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愛原様のたわごと(11年7月2日)




逆沢「うーん。すっかり夏模様。本当に暑くなったわねー。」

鼎「この暑さだし、あちこちの電力会社が株主総会で反原発派を蹴散らしまくった事もあって、原発推進派にはちょっと有利な環境になりつつあるかなーとか、感じたけど。」

愛原「それは率直に困るな。まぁ一番悪いのは、10〜20年後の日本を誰も語らない事にある気もするが。10年後、あるいは20年後の日本の電力業界やエネルギー事情がどうあるべきか? それを誰も語ろうとしないから、原発を含むエネルギー問題も全く前に進まないのだ。」

鼎「今の状態のままだと、もっと老朽化した原発を、10年後もそのまま使ってそうだよね。」

逆沢「使用済み核燃料もそのまま増やす一方でってか。で、10〜20年後の日本の一部では、ガン患者とかがぼちぼち目に見えて増えだし始めると。」

愛原「人体への影響については、被害規模も確定していない現時点では予測不能。ただ劣化ウラン弾を多くばらまかれたイラクでは、放射能が原因と思われる病気などが統計上無視できない割合であるそうだけどな。」

逆沢「劣化ウラン弾を巡る問題といえば、7lcwの製作動機になった大きな柱の一つね。愛国戦隊の基本装備にもなってるし。」

鼎「日本では核廃棄物の処理をどうするかで、まだちゃんとした結論が出てないけど、劣化ウラン弾自体も、実は放射性廃棄物を再利用して生産されたものらしいよね。」

逆沢「つまり日本は放射性廃棄物をどう廃棄するかで悩んでいるけど、アメリカはそれを劣化ウラン弾とかの形に変えて、ヨソの国にポイ捨してるともいえるってか。」

愛原「まぁ、今肝心なのは、あくまで日本の未来の話。【日本が10年後どうあるべきか?】が見えれば、今、どうあるべきかも見えてくるはず。何も即座に全原発を停止しろとも廃炉にしろとも言わんが、ただ再起動を認めてそれでハイ終わりなんて事は絶対に認められるはずもないのだが。」

逆沢「でもハイ終わりになりそうな気配しまくりなんだけどねー。親経団連&原発推進派寄りの自民党との大連立の話が出始めてから、政府が東電に対して具体的な圧力をかける事もなくなった感じもするし。このままだと原発利権もそのまんまんで、東電の企業年金もほとんど手も付けられず、地域独占体制も本気で改められないままで終わりそうだし。」

愛原「大規模な人材流出を抑える為に現役の職員にある程度の給与などを保証するという話なら少しは分かるが、既に辞めた人間の企業年金をゼロにしても、俺は一向に構わないと思うけどな。一般企業が倒産したなら、その分がゼロになっても当然だし、東電やJALだけを特別扱いで厚遇する必要もないし。」

鼎「でも私達は私達で出来ることをまずやるしかないよね。他人をあれこれ批判する前に。」

逆沢「当面の課題としては、節電ってか? それ自体、なんか電力会社の思惑に乗っちゃってる気がしなくもないけど。」

愛原「まぁエコ自体は正しい。無理をし過ぎて、健康や生活のリズムを損なわない程度に、小さな事から始めたらいいんじゃないのか? エアコンの温度を1度ずつ下げる事から始めるのも悪くはないと思うぞ。」

逆沢「部屋にエアコン自体ついてない、ここの作者の環境的には関係ないけどね。むしろ【俺達を見習って、エアコンの使用自体控えろ】とか言っちゃえばいいのに。」

愛原「言わん言わん。自分を基準に、主観的な正義の押し付けなんかしたくもない。別に俺は【欲しがりません、勝つまでは】論者ではないし、禁欲主義者でもないし、3ヶ月前にはやった不謹慎モード推進論者でもないからな。たとえば電力消費のピークは14時前後な訳だから、会社帰りの疲れた体を、夕方以降にエアコンで癒やしたいと思う人がいたとしても、それにどうこういうつもりもないし。」

鼎「けど自分が我慢してるのに、他人が我慢してないと思うと、やっぱり面白くないとか思う事はない?」

愛原「それは内容にもよるな。ただ【自分は我慢してないのに、他人に我慢を強いる人】の方が、俺にはずっと気になる。たとえば嫌煙家の人が一方的に愛煙家を弾圧するような類は、俺は特に嫌いだな。俺自身はタバコは全然吸わないけど。」

逆沢「ああ、そういう人は多いわねー。反オタクの人によるオタク批判とか、ネトウヨ系の人によるパチンコ屋叩きとか。」

愛原「俺はゲーム自体は好きな方だが、パチンコはおろか、ゲームセンター自体、全くと言っていいほど利用しない人間なんだが、だからといって一方的にそれらを青少年育成上の障害とか、利権の温床とかいって、盲目的に叩く事はしたくないな。自分は好きでなくとも、他人でそれが好きな人がいる以上、余程の事がない限り、俺はその娯楽をむやみに排除したいとは思わない。もしも自分が理不尽な理由で弾圧される側に回ったならば、きっと悔しいだろうし、何とか救って欲しいとも俺は考えるからだ。」

鼎「多数派の人が少数派の人を弾圧するのは簡単だけど、自分が少数派の側に回った時を考えると、むやみに弾圧する流れはやっぱり怖いよね。」

愛原「仮に10分の1の少数派のみ弾圧する法案が、日本で10個だけ可決されたとしよう。で、自分がその10個の法案による弾圧対象から全て避けられる可能性は何%だと思う?」

鼎「ええと。10分の9の10乗だから、・・・0.9*0.9*0.9(以下略)・・・で、約0.349。という事は、全体の65%、約3分の2の人が何らかの弾圧を受けちゃうという事だよね。」

逆沢「こええ。10分の1の少数派だけが弾圧の対象だから自分は安心と思っていたら、気がついたら自分が弾圧されている可能性の方が高いって事か。」

愛原「怖いだろ。たとえば少数派のAB型の輸血用血液を業務効率化の名の元に今後一切保存しない法案とか、高校や大学を中退した経歴を持つ人間は社会不適合者として被差別階級に置く法案とか、子供を産めない体質の女性に対する老後福祉を認めない法案とか、ハゲの血筋をむやみに拡散させない為に若ハゲの父親を持つ子供を強制的に子供を産めない体にする法案とか、一定以上の期間無職状態が続いた人間を生かさず殺さずの強制労働所に配属する法案とか、極端なやせ形あるいはデブは遺伝子のどこかに問題がありそうという事で自動処分する法案とか・・・、とまぁ将来色んな形で、少数派を容赦なく弾圧する流れが今後全く起きない保証はないからな。だから俺は、自分の利益に関係なくとも、多数派が数の暴力で少数派を(大した理由もなく)一方的に弾圧しようという流れには断固反対する。自分がいつ少数派のカテゴリーに含まれるか、分かったものじゃないからな。」

鼎「そう言えばちょっと前に、栃木県でてんかんの持病を持つ人が薬を飲み忘れたまま重機を運転して、子供をひき殺した事件が起きた時に、てんかんの人に運転免許を与える事自体間違っているというネット世論をたくさん見た事あるけど、これももしかしたら多数派による少数派の弾圧行為と思ったかも。」

逆沢「健常者でも、よそ見運転とか居眠り運転で、大事故を起こす例はいくらでもあるからねー。そりゃあてんかんの人が健常者の人の何倍も交通事故を起こしてたら話は別だけど、そうでないならたまたま一件や二件、衝撃的な事件が起きたからといって、全てんかん患者から容赦なく免許を取り上げようというのは、さすがに健常者の横暴だと思うわ。」

鼎「運転が苦手という自覚のある人ほど、気をつけて運転するから、かえって事故を起こしにくいという話も聞いた事があるし、もしかしたら持病のある人の方が、居眠り運転や飲酒運転を引き起こす可能性も低いかも知れないよね。トータルでの事故率も。」

愛原「健常者でも色んな形の交通事故を起こすように、てんかんの持ち主も一定の確率で交通事故は起こしてもおかしくない。そのトータルの事故率の差を統計的に見比べてからでないと、俺はさすがにダメだと思うな。自分が健常者だからといって、特定の持病の持ち主の生活を一方的に抑圧していいとも俺は思わない。それこそ多数派による横暴という奴だ。」

鼎「けど現実の日本は、多数決がものをいう民主主義国家でもあるよね。」

逆沢「少数派の貴族や独裁者一族が、多数派の市民を弾圧する世の中も正しくないと思うから、それはそれで私は間違ってないとも思うけどね。」

愛原「うん。まぁ俺としては、あくまで多数派も少数派も、お互いにもっと仲良くできないだろうか?という点だけだ。大体血を分けた親兄弟でも、意見が合わない事はいくらでもあるだろうに、他人と全てで志しを同じくできる事などありえるはずがない。だから違いは違いで、お互いに存在を認め合えればいいとも俺は思ってるのだが。」

逆沢「ところでふと思ったんだけど、なんか話の流れが哲学的になってない?」

愛原「うん? そうか? 今回はゲーム関係のテーマでやるつもりだったんだがな。」

鼎「でも全然、ゲームの話になってないよね。」

愛原「まぁ話がそれるのはいつもの事だ。それに余計な話ばかりと思っていても、どこかで突然話がつながる事もあるから、いちいち小さな事を気にするな。」

鼎「それじゃ今回のテーマは?」

愛原「【供給過剰気味のゲーム(娯楽)】でいきたいと思う。もっともゲームに限らず、漫画や小説からテレビドラマや映画、あるいはパチンコから遊園地からゴルフ場に至るまで、娯楽産業自体が飽和気味で厳しい時代になりつつある印象はあるけどな。」

逆沢「まぁ遊びたい人自体が減ってるって事は、決してないと思うけどね。むしろ娯楽の幅が広がりすぎたせいで、昔なら十分ペイラインにあったはずの遊園地とかでも、苦戦を強いられるように変わった印象もあるし。ほら、例えば【若者のクルマ離れ】とか色々言われてるけど、これもクルマの質が落ちたとか、そういう訳じゃなくて、むしろクルマ以外の趣味に時間を割く人が増えただけの気がしない?」

鼎「音楽業界も、昔は演歌の一人勝ちみたいな時代もあったらしいけど、徐々にJPOP系が力を付けてきて、今では色んな種類の洋楽とかも入ってきたりして、群雄割拠になってる気がしてるよね。昔の美空ひばりさんとか石原裕次郎さんみたいな絶対的なカリスマもいなくなった気もするし。」

逆沢「それも多分、一流のアーティストがいなくなったんじゃなくて、一流のアーティストだらけになって、物珍しくなくなったからと思うのは私だけかな?」

愛原「ゲーム業界に関しては、特にそう思う。ファミコン時代と比べると、あらゆる面で進歩しているのは間違いないのに、にもかかわらず絶対的な人気作品というのが出にくくなっている。」

鼎「やっぱり私達、娯楽を享受する側の目や舌が肥えすぎたせいもありそうかなぁ?」

逆沢「求める水準がそれだけ高くなってるとは思うわね。特に家庭用ゲーム業界なんか、もう零細企業が安易に参入していい業界ではない気すらしなくもないし。」

愛原「我々フリゲ愛好家の立場からすると、いわゆる一発ネタだけの【3分ゲーム】も十分楽しめる範疇なんだが、今、家庭用ゲームでそんな物を出しても、避難の的にしかならない気もするしな。」

鼎「フリゲの世界では、今でも製作時間が一週間以内というゲームを出す人が割といるよね。CGも音楽も汎用フリー素材で、システム自体もデフォルトか、あるいはデフォルトすら使用しない紙芝居状態とか。で、そういうゲームは、ほんの数分でエンディングにたどりついたりしちゃうんだけど、でもそういうゲームでも、中には一定の評価を得たりとか。」

逆沢「1年以上の製作期間をかけた本格ゲームが、誰がどう見ても手抜きな一発ネタの3分ゲームに、評価で負ける事も珍しくないしね。いや、評価の良し悪しの問題じゃなくて、プレイしてくれる人数自体でボロ負けしてると、もうやってられないと思ったりとか。」

愛原「うーん。ただプレイ時間が30分(=0.5時間)以内のゲームと、約24時間のゲームを比較して、後者の方が平均48倍の評価を得る事はなかなかないからな。製作時間を10倍かけても、評価が10倍になる事はほとんどない。これは商業ゲームでも同じで、それ故、1本の長編ゲームを出す間に2.3本の短編ゲームを出す企業も非常に多い。費用対効果でいえば、お手軽ゲームの方が断然稼げる場合が多いからだ。」

鼎「せっかく時間をかけて大作を作っても、それが売れなかったりすると、会社としては悲惨だよね。ある程度のネームバリューのある会社の場合は、大作というだけで一定のファンがついてきてくれるけど、そうでない会社の場合は、本当に大冒険になりかねないし。」

逆沢「大作だから必ず面白いという保証もないしね。遊ぶ方もそれを警戒するから、もしもクソゲだった場合の(時間や費用の無駄という)リスクを最小限に食い止めるため、なるだけ大作には手を出さないという人もいるだろうし。」

鼎「でもお手軽ゲームの方が稼げるからとか、より少ない労力で評価を得やすいからという理由で、大作を作る作者さんやメーカーが減っていく世の中というのも、ちょっとまずいかなと思ったかも。なんかお手軽ゲームとか手抜きゲームばかりが蔓延しそうで・・・。」

愛原「うーん。ウチのゲームも、多くのフリー素材に依存している、ある意味では典型的な手抜きゲームだから、そう言われるととてもツラいものがあるのだが・・・。」

逆沢「けど手抜きゲームとかお手軽ゲームばかりが増えていって、真の労作を誰も作ろうとしなくなったり、あるいはせっかく作ってもお手軽ゲームの山に埋もれて、誰も見つけてくれなくなるって流れは、すごくまずいと思ったかも。」

鼎「本当に品質の良い商品を扱うお店が、格安量販店の攻勢に負けて押しつぶされるような光景を見てるみたいで、なんかせつないよね。受けるかどうかも分からない大作1つ出すよりも、お手軽な短編を量産した方がいいみたいな流れを見るのは。」

逆沢「それで質はともかくとして、供給量だけはどんどん増えていく一方と。まぁそういう供給過剰な傾向はゲーム関連だけじゃなくて、他の娯楽にも広く当てはまりそうだけどね。お笑い芸人まで、どんどん使い捨てられるような世の中だし。」

鼎「漫画業界でも、それはあるかもと感じるよ。今は本屋とかに行くと、知らないタイトルの漫画本とかも、たーくさんお店に並んでいるし。」


逆沢「あまりに選択肢が多すぎる反面、選ぶ側の事前知識や選択眼が追いついてない事もあって、本当は面白い作品であっても、それを手にとってもらえないまま埋もれる作品も、私はすごく多いと思うわ。」

愛原「うむ。いざ読んでみると結構面白かったりするのだが、それを読むまで気付かない事はたくさんあるな。本屋などに行くと、本当にたーくさんの本があって、その中でどの本を選ぶかとなると、本当に迷う。拍子の絵柄が気にいらなったりして、つい敬遠してしまうことも多いし、逆に表紙の絵柄に引かれて買ってみて、軽いヤケドをする事もあるし・・・。」

逆沢「あはは。コミケとかでいかにもありそうな光景だわ、それ。表紙絵に騙されて、つい買っちゃうのよね。」

鼎「で、何度もそういう失敗を繰り返すと、今度は【過去の実績のある】作者やサークルの本ばかり選ぶようになって、未知の作者さんの作品には見向きもしなくなりがちだよね。」

愛原「作品があふれすぎているが故に、かえって良い作品を逃しやすくなってる気もするよな。」

鼎「またウディコンとかも始まるみたいだけど、応募作品が多すぎるほど、全部をプレイするのは難しくなるし、そうなると評価が偏ったものになりかねないリスクがあるよね。」

逆沢「ああー、分かる分かる。スクリーンショットとか第一印象だけで、プレイしてもらえる確率自体に差が付く可能性すらあるわね。あと序盤がダルいと、後半にどれほど盛り上がろうとその部分はプレイしてもらえずじまいで終わる可能性もあるし。」

鼎「応募作品の数自体が少ないほど、丁寧にプレイをしてもらえる確率が高くなる事を考えると、供給過剰な状態は、色々弊害もありそうだよね。」

愛原「うーん。ただそれでも、遊べるゲームの選択肢自体は、やはり多い方がありがたいというのはあるからな。特に俺のような属性持ちのプレイヤーの場合は、その辺はすごく深刻な問題だ。」

逆沢「あー、要するに自分好みのゲームが見つかる可能性を考えたら、やはり公開されているゲームは一つでも多い方がありがたいと。」

愛原「うん。もっともそれをちゃんと探し出せるかという別の問題は、残ったままだけどな。」

鼎「これは私達の公開しているゲームでも、すごくつきまとっている問題でもあるんだよね。」

愛原「うん。ウチのサイトで公開しているゲームも、強烈な属性持ち向きゲームだからな。なので共感してもらえるプレイヤーに見つけてもらえれば、こんなに嬉しいことはない。ただどうやって見つけてもらえればいいか、この辺ですごく悩む。」

鼎「供給量が多いという事は、自分の感性と合う作品と巡り会える可能性が広がるという利点もあるけど、それを見つけにくくなるという欠点もありそうだよね。」

逆沢「供給過剰の今の状態でダウンロードしてもらいたければ、何とかもう一工夫が必要になるという事かも知れないわね。」

鼎「でも今の世の中はプレイヤーの舌も肥えてるから、下手にいいところばかり派手に宣伝して、表紙だけ立派な同人本みたいな手法でアピールしても、かえって反発を買うだけだと思うよ。」

愛原「うむ。それは十分分かっている。別に万人向けのゲームを出した覚えもないしな。と、同時に俺自身も、特定の属性持ちの一人として他のフリゲ作者さんのゲームをプレイする事も少なくないが、やはり最近は俺好みのゲームを探すのがしんどくなっている。供給数も多くて一見よりどりみどりなんだが、その中から選ぶのが何しろ大変でだな。」

逆沢「片っ端からダウンロードして、片っ端からプレイできる程、時間も余ってないしねー。」

愛原「かつてデジタルファミ通だった頃なんかは、フリゲのコンテストも充実していて、そのコメントを読めばある程度は内容も推測できたんだが。もっともコンテストの中身自体も、応募作品の増加に伴って手抜き気味になってる印象も感じた事はあるが・・・。」

逆沢「投稿作品数が増えるほど、審査員の評価もいい加減になりがちっぽいからねー。」

鼎「本当に本屋や図書館にあるような便利な検索システムがフリゲの世界にも欲しいと思ったかも。あるいはニコニコ動画のタグみたいなものが。それだけでもプレイしたい属性のゲームが探しやすくなるのに・・・。最近はヤフーの知恵袋でも、タグはついてるみたいだし。」

逆沢「それに比べてせいぜいRPGとかAVGとかいったジャンルわけくらいだからねー。ベクターやふりーむは登録数は多いけど、あのシステムじゃ、古い作品とか非万人向けの作品は、ほとんど発掘困難だし、ゲーム紹介文をみてもイマイチよく分からないし。その点、鼎の言った検索システムとか、タグシステムは何か面白いと思ったわ。」

愛原「俺もそのアイデアに賛成。誰か作ってくれないかな?」

逆沢「図書館とか本屋みたいに、細かい分類分けとかできても良さそうなのにね。ベクターもふりーむも、そういう配慮が全くないから、長編か短編か、シリアス系かギャグ系かも、個別のページを開けるまでほとんど分からなくて不便そのものだし。」

愛原「フリゲも数自体は有り余っている時代だから、ちゃんと探し当てられれば、きっと自分好みの属性のゲームとも巡り会えるはずなんだ。だが、その探し当てるのが本当に難しい。そしてフリゲ界は、とにかく新陳代謝が激しい。せっかくお気に入りの作品や作者さんと巡り会えても、あっけなく引退されてしまう事も多い。下手すると公開後、1ヶ月も経たずに公開中止してサイト自体も閉鎖してしまうケースもあるほどだ。」

鼎「もしかしたら作者さんが公開して良かったと思えるような気持ちになれるシチュエーションに巡り会えないまま、それで失望して去っていくパターンなのかも。そういうのは。」

逆沢「SRPGみたいなジャンルだと競争倍率もかなり低いからまだマシだけど、RPGやAVGあたりでベクターあたりに登録しても、高確率であっという間に埋もれて終わりそうな気がするしねー。ごくたまに私から見ても、この作品はすごく力作だなと思う事があっても、その作者さんのサイト自体はいつも閑古鳥で、いつの間にかそのサイト自身も閉鎖(or放置)モードになってる事も珍しくないし。」

愛原「労作ほど、反響が少なかった時のダメージは大きいからな。それは何も商業ゲームの世界だけじゃなくて、フリーの世界でも同じ。ただ俺の知ってるフリゲ作者さんの範囲では、他人の評価を気にせず自分の信念を大事にする作者の方が、息は長く骨太の作品を作る傾向はあると感じたな。」

鼎「ほえっ? それはどういう事?」

愛原「フリゲ作者さんにも2種類いてだな。分かりやすく言うと【発信型】【受信型】。」

逆沢「全然分かり易くないんだけど・・・。そもそも【発信型】とか【受信型】って何よ?」

愛原「えーとだな。たとえば【俺は織田信長が大好きだ。そして多くの人に織田信長の事をもっとよく知って欲しい。だから織田信長の魅力がビンビン伝わるようなゲームを作るぞ!】というタイプなら、発信型。【織田信長の魅力を多くの人に発信したい】が開発動機になってるから、発信型だ。」

鼎「えーと。それじゃ【受信型】は?」

愛原「たとえば【今年は大河ドラマでお江が主人公だ。という事はお江が活躍するゲームを作れば、よりたくさんの人がプレイしてくれるはず。お江萌えのゲームを作るぞ!】というタイプなら、受信型。【世間のブームやニーズを最初に受信した上で、それを考慮して】ゲームを作るタイプだから受信型だ。」

逆沢「ああー、なるほど。つまり萌えブームだから萌えをゲームに取り入れるとか、お色気シーンを入れればより多くの人が飛びつくだろうからお色気シーンも入れるとかみたいな感じの人は、受信型になるわけね。」

鼎「という事は、万人向けのゲームを作りたがる人は、自然と【受信型】になりそうだよね。一人でも多くの人に受け入れられるような視点で作品を作れば、当然世間のブームに迎合したり、人気作品にあやかったりもせざるを得なくなってしまうだろうし。」

愛原「そうそう。つまり【発信型】の作者が【伝えたい】事を第一の動機にしているのに対し、【受信型】は【好評価を得たい】が第一の動機になりがちだ。もちろん商業作品を作っているのなら、売れなきゃどうしようもない以上、世間のブームやニーズを巧みに取り入れ、より多くの人に目を留めてもらい、また受け入れてもらわねばならない。」

逆沢「あー、でもそういう作品は、私はあまり好きじゃないわ。特に萌え重視の作品とかの場合、【制作側が作品を通じて伝えたかったメッセージ】が全く感じ取れない場合が多そうなのよねー。せっかくエンディングまでたどり着いても、【で、この作品。結局、何が言いたかったの?】みたいなものも多そうだし。」

鼎「でもギャグ作品とか萌え作品の場合は、笑わせるとか萌えさせる事自体が本目的だから、そういう事はあまり関係ないかも知れないよ。パズルゲームの目的は、パズルを解く以外にはないようなもので。」

愛原「実際にはパズルゲームの作者にも【発信型】がたくさんいるけどな。彼らは主にシステム派の作者さんで、つまり【自分のゲーム製作技術(あるいはセンス)のスゴさをみんなに発信したい】というタイプが多そうだ。」

逆沢「つまりプレイヤーが実際に面白いと思うかどうかは二の次で、まず【伝えたい事】があるタイプは発信型と。作者の考え方でもいいし、斬新なアイデアによるゲームシステムでもいいし、伝えたい中身は人それぞれだけど、とにかくプレイヤーの心に染みこませたいタイプが、それにあたるって事ね。」

鼎「逆に人気者になってちやほやされたいとか、とにかくたくさん売れる事が重要だみたいな考えが第一なら、受信型と。」

愛原「もちろんウディタの作者様を始めとして、他の誰もが真似できないようなツールやゲームを世に送り出す事で、結果的に名声などがついてくるケースも多い。超一流の発信型であれば、ブレイクする可能性も非常に高いという事かも知れない。」

鼎「受信型と発信型の長所を両方取り入れられたら、一番いいのにね。多くのプレイヤーに喜んでもらえるように売れる要素的なものもたくさん取り入れて、それでいて他の作者が簡単に真似できないような斬新なシナリオやシステムを組み込んで世に送り出せたら、鬼に金棒な気もするし。」

逆沢「そうねぇー。特に【受信型】の作者の多くは、結局売れ筋の作品をなぞる事しかできなくて、有名作品の劣化二次創作以下になる事も多いから、どこかでインスパイヤした作品を越える要素が欲しいわね。」

愛原「その一方で、売れ筋とか流行とかそういうのを全く無視して、完全に趣味に走ったような作品も、フリゲには案外ある。というか商業作品としては価値がないからフリゲにならざるを得ないという側面もあるかも知れんが。」

逆沢「あはは。それ、まんまウチだわ。」

愛原「けど【発信型】の作者さんの方が、印象として粘り強く息も長い気がするぞ。【他人の評価に一喜一憂しない】性格だからかどうか知らんが、人気が出ようが出まいが黙々と作り続けておられる作者さんもいたりして、ここの作者が定期巡回する作者さんの中にもそういうタイプの方はいる。そしてそういう人が作られるゲームは、万人向けを捨てているだけあって、ちょっとシステム的、あるいはゲームバランス的、あるいはシナリオ的にキツい部分もあるが、その作者さんにとってのウリであろう部分の破壊力に関しては本当にすごくてだな。中にはゲームバランス自体が崩壊しててとても人様に薦められはしないが、それでも最後までプレイしたくなる不思議な作品もあったりしてだな。」

逆沢「それ、自分のことを言ってるの?」

愛原「違う違う。で、だな。そういう人が作った作品の名前で検索をかけると、たまに酷評されていたりもする。まぁ独りよがりの作品は、誰かを不快にさせてしまう事もあるので、これはやむを得ない事なのかも知れないが。」

逆沢「ああ、その点はウチとは違うわ。ウチはそもそも知名度自体全然無いから。」

鼎「アンチの人がつくくらいには、有名にならないとダメかもしれないよ。どんな人気者のスポーツ選手やアイドルや芸術家の人でも、アンチはつきものだし。それはフリゲ界でもいえる事だと思うし。」

逆沢「そうそう。中にはプレイもしないで叩く軽薄な便乗アンチもいるかも知れないけど、実際にはファンの方以上にやり込んで下さった上で精密に批判してくれる貴重な真性アンチの人もいるし。ほら。アンチ巨人とかアンチ自民党の人の中には、並の巨人ファンや自民党支持者の足元にも及ばないほどに、巨人や自民党について詳しい人もいるじゃない?」

鼎「アンチファンといわれる人だよね。」

愛原「うむ。まさしくどんな形であれ、コメントをつけてもらえるという事自体が、やはり一番ありがたい事なんだろうな。ここの作者も、口べたなので伝わりにくいが、コメントをいただける度に感動して、何度も読み直すタイプみたいだしな。」

逆沢「そうそう。供給過剰の今のご時世では、まずプレイしてもらえた事、まず感想をもらえた事自体が、素晴らしい価値のような気がするし。」

鼎「商売でやっている人は、バッシングの規模が大きすぎると赤字超過で店が倒れかねないけど、私達の場合は、作者本人が製作中断を決断しない限りは、ある意味無敵だし。」

逆沢「【受信型】の人は他人に喜んでもらえる事が目的だから、もし期待する反応が得られなかったらすぐに弱気になっちゃう人も多そうだけど、【発信型】の人は本人に発信したい事がある限り、意欲として衰える事はないから、それで息が長く続きやすいのかも知れないしね。」

愛原「ただ【発信型】の人は、【受信型】の人と比べると、世間の空気やニーズをつかんで上手く波に乗る能力が低いから、それでなかなか大成功しないという欠点もありそうだけどな。俺が知る限りでも、発信型の人は総じて宣伝を軽視する傾向がある。中には萌えなどのブーム自体を毛嫌いする人もいて、良くも悪くも独自路線だから、それで損をしているのかも知れない。まぁこれは、ウチの作者にもそのまま当てはまる事ではあるが。」

鼎「発信型の長所と、受信型の長所を併せ持っている人が、本当にうらやましいよね。」









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