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愛原様のたわごと(14年2月23日)





愛原「愛する人が罪を犯したと知った時、お前らはどうする?」

逆沢「ん? なんだその設問は?」

鼎「すごく葛藤するシチュエーションだけど、シナリオ設定としては盛り上がるし、定番だよね。確か少し前に亡くなられた大女優の淡路恵子さんの場合は、息子さんが罪を犯した時、毅然とした態度で警察に告発して世間から賞賛されたそうだけど、こういう堂々とした態度を取れる人は、意外と多くないような気もするよね。」

逆沢「逆に罪を犯した(大抵は人殺し)恩人や友人をかくまった事で名声を上げた侠客とかも、中国の歴史上の人物では、何人もいたような気がしたけど。」

鼎「任侠道というか、ヤクザの世界では、そういう罪人をかくまう事が名声になる事も多いらしいよね。」

愛原「そういう一般論ではなく、俺は、お前ら2人に対して質問をしたつもりなんだが・・・。」

逆沢「いやあ、そんな質問には答えられんわ! 幸い、身内に罪人なんか出た事ないし。そんな物騒な選択肢自体、想像したくもないというか。」

鼎「任侠道の世界ならともかくとして、私達一般の世界では、やっぱり罪は正当に裁かれるべきという意見の方が優勢な気はするよね。不正な商売をするブラック企業を内部告発するとか、そういうのもすごく勇気がいるけど、誰かがそれをすべきだとは思うし、そういう勇気のある人を賞賛すべきだとも思うし。」

逆沢「けど自分の所属する組織が悪い事をしていると知った時、それを正直にカミングアウトするのは結構勇気がいるのよねー。世の中的には、すぐそばに罪人がいると分かっていても、見て見ぬ振りする人の方が多いんじゃないの? 案外。勇気を出して告発した所で、罪人が正当に裁かれるとは限らないし、こっちの身が危なくなる事も多いからねー。」

鼎「別に愛する人じゃなくて、ムカつく上司であっても、正直にその人の罪を暴露するのは、勇気がいる事も多いよね。」

逆沢「だからこそ勇気を持って正直に告発できる淡路恵子さんのような人は、すごく賞賛されるんだとも思うわ。社会全体の事を考えればもっとたくさんいてほしいけど、実際には滅多にいないからこそ、賞賛されたともいえるし。」

愛原「しかし勇気がいるいらないの問題では無く、身内の罪を暴露する事自体を悪と考える人もいる。【自分の息子を警察に売り飛ばした毒親】とか【会社の不正を外部に漏らした裏切り者】とか。」

逆沢「あー、そういう思想の人もいるわねー。何ともヤクザ的な思想だと思うけど。身内の秘密(多くは不正行為であったり犯罪行為であったりして、社会に漏れたらまず非難されるべき行為)をばらした者は許せない的な。」

鼎「学校でも、イジメ問題が起こると、それをできるだけ秘密にしたがる教職員の人も多いそうだよね。世間的にはイジメ行為を隠す方が明確な悪なんだけど、学校の組織の論理ではイジメがあったという事実をできるだけ隠して、問題を小さく処理する方が善になっちゃうというか。」

逆沢「学校に限らず、会社組織でも政治の世界でも同じだわ。不正や密約があるのを知っていても隠し通すのが組織を守る最善の方法と考えたり、仮にそれがバレても、できるだけ大きな問題にならないように処理するのが組織人の役目と考えたり、場合によってはトカゲの尻尾をイケニエに捧げたり、別の罪なき第三者に罪をかぶせても、本体へのダメージを最小に留めようとしたり。」

鼎「こうしてみると社会全体にとっての正義と、組織内部にとっての正義が真っ向から対立する事も多いような気がするよね。」

逆沢「会社にとっては産地偽造をしてでも会社の儲けをあげるのが正義とか、イジメ問題を隠蔽して、いかにもまともな学校であるかのように思わせるのが正義とか、秘書に罪をかぶせてでも政治家本人に罪が及ばないように留めるのが正義とか・・・。世間的にはムチャクチャなんだけど、当人は大真面目にそういう不正行為をも、組織を守る為の正義(もしくは必要悪)と思い込んだりしちゃってるわけね。」

愛原「家族を守る! 組織を守る! 仲間を守る! それ自体は何ら問題ではない。問題は仲間(もしくは自分自身)が反社会的な行為をしていたのを知った時、社会全体にとっての正義を優先させるか、社会(もしくは公益)を敵に回しても身内(仲間)を守るのを善ととらえるか否かの問題だ。実際問題、恥じる事なく堂々と【俺は世界全体を敵に回しても、仲間を守る!】的思想の者も少なからずいるからな。」

逆沢「あはは! 少年漫画のノリね〜。まぁ、そういうのも嫌いじゃないけどね。」

愛原「少年漫画の世界ではなく、現実にも案外多いんだぞ。【なにがあっても家族だけは絶対に信じるし守りきる】的な思想の人間は。第三者からみればモンスターペアレンツそのものだが、当の本人にしてみれば大真面目で、バカ息子がイジメに荷担しようが万引きや引ったくりの常習犯であろうが、それでもバカ息子の言い分だけを信じたり、それでもやむを得ない事情があると考えたり、被害者にも落ち度があると責任を転嫁したり、色んな理由付けをして愛息を守ろうとする。そういう人は少なからずいる。」

逆沢「でも逆に、自分が窃盗の被害に遭ったり、自分の息子がイジメに遭ったりすれば、その親は加害者に一方的に強い憎悪を募らせるんだろうけどねー。」

鼎「これって冷静に考えれば、すごいダブルスタンダードだよね。自分の身内(もしくは自分自身)が罪を犯しても徹底的に隠そう・守ろうとする一方で、自分や自分の身内が被害に遭えば絶対に許すつもりはないというのは。」

愛原「当の本人にとっては、ダブルスタンダードでもなんでもないんだけどな。少なくとも【身内がピンチに陥った場合、理由を問わず助ける】という一点に関してだけは、少しも揺るぎがないからな。身内がイジメの被害者になった場合は、イジメという反社会的な行為をした加害者を攻撃する事で身内を守る。逆に身内がイジメの加害者として明るみに出たならば、被害者はイジメに遭って当然の人間だったというスタンスに立って、やっぱり身内を擁護する。」

逆沢「それ、正義でも何でもないじゃん。ただの自分勝手という奴で。もしくは好き嫌いだけを基準に、欲望のままに生きているというか。」

愛原「本人にしてみれば、自分勝手ではなく当然の行いに過ぎないんだけどな。少なくともそういう思想の人は、【家族を守るのは当然】と考えているし、自分が間違っているとも微塵も考えない。」

逆沢「その延長として、【会社を守るのは当然】とか【学校を守るのは当然】とか【国を守るのは当然】があったりするわけね。」

鼎「もちろんその守りたい対象が社会的に非難に値する行為に荷担していなかったら無問題なんだけど、守りたい対象がよからぬ事をした場合、私達はすごく悩むことになるよね。」

愛原「そう。この段階になって初めて、その人の本当の意味でのモラルが明らかになると言って良い。人間だれしも、赤の他人が悪い事をした時に【懲らしめろ!】というのは簡単だが、自分の身内(もしくは自分自身、あるいは利害関係者、あるいは個人的に好意を持っている人など)が悪い事をした時、同じように【懲らしめろ!】と言えるか?」

逆沢「淡路恵子さんのように身内でも容赦しない人もいる一方で、激しく悩み葛藤する人もいるだろうし、悩みすらせず【身内をかばう(or自分が一番かわいい)のは当然だ】と開き直る人もいるからねー。」

鼎「最後のパターンの人は、一見もっともらしい事を言ってるけど、実際は己の欲望のままに好き嫌いだけで物事を判断しているようにしか思えないんだけど・・・。」

愛原「けど本人にその自覚がある可能性は低いけどな。というか、自分のことを自分勝手な人間と自覚している人間なんか、ほとんどいないだろ?」

逆沢「本人にしてみれば、【当然】の価値観でしかないからね。他者からみればモンスターペアレンツであったり、会社や上司に忠誠を誓う狂信徒でしかない場合も多いけど。」

鼎「忠誠という概念は、それを重要視する人にとってはとても大切なものなんだろうけど、それに忠誠を誓わない人からみれば、すごく違和感を感じる事も多いよね。」

愛原「という訳で、今回のテーマは【忠誠】だ。但し今回は、単なる主従関係に留まらず、家族愛や友情や義理人情といった概念も含んだより広義の概念で考えるものとする。」

逆沢「世間的にみれば、忠誠心のある人も、なぜか尊敬や賞賛の対象になる事が多いようね。特に軍記もののファンあたりに、特にその傾向がみられそうな気もするけど。」

鼎「でも主君のために命も捧げるとか、最後まで主君を見限るような真似はしないとか、そういう忠臣はやっぱりカッコいいよ。」

逆沢「乱世では裏切りとか下克上も珍しくなかったそうだから、だからこそ忠臣というのは貴重ですがすがしく感じるのかもね。」

愛原「現実はそう単純じゃ無いけどな。乱世では平和時以上にトップも部下を疑うから、部下は過度の忠誠を強要される。もしも少しでも主君に忠誠を疑われたら、その瞬間に【謀叛の疑い有り】の容疑をかけられてクビを切られかねないのが、乱世の実態だから。」

逆沢「あー、そう言えばそうね。みんな主君に疑われないように、わざと晩節を汚したり、過度に媚びを売ったり、主君の子供を養子や嫁に迎えたり、あらゆる手段で疑われないように努力していたみたいだからねー。特に有能な人ほど警戒されて功臣粛正の対象になりやすいから、そういう人は特に出世しすぎないように警戒して、さっさと隠居もしたりして。」

愛原「【乱世では忠義者は珍しい存在】みたいな主張をする手合いもたまにみるが、とんでもない。心の奥までは分からないが、少なくとも表面上は忠義者だらけだ。なぜなら不忠と疑われた時点でクビが飛ぶから。」

鼎「それでかな? いわゆる任侠の世界では、罪人のかばい合いも珍しくない代わりに、裏切り者も許さない風潮がみられるのは。」

逆沢「ヤクザの世界は、まさにそうね。社会的に見て悪であろうがなかろうが、そんな事は全く問題視しない。しかし不穏な動きを見せる不忠者に対しては警戒を怠らないし、裏切り者は絶対に許さない。ブラック企業も似た傾向はあるらしいけど。労働基準監督署にタレこむような奴は許さないし、もしも労基が乗り込んできたなら、内部通報者を徹底的に探し出してつるし上げるみたいな。」

愛原「社畜と呼ばれる忠臣からみたら、労基にタレ込む奴は裏切り者以外の何者でもないし、そういうブラック体質を嫌がって辞めていく社員達も、軟弱者にしか思えないだろうな。」

鼎「そういう環境だと、公益とか、社会全体の利益とか、社会倫理とか、そういう概念は影を潜めちゃうよね。社会全体の正義と、組織の正義が対立した場合、組織の正義を必ず優先せざるを得ないから。」

愛原「忠義者の視点から見れば、公益より党利党略を優先させるのは当然の論理だからな。会社に忠誠を誓っている者ならば、会社が不正を行っていてもそれを正義(もしくは必要悪)と認識するだろうし、教祖に忠誠を誓っているならば、教祖がハルマゲドンを決意すれば、自らその先兵になるだろうし、特定の政治家に忠誠を誓っているならば、特定の政治家の悪事にも積極的に荷担するし、悪事がバレそうになったなら自ら罪をかぶる事もあるだろう。」

逆沢「つまり何かに忠誠を誓った時点で、社会全体の利益だの公益だの社会倫理だのといった概念は、全て吹き飛んでしまうってわけね。」

愛原「忠誠の程度によっては、激しい葛藤に見舞われるだろうけどな。組織の正義を取るか? それとも社会の正義を取るかで。」

沢「忠誠の程度というよりは、組織が行う悪事の程度によりそうな気もするけどね。少々の悪事くらいなら(余程の潔癖症でもない限りは)誰でも容認できるだろうけど、さすがに見て見ぬ振りできない悪事のレベルまで発展した時、初めて葛藤するというか。」

鼎「私は、反乱のしやすさにも左右されると思ったかも。ほら、たとえば組織の不正を内部告発したところで勝ち目が全くない上に、返り討ちに遭う可能性が高いと思ったら、やむなく見て見ぬ振りせざるを得ない事もあるだろうし。北朝鮮みたいな体制の組織だと、一人二人が体制に反旗を翻した所で勝ち目はないし、組織から抜け出すだけでも一苦労だから。」

愛原「同感だな。まぁそういう状態の場合、うつ病に追い込まれたり、反社会的行為に荷担させられるよりも早く脱出できただけでも御の字だろうな。」

逆沢「でも逆に、ひどい組織だと分かっていながらも、それでも開き直って組織に忠誠を誓う事で、身と心の安泰を確保しようとする人もいるだろうけどね。」

愛原「忠誠を誓う事で、組織から居場所を与えられ、場合によっては高い地位や報酬も与えられ、さらに罪悪感も吹き飛び、真面目に職務にも専念できるという効果がある以上、開き直って忠誠を誓う人が多いというのも、まぁ道理と言えば道理である。組織に不信感を抱きながら組織に留まり続けるというのは、実際にやってみれば分かるが、かなり大変だからな。」

逆沢「簡単に辞められる組織なら、辞めたら終わりなんだけどねー。ヤクザ系の組織とか、北朝鮮のような国自体がヤバイような状態だと、組織(国)から抜け出す事自体命がけだし。それなら開き直って、将軍様万歳やってた方が身も安全、心も安心できるというのはすごく分かるわ。」

愛原「そうでなくとも人は常に、何らかの心のよりどころを求めるものだ。会社や宗教団体といった具体的な組織だけに限らず、家族だの特定のイデオロギーだの、色んなものに心のよりどころを求める者も多い。もちろんそれ自体は決して問題ではないのだが、それだけに留まると、その構成員が良からぬ行為をした場合に、世間常識から著しく外れたとんでもないモンスター行為をやってしまう危険性もある。特に敵対的属性を持つ組織に忠誠を誓っている場合、その危険性はなお高くなる。」

鼎「敵対的属性というとたとえば?」

愛原「これは政治団体などに特に多く見られるが、特定の国家、特定の人種、特定の政党、特定の思想団体、特定の企業などを一方的に敵視している属性を持っている団体・・・・。こういう属性を持つ組織に忠誠を誓っている場合、自分の忠誠心をアピールする為に、ことさらに敵視団体を攻撃したがる可能性が高くなる。」

逆沢「アンチ巨人が色々理由をこじつけて、巨人を攻撃したがるような感じか?」

愛原「まぁそんな感じ。忠誠心を見せつける行為自体は、社畜がサービス残業を進んでやるような例を初めとして至るところでみられるが、攻撃という形で忠誠心をアピールする手合いは、一番面倒くさい。場合によっては敵に格好の攻撃名分を与えたり、味方に被害を与える可能性すらあるからな。」

逆沢「この前も安倍親衛隊の政治家が、安倍首相の靖国参拝を正当化する為にか、アメリカ批判やらかしたあげく撤回するハメに陥ったり、、安倍親衛隊によって担ぎ上げられたNHKのトップがおかしな発言して国会まで巻き込んでるけど、あれらも本人にすれば自分の思想や敬愛する安倍首相に対する忠誠心を見せつけたつもりなんだろうけど、結果的には野党や外国に攻撃名分を与えたりして、味方にダメージを与える結末にしかなってないからねー。」

鼎「なんか幕末時代に、尊皇攘夷の愛国者達が外国人を襲って欧州列強に砲撃の名分を与えたり、幕府の忠臣達が薩摩藩邸を襲った結果、薩長に幕府討伐の名分を与えたエピソードを思い起こさせるよね。」

愛原「俺自身は安倍首相による前年末の靖国参拝には疑問詞をつける側だが、仮に参拝が避けられないならという前提で考えた場合ならば、あの時期が一番マシだったとは思っている。あの時期以外だと、国会日程や外交日程などの関係からもっとダメージが深刻になるから。つまり安倍首相としては、好んで外国や野党を挑発する意図まではなかった想像できるが、その直後の安倍親衛隊の行為は、どう考えても無意味な忠誠心アピールにしか思えない。参拝によるデメリット部分を最小限に留めたいからこそあの時期を選んだにもかかわらず、ようやく落ち着くタイミングでまた火に油を注ぐあいつらは一体なんなんだと。」

逆沢「まぁどこにでも過激派というのはいるからねー。目立つ行為をしてナンボというか。黙ったままでは忠誠心は伝わらないみたいな感じで。」

鼎「幕末の志士達や新撰組なんかも、敵味方問わずたくさんの人を粛正したらしいけど、彼らも忠誠心をアピールしたかったのかな? 【私はこんなにお国のためを思って頑張ってます】みたいな感じで敵対勢力の人間を襲ったり、味方の中にも裏切り者は居ないかを厳しくチェックして、少しでも不穏な動きを見せたら容赦なく密告したり、粛正したりとか。」

愛原「まぁ中学や高校の部活でも、【練習のための練習】をやる部員は必ず出るらしいからな。上手くなるのが目的では無く、いかにも【練習を頑張ってます】と周りにアピールするのが目的化している部員というか。」

逆沢「何、その真面目系クズにありがちな部員。」

鼎「組織のために働くのではなく、組織に忠誠心をアピールする事が目的化しちゃってるよね。」

逆沢「上手くなるために練習するのではなく、真面目さをアピールする為に練習する部員。国のために働くのでは無く、愛国者である事をアピールする為にスタンドプレーに走る権力者。あるいはネットで誰かを攻撃し続けるネット右翼の人達。そんな事してる暇があるなら、日頃の仕事なり勉強を普通に頑張れよ、それで税金たくさん収めてる人間の方がよっぽど愛国者だろと言いたくなるわ。」

鼎「こうしてみると、忠義者のふりをしたエセ忠義者とか、愛国者のふりをしたエセ愛国者とかもたくさんいそうだよね。」

逆沢「エセ社畜とかもたくさんいそうだわ。文句一つ言わず上司に対するおべっかも使うけど、実は会社の業績アップに対する貢献度はさほどでもないとか、本当なら定時までに終わる仕事でも、適当にだらだら引き延ばしてみんなと同じ退社時間まで過ごすだけの残業代泥棒とか。」

愛原「阪神ファンの中にも、やたらヤジを飛ばしたり、巨人を叩くのが仕事みたいな勘違いをするのがごく少数だがいて、迷惑している。そんな迷惑なファンアピールはいらないからと正直思う。」

鼎「私、やたら忠誠心や愛国心をアピールしたがる人ほど、逆にうさんくさいと感じ始めたかも。」

愛原「よくお国の為にとか、家族の為にとか、会社の為にとか、言い訳して自分を正当化している人がいるが、これってよく考えたら、責任を国なり家族なり会社に押しつけて自己正当化してるだけに過ぎんからな。本当は自分の頭で考えて行動しなければならないのに、自らの忠誠や信仰の対象のせいにして、自分の責任を決して認めようとしない。家族愛の名の元に細かい事も調べず一方的に誰かを溺愛して誰かを攻撃したり、これはお国の為だと言い訳して無茶な政策を推し進めようとしたり、平気で相手を挑発したり排斥したり・・・。」

逆沢「まぁ忠誠や家族愛を言い訳にすれば、組織や身内が不正をやらかしていても、平然と見て見ぬ振りできるし、不正に荷担する羽目になっても必要悪と割り切れたりして、色々便利だしね。」

鼎「私、【愛国心は愚か者(悪党・ならず者といった表現もアリ)の最後のよりどころ】という言葉を思い出したかも。」

愛原「真面目な話。本当に悪い奴が誰かを調べるのは根気がいるし、悪い奴が居るのを知っていてもそれを告発するには勇気がいる事もあるだろう。それに葛藤する事もあるだろう。だがそれは、まともな人間なら仕方が無い事だと思っている。我々は勇者でも英雄でもなく、自分一人でできる事には限りがあるし、理不尽な我慢や妥協を強いられるのも仕方が無い。そんな中、忠誠心や愛国心という言葉を使う事で、その葛藤が一気に吹っ飛ぶならば、それにすがりたくなる気持ちも分かる。お国のため、会社のため、家族のためという言葉を使うことで、一方が正しく守るべき者であり、それに敵対する者は自動的に敵だと、安直に分類できてしまうからな。」

逆沢「難しい事を考えたくない人ほど、宗教とかにすがりたくなる構造が、そういう部分にあるのかも知れないわね。」

愛原「愛国精神や愛社精神や家族愛自体が悪いわけではない。それらは健全に認識する事が出来れば、きっと生きる上で大きな力にも糧にも生き甲斐にもなるだろう。だがそれらに盲目になってしまった時、特に組織や身内の中に良からぬ要素が混じった時に、自らを律する事が出来ないと、モンスターになる危険性だけは認識しておきたい。一人で出来る事には限界があるが、親が子供を矯正する事くらいは不可能では無いし、内部告発までは無理でも自分が本格的な加害者になる前に組織を飛び出すくらいはできるだろう。少なくとも不正を不正と思わず、完全に取り込まれてしまう事態だけは避けたい。」

鼎「本当の忠臣なら、組織や身内の誰かが歪んだ方向に行きそうだと思えば諫言もできるだろうし、少なくともおべっか使いのイエスマンにはならないと思うよ。そこが本当の忠臣とエセ忠臣の差だとも思うし。」

逆沢「少なくとも忠義や愛を盾に、自分勝手で無責任な振る舞いまで正当化する側にはなりたくないわね。本人はお国のため、家族のため、会社のためと言い張ってるかもしれないけど、他人からみればただの自己保身や宣伝行為にしか見えないから。」


















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