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愛原様のたわごと(12年5月19日)





愛原「今回は、前々から密かに関心だけは持っていたが、個人的に躊躇していたコンプガチャ関連のネタについて、無知と無責任を承知でくだぐだしゃべってみたいと思う。」

鼎「無知と無責任なのはいつもの事だから、今回も好きにやればいいと思うよ。」

逆沢「てかアンタ、携帯ゲームとかやった事あるのか?」

愛原「いや。あいにく俺は、携帯ゲームそのもので遊んだ事は一度もない。予備知識も全くと言っていい程ない。だから当然の事ながら、偉そうに能書きを垂れられるだけの基本的なウンチクもない。」

鼎「あ、それで冒頭に【無知と無責任を承知で】なんて、断りを入れたんだね。」

逆沢「けど基本的な知識もない人間が、ドヤ顔でうんちく垂れる程、はた迷惑な事もないから、そのネタに触れるのはやめた方がいいんじゃない? 特にウチのサイトはゲーム公開サイトでもあるから、ゲーム関連の話題で見当違いのうんちくばかり語ると、余計に恥かきそうというか。」

愛原「恥なら毎回かいている。そんなものは恐れはしない。俺が恐れるのは、誤ったうんちくが広まってしまう方だな。だからいつも以上に、今回のネタは話半分でな。」

鼎「それじゃ今回のテーマは【コンプガチャ】でいいのかな?」

愛原「そうだな。【コンプガチャに学ぶ確率論】というテーマ名にしよう。」

逆沢「は? 学ぶ? あれだけ社会問題になってたのに、学ぶ?! お前、今度こそ本当に炎上させられるぞ。」

愛原「なら反面教師の視点で構わん。別に俺もコンプガチャを擁護しようとか、そんな意図はこれっぽちもないしな。今回のテーマは、コンプガチャの善悪を裁定する事ではなく、あくまでコンプガチャという題材をテキストにして確率の話をしようという趣旨だ。」

鼎「コンプガチャは射幸心をすごく煽るとかいわれるけど、これも確率論で説明できるのかなぁ?」

愛原「そうだな。とりあえず携帯ゲームのメーカーなどがイカサマ処理を一切やってないという前提で、計算してみようか?」

逆沢「信憑性は分からないけど、ネットで【携帯ゲームではイカサマ処理もある】という記事も、最近読んだ事あるけどね。」

愛原「イカサマの話は後回し。とにかく計算するぞ。まず報道で取り上げられていたコンプガチャの大まかな基本パターンのおさらいからだ。」

鼎「えーと。コンプガチャのシステムは、たとえば1回300円とかでくじを引けて、そのくじで色んなアイテムが手に入るんだけど、その中でも特定の3つのアイテムをそろえると、さらに高価なレアアイテムがゲットできるというシステムのゲームがあるという話は聞いたことがあるよ。」

逆沢「要するに森永製菓のチョコボールを買って、銀のエンゼルを5枚集めると、おもちゃのカンヅメが当たるようなものか?」

愛原「まぁ、同じ物を複数集めるのと、異なる物を1つずつ集めるのとでは計算方法自体は変わってくるが、特定の組み合わせを成立させる事で上がりとなるシステムという意味では同じだな。でもって仮に【ガチャで手に入れられるアイテムの数が25種類あったとして、それぞれの入手確率が4%均一】だとしよう。この設問の場合、特定の3つのアイテムの内、最初の1個目を手にいられる確率は何%だ?」

鼎「これは中学生でもすぐ計算できるよね。3つのアイテムの内、どれが当たってもいいわけだから、確率は3/25。つまり12%だよね。」

逆沢「12%か。つまり平均何回、くじを引けば1個目のアイテムをゲットできるのだ?」

鼎「えーと、1回目で当たらない確率は100%−12%で88%。2回目でも当たらない確率は88%×88%で約77%。3回目でも(以下略)。」

愛原「ある程度以上の理系が見たら、笑いそうな原始的な計算方法だな。まぁ誰にでも分かりやすく納得もしやすいだろうから、その方法でもいいか。ともかく中学生でも分かる方法(その代わり力技になるけど)で計算すると、0.88*0.88*.0.88・・・をひたすら繰り返す事で、6回目には50%を割る。」

逆沢「つまり6回くじを引けば、過半数の人が1個目のキーアイテムをゲットできるわけね。」

鼎「たった6回でキーアイテムがゲットできるなら、このままだと3個のキーアイテムを全てそろえるのも、割と早そうだよね。」

愛原「そうかな? では2個のアイテムをゲットできる確率と、ゲットするまでの平均挑戦回数を計算してみよう。」

逆沢「うーんと、既にゲットした1個目のアイテムを重複ゲットしても意味がないから、確率は3/25から2/25に減る訳か?」

鼎「つまり確率も8%だからえーと、9回目にようやく50%を割るんだよね。」

逆沢「1回目よりは手間がかかるけど、6回目から9回目なら、それほど変わらないし、ま、いいかって感じね。ていうかここまで来たら、あと1種類集めるだけでレアアイテムゲットだし、ここまで来たら絶対3種類コンプリートしたくなるわね。」

愛原「すっかり射幸心を煽られてるな。まぁ後1種類まで来たら、気持ちとしては分からない事もないけどな。」

鼎「えーと。最後の3つ目をゲットできる確率は、1/25だから4%。て事は、えーと平均17回目!!!」

逆沢「最初の2個をゲットするのに必要な平均挑戦回数(6+9で計15回)よりも、ラスト1個をゲットする方が手間なのか?!! 何これ? 計算おかしくない? なんであと1個だし、4×13で52だから13回も挑戦すれば十分そうなのに。」

愛原「ならんならん。お前みたいな事を言う奴がいるから、あえて中学生でも納得できそうな簡単な計算方法選んだのに・・・。お前もしかして、サイコロを3回振ったら50%の確率で希望の目が1回以上出て、サイコロを6回振ったらほぼ100%の確率で希望の目が1回は出るはずなんて思ってんじゃなかろうな?」

逆沢「いや。そこまで馬鹿じゃないけど・・・。何百回サイコロをふり直しても、運の悪い人は永久に希望の目が出ない確率もあるはずだし。」

愛原「ちなみにサイコロを6回振っても、1回も希望の目が出ない確率は、約33%。約3人に1人は6回サイコロ振っても、希望の目が一度も出ずじまいで終わる。確率6分の1だから6回も挑戦すれば100%に近い確率で希望の目が出るはずなんてのは、勘違いもいいところ。ここまで言っても信じられないなら、実際にサイコロを振ってみろとしかいえん。」

鼎「つまり1個目も2個目も簡単にそろえられたから、この分だとラスト1個くらい余裕だと思ったら、とんでもなく壁は厚かったって事かなぁ?」

逆沢「つまりコンプリートに必要なガチャの回数は、平均で6+9+17で32回か。最後の1個の難易度は、最初の1個を引く時の3倍近くも大変だったって事ね?」

愛原「ちなみに作者が幼い頃のごく一時期だけ、ビックリマンシールを収集してたのだが、これも確率計算してみれば、結構な罠がある。全シールの内、半数ほどは、苦もなく集められるのだが。」

逆沢「そりゃあ、最初の1枚は確率100%で未入手シールだし、半数までそろえてもまだ確率50%だからねー。既に入手済みのシールが重複してしまう確率の方が低いくらいだし。」

鼎「でもあと3枚、あと2枚、あと1枚でコンプリートという段階になると、すごくしんどいよね。今でこそ、確率計算したらすごい事になるのも分かるけど。」

愛原「もっともリアルのガチャなどの場合は、実は携帯ゲームのガチャよりは確率計算しても比較的良心的だけどな。」

逆沢「ん? それはどういう事だ?」

愛原「たとえばコンビニ前にあるキン消しのガチャボックスの中に、25種類のカプセルが各1個ずつ、計25個入っていたとしよう。で、俺がウォーズマンとブロッケンJrとロビンマスクのキン消しが欲しいとする。この3種類を全てそろえるには、平均何回ガチャに挑戦する必要があると思う?」

逆沢「は? そんなのさっきの計算と同じじゃないの? 確率は同じ3/25から始まるから、最初の1個目は平均6回目で・・・。」

鼎「違うよ。1個ガチャをする度に、ガチャボックスの中にあるカプセルの残り個数も減るから・・・。」

愛原「その通り。最初の1回目でお目当ての超人をゲットできる確率は3/25だが、仮に外れても2回目には3/24、同様に3回目には3/23となるのだ。」

鼎「つまり1つ目の超人は平均5回でゲットできるし。」

愛原「ちなみにコンプリートには平均17回でOK。最悪でも25回。つまりガチャボックスをカラッポにすれば、確実に狙いの超人をコンプリートできる。」

逆沢「要するに大人買いをすれば、即解決って事か?」

愛原「ガチャボックスの中に、最初からお目当ての超人のキン消しが全て含まれている場合ならば、ガチャボックスの中身全部を大人買いで買い占めれば、100%コンプリートだ。」

鼎「つまりリアルのガチャと携帯ゲームのガチャとでは、同じ3/25でも、実際にコンプリートに必要な難易度が倍くらい違うって事だよね。」

愛原「うん。分かりやすく言うと携帯ガチャはサイコロ型リアルガチャは福引き型という事になる。携帯ゲームに限らず、ほとんどのコンピュータゲームは、サイコロをふり直すようなノリで確率判定を行なうため、運が悪い人は、100万回ガチャに挑戦しようと、絶対に当たらない。一方、福引き型の場合は、挑戦権を買い占めれば、いずれは100%間違いなく当たる。福引きのガラガラの中に、お目当ての赤玉がちゃんと入っている限りわな。」

逆沢「でも商店街の福引きも、初日に1等賞が当たっていきなり盛り下がらないように、1等の赤玉は最初はガラガラの中に含まれていないなんて話も聞くけどね。」

愛原「その真偽は俺には分からんし、商店街にもよるだろうが、俺が今言ってるのはあくまで、イカサマなしが前提の確率論の話だからな。」

鼎「仮にイカサマなしでも、携帯ゲームのコンプガチャが、すごく射幸心を煽るシステムになっている事は、なんか数学的にもすごく納得できたような気がしたかも。」

逆沢「最初はいかにも良く当たるように見せかけて、実は最後の1個に近付くほど、難易度が一気に跳ね上がる構図になっているって事ね。別の記事で携帯ガチャで月40万円以上使い込んだ子供がいるというのも見た事あるけど、なんか納得のような気もするわ。」

愛原「実際には携帯ゲームにおけるガチャのパターンは、色んなケースがあるらしいが、確率の錯覚を利用した基本的な構図は似たり寄ったりっぽい。たとえばランダムで複数のパラメータを強化できるガチャがあったとして、パラメータ数が計6個。パラメータ上昇判定に成功する確率が一律17%だとしたら、全パラメータが全て上がる確率と全く上がらない確率は、それぞれ何%だ?」

鼎「その設問。なんかSRPGツクール95を彷彿させるネタだよね。SRPGツクール95製のゲームのパラメータも6個あって、レベルアップごとに一定確率で複数のパラメータが上がる仕様になってるから(無論、運が悪いと、レベルだけ上がってパラメータは全く上昇しないようなゲームもある。)。」

逆沢「えーと。確率17%×6個のパラメータだから、100%に近い確率で1つはパラメータが上がりそうなイメージだけど、確かそんな計算方法をしたらダメなのよね?」

鼎「えーと。一つもパラメータが上がらない確率は大体33%だよね。そもそも確率17%というのは、サイコロの確率とほぼ同じだし。」

愛原「ちなみにどーでもいい余談だが、当たり確率がX%の時に、(100÷X)回ガチャに挑戦した際に、それでも全く当たらないまま終わる確率は大体36%近くになる。だから仮に当たり確率が1%の場合に100回ガチャに挑戦すれば、36%前後近くの人はそれでも当たらずじまいに終わるし、当たり確率が0.1%なら、1000回挑戦しても、やはり36%前後近くの人は当たらないような確率になる。Xの値が大きくなる程36%という数値に対する実際のブレは大きくなるが(サイコロの場合はXの値が16.7くらいであるなどブレが比較的大きい為、33%くらいになる)、とりあえず豆知識な。」

逆沢「そんなどーでもいい話はいいから、それで全パラメータが上昇する確率は?」

愛原「大体0.0011%。9万回に1回くらいの確率。」

逆沢「そんな天文学的な確率なら、ガチャにうつつ抜かすよりも、宝くじ買った方がずっと有意義だわ。」

愛原「大体サイコロ3つ振って、1のゾロ目が出るのも約0.5%の確率なんだからな。上の設問の場合は、6つのサイコロ全てで1のゾロ目が出る確率とイコールだから、そんなの期待するだけ無駄という奴だな。」

鼎「仮に確率が17%ではなく、50%でも、やっぱりすごく厳しいよね?」

愛原「確率50%でも、全パラメータが上昇する確率は1.5%くらいしかない。ガチャできる回数に置き換えると、平均45回は挑戦しないと駄目だ。SRRGツクール95に置き換えれば、レベルアップの機会が45回あれば、1回くらいはフルでパラメータが上がるといった所。」

逆沢「上限20レベルだから、ほとんどのプレイヤーにとって夢物語のような確率ね。」

鼎「ところでさっき逆沢ちゃんが、コンプガチャ月40万円使い込んだ例もあると言ってたけど、これ尋常じゃない数字だよね。上の設問の例が可愛くみえてしまいそうなくらいに。」

愛原「仮にガチャ一回あたり300円だとしても、40万円使い込むとしたら最低1300回は挑戦しないとダメだよな。一体どんな確率に設定してんだろな?」

逆沢「だからイカサマしてんじゃない? それしか考えられないわ。」

鼎「何も一種類のガチャだけで1300回も挑戦してるとは限らないと思うけど・・・。携帯ゲームはそれこそすごい数があるらしいから・・・。」

愛原「だろうな。ちなみに一番上で計算した3種類そろえるタイプのガチャで馬鹿正直に計算すると、仮に必要な3アイテムの出現確率が一律0.1%だった時に、平均約1270回の挑戦で3種類そろえられる計算になる。」

逆沢「計算早!」

愛原「それ用の公式を使うか、表計算ソフト使ったら割と簡単に計算できるから心配するな。ていうか0.1%の確率だと、最初の1つ目のアイテムをゲットできる確率自体、約230回必要になるからな。普通、230回も挑戦する前に諦めるだろ?」

鼎「でももしかしたら3つのアイテムの取得できる確率が全然違う可能性もあるかも知れないよ。一つ目は5%くらいでゲットできるけど、最後の一つは0.06%くらいに設定してたら、イカサマなしでもそれくらいの確率になるかもしれないし。」

逆沢「それはそれで、やっぱりイカサマじゃん。3つのアイテムの内、2つだけ難易度低めの確率にして、最後の一つだけ実は激レアでしたとか、これをイカサマといわずして何というという感じだし。」

愛原「ま、カードゲームのように最初から、アンコモンとかレアとかスーパーレアとか格付けして、正々堂々(?)と射幸心をあおっているゲームも結構あるけどな。」

逆沢「レアカードでも何でもいいけど、あらかじめ何枚に1枚の割合とか、確率だけは公開して欲しいわ。私、チョコボールで金のエンゼルなんか、今までの人生で一枚も見た事ないし、本当に実在するのか?とすら思えてしまう有り様だし。」

鼎「イカサマかどうかも分からない程のレアは、ちょっと困るよね。」

愛原「やれやれ。じゃあここからはイカサマの話も進めるか。で、ちなみにもしも決められた確率ではなく、最初からイカサマによってゲームバランスが操作されていたとしたら、お前らはどう思う?」

逆沢「ん? 藪から棒に何が言いたいのだ? そりゃイカサマされたら、ムカつくに決まってるけど。」

愛原「実は作者が学生時代に、テーブルトークで【ゲームマスターが確率操作でイカサマするのは許されるのか?】というお題で議論をした事があったそうだ。で、とある友人は、至って平然とイカサマの常習犯である事をカミングアウトした事があった。」

逆沢「イカサマの常習犯って、そりゃどういう事だ? もう少し具体的に。」

愛原「つまりだな。その友人がゲームマスターのシナリオでは、各イベントの正否はマスターの脳内で最初から決められているのだ。だからプレイヤーがどんな良い目を出しても、失敗するべき時は必ず失敗扱いとなり、逆に成功させたいときは必ず成功判定扱いになる。当然ながら彼がマスターやる時は、100%クローズダイス方式。サイコロを振ってはいても、そのダイスの目はプレイヤーの誰にも分からないし、そもそもマスター自身、ダイスの目自体まともに見ていない。関係ないから。」

鼎「うーん。これは難しい問題かも。でもそのマスターさんが、本当にプレイヤーを楽しませる配慮と技量があるなら、私はアリだと思うよ。盛り上げたいときに盛り上げる為には、ここぞの場面で成功して欲しいとか失敗して欲しいとかは、やっぱりあると思うから。プレイヤーキャラクターが最善の判断をしたにも関わらず、乱数のイタズラで無惨に死んじゃったら、やっぱりムカつくでしょ?

愛原「ま、二者択一で問われたら、俺も鼎の意見を支持せざるを得んな。コンピュータゲームと違って、簡単にリセットしてやり直しと言うわけにもいかないからな。が、逆を言えばコンピュータゲームでは、イカサマの必要はそれほどないとは思わないか?」

逆沢「でも麻雀ゲームとかでは、たまにイカサマしてるとしか思えないようなゲームもあるらしいけどね。」

鼎「私、とあるスポーツゲームで、すごいイカサマしてるなと感じた事があるよ。うまいプレイヤーでも、下手なプレイヤーでも、必ず白熱した接戦になるゲームがあるというか。」

逆沢「それ単に、プレイヤーの力量によってNPCが強さを変えているだけじゃないの? 格闘ゲームとかでも、そういう仕様が含まれているゲームはあるらしいし。」

愛原「極端な話、コンピュータ側は、プレイヤーの反応を見てから、それに応じた最善の手を打つ事もできるからな。野球ゲームなんかは特にそう。コンピュータがその気になれば、プレイヤー側のピッチャーがどんな球を投げようと、容赦なくホームランにする事もできる(バットが届かない程の極端な暴投を投げ続ければ話は別だが、そんな事をしても、死四球になるだけ)。」

逆沢「だからそういうゲームは、あらかじめランダムで【そのゾーンに球を無ければCOMは空振りする】とか【この球種の球を投げればCOMはファースト前のゴロを引っかける】とか、そういうのが乱数で設定されているんだろうけどね。どこにどんな球を投げてもホームランじゃ、ゲームにならないから。」

鼎「どのプレイヤーが遊んでも接戦になるゲームがあるとすれば、プレイヤーチームとCOMチームの得点差などを見て、プレイヤーがリードしていればCOMがヒットやホームランを打つ確率が高くなり、逆にCOMがリードしていれば、しょぼいゴロでもエラーしてくれる確率が高くなったりするって感じかなぁ?」

逆沢「なんというイカサマ処理。それはそれで手加減されまくってるみたいで、すごくムカつくわ。」

愛原「逆に国盗りSLGなどの場合では、人間プレイヤーの知能の高さにコンピュータの思考ルーチンが追いつかない為、COM勢力の劣勢を補う為に、成長率をイカサマしているパターンもある。同じ条件で同じコマンドを選んだ場合、COM勢力の方がパラメータの伸びが極端に良いゲームみたいにな。」

逆沢「ま、難易度を上げた結果、そうなる仕様ならOKだけど、デフォルトでイカサマやられると、ちょっと首をかしげたくなる時もあるわね。」

愛原「お前、本当にイカサマが大嫌いなんだな?」

逆沢「そりゃ、しゃあないわ。仮に福引きで赤玉が最初から入っていない仕様だとか、携帯ゲームのガチャで運営が密かに確率を操作しているとか、そういうイカサマを許してもいいと思ってるの?」

愛原「・・・ごもっとも。実際には当たる見込みのなかったガチャや福引きをやらされた道化のような客の立場になって考えると、同意しない訳にはいかないな。」

鼎「ウソにも2種類あって、人を幸せにするウソと人を不幸にするウソがあるよね。テーブルトークでマスターがやるウソは、プレイヤーを不快にさせない為の愛情のあるウソだと思うし。自分の金儲けのためにお客さんをだますようなウソとは根本的に違うと思うよ。」

愛原「俺がゲームマスターやるなら、それでも積極的にイカサマをやる事はまずないけどな。どうしても救済措置が必要な時は、プレイヤーが感づくような別イベントをはさんで、救済したいと考えるタイプだ。」

鼎「別イベントを挟んでって、たとえば?」

愛原「謎の助っ人が現われて間一髪でプレイヤーの危機を救うとか、第三者が会話に割入って、核心に迫るようなヒントをもたらすみたいな感じ。ちなみにこの手法は、ゲーム製作でもかなり多用しているテクニックである。」

逆沢「もう少し具体的に例を出して欲しいんだけど。」

愛原「たとえばひとそれで戦闘イベントが発生した時、作者側の期待に反してプレイヤーが勝利できなかったとする。で、この場合、カオス戦士を取り逃がしましたではシナリオが前に進まない場合、三方監督が戦闘に無理矢理参戦して、代わりにカオス戦士を捕まえてしまったりする訳だ。この場合、プレイヤーとしては戦闘に敗北した事になるが、それでもシナリオの破綻を阻止できる事になる。少なくとも乱数を無理矢理いじって、戦闘を無理矢理勝利に導くみたいなイカサマ処理は、俺としてはあまりやらない。」

逆沢「乱数をいじってイカサマ処理をしないという事は、初期パラメータがあまりにむごいと、どうやっても戦闘には勝てない仕様になってしまってるって事ね。」

愛原「当然そうなる。あまりにも戦績が酷いと、当然の事ながらゲームオーバー。もっとも後半になってからのドツボ展開(直近のロードデータからどうやり直してもゲームオーバーにしかたどり着けないようなハマった展開)はプレイヤーに負担をかけるので、中盤以降は特別訓練場を設置するなどして、救済措置を何重にも講じてはいるけどな。」

鼎「毎回勝てなくてもある程度なら、逃避さえ成功したら、勝手に監督とかが助け船出してくれる仕様なのは有り難いよね。」

愛原「乱数をいじるようなイカサマ処理を避けて、なおかつプレイヤーとシナリオ進行の両方を救済する為に、大変有効な方法だと思っている。」

逆沢「なるほど。乱数をこっそり操作して勝敗をねじまげるのではなく、勝敗は明らかにした上で、それでもシナリオが破綻しないように別の救済措置を取るというやり方を重視してるわけね。」

鼎「イベントを盛り上げるためにイカサマを認めるべきかどうかは、福引きを盛り上げるために赤玉投入のタイミングを調整するのと同じような、なんかスッキリ納得できないものを私も感じるから、私はそういう方法を支持したいなと思うよ。」

愛原「イカサマを多用せざるを得ないようなゲームはできるだけ作りたくないし、予期せぬトラブルが発生しても、アドリブを効かせるなどして最悪の結末を避けたいと、俺としては考えている。赤玉を入れない状態で福引きイベントをやるのではなく、できるだけ盛り上がるような確率で赤玉が出るよう企画段階からちゃんと確率計算をして、それでも駄目だったらアドリブで何とか最後まで盛り上げるみたいにな。」

逆沢「ましてお金もうけの為に確率操作を裏でやるようなガチャがあるとすれば、それは論外ってか?」

愛原「論外も論外。大論外。そりゃあ運営側が【このプレイヤーは現在、(熱くなっているのか)脇目もふらずにどんどんガチャのクリックしまくってるな】と思った時に、ガチャの当選確率を0%にして、【こいつ、覚めてきてやがるな。他のゲームに乗り越えられても困るから、ここらで一発当たりを出してやるか】と思った時に100%にしたりすれば、よりおいしい思いもできるだろうが、こういうのは俺的には最も許し難い。」

鼎「何も後ろのスタッフが人為的に操作しているとは限らず、コンピュータのルーチンとして【ゲームの展開やクリック速度などから、確率が変動するようになってる】可能性の方がありそうだけど、それはそれで私もすごく問題だと思うよ。」

愛原「ま、俺が作るようなフリーゲームでも、その気になればそういうプレイヤー心理の裏を突いたようなイカサマ処理は可能だけどな。ロードしてすぐに文章スキップして戦闘に入った場合、味方チームの乱数が5割減になって、より負けやすくなる処理とかも、やろうと思えば十分可能だ。絶対やらないけど。」

逆沢「んなこすからい思考ルーチンを埋め込むようなクソ作者は、馬に蹴られて死んだらいいわ。」

愛原「ま、そういうのは思考ルーチンではなく、ただのイカサマ処理そのものだけどな。能力値や地形効果など(要するにパラメータの組み合わせ)を元に正々堂々と対等の条件で乱数処理して、勝敗を決めるのが王道と考える俺としては、そんなイカサマ処理にはとても易々と賛同できん。(作者側の技量不足で、COMの思考ルーチンがアホ過ぎたり、その逆過ぎたら、ゲームバランスを取る意味で、多少は大目に見てもらい時はあるが・・・)」

逆沢「ま、ウチらのゲームは、どれだけ射幸心を煽ろうが煽るまいが、プレイヤーの財布を傷める事は一切ないけどね。」

愛原「課金制度といってもピンキリで、月額料金制度のような穏健なもの。ゲームセンターのプレイ料金制度のようにプレイヤーの技量次第で費用対効果が変わるもの。有料オプションとして追加販売されているもの。その有料オプション自体が大きな不確定要素を伴うガチャそのものでしかないものなど、色んなパターンがあり、いちがいに批判するつもりはないけどな。」

鼎「私は、パワーアップキットみたいな追加有料オプションは基本大好きだよ。」

逆沢「携帯ゲームに多くみられるような対人対戦型ゲームの場合は、【投入したお金の量で勝敗が決まるシステムは如何なものか?】という批判があるから、【お金をかけたから確実に強くなるとは限らない(=無料プレイヤーでも十分楽しめる)】という宣伝文句を肯定する為に、あえてランダム要素(要するにガチャ仕様)にしてるという側面もあるだろうけどね。実質は【投入したお金の量で勝敗が決まるシステム】とほとんど変わらない状態になってるけど。」

愛原「そう考えるとゲームセンターの料金システムは、まだマシな方だな。お金と時間をかけて、練習しまくった方が対戦で有利になるのは当然だが、お金と運さえあれば誰でも勝てるようになるというものではなく、プレイヤーの努力やセンスの入る余地がかなりあるから。」

鼎「けどこうしてみると課金制ゲームは、対戦型ゲームがすごく多そうな気もするよね。ゲームセンターのゲームから携帯ゲームまで。」

愛原「普通の一人用ゲームはクリアしたら終わりだが、対戦ゲームは新たな挑戦者が現われる限り、終わりはないからな。シューティングゲームなどでもスコアが記録される為、ゲームセンターのような場でなら、対人対戦要素はそこそこある。逆を言えばゲームセンターなどにあるゲームは、そういう対人競争要素のあるゲームが割と多い。対人対戦要素のないゲームセンター向けゲームといえば、最近はどうか知らないが、脱衣麻雀などの強い射幸性がある分野に偏ると思われる。」

鼎「【随時課金型ゲーム(≠定額制ゲーム)=射幸心(や競争心理)を煽るゲーム】と言い換えても良さそうなくらいだよね。」

逆沢「いわゆる出会い系サイトでも、ポイント制とかいわれる随時課金型は、サクラだらけのエッチっぽいサイトばかりらしいしね。非定額制は、人間を非正常な興奮状態にしてお金を搾り取るようなものばかりっぽいだから、私は大嫌いだわ。」

愛原「これはあくまで俺個人の思いでしかないが、かけたお金の量で勝敗や優劣が大きく変わるようなゲームは、正直好きじゃない。やはりプレイヤーの知能・知識や反射神経やセンスや経験などで競い合えるゲームこそ、真にゲームの名に値するような気がする。ましてイカサマ処理までして、射幸心を刺激するのは問題。カネを賭けて乱数要素のある勝負をする行為を賭博というが、賭博行為自体、法律で色々制限されている分野なのに、イカサマ賭博なんて、絶対に許される行為じゃない。」

逆沢「ファンタジーの世界では、イカサマ賭博を見破るような凄腕ギャンブラーや名捜査官も割といるけど、そういう人に携帯ゲームもプレイさせて【こいつはイカサマだぜ!】と見破ってもらって、興行主にその証拠を突きつけて欲しい気分だわ。」

鼎「イカサマダイスをかじって割ったら金属の球が出てくるみたいなノリで、携帯電話をかじって割ったら、その中から携帯ゲームでイカサマがあった証拠がポロリと落ちてくるような仕様だったらいいのにね。」

愛原「ついでに割れた携帯の中から、イカサマゲームの社員達も現われて、逆切れするそいつらを叩きのめしたら警察に突きだしてハッピーエンドな仕様なら文句なしだな。」











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