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愛原様のたわごと(13年2月24日)



愛原「自分が夢の世界にいるような不思議な感覚に襲われたことはないか?」

逆沢「んんん? 何、いつもと違う妙に気持ち悪い話の入り方・・・。もしかして変なクスリでも飲まされたか?」

鼎「風邪でもひいたのかな? 病気になると、なんとなくぼぉっとして、体はだるいのに宙に浮いてるような感覚になっちゃう事があるよね。」

逆沢「それ。単純に眠たい時に起こる時もあるわ。」

愛原「もちろん病気の時も、そういう半分だけ夢の世界にいるような不思議な感覚に陥る事はあるだろうけど、それ以外にもちょっとしたきっかけで、夢と現実の境界線があいまいになってるのを自覚してしまう事とか、お前らはないか?」

逆沢「寝ぼけているとか、そういうのを除けば、私は実感ないけどねー。」

鼎「信じたくない事が現実に起こった時に、【これは夢に違いない】と思い込んで現実逃避したくなる事はあるかも知れないけど、そんな感覚なのかなぁ?」

愛原「まぁ・・・そうだな。口で説明するのは難しいが、ざっくりと言えば鼎の言ってる事でも間違いはない。自分が認知・体感している事と、世間の反応に大きな乖離がみられる時に、自分の認知や体感の方を疑ってしまう感覚といえばいいのかな?」

鼎「自分の目で見る限り、どう見ても鹿にしか見えないのに、周りの人がみんな【あれは馬だ】と言ってたりすると、きっと戸惑うよね。そういう認識の乖離があった時に、【自分が夢の世界にいるのでは?】と疑うような心理なら、私も分からなくもないけど・・・。」

逆沢「私がそういう立場なら、みんながグルになって、自分をはめようとしてんじゃないかと疑うわ。いくらなんでも鹿と馬を見間違えるなんてありえないし。」

愛原「逆沢は、余程、自分の認識に強い自信を持っているのだな?」

逆沢「つーか、そこまでもうろくしてないし♪」

愛原「大層な自信だな。ちなみに今回のテーマは【幻想空間】。ファンタジーの世界でしばしば登場する夢オチとか催眠ネタとか、幻覚や幻影に惑わされる人達について、さらっと取り上げてみたいと思う。」

逆沢「最近の製作進捗状況がさっぱり分からない【ひとそれ】にも、幻覚や幻影を扱う能力者や催眠術師は登場するけど、ああいうファンタジックな特殊現象について取り上げるという事か?」

愛原「ファンタジックとか特殊現象とか、本当に言いたい放題だな。いかにも現実世界ではありえないと言わんばかりというか。」

逆沢「だってあまりにも、現実離れしてるもん。ウチのコーナーに似つかわしくないくらい、空想ネタ過ぎるというか・・・。」

愛原「あのなぁ。お前のような奴が、一番、催眠や幻術に惑わされやすいんだぞ。」

逆沢「いや。だから、現実世界に催眠術師も幻術師もいないから、惑わされようもないし・・・。ってか、お前、本当に頭大丈夫か?」

愛原「では催眠や幻術ではなく、詐欺と言い換えるとしよう。お前は詐欺にもひっかかりにくいタイプと自信を持って言い切れるか?」

逆沢「うーん。断言はしかねるけど、少なくとも大きな詐欺に引っかかった記憶はないし、自分では詐欺に引っかかりやすいタイプとまでは思ってないけどねー。振り込め詐欺とか結婚詐欺とか悪徳訪問販売とかペニーオークションとか安愚楽牧場のような投資詐欺とか、世の中には色んな詐欺があるけど、【ああいうのに引っかかるバカがまだいるのか?】と私なんかはいつも思っちゃうし。」

鼎「逆沢ちゃん。そういう心理の人は一番詐欺に引っかかりやすいから、本当に気をつけたほうがいいよ。」

逆沢「あ? 鼎まで、私を馬鹿にしてんのか? 私がそんなミエミエの低レベル詐欺に引っかかるわけないじゃない?!」

愛原「【自分だけは大丈夫!】と大した根拠もなく思い込む人間は、冗談抜きでやばいぞ。これは警察が詐欺の被害者から聞き取り調査した結果からもはっきり証明されている。【自分がこんなチャチな詐欺に引っかかる訳がない】と思い込む人ほど、詐欺師の迫真の演技を真に受けたら最後、周りの人間の忠告にも耳を貸さず、【あれが演技のはずがない! 自分の耳で直接確かめたんだから間違いない!(疑り深く知性も高い自分が真実と判断した以上、今更間違いのはずがない!)】とばかりに、最後まで騙される。振り込み詐欺の件では、銀行員や家族が何度も忠告したのに、その忠告にまともに耳を貸さずに、結局、振込み済となって、後日、ようやくそれに気づくパターンも多いというし。」

鼎「新興宗教にハマりやすいのも、意外と自分の認識に自信のあるタイプらしいよ。こういう人達は、家族や友人よりも自分の方が偉いとか賢いとか正しいと思いこんでいるから、家族や友人の助言にも耳を貸さないというか。だから意外と高学歴の人の比率も高いらしいし。」

愛原「ま、安っぽいプライドや見栄も一因だろうけどな。自分が一度信じたものを他人に否定された時に、その助言を素直に聞いて改められる度量がない。【いいや。俺の方がお前よりも絶対に正しい。お前らは黙って俺のしてる事を見てやがれ!】みたいな感情になりやすいというか。あるいは、だまされている自分に気付くのが嫌で、無理矢理信じ切ってしまうタイプというか。」

鼎「これは心理学の問題でもあるんだけど、一度、振り込め詐欺のような詐欺に引っかかって、少額でも振り込んでしまうと、後でその額がどんどん高くなって何度も請求され続けるようになっても、なかなか振り込みをやめられないそうだよね。詐欺師に【ここで振り込みをやめると、お金は戻ってこなくなりますよ】と言われると、内心ではヤバいと気付きつつも、最終的にお金が戻ってくるわずかな可能性に賭けたくなるというか。」

愛原「これは株やFXのような投資の世界でもありがちなんだが、人はわずかな額でも損が出ると、その損を取り戻そうとしたくなる。で、ますますカネをつぎこんで損失額を拡大させる。コンプガチャなども同様で、人は一度お金を投資した以上、当たりが出るまでいつまでも投資し続けたくなる。投資し続けた結果、いずれ当たれば、それで多少なりとも元を取れた気持ちになれるが、当たりが出ないまま投資をやめたら、今まで投資したカネが無駄になってもったいないという心理状態に置かれるからだ。」

鼎「結婚詐欺のようなのも、【これだけたくさんのお金を相手に貢いだ以上、ここでお付き合いをやめたら、今まで相手に貢いだお金が全部無駄になってしまう。あと一押しすれば相手が結婚を受託してくれるかも知れないし、だったらもう少し貢ぎ続けよう】という心理になって、それでいつまでも見切りが出来ないそうだよ。もちろん詐欺師側が【あともう少し投資すれば、きっと貴方は報われますよ】というアピールを絶やさないせいもあるけど。」

愛原「【人は最悪の可能性よりも最良の可能性を予見して行動する。その際に確率や期待値は意外と考慮しない】。だから【詐欺師に巨額の資金を奪われるという最悪の可能性】よりも、【今まで詐欺師にカモられた少額の被害を受け入れた上で詐欺師との関わりを中断する】よりも、【実は相手は詐欺師ではなくもう少し投資すればお金を返ってきて報われる】可能性を信じて行動しがちだ。ちなみに今月12日に高砂市内で起きた山陽電鉄の脱線事故も、事故を引き起こしたトラックの運転手が【最良の可能性を信じて行動した結果、招いた、最悪の結末】というパターンだな。」

逆沢「うーんと確か、トラックの荷台部分の最後尾が遮断機に引っかかって、それをなんとかしようとしたトラックの運転手が荷台の板を地面側に倒した結果、そこに特急電車が乗り上げて脱線してしまったんだったかな?」

愛原「結果論で言えば、トラックはそのまま前進して遮断機の棒(大体、竹かプラスチック製)を折ってしまえば、せいぜい数万円の賠償額までで済んだと思われる。またもっと早い段階で警報機のボタンを押す事で列車が踏切までに停車していた可能性もあった。もちろん棒を折ったり、警報機のボタンを押して列車を止める事で、勤め先の偉いさんから叱責を受ける可能性はあるが、それでも脱線事故を起こす(おそらく10億円規模になると思われる)よりははるかに被害額は小さいはず。」

逆沢「しかしトラックの運転手は、棒も折らず警報機のボタンも押さず、何事もなく踏切を渡れるという最良の可能性を信じて行動した結果、最悪の結末に至ったって訳ね。」

愛原「人は最悪の可能性を避ける道よりも、最悪の可能性が少なくない確率であっても最良の可能性もある道を選びたがる。だから詐欺事件も株投資のようなものも、被害額はどうしても膨れあがりがちになる。莫大な損害額に発展する可能性が高くとも、損しない可能性が残っている道をどうしても選びがちなのが人間だから。」

逆沢「ま、人間は、どうしても【自分に都合の良い未来】を期待(夢想)して行動したがるもんだからねー。だから宝くじも売れるし、結婚願望などが無くなる事もない。」

愛原「うつ病傾向の人間でもない限りは、未来にポジティブなイメージを感じるのは当然の反応だし、みんなが冷徹にソロバン弾いて、派遣社員やるくらいなら生活保護と考えるようになったり、結婚も出産もしたがらなくなると、社会が崩壊するから、未来に希望を持てる世の中を目指す姿勢自体は絶対に否定しない。だがそれが行きすぎると、詐欺師らの絶好のカモになってしまう。」

鼎「【自分だけは大丈夫】とか【俺はお前よりずっと優秀だ】いう思い込みは、すごく危険だよ。これは何も詐欺師相手の話じゃなくて、たとえば【この付近の深夜にて、通り魔が多発しています】という警告があったとして、それをちゃんと受け止める人は深夜の外出を避けたり、仮に深夜にその付近を通る事になっても、見知らぬ人が近付いてきたら警戒できるだろうけど、【自分だけは大丈夫】と信じる無警戒なマッチョさんは、いつもと同じ調子で至近距離で見知らぬ人とすれ違ったあげく、その見知らぬ通行人に突然後ろからザクッという可能性も高くなるし。」

愛原「本人の幻想の中では【自分だけは大丈夫】とか【俺は被害者のようなマヌケじゃない】なのかも知れんが、現実はそんなに甘くない。自分に自信を持っているタイプほど、実は最も危険というのは、そういう事だ。」

逆沢「・・・んむむ!! けど私の場合は、そんなに無警戒じゃないし! 振り込め詐欺とかも実際にだまされた事など一回もないし。」

愛原「今まで日本で原発事故が起こった事が一回もないから、今後も永久に安全に違いないと言ってるようなものだな。その思い込みが最も危険だと言っているのだが・・・。そもそも人間は完璧な生き物じゃないんだから、ダマされない事やミスしない事だけを前提に話を進めてもしょうがない。むしろダマされた後やミスした後、どうすべきかの方が大事なんだが。」

鼎「つまり幻想空間にハマった時に、どう速やかに抜け出すか?という視点が大事だという事だよね。」

愛原「そう。【俺はダマされないから関係ない】なんて言ってる人間ほど、一度ダマされたら最悪の結果を招く。なぜなら自分自身は【俺は絶対にダマされない人間だ】と思いこんでるから、周りの人間が【お前は既にダマされているぞ】と忠告しても、その忠告を真面目に受け止める事ができないからだ。」

鼎「というか、【俺はダマされない人間だ】と思い込む事自体が、既に幻想空間に捕らわれている状態そのものだよね。」

愛原「そう。思い込み。つまり主観。この主観(思い込み)を絶対視する人間は、一度幻想空間にとらわれると相当ヤバイ。主観的評価と客観的評価にズレがあった場合、問答無用に主観を選択してしまう可能性が極めて高いからだ。」

逆沢「でも私は、自分の目で見たものが鹿で間違いないと思ったなら、絶対にそれを信じるわ。周りがどれだけ馬と言い張ろうとも。」

愛原「ま、その判断自体は正しいとも間違っているとも言えんな。たとえば、暗闇の中で見えたのが何となく鹿っぽかったという程度の根拠なら、自分の見間違いの可能性も高いと思うし。逆に動物園のオリの中にいる動物が鹿であり、看板にも【鹿】と書かれており、何度それを確認しても鹿にしか見えないというのなら、タチの悪い仲間が自分をからかっているとしか思えないだろうしな。」

逆沢「もちろんその辺は、きちんと状況判断するけどね。自分なりに色々確認して検証して、それでもやっぱり鹿にしか見えなかったら、他人がどう言おうと自分は鹿だと言い張るつもり!」

愛原「他人に安易に流されないその意志の強さと視点は、賞賛に値する。自分以外の人間の方がダマされている可能性も絶対にないとは言えないからな。」

鼎「それはいくら何でも、厨二病的発想過ぎると思うよ。【間違っているのは俺ではない。社会(or愚かな大衆)の方だ】的発想は。」

逆沢「けど、大衆がバカに見える時ってない? 私なんか、数日前の明石歩道橋事故の判決結果(明石署の副所長が免訴となった)のニュースに関するコメント見てて、本気で【こいつら、アホの集まりや】って思ったもん。」

愛原「【混雑してる歩道橋に行く方が悪い。危険性くらい簡単に予測できるだろが。】とか【警察でも事故の予測は不可能。何でも警察のせいにするな。】とか、色んなコメントがあったようだな。注意していたつもりでも、交通渋滞に巻き込まれたりするのはなぜか? 何のために明石市が客誘導メカニズムのプロである県警や警備会社の協力を仰いだのか? という一番肝心な部分に関する認識が甘いとは思うが。交通整理やイベント会場における客誘導メカニズムに関する理解が全くないというか。」

逆沢「そうそう。まぁネットの世界では【自分はそんなバカどもとは違うから大丈夫!】という目線で、被害者を下に見るようなコメントが多いのが普通みたいだけど。振り込め詐欺の被害者を小馬鹿にする視点そのもので、歩道橋事故の被害者も小馬鹿にしてそうと感じたというか。」

愛原「交通整理か大型イベントの誘導員のアルバイトを1週間でもやれば、何割かの人は自分の主張のおかしさに気付くと思われるが・・・。あるいは【外国でなぜドミノ倒しのような悲惨な群衆死亡事故が起こったりするのか?】を考えれば。」

鼎「・・・と、言ってる二人も、十分上から目線で大衆(ネット住民)を酷評していると思うよ。」

愛原「・・・しまった!! 言ってる本人が無意識の内に悪い見本を演じてしまった!!」

逆沢「で、でも、大衆やネット住民がバカに見える時ってのは、やっぱりあるでしょ? 体感治安に惑わされたり、風評被害に踊らされたり、悪質なデマを間に受けたりする人を見るとどうしても・・・・。」

愛原「根拠の問題だな。たとえばイメージだけで【危険だ】と言い切る人と、データを出して【それほど危険ではない】と言える人とでは、後者の方がまともだろう。また同じデータを出すにしても、偏ったデータしか出さずに【安全だ】と言い切る人と、様々な角度のソースを元に【この点だけを根拠に言えば、直ちに危険とはいえないが、他のデータや別の問題点も考慮すれば、とても安全とはいえない】という人では、やはり後者の方が信用できると思われる。」

逆沢「そうそう。その通り。みんなが馬と言ってるから馬ではなく、鹿と呼べる根拠と馬と呼べる根拠のどちらにより多くの妥当性があるかが重要というか。少なくとも、みんなが馬と言ってるから馬が正解というものではないと思うし。」

愛原「上の明石歩道橋事故のコメントを見て不思議に思ったのは、【危険と分かっていながら歩道橋に向かった奴が悪い】派と【警察でも危険と気付かないくらいだから、警察に過失はない】派が、手を組んで被害者をバッシングしているように感じた事。両者は被害者を叩いている点では共通しているかも知れんが、その根拠が正反対なのに互いを批判し合わない点が実に不思議すぎる。プロの警察が危険性に気付かないのはOKなのに、素人の群衆は危険性に気付いて当然という超ダブルスタンダードぶりが気にくわないというか。」

逆沢「そうそう。理由がメチャクチャというか。【こいつら実は、仲間との連帯感を感じながらイジメさえ楽しむことができれば、イジメる理由なんてどうでもいいのか?】と感じたというか。先に結論を出してから理由をこじつけるタイプがよくやる振る舞いではあるけど。」

鼎「なんか【お前の料理は味が濃すぎる】派と【お前の料理は味が薄すぎる】派が手を組んで、料理人をバッシングしているような感じだよね。料理人を叩く事が目的と化して、もはや叩く理由なんてどうでもよくなってるというか。」

愛原「そもそも群衆は誘導された場所に移動するだけだ。朝霧駅から会場へのルートは歩道橋しかないのだから、規制されていない限り、そこに向かうのは当然。後で引き返そうとしても、その頃には後ろが詰まっているからもう手遅れ。これは高速道路の渋滞の構図と全く同じ。初めから先が渋滞になっていると気付けば渋滞している地帯への侵入自体を避ける事も可能だが、でなければ回避は困難(高速道路でも同じ)。ていうか下手に力ずくで回避を試みる者が現れると、数百人規模のドミノ倒しが起きる。そこまでの規模にならずに済んだのは、彼らが高文明の住民にふさわしい人達であったからだ。」

逆沢「ま、この辺は実体験があるか、もしくは渋滞のメカニズムに理解がないと、なかなか分からない事かも知れないけどねー。」

愛原「事情を知らない者が見当違いのコメントすんなとは、山陽電車の踏切事故の件でも思ったな。一部マスコミが【前々から危険な踏切と言われていた】とかどうこう述べて、あたかも鉄道会社を非難する風なコメントしてたが、【お前ら、あの踏切の事をどれだけ知ってんだ?】と、マジ思った。あそこは神鋼前踏切と言って、あの踏切を渡った南には神戸製鋼や三菱重工業等の巨大な工場街などがあるだけ。それらの工場に用のない者があの踏切を使用する事はほぼ0%。というかあの道路自体、5年ほど前までは神戸製鋼の私有地だったんだ。だが管理が面倒とかの理由で神戸製鋼側が市に道路を売却。市の方も、踏切北の交差点を大改造して、踏切と交差点の距離を数メートル伸ばしている。さらにすぐ東側に加古川バイパス方面につながる巨大な立体交差も設けている。」

逆沢「ん? だったら立体交差を使えばいいじゃん。」

愛原「遠回りになるケースも多いから、必ずしも利用されないっぽい。つうか神戸製鋼などの特定工場関係者しか使わない事実上の私道なのに、そこを使う人用に、交差点の位置まで北にずらしているんだぞ。鉄道会社も色々設置して、安全対策には力を入れていた。特定企業関係者しか使わないような踏切の為に(もっとも数千人規模の工場従業員や取引企業関係者が踏み切り南の敷地に毎日出入りするから、特定企業関係者しか使わないといっても、規模的には馬鹿にはできないが)。それでもたまに無茶な運転をする奴は出るんだ。まぁそれでもあそこの踏切でトラブルが起きるのは年に3回ほど(しかも軽微なトラブル)だけだから、確率的には無視してよいようなものだが。」

鼎「でも神戸製鋼は安倍総理の出身企業でもあるから、何らかの働きかけがあって、また立ち退きや区画整理を強行して交差点や踏切の大改造があるかも。」

逆沢「事故を起こしたトラックも、トヨタ系列の会社らしいしね。」

愛原「数年前に区画整理し直したばかりだから、さすがにそれは無いと思うが・・・。まぁそれでも、そりゃあ神戸製鋼&三菱グループ&トヨタグループと山陽電鉄とでは企業としての力が違いすぎるかも知れんが、だからといってあたかも鉄道会社側に非があるみたいな報道の仕方は止めてくれと思った。」

鼎「メディアリテラシーをしっかり持たないと、メディア側が作った幻想社会を植え付けられかねないとは思ったかも。仮に社会や大衆の方が間違っている事があるとすれば、おそらくそういう部分がからんでいる場合も多そうだから。」

逆沢「分かる分かる。メディアが作ったイメージとか流行というのも、結構あるようだしね。義足のオリンピックランナーとして有名な○○さんが事件を起こしたとかいう報道見ても、【そんな人知らない】というのがホンネだけど、【まさか、私、世間の流行にうといのでは?】と疑心暗鬼にならなくもないし。」

愛原「【節分の日に恵方巻】と言われても、【節分=豆まき】の印象で育ってきた俺からすれば、未だに違和感あるようなものだな。マスコミに妙な幻想を植え付けられているような不思議な感覚すら覚えるというか。」

鼎「アベノミクスで株価上昇とか言われてるけど、これも実感全然ないよ。なんか悪い夢でも見せられているのかなとも感じてしまうというか。」

逆沢「それ以前にアベノミクスと言っても、まだ予算案すら通過してないし、日銀人事すらまだ未定だし、TPPもどうなるか分からないし、本番は4月から参院選後以降になりそうな雰囲気なんだけど・・・。」

愛原「作者の職場でも今年に入ってから取引先の競合見積が激化したとの理由で仕事の単価切り下げを何度も要望されるし、油の購入単価は上がるし、今年はかなりヤバい状態になっている。取引先の人とも、どこが景気回復かさっぱり分からないと言いあってる状態だ。正直、景気アップと言われても、キツネにつままれた感じというか。」

逆沢「でも株価は急上昇中のようだし、誰かは儲けているんだろうけどねー。」

愛原「マクロでみれば、鳩山内閣が成立した直後とほぼ同じ動きに過ぎないけどな。実は政権交代ブームが起きてから鳩山政権時代あたりの頃も、同じように株価は急上昇して、当時もリーマンショック以来、最高の株価を記録していた。」

逆沢「鳩山政権の頃といい今といい、株価というのも幻想に支えられているのかねー? これで景気が良くなりそうと思えれば株価が上がり、そうでなければ下がると。」

愛原「誰だって【この会社(業種)はこれから伸びるぞ】と思ったら、その株を欲しくなるだろ? かつてのITブームやホリエモン騒ぎの頃もそうだし、そういう人達が増えれば、企業の経営実態がどれだけヤバくても、株価は上がる。但し、現実の経営実態は別だから、現実の経営実態が明らかにされたり、ブームが去るにつれて、株価も本来の数字にいずれ戻っていく。ちなみに現実の実体経済を大きく越える期待感に市場が覆われた経済状態を、バブルという。」

鼎「でもバブルって、いずれ弾けて、その後で氷河期が来るイメージがあるんだけど。日本のバブル崩壊の時もそうだったし、アメリカのリーマンショックも、住宅ローンバブルが弾けて起こったものだし。」

愛原「実際には1億円の価値しかない株や土地を、5億で売り買いするようなものだからな。うまい人間はバブルが起こる前に1億円で買い取った株や土地を5億で売り抜けて莫大な利益を手にする事ができるが、逆に5億で買い取った直後に、その土地や株の価値が元の1億に下がって泣きを見る人間も多く出るという事だ。ちなみに住専問題に端を発する日本の氷河期も、アメリカのリーマンショックも、【景気が良くなって、給料も増えて、住宅ローンを返せる】という幻想を間に受けて多くの消費者が長期住宅ローンを組んだが、実際は期待ほど給料も増えず、その結果、ローンも払えず、銀行も債権を回収できず、そのスパイラルでパチンとバブルが弾けた。」

逆沢「【給料が増えるはず】という前提条件が、幻想過ぎてそもそもヤバすぎるわ。」

鼎「でもアベノミクスも、物価2%上昇で景気も給与も上昇という触れ込みになってるけど・・・。」

愛原「あの竹中平蔵が仕組んでる骨太とか言われる経済政策がベースという事もあって、小泉政権の頃と同じ方向に流れそうなのが不安点だな。当時もいざなぎ景気越えとか言われてバブリーなかけ声だけが踊ったが、実際には非正規社員が大量生産されて、平均給与水準もだだ下がりで、【実感無き景気回復】と言われたが、あの時と構図がそっくりというか。」

逆沢「構図がそっくりというと?」

愛原「いざなぎ景気越えと言われながら、実際のGDPがそんなに急進した訳ではない。つまり貿易などで企業が大きな利益を上げたというよりは、人件費の切り下げで企業が利益を増やした構図といった方が正しいかも知れないという事。」

逆沢「それ、やべぇー!! 景気が良くなって日本国民もホクホクではなく、企業の景気を良くする為に日本国民から搾り取る構図そのものじゃん!」

鼎「もしかして日本人は、すごい幻想にだまされそうな状態になってるって事?! おいしい食材をもうすぐ口にできると思ってたら、実は自分達自身が食材の材料にされてるなんて、すごく悲しすぎるオチというか・・・。」

愛原「まぁネガティブキャンペーンをする気はないし、脱デフレ政策自体にも好感を持っている側だから、公共工事増発分を除けば、今、アベノミクスを否定する事はしないが、アベノミクスを積極的に応援するだけの判断材料が現時点で全然足りない。口先だけの【昔の自民党と違う】ではなく、もう少し具体的に資料の提示が欲しい。」

鼎「昔から、【公共工事をたくさんすればみんなにお金が回って景気も良くなる】論者はたくさんいるけど・・・。」


愛原「【借金を増やしたら、借金が減りました】なんてミラクル幻想が簡単に実現するなら、全世界の全国家が公共工事ラッシュやってるわい。500万円借りたら、500万円分(プラス利息)借金が増えるのは、子供でも分かる当たり前。大体、借金増やして借金が減るなら、みんな借金しまくるに決まってる。だが実際には、借金でパチンコなりゲームセンター遊びなりを楽しんだら、パチンコやゲームの業界関係者が飲み屋に行って、回り回ってパチンコやゲームを楽しんだ本人にお金が返ってきて借金も楽々返済なんて事があり得ないように、この手の論法は基本的には劣悪かつ使い古された詭弁と思っていい。ちゅうか、田中角栄政権以降、借金を増やして借金が減ったミラクル例なんか一つもないだろう? 安倍政権も【無駄な公共工事はしない】と言ってるが、過去のどの政権も【この事業は無駄な公共工事です】なんて言った例はないし、どの政権もタテマエ上は必要な公共工事が100%という事になってるんだから、そんな詭弁に何の説得力もない。耐震補強に関しては、過去にヒューザー(姉歯事件)問題が起きた時も同じ事を言って法整備もしておきながら(当時も安倍政権)、あれからわずか5年ちょいしか経っていないのに、何震災にかこつけてトボけた事言ってんだって感じだ。」

逆沢「【のど元過ぎれば熱さ忘れる】というか、今更、ヒューザーとか姉歯とか、当時の国会議論のネタ振っても、訳分からない人も多そうな気がするけど。」

愛原「この手の重いネタを真面目に語りたいなら、歴史を無かった事にしてはいけない。でないとまた同じ事を繰り返す。効果のない公共工事をまた同じ内容で繰り返すような感じで。いや、日常生活においても、その場のノリだけで物事を語る人は、簡単に幻想に引っかかる。」

鼎「じゃあアベノミクスで景気回復といっても、現時点では幻想の可能性があるって事? 安倍さんは【日本を取り戻す】と言ってるけど、経済一流と言われた昔の日本みたいな状態には戻せないのかなぁ?」

逆沢「小林よりのりの風刺イラストで、【ばらまいたら、とりもどせんとばい】と言うのを見た事あるけど。取り戻すために回収するのではなく、逆にばらまいてる風刺画で♪」

愛原「日経平均株価だけを物差しに景気について語ると、1989年に38900円を記録した頃と比べれば、21世紀以降の日本の株価はかなりしょぼい。日経平均株価が最後に20000円を超えたのも【世界一の借金王だ】とかうそぶいてアホみたいに国債を大量発行した事で有名な小渕恵三政権の末期。小渕が脳梗塞で倒れた2000年4月がピークで、それ以降、20000円台になった事は一度もない。いざなぎ景気越えと言われた小泉政権時も、数字でみれば決して特別視すべき水準ではない。20000円も超えないのに、40000円弱だった頃と比較するのは無茶すぎる。ましてアベノミクスの中身は未だ不明瞭で、スローガンだけが一人歩きしているような状態だ。無論、マイナス要素が少なそうならば、とりあえずやってみろという気にもなるが、具体的に内容が判明しているのが公共工事の増発だけというのは、かなりまずい。俺は幻想かどうかを見分ける基準として、より具体的な中身にしぼってデータを分析する事に重点を置いているから、その視点でみる限り、ちょっと現時点で簡単には支持し難い。」

鼎「幻想を見破るには、他に何かいい方法があるかなぁ? 漫画の世界では、目を閉じて無心になったり、愛する人の声を聞くことで、正気に目覚めたりする例も多いようだけど。」

逆沢「夢の中に登場する人(たとえば死んだ師匠とか親友とか恋人とか・・・)の叱咤激励で、正気に返るキャラクターも多いみたいだけどね。」

愛原「現実はそう簡単にはいかない。覚醒剤やシンナーや脱法ハーブでラリった人間が、幻想の中で登場する人間の叱咤激励で、正気に戻る例などちょっと聞いた事がない。幻想の世界に閉じこめられた人間は、むしろその幻想を現実そのものと思いこみやすい。周りの人間を敵と思いこんで、見境なくナイフを振り回すような感じで。」

鼎「普段から思い込みの激しい人は、幻想と現実の区別がつきにくいだろうから、悪い詐欺師や宗教家とかにだまされると、正気に返すのがすごく難しい感じだよね。」

逆沢「とすると、目を閉じて瞑想とかも、現実的な解決方法ではなさそうね。むしろ思い込みが激しくなるリスクの方が大きそうだし。」

愛原「それはケース・バイ・ケース。自分を正当化する言い訳を考えるのが好きなタイプなら、ますます幻想の深みにハマる一方だろう。その人にとっての瞑想の時間は、言い訳を考える時間に終始して、その結果、自分にとって都合の良いセカイの幻想を現実世界と思いこむ一方になるというか。逆に自分を自戒できるタイプ。自分の才能や思い込みを疑って反省や自己向上の材料にできる人なら、瞑想はかなり有意義っぽい。」

鼎「自戒とか反省というのは、自分に自信のあるタイプが最も苦手とする要素のような気がするかも。」

逆沢「いやいや。むしろコンプレックスの強いタイプの方が、みじめな自分を忘れる為に虚勢を張ったり自己正当化したがる傾向があるから、自戒や反省はすごく苦手そうに思えるわ。ちゅうか、みじめな自分という現実を忘れる為に、優秀な自分を体感できる幻想の世界に閉じこもりたがるというか。ネットの中で賢ぶる連中は、大体それっぽそうだし。」

愛原「幻想を見破りたいのなら、自分を疑う癖をつけるべきだろうな。あと考える癖をつける。【何となくそう思う】のではなく、【なぜそう思うのか?、本当にそれが正しいのか?】を自問自答する。また自分の思い込みと異なる忠告を受けたなら、それを真摯に受け止める。家族とか親友が、自分を陥れる為にウソを言ってる可能性などそう高くはないのだから、その家族や親友が嫌われる事も覚悟で自分に厳しい忠告をしてきたならば、可能な限り真面目に聞く。もちろん家族や親友の全てが知性的なはずもないから、無条件に受け入れるべきとはいわんが、少なくとも腰を据えて論理的に相手と意見をかわす余裕が欲しい。幻想を打ち砕く最大のクスリは、自分の思い込みと全く異なる意見をぶつけてくる仲間の直言だろうから。」

逆沢「自分の目で見たらモンスターにしか見えないのに、仲間が【そいつは敵じゃない!】と言ってきたなら、まずは冷静に判断する余裕が欲しいって事ね。無闇にモンスターにしか見えない奴に剣を振るうのではなく。」

愛原「もちろん仲間の方が幻想に捕らわれて、モンスターを味方と勘違いしている可能性もある。この場合、どっちが正しいかは分からないが、双方の言い分を論理的にすりあわす事で、どっちかの論理が色々おかしいと気付く事もあるだろう。あるいはその対象が敵であっても味方であっても対処できるように、殺さずに捕獲するとか、第三の道を模索する道もある。」

鼎「幻想に陥っている可能性があるなら、幻想かどうかをちゃんと調べる努力をしたり、幻想であろうと無かろうと、どっちにしても後悔の少ない方法を選択するなりしたいって事だよね。」

愛原「不幸にして、詐欺師にダマされている可能性を自覚した場合は、特にそういう心の余裕が欲しいと思う。相手が詐欺師がどうかを色々な角度で探りを入れる。自分にとって都合のいい結論を信じるだけでなく、最悪の場合も想定して、より後悔の少ない着地点を模索する。そんな感じかな?」

逆沢「最悪なのは、幻想空間に捕らわれている可能性を自覚しながら、【これは幻想じゃない。俺は幻想なんかに惑わされる人間ではない】と無理矢理思いこんで、より幻想の深みにハマる事かな? そういう人は、詐欺師にとっても最高のカモにしかならないだろうし。」

愛原「夢を見ない人間なんかいないんだから、幻想にハマる時なんか誰でも無数にあるに決まっている。幻想にハマる事が悪いのではなく、はまった後にどうするかが肝心だ。この際開き直って幻想世界を楽しむのも一興だが、後で大きな後悔をしないで済むような心構えくらいはしておきたいものだな。」

鼎「じゃあ、たとえマスコミに作られた幻想であっても、後悔しようのないものならそのまま幻想世界楽しんで受け入れても、何も問題はないかな? 恵方巻を食べたり、バレンタインデーにチョコもらったりしても、至福感が得られるだけで誰も困らないし。」

愛原「自分も後悔せず誰にも迷惑をかけずに済むようなものなら、それがたとえ幻想でも、他人に価値観を押し付けさえなければOKなんじゃないのか? ポジティブな夢や幻想を楽しむのも人生の有意義な過ごし方の一つ。節分やバレンタインデーに対してどう臨もうと、アベノミクスのように失敗したら借金まみれみたいな大リスクもないし。但し、本当に押し付けたらダメだぞ。恵方巻やバレンタインデーに不快感を持つ人も多いし、【これは馬に違いない。鹿と思いこんでるお前はバカだ】とののしったら、相手が怒っても不思議はないからな。」













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