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愛原様のたわごと(13年10月13日)







愛原「みのもんた氏の次男が窃盗容疑で逮捕されて、みのもんた氏自身のタレント生命も危機にさらされているらしい。」

逆沢「うおっ! まさかの芸能ニュース?! 社会ネタや野球ネタは昔から珍しくないけど、よりによってそんな低レベルの芸能ニュースが、あんたの口から飛び出してくるとは!?」

愛原「今回のテーマにぴったりのニュースだったからな。とりあえず前振りとしてネタを振ってみた。」

鼎「でもその次男さんの犯した罪自体は、仮に私達が同じ罪を犯したとしても、まず新聞に載らないであろうレベルの、あえていえば微罪らしいよね。」

逆沢「端的にいえば、路上で寝てる人のカバンを盗んだ置き引き行為による窃盗事件ね。しかも盗んだキャッシュカードも、暗証番号が分からなかったのか、現金も引き出されずじまいだった上、日もおかず捕まったから、被害者からみれば実質被害無しみたいだし。」

愛原「常習犯でもない限りは、万引きよりもまず重くならないで済む罪レベルだし、本来ならばまず顔や名前も報道されないであろうレベルの事件なのは間違いないな。」

逆沢「でも親が超有名人という理由だけで、顔も名前も、ついでに週刊誌やネットの報道などを通じて過去の問題行為や真偽不明な噂も含めて、すごい勢いで出回ってしまったと。」

鼎「みのもんたさん自身が罪を犯したならともかく、そうでもないのにここまで大きく話題にされるというのも、なんかちょっと引っかかる思いはあるかも。」

愛原「しかも息子の犯した罪によって、親が一番ダメージ受けてるっぽいしな。」

逆沢「まー、でも世の中、そんなもんじゃないの? ヤミ金融系の借金取りがよく【親が(借金を)返せなければ、子供がそれを返すのが当然】みたいな理論を使うらしいけど、【親の罪は子供の罪。子供の罪は親の罪】みたいな連帯責任って、世間でも割と通用してるような気がするし。【親の因果が子に報う】ということわざもあるけど、今回の場合は【子の因果が親に報う】典型ともいえそうだし。」

鼎「でも本人の責任でもない罪の報いを別人が受けなくてはいけないというのは、何かおかしいような気がするんだけど。」

逆沢「んな事ない。たとえばこの次男は、今までもみのもんたの息子という事で、様々な恩恵を受けてきたわけでしょ? 裕福な親の元で生を受けた事もあって、超有名私学にほぼ自動的に進学。そこで不良行為をして停学処分を受けるも、親が全教室にクーラーを設置するという超大盤振る舞いの寄付行為をしてみせた事で、処分が甘くなったという記事もあるし。その上、そんな素行不良の問題児であるにもかかわらず、高収入だけど狭き門の典型である某東京キー局に入社。これって、絶対、親と子は無関係と言い切れない程、親の恩恵というか、影響受けまくりだと思うんだけど。」

愛原「まぁ、我々凡人がその次男と同じ学生生活を送っていたならば、仮に名門私立に入れたとしても、停学処分を受けた時点でアウトだろうしな。名門であればあるほど、停学はイコール自主退学コースを意味するし。そうなってしまったら大抵は人生のレールの理想の本線からは外れる。後の就職活動などにも少なからず影響するし、少なくともまず東京キー局入社なんて不可能だろう。」

逆沢「そういう事。その次男は超大物タレントの息子として、破格の好待遇を受けてきた訳だから、【微罪であるにもかかわらず、全国ニュースでとりあげられる】という反動があっても、当然な気がするわけよ。要するに、親の因果でいい思いをできたんだから、その分、悪い事をすれば親の因果でより悪い思いをされても仕方ないというか。」

鼎「でも罪を犯した次男さん自体は、人よりおいしい部分もあるけど、人よりおいしくない部分もあったという事でちょうどバランスが取れているというか、自業自得といえなくもないけど、みのもんたさん自身の立場で言えば、一方的に次男さんに足を引っ張られただけのような気もするけど。」

逆沢「教育を間違えた親が叩かれても、私はしゃーないと思うけどねー。世の中には、子供がグレてもおかしくないくらいの、虐待親や、育児放棄親や、歪んだ思想や教育方針を持つ親とかもいるわけだし。まー、親はそれなりに立派な人なのに、子供がありえないくらい出来が悪いというケースもあるから、一律に親に連帯責任を負わせるべきかどうかと言われたら迷うけど。」

愛原「という訳で今回のテーマは、【出来の悪い二代目】だ。」

逆沢「どうせならシンブルに【後継者】あたりをテーマ名にすればいいのに、なぜ【出来の悪い】なんて枕をつける?」

愛原「【後継者】というテーマも、いずれ深く掘り起こしたい話題ではあるが、あまりにも範囲が広すぎてうまくまとめられる自信がないので、今回は範囲をしぼる。さて、出来の悪い二代目と聞いて、とりあえず頭に浮かぶ人物はいるか?」

逆沢「そりゃあダントツで劉禅陛下。知名度だけで言えば、おそらくキング・オブ・ダメ二代目。多分、世界で一番有名なダメ二代目だと思うわ。」

鼎「劉禅さんが実際にダメな君主だったかはともかくとして、知名度という意味では多分世界一かなぁとは、私も思ったかも。世界人口の約2割を締める中国で、最も評判の悪い二代目君主という時点で、もう他者の追随を許さないというか・・・。日本でも似たような印象の人は多そうだよね。」

愛原「少なくとも三国志系ゲームに限定すれば、魅力以外の(要するに純粋に能力系だけの)パラメータを合わせて、劉禅陛下よりも低いパラメータの武将キャラは、存在しないようだしな。三国志系ゲームは、30年以上、各社から発売され続けているが、時代を問わず、大体劉禅陛下のパラメータはダントツでビリだ。500人以上登場するゲームであっても、劉禅陛下より出来の悪いキャラクターは存在しないというか。」

逆沢「クラスどころか学年で一番成績が悪いレベルの人間が、まかり間違って二代目経営者になってしまったという感じか? 今風の言い方をすると。」

愛原「通常の場合、出来の悪い人間が後継者に任命される事はあまりない。どんなトップも、できることなら少しでも有能で信頼できる人間に自分の後を任せたいからだ。しかし親子の情や、世襲制度自体のメリット面などが考慮された結果、能力的にはおせじにも褒められない人間が後継者に任命されてしまうケースも多い。その結果、いわゆる【出来の悪い二代目】が後継者になってしまう事も多い。」

鼎「けど出来の悪い二代目が必ずしも、国や会社を滅ぼすとは限らないような気もするけど・・・。というか私からすると、劉禅さん自身も、そんなに出来が悪い君主だったようには思えないし。少なくとも圧政を敷くような暴虐な君主でも無ければ、内乱を頻発させる事も無かったし、部下に裏切られたりする程、人望が欠如していた風でもなかったし。」

愛原「まー、劉禅無能説は、基本的にはイメージだからなぁ。偉大なる(?)毛沢東閣下が【人民は 阿斗(劉禅陛下の幼名)になってはいけない】と言い広めた影響も多少はあるかもしれない。もっとも劉禅無能説自体は三国志演義が世に出る明代よりもはるか昔から、中国の民衆に深く根付いていたから、今更とも思うが。」

鼎「蜀の要人の墓所のなかで劉禅さんの墓だけが、再建される度にすぐに破壊されたりもするそうだよね。もう弔う事すら許されない真性の人間のクズであったかのように。」

逆沢「そもそも劉禅無能説って、何が原因な訳? まぁ結果論でいえば、国を滅ぼした訳だから言い訳無用かも知れないけど。」

愛原「単に自勢力を滅ぼした原因を作った君主というだけなら、袁紹も董卓も呂布もそうかも知れないけど、彼らは無能扱いとまではいかないし、おそらく原因はそれだけではないだろう。それにプラス、何もしなかった事があるんじゃないのか? 他人任せにして、何もしなかった。本人が能動的にやった事で記録に残っているのが、宦官黄皓の重用とか、蜀滅亡後の司馬昭とのやりとりのエピソードとか、そういうのばかりだから、無能の烙印を押されたのかも知れない。あと先代の劉備が偉大な人気者であったが故の反動もあるだろう。武田信玄の後を継いだ武田勝頼も、先代が偉大すぎた事と、国を滅ぼした事の二点で、無能に近い扱いを受けていた頃が昔あったが、それに近いかも知れない。」

逆沢「もっとも武田勝頼さんの場合は、その後、色んな業績や置かれた環境などが明らかにされるにつれて評価が改善された気はするけどねー。日本の戦国時代で劉禅陛下に似た駄目な二代目扱いをされてるのは、今川氏真・毛利輝元・朝倉義景・北条氏政・大内義隆・尼子晴久・豊臣秀頼あたりか? もっとも何人かは武田勝頼のように、その後評価が改善している人もいるようだけど。」

鼎「やっぱり同じ国を滅ぼしても、努力の跡が見える人と、そうじゃない人とで、無能か否かの評価の差が出やすい気がするよね。結果的に亡国の将になったとしても、本人なりの努力が見えれば、【敵が強すぎた】とか【取り巻く部下などが無能すぎた】とか【置かれた状況自体、全く恵まれたものでは無かった】とか評価されやすいし、逆に本人の努力の跡が見えなかったり、自業自得としか言えないようなマヌケなエピソードしかなければ無能の烙印を押されやすいというか。」

逆沢「なるほど。劉禅陛下は、基本的に何もしなかった上に、数少ない能動的行動が佞臣の抜擢だったり、さらに危機感も何もない脳天気な態度も悪評価につながった可能性があると。」

愛原「冷静にみれば、劉禅陛下は、有能な部下を警戒したりねたんだりもせず、彼らに全幅の信頼を寄せ続けることができたという美点もなくはない。この点だけなら先代の劉備と同じなんだが、ただ彼の場合は、有能な部下の才能を引き出すために大きな職権を与えたと言うよりは、ただ状況を追認しただけでしかないのが問題だ。つまり最初に置かれた状況が、先代劉備が遺したそれなりに素晴らしい状況だったから、それを追認するだけで済んだが、時代が進み、それがほころびを見せてもやっぱりそのほころび状態を追認し続けたのが問題というか。もちろん平和な時代なら、それでもいいかも知れないが。」

逆沢「平和な時代なら、何もしないで状況を追認するだけの君主でも問題ないってか?」

愛原「たとえば徳川15代の内、4代、7代、14代などは幼君といってもいい状態で着任した将軍だったが、それでもそれが原因で幕府が混乱するような事はなかっただろ? つまり組織としての体制が盤石で、それなりに有能かつ信頼に足る部下に恵まれていたならば、トップはお飾りでも構わない。というか徳川綱吉や徳川吉宗みたいにでしゃばって余計な事をしないタイプの方が、臣下や領民からみれば都合がいいかも知れない。そういう時代もあるし、劉禅陛下が即位した頃の時代も割とそうだった。仮に劉禅陛下が、蜀滅亡の10年以上前に死去していたならば、彼も名君と呼ばれたかも知れないだろうし。」

逆沢「あー、なるほど。確かに蜀政権がほころびを見せる前に死んでいたなら、劉禅陛下は有能な二代目として名を残していたかもね。実際には何もしなかったけど、何の悪行もなく、国もそれなりには上手く回っていたからという理由で。」

愛原「これは現代の各企業のトップでも当てはまる。会社として順調であれば、必ずしもトップが英才である必要は無い。極論で言えばお飾りでも構わない。数年前、大王製紙の若社長がカジノで会社に大穴を空けて大問題になってたが、もしも彼がカジノにハマりさえしなかったならば、きっと彼の評価も大きく変わっていたはずだ。大王製紙グループとしては、至って経営順調だったんだから。」

逆沢「それはいえる。つうかあれだけ問題起こしても、まだ順調そうだしねー。要するにトップが問題を起こしたからと言って、即客離れを起こしたりしないって事かな?」

愛原「トップ自ら前線で働かなくては話にならない零細企業ならともかく、大企業レベルになると、トップが無能である事自体が即悪影響にはつながらない。国の経営も同じで、余計な事さえしなければ何もしなくてもそれなりにはちゃんと回る時代というのは存在する。地元市長や地元選出国会議員が、寝たきりで何もできなくても、それが理由で即市役所内が大混乱になったり、地元の置かれた状況が格段に悪化する事も無い。平和かつそれなりに順調な時代ならな。」

逆沢「平和で順調な時代であるならば、自分ならではの変わった事をやりたがる徳川綱吉型リーダーよりも、何もしないで部下任せの幼君型リーダーの方がうまくいく可能性すらあるって事か?」

愛原「さすがに無能を通り越して有害だと話にならないが、無能自体は必ずしも罪じゃないというところだろう。銀英伝のラインハルトが【平和とは無能が最大の悪徳とされない幸福な時代をさして言うのだ】という名言を吐いていたが、まさにその通りかも知れない。劉禅陛下の悲劇は、比較的安泰な時代に即位し、そのまま何もしないで居続けていたら、いつの間にか安泰でない時代になっていたけど、本人自身は相変わらずそのままだったという所にあるのかも知れない。」

鼎「出来の悪い二代目であっても通用する時代(状況)と、そうでない時代(状況)があるという事かな?」

愛原「まさにそうかも知れない。さっき日本の戦国時代を例にあげて何人かの大名をとりあげたが、彼らの内、何人かは不幸な時代に大名になってしまっただけのタイプもいるかも知れない。」

逆沢「上にあげた大名の内、それなりに組織を守り通すことができたのは毛利輝元くらいか? 後は国を滅ぼされたり、自分自身も殺されたりしてるし。」

愛原「毛利輝元は本人はアレだが、部下の能力と忠誠心がいずれも最高水準だったおかげで救われている感じがする。通常の場合は、部下の忠誠心がさほど高くないせいで当主の地位を追われたりするのが普通だし。織田家の三法師や龍造寺政家などは後見人に地位を簒奪されてるし、朝倉義景や大内義隆は部下に見捨てられて殺されてるし。今川氏真や豊臣秀頼や宇喜多秀家などの場合は、毛利家の小早川隆景や吉川広家に匹敵する有能な重臣に恵まれなかった部分もあるだろう。あと個人的には上杉景勝なんかも、毛利輝元と同タイプのような気がする。」

鼎「上杉景勝さんを無能扱いする人なんて、聞いた事がないんだけど。まして毛利輝元と同タイプなんて・・・。」

愛原「うーん。でも上杉景勝も、基本的に部下の意見や状況を基本追認するタイプのリーダーだと思うんだけどなぁー? 直江兼続らの活躍のせいでかなり救われてる気もするし。」

鼎「基本追認型のリーダーは、部下次第で評価が大きく変わるかも知れないって事かなぁ? 部下の能力と忠誠心が両方高ければ、そういう部下を上手く使いこなす名君と呼ばれやすいけど、そうでなければ暗愚と呼ばれやすくなりやすいというか。上杉景勝さんのそばには常に直江兼続さんがいたけど、毛利輝元さんの場合は小早川隆景さんが亡くなってから、急に色々ボロが出だした気もするし。」

逆沢「ま、政治家や経営者としては無能でも、他で才能があるタイプの人もいるだろうけどね。たとえば今川氏真なんかは、蹴鞠の腕前は相当だったんでしょ? 他にも剣豪将軍と呼ばれた足利義輝とか、弓の名人として知られた六角義賢とか。」

愛原「可能なら、親の跡を継がない事も、無能な二代目という評価を回避する方法の一つかも知れないな。ノーベル賞受賞で話題になった山中伸弥教授も、ある意味ではその一人かもしれん。」

鼎「山中教授は、確か大阪の町工場の経営者の息子だったらしいけど、親から【継がんでええ。お前は経営には向いていない】と言われたそうだよね。それで神戸大学に進学して医療の道を選んだらしいけど。」

逆沢「あー、色んな意味で不器用な人だったらしいわね。親からダメだしされた事もあるかも知れないけど、それで医学の道に進む事になって、でも研修医時代も手術が下手くそなせいで【じゃまなか】とあだ名までつけられて、それで今の医学研究者の道に転向する事になったらしいけど。」

鼎「苦手分野を回避し続けた事で、ノーベル賞というのも、面白い人生だよね。」

愛原「仮に山中教授が親の跡を継いで町工場を経営していた場合、少なくともノーベル賞の栄誉に預かる事はなかっただろうし、その意味では山中教授のご両親も立派な方々といえるかも知れない。まぁ無理に子供に跡を継がすことはないという意味ではいい例だな。」

鼎「でも未だに、世襲がはびこっている業界も多いよね。政治家とか特に。」

逆沢「スポーツ界や芸能界でも、二世は普通にいるけど、親のコネがあまり通用しない所は違いそうね。親が超一流のスポーツ選手だったからといって、息子も超一流の選手という訳にはなかなかいかないし。芸能界でも、いくらビートたけしや明石家さんまクラスの親がいて子供が芸能界に強い意欲を持っていても、その子供も売れっ子という訳にはいかないようだから、世間のイメージほど、親のコネや事務所の圧力も通用しないような気もするし。」

鼎「でも政治家だけは違うよね。親が大物政治家であればあるほど、露骨に二代目もその恩恵を受けるみたいだし。」

愛原「力の源が違うからな。スポーツ界や芸能界は、本人の才能がものをいう世界である一方で、親の才能まで世襲できない。一方、政治家は地盤・看板・カバンが一番にものをいう世界で、しかもそれらは直ちに世襲できる。なのでよっぽどの例外でもない限り、選挙にも強い大物政治家の二世が跡を継いで即落選するなんて事はほとんどあり得ない。」

逆沢「よっぽどの例外に相当する程、出来の悪い二代目の政治家といえば誰が相当するかな? うーん、芸能人などと違って、政治家は少々の不祥事ももみ消す力があるし、やっぱり親さえが立派なら、誰でもそこそこは務まる仕事なのかねー? 世の中がそこそこ平和で上手くいってる状態なら。」

愛原「大物政治家の二世でありながら、即撃沈する程の無能二世なんか、俺もほとんど記憶無いわ。あえて取り上げるなら、森喜朗元総理のジュニアがそれにやや近いかも知れないが・・・。」

逆沢「あー、森ジュニアか。親の地盤で県会議員に当選しておきながら、不祥事で2期持たずに辞任したらしいわね。」

鼎「選挙の際には、通常の県会議員と違って、異例なレベルで党幹部の応援があったらしいよね。一県会議員の為に安倍晋三さん、麻生太郎さん、中川秀直さんと国政でも最高レベルの人達まで応援演説に駆けつけたらしいし。」

愛原「みのもんた氏の次男とは違った意味で、親のコネを総動員した感じだな。地方の県議選挙くらいでそこまで大物の国会議員を総動員した例など、他にはまず聞かないし。」

逆沢「それでもギリギリ当選だったらしいけどね。普通なら、内閣総理大臣の息子とか、与党最大派閥のボスの息子というだけで、県会はもちろん、国会であってもフリーパスだろうに。」

愛原「残念ながら森ジュニアに関しては、ネットや週刊誌で良からぬ噂が常に飛び交うような有様だったし、経歴も東海大学中退とか親の秘書以外の職歴が無いなどイマイチだったから、それがマイナスに働いた可能性はある。」

逆沢「あー、よからぬ噂といえば、押尾某らとの黒い交際疑惑とか、クスリ疑惑とかね。そういやコンビニに車を突っ込む不祥事を起こした時も、どうやらクスリでラリってるような状態だったらしいし。一応、県警は飲酒運転容疑で捜査したらしいけど、なぜか逮捕もされず、それで石川県の県議会も【なぜ現行犯逮捕しなかったか】と議題になって、でも県警側が【捜査中なのでコメントは差し控える】とよく分からない逃げのコメントで返して、そうこうしてる内にジュニア自身が病死してうやむやになったようだけど。」

鼎「明らかに現行犯逮捕もできる状態で事故が判明した上、本気で調べたらそれが飲酒によるものかクスリによるものかも含めて調べられただろうし、どちらが原因だとしても危険運転と判断されるのは必至な状態だっただろうに、もしも県警に圧力がかかって逮捕を逃れたとしたら、これはもう親のコネとか、そういうレベルじゃない大問題だと思うけど・・・。」

愛原「どっちにしろ今となっては故人だけどな。ただ死因が押尾某容疑者と一緒にいる時にヤク中で無くなった女性と全く同じ多臓器不全だったというのは印象に残っている。」

逆沢「うーん。故人のことを悪く言いたくないけど、数々の噂とコンビニ不祥事と死因を組み合わせると、森ジュニアがヤク中で無かったと証明する方が難しいような状態ねー。」

鼎「そういう疑惑もあったせいで、県会議員選挙でも親のコネによるプラスが通用しないくらいの大苦戦を強いられたのかなぁ?」

逆沢「私、この人も、親の跡を継ぐべきでは無かったタイプだったような気がするわ。名声が大きく左右する政治家という職業との相性が最悪だったようにしか思えないし。もしも他の職に就いてたなら、ノーベル賞とまではいわなくても、もっとマシな人生を送れたかも知れないのに。」

鼎「私は、みのもんたさんの次男さんと同じで、有名すぎる親の存在自体がマイナスに働いてた気がしなくも無いけど・・・。幼い時から、なにかにつけてあの人の息子だと言われるプレッシャーは半端ないような気もするし。中にはそのプレッシャーに押しつぶされて、不良化したり、悪い人間に取り込まれたり、クスリに手を出してもおかしくないような気もするし。実際、芸能人自体、有名人というプレッシャーがすごすぎるのか、クスリで捕まる芸能人の人も多いでしょ?」

愛原「そういえば森喜朗元首相も、息子の死を受けて【父親としての私の存在が重いハンデになったのかもしれない。そういう意味ではかわいそうなことをしたと思う】とコメントしてたらしいし、とすると親からみても分かるくらい、そんな状態だった可能性も否定できないな。みのもんた氏の次男も学生時代から不良化して親の顔に泥を塗るような一面もあったようだが、森喜朗元首相の息子も残念ながら、一流大学でもない大学すら中退する有様で、他の大物政治家の息子達と比較されるのが色々つらい立場にあったとすれば、そのプレッシャーは相当のものだったかも知れない。」

逆沢「だとしたら、そんな息子を政治家という、激しく日の当たる場所にさらした親の罪はなお大きい気もするわ。日の照らない裏方に専念してたらそこまで話題になる事もなかったろうに、日の当たる職業なんか選んだら、余計にネタにされるだろうに。タレントほどには日の当たらない一テレビ局社員でも親が有名人だったら、ちょっとした不祥事を起こすだけでも結構話題にされるのに、親が元内閣総理大臣という超有名人なのに、後ろ暗い側面があるのを自覚しながら親と同じ日の当たる職業なんかに就いたら、そりゃあまずすぎるでしょ? そりゃあ山中教授の親御さん以上に、跡を継がせないように親は配慮しないと。」

愛原「政治家の世襲問題は根深いからなぁ。どれだけ適性外でもそう簡単にはいかないものなのかも知れない。まして森ジュニアは、他の職業経験もないし、息子の将来を不安視した親が軽い気持ちで【他に仕事のアテもないなら、親の跡でも継ぐか?】みたいに話を息子にもっていった可能性もある。」

鼎「警察官の息子が警察官になるのと、政治家の息子が政治家になるのとでは、重みが全然違うような気がするけど。山中教授の親御さんも町工場の経営者だったみたいだけど、経営者とか政治家は、警察官や会社員のような雇われと違って自営だから、適性の無い人間を安易に後継者にしても、家業を潰すだけにしかならない気がするよ。」

愛原「それを言ったら、森喜朗元総理の祖父の代から続いた石川県の森政治王国も、実質ジュニアが家業を破壊した形で店じまいになったケースに当てはまってしまうよな。」

逆沢「いくら無能でも、その組織が安定してるなら許されると言っても、限度はあるからねー。無能すぎるというか、有害であるというか、ゼロを通り越してマイナス要素が大きいとさすがにまずすぎるというか。みのもんたの次男もそうだけど、普通を大きく下回るような振る舞いをしようものなら、有名人の息子というメリットを帳消しにするどころか、有名人の息子というデメリットばかりが出てきて、下手すると親も巻き込んじゃうからねー。」

愛原「そういう不幸が予測可能であれば、可能なら森家よりは山中家のスタイルでありたいとは思う。もっとも神戸大学にも合格できるほど高い基礎能力も持つ山中教授だったからこそ、親の後を継がさせない選択肢が通用しただけで、森ジュニアやみのジュニアの場合にも、同じ方法が採れたかどうかは分からないけど。」

鼎「親から見て、【この子は親の私がコネを最大限に生かしてサポートしてあげないといけない】と思わせるような存在だったのかも知れないよね。みのもんたさんや森喜朗さんの息子さんは。」

逆沢「けどその甘やかしが、その子の人生を台無しにした可能性も否定できないけどね。昔、三田佳子の次男も色々問題起こして、結局親の芸能生命まで失う自体に発展しちゃった事があるけど、あれも親の救いようのないほどの甘やかしが背景にあったみたいだし。だから親が巻き込まれても自業自得と世間も受けとめたというか。」

愛原「出来の悪い二代目というのは、有能とされる先代が作り上げる事も多いかも知れない。自分が有能すぎるが故に、そのコネや才覚を総動員して息子を守り続ける事もできる。が、息子は息子でさらに増長して、親のサポートをもってしても補えないほどのとんでもない事をやらかすようになる。みのもんた氏の次男も、停学処分を受けるほどグレた時に、それでもクーラー全教室分寄付という、普通の家庭ではありえない程に手厚いサポートを受けた事や、他局マスコミの餌食になりやすいテレビ局社員になった事が、長い人生でみればマイナスに働いてしまったのかも知れない。森ジュニアにしても、安倍晋三や麻生太郎なんて超ハイレベルの応援団まで用意してもらったおかげでギリギリ当選という破格のサポートを受けた結果がアレだからな。」

逆沢「普通に落選してたら、東京にいる親のそばで暮らしていただろうから、あんな不祥事を起こさなくても済んだかも知れないしね。当選して公人となってしまった事で、親の目も届かない上、東京ほど娯楽もない石川県をホームをする事になって、そのあげくのあの不祥事と考えれば。」

鼎「劉禅さんや毛利輝元さんみたいに、無能でもいいからせめて親の足を引っ張らない程度には、無難ないい子ちゃんに徹してくれてたら良かったのにね。」

愛原「うーん。一見、無能だけど無害ないい人系に見える毛利輝元も、実は人の嫁を強奪するくらいの無茶はやってたりするからなぁ。小早川隆景がそれを素早くもみ消したから大きな問題にならなかっただけで。劉禅陛下も、宦官黄皓の重用具合などから判断すると、有能な臣下がいなくなると、いくらでもボロを出しそうなタイプだったような気はする。」

逆沢「つうか毛利輝元ってそんなキャラだったっけ?」

愛原「毛利輝元には長く子供ができなくて、それで秀吉や黒田官兵衛などが秀秋を毛利家の養子に押し込もうと企むが、それを小早川隆景が阻止して自ら秀秋を小早川家の養子に迎える話くらいは知ってるだろうが、実はそれと前後して、輝元にはお気に入りの女性が別にいて、でも輝元の意に反してその女性が別の家臣の嫁入りする事になった為、激高した輝元が部下に命じてその女性をさらったらしい。で、嫁を奪われた家臣が激高して秀吉に直訴しようとするも、小早川隆景がその動きに素早く気づいてその家臣を謀殺。のち、輝元とその女性の間に子供(後の毛利秀就)ができて、毛利家のお世継ぎ問題もめでたく解決というお話。ちなみに秀就誕生時の輝元は既に42歳だったから、まさに待ちに待った待望のお世継ぎといっても良い(ちなみに最終的に2男1女に恵まれたようだ)。が、冷静に考えたら、かなりヤバい話ではある。もしもその家臣が秀吉の元にたどり着いてたら、養子押し込みによる毛利家乗っ取りを企んでいた秀吉だけに、歴史は変わってたかも知れん。」

逆沢「輝元も無茶やったわねー。そんな無茶しなくても、正室が子供ができない体質なら、正式な手順に従って側室をもっとたくさん持てば良かっただろうに。その女性とは3人も子供がいるようなら、少なくとも秀吉のような種なし疑惑もなさそうだし。」

愛原「まぁ、毛利家は基本的に非ハーレム体質だからなぁ。元就も正室が生きている内は全く側室を持とうとしなかったし、その息子の毛利隆元・吉川元春・小早川隆景もいずれも側室を生涯持たないままだったし、輝元もその強奪してゲットした女性を迎えて以降、他の女性に手を出した形跡もないし。お気に入り以外の女性には全く見向きもしない家系なんだろう。輝元の正妻は典型的な政略結婚で得たものでしかないから、単に輝元が正室に性的関心を示さなかっただけの可能性もある。つうか、今回のテーマと何の関係もない話だよな、これ。」

逆沢「あんたが勝手にしゃべってるだけじゃない? まぁそういう方向にネタふった私も半分くらい悪いかも知れないけど。」

愛原「どんどん話がそれそうだから、今回はこれで終わりにしよう。まる。」





















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