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愛原様のたわごと(11年12月9日)




愛原「7月17日の日記で取り上げたこれだが、元ネタのメーカーさんから訴えられたらしいぞ。詳しい事は検索して自力で調べてもらった方が正確でいいと思うが、まぁ要するに【本家メーカーが商標権侵害で訴えを起こした】という事。オタク向けの比喩でたとえれば【二次創作品はアウトだ!】と本家から怒られてしまったという事だ。」

逆沢「っていうか、吉本興業ほどの大手のくせに本家メーカーに一言断ってなかったのかって、あたしゃ思ったんだけど。大体、モノマネ芸人にしたって、元ネタの芸人さんにはあらかじめ許可を得てたりするのが普通なんじゃない?」

愛原「まぁモノマネ芸人の中には、100近くのレパートリーがある人もいるし、政治家とか外国人とか二次元キャラのモノマネもする人もいるから、その辺は一概にはいえないけどな。まぁ芸能界自体が礼儀にうるさい業界という事もあって、先輩芸能人のモノマネをする時は、モノマネ芸人の方もそれなりに気を使って筋を通す事は多いらしいが。」

鼎「でもさすがにオバマ大統領のモノマネをするからといって、オバマ大統領の許可を事前にとったりはできないよね。」

逆沢「けど今回はお菓子だし、国内メーカー同士でもあるんだから、筋を通そうと思えば、いくらでも筋の通しようはあると思うんだけどねー。」

愛原「俺もてっきり筋を通してたとばかり思っていたので、正直残念だ。まぁ会社規模で言えば吉本の方がはるかに大きいし、しかも吉本興業側が訴訟慣れしている事を恐れてか、本家メーカーとしても今までは静観していたようだが、東京進出はいかにも勇み足だったな。」

鼎「ほえっ? なんで東京に進出すると勇み足になるの?」

愛原「本家の白い恋人は本来、、北海道を地盤にした地域限定商品という位置づけだろ。つまり本家メーカーの意図とすれば、その気になれば全国のスーパーなどに広く流通させる事も可能なのに、あえてそれを放棄して地方限定にする事で、ブランド価値を高める方針を選択した事になる。そして面白い恋人の方も本来は大阪限定だったから、こちらも地方限定商品という扱い。しかも北海道と大阪では、全く地盤が重ならないので、この段階では【吉本興業が本家メーカーの売り上げを妨害した】と主張するにはやや決定打に欠ける(そもそも類似品と呼ぶには、お菓子の種類から包装まで明らかに異なりすぎる等の要因もある)。正直、訴訟慣れしている巨大企業相手に裁判を起こすには、ややリスキーだ。だが東京に進出した時点で地方限定商品でもなんでもなくなってしまうだろ。地域限定商品という事で、ブランド価値を高めている本家としては、これは大問題だ。」

逆沢「あー、なるほど。法的な観点で言えば、東京進出が吉本興業の命取りになったって事か?」

鼎「でも最近は、地方の特産品も空港とかアンテナショップとかで、簡単に手に入れやすくなったよね。」

愛原「十数年前くらいまでは、アリバイ通りなどが希少な地方特産品の入手場所として機能して味わいもあったが、そういう意味ではつまんない世の中になってしまったな。」

逆沢「てか、アリバイ通りって何?」

愛原「現在ではかつて存在してたかどうかも分からない有り様だが、昔、梅田の地下街にはここにいけば全国の特産品が手に入るという場所があったんだ。つまり、【九州に出張】という名目で家を留守にしたダンナが、アリバイ通りで九州のお土産を買って、【出張から帰ってきたぞ。ほら、これがお土産だ】という言い訳に使えるからアリバイ通り。」

逆沢「な、なんという・・・。」

愛原「まぁ俺個人としては、地方限定商品はできればとことん地方限定にこだわって欲しい派だけどな。地方限定商品が東京で手に入ったら、そんなの地方限定でも何でもなくなるだろうが。まぁそれを言ったら、四国に渡らずとも、淡路島にあるサービスエリアで香川県や高知県のおみやげ品まで堂々と売っていたりするから、ありがたみのかけらもねぇなーとも、思ったりもするのだが。」

逆沢「ところで前回は、テーマ名も決めない内に勝手に話が終わってしまったけど、今回のテーマは決まっているのか?」

愛原「おお、そうだ。油断してると雑談だけで話が終わってしまうからな。ちなみに今回のテーマは、二次創作品についてだ。」

鼎「二次創作品というと、同人の華だよね。」

逆沢「そんなカッコいいものか? 私にいわせれば、他人のふんどしで相撲を取るパクリ便乗商品そのものじゃない? あーいうものを恥も外聞もなく創作している連中をみてると、中国や他の国の著作権侵害行為を全然非難できないと思うわ。」

愛原「ちなみに先の面白い恋人について、吉本興業側は【パロディー商品】と説明している。つまりモノマネ芸人と同類という扱いだな。ニセモノを本物という事にして売ったら海賊版というか、犯罪そのものだが、二次創作の同人誌にしても、モノマネ芸人にしても、本家のフリをして客をだましている訳ではない点は、やはり争点としては重要だ。」

鼎「法的な解釈で言えば、パロディー商品というのは、どういう扱いになるのかなぁ?」

愛原「著作権や商標権や肖像権などの各種権利の影響は、やはり大なり小なり受けると思われる。つまり親告罪の範囲で、もっとかみくだして言えば、元ネタの権利者がダメと言ったらダメだという事。」

鼎「じゃあ、ダメと言わなかったら?」

愛原「全く問題ない。たとえば中国でよく日本製品のパクリがみられるというが、権利者がそれを黙認している限りは、それも全く問題ないという事だ。少なくとも権利者でない第三者がどうこう口を挟む問題ではない。二次創作品に寛大な原作者も日本国内では多いし、藤子・F・不二雄氏なども、海外の海賊版に対して、読んでくれたらそれでいいと言わんばかりにすごく寛大なスタンスだったそうだしな。」

鼎「二次創作品が出回る事で、プラスの宣伝効果が出る事もあるし、一概に二次創作品を否定する必要もないと私は思うよ。」

逆沢「でもディズニーやジャニーズのように、著作権や肖像権を厳しく管理する所もあるけどね。」

鼎「私からみると、ディズニーの厳しさはちょっと過激すぎると思うよ。営利目的でない小さな子供のお絵かきまで消して回るとかは、あまりにも極端な気もするし。」

愛原「ただディズニー社の場合は、一応正規の著作権保有者だからな。著作権者でもないのに、一方的に中国(の国内で日本のアニメキャラクターなどを無断使用される現象)を批判したがる人達とはちゃんと区別しておいた方がいい。」

鼎「こうしてみるとアメリカと中国では、著作権のグレー部分に関する認識が正反対の気もするよね。アメリカは権利者に許可を取らない限りは原則的にクロ。中国は権利者からアウトを突きつけられない限りは原則的にシロ。日本の場合は・・・二次創作品を中心とした同人文化が普通に通用している事から考えると、親中国派って感じもするけど・・・。」

逆沢「けど自分達は平気で二次創作の同人誌を買うし、ディズニー社の厳しい態度も嫌いだけど、中国に対しては(自分が著作権者でもないのに)厳しい態度を取りたがるという超ダブルスタンダードな人も多そうな気もするけどね。」

愛原「【外国の連中が我が国の文化遺産を無断で使用する事自体許せない】という認識なのかも知れんな。おそらくアメリカ人からみれば、中国人も日本人も同類に見える事だろう。人様の国の著作権物を無断で使用したがったり、二次創作品が蔓延しているという点でも。」

鼎「噂の範疇だけど、TPPが施行されたら、著作権に関する運用もアメリカ流になって、同人文化も徐々に制限されていく事になるだろうという話も聞いたことあるけど・・・。」

愛原「それは現段階では何ともいえんな。ただ権利者に許可を取らない二次創作物をシロと取るかクロと取るか? これは法的にも大きな問題だ。日本は権利者が訴えない限りはシロとみなす中国式寄りのスタンスで今までやって来てるが、将来、アメリカ流の運用が日本でも適用されて二次創作品が厳しく制限される世の中が来るのかも知れない。」

逆沢「ま、私に言わせれば、いちいち誰かの著作物をパクらなくても、全てオリジナルにすれば、誰からも訴えられなくなるのに、コミケなんかでも二次創作品ばかり人気あるのか自体、すごく不思議でしょうがないわ。」

鼎「そういえば、そうだよね。私達、同人ゲームの世界では、二次創作品よりもオリジナルの方が多い印象だけど、同人漫画の世界などでは、圧倒的に二次創作品の比率が高そうだし。フィギュアなどの分野では、ほとんどが二次創作品ばかりの気もするよね。」

愛原「まぁ、それはしゃあない。どこの馬の骨とも分からないオリジナルキャラクターよりも、既に広く認知されている版権もののキャラクターの方が、色々感情移入もしやすいし、友人と共通言語で会話もしやすいからな。」

鼎「でもゲームの世界では、まだまだオリジナルが優勢な気がするよ。」

愛原「それでもコミケなどでは話がかなり違ってくるぞ。やはり版権キャラクターが活躍するようなゲームの方が圧倒的に強い。」

逆沢「【けっ。最近のオタクどもは・・・】って感じで嫌になるわ。まぁ買う方の立場としては分からなくもないけど、売る方の根性が気に入らないというか。他人のふんどしで勝負する事に対する羞恥心はないのかと。」

愛原「コミケに出品する側の人の大半は、あくまで商売でやってるからな。この辺は、営利目的で日本の版権キャラクターを使用する中国人の発想と実は大差ない。」

鼎「無名の作家がオリジナルで勝負しても、私はすごくキツいと思うよ。だってプロのライトノベル作家やイラストレーターでも、泡沫状態のまま消えていく方が多いみたいだし。」

愛原「こんな記事もあるしな。プロになってからも狭き門だが、プロになるまでも非常に狭い。ところがそんな無名の作家でも、版権キャラクターを使ってエロでも書(描)けば、それなりに収入になったりするのが現実だ。そりゃあ日本の同人作家も中国人も、二次創作に走りたがるという奴だ。」

鼎「【日本人は一から物を作り出すのは苦手だけど、元からある物を改良するのは得意】という話は聞いた事があるけど、それが日本で二次創作品が広く受け入れられているのかなぁと、私は感じているけどどうかなぁ?」

逆沢「元々日本人はパクリが得意で、しかもそれが一番カネになるからってか。それで彼らは、著作権侵害で訴えられるリスクを背負ってまでも、あえて二次創作の作品ばかり作っていると言うわけね。」

愛原「まぁ、そう責めてやるな。オタクなら好きなキャラクターの一人や二人はいても不思議はないし、そのキャラクターが自分の思い通りに動いてくれたり、可愛く描けたりしたら、やっぱり素直にうれしいだろう。キャラクターに対する愛情もないのに売れるという理由だけで起用する作家さんも中にはいるかも知れないが、大半はその版権キャラクターの事が大好きな作家さんのような気もするぞ。」

鼎「自分が好きな作品とか、好きなキャラクターであるほど、よりその作品やキャラクターが輝ける二次作品を作れるような気がするよね。」

逆沢「まぁ、それは同感ね。逆に商売根性だけの連中が二次作品に挑戦した所で、むごい原作レイプものしか出来上がらないような気がするし。」

愛原「あまりにむごい原作レイプをされると、日頃、二次創作に寛大な本家の作者さんですら、著作権侵害カードを振りかざしたくなるだろうからな。」

鼎「他に、権利者が気分を害するような二次作品のタイプとしては、どんなのがあるかなぁ?」

愛原「@ネタバレの程度。A営利。B原作者や作品自体への敬意。このあたりだろうな。」

逆沢「@は最近、よくみられるプレイ動画などで問題になりやすいパターンね。」

鼎「プレイ動画も、程度をわきまえないと、シナリオがネタバレになったり、隠しアイテムのありかが丸出しになったり、ひどい場合は営業妨害になっちゃうから要注意だよね。」

逆沢「未読の推理小説の最初の方に、【コイツが犯人】と落書きするようなものだからねー。そりゃ原作者も怒るわ。シナリオの中身が広く知れ渡った後ならともかく、そうでもない内に、エンディングの中身を暴露するような形の二次創作品を出すのは厳禁って事ね。」

愛原「営利規模も大事だ。特に本家を脅かすほどに売れていながら、本家に一切キャッシュバックしないなんて事は、絶対あってはいけないと思う。面白い恋人問題で、本家メーカーが怒った理由の一つも、おそらくこれだろう。」

逆沢「大阪だけでなく東京でも売り出したら、北海道限定で売ってる本家の売り上げを、パロディー側の方が大きく超過する可能性すらあるからね。本家に便乗したパロディー商品のくせに、本家よりたくさん儲けて、しかも本家に何のキャッシュバックもしなかったら、そりゃあ本家もキレて当然だわ。」

鼎「もしも本家の作品よりも、二次創作のエロ本の方がたくさん売れて、しかも本家に何の断りも還元もなかったりしようものなら、本家側が怒って、二次創作品の差し止めと損害賠償を請求されても仕方ないよね。」

愛原「他人のふんどしで相撲をとりながら、ふんどしの本来の持ち主よりも大きな顔をして平然としてるのは、色々アウトだろうと思う。」

逆沢「そしてBか。まぁ、これは当然ね。プレイ動画一つとっても、オススメのゲームとして紹介されるのと、地雷ゲーム発見しましたといわんばかりにさらされるのとでは、雲泥の差があるしね。」

愛原「プレイ動画をインターネット上に投稿する事自体、著作権的にグレーなのに、その作者をコケにするような内容は、さすがにまずすぎると思われる。」

逆沢「こうしてまとめてみると、二次創作作品が認められる条件としては、まず本来の権利者を尊重する事がありそうね。」

鼎「本来の権利者の心理としても、自分の作品をほめてもらったらやっぱりうれしくなるし、悪い意味でなければ少しでも広く知れ渡って欲しいという思いはあるよね。」

愛原「自分の生み出したキャラクターが、自分以外の作者さんの手によって元気に生まれ変わって躍動する光景も、なかなか味わい深いものになる可能性はあるな。俺個人としては、ミッキーマウスを遠い遠い国の小さな子供が描いた所で、ウォルト・ディズニーが怒る光景も想像できないし。藤子・F・不二雄氏に限らず、自分が生み出したキャラクターや作品が、国内のみならず国外でも評価されている事に満足感を感じるクリエイターは少なからずいると思う。」

逆沢「ただそれでも、私としては、やっぱり二次創作品よりはオリジナルの方を高く評価したいんだけどね。いや、あくまで受け手ではなく、クリエイター側の立場として見た場合の話だけど。」

愛原「心配しなくても、クリエイターの心理としては、大半の人がオリジナル志向だと思うけどな。ただクリエイターもメシを食わなければいけないし、営利的観点で言えば売れ筋は無視できないというだけで。」

鼎「むしろ自分では完全オリジナルだと思っているのに、他人からパクリ呼ばわりされる可能性もあると思うけど、これはどうかなぁ?」

愛原「音楽業界やコピーライター業界はもちろん、自動車業界などの普通のメーカーでも、たまにみられる現象だな。まぁ実際問題として、漫画家だからといって国内の全ての漫画を事前に読んで、いちいちネタがかぶっているか否かを確認するわけにはいかないし、作曲家だからといって世界中の音楽を事前に知る事も不可能な以上、日本のどこか、世界のどこかで、自分の創作した作品とそっくりの作品が先に誕生しててもおかしくはないからな。」

鼎「自分ではオリジナルだと確信しているのに、もしも他人からパクリだと訴えられたら、この場合はどうなるの?」

愛原「法的解釈でいえば、偶然、似通ってしまったというだけで、いきなり罪に問われる事はない(但し、本当に偶然だったかとか、どの程度まで似ているか等を巡って、激しい争いになる可能性は大きい)。あと特許権や商標登録関係は除く。まぁこの辺は、いろいろややこしいので、詳しく知りたいなら判例などを参考に自分で調べてくれ。」

逆沢「まぁ他人の作品をパクるつもりはなくても、王道を目指せば他の作品と似通ってしまいがちになるし、憧れの作品があって【自分もこういう作品を作りたい】と思ってる人は、なおのこと憧れの作品に似通ってしまうし、売れ筋を目指しても、やっぱり他の売れ筋を狙った作品に似通ってしまう事は普通にあるだろうしね。」

愛原「んな事を言ってたらキリがない。だから俺としても、著作権とかそういった概念にはできるだけ寛大でありたいと思っている。」

鼎「私達の作品も、パロディー要素などは普通に盛り込むし、完全オリジナルとはいいにくい部分も多いよね。」

愛原「ていうかリアリティーとオリジナリティーの相性も、実は意外と悪いからな。たとえば主人公達にリアリティーのある服装をさせると、どこかで見たことのある服装になりがちになるようなものだ。」

逆沢「あ、そうか。現実離れした服装をさせたらリアリティーは限りなくゼロに近くなるし、リアリティーを追及したら、どこかで見たようなファッションのパクリになっちゃうし。」

愛原「ま、現実にはそんな事で問題視される事はまずないし、またそういう世の中であり続けて欲しいと思う。まぁ俺個人のスタンスとしては、調味料としてパロディーを作中に加えるのはアリだが、誰かの作品のパクリだとか、便乗作品とまでは思われたくないなぁという思いはあるのだが・・・。」

逆沢「心配しなくても、ウチの作品が売れ筋や王道であるはずがないし、既存有名作品のパクリにもみえない代わりに、誰からもパクられる可能性もないから♪ 色んな意味でヤバすぎるから。」











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