするけどね。」

愛原「善行を行なう気がない人ほど、他人の善行に対しても冷たくなれるという事かも知れんな。おっそろしい事だとも思うが。」

鼎「けどボランティアに限らず、自発的に動く勇気や気力のない人ほど、自発的に色んな事に挑戦する人を、悪く言う傾向が強い気はするよね?」

逆沢「ああ、選挙に行かない人ほど【日本の政治など、誰がやっても同じだ。選挙カーも演説活動もうるさいし。】と言ったり、政府のおかしな政策に不満の声を上げるデモ隊に冷ややかな人ほど【お前達の方がよほど騒音をまき散らして迷惑な存在だ】と言ったり、するようなもんかもね。」

愛原「もちろん、彼らが現状に不満がないなら、デモ隊や演説中の弁士に文句を言ってやりたくなる気持ちは分からなくもない。だが現状に不満があって、しかも自分自身、大したこともやってないのに、デモ隊や弁士達に不満をぶつけるのは何かおかしいとは思う。」

鼎「でもそういう人達は、大抵【そんな事をやっても効果はない(もしくは逆効果だ)】と主張したがる傾向があるとは思うよ。」

逆沢「ああ、確かに逆効果にしかならない事も多いわねー。親切心が仇になる事もあるし、それなら最初から何もしない方がいいと思う気持ちも分かる。一応、主張自体に筋は通っているわ。」

愛原「うーん。何かをやろうとすれば、リスクを伴うのは当たり前の話なんだけどな。異性に告白してもフラれて恥をかくリスクはあるし、株や事業をやろうとすれぱ失敗して大損害を被るリスクはある。親切心で良かれと思った行動に関しても、思わぬ反応でかえされる事すらある。特に政治的な何かをやろうとした場合は、現状に満足する人間がいる限り、どんなに良い事をしようとしても、現状維持派からは反発を買うに決まっている。」

逆沢「つまりに何かをやろうとすれば、リスクは必ずといいほど付き物って事ね。」

愛原「そう。つまり何かに挑戦するという事自体、勇気を必要とする行動という事にもなる。」

鼎「つまりリスクが怖い人なら、何も挑戦しない方がいいって事になるのかなぁ?」

愛原「残念ながら、そうはいかない。何もしない事によるリスクというのも、あるからな。そもそも現状維持にも実はコストはかかるし。そもそも現状維持自体不可能なものもある。例えば【今の家にずっと住み続ける】というのは、可能そうに見えて、実は不可能だ。家もどんどん老朽化するし、いつかは建て直さないと駄目な時が来るからな。」

鼎「年金問題とかも、そんな感じだよね。今の制度のままでいくと、いつか破綻する事は目に見えているし。」

逆沢「でも変えようとすると、変えられた結果、損をする側が必ず猛反対するしって感じね。うーん。難しい。」

愛原「現状維持が困難な場合、もしくは現状を維持し続ける事で状況の改善が見込まれない場合、一刻も早く、新たな道に挑戦する事が望まれる。だが、それでも挑戦する事を嫌い続ける人も残念ながら多い。」

鼎「【より悪くなる可能性があるなら、何もしない方がいい】って人は、残念ながら意外といそうだよね。」

逆沢「あまりお年寄り批判はしたくないけど、お年寄りの人は20年後、30年後の未来を気にする必要がないから、特に改革ごとには後ろ向きな人が多いという話も聞いた事があるわね。しかもその高齢層が、政界や財界で大きな権力を握ってるのも厄介だし。」

愛原「お年寄りのせいだけにするな。若者でも、保守的な思想の持ち主は確実に増えている。」

逆沢「まぁ、そりゃ、期待して政権交代させてみたらアレってのも、少しはあるんじゃない?」

愛原「そもそも政治に期待しすぎる事自体、間違っている。そもそも今の民主党バッシングは、かつて星野ジャパンに勝手に期待しすぎたあげく、4位に終わった結果、猛烈な星野バッシングに発展した時のアレに似すぎている気すらするしな。まぁ民主党に期待しすぎていたのが愚かかどうかはともかくとして、俺的には変える事を改めて、変える気のない自民党で妥協しようという選択肢自体ありえないのだが。」

逆沢「せめて、自民党が一皮むけてくれたらいいんだけど、あくまでかつての自民党の路線から変える気は、全然なさそうだしねー。」

鼎「でも民主党自体が、自民党化し過ぎているから、今更どっちでも変わらない気もするけど。」

愛原「今の民主党で許せないのは、失敗を恐れて変えようとしなくなっている事。それどころかスタートラインに戻ろうとしている事。変えようとすれば、反発が出るのは分かりきっているのに、その反発を跳ね返そうとせず、老朽化した家に手を加える事もせず、安易にただそこに住み続けるだけの弱気な現状維持思考に陥っている事。どこかで変わらなければならない程、日本の先行きは危うくなりつつあるのに、変化に伴うリスクを恐れて、とにかく挑戦しようとしない事。」

逆沢「まぁ、それでもどこぞのボランティア叩きの人達よりはマシじゃない? 挑戦する人を悪く言って、足を引っ張るまでの事はしてなさそうだし。」

鼎「でも保守的な思想の人ほど、何かを変えようとする人の事を悪く言う傾向があるような気がするよね。変えようとして失敗したなら、それを大げさに取り上げて【ほら見ろ。余計な事はすべきじゃなかった】みたいな論調で叩く人も多いし。」

愛原「俺としたら、【挑戦してみて失敗した】方が好きだけどな。【失敗は発明の母】というたとえもある通り、一つの発明品の裏には、無数の失敗品がある。失敗を恐れて、挑戦する事自体を放棄すれば、その先の発展も成功もない。」

鼎「何もしなくて、現状維持ができる事もないよね。自分が何もしなくても、他人が何か努力したり成功した事で、相対的に自分の位置が低下する事も多いし。」

逆沢「自分が勉強しなくて他人が勉強すれば、自分の成績順位が下がるのは明白だし、自国が何も変わらず、他国が技術革新に成功したら、自国の国際的地位が低下するのも明白だしね。」

愛原「家が老朽化するように、そのままで現状維持できるなんて、ムシのいい話はない。何も挑戦しなければ、緩慢な状況の悪化があるだけだ。いや、緩慢な悪化で済めばいいが、いつかとんでもない崩壊という形の惨劇が襲う可能性の方が高いだろう。」

逆沢「だから失敗を恐れず、どんどん挑戦しろってのが、今のハイな貴方の持論って訳ね。」

愛原「うん。失敗は取り戻せる。失敗も経験値にはなる。右に進んで失敗したら、次には左に進めばいい。どちらに進んだらいいか分からないから、とりあえずその場で足踏みししても、おそらくいい事は何もない。そりゃあ失敗の程度次第では、とんでもない致命傷になる事もあるのは認めるが・・・。だが、それをさしおいても、今の日本人は、ちょっと現状の快適さに慣れすぎて、挑戦する勇気が足りなさすぎるような気がする。」

逆沢「失敗の程度次第でとんでもない致命傷になった例としては、今回の福島原発事故の例もあるだろうけど、これはアンタとしてはどう思う? 世論も一度の大失敗ですっかり懲りて、脱原発モードだけど。」

愛原「失敗から学んだ事も多かったとは思うけどな。まず原発推進派が思っていたほど、原発が扱いやすいシロモノでない事が判明した事。次に新しいエネルギーを開発・効率化する重要性に国民の大半が気付く良い契機になった事。あとグダクダな電力会社の体制に関しても、色々明らかになった事。」

逆沢「でも、そのグタグダな電力会社は、どうやら今後も平常営業が見込めそうだけどね。総理いわく【首都圏の電力確保を最優先】って事らしいし。この機会に、東京電力の独占状態を解消する腹づもりもなさそうだし。やっぱりこれも、現状維持を選択したと言うか。」

鼎「なんでもかんでも変えるリスクを恐れて、現状維持ばかりという気がするよね。」

愛原「かつての電電公社も独占企業状態だったが、それが解消された事で、今の携帯電話文明が花開いたと言ってよい。独占企業状態では、そもそも消費者に選んでもらう為に企業努力をする必要が無くなってしまうからだ。もし仮に政府が原子力発電に乗り気でなかったなら、今でも日本は火力発電が中心だったかも知れない。独占企業なら、研究開発費に金をかける必要もないからだ。」

逆沢「ああ、なるほど。かつての電電公社時代に、ほとんど進歩的な事が行なわれなかったのは、そのせいかも知れないわね。より良い商品を開発したりしなくても、経営が成り立つから、余計な研究費とかもかける必要がないし。」

愛原「電力会社のシステムも、これを気に変えていくべきだ。もちろん、通常の企業と同様、犯した罪に応じた罰を受けるのも当然。普通の企業なら、余裕で倒産だ。いや、倒産までいかなくとも、従業員や年金受給者の生活がそのままなんて事は、絶対にありえない。またそうあってはいけない。そんな事が認められると、今後、他の電力会社も【どうせ何をしても許される】とばかりに、手抜き放題しかねない。」

鼎「そういや今回の震災で、九州電力も、かなりのピンチになってるそうだよね?」

逆沢「は? 福島で大損害の東京電力や、立地条件で問題になっている中部電力なら話も分かるけど、何で九州電力まで?」

鼎「うーんとね。九州電力は、震災前の時点でも、元々、発電力にあまり余裕のない状況だったそうだけど、この頃、火力発電の燃料となる天然ガスが入手困難になってるらしいよ。」

逆沢「なんで? 価格の高騰?」

鼎「うん。東京電力が圧倒的な資金力を背景に天然ガスの買い占めを行ない始めて、それで資金力に劣る九州電力は、燃料が手に入れにくい状況になってしまったらしいよ。浜岡の問題が起きる前の時点でも、他の60HZ地域の電力会社から、電力を分けてもらってたくらいらしいから。」

愛原「震災で、東京電力管内の電力が大きく不足した。で、東京電力はその穴埋めのために、停止中の火力発電所をフル稼働させる事にした。さらに中部電力の浜岡も停止させる事になった為、中部電力までもが火力発電用の燃料を買い占めだすようになった。で、そのあおりを、九州電力がまともに受けたという事らしい。」

逆沢「な、なんという恐ろしいドミノ現象!! 九州なんか日本の最西端で、東日本大震災とは最も縁の遠い地域だったはずなのに!!」

鼎「けどよく考えたら、なんで東京電力に、そんな資金力があるのかがとても不思議だよね。多額の賠償金でとてもそんな余裕はなさそうなのに。」

愛原「どうやら【首都圏への電力供給】を最優先に考えてる政府が、東京電力に対する締め上げ行為をかなり緩めていそうだな。少なくとも九州電力が出せる額よりも高いゼニを東京電力が出せる程度には、密かに調整してそうだ。政府がまともに締め上げてたら、今の東京電力に、九州電力を上回る価格提示ができるはずがないのだから。」

逆沢「ずっこ!! あくまで日本政府の本音としては、賠償義務を果たさせる事よりも、【首都圏への電力供給】の方が優先ってか? 首都圏を守る為には、九州を切り捨ててもOKってか?」

愛原「まぁ、だからといって九州で計画停電が起きる程の電力不足が起きる可能性は、まずないだろうがな。要は【首都圏の皆様を助ける為に、九州の皆さんも少しだけ我慢してね】程度だろう。」

鼎「けど他の電力会社を押しのけても、燃料を買い占められる程度の余裕まで認められるくらいだったら、東京電力に対するペナルティーなんて、ほとんど有ってなさそうなレベルの気もするよね。」

愛原「あくまで東京電力の既得権益も死守する。変えようとしなければ、誰の反発も買わなくても済む。そんな計算も働いていそうだな。厳密には、九州で小さな反発が起きるかも知れんが、強者である東京の反発よりも、弱者である九州の反発の方が怖くないし。ついでに言えば、東京のピンチには過敏なキー局も、九州の事などほとんど報道しないだろうから、大して話題自体にもならなさそうな気がするし。ってか現状では、他の電力会社よりも電気の余ってる関西電力などが、中部電力と九州電力に電力を配給し続けるだろうから、目に見える影響はないかも知れんが。」

逆沢「あっそっか。中部電力と九州電力は、共に60Hz地域だから、融通は比較的簡単なのよね。」

愛原「世界各国で原子力発電の流れが止まらない事からも分かる通り、原子力発電は、好まれなくとも、その存在を否定できないエネルギーの大きな柱だ。対案もないまま、原発反対を叫ぶのはさすがにできない。だが推進もまたできない。推進派が反対派の忠告を無視して、無防備な管理体制を許した結果が今の惨状でもあるわけだし。」

逆沢「私が今回の原発事故の失敗から学んだ一つの結論は、やっぱり【失敗を無駄にするな】って事だと思ったわ。反省すべきは反省し、行動すべきは直ちに行動する。失敗を体験してなお、【こんな災害は二度と起こらないだろう】と慢心して、現状維持で何もしないで満足するなんて事はありえない。その意味で、浜岡原発を止めた菅首相の判断も正しいと思うし。」

鼎「けど案の定というか、浜岡原発を止めるという案に対しても、やっぱり自民党や一部の財界や、それらの支持者や関係者などから猛烈な反発が出てるよね。」

愛原「この例、一つとっても分かるだろ? 変えるというのは本当に難しい。変えようとすれば絶対に反発者は出る。だから現状維持で済ませたいという心理になるのもよく理解できる。もっと良い方法が思い浮かぶまで、問題を先送りしたい気持ちもよく分かる。」

逆沢「どんなに財政が逼迫して、現状維持では行き詰まる事が分かっていても、増税しようとすれば国民は反発するし、公務員の人件費を下げようとすれば公務員が猛反発するし、みたいなものね。で、結局、借金は増える一方。状況は更に悪くなる一方なのに、それでも現状維持。で、現状維持派の人間の中には、【いつか空前の好景気が起きて問題解決】とか【いつか空前のインフレが起きて問題解決】とか【破綻して何か困ることでもあるの?】とか、明らかに真面目に勉強してないだろうとしか言えない程の頭の悪い主張をして、それを正当化するものまでいたりして。」

鼎「最初のボランティアの話に戻るけど、何もしようとしない人程、なんとかしようと頑張る人のネガティブな面ばかり取り上げて、足を引っ張ろうとするよね。」

愛原「まぁ、20年先の日本を心配する必要のない人が多くいるのは事実だし、ある程度、そういう人が出るのは仕方ない。だが俺としては、勇気ある挑戦者を支持したいし、特に若者であればあるほど、そういう失敗やリスクを恐れず、真剣に状況の改善に挑戦できる側の人であれぱうれしいと思う。」





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