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愛原様のたわごと(12年9月8日)




鼎「前回からちょっと更新間隔が空いちゃったよね。」

愛原「色々多忙なのだ。先週は休日がまるまる無くなって半月近く連続出勤状態だったし。予定不明瞭な部分もあるが、下手するとまだしばらく多忙な状態が続くかも知れない。」

逆沢「あれ? 確か前日でも、何かのゲームしてなかったっけ? 作者。」

愛原「やや古いが個人的にツボにはまった市販ゲームと巡り逢ったので、それにもハマッてるらしい。」

逆沢「こらっ。ただでさえ忙しい時期に、何、ゲームなんかやってんのよ! 製作とか完全ストップ状態になってるんじゃない?」

愛原「当然、完全停止してるぞ。わずかな自由時間をゲーム作りではなく、ゲーム遊びに費やしているからな。」

逆沢「開き直るな!」

愛原「現状、リフレッシュできる時間が限られているんだから、その時間くらい、自由にさせろ。幸いにしてウチの場合、早くゲーム作れと催促してくるような方もおらんし、モチベーションが上がらない状態で作っても、ロクなものにはならん。ああ、そういえば8月末に、個人的にお気に入りにしていた某連載作品がいきなり打ち切り発表されて、すごい悲しい思いをしたな。」

鼎「作者のゲーム作りも、もしかしてこの流れに便乗して打ち切り??」

愛原「しないしない。短期的な休止状態に過ぎん。そもそも未消化のネタは相変わらず渋滞状態だから、今遊んでるゲームが終わったら、またボチボチ再開する予定。」

逆沢「なんだ残念。どうせならウチのようなマイナーが打ち切りになって、そのお気に入り連載の方が打ち切り撤回してくれたらいいのにね。」

鼎「ちなみにそのお気に入り連載の作品は、なんで打ち切りになったの?」

愛原「よく分からない。なんかアンチが暴れて作者のモチベーションがくじかれたみたいだが、実際のところは未確認。」

逆沢「ネット上では、よくある光景ねー。まー、ネット上でなくとも、人気が出るにつれてアンチの規模も大きくなるのは当たり前ではあるけど。巨人ファンが増えれば増えるほど、アンチ巨人も増えるようなもので。」

愛原「フリーゲームの世界でも、アンチとか困った人達が暴れたせいで、その作者やサイトが終了状態になってしまう事は、残念ながらあるからな。」

逆沢「リンクに登録しているサイトの一つの【面白いフリーゲームまとめサイト】の本家は、確かアフィリエイト問題が引き金で、更新停止に追い込まれたらしいわね。」

鼎「まとめサイトさんは、2ちゃんねるのレスからフリーゲームに関する有益なレスを抽出して転載する形で運営されてたんだけど、【他人のレスを無断で転載するだけで、アフィリエイトでお金もうけするなんて許せない】という大きな声がネット内でたくさん出て、その批判に耐えきれず更新中止に追い込まれたと記憶しているけど。」

逆沢「そんな事言ったら、2ちゃんねるのまとめサイトなんて、どこもアフィリエイトだらけじゃん。【何、その批判? 馬鹿なの】って感じだけど。」

愛原「今の時代感覚だとそうなるんだろうな。」

鼎「個人的に衝撃だったフリーゲームの作者さんの引退劇とかある?」

愛原「引退劇とは少し異なるが、残念な一連の流れというので、個人的に記憶にこびりついている件が一つある。ここの作者がフリゲ作者となる以前から、とても尊敬していた作者の一人がリィ氏なんだが、ニコニコRPG問題でゴタゴタして間もなく、引退(?・・・休止と思いたい)になった件。」

鼎「リィさんのサイトは、現在、トップページだけ残して放置状態になってるけど・・・。」

愛原「昔は、掲示板とかもあったんだ。だけどある時、その掲示板にニコニコRPGでリィさんのオリジナルキャラがニコニコ動画に無断転載されている旨が報告されて、それに対してリィ氏が自サイトの掲示板内で【内容が受け付けないものだったので削除してもらいたい】とレス。その後、ニコニコRPGファンが【(リィ氏は)器が小さい】といわんばかりに暴れる。それからしばらくして掲示板廃止。サイト縮小で現在に至る。もちろんそれが直接の原因だったかどうかは不明だが、あくまで俺個人の想像で、あれが引退(?)に至る一つの大きな契機の一つだったのかなと思わなくもない。」

逆沢「本当の真相は、当の本人しか分からないけど、この前、紹介した裁判ゲーム的な視点で、第三者が知りうる情報だけを元に動機を分析するなら、そういう印象は私も感じなくもないわ。」

愛原「まぁリィ氏クラスの大物になると、それなりにアンチも出てもおかしくないが、作者が著作権違反を指摘しただけで逆に叩かれるのも悲しい話だ。」

鼎「ウチも、もしも人気が出たら、きっと炎上しそうな気がするよね。」

愛原「政治信条や差別問題、宗教問題などデリケートな問題が、ザックリ入りすぎているからな。アンチの批判に耐えられるだけの精神力と対応力が作者にあれば無問題だが、そうでなければどうしても作者側で発信力とか、色々セーブせざるを得ない。」

鼎「そう考えると、芸能人とか政治家といわれる人達は、みんなすごく強靱な精神力の持ち主だよね。どんなに批判されても叩かれても笑われても軽蔑されても、それでも自分のスタンスを変える事はほとんどないし。」

逆沢「けど芸能人に関してはともかく、政治家に関しては【もうちょっとくらい、こっちの意見も聞けよ】と言いたくなるけどね。」

愛原「まぁ俺も、他人の意見をあまり聞かない側の人間だから、あまり大きな声で彼らを批判はできないけどな。ていうか他人の意見に流されたり、少々の批判でヘコたれるようでは、とても風刺ゲームなんか作れない。」

鼎「けど最近話題になってる総裁選のニュースを見る限りでは、その政治家の人達も、ほとんど自分の主張を言わないような人ばかりの気がするよね。なんかアンチ(ライバル陣営や有権者・マスコミ等)の刺激を警戒してか【自分が総理総裁になったら、こうします】みたいな事を誰も言わない気がするし。」

逆沢「ああ、分かる。最近は自民党総裁選がクローズアップされてるけど、谷垣、石原、町村、安倍、石破、林・・・? みんな自分が勝ったら自民党の政策方針をこうしますとか、総理になったらこうしますみたいな事を言わないし。いや、それどころか、谷垣と安倍以外、イメージすら想像できないというか。」

鼎「逆に民主党は、醜い政権抗争のあげく、小沢さんのグループが離脱しちゃったから、ほとんど無風状態みたいだけど・・・。」

逆沢「そもそも彼ら。なんで総理総裁になりたいのかねー? 【自分が総理総裁になったら絶対にこれをやり遂げる】みたいな信念も無さそうな割に、それでも権力の椅子に座りたいだけ? 私から見たら、下手に総理や大臣になっても、どうせ叩かれて批判されるだけだろうに。」

愛原「という訳で今回のテーマは【権力欲に取り憑かれた人達】だ。」

鼎「権力欲?」

愛原「うん。歴史上はもちろんファンタジーの世界でも、権力欲に取り憑かれた人間というのは、実に多く登場する。彼らはなぜ権力の椅子を目指すのか? それについて今回は少し考察してみることにしたい。」

逆沢「うーん。このテーマは、当たり前すぎるといえば当たり前すぎるし、難しいといえば難しそうなテーマねー。まー、私達も権力とか栄光とか財産とか、そういうものがすぐ目の前に転がっていれば、とりあえず手を出そうとしたがるとは思うけど。」

鼎「けど権力でも財産でも何でもいいと思うけど、彼らをそういうものを手に入れて、それをどうしたいのかなぁ? たとえば総理の椅子という権力を手に入れて、彼らは結局何がしたいのか? 過去の歴代総理大臣とかをみても、具体的に何かをやる為に総理になったなんて人は、むしろかなり少数派のような気がするし。」

逆沢「それは分かる。どうせ官僚の言いなりであったり、その場その場の難局に対して舵取りはするけど、本当にその場しのぎでしかなかったり。多少なりとも自分なりの信念と独自色をもって総理になったのは、ここ40年ほどでみても、田中角栄、三木武夫、中曽根康弘、小泉純一郎、安倍晋三くらいなもんか? かなり甘口で見積もっても。」

鼎「大半の首相さんは、残念ながら【別の誰かが総理になっても、実は歴史にそう大差は生じなかっただろう】の範囲だよね。たとえば鳩山さんにしても、結果論であれこれ言われてるけど、実際には別の誰が首相になっても、凡庸な人物が首相である限りは、【普天間問題に取り組んだけど結局、最終的に撤回に追い込まれる】みたいな展開に終わる可能性が高そうだし。」

逆沢「竹下さんや野田さんが消費税問題に取り組んだといっても、それは官僚のシナリオ通りでしかないから、別の誰が総理になろうと、周囲の空気に強く抵抗できる人間でないと、結局、敷かれたレールに乗せられるだけだろうしね。そもそも竹下も野田も、消費税問題に取り組む為に政治家を目指した人間ではなくて、ただ単にそういうタイミングで総理の椅子に座っただけに過ぎないから、別の時代に総理になってたら、きっと別の問題に取り組まされていただろうし。」

愛原「そういう官僚や国際情勢が要求する空気を無視できたという点では、お前が指摘した5人くらいがギリギリ及第点だな。もっとも結果をそれなりに残せたのは、田中・中曽根・小泉くらいの3人に絞られるか。三木の場合は、猛烈な党内反発と経済界と国際社会の壁に押しつぶされて事をなせず、安倍の場合は、浅学なまま教育改革に手を出そうとした為、他人任せにしたあげく、迷走しただけで終わったけど。」

逆沢「安倍は、総裁選が近付いた今更になって、再び教育改革がどうのこうの言ってるみたいだけどね。またバウチャー券がどうだのやりだしたら、今度こそ本気で失笑ものなんだけど。」

鼎「でも安倍さんの場合は、中身はないけど信念が伝わりやすい分だけは、私としては心証は悪くないけど。ほら。町村さんとか石原さんとかになると、本当に何がしたいのかよく分からないし。」

逆沢「でもその、何がしたいか分からないというか、敷かれたレール通りに動くしかできないであろう人達ほど、有力候補らしいから、本当に今の政治は腐ってるような気がしてならんわ。日本が右上がりの時代なら、想定外の事をしない凡庸な人間をトップにした方が良かったかも知れないけど。」

鼎「何がしたいという気持ちもないのに、それでも【総理の椅子が目の前にありますよ】と言われたら、やっぱり多くの人は総理の椅子に座りたがるものなのかなぁ? 今回もたくさんの人が総理総裁の椅子を狙っているみたいだし。」

逆沢「そうじゃないの? 総理総裁なんて、激務な上、みんなから叩かれるだけのつまんない仕事だと思うけど、それでもみんなやりたいみたいだし。安倍なんか、一度総理になったせいで、小泉政権時代に急上昇した名声を思いっきり地に落としてるのに、それでもまだ懲りてないというか。」

鼎「何か一種の魔性を感じるよね。権力の椅子って。座った者を不幸にする事も多いのに、それでも人を蠱惑するように引き寄せる力があるというか。」

逆沢「分かる分かる。最近の歴代総理のほとんどが、名声を地に落とすだけに終わってるし。本当に今の総理の椅子は呪いがかってるとしか思えない状態というか。ま、中世以前でも、うかつに権力の椅子に座ってしまったせいで、命を狙われたり、敵対勢力に攻められて一族を根絶やしにされる事も多かったみたいだけど、でも誰もが隙さえあれば、権力の椅子に座りたがるというか。」

愛原「呪いがかってるといえば、阪神タイガースの4番バッターなんかもそうだが、それでもプロのアスリートである以上は、チャンスがあるなら4番も任せられてみたいと思うような心境と同じなのかな?」

逆沢「なったら大変だと分かっていても、それでも一度はなってみたいという点では、総理の椅子も4番の地位も同じようなものかのかねー。」

鼎「まぁ、誰かが引き受けてくれないと困るポジションでもあるから、自分から自発的に引き受けてくれる人がいる事自体、有り難いことなのかも知れないけど・・・。」

愛原「ま、総理の椅子は不幸の椅子だから、誰も総理をやりたくないなんて世の中になったら、それはそれですごく困るけどな。ただたからといって、適性に欠ける者を総理の椅子に座らせると、当の本人が不幸になるだけでなく、国民全てが不幸になるからなぁ。」

逆沢「ていうかそんな状態が続いてるような気もするけど♪」

鼎「で、結局、彼らがそれでも権力の椅子に執着する理由は何なのかなぁ?」

逆沢「名声欲じゃない? ほら、政治家という職業自体が、ある意味名誉職だし。特に売れっ子のタレントとか財界出身とか官僚とかの公務員の場合は、本職に専念した方が年収が多かったり、生活も安定してるだろうし。官僚出身の政治家とかも多いみたいだけど、少なくとも私だったら、安定して高収入の公務員を辞めて、当選し続けられるかどうかも分からない政治家なんかにはならないと思うし。」

鼎「つまり彼らは、実益よりも名声を得られるチャンスを重視するような人達だから、そこに名声を得られるチャンスがあれば、リスクも恐れず挑戦できる人達って事? だからそこに総理の椅子が転がっていれば、少々の危険があろうと、飛びつかずにはいられないというか。」

逆沢「私からみたら、政治家の大半は政治的ポリシーなんか二の次の人ばかりの気がするし。だから亀井静香にしろ小沢一郎にしろ石破茂にしろ、自分の置かれた立場が変わると、政治的主張自体がころころ変わるというか。中には平気で政党すら渡り歩く人もいるし。彼らの多くは政治をやりたくて政治家になってるのではなく、名声を期待して政治家をやってそうというか。だから官僚の言いなりであっても、そんなのはさして気にならないというか。」

愛原「ま、政治家に限らず、学校の先生とかでも、教育的ポリシーなんかは二の次で、重要なことは教員であり続ける事みたいな人は多いらしいからな。まぁそれをいえば、警官であろうが市役所の役人であろうが自衛隊員だろうが、みんな同じようなものかも知れんが。」

鼎「つまり政治をやりたいという目的で政治家をしているのではなくて、政治家をしている事自体が目的になってる人も多そうって事? 手段が目的化しているというか。」

愛原「まぁ昔、某政治家が新人国会議員を前に【政治家の最大の仕事は、次の選挙に当選することだ】みたいな事を言ってた事もあるらしいし、政治家になって何をやるかではなく、政治家であり続ける事自体が目的化していても不思議ではないな。総理総裁の椅子も同様で、何をやるかは二の次で、その椅子に座ることが目的化していても、まぁ納得できなくはない。」

逆沢「うーん。まぁ今時の公務員志望者も、公務員になって何をするかではなく、公務員で居続ける事自体が目的の人は多そうだしねー。公務員という職業は民間と違って、社会正義の実現を第一目的としているから、本当はそんな考え方の人は公務員を志望すべきでないんだけど。」

愛原「まぁ厳密に言えば、中世以前でも、権力者が何らかの政治的ポリシーをもって権力の地位に就く事は、ほとんどない。圧倒的大半の権力者は、先代からのシステムを(別に先代までのシステムに強い好感や賛同がなくとも)大体そのまま踏襲するか、自分のいる権力の地位が危うくなった時だけ、(その権力を維持する為に)泥縄的に手を打つだけに終わる。血なまぐさい権力闘争を制した新しい権力者が、何か抜本的な大改革をやるかといえば、そんな事はほとんどなくて、農民などにとっては誰が権力者になっても、日々の生活に変わりはないという事も珍しくない。」

逆沢「ああ、それも何となく分かるわ。織田信長なんかはよく革命児と言われるけど、その織田信長が美濃を制圧しようと伊勢を制圧しようと、それで美濃や伊勢に住む人々の生活がそう変わったりはしなかっただろうし。徳川政権が15代続いたといっても、大きな影響を与えたのは5代将軍の時など一部の時期だけで、将軍様や改革肌の老中が政権を仕切らない限り、誰が権力者になっても、世の中はそう変わったりしないもんねー。」

鼎「でも戦国時代なんかでは、かなり血なまぐさい権力争いが起きているよね。別に誰がトップになっても、それで世の中が大きく変わったりしないんだから、もっとみんな仲良くすればいいのに。」

愛原「でも仲良くしないんだよな。今回の自民党総裁選にしても、結構な駆け引きが行なわれてそうだし。我々国民からすれば、誰が総理総裁になろうと、そう大きな差は現われないような気もするが、それでも彼らは権力争いをやめようとしない。総裁選の時だけでなく、彼らは常に権力争いを繰り広げている。自民党派閥政治の全盛期なんか特にひどく、ライバル派閥の出した提案をいちいち潰そうとしたり、あらゆるポストを巡って争いも絶えない。昨今の民主党にしても、小沢派と前原ら新自由主義者との抗争が長く絶えず、自分の党内での争いが絶えないから、政策が全然まとまらない状態がかなり続いた。」

逆沢「こっちからしたら、誰がトップになっても最終的な政策に大差ないなら、その無駄なエネルギーを国民生活の向上のために回せと言いたくなるんだけど。子供手当ての問題の時の自民民主の駆け引きの時なんか、特にそう思ったし。自民案も民主案も実質的な内容がほとんど変わらないのに、ごくわずかな差異(ネーミングなど)を巡って、くだらない争いを延々と続けてたもんねー。」

愛原「彼らに取ってみれば、政策なんかどうでもよくて、権力抗争に勝つ事が重要なんだろうな。だから争点になってない分野ですら、ごくわずかな違いを争点にして、無理矢理戦いにもちこもうとする。自民と民主で政策に差がないなら、一方が一方に譲歩すればそれで済むのに、譲歩したら負けになるからと、いちいち争いにする。その結果、1日で通るはずの法案を通すのに、何ヶ月もかかったりする。」

逆沢「けど日本くらいなんじゃない? ここまで治安の割にここまで政治が酷いのって。アメリカとかならもっとスピーディーだし、対立する場合も、もっと争点が明確な場合も多そうだし。」

愛原「アメリカの政治は、争点が極めてはっきりしているわな。たとえば大統領選の前段階として、党内選挙があるわけだが、その党内で候補者を絞る段階で、既に本格的な政策論争が展開される。前回の大統領選挙を例に取れば、民主党はオバマとクリントンが激しく争い、共和党も数人の候補者がそれぞれ思いつきでない昔年からの政治ポリシーと独自色を強く出して党内競争をやっていた。少なくとも日本のように政策論争を一切吹っ飛ばして、【○○なら選挙に強そうだ】とか【あの人はウチのグループ(派閥)だから】とかいう理由で、党首候補が決まったりしない。」

鼎「今の日本の政治を見てると、ただの人気投票と化している印象もあるかも。誰を選んでも政治に大差ないなら、何となく感じ良さそうな人にリーダーになって欲しいなーみたいな感じで。」

逆沢「分かる分かる。総裁選とか代表戦に立候補した時だけ、もつともらしく政策をアピールしたりするけど、思いつきのタテマエ上でしかないから、選挙が終わった次の日には、惰性で政治をやるだけのノンポリに戻ってたりする人も多そうだしねー。」

愛原「前回、大日本帝国の上層部の実情についての話題を少ししたが、今の日本も実は当時とそう変わらないのかも知れない。政策(軍略)なんか二の次で、重要なのは上に立ちたいと思う人が権力闘争に勝って上に立つ事。そして一度権力の椅子に就いたなら、今度は権力を使ってより良い政策(軍略)を薦めるのではなく、その権力を使って自分の地位がいつまでも保たれるよう安泰を図る。強権を発動してライバルを一兵卒などに左遷したり、選挙制度を改悪したり。」

鼎「権力を使って権力の維持を図るというのは、【一つだけ願いを叶えて上げましょう】というランプの精霊に対して、【かなえられる願いの数を無限に増やすよう願います】とお願いするくらいのインチキだと思うけど。」

逆沢「そういう保身だけが目的のちっぽけな野心家が権力の地位に就いたりしようものなら、ますます全体が不幸になるだけだから、そうなると周囲の人とすればそいつをどうしても引きずり下ろしたくなるんだけど、そしたら権力者も引きずり下ろされまいと権力を駆使して抵抗するだろうし、とんでもない不毛な内ゲバ状態になりそうだし。頭が痛いわ。」

愛原「最近でも、森喜朗、麻生太郎、野田佳彦など、解散コールや辞めろコールが鳴り響いても、ギリギリまで権力の椅子にしがみついた宰相が何人かいるが、レームダック状態の政権は国際社会からも相手にされないし、何一つ政治が進まない時期がその分だけ長引くだけだから、そういう人間に居座られるのは大迷惑でしかないんたけどな。」

鼎「仮にそういうタチの悪い権力者を排除する為に、権力闘争を起こして見事勝ったとしても、その場合、新しい権力者は【前の権力者を排除する】という目的を達した事で満足してしまうから、それで結局、政治はあまり変わらないという側面もあるかも。」

愛原「あー、それは言える。自民党の派閥政治全盛期なんか、まさにそんな感じな気もするわ。敵対派閥の政権を倒す事だけが目的化して、仮にそれに成功しても、今度は敵対派閥に政権を再奪還されないようにするのが新しい目的となるだけだから、国民から見た政治の中身は大差なく、政治のエネルギーがただ権力維持だけに回される不毛な状態というか。」

鼎「戦国時代というのは、そういう不毛な権力抗争が最も先鋭化した時代だったのかもね。農民からしたら、ちゃんとした政治をしてくれたらそれでいいだけなのに、当の大名達は自分が滅ぼされないように立ち回るのに必死で、自分の身を守る事しか頭が回っていない状態というか。」

逆沢「あー、なるほど。一つ謎が解けたわ。なんで日本の政治家達が不毛な権力争いを続けるのかと。要するにライバル政治家に潰されない為に、自己防衛策の一環として権力にしがみついてるって事ね。ライバル政党やライバル政治家に先を越されると、一兵卒に降格されたり(下手すると党にいられなくさせられたり)、解散時期を操作されて不利な選挙を強いられたり、不利な法律を通されたり・・・、そういう目に遭いたくないから、とりあえず敵対派閥や敵対勢力の殲滅に全力を尽くすと。」

鼎「そうすると、谷垣さんも町村さんも安倍さんも石破さんも石原さんも、みんな【殺らなきゃ殺られる】心境で、総裁選に臨んでいるのかなぁ?」

愛原「ある者は自分の立場のこれ以上の低下を防ぐ為に、ある者は最大派閥と派閥政治を守る為に、ある者は選挙に勝つ為に、総裁選に打って出たり、特定の候補者を応援したりしている可能性は高いな。彼らの目には、国民の生活なんて概念はこれっぽちも入ってない。だから政策なんかはどうでもよくて、とにかく自分が勝ち生き残る事だけが大事。まして官僚やアメリカに楯突いて、政権基盤をより不安定にするなんて、論外という事だろう。彼らの目的が権力強化、もしくは権力維持にある場合、尚更その傾向は強くなる。」

逆沢「なるほど。まさしく戦国大名の視点ね。戦国大名は国民のための政治なんて関心はなくて、一揆が頻発したら政権基盤がヤバくなるからある程度は国政にも気を配るけど、要はその程度。一番理想的なのは、一揆が頻発しないレベルで最大の税収が得られる状態を目指すみたいな感じというか。」

鼎「今の政治家達もそういう視点なのかなぁ? デモや凶悪犯罪が頻発しないレベルで治安を維持しながら、少しでも多くの税を搾り取れれば最良みたいな感じで。」

愛原「それは政治家によるとしかいえんな。だが今回、総理の椅子を目指そうとしている連中に、国民目線の者はいなさそうだ。彼らの視点はおそらく、ライバルに倒されないように自己保身の為の権力増強に走る戦国大名のそれと大差ないだろうから。国民からすれば、どの大名が一族滅亡に遭おうが、良い政治さえ実行してもらえばそれでいいのだが、当の戦国大名自身は誰一人して自分が一族滅亡される側に回りたいとは思ってないだろうから。」

逆沢「とすると権力抗争なんて無駄な事にエネルギーを使わせず、真面目に国政に専念してもらう為には、とりあえず醜い人間関係の対立をやめさせる事が一番大事になりそうね。【俺が政権に就いたら憎いアイツを左遷する】とか【憎いあいつが政権に就いたら俺はきっと冷や飯食いだ】とか、そういう余計な恩讐があるから、政治がおかしな方向にいくわけだし。」

鼎「自民党も民主党もみんな仲良くできたら、子供手当ての時のように、つまらない争点で醜い駆け引きを何ヶ月も続けなくて済むと思うのにね。」

逆沢「まぁそれはそれで、大政翼賛会的というか、大連立構想そのものだから、私はあまり好きじゃないけど。」

愛原「政策の違いで争いになり、国民に選択を迫るようなアメリカ型ならまだマシだが、単なる感情的な好き嫌いだけで、どれかを選べって政治は嫌だな。だが今の自民党員の立場だと、候補者の政策的な違いが分からないし、その主張をどれだけ真面目に実行するかも怪しいから、本当にマスコミらが作った印象だけで判断せざるを得ない状態になっている。極めて良くない状態だ。」













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