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愛原様のたわごと(13年2月10日)




愛原「ご神木立ち枯れニュースに関するネット記事を最近、見つけたんだが・・・。」

逆沢「何、その古くさいニュース。3ヶ月くらい前にテレビでやってたアレの事? 時事ネタを多用するウチ的にはかなり賞味期限切れのニュースだと思うんだけど。」

愛原「その古いニュースの記事が、ごく数日前にYahooのニュースのトピックス欄を通じて目に留まった。俺も【何で今頃?】と思ったが? 無論、能動的に調べたらネットでも上の記事のように、3ヶ月前の時点でちゃんと記事にしてあったサイトはあったんだけどな。気付く機会がなかっただけで。」

鼎「このニュースが最初に話題になった頃は、ほぼ四国限定のローカルニュースで全国的にはマイナーな扱いだったから、それでネットでもさほど大きく取り上げられる事がなかったのかも知れないよ。けど最近、愛知県などでも起きるようになって、それで東京のメディアも関心を持ったんじゃないかなぁ?」

逆沢「この1週間でようやくトピックス欄に一度掲載されるレベルになったとはいえ、まぁ今の所、首都圏では被害はないようだから、特に盛り上がらないまま埋もれるであろうマイナーニュースの扱いなのは変わりないけどね。大雪災害とかも常に東京目線だし。」

愛原「まぁ俺も、最初に知ったのは近畿広域圏ローカル枠のテレビのニュースだったしなぁ。まぁローカル扱いなのは仕方ないか?」

逆沢「つうか四国って、近畿だっけ?」

原「地デジ化に伴って、徳島県がほぼ正式な近畿広域圏入りを果たした為(NHKと読売系列は除く)、徳島県のローカルニュースも近畿広域圏に流れる。多分その関係だろう。テレビCMの関係と思われるが、2年前のものでこういう例もあるしな。」

逆沢「なるほどねー。で、この流れからどういうテーマに移るつもり?」

愛原「この【ご神木立ち枯れ】ニュースと【地方公務員の駆け込み退職問題(法改正により、今年の2月から4月以降の退職金が減額される事になったのを受けて、減額されるまでに早期退職して、少しでも多くの退職金を得ようとする定年間近の公務員がたくさん出ている問題。】ニュース。あと安倍内閣が地方自治体に対して公務員の給与減額を要求しているにも関わらず、それに地方自治体側が強く反発している問題などをひっくるめて、共通のキーワードを想像してもらえればと思う。」

逆沢「めんどくせー!! そんな小難しいクイズに挑む余裕があるなら、お前のほっぺをつねって、無理矢理解答を引っ張り出した方が早いわ。うりうり〜♪」

愛原「やめんかー!! 暴力反対!!」

逆沢「いやぁ、誰かを無理矢理いいなりにさせるには、体罰最高だわ! 全柔連の問題も、体罰の被害者が15人もいるなら、15人がかりで体罰監督を袋叩きにしちゃえば良かったのに。15対1なら、いくらなんでも負けないと思うし♪」

鼎「体罰する側の背後には権力も備わっている事が多いから、仮に選手が監督に暴行を加えたら、人事権を振りかざされて選手生命を絶たれてしまう可能性も高いと思うよ。年老いた相撲部屋の親方が筋肉ムキムキの現役力士相手に一方的に体罰を行使できるのも、親方側には人事権があるからだと思うし。」

愛原「監督や親方らが持つ地位・権力は確かに強い。だがその地位・権力に勝るとも劣らない社会的パワーがあるものが、今回のテーマだ。つまり【お金】だな。」

逆沢「オカネの3文字を言うのに、どこまで無駄な時間をかけるのよ? なぜ最初から、今回のテーマはお金の話だと言わない?」

愛原「お金の価値を語る上で、上記の時事ネタを先に取り上げることが有効と感じたのだ。人はお金を得る為なら、汚れた事でも平気で行ないかねない。逆にもらえるお金が減りそうとなれば、それまで積み上げてきた誇りも道理も捨てかねない。それ程のまでの魔性を秘めたのがお金であるという事をな。」

逆沢「ま、お金でもめると、殺人事件にもつながりかねないからねー。つうか殺人事件の数割は、お金がらみのような気もするし。強盗事件のようなものから保険詐欺に至るまで。あるいはこの前の資産家殺人事件のようなお金がらみの怨恨トラブルとか。尼崎の遺体遺棄事件なんかも、加害者側はほぼ100%、カネ目的で被害者に接近してる所から始まってるみたいだし。」

鼎「お金ってすごく怖いよね。お金を持ってるおかげで誰かから余計に命を狙われる事もあるし、逆にお金が欲しいという理由だけで、誰かを襲う人も無くならないし。」

逆沢「わかるわかる。この世の犯罪の半分以上は、お金がらみのような気すらしなくもないわ。」

鼎「いっその事、【この世からお金が消えればいいのに】というような過激な願望を抱いちゃう事もあるかも。でも現実にはやっぱり無理かなぁ?」

逆沢「そしたら物々交換で物のやり取りをする世の中に戻るだけの気もするけどね。」

愛原「物々交換は、双方が欲しい物を双方が持っている時のみ最良の成果をあげる。たとえばタマネギが欲しくない人に、どれだけたくさんのタマネギを提示しても、そのタマネギには一円の価値もない。そして放置して腐った時点で、そのタマネギはただのゴミだ。だがお金は違うわな?」

逆沢「お金は腐らない。さらに誰に対しても均質の価値を持つ。タマネギを欲しがらない人はたくさんいるかも知れないけど、お金を欲しがらない人はいないし、お金さえあれば、(愛とか抽象的なものは除いて)あらゆる物と交換できるというのは、やはり大きいわね。」

愛原「その通り。お金には(例外的状況も多くあるが)原則として普遍的な価値がある。あらゆる物といつでも交換可能な汎用性と利便性。誰にとっても価値は同じという均質性。そして容易に陳腐化しない永遠性。その全てをお金は兼ね備えている。」

逆沢「お金が紙くず同様の価値しか無くなるジンバブエドルみたいな例もあるから、例外があるのは事実だけど、財政規律さえ守られているなら、お金に普遍的な価値があるというのは認めるわ。」

鼎「ある意味、お金は魔法のランプそのものだよね。お金がたくさんあるほど、願いがたくさんかなえられるというか、欲しい物がたくさん手に入りやすいというか。」

逆沢「で、その魔法のランプとしての価値もあるお金を得る為なら手段を選ばない人も後を絶たないと。同じ状態まで育つまで何百年もするような貴重な神木を安易に枯らしたり、何十年も勤めてきた職場を、お金だけの為に中途半端な形で去ろうとしたり。」

鼎「駆け込み退職に関しては、4月を期限にすれば良かったのにという声もよく聞くけど・・・。」

愛原「システム論で語れば、その主張はまことに正論。俺が担当者だったとしてもその方が無難と考える。しかし暴論を承知で本質論で語るならば、今年定年を迎える公務員の退職金は下げず、来年度から定年を迎える退職金からは下げるという区分に正当性はない。来年度以降に定年を迎える圧倒的大半の現職公務員に取ってみれば、彼らの世代のみ、早期退職という抜け道を利用する事で本来の退職金より数十万円高い退職金をゲットできるという特例的構図に過ぎないからな。その視点で見れば【本来通りに退職する】or【早期退職して金銭ゲット(その代わり誇りや信頼面でマイナス)】という2拓の選択肢を彼らの世代のみ用意され、何割かの人間が後者を選んだというだけに過ぎない。」

逆沢「なるほど。視点を変えてみたらそうなるか? 前年度までの退職者はより高い退職金をもらえてたかも知れないけど、選択肢自体がそれ一拓だったし、来年度以降の退職者もより安い退職金になるかも知れないけど、やはり選択肢が一拓な事に変わりない。けど今年だけ二拓の状態になって、その究極の二択を提示された際、人はどちらを選ぶか?という実験経過がまさに示されたって事ね。」

鼎「実験結果としてみれば、微妙だよね。早期退職を選ばなかった人の方が多い所をみると(但し現時点で分かる範囲)、何が何でもお金優先という程ではない。特に批判の矢面にさらされた教職員の早期退職希望者の割合はかなり低く、むしろ警察官などの方が早期退職希望者ははるかに多かった。つまり誰にも批判されずに済んだり、お金を優先した事によるデメリットが少なければお金を選ぶけど、お金を選んだ事による社会的デメリットの方が多いと判断すれば、必ずしもお金に執着しないって事かな?」

逆沢「逆を言えば退職金の差額次第でも、早期退職希望者の割合は大きく変わるだろうって事ね。仮に差額が10万ほどしかなければお金目的の早期退職希望者はほとんど出ないだろうし、逆に差額が1000万円ほどならほぼ100%の人が早期退職を選んでも不思議はないと。今回の事例では職業にもよるけど、おおむね対象の公務員の3割の人が早期退職を希望して、その差額が約70万円らしいから、失う誇りや信頼を金銭で置き換えると、適正相場は約80〜110万円くらいかな?」

鼎「信頼や誇りといった見えないものまで、お金で換算できるって、本当にお金の威力ってスゴいよね。」

逆沢「でも実際そうでしょ。【信頼や誇りはプライスレス】という人もいるけど、もしも退職金の差額が1000万円なら、9割以上の公務員が早期退職金を選ぶと思うし。誇りや信頼ですら、実はお金で売買できちゃうのよ。かつてホリエモンが【女はカネにもれなくついてくる】とか【世の中、金だ、愛情だって金で買える】なんてセリフを言ったそうだけど、実際、お金があるかどうかが恋愛や結婚を成就させる上でのボーダーラインにある男の人もかなり多いと思うし。」

愛原「お金の価値が高すぎる世の中も考えものだなぁ。お金はあくまで物事を成すための手段の一つでしかないのに、お金を集める事自体が目的化してしまいそうだ。ファンタジー小説のグリフォンのように。」

鼎「グリフォンやドラゴンなどのモンスターが金目の物を集めたがる習性があるという設定はよく見るけど、これってRPG的にはすごく都合が良いよね。強いモンスターを倒すほど、たくさんのお金が得られるという設定にすれば、冒険者がより強いモンスターを倒そうとする動機付けにもなるし。せっかく強いモンスターと戦って勝っても得られる利益が何もないなら、冒険者としてもわざわざ危険を犯す理由なんて無くなる訳だから。」

逆沢「日本の老人もグリフォンのようなものか? 日本人自体、世界的に見てすごく貯蓄率が高いらしいけど、その中でも日本のお年寄りの貯蓄率は群を抜いて高いらしいし。」

愛原「とすると高齢者相手に振り込め詐欺やリフォーム詐欺などをしかける詐欺師どもは、さしずめファンタジーの冒険者と同類か? どっちも世間からみたらヤクザ的な存在(裏社会側の人達)というか、アウトローそのものだし。」

鼎「外国ではお金は社会全体で回すことで経済が回ると考えられがちだからか、貯蓄よりも投資が主流らしいけど・・・。」

逆沢「グリフォンは単に金目の物を集めるのが好きなだけらしいけど、日本の老人はなんでカネを貯め込みたがるのかな?」

愛原「老後の安心の為だろ?」

逆沢「日本は【世界で最も成功した社会主義国】という異名もあるほど、福祉にはお金をかけてるのに、それって矛盾してない? ちゅうか日本の財政支出で最も圧迫しているのも年金を初めとした社会福祉費用だし。まして日本は超低金利だから、利子だけでご飯を食べていくなんて夢の夢だし、どう考えてもせっかくの資産を塩漬けに(貯蓄)するメリットなんて無さそうなのに・・・。」

鼎「日本の富裕層が日本企業の株などに投資しないから、日本の優良企業の株がどんどん外国勢に抑えられて、実質外資系状態になってる名目だけの日本企業というのも増える一方らしいけど・・・。」

愛原「・・・うむむ。とにかくカネが手元にあれば、安心できるからじゃないのか? カネはいくらあっても、それで困ることはないからな。」

鼎「つまり逆を言えば、カネがなくても安心できるような世の中になれば、拝金主義的な世の中にならずに済むような気がしたけど・・・。」

愛原「なるほどな。その視点は大事かも知れん。俺も色んなSLGをしてて思うのだが、お金が足りなくて戦略がうまく進められない時は、どうしても収入を増やすことを第一に考えたコマンドを多用しがちだ。だが経営シミュレーションでもない限り、お金集めが最終目的になるはずがないし、お金は必要なだけあれば、それ以上は【いくらあっても、それで困ることはない】程度の扱いにしかならない。むしろお金だけで解決しない難題の克服にウエイトが偏ってくるな。」

逆沢「お金だけで解決しない難題かー? SLGでは、その比率はかなり高いわね。鍛え上げて自らのレベルを上げたり、優秀な人材を登用したり、巧妙な外交関係を維持したり、巧みな戦略戦術で敵を翻弄・圧倒したり・・・。お金さえ貯め込んだから、それで楽にゲームクリアなんて甘い事はなくて、肝心の部分はあくまでプレイヤーのセンスがものをいうというか。」

鼎「チャップリンの名言に【人生に必要なのは、勇気と想像力とほんの少しのお金だ】というのがあるけど、まさにその視点だよね。確かに人はご飯を食べられる程のお金もないと生きていけない。しかしある程度の生活水準を維持できるだけのお金を稼げるなら、その先はお金集めに追われるだけの人生を送るのではなく、もっと有意義な生き方もあると。」

愛原「そういえば、色んなファンタジーシナリオを体験して、一つ気付いた事がある。それは【主人公は意外とお金(or当面の生活)に困っていない者が多い】という事だ。特にエロゲ系ではその傾向が顕著で、一人暮らしでも親がそれなりの遺産を残していて当面の生活は困らない設定などがままみられるが、これはその他の小説やマンガのシナリオでも割とありそうだ。」

逆沢「まぁ主人公が無意味にお金に困っていると、シナリオが前に進まないからねー。【真剣にアルバイトしないと今月の家賃も払えないから、怪物に襲われている市民がそばにいても、仕事を抜け出して助けに向かえませんでした】では、物語にならないし。だから主人公は、学校や職場を勝手に抜け出しても停学や停職にならないようなぬるい環境であったり、真剣に定時まで働かなくてもそれなりに生活できるレベルの金銭的余裕があったりして。」

鼎「中世ファンタジーの世界でも、主人公は国の偉い人と面識があっていざとなればその人を頼れたり、ギルドなどを通じていつでも仕事を斡旋してもらえる環境にある場合が多い気がするよ。」

逆沢「中には、国やギルドに懸賞金かけられて、追われる身の主人公もいるかも知れないけどね。」

愛原「そいつら、どうやって食い扶持稼いでいるんだろうな? 現実社会に即してみれば、市橋受刑者にしろオウムの3容疑者にしろ、かなり厳しい潜伏生活を余儀なくされるのが普通なんだが?」

逆沢「ま、リアリティーでいえば、特定の誰かのヒモになるか、どこぞのシェアハウスなりに住み込みでこっそり働き続けるか、裏社会のパシリになるくらいしかないか? そんな手段で、カネをたくさん稼げる人なんかほんのわずかだと思うけど。」

鼎「リアリティーを追及すれば、人がマンガの主人公みたいなドラマチックな生き方をするという目的を達成するには、既に生活に困らないレベルの収入源がある(生きていく上での手段としてのお金にはそれほど困らない環境なので目的に専念できる)か、もしくは収入源となる労働内容自体が既にドラマチックである(目的と手段がほぼイコールなので、やはり目的に専念できる)必要がありそうだよね。」

愛原「そろそろまとめに入るとしよう。まず人が生きていくには、ある程度のお金は必要だ。だがお金は手段であって目的ではない。特にお金に固執しなくても生きていけるという安心感さえあれば、人は必ずしもお金に執着しない。」

逆沢「だけど今の世の中みたいに社会に余裕が無くなると、高給取りであるはずの公務員ですら、生涯収入の1%にも全く届かないレベルのお金にすら執着するようになる。バレなければ何をしてもいいといわんばかりに、再び取り戻すには数百年もの歳月が必要なご神木すら軽い気持ちで枯らしてしまう。つまり本来手段でしかないお金稼ぎだけで手一杯といわんばかりの心理に置かれてしまうと。」

鼎「人は安心を求める生き物だから、セーフティーネットによる安心感が得られないと、万能に近い交換性を持つお金を集めることでしか安心感を得られなくなる可能性があるって事だよね。で、その為には手段を選ばないようにもなりかねないと。」

愛原「戦国SLGをプレイしていながら、戦略・戦術をそっちのけで、ひたすら金策系のコマンドを実行し続けるようなものだな。目的を完全に見失っている。それなら初めから経営SLGをプレイした方が楽しいだろうに。」

逆沢「まして日本は世界でもトップクラスの娯楽と安心が備わっている国なのにねー。治安も良い。福祉も充実。娯楽もたくさん。にもかかわらず、人を踏みつけてまでお金を奪い取ろうとする拝金主義者が多いのが不思議でならんわ。特に公務員なんか、日本でも最も安定的かつ富裕な職業なのに、そういう人達までが生涯収入からみたらわずかな金額のお金を巡ってヤキモキしてるんだから、訳分からないというか。」

鼎「そういう拝金主義的な世の中だからこそ、どんなにお金を積んでも絶対にすぐに復旧できないような樹齢数百年の神木すら、軽い気持ちで枯らしてしまったり、人生の大半を過ごしてきた公務員人生のラスト2ヶ月を汚すような人も現れたりしちゃってるとしたら、すごく残念な話だよね。」

愛原「世の中、お金では絶対に手に入らないものもある。お金のために人を殺したとして、後でその数十倍のお金を積んでも、その人が生き返る事は絶対にない。お金稼ぎだけに奔走して30年ガムシャラに働き続けたとしても、それで若さを取り戻せる事も絶対にない。樹齢数百年の木を復旧させる方法も、数百年待つしか方法はない。失われた信頼や誇りも、そう簡単には取り戻せない。もちろん、それをしなければ飢餓で死ぬというならやむを得ないかも知れんが、そういう大ピンチでもないのに、それでも安易にお金を選ぶ風潮には正直残念さを感じる。」

逆沢「日本がアメリカみたいな自己責任社会なら、【もっとセーフティーネットを充実させて、国民が安心して生活できる世の中を作れ】的な意見も説得力あるんだけど、日本の場合は既に福祉は高水準だし、しかも最も高福祉超安定の公務員ですら銭ゲバ状態だから、どう処置したらいいか分からんわ。」

愛原「ゲームの世界では、お金だけ貯めても、それで全てが解決する仕様にはなっていない。偉さや有利さとも直結しない。あくまでお金はゲーム展開を有利に進めるための手段でしかないからだ(お金を稼ぐ事が目的のゲームは除く)。ところが今の日本の場合、カネで解決できる事が多すぎるのが一因かも知れん。」

逆沢「ああー、それは言える。昔は、日曜大工が得意とか、裁縫が得意とか、料理が得意とか、教育上手とか、心が安らぐとか、良く気がついて何でも手伝ってくれるとか、色んな付加価値が人それぞれにあったけど、今は雑巾すら自分の家のミシンで作らなくなって、ご飯も中途半端な物を作るなら外食の方が安くて手間いらずとか、電化製品などももはや自宅での自力修理は困難とか、教育も託児所や塾任せとか、葬式も葬式屋に全てお任せとか、なんでも他人任せの世の中に変わってるからねー。でも他人に仕事をさせるには、どうしてもカネが必要になるから。」

愛原「SLG的なノリをいえば、お金で軍師も傭兵も全て雇って、後はフルオートって感じだな。プレイヤーができるのはお金をひたすら稼ぐ事だけ。後はその道のプロをお金で雇って、後はプロが活躍するのを期待して黙ってゲーム画面を見ているだけって感じか? カードゲームSLGでもプレイヤーができる事は、カードを買う事だけで、実際にカードをどう運用するかは全てAI任せで、しかもAIも課金するほど賢いAIを選択できるみたいな感じで。」

逆沢「何という嫌なSLG・・・。んなカネが全てのゲームなんか、やりたくね〜!!」

愛原「あと現代日本の場合は、消費を美徳とする文化に偏重しすぎてるせいか、生きる楽しみ評価(ステータス)の基準自体が消費に偏りすぎているのも問題な気がする。美味しい食べ物を食べるにしろ、おしゃれをするにしろ、AKB48やゲームにハマるにしろ、それらにはいずれもカネがかかる。カネをかけないと異性も寄ってこない的な消費文化が蔓延しすぎているというか。」

鼎「電車でデートなんかダサいとか、やっぱり高級車でドライブがカッコいいとか、財布やファッションにもカネをかけるべきとか、サ○ゼリアでお食事なんてダサくてありえないとか、電化製品もハイスペックにこだわりたいとか、結婚指輪は給料数ヶ月分とか、少しでもたくさんのカネを消費できる人の方がカッコいいという考えがすごく主流になってる気は、すごくするかも。」

愛原「関西人の場合は高価な物を持ち歩く人より、有用な物を少しでも安く手に入れたり上手く活用する人の方が自慢できたのだが、最近はメディア戦略の影響もあってか、かなり思考が東京寄りになってると感じつつある。」

逆沢「で、中にはこんなくだらない事件を起こす馬鹿教職員も出ると。高級車を持つ自分にステータスを感じていて、そのステータスの象徴である高級車を守る為なら、守るべき生徒を逆に傷つけたり、その生徒の持ち物をゴミ捨て場に捨てても平気だと。公僕としての誇りよりも、自分の金銭力の象徴を守る方がそんなに大切なのかと。」

愛原「生きる楽しみや評価の基準生産型重視スタイル(福祉系ならボランティアや献血など、製作系なら調理や作品作りなど、その他の自己実現系ならスポーツや特定の職業目指して頑張るなど)なら、チャップリンのように最低限のお金さえあれば、後はお金よりも時間や才能の方が欲しくなるというか、少なくとも拝金主義には陥らずに済むと思うがな。」

鼎「消費系の生き甲斐やステータスではなく、生産系の生き甲斐やステータスがもてはやされるようになれば、人を喜ばせる為に頑張れる人格者とか、新たな未来を拓ける探究者の社会的地位も向上して、社会全体もさらに豊かになれると思うのにね。少なくとも資源を食いつぶすだけの消費系の生き甲斐がもてはやされるよりは。」

逆沢「でも資本主義のブルジョアからすれば、消費の美徳を否定されるのは大迷惑だろうけどね。自力で故障品を修理されたり、自炊されたり、服もミシンで自作されたりすると、資本主義的には大迷惑だから。【労働者は資本家が作ったものをたくさん消費しろ。今時、自家製の洋服や自家製の味噌汁で満足しているようだとカッコ悪くて馬鹿にされるぞ】&【労働者は資本家の為に死ぬ気で働け。じゃないと貧乏と馬鹿にされてカッコ悪いぞ】みたいな感じで。経済学者もそろって、消費を喚起して景気回復みたいな事しか言わないし。」

鼎「ボランティアの数が増え過ぎたり、良質なフリゲや無料ツールが増えすぎると、それでお金もうけしてるメーカーが迷惑するという話も聞いた事があるよ。タダで良質の製品や人材(自分自身含む)が活用できるようになると、誰もカネ出して製品を買ったり、プロの人を雇わなくなるから。」

愛原「消費活動自体を否定する気は全くないが、バランスの問題だと思う。消費系(有償寄り)のライフスタイルばかり賞賛される一方、生産系(無償寄り)のライフスタイルが全く蚊帳の外状態なので、カネこそ全てのような社会に陥りつつあると思う。まぁ拝金主義者自体はどの時代のどの場所にもいるし、カネがらみで犯罪を犯す人間も決してなくならないだろう。だが普通の人までが拝金主義者にならざるを得ない程、余裕のない社会はさすがに困る。」

鼎「私は、カネで手に入らない価値観が重要視される世の中の方が理想だと、やっぱり感じたよ。ゲームの世界でも現実の世界でも。」

逆沢「リアルマネーをたくさん課金した方が有利になるゲームも色々多いけど、私はそんなゲームはやっぱ好きになれないわ。自分自身の実力だけで目的を果たしてこそ、本当の意味で達成感を味わえると思うし。」

愛原「現実世界でも、カネに振り回されずに済む生き方ができればいいなとは思う。一度拝金主義の虜になると、常に空腹で飢え続ける餓鬼のように、何億せしめても安心できずカネに追われるだけの人生になってしまう。東電の前社長にしろ(2013/04/22管理人注〜後日、塩崎委員と東電幹部の間に行なわれた国会答弁によると退職金5億円というのはデマで、実際には4000万円強だったらしいです。返上はしていないとの事)今期定年予定の一部公務員達にしろ、自分達が社会全体でどれだけ裕福なポジションにしても、そういう人種は、永遠に安心できる日は来ない。それが拝金主義者という生き物なんだからな。

逆沢「本当にどうしようもない程貧乏なら仕方ないけど、そうでもないのに安易に犯罪を犯したり、自分の誇りや信頼を深く傷つけてまで、カネを追い求めて老いていくだけの人生は御免だわ。」

鼎「【人生に必要なのは、勇気と想像力とほんの少しのお金だ】って、本当にいい格言だよね。もしも多少なりともお金に余裕が出てきたなら、自分の誇りや信頼を売ってまでさらにお金に変えるのではなく、逆に勇気と創造力とか誇りや信頼を買い取って、少しでもドラマチックな人生を体験したいと思ったかも。」













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