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愛原様のたわごと(13年8月15日)




逆沢「あれ? またも更新か?」

愛原「うーん。人間だから好不調の波や心境の変化があるのは仕方ないが、自分でも【これは駄作だなぁ】とか【これは失敗作だ】としか思えない事もある。まぁ俺自身は推敲や校正といった作業がすごく苦手な事もあって、普段は一度出した記事などは基本そのままにしておく事しかしないんだが、今回は例年より時間のあるお盆という事もあって、テーマも変えて一から書き直すことにした。」

鼎「いつもそれくらいの慎重さと丁寧さがあればいいのに。」

愛原「性格だから仕方ない。基本、テキトーな性格なのだ。まぁ悪い意味での完璧主義者よりは、マシとは思ってるけどな。少しでも完璧な作品にしなければ気が済まないという意欲だけが空回りして、いつまで経っても作品が仕上がらないタイプよりは。」

逆沢「いやいや。だからといって駄作ばかり乱発する人間も、完璧主義者に負けず劣らずひどいと思うわ。」

鼎「私はひどいとまでは思わないけど、もったいないとは思うよ。もう少しだけ作品に手を加えるだけで【これは名作だ!】といわれるような作品になりそうなのに、明らかに手抜き状態のまま仕上がってしまってる作品とか見ると特に。」

逆沢「ああ、そういう作品も多いわね。【ここをこう変えるだけで、ずっと作品のクオリティーは上がるのに】って作品も、本当に多いもん。ほんのちょっと手を加えるだけで段違いの良作になりそうなのに、【何でそこで手を抜く?】ってツッコミたくなるような作品とか。」

鼎「発想や着眼点はいいのに全体に粗が多すぎたり。バランスが崩壊していたり、肝心な部分でシナリオの整合性が全くとれないような大きな矛盾を抱えてたり、場を一気にしらけさせるような致命的な誤字脱字やバグがあったり・・・。」

逆沢「技術的にどうにもならないような不具合なら仕方ないけど、ここに少し手を加えるだけで格段に印象良くなるのにって部分で手抜きが見られたり、あるいは逆にここで余計な事をしなければ綺麗にまとまっていたのにとか、そういう部分を見つけちゃうと、すごく残念な気持ちになっちゃうわ。」

愛原「自分的には、手を加える作業よりは、蛇足をそぎ落とす作業の方が苦手だ。」

逆沢「蛇足と言えば、ネットでも余計な書き込みやアップが命取りになるケースが多いらしいわね。軽い気持ちで不用意に一枚の写真をアップした結果、その写真がきっかけで大炎上して、リアル生活にも致命的な影響を及ぼしたりとか。」

愛原「足りない部分は足せばいいが、覆水は盆に返らないからなぁ。俺も後悔する事は多い。」

逆沢「【覆水盆に返らず】か。ネットみてると、本当にそう思うわ。一度拡散した個人情報などは実質回収不能だし。」

鼎「無責任な噂話が拡散する場合もあるけど、これもなかなか打ち消すのが難しいケースも多いよね。」

愛原「【人の口に戸は立てられない】からな。たとえそれが事実無根のデマであっても、それを回収するのは不可能に近い。この場合、我々にできるのは、より大きな情報を拡散する事でデマを打ち消す事だけだ。最近驚いた事なんだが、スマイリーキクチ氏が女子高生コンクリート殺人事件に関与したというデマを未だに信じている人もいたりしたからな。」

逆沢「うそっ?! それマジ?」

愛原「まぁ、その人はスマイリーキクチという芸人の名前自体も知らず、単に【マスコミは女子高生コンクリート殺人事件に関わった犯人を、未だにテレビに出し続けているマスコミは許せない! これだからマスコミは・・・】程度の認識のようだが。これは推測であるが、雰囲気的にネットをやってる子供が世間話のネタ的にふった情報を真に受けたような感じではありそうだと思ったけどな。」

逆沢「あー、なるほど。ネットやってる子供か仕事仲間か知らないけど、その人がリアルの場でそのネットをやりそうもない年配の人にその話題を振って、その年配の人がそれを未だに信じてるって事か?」

鼎「とすると、そのデマを広めた人自身は、広めた当時はそれを真に受けてたかも知れないし、おそらく今はそれがデマである事を知っててもおかしくないけど、デマを広めた責任を取らずにいるから、未だにその広めた人の情報を信じ続けている人も少なからずいるだろうって事だよね。」

逆沢「それに似た記事も読んだ事はあるわ。学生時代にネトウヨやっていて、何人かのリアル友達を感化させてネトウヨにしたんだけど、当の本人は社会人になってネトウヨを卒業。で、学生時代の友達と数年ぶりに会ってみたら、未だにネトウヨやっててどん引きしたみたいな内容の記事なんだけど。」

愛原「布教した本人はとうに目が覚めてるのに、その人の言う事を真に受けて感化された側はそのままで、しかも責任を取らなかったのか? そいつは?」

逆沢「さぁ? 記事の内容からしたら、自分が学生時代に感化させたその友人は、かなりヤバいレベルのネトウヨになっていたからか、今更【俺、ネトウヨ辞めたんだ】みたいな事も言えなかったらしいから、多分、そのままなんじゃないの? 【その学生時代の友人とは、それ以来会っていない】みたいなオチで占められてたと思うから、なおさら。」

愛原「ひどいなぁ、そいつ。一人の人間をネトウヨに洗脳しておきながら、自分だけ目が覚めて、しかも放置かよ。スマイリーキクチ氏関連のデマだけを広めて、放置した奴を笑えないというか。」

鼎「でも、そんな例はたくさんあると思うよ。去年の11月17日のたわごとで田中芳樹氏関連のデマとか、プリンスホテル関連のデマを未だに信じている人の話をしたけど、こういう人達も、デマを広めた本人がいつまで経っても修正しに来ないから、それで未だに信じ込んでるという視点で考えたら、彼ら自身、被害者ともいえなくないし。」

逆沢「被害者であり加害者でもある立場ね。嘘情報をすりこまれたという点では被害者そのものだけど、その嘘情報を真に受けて拡散もしていれば加害者にもなりえるという点で。」

愛原「たとえデマであっても、そのデマを無かった事にはできない。できるのは本当の情報で上書きする事だけだ。まさに【覆水盆に返らず】で、拡散した情報は絶対に回収できない。そして上書きも100%は不可能だ。未だにスマイリーキクチ殺人事件関与説を信じていたり、ネトウヨを続けている人がいるように。」

逆沢「しかしそう考えると、今のネット社会は怖いわね。その一度広まったら回収できない情報が、いともたやすく拡散しちゃう危険性があるわけだから。」

鼎「友人間で盛り上がれるネタとしてやった悪ふざけの映像が、ある日突然全国に拡散しちゃう時もあるようだし・・・。」

愛原「15年以上前なら、友達同士で盛り上がってた秘密の悪ふざけで済んだのに、ネットという文明の利器のおかげでたやすく全国に広まったりする訳だからな。」

逆沢「まぁでもそれは、ネットが悪いわけじゃ無くて、ネットを甘く見すぎたというか、使い方を知らない方が悪いとも言えるだろうけどね。」

鼎「けど自業自得で済まない場合もあるよね。友人が勝手に自分のプライベート写真をアップしたり、個人情報を暴露するケースもあるし。中にははじめから悪意をもって、他人の個人情報やデマを拡散する人もいるし。」

逆沢「少し前に、美談系デマというのがはやった事もあるけど、あれもデマを広めた本人は善意の可能性もあるけど、はっきりいって迷惑行為以外の何者でもないと思うわ。」

鼎「もしかしたらスマイリーキクチ殺人事件関与説を広めた人の半分以上は、悪意ではなく善意や正義感からかも知れないよね。」

愛原「まぁ俺も含めて、デマを信じたり、勘違いで誤った情報を広めてしまう事は誰しもある。ただそれが誤りであったと気づいたり、デマであったと気づいた時に、どう対処できるか?というのが重要な気もする。他人をネトウヨに感化しておきながら、自分だけ先に卒業して放置とか、そういうのはさすがに無責任な気もするし・・・。」

鼎「けど口で言うほど、その責任を取るのは簡単じゃないと思うよ。一度広まったデマは上書きでしか消せないし、一度感化させた影響も、多分別の価値観で上書きするしか消せないだろうから。」

愛原「さて、少し話を戻す。広まった情報を容易に消せないように、公開された作品や記事も、同様に回収は困難だ。それ故多くの作品や記事を出す作者さんや執筆者ほど、自分の過去作を振り返って後悔する事も多いと思われる。」

逆沢「うんうん。それはすごく分かる。別に不祥事とか、そんな理由だけじゃなくて、昔の作品を見てみたら、あまりのレベルの低さを感じて悶絶しそうになるとか。」

愛原「俺も、大学時代にそれはよく感じた。1年前の自分の作品なんか、恥ずかしすぎて振りかえれないみたいな感覚を、毎年毎年味わったものだ。」

逆沢「でもその作品を世に出した当時は、ドヤ顔だったりするのよね。」

愛原「うん。まさにドヤ顔。1回生の時に出した自分の作品に、1年後、激しく悶絶するのだが、同時に1年かけて成長した今の自分と作品に酔いしれもする。でも3回生になると、2回生の時に酔いしれたはずの作品の稚拙さに気づいて、さらに恥ずかしさで悶絶するみたいな感じで。」

鼎「作品作りは、ある意味、過去の自分との戦いだよね。」

逆沢「過去の作品を振り返って恥ずかしくなれると言う事は、それだけ成長した証でもあるから、本当はすごく喜ばしい事でもあるんだけどね。逆に【昔はこれだけの作品が作れたのに】と過去を懐かしむようになったら、それは過去より現在の方が劣化してるという事だろうし。」

愛原「色々、耳が痛い・・・。」

鼎「でも自分の未熟さに気づくというのは、すごく大事な事だよね。その分だけ成長の可能性もあるし、あるいは成長した証でもあるから。」

愛原「ここの作者は完璧主義者とは真逆の性格だから、その分だけ勇み足が多くてよく失敗する。最近はさらに面倒くさたがりの性格も手伝って、一度書いた文章なども全然読み返さなくなったので、自分の出来の悪さにも気づく機会がめっきり減った。今回久々に読み返すと、色々本気で悶絶させられたわ。」

逆沢「で、一から書き直しと。その割りになーんも改善されてないけど。」

愛原「気にするな。悶絶するには最短1日。長けりゃ数年の冷却期間が必要だ。」

逆沢「まぁさすがに1週間も経たずに悶絶する内容は、大概すぎると思わなくも無いけど。」

愛原「誤字脱字だけならともかく、勘違いや認識違いに伴うミスまではさすがに許容できない。一部書き換えで対処しても問題はないだろうけど、今回は前回から日にちも経ってない事もあるし、リフレッシュの意味も含めて書き直し。」

鼎「そういえば有名作家さんの中にも、自分の出した作品を冷却期間をおいてからレビューするような人がいるよね。」

愛原「気持ちはすごく分かる。何年後から読んでも【これは是非みんなに読んで欲しい】という自信作もあれば、【これは今思えば失敗作だった】と暴露せざるを得ない駄作もある。それをあえて世間に公にするメリットもよく分かる。」

鼎「世間で評価されている作品と、自分が評価している作品で、大きな溝があったりすると、すごく困った事になるよね。有名作家でもたまにある現象らしいけど。」

愛原「作品自体に指向性があると、特にそうなりやすいようだ。たとえばさっき、ネトウヨを布教しまくった人自身が先にネトウヨから足を洗う一方で、自分が感化したかつての友人を放置した例をとりあげたが、こういう現象は、特に作者読者間で激しいミスマッチを引き起こす。」

逆沢「ああ、なるほど。当時の自分がハマっていた題材をネタに作品を出したらそれが大ヒットして、でも本人はそれから数年経って、当時の自分(と、その当時の作品)を恥ずかしく思うようになったけど、未だにハマり続けている人からすればヒット作のまんまって場合とかか?」

鼎「一時的なブームに乗っかった作品だと、そういうリスクはどうしてもつきまとうよね。」

愛原「【呉下の阿蒙にあらず】という言葉があるが、人間は常に変化する。考え方も変われば、技術力も変化する。それらが変われば、当然ながら作風自体も変化する。」

逆沢「イラストレーターでも、数年で作風が大きく変わる人もいるしねー。ああいうのは、個人的には大迷惑なんだけど。特に昔からのファンからすれば。」

鼎「イラストの場合は、その作風が好きだからこそファンやってる訳だから、作風を変えられたら困るファンも多いよね。【さらに上手くなればいいんだろ?】という人もいるけど、大抵の場合は、既にファンになりたいと思える程、少なくともファンからすれば現時点で完成されている訳だから、これ以上、変にいじらないで欲しいと思うというか。」

愛原「漫画や小説やゲームなどでも同じだな。その作品の世界観やらノリやらが大好きだからこそファンやってるのに、それを下手に変えて欲しくないという気持ちは分かる。けど作者の立場からいえば、これはなかなか難しい。人間は、ほんの5分のニュースや1ページの特集記事に心を大きく動かされ、強く影響される事もあるからだ。まぁ既に売れっ子といえる段階まで達している作者さんのならば、現状のクオリティーを保つ事の重要性も理解しているだろうから、意識的にセーブもしやすいだろうけど。」

逆沢「けど私達、一般人の場合は、その場のノリで適当な作品を作ろうが、適当な記事を書こうが、適当なつぶやきをしようが、どうでもいいからねー。そんな事。」

鼎「で、その結果、勢い余って、出すべきではない写真を出して炎上したり、出すべきではない個人情報を流して他人に迷惑かけたり、広めるべきではないデマを拡散して社会を混乱させたりしちゃうのかな? 私達、一般人は。」

愛原「有名作家なり芸能人なり政治家なりは、その一言のコメントが命取りになる事もあるから、発言にも割と慎重だが、我々凡人はその訓練ができていない。にもかかわらず、ネットという場で一丁前に全国デビューしてしまっている。」

逆沢「大したアクセス数もないからとか、どうせ身内や仲間うちしか見ないからとか油断してると、ある日思わぬ所で全国からアクセスが集中する事もあるからねー。ネットは。」

鼎「身内だけしか見ないという思い込みは一番危険だよ。変に盛り上がりやすいから、リアルと同じノリで悪ふざけや悪口もエスカレートしやすいし。」

愛原「ネットがない時代なら、仲間内での陰口でしかなかったものが、ネットに書き込まれる事によって、見せたくない人にまで見られてしまったりする。下手すると外国人にまで見られたりする。馬鹿な一日本人による勘違いコメントが、特定国のマスコミによって広く報道されて国際問題にまで発展する事すらありえる。」

逆沢「逆も多いわね。ちょっと偏った考え方を持つ一外国人の書き込みを、一人の悪意ある日本人が見つけて、それをネットやマスコミを通じて【この国の人にはこのような極端な考えを持っている者もいる→これがこの国の人間のレベルだ】みたいな空気を広めたり。」

鼎「それ、揚げ足取りそのものだと思うけど。自分にとって都合のいい書き込みと、相手にとって都合の悪い書き込みばかり集めて拡散したがる人と発想に違いはないというか。」

愛原「その上ネットの書き込みは、どんな些細な内容でも永久に残る可能性がある。たとえばとある無名の一般人が、誰かと恋愛して愛のささやきメールを携帯メールで交わし合ってたとすれば、そのささやきメールは(双方が削除しない限り)永久に残る。そしてその恋愛が終わって、何かのきっかけで【このメールの中身をばらまかれたくなければ・・・】みたいな感じで脅迫のネタにされる事もある。」

逆沢「ラブレターなんか、誰にとっても第三者に見られたら恥ずかしいものに決まってるし、そんな事される可能性があるなら、うかつにメールもできんわ。」

鼎「でもネット時代というのは、そういう事なんだよね。」

愛原「何かの不祥事を起こしてマスコミに氏名をさらされたら、それも永久にネットに残る可能性がある。ネットが普及する前の時代ならば、まず誰の記憶に残らないような微罪であっても、ネットでその人の名前を検索すればあっという間に、過去の不祥事歴が出てきたり。」

鼎「でも中にはえん罪もあるし、同姓同名の人違いの可能性もあるよね。微罪のえん罪の場合は、匿名で処理される事も多いし、そしたら逮捕された部分だけがネットに残ったり。」

愛原「お前の言いたい事とは真逆になるが、在日米軍関連の犯罪は、逮捕された部分だけが記事になって、それ以降の顛末は一切ネタにならない事も多い。逮捕されても最終的に不起訴or実質無罪になる率が100%近い現状が(余程の大ニュースでも無い限り)全く報道されず、逮捕された事実だけが報道される為、あたかも日本政府が米軍相手にも適性に犯罪を処理しているような誤認を与えやすい。まぁこの点も、ネットでちゃんと検索かけたら分かる事だけど。在日米軍兵が逮捕された旨の記事があっても、その9割以上はその後の経過に関しては全く記事がないから。」

逆沢「逮捕された部分だけがネットに残ってて、その後、不起訴になったり無罪になった部分が記事に無かったりすれば、すごいミスリードを招きそうな気がしてならないわ。」

鼎「しかもグーグル社などは、サジェスト機能の改善要求にも応じてないんでしょ? 技術的に困難という理由で。」

愛原「技術の問題じゃ無くて、手間(厳密に言えば人手&人件費)だけの問題だけどな。不当な書き込みを手動で削除する事自体は、会社側がその気になれば簡単にできる。だが経費の問題でそれをやらないだけだ。」

逆沢「経費を浮かす為なら、ブレーキのついてない車を売っても構わない的論理にしか聞こえないけどね。2ちゃんねるでも不当な書き込みは削除しないとアウトになる時代なのに、グーグルは治外法権状態のままか?」

愛原「カメラでの撮影が禁止な飛田新地ですら、グーグルのストリートビュー映像載りまくってるしな。あいつら、色々治外法権過ぎる。そりゃあ中国も、グーグルを締め出すわ。」

鼎「スノーデンさんの功績で、アメリカの情報産業も、色々アメリカ政府によるネット盗聴行為などに荷担してる事も明らかにされつつあるし、日本はアメリカ企業とそろそろ距離を置く努力をしないと・・・。」

逆沢「にもかかわらず、本来国営であった日本郵政にもアメリカ資本が入るのを認めるほど、日本政府自体がアメリカに取り込まれつつあるのが現状だけどね。わたしゃツイッターやフェイスブックに、闇雲に個人情報さらしまくる連中の気が知れんわ。ログデータがアメリカ側に永久保存される可能性も高いのに。」

愛原「書いてる本人自身、それが貴重な個人情報である事に気づいていない事も多いけどな。【今日、家から何分かけて○○というお店に行った】とか【○○と同じ出身です】といった些細な情報をつなぎ合わせるだけでも所在地の特定もできるし、【妹が○○ですごく困る】と書き込めば、その人に妹がいる事はもちろん、その性格なども大体分かる。もしもその人が妹関連の書き込みを30件もしていれば、何歳年下でどういう学歴で、同居か独身かとか、かなり細かい事も把握できる。一つ一つは個人情報としての価値はなくとも、つなぎ合わせたら立派な個人情報になってしまう。」

逆沢「分かる分かる。そういう情報を組み合わせたら、たった一枚の写真からスタートしても、すぐにどの都道府県のどのお店で誰によっていつ行われたかと事まで、驚くほどわずかの時間で特定されてしまうのが現状だしねー。」

鼎「そしたらその店の土地の持ち主が誰かとか、じゃあフランチャイズか否かとか、その親がどういう仕事をしていてどれだけの資産があって、普段はどういう評判なのかとか、ぜーんぶ丸裸にされる事もあるし・・・。」

逆沢「つうか投稿時間を見るだけでも、その人の生活サイクルは大体分かるし、【いつ、どこに行った】的な書き込みが多い人だと、本当にその人の行動パターンまで(最大全世界レベルで)丸裸だしねー。本人は匿名にして隠してるつもりでも、その内容から、更迭された某官僚みたいに個人まで特定できる事も珍しくないし。自分自身は【俺はそんなヘマはしない】と思ってるかも知れないけど。」

愛原「ネットが怖いのは、そうやって掘り起こされた個人情報が永久に残る可能性がある事だ。デマ部分も含めて。仮にネットが普及してなければ、女子高生コンクリート殺人事件のような全国的に有名な犯罪であっても、(当時の新聞を読みあさるなどして)余程の手間をかけなければ、何年前の出来事だったのかを特定する事すら困難なのに、ネットのおかげで大した手間をかけずとも簡単に詳細な情報が手に入る。」

逆沢「そのこと自体はメリットだからいいんだけど、デマまで一緒についてきたり、(名前が永久に残って)微罪であっても更正のチャンスを大きく奪いかねない点は大きなデメリットだと思うわ。」

愛原「というわけで、一度拡散してしまった情報を、人々の記憶から消去する技術があればいいのにと思う俺はおかしいか?」

逆沢「何の前置きもなくいきなりそうつぶやいたら、間違いなく危ない人以外の何物でも無いとは思うわ。」

愛原「拡散してしまった情報を回収したいとか、その時の勢いで広めてしまった情報を無かった事にしたいと思う事は、誰しもあると思うんだけどなぁ。恥ずかしい作品を世間に公開してしまった時とか、誤った書き込みをネットにしてしまった時とか、くだらない見栄を張って嘘自慢をしてしまった時とか、その場の勢いで言わなくてもいいことを言ってしまった時とか、ネトウヨになってしまった友人をネトウヨになる前の状態に戻したい時とか。」

逆沢「希望としては分かるけど、全部【覆水盆に返らず】だわ。人間は過去には戻れない。であるから、過去の失敗を取り戻したければ、別の何かで上書きするしかない。」

鼎「でも失敗に気づけた分だけでも、大きな進歩だと思うよ。失敗に気づかないままなのが、一番人間としてまずい状態だから。」

逆沢「そうそう。駄作を名作と思い続けるとか。不快なコメントで相手が怒ってるのに、それに気づかないままだとか。みんなから情弱だと失笑されてるのに、それに気づかず未だに調子こいてデマをまきちらしている状態だとか。」

鼎「もしも他人が失敗したならば、それをあざ笑って終わるのではなく、謙虚に反面教師にすべきとも思ったかも。これはクソゲだと思ったなら、どの部分がクソゲであって、それは自分自身の作品にも当てはまらないかどうかとか? 他人が炎上して悲惨な目に遭ってるなら、自分自身は似たような失敗はしてないかとか?」

逆沢「もっともそんな謙虚な人は、現実はまれだけどね。毎日誰かが交通事故を起こしてても、それでいつもより謙虚に運転する人なんかいないと思うし。自分自身が事故を起こして(もしくは事故を起こしそうになって)、その時初めて気づく人の方が圧倒的に多いというか。」

愛原「ごめん、それ俺です・・・。他人を反面教師にするなんて、簡単なようで難しいわ。」

鼎「ならなおのこと、自分の欠点に気づくくせをつけないと危ないよね。」

逆沢「人間誰しも、この程度なら大丈夫。この程度でも大丈夫。と、手抜きのエスカレートを繰り返す悪癖があるからね。で、やがて推敲とか裏付けのチェックもしなくなって、いつか事故ると。」

愛原「上達した結果、以前の作品が恥ずかしくなるなら進歩だが、どんどん手抜きするようになった結果、以前までなら途中で気がついて改善できたであろう欠点にも気づかなくなったら、それは退化だ。分かっている。頭では分かっているが、いつの間にかやらかしてしまうのだ。」

逆沢「ま、前の作品が出来が悪いと感じた理由が、手抜きとか退化だと恥ずかしいからね。上達した結果であれば、むしろ誇るべきなんだろうけど。」

愛原「有名作家さんでも、一度出版社から発行された作品は、(発禁にでもならない限り)絶対回収されたりする事はないので、それで後悔する事もあるらしいが・・・。この場面であのキャラクターを殺してしまったのは失敗だったとか。負けるべき戦いに勝ってしまったせいで、話が進まなくなってしまったとか。余計な伏線を張ったせいで、最初構想していたオチとうまくつながらなくなってしまったとか。」

鼎「プロの世界は締め切りがあるから、時間に追われて、その場のノリで書いてしまった結果、後々後悔する事も多いらしいけど。」

愛原「これらのケースであっても、やっぱり覆水は盆に返らない事が多い。一度、世に出した作品は、作者も読者もそれを受け入れざるを得ないケースも多い。」

逆沢「うーん。作品を世に出すというのは、実はかなり勇気がいる事なのねー。一度、世に出した作品は、都合が悪くなったからと言って、後になって引っ込めたりしにくいから。」

愛原「だから自分の過去作品に対して、あの作品は失敗作だったとか、論評する作家さんなどがいても、気持ちはよーく分かる。過去作自体は無かった事にできないので、そうやって修正を図る事しかできないからだ。無論、更なる拡散を防ぎたければ、どれほど重版希望の声や再アップの声があっても、それをはねのける覚悟もいるしな。」

鼎「自分にとっては、もう終わりにしたい某作品が、大ヒット作品でもあった時は悩ましいわね。儲けを取るならとことん継続・拡散すべきだけど、良心の呵責もあるだろうし。」

逆沢「逆に一人でも多くの人に読んでもらいたい本や遊んでもらいたいゲームが、閑古鳥なのも悲しいけどね。現実にはそっちの方が圧倒的に多いけど。」

愛原「ああ、なるほど。それでネットには、汚い書き込みや、悪ノリが過ぎた写真などが多く出回っているのかも知れないな。我々一般人の場合は、拡散させてしまう事による後悔よりも、拡散させたくてさせたくてたまらない程の期待感の方が大きいから。少しでも注目されたいとか、アクセス数を稼ぎたいとか、ネタにされたいという思いが、度を超えた過激な書き込みや投稿につながっているのかもしれん。【悪名は無名に勝る】的なノリで。」

鼎「デマを拡散したがる人の心理も、単なる悪意や正義感だけでなく、旗を大きく振り上げて注目されたいという自己顕示欲が背景にありそうだよね。」

逆沢「で、期待した以上の反響と拡散効果が得られるとの引き替えに、リアル生活を苦境に陥れる事も多いのが現実と。」

愛原「ネット文化のおかげで著名人でもなんでもない我々でも、多くの人に注目されたり、有名人と知り合いになれる機会は格段に増えた。ネット文化が無い頃ならリアルの友達にプレイしてもらうのが関の山だったであろうフリゲ作者なども、その恩恵を最も大きく受けている層の一つだから、それ自体を悪く言う気も全くない。だが、だからこそ、ネットの悪いところは一つでも多く改善したいという思いもある。その悪い所の一つが、政治家や芸能人のようなマスコミ慣れしていない一般人までもが、ネットを使えば簡単に全国(場合によっては全世界)デビューできてしまう事であり、訓練不足である我々が、自己顕示欲に負けて安直な書き込みや投稿を続けるのは、色々リスクも大きい。我々はネットに対して、もっと畏敬の念を持つべきなのかも知れない。」

逆沢「畏敬というと、神様相手に使われる言葉の気もするけど、まぁ同感ではあるわね。ネットという便利ツールに感謝。敬意を払うのは当然だけど、それだけでなく、その危険性を恐れ、極力謙虚に対応すべきという点でも。」

愛原「有名人になるほど、ブログなどで下手な中傷記事を書いてしまった時の反動が大きいのは当然だが、無名人であっても、ある日突然、炎上させられた上、個人情報を暴露される事もあるのがネットの世界だ。その場のノリでうかつな書き込みをしてしまわないよう、最低限度の推敲や配慮はやはりすべきなのかも知れん。」

鼎「ところで今回は何の話?」

愛原「ん??? ・・・・あっ?!」

逆沢「うーん。このグダグダぶり・・・。言ってるはなから【まるで成長していない】わね。」

愛原「そんなに簡単に成長できたら苦労はないけど・・・。・・・と、これも見苦しい言い訳だなぁ。心苦しい。」















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