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愛原様のたわごと(13年4月7日)






愛原「全くもって今更の話なんだが、久々にニコニコ動画で色々検索していたら、ウチの作品も紹介されてる動画が見つかってびっくりしている。」

逆沢「らしいわね〜。確か【シミュレーションRPGツクール95で作られたゲームまとめ】か。2011年の4月に投稿されたものらしいから、思いっきり今更の話だと思うけど。」

鼎「動画がアップされた当時は東日本大震災の直後だったから、余計に埋もれてしまった可能性もあるかなー?」

愛原「本当に今更なんだが、気付いたのが遅かったのだから仕方ない。今回、【シミュレーションRPGツクール95】タグでチェックかけたら偶然ヒットした。」

鼎「【シミュレーションRPGツクール95】自体、1998年発売のツールだけど、他のツクールシリーズと違って新作バージョンが発売される気配が一向にないせいもあって、今でも現役で作られている作者さんもちゃんと残っておられる感じだよね。」

逆沢「けどゲームをちゃんと形にできる作者さんは、ツールを持ってる人の1%以下のような気もするけどねー。このまとめには75作品が紹介されてるみたいだけど、有名どころは大体網羅されてる感じだし、日本中でも200作品あるかどうか・・・。」

愛原「そうだなぁ。作者がラストまでプレイした作品で今でも記憶に残っている作品でありながら、まとめから漏れてるものもあるから、その点は何ともいえないけどな。ただその一方で、作者が短期間で公開中止にしてしまったような、隠れた名作も混じってる点にはニヤリと来た。このまとめで初めて知った作品もあって、その点も非常に感謝感激。チョイスしている画像も、その作品ならではの個性をよく反映したものになっているし、かなり通な方だとお見受けした。」

鼎「ウチの作者さんもここに掲載されている作品の内、3分の2以上はプレイ済みだそうだけど、もしも全然プレイしてなかったら気づきにくいであろう、その作品ならではのウリというかポイントとなる部分を映した画像が上手にチョイスされている感じがして、すごく感動したそうだよ。」

逆沢「といっても最後までプレイした作品はまだ半分もないらしいけどね。最後までブレイしてないゲームに関してまで、分かったような顔で偉そうにコメントするなって言うか。」

鼎「それでも過去にウチのサイトでも紹介した名作が、ほとんど網羅されてるのはやっぱり素直にうれしいよね。」

愛原「ウチの作者にとって最も大きな影響を与えた【Spiral Tale, Knights Of Hate】や、ウディタの製作者でもあるSmokingWOLF氏の処女作でもある【レジェンド・オブ・レストール】。他にもリィ氏が出した数々の名作。【エルディア大陸戦記1st】【天涯の国】【教えてマイトレーヤ】【Hunter29】【EXTRA POWER ATTACK OF DARK FORCE】など、いくつかの作品については、このコーナーでも取り上げた事があった気もするが・・・。」

逆沢「ウチのサイトでも、上のまとめ動画でも取り上げられてないけど、明らかにこれはオススメと言えるようなSRPG95製作品としては、他にどんな作品があるかな?」

愛原「そうだなぁ・・・。とりあえずまとめ動画公開後に完成版を公開された新作でもあり、最近プレイした中でのダントツの高評価作品に限定すれば、T・S氏の【魔法少女】だろう。タイトル名だけで検索してもたどり着けないであろう部分だけが唯一の欠点だが。」

逆沢「お前が推薦すると、万人向けから大きく外れたような超変化球系ゲームに思えてならんのだが、本当にその作品はまともなのか?」

愛原「失礼な事をいう奴だ。俺は上で取り上げた多くの作品にしてもそうだし、他人様の作品を批評したり紹介する際に関してだけは、正統派でありたいと思っているのに・・・。ちなみに上の【魔法少女】は、難易度は序盤は小、終盤は大。同氏の作品は比較的紙装甲のゲームバランスで難易度も高めなのが普通だが、本作品に関しては序盤の難易度がかなり抑えられているので、初心者お断り仕様になってないのがありがたい。テキスト部分の比重が高いので、ストレス解消目的でサクッと短時間だけプレイするには不向きだが、ある程度まとまった時間が確保できるプレイヤーには強くオススメ。序盤から中盤にかけては、うつ展開もちょくちょくみられるが、それを伏線として活かした前向きなラストに収束していくので、最後まで希望を持ってプレイしていくとよい。ご都合主義ではなく、SF設定のリアリティーにも比較的重きを置いているので、そういうのが好きなプレイヤーとも相性がよいと思われる。キャラクター一人一人の動機付けと心理描写も秀逸。あと女の子キャラクターの比率が非常に高く主要男キャラクターも女性的な外見のキャラが多いので、そういう路線が嫌いなプレイヤーは、少し抵抗感があるかも知れない(ちなみにこの部分もちゃんとシナリオ上の伏線になっており、合理的な展開として巧みに処理されている)。」

逆沢「なんという普通すぎるレピュー。お前らしくないというか、つまんねー!!」

愛原「だ・か・ら、俺のレビューはいつもこんな感じだろが!」

鼎「この作品の作者さん。すごくSRPG95製のゲームをたくさん作っておられるみたいだけど、この作者さんのゲームはみんなそういう硬派な作風なのかなぁ?」

愛原「それは全然違う。紙装甲型のゲームバランスと、理屈系キャラがいい味出してる点は大体どの作品も共通だけど、後は全然違う。初期の頃は比較的油成分が濃い感じの絵柄と、ジョーク比率が非常に高い。たとえばおそらく処女作と思われる【えるまに】でプレイすると、いきなりナスという敵キャラが登場するが、この段階で不快感を感じたら、まずアウト。そんな極端な作風。」

鼎「でも【えるまに】って、当時結構有名な人気作品じゃなかった? 好き嫌いは分かれそうだけど。」

逆沢「でもよく考えたら、リィ氏のSRPG95製作品やSmokingWOLF氏の【レジェンド・オブ・レストール】も、ノリとしては【えるまに】と同系統のような気がするけどねー。好き嫌いは分かれても、コアなファンに愛された同人らしい作品という点でも、同じタイプのような気がするし。」

愛原「そして面白い事に、リィ氏もSmokingWOLF氏もともに、【あの頃の作品はもう作れない】風のコメントをどこかに寄せていたはずだ。リィ氏の方は旋風仮面の頃だったかな? どの作者も処女作の頃ははっちゃけた作品で派手なデビューをしたものの、後に技術力やシナリオ力(構成力)などに依存した比較的万人向けというか、とにかくそういう作風にチェンジしているのが興味深い。」

逆沢「なんで? そういう昔のはっちゃけた作品の方が好きというファンもいるのに。」

愛原「それだけ良い意味で年齢を重ねられたという事ではないのか? ちゃんと知識や経験を糧に変えられるクリエイターほど、昔の作品のアラや矛盾や適当さ加減を見つけると、そういうのが恥ずかしくなったり許せなくなったりして、それを修正したより良い作品を作りたくなっていくみたいな。」

鼎「そういえば今週、大江健三郎賞を受賞した小説家さんも、【若い頃の視野の狭さが生むエネルギー】というのがあって、今同じ事をしてもその頃のエネルギーには勝てないという趣旨のコメントしてたそうだけど。若さというか、経験不足というか、視野の狭さ故に自分の作品の弱点にも気付かず、それ故に勢いと自信だけで爆発力だけはある作品を作れたという事かも知れないよね。」

愛原「でもそういう爆発力だけの作品は、万人向けとはとても言えないし、アラも多い。そしてそのエネルギーがいつまでも持つならいいが、エネルギーだけは年齢とともに衰えて、しかもアラもそのままだと、ただの劣化状態になってしまう。だから経験を積み上げてベテランになる程に、作風が勢いだけのものから、より中身重視のものに変遷していくのは流れ的にも正しい。またプレイヤーの立場からみても、人間歳を重ねると、やはり好みは変わっていくもので、昔は厨二病全開の作品が大好きだったのに、いつの頃からかそういう作品が【うわべたけ飾ったノリとご都合主義】の愚作にしか思えなくなっていく事もある。」

逆沢「まぁ、それは分かる気もするわ。いわゆる高二病などに近い感覚かも知れないけど。」

愛原「こういう言い方をしたら何だが、仮に今の俺がリィ氏のSRPG95作品や【えるまに】をプレイし直したら、昔ほど楽しむ事はできなくなっていると思う。もしかしたら、一部キャラクターの非常識な発言やあり得ない行動にイラつくかもしれない。これはやむを得ない。もちろんその作品が決して悪いのではなく、プレイヤーである俺の好みが変わってしまっているからだ。」

鼎「色んな作者さんが【あの頃の作品はもう作れない】とコメントしているのは、作者さん自身が経験と年齢を重ねて、技術力や嗜好やスタンスが変わってしまったからかも知れないって事かな?」

愛原「極論を言えば、下手な絵を描いていた作者がそれに気付いて上手い絵を描くようになったら、その時点でもう下手な絵には戻れないのと同じ。【下手な絵の頃の方が味があって良かった】というオールドファンが現れても、上手い絵を描けるようになった作者が下手な絵に戻す事はないし、そんな事はできない。それと同じ。」

逆沢「なるほどねー。ところで前回のグダグダ展開を繰り返したくないから、そろそろ今回のテーマ名を先に聞きたいんだけどいいかな?」

愛原「今回のテーマ名は【3種類の立場からみた作品批評】で行く。」

鼎「ほえっ? 3種類?」

逆沢「ま、作品批評というテーマ自体は、上の流れの継続だから問題ないとして、どう3種類なんだ?」

愛原「その前にちょっと興味深い問題提起が、とあるまとめサイトに掲載されていたので、ちょっと貼らしてもらえると助かる。」

逆沢「何々? タイトルは【俺らって何でなんも創作しない無名人間なのにここまで創作者を上から目線で叩けるのかな?】か? あー、タイトルだけで言いたい事は何となく分かったわ。」

愛原「批評する人間には大きく2種類から3種類の人間に分かれる。まず2種類に分ければ、関係者部外者だ。」

逆沢「つまり作品を創作している人間の立場からゲームや漫画を語るのと、そういう創作活動と全く無縁な立場からそれを語るのとでは、視点が全く違うって言いたいわけね。」

鼎「うーん。確かにそう言われてみたら、何となく分かる気がしたかも。ほら、製作者の立場だと【これはすごい技術だ】と思えても、素人さんからみたら何がスゴイか全然分からない事もあるよね。」

逆沢「あと自分より上位の製作者を叩く事もできないわね。【自分のヘタクソを棚に上げて、何、他人様の作品をくさしてんだ?】みたいに思われて、印象も良くないし。」

鼎「逆に素人の立場だと、簡単にプロを叩したり、ディスったりできるよね。しかも容赦ない駄目出しする人も多いし。」

逆沢「分かる分かる♪ プロ野球を観てて、【監督のクソ采配】とか【選手の酷いエラー】とか【明らかなストライクなのに見逃し三振】とか観ると、【こいつ、バカじゃね?】とか簡単に批判する人も多いし。」

鼎「という事は、素人なのに玄人を批判するのは、本当はよくない事なのかなぁ?」

愛原「ま、厳密には関係者にも2種類いるけどな。一つは製作者・創作者・管理者・プロとしての関係者。もう一つは使用者・権利者・鑑賞者・客としての関係者だ。たとえばゲームを例にすれば、ゲームクリエイターゲームプレイヤーという2種類の関係者がいる事になる。」

鼎「クリエイターとプレイヤーでは、ゲーム画面を見てても、実は見てるポイントが全然違う事も珍しくないよね。」

愛原「ゲームプレイヤーが重視するのは、第一に快適性だ。操作性が良いか? 画面は見やすいか? 難易度はちょうど良いか? 良感な感動や刺激があるか? そんな感じ。そこに【高度な技術が盛り込まれているか?】など実はどうでもいい。映画ばりの高度な3D映像をゲーム内に挿入しても、そんなものに価値を置かないプレイヤーからすれば、本当にどうでもいいようなものだ。」

鼎「これはゲームに限らず、たとえば自動車などのような製品全体にもいえるよね。」

逆沢「私が粗悪な家電製品や、操作性最悪な自動車などを使用する立場になったら、いくらシロートであっても、遠慮なくそのメーカーを厳しく批判させてもらうわ。お前んところの製品はカスだって。」

愛原「その通り。正規の権限者(購入者・使用権利者)には権限者としての権利がある。ゲームを買ってクソゲと思えば、クソゲと批評する権利があっていい。不良品の家電製品をつかまされたら、それを批判する権利もあって当然。正規の有権者が政治を正しく批判する権利があるのも当然。【自動車メーカーの技術者以外が自動車の良し悪しを批判する権利はない】とか【政治家以外が政治に文句を言う権利はない】とは決して思わない。権限者(利用者・有権者など)にとっては、損得に関わる重大な問題である以上、シロートクロート関係なく、それを批評する権利は誰にでもあると俺も考える。」

逆沢「但し、批評とネガティブキャンペーンは別だけどね。」

愛原「それは当然。嘘や誇張やむやみな印象操作はさすがにNGだ。」

鼎「だからレビューの際には、悪い部分があっても、良い部分と併記する事が望ましいとされる事が多いよね。」

愛原「あと印象などは個人差が多いから、自分が不快に感じたからといって【俺が不快に思った=万人が不快に思うに違いない】という前提にならないような配慮も欲しいところだ。同じ人間が同じゲームをしていてさえ、年月が経てば感想が変わってもおかしくないのが現実なんだし。」

逆沢「ま、それも分かるわ。読んでて役に立つレビューというのは、そういう部分でちゃんと配慮がされてるのが普通だし。」

鼎「特に属性つきの作品は、その傾向が強いよね。マニアックな要素の多い18禁関係だと、アブノーマルな属性のものも多くて、【自分の好み=万人向け】とならない方がずっと多いような気がするし。」

愛原「次に批評者には3種類の立場がある。一つ目は製作者・同業者・管理者・プロとしての立場。2つ目は権利者・使用者・鑑賞者・客としての立場。但し、両者はともに関係者という点では共通しており、自分のスタンスさえちゃんとしておけば、いずれも価値あるレビューが期待できる。製作者(クリエイター側)は自分の技術力や発想力に酔いしれるだけでなく、使用者(プレイヤー側)の立場になって考える事もできれば、より人に喜ばれる作品作りができるだろう。使用者(プレイヤー側)も製作者やプロ側の立場を理解する事で、無理難題を製作者(クリエイター側)に要求するような例が少なくなればいいと思う。」

逆沢「ネットの中には、代表作の存在すら無さそうな自称ラノベ書きとかが、ありえない製作者批判してる例もあるけどね。【お前、絶対まともに作品書いたことないだろ】とツッコミせざるを得ないような無茶ぶりの作品批評とか見ると。しかもそういう批評に限って、上から目線でディスりまくり状態にしかなってないというか。」

愛原「ああいう自称クリエイターの賢ぶった口調での勘違いデッスりコメントは見てて殺意すら感じる事がある。何が許せないといって、素人の人がそのクソコメントをプロのまともなコメントと誤解して間に受けかねないからだ。たとえばシロートが【ゲームに登場する街にはトイレの一つもない】とか【どのキャラの親の一人も作中に登場しないのは不自然だ】と言ってもほほえましいツッコミネタしかならんが、自称クリエイターが真顔で同じ事を言ってディスろうものなら、マジでしばきたくなる。登場させる意味のない存在にわざわざコストや文章量を割いても無駄な手間や蛇足にしかならない事くらい、実際に作品を作ったものなら誰でも分かるだろうに。(もちろんトイレや親を出す事で、作中に意味やアクセントが生じるなら、それらを登場・配置させるのは有意義な選択)。」

鼎「・・・えーと。ところで、3つ目の立場の存在を忘れてない?」

愛原「あ、そうそう。製作者でも使用者でもない3つ目は部外者な。作ったり提供するプロ側の立場でもなければ、使用したり観賞する客側の立場でもない人達。ゲームを例に取れば、クリエイターでもプレイヤーでもない人達。ゲーム自体に無関心であったり、あるいはゲーム自体に不快感を感じている人達など。」

逆沢「うーん。ある意味、最も辛口のコメントが多そうな人達ね。作品に対して愛情のあるコメントが最も期待できない層というか。」

愛原「もっとも部外者といっても、本当の意味での部外者と、そうでない間接的な関係者の2種類があるから、厳密にはより区分した対応が必要かも知れないけどな。」

鼎「間接的な関係者といえば例えば?」

愛原「たとえば生活保護問題を議論するにあたっては、生活保護を支給する行政側と、生活保護を受給する生活保護者の立場が最も重要になるわけだが、一見部外者に見えるその他の国民も、厳密には間接的な関係者だ。国民の税金が生活保護費として運用されている以上、国民にも生活保護問題に関して口を出す権利はあるし、今は無関係でも将来受給者の一員になる可能性もあるわけだからな。」

逆沢「という事は、厳密な意味での部外者は外国人くらいしかいなくなる訳か?」

鼎「逆を言えば、他国でどんな政治が行なわれていようと、それがこちらに波及してこない限りは、私達は全くの部外者でしかないって事だよね。」

愛原「まぁ、そういう事。部外者による干渉は特に嫌われやすい。国単位であれば内政干渉とか言われるものになる。」

逆沢「けどこの部外者による干渉って、現実に多くない? 別に誰にも迷惑かけてないのに、存在自体が不愉快といわんばかりに、特定の娯楽や趣味を叩くのに使命感を感じてる人もいるじゃん。オタク叩きの人。パチンコ叩きの人。韓流叩きの人。その他もろもろ。」

鼎「でもそういう人ほど、部外者ではなく間接的な関係者(多くの場合は被害者という立場)を装うことが多いよね。治安に悪影響とか、教育に悪影響とか、文化侵略とか、いわゆる社会悪というレッテルを貼る事で、本来は部外者なのに、いかにも利害関係者っぽい顔をして批判(というよりは実質的にバッシングやネガティブキャンペーンそのもの)したり。」

愛原「【お前の存在自体が不愉快だ】なんて言われても、言われた方はみんな困るような気がするが・・・。そんな理由でいかにも【私は貴方たちのせいで迷惑を被っています。】と関係者ヅラされても、すごく困る。」

鼎「こうしてみると、【製作者→利用者→部外者】の順で、どんどん批評スタンスが過激かつネガティブなものに変わってい図式が感じられるよね。同じものを批評するにしても、最も寛大なのが製作者や運営者の立場。彼らは(余程の大物と本人が思いこんでない限り)敬意と客観性に満ちた批評を心がける場合が多そうだし。」

逆沢「ま、製作者は自分自身が批評される側の立場でもあるからね。そりゃ辛口コメントはしにくいんじゃないの?」

愛原「逆に最も容赦ないのが部外者だな。彼らは利用者と違って、その対象を利用も使用も観賞もしない立場だから、その存在自体が突然消滅しても困らない。だから遠慮なく対象をディスる事ができる。」

逆沢「クリエイターやプレイヤーと違って、作品そのものの事を全然知らないくせに、それでも作品のことを色々知った気になって、あれこれ批評・批判のネタにできるんだから、そういう意味では彼らの創造力もたくましすぎると思うわ♪」

鼎「製作者と部外者の間にいる利用者の人々は、一応はその作品の恩恵を受けていたり、期待を寄せていた人達でもあるから、ダメな時はダメと言うけど、それなりにちゃんとした批評も期待できそうな気もするよね。」

逆沢「使用者の立場だと、その使用しているものの品質がより良くなればうれしいし、だからこそ前向きな批評(ここがこうなったらもっと良くなるのに、みたいに)も期待できるってのはあるかもね。けど、部外者は残念ながらそうじゃない事も多い。たとえば韓流嫌いの人からすれば、韓流の質が良くなってますます韓流が多くの人に愛される展開など全く望まないだろうし、そんな人が韓流の品質向上につながるような、前向きな作品批評なんてするはずがないだろうから。」

愛原「だから【シロートが玄人ぶって偉そうに作品を叩くな!】という意見はさすがに行きすぎだと思うが、【部外者が賢ぶって作品を一方的にディスるな!】という意見には、ある程度は賛同せざるを得ない。無論、部外者でも一方的なディスりとは無縁の人も多いし、彼ら部外者の批評が全て無益とまでは言わないが。」

鼎「せめて立場を明確にした上での批評を心がけたいよね。たとえばゲームそのものに関心がない人と、そのゲームの存在は知っているけどプレイしたことはない人と、多少なりともプレイした事がある人と、最後までプレイした人とでは、それぞれ全然違う感想があってもおかしくないし、制作側のノウハウがあるかないかでも、さらに感想の質が変わってくるだろうから。」

愛原「俺の場合も、プレイヤー側の感性の問題や腕前の問題や時間の問題で、途中でプレイを断念したゲームはいくらでもある。もちろんそういうゲームを評価する際には、自分がプレイを断念した理由に触れざるを得ないから、その部分でネガティブ評価になるのは致し方ない。だがその場合は【自分はこの部分が合わなかった】という点をできるだけはっきりしたいと考えている。単に【つまらなかった】とか【クソゲ】の一文で終わらせるのではなく、難易度・操作性・シナリオ等のどれが自分に合わなかったかをできるだけ示したい。」

逆沢「難易度とかシナリオとか、本当に人によって好みが大きすぎるから、自分だけの物差しで良作かクソゲかを判定するのは難しすぎるわ。」

愛原「自分が作ったゲームでも、時期をおいてプレイすると難易度が大きく変わったりするぞ。作っている当時は適正に思えても、そういうゲームは、時期をおいてプレイし直すと、大抵は難易度が想定より高かったように感じる。シナリオの好みも常に変化する。自分の過去作品のリニューアルすら困難な程、嗜好が変化する事も珍しくない。だから難易度やシナリオ面で万人向けのレビューは難しく、あくまで【俺視点】での感想にならざるを得ないのは仕方ない。」

逆沢「でもそんな話している内に、昔、面白く感じたゲームとか、昔、投げたゲームをもう一度やりたくなって来たかな?」

愛原「俺の場合は、歳のせいか集中力の衰えか分からんが、昔でも難易度が高く感じたゲームだけは、正直敷居は高いけどな。上のSRPG95製のゲームで言えば、【教えてマイトレーヤ】シリーズクラスは、もう難易度的にアウトかも知れない。【Spiral Tale, Knights Of Hate】クラスなら今でもまず問題ないとして、【EXTRA POWER ATTACK OF DARK FORCE】クラスくらいが俺的適正難易度上限に近いかな?」

鼎「難易度が高すぎるって理由で、プレイを中断せざるを得ないとすれば、ちょっと悔しいよね。」

愛原「プレイヤーを【プレイしよう】という気にさせた時点で、その作品はつかみで既に成功している。にもかかわらず、途中で中断せざるを得ない程、難易度が高いならば、どんなにシナリオが良くても作品として台無しだ。本当にもったいない。作品の雰囲気やシナリオが良ければ良いほど、難易度を無理に高くする必要はないとも思える。高難易度展開は、やりこみ要素を作中に盛り込むことでも演出できるんだから。」

鼎「あえて序列をつけるなら、そういう一プレイヤー視点の批評眼が一番大切なのかもね。もちろんプレイヤー視点の批評が万能とは言えないけど、クリエイターからみれば学ぶところも多そうという意味で。」

愛原「クリエイターの立場からみれば、プレイヤーの要求する無理難題部分にはさすがに応えられないが、その感想や批評文自体は心から参考になる事も多い。励みになる部分も非常に多い。そういう意味でも、創作しない無名人間による批評が無益という事も、まずないと断言して言える。部外者によるディスりコメントや、賢ぶりたい人による上から目線のピント外れコメント(トイレや親が登場しない事を批判するなど)はちょっと困るが、それ以外ならどの作者も大体歓迎してくれるだろうから、もしも良作と巡り逢えたなら、その作品に対する素直な感想や批評を伝えたり公開する事は大変いいことだとも思う。」









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