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愛原様のたわごと(14年6月22日)





鼎「いよいよ、ワールドカップ開催のシーズンだよね! テレビの報道番組見てると、本当にワールドカップで盛り上がってるなぁと実感しなくもないよ。」

逆沢「盛り上がってるのではなく、無理矢理盛り上げてんじゃないの? テレビ的には期間限定の超重要コンテンツという事で。私的には【ごり押し】って、こういう事指すんじゃね?と勘ぐりたくなったりもするんだけどねー。こういう報道の仕方までされるとさすがに。」

愛原「そこまでやられると、さすがに逆効果だな。まぁ北京オリンピックの時の星野監督バッシングみたいな事だけは起こらない事を祈る。」

逆沢「現時点では1勝も出来ない内にリーグ敗退の可能性すらある状況だからねー。今はどれだけ状況が厳しくとも、チームを褒めて褒めまくり、ひたすらリーグ突破の可能性を追い求める路線で盛り上げてるみたいだけど、もしも最悪の結果が出たとき、いたずらな戦犯捜しに発展しない事だけは祈るわ。」

愛原「まぁ、ブーム作り自体は自由にやってくれたらいいと思う。一定の反発はあるだろうけど、流行やブームが起きることによる経済効果やハレの日効果は、人々の生活に潤いと刺激をもたらす。いつもケの日ばかりでは、退屈もするからな。」

逆沢「ブーム作り自体は好きにやってくれたらいいけど、私は【ごり押し】には反対だわ。韓流ごり押しとかAKBごり押しなんて言葉もあったけど、それらは別に興味のない人まで無理矢理強制するような事はほとんど感じられなかったけど、今回に関しては、興味のない人を非国民扱いするような取材をしたり、特定のコンテンツを観ない人を暗に非難するような例もあるみたいで、さすがに不快さを抑えきれないわ。」

鼎「でも選手達に罪はないと思うし、そういう罪のない人まで嫌いにならないで欲しいよ。韓流ごり押しとかAKBごり押しとか言ってる人には、韓流やAKB48自体を嫌ってる人がかなりの割合でいそうだし、それと同じようにならないかだけが正直不安というか・・・。」

愛原「まぁサッカー観戦自体にほとんど興味のない俺でも、本田選手や香川選手や岡崎選手らの勇名くらいは知っているし、彼らの活躍に期待する点も変わらん。彼らやザッケローニ監督に対する無闇なバッシングが起きない事を望む程度には、俺は前向きに彼らを応援はしてるぞ。」

逆沢「けど【○○選手の地元ではこんなに盛り上がってます!!!】みたいなクソどうでもいい報道されると、私はイラッ!!という思いを隠しきれないけどねー。お前ら、関係ないだろって。お前らが選手のために何をしたっちゅうねんって思うと言うか。」

愛原「けどそれを言ったら、我々がザックジャパンを応援してる事自体が無意味になってしまうからなぁ。別に俺たちも日本チームの為に何か貢献している訳ではないし・・・。」

鼎「それでも選手にとっては、地元の人をはじめとするたくさんの人に応援してもらえる事は、すごく励みになると思うよ。私はそういうのも、すごくいいことだと思うけど。」

愛原「言われてみれば納得だな。せっかく限りあるメンバーに招集されるレベルまで到達しているにも関わらず、地元の人をはじめとする誰にも応援してもらえないとしたら、こんな悲しい事はないからな。せめて地元くらいは、選手の味方である人がいて欲しい。」

鼎「頑張る選手達の励みになるという視点でみたら、そういう報道の仕方も、多少は容認しやすくなるような気がするよ。」

逆沢「けど応援してる一般のファンにも、色んな人間がいるからねー。一部のドヤ顔ファンみてると、さすがに私も仏にはなれないんだわ。別にお前が偉いわけでもないのに、選手の功績を自分の功績であるかのように語ったり、場合によっては相手チームやその選手らをこき下ろしたりする類いをみると。」

愛原「まぁ気持ちは分かる。他人の功績をダシにして【お前の地元(学校でも会社でもサークルでも可)にはロクな奴がいない】と相手を見下したり、自分の地元(学校でも会社でもサークルでも可)はこんなにスゴいと、まるで自分の功績であるかのようにドヤ顔する手合いはいなくもないからな。」

逆沢「まぁ会社自慢や学歴自慢する手合いには、そういうのは多そうね。逆を言うと、前の会社を退職した途端に全く人が寄りつかなくなるタイプなんかは、すごかったのは会社であって、その人自身じゃなかったという証明にしかならないというか。」

愛原「そういう人は、会社を辞めた後でも、【俺は以前、こういう会社にいたんだぞ】みたいな事をアピールしたがるかも知れんな。本人自身は別にエラくも何もないんだけど。」

鼎「ネットでは、日本人アピールが強すぎる人もいるよね。他国を見下す事で、自分が上位の人間であるかのようにアピールしたがるタイプというか。どれだけ日本人の中に素晴らしい人がたくさんいようと、その人自身が立派である事の証明にはならないにもかかわらず。」

愛原「【素晴らしい組織に属する事で、自分自身も素晴らしい存在だと誤認できる】のかも知れんな。だから地元から優秀な人材が出れば地元出身である事を誇りに思い、出身学校から英雄が出ればその学校出身である事を誇りに思い、日本チームが活躍すると自分が日本人である事を誇りに思えるという事かも知れん。」

鼎「作者の身の回りには、誇りに思えるような有名人とか英雄と呼べるような人はどれだけいるかな?」

愛原「うーん。有名人といっても幅広いけど、wikipediaに掲載されているランクとなると、さすがに限られるな。すぐに思いつく範囲なら、中学のクラスメイトと大学のサークルの先輩くらいか。」

逆沢「どういう活躍で有名な人達?」

愛原「具体名を出すと作者の出身まで細かくバレるので、それは黙秘させてくれ。一人の方は、今年でもヤフーのトップニュースに載って、辛口ヤフーニュースコメンテーターから燃えるコメントつきまくられてたくらいだし、2ちゃんねるでも個人スレ立ってるレベルだからな。もう一人の方も、アニメ化した実績くらいはある。」

逆沢「中学と大学にはスゴい人がいるようだけど、高校はおらんのか?」

愛原「高校に関しては、不祥事でwikipediaに載るような奴さえ現れなければ別に構わない。まぁどっちにしても、スゴいのはその人達自身であって、俺自身はその人達に何の貢献もしてないしな。」

逆沢「具体名出したら、出身がばれる代わりに、【俺の周りにはこんなにスゴイ人達がいるんだゾ!】とちょっぴりドヤ顔できるけど、そういうのに興味はない??」

愛原「ないない。全然ない。でもそういう心理の人もいる事は知っている。仮にその中学のクラスメイトだった有名人の名前をAとするならば、サイトを巡回していた際に【Aとは友人です】と個人ブログのプロフィールに掲載しているのが見つかって、興味本位でプログの中のぞいてみたら、【こいつ、中学のクラスメイトの○○じゃねえかwww」とニヤニヤできた事があったからな。ブログ自体は匿名だったけど、顔写真や生年月日や過去の学歴や近所にどういうお店があるかなどの内容からあっさり本人特定できた。」

逆沢「顔写真掲載したり、Aさんの名前を出したり、○○さんってえらい不用心な人ねー。まぁFacebookとかなら、そういうのは珍しくないそうだけど。」

鼎「その○○さんとAさんは友人同士だったの?」

愛原「現在友人として交遊があるのかどうかはプログ内では全く確認できなかったけど、中学時代の記憶だけでいえば、嘘とまではいわないけど少し盛ってる感がなくもないかなという印象くらいかな。俺の主観では。」

逆沢「まぁ、かつて松坂投手が甲子園で有名になってドラフト1位になった際に、親戚が100人増えたというエピソードもあるくらいだから、Aとの友人関係をアピールする元同級生が50人くらいいたとしても驚きはしないけどねー。」

愛原「と、ここまでが前置き。ここからが本題に入る。今回のテーマは【あやかり系主人公】だ。」

鼎「あやかり系主人公って事は、他に大物とか有名人とか英雄と呼べるような人がいて、その人にあやかっている主人公って事?」

逆沢「ってか、そのテーマ、おかしいだろ? 普通主人公自体が、英雄と呼ばれるタイプの人種なのに。そもそも英雄にあやかるような小物が主人公って、色々おかしくないか?」

愛原「まぁ男性向き漫画などの場合は、基本的に英雄型主人公の割合は高い。人並み外れた身体能力を持っていたり、並々ならぬ根性や努力の持ち主であったり、人を引きつけるカリスマ性に恵まれていたり、凡人ならぬ発想力と行動力を持ち合わせていたり、何かの特殊能力をもっていたり、家柄や出自や過去が特殊であったりといったりだな。」

鼎「女性向け漫画の場合は違うの?」

愛原「俺は女性向け漫画に関してはほとんど知識がないので偏見まみれの主観にはなるが、あくまで俺の心細い主観の中では、あやかり系主人公の割合が男性向けのそれと比べて、明らかに高い印象はある。女性主人公はあくまで英雄よりも平凡に近い側の人種であり、その女性主人公とやがて結ばれることになる男性ヒロイン(本来、ヒロインというのは女性に対する用語であり、誤った表現ではあるが、主人公と対になる重要異性の事を、今回だけはあえて男性ヒロインと表現する)の方が、多芸多才であったり、文武両道であったり、並々ならぬイケメンであったり、均整な体型に恵まれた長身であったり、高貴な家柄であったり、あるいはその複数の要素を兼ね備えているケースが目立つ印象を受けた。」

鼎「恋愛ものだったら、そういうのは珍しくないと思うよ。憧れの男性ヒロインがどこにでもいそうな平凡側の人種だと、話が全然盛り上がらないから。やっぱり白馬の王子様側の男性ヒロインでないと。」

逆沢「けどそれを言うなら、最近のラノベとかも、そういう傾向あるんじゃないの? 平凡な男性主人公と対になる非凡なヒロインという構図がやたら多いというか。涼宮ハルヒの憂鬱とか、一部の作品は名目上は女性が主人公って事になってるけど、実質的には特定の男性キャラクターの目線で主に物語が進行したり、特定の男性キャラクターを中心にハーレムというか、多くの女性がからむ構図になってるけど、それらも平凡側の男性キャラクターの周りに群がる非凡側の女性キャラクターという構図にまとめられそうだし。」

鼎「昭和の頃の男性向け漫画は、スポ根ものであったり、バトルものであったり、恋愛要素が二の次の作品の比率が高かったけど、今はラノベ系の作品が増えて、それで男性を対象とした恋愛ものも増えたような気がするよね。」

逆沢「そしてよくよくみれば、恋愛ものの多くは、平凡な主人公が非凡な異性ヒロインと仲良くする流れになっているという事ね。」

愛原「男性の女性化が進んでいるのかも知れんな。少なくとも昭和時代の男性は自身が非凡な英雄である事を望み、あるいは英雄に憧れ、それに準じた作品が人気を得ていた。漫画やアニメの世界だけではなく、時代劇や刑事ものであっても同じ。圧倒的な戦闘力やカリスマ性をもった主人公が、悪を蹴散らしたり、偉大な業績を重ねていく。そんな作風が主流だった。」

鼎「けど女性向けの作品は、逆に昔からあやかり系主人公の割合が高かった気もするよ。少女漫画の世界からメロドラマまで幅広くみても、平凡だけどお節介な女性主人公が周囲をかき回しながら、困難な事件を解決したり、非凡な男性ヒロインとやがて深く関わっていくようなストーリーが、男性向けの作品よりも明らかに多そうというか。」

逆沢「玉の輿文化かねー? 平凡な私でも、非凡なお相手と一緒になる事で、自分自身も偉くなったような気になれるみたいな?」

愛原「俺には、英雄とタメ口を交わせたり、英雄の行動に対等以上の立場で干渉できる関係に憧れているような感も受ける。少なくとも昨今のラノベをみる限りでは。」

逆沢「いわゆる【やれやれ系】と言われる主人公なんか、その傾向が強そうね。圧倒的な戦闘力とか、行動力とか、カリスマ性とか、英雄的資質としては、明らかに女性ヒロイン達の方が上の事が多いのに、それを斜め上から見たような目線で干渉して、彼女達の時に無謀とも思える行動を阻止したり、逆にアドバイスや励ましなどの干渉行為をして、実質的に彼女達を制御できる立場というか。本人自身は平凡側の人間だけど、非凡側の人間を実質的に支配している立場というか。」

鼎「最近はともかくとして、全体としては女性向けの作品の方が、それでもあやかり系主人公の割合は高そうだけど、女性も非凡側の男性を操りたい気持ちとかは強いのかな?」

愛原「最近の大河ドラマの傾向をみると、その可能性は十分ありそうだな。」

逆沢「最近の大河ドラマか?」

愛原「近年、女性を主人公とした大河ドラマの割合は、少なくとも昭和時代と比べて大きく増えている。昔は英雄型の男性主人公の割合が圧倒的に高かったが、ここ最近10年ほどでは、浅井長政の三女の江であったり、篤姫であったり、山内一豊の妻であったり、新島襄の妻であったり、来年に至っては吉田松陰の妹だろ? 英雄の近くにいる立場の、あやかり系女性主人公の割合が恐ろしく高い。異常なまでに高い。」

逆沢「それだけ需要が高いって事なんじゃないの? 昭和時代と比べて女性視聴者の比率はますます高くなっているという話も聞かなくないし、実際に史実重視の歴史ファンからは叩かれても、不思議と視聴率的にも悪くないし。歴史上の女性となるとどうしても参考文献が乏しくて、史実に照らせば、怪しいエピソードや嘘っぱちエピソードも多くならざるを得ないけど、逆を言えば史実不詳の部分が多いからこそファンタジーの要素が盛り込みやすいから(したという証拠も少ない代わりに、していないという証拠も少ないので、した事にしやすい等)。英雄に近い立場だと、それだけ英雄にからむシーンもたくさん用意できるし。まぁそれで、江は歴史ファンからはすごく叩かれた訳だけど♪」

鼎「江の時の女性主人公の英雄への干渉行為は、すごかったらしいよ。信長・秀吉・家康といった大英雄に、対等に近い態度で干渉しまくったりして。あと、こんな歴史的シーンにまで立ち会っていた事になってたとかみたいな事もあったり。」

逆沢「おそらく来年の大河ドラマも、江路線になる気がするわ。色んな英雄の行動に口出ししそうというか。現代人の目線で攘夷は無謀とかテロ行為には反対とか、平気で言いそうな気すらするというか♪」

愛原「まぁ、でもそれがあやかり系主人公の特徴でもあるからな。ただ単に英雄のそばにいるだけではない。その英雄の行動にブレーキをかけたり、アクセルを踏む事で、自分は英雄と対等(あるいはそれ以上)なんだぞという事を示そうとする。自分自身は平凡であるにも関わらず、英雄にタメ口をきける立場を利用して、その権威を振りかざすと言ってもいいかも知れない。」

逆沢「なんかタチの悪い社長夫人型キャラクターという感じすらするわねー。本人自身は賢くも何ともないのに、その権威をかさにきて、上から目線でいかにももっともそうな事を言ったりするタイプとか。」

愛原「脇役のあやかり系ならそういう方向になるんだろうけど、ただ主人公のあやかり系はそうはならない方が多い。主人公は必ず美化される側の役割なので、意見が対立した場合、最終的には主人公の主張の方が正しい事になりやすい。英雄が失敗するようなシーンなら【自分は止めたのに・・・】みたいな展開になりやすいし、英雄が成功するシーンなら【逡巡する英雄を励ましてやる気にさせた】みたいな展開で推移するケースが多いようにも思われる。」

逆沢「うーん。まさにご都合的ラノベそのものだわ♪ 最近の大河ドラマですら、売れ線に媚びてそんな作風が増えつつあると思うと、なんか悲しい気持ちになるわ。」

鼎「けど歴史的な流れで言えば、女性を主人公にした場合、どうしてもあやかり系が増えるのは仕方ないのかも。女性の活躍の場が限定されていたのは事実だし、その事実を踏まえて、あえて女性が大活躍するような作品を作ろうとしたならば、英雄を影で操るような形以外に表現の仕方があまりなさそうな気がしなくもないし。」

逆沢「それに比べると、今の男性の女性化の方がヤバい気がしなくもないわね。現場でバリバリ働く女性ヒロインを裏で操る男性主人公のパターンって、考えてみれば男のくせにかなり情けないというか。」

愛原「ただあやかり系の方が現実味はあるからな。英雄に憧れることはできても、英雄になれる人は少ない。そして英雄になれる確率と、英雄と懇意になれる確率を比較しても、後者の方がなんとなく現実味を感じられる。まして現代は、ツイッターや握手会などのイベントを介して、英雄と交流できる機会は明らかに増えていて、偶像(IDOLの直訳)的存在であった英雄と凡人の距離が縮まって、リアルでも凡人が英雄により干渉しやすくなったという現実の変化もあるしな。」

逆沢「ただ、あやかるだけなら別に構わないけど、英雄相手に上から目線で干渉されると、ムッとする事もあるのよねー。【別にお前自身がスゴい訳でもないのに、何エラそうにしてんだ】という思いが抜けないというか・・・。」

鼎「けどそれが少なくとも昭和時代までの女性の主流価値観でもあったから、仕方ない面もあるかも。たとえば昔は社宅の団地というものもたくさんあったけど、そこでの女性の人間関係も、旦那さんの地位に依存していたなんて話も聞いた事があるし。数十年にわたって社宅の自治を切り盛りしてきた働き者の係長の嫁さんが、新しくやってきた若い奥さんの迷惑行為を厳しく叱責したらその奥さんが実は部長の新妻で、係長さん夫妻の方が遠方に左遷されたでござるみたいな事すらありえたみたいだし。本人の能力や人格とは関係なく、旦那の地位に比例して自分の社会的地位も自動的に決まるような世の中であれば、そういうあやかり系主人公が人気であっても仕方ないというか・・・。」

愛原「英雄の権力を笠に着た寄生虫型キャラクターは、虎の威を借る狐にしかみえず、俺としては本来好きになれるタイプではない。もちろんその多くは醜い性格をした脇役として登場する方が多いのだが、最近はそれらが主人公として昇格しており、無闇に美化される例が増えた点が気にならないといえば嘘になる。もちろん英雄のそばにいる者が全て寄生虫タイプであるはずもなく、助言者サポーターとして真に尊敬に値する者も多くいるとは思うが・・・。」

逆沢「助言者やサポーターか。俗に軍師とか女房役と言われる人達が該当するわね。そういや今年の大河ドラマの主人公が、確か軍師キャラだったはずだけど。ここ数年の戦国大河の中では一番面白いとかいう評もあるらしいわね。」

鼎「そういえば昔の大河ドラマは大名クラスの英雄が主流だったけど、ここ数年は直江兼続さんとか黒田官兵衛さんとか、あえてトップではなくナンバー2タイプの英雄を主人公にする例もみられるようになったよね。これも時代の変化かな?」

逆沢「軍師系主人公と単なるあやかり系主人公とは、共に誰かに依存したり仕える立場はすごく似てるのに、結構違うイメージがあるのはなんでかな?」

愛原「軍師系キャラは、自分の地位をわきまえ、仕える主君を立てる術も知っている。主君もその能力を高く評価しており、それ故に英雄に干渉する事が許されているケースが多い。対してあやかり系は、英雄相手にタメ口をきいたり、斜め上からの目線でコメントしたり、時には無礼な態度もいとわない。また業績面でも軍師系と比べて???な事も多い。というか業績ではなく縁故によって英雄に干渉する事が許されている。そこらが原因じゃないのか?」

逆沢「要するにあやかり系は、身の程を知らないという事か? あるいは英雄あっての今の自分という事に対する意識が低く、彼らに対するリスペクトに欠けるというか。」

鼎「なんかサッカーや野球の日本代表に対するファンの態度にも、関連しそうだよね。ファンにも、選手達に敬意を払えるリスペクト応援系と、上から目線で選手や監督を論評してチームの調子が良ければドヤ顔してあたかも自分の功績であるかのように振る舞うけど、チームの調子が悪いと平気で選手や監督をこき下ろして、日本の恥だと罵ったり、あるいは自分には関係ないからと、手のひらを返して無関心を装ったりする、あやかり系応援系に分かれそうと言うか。」

逆沢「ああ、その分類は面白いわね。確かにあやかり系は、手のひら返しも平気でやるし、上から目線で分析や論評するのも好きそうだわ。結果が出てから、ああすれば良かったとか、もっともらしい事言ったりして。」

愛原「あやかり系の中には、【内心で英雄のことを馬鹿にしてるだろ?】と思えるような振る舞いすらしてみせるタイプすらいるからな。自分自身は大した才も無い凡人のくせに。」

逆沢「あはは。まぁでも、気持ちは分かる。私だって、プロスポーツ選手とか実業家とか芸能人とか政治家とかを、上から目線で批判して、悦にひたりたい時はあるし♪ 自分自身が凡才だからこそ、英雄や成功者を見下す事で、少なくとも彼らと対等と思い込みたいというか、安心したい時ってのはやっぱりあるのよ。」

鼎「あやかり系主人公が人気の背景には、英雄を自分と対等(あるいはそれ以下)に置く事で安心したい私達凡人の願いみたいなものも、含まれているのかも知れないね。」

逆沢「社長夫人タイプにも2種類あるような気がしてきたわ。一つは自分の伴侶に敬意をもって接する事ができる賢妻タイプ。もう一つは英雄と仲良くなったのをきっかけに、自分もその英雄並みにエラくなったと思い込んで、伴侶にも周りの人にも尊大に振る舞う勘違いタイプと。あやかり系の人は、何かのきっかけで英雄と仲良くなったり、英雄の伴侶をめとると、後者のようになりやすいから注意が必要かもね。」

愛原「まぁいくら、身体能力が高かろうが、知謀や政治手腕に秀でていようが、カリスマ性があろうが、イケメンであろうが、性格的・思想的に全く尊敬できないタイプの英雄や、むかつくタイプの英雄もたくさんいるし、雰囲気的・外見的に好きになれない事もあるだろうし、普段は尊敬できてもこの点に関してだけは容認できないという行動を英雄が選択する事もあるだろう。決して無条件に英雄に敬意を払うべきなんて言うつもりはない。しかしだからといって、内心では英雄に敬意なんてこれっぽちも持っていないのに、英雄がちやほやされている時だけ便乗して、さらに自分も同じくらい立派な人間であると思い込んで尊大に振る舞うのは、何かおかしい気がする。」

逆沢「自分は他人を尊敬しない性格なのに、他人に自分のことを尊敬しろと要求する人間は、そりゃあ色々おかしいわ。まして尊敬に足る英雄はあくまで他人であって、自分自身が凡人であるなら尚更。」

鼎「他人にあやかる事自体が悪いとはいわないけど、自分自身までエライと思い込んだり、それを鼻にかけて他人に尊大に振る舞うような事は避けたいよね。」

逆沢「たまたま英雄と仲良くなれるきっかけを得たとか、身近な所から英雄が輩出されたからといって、それで色々勘違いするような痛い人にはなりたくないわね。」

愛原「今まで散々英雄にあやかっておきながら、その英雄が地に落ちたり、疎遠になった途端に、あっさりと手のひらがえしをするようなタイプにもなりたくないな。」

逆沢「そういうのは、英雄を利用するだけして賞味期限が切れたら捨てるタイプね。【私は公務員と結婚したのであって、貴方が好きで結婚したのではない。貴方が公務員を辞めるなら離婚する】タイプと同類というか。英雄に名声があったり、経済力がある内は、散々もてはやして惚れたりあやかったりもするけど、英雄本人の本質部分まで好きという訳では決してない。英雄が自分の手の内で転がってくれる内は色々支えもするけど、自分の思惑通りに動かなくなったらもう用はない。そう考えるタイプというか。」

鼎「有名人になった途端に親戚が増えるという話もあるけど、逆を言えば英雄としての賞味期限が切れると親戚の数も元に戻ってしまうという事かな? で、英雄として機能していた期間だけの親戚というのは、単に英雄にあやかりたくて寄って来た層だと。」

愛原「まぁ誰もあやかってくれないよりは、あやかってくれる人がいる方が、人生も充実するだろうし、あやかっている側も色々うれしくなれるだろうから、それ自体は構わんと思うけどな。ただ凡人である自分と英雄を同一視するのはできれば避けたい。英雄の権威を笠に着て虎の威を借るようでは他者に嫌われても仕方ないし、英雄が地に落ちた時に【裏切られた!】とか【国の恥だ!】とかわめいて英雄をバッシングするのも見てて見苦しい。英雄がどれだけ活躍しても、便乗してあやかっている人間の価値まで上がるわけでもないし、逆に英雄が地に落ちても、人は人、自分は自分なんだから、まるで自分自身が恥をかかされたみたいに怒る必要もないはずだ。」

逆沢「あやかり系主人公の中には、自分の意見に従わない英雄の行動に怒るタイプもいるみたいだけど、英雄側からしたら【なんでお前にそんな事で怒られなあかんねん】みたいなケースも多いと思うわ。あやかり系主人公からしたら、自分の思い通りに動かない英雄の事が生意気に感じるのかも知れないけど、英雄からみれば、凡人にいちいち指図を受ける筋合いもないだろうから。」

愛原「政治家や実業家や芸能人が失言をしたり不祥事を起こすことでネットユーザーからバッシングを受ける事も多いが、起きている時間の半分以上をネットに費やしているようなニートまがいのネット中毒者にバッシングされたら、さすがに同じように思うだろうな。【いくらなんでも、お前のような社会不適合者にまでバッシングされる筋合いはないわ】とか。英雄は英雄でプライドもあるから、いくら自分がバッシングされても仕方ないミスを犯したとしても、【お前のような奴にまで、見下される筋合いはないわ】というラインはあると思う。軍師系の人なら英雄に諫言する権利を英雄自身から認められているからともかく、ただあやかっているだけの人(少なくとも英雄からみたら、凡人以下にしか思えない相手)に一方的にバッシングされたら、普通に面白くもないだろうからな。」

逆沢「バッシングでも内容があれば傾聴に値するだろうけど、状況も理解せずに、見当違いのバッシングをする人も多いだろうからねー。だからこそ凡人なんだろうけど。」

鼎「けどそうやって凡人を馬鹿にしている人は、いくら英雄としての素質(身体能力なり家柄なり)をもっていて、周りからチヤホヤされていても、他者のまともな忠告や諫言にも耳を傾けず、イエスマンばかりを周りに囲って、どんどん駄目になっていくような気がするかも。」

愛原「英雄を利用するだけ利用しながら、内心で英雄を見下しているだけの凡人もダメだけど、周りからチヤホヤされている事であぐらをかいて凡人を見下している英雄もダメという事か?」

鼎「英雄は英雄でチヤホヤされているだけの長所があるのだから、その部分に対しては私達はもっと敬意を持つべきだと思うし、英雄の方も凡人よりも優れた部分はあるかも知れないけど、そうでない部分も多い事を理解して、自分のことを本気で応援してくれるファンや支援者は大事にしていかないとダメだと思ったかも。」

逆沢「私達はただ都合のいい時だけあやかるのではなく、その人の良い部分に対してはもっと素直に評価し、敬意も払う。そしてリスペクトができるファンや支援者を、英雄の方ももっと大切にすべきという事かな?」

愛原「地元から英雄が出たり、日本チームが活躍すれば、そりゃあうれしいし、あやかりたくもなる。しかしあやかる際には、彼らに対する感謝や敬意の念は忘れないようにしたい。逆に他人の活躍を根拠に自分自身も偉くなったと勘違いしたり、虎の威を借る狐のごとき振る舞いだけはできるだけ避けたいなと思う。」

鼎「あやかり系主人公の人達も、美味しいところだけ持っていくのではなくて、もっと相手に対してリスペクトをもつ姿勢を大切にして欲しいよね。英雄型キャラがそばに居てくれるからこそ、自分も輝く事ができるのだから。」

逆沢「英雄がそばに居なかったら、あやかり系主人公の見せ場なんか、何もなくなっちゃうからね。」















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