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愛原様のたわごと(11年10月29日)




愛原「横浜ベイスターズのオーナーが、いよいよ変わるらしい。」

逆沢「なんか携帯ゲームを運営している会社が次のオーナー候補として有力らしいわね。といっても私は、モバゲーとグリーくらいしか知らないけど。」

鼎「なんでもモバゲーの会社が次のオーナーになるらしいよ。新チーム名も【横浜モバゲーベイスターズ】になるとかならないとかが、目下の争点になってるらしいよ。」

愛原「俺としては基本大歓迎だ。新チームの運営元がゲーム会社だろうと、チーム名にモバゲーがつこうと全く構わないぞ。」

逆沢「楽天を始めとするいくつかの既存球団のオーナーらが、色々難色を示しているらしいけどね。モバゲーの会社自体が気に入らないのか、球団名にモバゲーがつくのが気に入らないのか、まぁ色々らしいけど。」

愛原「サッカーチームの名前にしろ、競馬の馬の名前にしろ、漫才コンビのコンビ名にしろ、世の中にはいくらでもツッコミどころ満載の名称はあるのに、実にくだらん事を争点にしてやがるなぁというのが、率直な俺の感想だ。」

逆沢「まぁ何にでも、いちゃもんをつけたがる人はいるからねー。特に【前例のない】事に対して批判的なのは、この国のお家芸といっていいくらいだし。」

愛原「モバゲーの運営会社の体質についてはよく分からない。携帯ゲーム自体もやった事がないからよく分からない。そんな自分であるだけに、自信を持ってこの会社に任せたいとまでは思わないが、【よく分からないからとりあえず反対】というのはやりたくないから、俺としては、まずは素直に新オーナーと新チームを歓迎したいと思っている。」

鼎「今の横浜ベイスターズのオーナーには、あまり熱意も企業努力も感じられないから、とりあえず熱意のある会社は私も歓迎したいと思ってるよ。」

逆沢「けど残念ながら、既存オーナーの反応も、ネット内での反応も、横浜の政財界の反応も、どうもイマイチっぽい感じがするのよねー。特に地元横浜の政財界の反応があまりにもネガティブというか。地元に何のゆかりもない企業がオーナーだと、いつ本拠地を移転されるか分からないという危惧が、どうも根底にありそうだけど。」

愛原「横浜スタジアムの悪評を知ってる俺からすれば、新ベイスターズは、一日でも早く横浜から他に本拠地を移転すべきだというのが、むしろ本音なんだけどな。あそこの球場の利権システムは、ナベツネも批判せざるを得ないほどグログロみたいだし。まぁだからこそ尚のこと、横浜の財界や政界はその利権を手放したくないんだろうけど。」

逆沢「西でもオリックスが神戸から大阪に本拠地を移したり、本拠地の移転くらいは何度もみてるけど、こっちの人間の感性では、横浜の政財界の反応はあまりにもズレてると思うわ。」

鼎「去年の横浜ベイスターズも、本拠地問題で散々もめて球団譲渡交渉が破談になっちゃったけど、今年もまた破談になっちゃうのかなぁ?」

愛原「それは分からん。ただ利権団体には屈しないで欲しいと思うし、チーム名がどうとかくだらん次元を争点にするのもやめて欲しいなーとは思う。一野球ファンとして。」

逆沢「私としてはまず、新オーナーの企業がライブドアやダイエーみたいにならないで欲しいと思うわ。」

鼎「そういえばモバゲーって、あくまで商品名であって企業名ではないらしいよね。」

愛原「正式な企業名は、DeNAとかいうらしいな。まぁゲーム業界では、ブランド名だけが有名で、そのブランドや商品を生産・企画する企業名自体が無名な所も珍しくないが・・・。という訳でそろそろ今回のテーマ。即ち【正式名称】だ。」

逆沢「おおっ。今回もぽんっとテーマが飛び出した!」

鼎「けど世の中には、正式名称がよく分からないものも多いよね。略称通称が有名になりすぎたり、色んな理由があると思うけど。」

愛原「前回のテーマで登場した項羽も、正確な氏名を言えといわれれば項籍だからな。項籍を項羽と呼ぶのは、諸葛亮を諸葛孔明と呼ぶのと同様。まぁどっちでも構わないといえば構わないのだが。」

鼎「けど歴史オタクといわれる人の中には、すごーく正式名称にこだわる人もいるよね。真田幸村とか坂本竜馬とかいうと、真田信繁だ!とか、坂本龍馬だ!とかツッコミを入れたがる人。」

愛原「そういう手厳しい人がいるから、前回のテーマの時は【項羽(項籍)】と一応断り書きをしておいたが・・・。だが俺にいわせると、【そんなのどーでもいいだろ】というのが、正直な感想だ。」

逆沢「けど硬派な歴史ファンとしては、そういういい加減な態度が許せないんじゃない? やっぱり正式名称にこだわりたい気持ちも分からなくもないし。」

愛原「まぁ俺も、末席レベルの歴史ファンではあるから林通勝や弘中隆兼の正式名称が林秀貞とか弘中隆包なんだろうという事くらいは知ってるけどな。けどそういうのを知ったかぶりして自慢する人は嫌いだから、普段はそういう話は一切しない事にしてるが。そういえばかなり昔の話だが、とある三国志マニアAが別の三国志マニアBをつまんない事でこき下ろす会話を耳にした事があったな。」

逆沢「ん? どんな風にこきおろしていたんだ?」

愛原「うん。三国志の中に夏侯惇とか夏侯楙という登場人物がいるのだが、Bが彼らの事を【カコウジュン】【カコウモ】と呼んでいると、Aの方がゲラゲラ笑ってそれは【カコウトン】【カコウボウ】と訂正してみせたんだ。お前ら、これを聞いてどう思う?」

逆沢「さぁ? どっちでもいいんじゃない? そもそも中国語で発音したら、全然別の発音になりそうだし。日本語の音読みをどう読もうと。」

鼎「有名なゲームとかで登場する読みでは、大体Aさんの読みで統一されているから、分かりやすさではAさんに分があると思うけどどうかなー?」

愛原「実はBの読みは、有名な吉川英治の三国志の読みでもあるんだけどな。」

逆沢「そんな事言われても、その筋のオタでもない人間にはピンとこんわ。まぁ日本国内での三国志の原点といえば、吉川英治か横山光輝のどちらかに集約されそうだけど。最近ならKOEIのゲームあたりで初めて知る人も多そうだけど。」

鼎「それじゃあ、日本語表記という意味では、どっちも正解という事になるのかなぁ?」

愛原「俺としては【どっちでもいいだろ】派なので、一方的にどっちが正しいという表現はしたくない。ああ、ちなみに精密な語学レベルでいえば、夏侯楙の【楙】は、漢音ではボウ、呉音ではモと発音する。」

逆沢「漢音、呉音って何だ?」

愛原「詳しい事をいうと長くなるから、wikipediaでも何でも調べてくれとしか言えんが、ざっくばらんに言うと、漢音は主に中国北部で使われている中国語を日本に持ち帰って日本語の音読みにした音読み。呉音は呉地方(中国南部)で主に使われている中国語を同様に日本に持ち帰って音読みしたものだ。ちなみに歴史的には呉音の方が古い。」

逆沢「ていうか中国語は、北部と南部で発音が違うのか?」

愛原「日本語でも様々な方言があるように、中国語も実は地方ごとに大きな差異がある。ていうか中国語の南北格差は日本語における方言以上にひどくてな。現代日本人が習う中国語は大抵北京語といわれるものだが、これだけをもって中国南部の寒村にいくと、全く言葉が通じないらしい。」

逆沢「まぁこっちの人が長崎とか青森にいくと、現地の人の方言に???となる事もあるから、納得できない事もないけどね。」

鼎「とすると正式名称にこだわる硬派な歴史ファンの人は、その人物が北部の人か呉の人かで読みを変えた方が通っぽくて面白そうだよね。」

愛原「ちなみに三国志では楽糸林(正確には糸へんに林のつくり)、孫糸林(同)という人物も登場し、これも媒体によって【ガクチン・ソンチン】派と【ガクリン・ソンリン】派に分かれている。これは漢音・呉音の区別ではなく、意味による相違なので尚のこと、どっちを正解にすべきか分からない。止めるという意味ならチン(中国発音ではchen)、盛んという意味ならリン(中国発音ではlin)になるからだ。」

逆沢「だーっ。訳わかんねー!! 聞けば聞くほど、もうどっちでもいい気がしてきたわ。大体日本人名でも、友美と書いてトモミと読む人もいればユミと読む人もいるし。」

鼎「宇宙と書いてウチュウではなくソラと読ませる人もいるよね。」

愛原「宇宙の例は特殊な気がするが、ナカタと読むのかナカダと読むのか分からないような例はちょくちょくあるよな。」

鼎「でもやっぱり自分の名前は、正しく読まれたい気もするよね。どんなにややこしくても、正式名称にこだわりたい人の気持ちはやっぱり分かる気がするよ。」

愛原「正式名称にこだわって、ぐちゃぐちゃになる例もあるけどな。たとえば大阪府内に四條畷市という市があるが、ここなんか昔はかなりヤバかったんだぞ。」

逆沢「ん? どんな感じでやばかったの?」

愛原「うん。公式表示としては、四條畷市役所四条畷駅四條畷警察署四条畷郵便局・・・ってな感じで、がまぜこぜだった。数年前に四條畷市役所が府議会に強力な圧力をかけて、ようやく大部分の地名を四條畷に変更させるのに成功したが、それでもJRなどは未だに四条畷駅の名前のままにしているし、民間施設にも同様の混同がみられる。」

逆沢「うへえー。外部の人にとっては、どっちでもいい問題なのに〜!!」

愛原「俺もそう思う。大体、条の旧字体が條に過ぎない訳だから、普通に使う分には条で構わないように思うのだが・・・。そんな細かい事にこだわると、たつの市みたいにしなくちゃならなくなっちまう。」

鼎「たつの市は、ひとそれでも登場した兵庫県内の市名だよね。」

愛原「うん。たつの市は旧龍野市を中心としたエリアで平成の大合併の結果、誕生した市なのだが、ここも竜野龍野で地名の混同が見られる。たとえば龍野西インターチェンジを降りると、竜野西インター線たつの相生線という2つの県道に接続する。で、たつの相生道から国道2号線に入り、そこから東に向かうとJR龍野変電所があり、さらに東に行くとJR竜野駅がある・・・みたいな感じ。」

逆沢「・・・意味不明、意味不明、意味不明。頭が痛くなりそうねー。そういうの。」

鼎「だから平成の大合併を機会に、ひらがなの名前に変えちゃったのかなぁ?」

愛原「俺としては、くだらん事でもめるから、ヤケクソでつけたような市名にしなきゃならなくなるんだって感じだが。だろうがだろうが、どうでもいいと考える俺としては素朴にそう思う。」

鼎「そういえば広島という地名も、元をたどれば廣島らしいよね。」

逆沢「何でもかんでも旧字体にこだわり始めると、色々混乱の元になりそうな気もしてきたわ。」

愛原「ちなみに斉藤という名字を正式名称で正確に書こうとすると、かなり大変だぞ。なんと31種類もあるらしいから。学生時代に中国語の先生からも教わったネタだが、実はでは元々別の意味を持つ別の漢字だったそうだが、その事もリンク先にちょこっと書いてある。」

逆沢「知ったかぶりして安易に旧字体を使うと、本当に詳しい人から色々突っ込みまくられそうで怖くなってきたわ。」

愛原「この正式名称をどう扱うかという問題は、小説家やAVGのライターにとっては、結構重要な問題だ。もちろん万人が納得する正解があるわけでもなく、最終的には個々のライターのポリシーによるだろうが。」

鼎「難しい問題だよね。項羽とか真田幸村と書くと分かり易いけど、一部のマニアックな人からは無知とか誤字扱いされる恐れもあるし、だからといって項籍とか真田信繁と書くと知ったかぶりのマニアックな人と思われるリスクもあるし。」

愛原「俺の場合は、【通称略称どんとこい】路線だから、テキストでも分かりやすい方(但し主観)を優先したいと思っているけどな。正式名称にこだわると、テキスト分量的にメチャクチャになる上、意味不明になる例も多いし。たとえば法律名とか。」

鼎「小渕内閣の時に成立した通信傍受法とかは、色んな呼び方があるよね。」

逆沢「当時のマスコミとかは、盗聴法と呼んでたけどね。事実、盗聴を合法化する法律だし、分かりやすさでは通信傍受法よりもずっと分かり易いしね。」

愛原「ちなみに正式名称は、盗聴法でも通信傍受法でもなく【犯罪捜査のための通信傍受に関する法律】だ。こんなのAVGのテキストに載せたら、あっという間に容量パンクものなので、よっぽどの事がない限り、絶対に使わないけどな。」

逆沢「それが賢明。法律関係は簡略化するに限る。あと大臣名とか。」

鼎「防災大臣とか復興大臣という風にまとめたら簡単なのに、東日本大震災復興対策担当内閣府特命担当大臣とか書くから、すごく覚えにくいものになっちゃってるよね。」

愛原「長ければ長いほど、偉そうに感じる人もいるのかも知れないけどな。」

鼎「略称は略称で、便利な事も多いよね。短くて分かりやすく相手に伝える事ができるから。」

逆沢「モバゲー自体も、モバイルゲームの略みたいだしね。いつの間にか略称の方が正式な商品名になってるみたいだけど。」

愛原「それを言ったらファミ通も、元はファミコン通信が正式名称だったんだが、気がついたら略称が正式名称に昇格したタイプだな。」

鼎「でもファミコン自体、何かの略称の記憶があるけど・・・。」

逆沢「略称の略称が、正式名称に昇格ってか。もう原形が何か分からなくなりそうだわ。」

愛原「ちなみに俺も、略称や通称はよく使用するぞ。法律名や大臣名はもちろんだが、俺にとってのマクドナルドはあくまでマクドのような感じでな。」

鼎「でも東京の方では、マクドナルドの略称はマックらしいよね。」

愛原「関西では、マックといえばマッキントッシュ(最近はあまり聞かないけど)。マクドといえばマクドナルドだ。関東や東北ではどうか知らないが。」

逆沢「まぁマクドでもマックでも構わないけど、いわゆる正式名称厨の人は、あくまでマクドナルド一択なのかな?」

愛原「その辺は臨機応変だろ。正式名称にこだわるべき時と、分かりやすさを優先すべき時がある。表彰状を授与する時や冠婚葬祭の時など、相手に敬意を伝えるべき時には、なるだけ正式名称にこだわった方がいい。逆に業務効率や会話のテンポを優先すべき時は、通称や略称も便利だろう。マクドナルドや内閣総理大臣野田佳彦ではなく、マクドや野田総理(場合によっては野田と呼び捨て)でも話は通じるし、その方がテンポもよいからな。」

逆沢「そういえば毎年、【間違って使われがちな言葉】が調査されて、この前も【姑息】とか色んな単語がピックアップされてたけど、私も正式な言葉の意味に気付かないまま使っている事も多いわ。」

鼎「法律用語とかもそうだけど、正式な意味とか名称が分からないままの事も多いよね。」

愛原「誤字脱字はAVGや小説家などの物書きにとっては恥なのだが、テンポを悪くして、読みにくくしてまで正式な表現にこだわる訳にはいかないからな。知らずに誤用している時もあれば、知っているけどあえて無視している時もある。なので今後も項羽は項羽だし、真田幸村は真田幸村、野田は野田、マクドはマクドという感じで、気楽にやっていきたいと思っている。気に障る人がいるのは百も承知だが、どうかご了承願いたい。」









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