トップページに戻る


愛原様のたわごと(11年8月21日)



愛原「どうやら今年は、前年のような猛暑にはならないようだ。」

逆沢「そうなったら良いわね。前の年は10月まで猛暑が続いてたからねー。」

鼎「電力不足がいろいろ懸念されていたけど、この分だと案外なんとかなりそうな感じだよね。」

愛原「まぁ街自体を暗くした上でやりくりしている東京電力管内と、【ヤバくなったら電力会社が大手企業や官公庁などに対して具体的な形で節電を要請する】という形で準備だけはしてたけど、結局何事もないまま夏が過ぎそうな関西電力管内では初期条件が全く違うので、単純な比較は不可能だがな。」

逆沢「しかし本当に案外、なんとかなるもんだとは思ったわ。」

鼎「世間の反応も、以前のパニックに近い不安状態と比べたらマシになってる感じもするけど、このままだと案外、震災前と同じような状態に戻りそうな気もするよね。」

愛原「俺は逆に、ますます不安が募る一方なのだが、もしかして俺は狂っているのか? 日増しに不安と恐怖が高まってきてしょうがないのだが・・・。」

逆沢「あん? 何が不安なわけ?」

愛原「何も変わらない事の恐怖・・・。【のど元過ぎれば熱さ忘れる】というか、【人類は歴史から何も学ばない】というか、同じ事が繰り返される恐怖・・・。何の改善策も講じられないまま、なぁなぁで済ませられようとしている事の恐怖・・・。まぁ俺からすれば、自然災害で原発が潰れるよりも、戦争やテロや作業員らによる人為的ミスなどによる事故などで原発が潰れる可能性の方が高いと思っていたから(結果的には自然災害の方が先に来るという予想外の展開になってしまったが)、元々、原発には積極的にはなれないスタンスなのだが、仮に維持するならするで、まともな改善策が何も示されないままなのは本当につらいものがある。」

逆沢「まず再稼働ありきって感じだしね。電力の安定供給とか、原発はコスト的にオトクいう名目で。」

愛原「何がコスト的に得だ? 嘘こけ。世界一高いとかいわれる電気料金からしておかしいではないか。」

鼎「それは原発立地自治体とかに配る税金とか各種対策費用が、すごく高くつくからじゃないかなぁ。この前のヤラセで明らかになったけど、色んな工作費もかかってそうだし、あと原発関連はむしろ使用済み燃料とかの処理費も高くつきかねないという話もあるよね。」

逆沢「いや。私的には人件費が一番おかしいと思うわ。かつての電電公社や国鉄と一緒で競争原理が働かないから、いつまでも給料が高止まりしてる感じだし。しかも原発村では7次下請けとか8次下請けとかいうのもあるんでしょ。東京電力の本社が福島原発の復旧作業に働く人達に対して労働者一人当たり10万円近く払っていても、マージン抜かれまくって現場労働者には1万円程度しか回ってこないなんて記事もあったし。」

愛原「本来なら違法同然の業務を本社が直接労働者に指示したら、当然のことだが犯罪になる。だが下請けを何重もかませまくって現場の状況を本社側が把握不能にしてしまえば、【本社としては把握していない】で逃げられるからな。前にニュースにもなってただろう。大阪のあいりん地区などの労働者が騙されて福島原発で働かされていたとかいうニュースも。」

逆沢「ああ、それも【本社としては把握できないから】で済ませちゃってたわね。」

鼎「本当なら危険極まりない違法な業務も、【把握できない】事をいいことにこっそり今でもやらせている可能性はあるよね。末端の日雇い労働者には、詳しい法律の事も分からないし、放射線の量を計測する道具も持ってないそうだから、本人も知らないまま危険な場所で働かれてる可能性はすごくありそうかも。」

逆沢「確か海江田経産大臣自らが、【現場の人たちは線量計をつけて入ると(線量が)上がって法律では働けなくなるから、線量計を置いて入った人がたくさんいる】とか【頑張ってくれた現場の人は尊いし、日本人が誇っていい】とか言って、その事をとても誇り高らかに称揚してたよね。」

愛原「【何、この特攻隊?】とか思ったな。大体、本社が把握できない程、下請けをかませまくったら、産業スパイやテロリストが末端に紛れ込んでいても、全く対応できないじゃないか? ていうか原発という危険極まりない施設は、普通の施設以上に厳しい安全管理をすべきなのに、そんないい加減な人事管理をしてどうする?とも思った。」

逆沢「まぁ人を間にかませばかますほど正確に情報が行き届かなくなるってのは【伝言ゲーム】でも明らかだから、厳重な安全管理を必要とする組織ほど、余計な人をかまさないのは当然だしね。」

鼎「企業でも【顧客の個人情報】を扱うような部署は、誰が外部に個人情報を漏らしてもすぐに追跡可能なように、極めて厳しい管理がされているよね。」

愛原「ところが東京電力は全く真逆の事をやっている。本社の正社員だけが全責任を背負って直接やるべき業務まで、本社側が把握不能な程に間をかまして下請けの下請けの(以下略)がやる構図になっている。しかも故意に。」

逆沢「違法な業務をやりやすくするのと、責任の所在を分散させるのとを狙って、意図的にやってる気がするけどね。あと原発立地の住民に、できるだけ広くお金が行き渡るように対策した結果というのが大きいかも。直接お金を配ったら買収と同じだから犯罪的だけど、仕事を与えて報酬を払うだけなら無問題だし。たとえマージンを抜くだけの業務でも。」

鼎「なんか原発推進派の原動力となっているのは、【電力の安定供給】でも【コスト的に割安】でもなく、単に【関係者の利権】だけのような気もしたかも。別にコスト的に安くもないし、安定供給だけなら需要量の変化に柔軟に対応できる火力などの方がずっと上だし。」

逆沢「特に事故を起こした場合のリスクを考えると、コスト的にはもう圧倒的に原発が不利としかいいようがないしね。まともに被害弁済しようとすると、電力業界では世界一の大きさを持つといわれる東京電力ですら、倒産は確実な程といわれてるしね。」

愛原「新銀行東京の時もそうだが、なんで国民の税金まで出して一企業を救済しないと駄目なのだ? そのくせ体育館などでの生活を余儀なくされている被害者を尻目に、前社長の退職金が5億円とかいう話も聞くが?」
(2013/04/22管理人注〜後日、塩崎委員と東電幹部の間に行なわれた国会答弁によると退職金5億円というのはデマで、実際には4000万円強だったらしいです。返上はしていないとの事)

鼎「それは自分の生活の為もあるけど、従業員達の事を考えた可能性もあると思うよ。もしも自分が退職金の受け取りを拒否したなら、他の社員さんの退職金や年金や今後の給料にも波及する恐れがあるから。」

逆沢「あっそっか。社長が退職金もらって堂々と辞めたのに、他の東電社員の給料や退職金を減らす訳にはいかないってか。つまり今後、東電はいくつかの子会社を売却したりする事で、精一杯賠償のための努力はしましたというアピールをするだろうけど、でも決して従業員の給料や年金などの削減にだけは応じないという意思表示もしてみせたって事ね。」

愛原「政府の方も、東電社員達の給料や年金に手を付けるという話は、これっぽちもしなくなったしな。」

逆沢「まぁ民主党は東電の労組からも手厚い支援を受けてる弱みがあるし、自民党も東電役員らから毎年献金を受け取り続けているみたいだから、どちらも彼らの給与や年金には手を入れられなさそうだけどね。」

鼎「また利権がらみ・・・。」

逆沢「財界も【国営化は反対】とか【これ以上の電力料金高騰は産業空洞化を加速させるから、一日も早い原発再稼働を】とか言ってる割には、世界一高い電力料金の温床となってる高い人件費やマージンの部分には、決して触れないみたいだしね。」

愛原「というか前社長の清水自体が、原発事故直後の4月まで経団連の副会長だったくらいだしな。まさか【世界一高い電力料金の理由になってる俺様の退職金を始めとする人件費こそ、一番に切り下げるべきだ】とも提言はできないだろう。」

鼎「経団連も利権がらみ・・・。」

愛原「原発事故直後の時点で、俺はモラルハザードを防ぐ為にしっかりと罪は罪として糾弾すべきだと、このコーナーで散々言ってきた。もしも東京電力の関係者が事実上のおとがめなしで済んだ場合、他の電力会社も【もう怖いものは何もない】と言わんばかりに、好き放題しかねない恐れがあったからだ。」

逆沢「その悪い予感が的中しそうになってるって事か?」

愛原「うん。原発事故直後の新聞を見てもらえば分かるが、当時の電力会社の腰はまだ低かった。新聞の一面をまるまる使って、こんな事故は二度と起こさないようにという事で平身低頭でしっかりと対策するといわんばかりの広告も出してたものだ。それがいつの間にか節電のお願いという上から目線に変わり、今では【原発再稼働を認めないと、お前ら自身が困ることになるぞ】といわんばかりの脅し目線までに変わってきつつある。」

鼎「本当に立場がすっかり逆転しちゃった感じだよね・・・。」

愛原「原発は今でも世界中にある。また原子力というエネルギー自体、ますます研究を進めたくなる魅力的な要素でもある。というか原子力という分野での科学研究を放棄すれば、日本は今後ますます厳しくなりそうな不安もある。個人的には脱原発という言い方もしたくない。だがな。【今の日本人に原子力を扱う資格があるのか?】と問われれば、残念ながらイエスとはいえない。銃や核兵器と一緒で、持たせてはいけない人や国は残念ながら存在するのと同じだ。」

逆沢「あまり言いたくないけど、かつて放射性物質をバケツで運んでいたような国だからねー。日本は。」

鼎「せめて原発を管理する側の人が、今までの利権を見直して、もっと真剣に安全性とコストに関する意識を高めてくれればと思うけど。」

愛原「俺はそれを期待した。だから6月21日の日記を始めとする過去の日記でも、現状維持だけはダメだけど推進か縮小廃止のどちらの道を選ぶべきかについてはあえて触れなかった。だが現実には、俺がそれだけはやめてくれと思ってた最悪の方向に進もうとしている・・・。」

逆沢「何も変えない道。何も変わらない道ね。世界一高い電気料金も、利権構造も、安全への意識も、本質的な部分は何も変わらないという・・・。」

鼎「最近、【安心と安全の違い】みたいな概念がマスコミでもちらほら見られるようになったけど、彼らの論調は【本当はみんなが思ってるよりも安全なのに、みんなが安心してくれない】的なものが多そうだと感じたかも・・・。」

愛原「不安でパニックになられるのは困るが、安全と思いこまれるのも困る。人は安心してしまうと、余計に変えようとしなくなるからな。そして【人の噂も七十五日】ではないが、人間はどうしても飽きっぽい。俺としては、嫌な流れも感じざるを得ない。現実に最難関と言われた夏も(推進?派があおったほどの障害もなく)乗り越えられて、さぁ原発村の連中に反撃開始だという段階で、踊り疲れの空気が広がり始めるのはな。」

逆沢「むしろこれからが正念場なのにねー。」

鼎「物価とか資源調達などでほとんど条件と変わらない韓国と比べても元々二倍近くも電気料金が違うらしいのに、そんな状態のままでは、円高がどうこうに関わらず、日本経済はまだまだとても厳しいと思うよ。」

逆沢「にも関わらず経団連ですら、【東京電力らが不当に利権をむさぼるから、電力料金が高いんだ】とは決して言わずに、【原発を早く再稼働させないと、電力料金が高くなって企業が海外に逃げるぞ】と論理のすり替えばかりする有り様だしね。政界も被災者そっちのけで、くだらん政争ばかりやってるし。子供手当と見直された児童手当の違いなんかハァッ?って感じだし。」

愛原「政界や財界は、昔からあんな感じだから仕方ない。だが国民の意識の方が問題だ。最近になって思い始めたんだが、もしかしたら国民は、今の政治や社会に対して不満があるにも関わらず、もしも変える事と変えない事の二者択一を迫られれば、変えない事を選び続けるのではないかとも感じ始めた。」

逆沢「現状に満足しているなら変えなくて当然だけど、不満があるのに変えたがらないってが、私にはどうも分からないわ。」

鼎「変える事に対するリスクを怖がっているのかなぁ? もしかしたら変えることを期待されて政権を取ったはずの民主党が、普天間問題でもダム問題でもことごとく挫折したから、国民も変えようとする事自体に嫌気を感じたせいもあるかも知れないけど。」

愛原「俺は基本的に楽観主義者なんだが、何もしないで世の中が勝手に良くなるとまでは思ってないからな。むしろ何もしない事の繰り返しが、どんどん日本を悪化させていると思う。原発事故自体は戦後最大級の悲劇だが、それでも戦争やテロなどによる崩壊でないだけマシだし、これをチャンスに変えて日本の電力業界を取り巻く黒い利権構造も壊せればいいと思っていた。たとえば韓国並みの電力料金にするだけでも電気料金は何割も安くなるし、それだけの金銭的余裕ができれば、日本の生産業界にもかなりのプラスだろう。また原発事故という大災難に真っ向から立ち向かい、人事システムから技術研究まで幅広く真剣に向かい合っていくことで、日本は再び世界の最先端スキルを持つ国に名乗り上げられるだろうとも。」

逆沢「でも実際には、政界にも財界にも、もちろん電力会社自身にも原発立地自治体にも、甘い汁を吸える今のシステムを変える気は全然なかったと。彼らは安心よりも安全よりも、利権を選んだって訳ね。」

鼎「使用済み核燃料の問題も相変わらず棚ざらしだし、これからの賠償金負担も大きいし、老朽化した原発がこれからぽぽぽぽーんとなっていく可能性もあるのに、みーんな問題は先送りで現状維持だなんて、すごく怖いと思ったかも。」

愛原「人間は必ず失敗をする。だが失敗を経験値に変える事で、人はますます成長できる。だが失敗を教訓にしてしっかりと対策を打っておかなければ、いずれまた同じ事を繰り返す事になる。だが実際には、政界も財界も電力業界も、みーんな自分達を取り巻く利権構造を変えようとしない。さっき【安心と安全の違い】という言葉が出たが、連中は国民を【安心】させる為には動けても、【安全】の為には動かない。安全のために動こうとすれば、安全でなかった以前までのシステムを変えなくてはならないからだ。安心させるだけならシステム自体をいじらなくても、繰り返しすり込むだけでもOKだが。原発安全神話を作り上げた時と同じ手法で。」

逆沢「国民は国民で、安心かどうかでモノを判断する傾向があるけど、利権団体は利権団体でどうやって国民を安心させようかだけ考えて、それがヤラセとかにつながっているのかな? あるいは脅しをかける事で【俺たちの言うことをきいた方が、まだ安心だろ】と思わせたり。」

鼎「財政の問題も同じだよね。将来の大きな不安よりも、今の安心みたいな感じで、どんどん借金に借金を重ねてる感じだし。」

愛原「ふう。やっと本題に入った。」

逆沢「何?! お前、今、何と言った? まさか今までの長ったらしい話は全部前置き?」

愛原「うん。実は今回のテーマは【借金】でいく予定だったのだ。」

逆沢「うわぁ。それ却下。話もすっかり長くなったし、今回はこれで終わり。終わり! 決定!!」

愛原「勝手に仕切られてしまった・・・。次回からはもう少し配分を考える事にしよう。」














トップページに戻る