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愛原様のたわごと(12年2月19日)




愛原「毎年、冬は全くと言っていいほど、製作が進まなくなるが、久々にウディタ開いてみたら、カンが戻らなくて、かなりヤバい事になっている。」

逆沢「ブランク空けると、どうしてもそうなりがちだわ。まぁこればかりは波に乗るまで、慣れていくしかないわね。」

鼎「既に作ってあったと思ったイベントがまだ未完成のままだったり、スイッチの接続が未完のまま放置してあったりすると、そういう箇所を見つけるだけでも大変だよね。」

愛原「うん。とりあえずテストプレーして、【あれ?】と思った場所から順に、片っ端から手直しするローラー作戦で対応する事にしてるが、まぁ、ぼちぼちやっていくしかあるまい。」

逆沢「今の時期は、ほとんど製作が進まないから、中途半端に前に進めようとしても、あまり実効性はなさそうな気もするけどね。」

愛原「それは毎年の事だから、ちゃんと分かっている。ただ中途半端と分かっていても、全く触らないまま放置し続けるよりはマシだからな。仮に半年も停止したままにしておこうものなら、どの変数をどういう用途で使っていたかまで忘れてしまいそうで、そんな事になったら、通常運転に戻すだけで1ヶ月も余分にかかりかねん。」

鼎「今の時期にあえてウディタを動かすのは、プロ野球選手が真冬の間に、本格的な練習やキャンプ自体はできなくても、ジョギングだけはやるようなものだよね。」

愛原「うん。そんな感じ。今は本格的に製作するだけの時間は取れないが、いつでも本格始動できるように準備だけはしておこうという感じだな。」

逆沢「去年は、ほとんど丸々1年、そんな状態だったけどね。」

愛原「今年も分からん。脳内にネタだけ、ストックされ続けていく有り様だわ。」

逆沢「政権交代しても不祥事ばかりだから、本当にネタの種だけはつきそうにないわね。」

鼎「でも国民は、まだ日本を諦めてないと思うよ。今でも橋下さんの新党とかに期待している人は多そうだし、未来に希望を持っている人もたくさんいると思うよ。」

愛原「人間は希望が必要だ。希望のかけらもなくなれば、ただ生かされているだけの家畜と変わらん。」

逆沢「けど橋下って、結構うさんくさくない? かつて国民の多くが期待した民主党がアレだったから、ちょっと疑心暗鬼になってしまっているだけかも知れないけど。」

愛原「俺からみても、うさんくささバリバリだが、現状、選択肢が限られてしまっているからな。まぁ再建や創造は別の誰かに任すとして、利権構造の破壊だけやってくれたらいいかなというのが、今の俺の率直な感想だ。民主党は破壊すらできなかったし。」

逆沢「破壊に限らず、何かをやり遂げようとすれば、ある種の信念というか意地というか誇りというかプライドというか、そういうものが必要だと思うけど、民主党にはそういうもののかけらも感じられなかったわ。小泉純一郎が自民党分裂というリスクをかぶってまで郵政解散に打って出た時のような勇気のかけらでもあれば、未来はもっと変わってたと思うのに。」

鼎「もしも何をやり遂げるのにそういうものが必要だとするなら、橋下さんにはそういうものは備わっているのかなぁ?」

愛原「以前俺は東国原と橋下を比較した際に、東国原を袁紹、橋下を曹操と評した事があったが、橋下は劉邦にも近いタイプだなと、最近感じ始めている。少なくともあの男には、プライドとか誇りのようなものは全くなさそう。というかあの男は、目的や野心のためなら見栄プライドも簡単に捨てられる男だろう。正直、かなりヤバい。」

逆沢「そうかなー? 橋下って結構、信念の人ってイメージもあるけど。」

愛原「いやいや。橋下は過去にも一切拘泥しないタイプだぞ。自分に都合が悪くなれば、過去の自分の発言も所行も、全て無かった事にしてしまう変節の人だ。自分の生まれ育った環境が貧しい時は貧しい者に擁護的な党の世話を受ける事もよしとし、自分が裕福になれば逆に富裕層寄りの権力者にすりより、弱者擁護サイドの政党を容赦なく叩けるタイプというか。人気も知名度もない内は実利に徹した弁護士として徹し、人気や知名度が出てくればそれを前面に押し出して国民の味方に豹変できるタイプというか。」

鼎「そういえば、橋下さんって、元々は大阪府の財政問題を問題視して府知事に当選してたけど、いつの間にかWTCへ府庁移転とか、伊丹空港廃止とか、全く別の話題をするようになって、大阪市長選挙が近付くと、今度は二重行政問題を前面に押し出して平松さん叩きを激しくやって、そして当選後は、今度は船中八策とか言って、首相公選制とか年金とか色々言ってるけど・・・。」

逆沢「よくよく過去をふり返ったら、過去にブチあげた問題のほとんどが棚晒しというか、ぜーんぶ無かった事になってる気がするよね。伊丹空港の問題も府庁移転の問題も財政の問題もどこ行ったの?って感じ。市長選挙前には散々話題になってた、大阪府と大阪市の水道重複問題を始めとした二重行政問題もこのままでは、無かった事になりそうな気が・・・。」

愛原「な。橋下の目線には過去はないんだ。あるのは常に現在と未来だけ。おそらく伊丹空港の問題などを今の橋下に問い詰めても、【昔、そんな事で盛り上がってたなぁ】という本音と、【まぁ、それはいずれ片付けますので】というタテマエでゆるりとかわされそうな気がする。ワイドショー気質と言ってもいい。」

鼎「そういえばワイドショーも、【徹底的に特定の芸能人や特定の事件を叩いてたかと思えば、別の面白そうなニュースが飛び込むと、そちらに話題を移して、以前、話題にしてたネタは解決して無くても放置したまま】って事が多いよね。でっかく騒いだ割にその後始末も責任も取らず、次のネタで騒ぎ続けるという意味では、政治家の肩書きをつけたワイドショーという感じかも。」

逆沢「さすがお茶の間の人気者。テレビ業界が喜びそうな事というか、視聴者(=国民)のツボを知り尽くしているわ。新しいネタで盛り上がってしまえば、古いネタの事なんかどうでも良くなるという人間心理を。」

鼎「とするとこのままマスコミが船中八策で橋下さんを持ち上げて、争点が国政に移ってしまえば、今度は二重行政問題も棚晒しになっちゃう懸念もあるという事かなぁ?」

逆沢「【大阪府を変える】と言って、大して変えないまま【大阪市を変える】と言ったら市民は喜んで飛びついて、今度は大阪市を変えられるかどうか分からない内に【日本国を変える】と言ったら、やっぱり国民が喜んで飛びついてのが現状だとしたらあり得なくはないわね。」

愛原「橋下の政治手法は、有権者に夢と希望を与え続ける手法といってもいい。パンをあげるぞと言って国民を喜ばせ、実際にパンをあげたりはしないが、次はスープを出すぞといって再び国民を喜ばせる。そんな感じ。」

鼎「子供手当てを配るぞとか、高速道路を無料化するぞとか、農家への個別補償をするぞといいながらそれを実行しないで、その代わり税金を上げるぞと言ったら国民から総スカンを食った民主党とは正反対だよね。」

逆沢「冷静に考えたら、とんでもないペテン師ね。というか民主党も、過去の公約を破棄し続けた点は同じだけど、どこでここまでの差がついたのか・・・。」

愛原「財政問題にしても伊丹空港問題にしても府庁移転問題にしても、府民・国民にとって【絶対にやり遂げなくてはならない】喫緊の課題ではなかったからかも知れんな。あと平松前市長を始めとした【悪役】を公開処刑し続けた事で、有権者が満足してしまったのかも知れん。」

鼎「そういえば財政問題で盛り上がってた時に、橋下市長に楯突いた県職員とか他市の市長さんの映像が当時、かなりテレビやネットで流されてたけど、彼らが悪役としてさらし者にされて公開処刑された事で、それで【橋下はよくやった】と十分満足してしまった感じはあるかも知れないよね。」

逆沢「そういえば三国志の曹操も、兵糧問題で悩んでいた時に、自軍の兵糧担当官が兵糧を横領した事にしてその担当官を処刑して、逆に味方の士気を上げる事に成功したなんて逸話もあった気がしたけど・・・。もちろん兵糧担当官を処刑したからといって、自軍の足りない兵糧が増えたりするはずもないんだけど。」

鼎「問題の根本自体は全然解決しないままでも、誰かを公開処刑すれば、それで兵士とか民衆というのは、とりあえず納得しちゃう生き物なのかなぁ?」

逆沢「案外、そうなんじゃない? ほら、時代劇でも、正義の味方が悪代官と悪徳商人を処罰したら、それでメデタシメデタシになるじゃない。本気で官業の癒着を減らしたければ制度自体を変えなきゃならないのに、それには手を付けないまま。だから後から何度でも、第二・第三の悪代官らが沸いてくる。それでもその度に悪代官らを処刑したら、民衆も視聴者もみんな満足みたいな感じで。」

鼎「という事は、民衆は必ずしも問題の解決そのものを望んでいるのではなくて、【俺達が上手くいかないのはコイツのせいだ】と思えるようなアンリマユを創り出して、そいつが公開処刑されたら、当面は満足しちゃうという事かなぁ?」

逆沢「民主党の失敗は、普天間問題の時を例にすれば、沖縄県民にも本土の国民にもアメリカにもみんなに良い顔して悪役を創らずに、トラスト・ミーとか言ってしまった事かもね。あと正直に公約の達成不能を宣言してしまった事も。」

鼎「そういえば、橋下さんは過去の公約を【守れませんでした】と、素直に認めた事はなかったよね。今でも【達成に向けて取り組んでいる最中】というか【既に一定の範囲で達成済】という感じで。」

愛原「歴代の自民党政権も同様だな。政党助成金制度を導入した時に企業献金の廃止を約束した例にしても、一票の格差を始めとした選挙制度の不備にしても、2000円札発行や郵政民営化を始めとした各種の経済政策にしても、絶対に達成不能とか上手くいかなかったとはいわない。失敗や責任を決して認めないというか、過去を無かった事にしてしまうか、もしくは現在も鋭意努力中という姿勢だ。」

逆沢「つまり民主党は、自民党や橋下と比べると、善人過ぎたって事か? それとも自民党や橋下が腹黒いだけか?」

愛原「まぁそれでも、橋下は現実に勢力を増やし続けているからな。今までは実現不可能な夢を見せ続ける事で有権者の歓心を買い続けて来たが、そろそろ夢が実現可能になる確率もゼロではない。」

逆沢「多数決で押し切れる程の議席を、国会でも確保できたらの話だけどね。現状では市議会でも過半数には届いてないけど。」

愛原「自民党も民主党も、国会で過半数の安定議席を取っていた頃に大した事をやって来てないから、仮に橋下新党が過半数を取ったからと言って、上手くいくとも限らないけどな。ともかく橋下の過去をふり返った場合、彼は間違いなく信念の政治家ではない。むしろワイドショー並に態度を豹変させ続ける逆のタイプだ。」

鼎「とすると橋下さんは、本来は信念の政治家とかではなくて、置かれた状況に応じて豹変し続ける政治家という事かなぁ?」

愛原「そりゃ、そうだろ。信念が一貫してないから、発言がしょっちゅうブレる。船中八策を議論中というのも、裏を返せば、中身がまだ固まってないから周りの意見も聞いて国民受けするものを練る必要があるからこそだ。もっとも流れを利用する人間ではあっても、流れに流される人間でないのは立派だが。」

逆沢「これは耳が痛い。私も小泉ブームとか、民主党ブームとか、橋下ブームに流されそうなところはあるわ。」

愛原「と、前置きが長くなりすぎたので、本題の方が短くなりそうだが、今回のテーマは【プライド(恥・見栄・誇り・意地・信念・・・)】だ。」

逆沢「今回は雑談オンリーだと思ってたわ。しかも前置きとあまり関係なさそうなテーマ名だし。前置きの意味はあるのか?」

愛原「オチの部分で関係あるから、とりあえず本題に入らせてくれ。」

鼎「プライドって聞くと、なんかすごくカッコいいイメージがあるよね。その後ろにあるカッコ内の部分には、なんか微妙な単語も混じっているけど。」

愛原「ちなみにプライドという単語をそのまま日本語訳すると、矜恃とか自尊心とか虚栄心といった具合になる。」

逆沢「【あの人はプライドが高い】とかいう表現はよく聞くけど、私の感覚では単に【カッコつけ(見栄っ張り)】という感じがするわ。」

鼎「【お前には人間としてのプライドがないのか?】とかいう表現もあるけど、誇りとか羞恥心という意味もありそうだよね。」

逆沢「要するにプライドというのは恥という事か? 【プライドが高い人】といえば恥をかきたくない見栄っ張りな人という事で。【プライドがない人】というのは誇り羞恥心もない人という事で。」

愛原「まぁ、その解釈でいいと思う。だが、ここで問題提起をしてみたいと思う。そもそも誇り見栄は、同じものなのか? 俺は全然正反対のものだと思っているのだが。」

逆沢「うーん。どっちもプライドがらみの言葉だと思うけど、そういえばかなり意味が違うような・・・。」

鼎「誇りというと、他人からどう思われようと自分が拠り所とする大切な矜恃とかアイデンティティーというイメージがあるけど、見栄というと逆に他人にどう思われるかを気にしているイメージだよね。」

逆沢「そうそう。そんな感じ! 他人の目線を気にしているかどうかが正反対なんだわ。」

鼎「とするとプライドと一口にいっても、その意味は二種類あるという事かなぁ?」

愛原「そういう事になりそうだな。特に見栄は、意味的にも最も分かり易い。重要なのは【他人に自分がどう見られているか?】という事だ。つまり誰もいないと分かっている場所なら(見栄を張る必要がない場所では)、貫く必要のないこだわりと言えばいいかな?」

逆沢「つまり誰もいない所で平気でオナラをする人は、単なる見栄っ張り。オナラ自体を下品なものと位置づけて決して便所以外ではオナラをしないと決めている人は信念の人という風になりそうね。」

愛原「なぜオナラを例にするのか良く分からんが、まぁそういう事だな。誇りとか信念とか言われるものなら、そこに誰がいようといまいと関係ない。他人に何と思われようと関係ないという事になるが、見栄は逆だ。」

逆沢「とすると、【あの人はプライドが高い】と言っても、単に見栄っ張りなだけの事もあるわけね。」

鼎「でも人によっては、屈折した見栄っ張りの人もいるよね。意地っ張りタイプの人とか。もっと素直になればみんなに喜んでもらえるのに、他の人が何と言おうと、絶対主張を改めなかったり、謝罪しようとしなかったり。」

愛原「【自分の主張を変えたり、謝罪をする事=敗北】と考える人が陥りやすいパターンだな。一見、誇りや信念と同じグループに見られがちだが、実際にはむしろ見栄の方だ。他人に下に見られたり、恥をかくのが嫌だから、必死で虚勢を張っている状態だな。虚栄心の類型だろう。」

逆沢「誇りや信念と、単なる意地っ張りは全然違うってか。」

愛原「誇りは、もっと高尚で柔軟で堂々たるものだ。詭弁の類を用いる必要もなく、誰に対しても堂々と自信を持って言えるもの。信念は、自分が正しいと心から信じ切っているような状態。但し、他人からの影響を受けた思想や知識を基盤に置いている事が多い為、論破されやすい上、論破されると単なる意地っ張りに墜ちる可能性が高い。」

鼎「誇りは、善悪を超越したその人ならではの存在価値というか自信を感じさせるけど、信念というと、善悪観がかなり含まれてそうなイメージがあるよ。」

逆沢「信念の人というのは、私はなんか苦手だわ。なんか確証のないものを盲目的に正しいと信じて突き進む人みたいなイメージもあるし。」

愛原「政治の世界で信念の人が多いのは、理由がある。政治の世界には【確実な正解】がない(未来予知ができない為)。しかし正解が分からないから、何もしないままという訳にはいかない。その結果、自分が【これが正しい】と決めた道を勇気を持って貫き通す為に、必要になるのだ。」

逆沢「けど間違いは間違いと認める度量がないと、その信念の政治家に振り回される大衆は不幸だけどね。」

鼎「けど信念のかけらもない、他人の目線ばかりを気にする人も、政治家には向かないかも。そういう人は、声の大きな反対者を押しのけて、何かをやり遂げようとするパワーがないだろうから。」

愛原「橋下が何となく信念の人っぽくみえるのは、信念の柱が何本もあるからかも知れんな・・・。ああ、今、気付いたが、橋下は信念のない政治家ではなく、信念が無数にあって、しかもその柱の部分がころころ豹変する政治家なのかも知れん。だから俺からみたら信念そのものがないようにみえたのだ。」

鼎「そういえば橋下さんは、反公務員労組とか、脱原発とか、右派左派関係なく、たくさんのジャンルで信念を同時に持っているような気もするよね。

愛原「たくさんの会社の株を同時に運用しているようなノリで、政治をやってる感じもするわな。その中で今が旬という株(政策)に的を絞って、徹底的に攻めるようなノリ。かつて安倍晋三や平沼赳夫なども信念の政治家といわれたが、彼らは運用する株が1種類(もしくは特定産業に偏りすぎているような状態)しかない為、風向きが変わると非常にもろかったというか。」

鼎「あ、そっか。株に例えると、いわゆる極右とか極左といわれるような人は、たった一種類の株に全財産を投資し続けて、しかもどんなに株価が下がっても絶対に株を売らないみたいなタイプなんだよね。」

逆沢「そして信念のかけらもない人は、持っている株をタンスに入れっぱなしのような人ね。だから一度も現金化しないまま、インフレや情勢の変化で株が紙くずになるのをただ待つだけというか。」

愛原「そして民衆の大半は、株が上がりきった状態の時に株を買うような人。いつもワンテンポ遅れてるというか、他人に流されているだけというか。まぁ一番、株で負けやすいタイプというか。」

鼎「政治家は国民そのものを未来へ投資するお仕事そのものだから、他人に流されてワンテンポ遅れるだけの人も困るし、一点買いしか頭にない偏った信念の人も困るし、株が紙くずになるのを待つだけの人も困るよね。」

愛原「橋下は、ある意味ではやり手の株式投資家タイプともいえそうだ。変なプライドがない為、旬が過ぎた株はあっさり放棄する。特定の企業を育ててやろうとかいった親心ではなく、あくまで自分の利益の為だけに投資し続けるタイプというか。」

逆沢「政治家が特定の企業を育ててやろうと思ったり、特定の団体の守護者になると、それは利権政治家でしかなくなるから、それはそれでアリな気もするけどね。」

鼎「そういえば曹操という政治家も、信念の人のようにみえて、むしろそれと正反対だった気がしたよ。献帝を擁立したからといって漢の復興を願ってた訳でもなく、とかいって自分が皇帝になってやろうという意志も乏しそうだったし。どこから攻めて天下を統一しようかとか、他国が企図したような天下三分(二分)の計のような大局観も無さそうだし、自分が死んだ後はどうすべきみたいな遺言もなかったみたいだし。」

愛原「曹操は、こういう中国を作りたいとか、そういう夢や大局観はあまりなさそうだな。その代わり、献帝をどう扱えば一番効率的かとか、今はここが一番攻め時だからここを攻めようとか、現在置かれた状況から最善の次の一手を導き出すタイプだったと思われる。逆を言えば、自分にとって都合が悪くなれば、恩人であろうと平然と切り捨てるようなタイプ。逆に過去に自分に敵対した人物でも、有用と思ったならあっさり自軍に登用し、抜擢するようなタイプともいえる。」

逆沢「曹操は、徹底したリアリストといえそうね。但し孫権らよりもずっと野心的で攻撃的なリアリスト。現状に満足せず、常に前に突き進むタイプのリアリストというか。」

愛原「本物のリアリストは、ちっぽけなプライドには縛られないからな。橋下の場合、知事時代の時には、最大勢力の自民党と結び、やがてその自民党の議員を引き抜き食いつぶす形(参考〜選挙前までの自民党は大阪府でも大阪市でも第一党だったが、現在は府でも市でも公明党よりも小勢力になっている)で維新の党を結成。そして今度は公明党と連立を組み、自民・民主と敵対することで過半数を狙っている。特に国政レベルでは、大政党の自民や民主と連立を組む限り、永遠に主導権は取れない事を分かっていそうで、しかも公明と組めば(自民・民主と敵対しても)、大阪市議会で過半数を取れるからという計算からだろうが、その冷厳さにヤキモキさせられる。」

逆沢「まぁ橋下の政治思想からすると、公明党とは水と油だと思うけど、それさえ利用しようというあたりに、ある種の怖さを感じなくもないわ。」

鼎「イデオロギー的な信念が全くないのに、それをリアリズムと行動力と攻撃力で埋め合わそうという姿勢は、本当に曹操さんに似てる感じだよね。」

愛原「ただ曹操と決定的に違うのは、政策面での実績だな。あくまで現時点での話だが、橋下はペテンばかりで政策面で大した業績を残していない。もしも国政進出を企画しながら大失敗に終わったり、国政レベルでヘタを打った場合、民衆の幻想が解けて高転びに遭う可能性もある。個人的にはそろそろ政策面での確固たる実績が欲しいのだが。」

鼎「実績があるとやっぱり違うかなぁ?」

愛原「弱小政党(社民連→さきがけ)の一議員に過ぎなかった菅直人を全国知名度の大物に変えたのが、薬害エイズ問題の時にあげた実績にあるように、大衆の記憶に残るような実績はやはり強い。まぁ橋下の場合も、政敵を公開処刑したという(まやかしの)実績はあるけどな。」

逆沢「だとしたらこれからも橋下は、政策ではなくギロチンの方で、実績を積み重ねて大物になる可能性はあるかもね。最近でも市職員に対するアンケートという名のギロチン祭りで、民衆を喜ばせているみたいだし。ネット内のコメント欄見てて、やっぱり大衆は公開処刑が大好きなんだなぁとも思ったし。」

鼎「橋下さんは、朝鮮学校に対する補助金を本気で打ち切るとかギロチン系の政策を断行する力はありそうだから、破壊に特化した政治家としてはアリかもしれないけど、私はちょっと苦手と思ったかも。」

愛原「本来、政敵の処刑を好むのは、いわゆる信念の政治家の方なんだが、橋下の場合は、ワイドショー的な人間心理を熟知した上で、人気取りの一環として処刑に徹している感じはあるけどな。という訳で今回のテーマは終わり。」

逆沢「おいおい。こんな話の流れなら、今回のテーマ名は【ボクの考えた橋下徹】で良かったんじゃない?」

愛原「自らの野望の為に過去のしがらみもプライドも簡単に捨てられるような人間は強く、そして恐ろしいと言いたかったんだが・・・、好き放題にしゃべってたら重心がずれすぎた感じだな。」









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