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愛原様のたわごと(14年7月20日)






愛原「軽く故障した。」

逆沢「ん? 頭なら元から故障気味だと感じてたけど、他にも色々調子悪くなり始めたか? まぁ歳を重ねるごとに脳や体が衰えるのは、仕方ない気がしなくもないけどね〜。」

愛原「そうだな。頭の毛がすっかり減った同級生や、親の介護問題で悩んでいる同級生もいるしな。俺自身としてはほとんど自覚ないけど、周りを見ていると、やっぱり歳は取っているんだなと自覚させられる。歳は取りたくないわ。」

逆沢「こらこら。ハゲの悩みと介護の悩みを同列に語るな。深刻さが全然違うだろ?」

鼎「漫才師のギャロップの林さんのようにかなり若い頃から頭髪で悩む(?)人もいるし、50代の若さで介護を必要とする程に脳や体が衰える人もいるから、早い人は20代でも頭髪問題や親の介護問題と深刻に向き合わなくてはならない人もいるよね。」

逆沢「親が40代以降の時に生まれた子供なら、成人する前に衰えた親を介護しなくちゃならなくなる可能性もありそうね。」

鼎「すごく深刻な社会問題だよね。そういうのは。」

逆沢「で、お前の場合は、どんな深刻な故障に見舞われたのだ?」

愛原「何、軽く足を痛めただけだ。別に日常生活に支障は無いけど。」

逆沢「お前は、その程度の事で騒いでいたのか? そんなしょうもない事で騒いで、ハゲや介護で悩んでいる人に申し訳がないとは思わないのか?」

愛原「いや、別に騒いでなんかいないし、勝手に話を膨らませたのは、お前らだろ? ・・・って、よく振り返ってみたら、頭髪ネタや介護ネタを最初に振ったのは俺の方だったか? うーん、マジで頭の方も暑さで弱っているらしい。」

逆沢「頭の故障は、昔からだろ? 暑さのせいにすんな。で、その故障というのは、要するに怪我のことか?」

愛原「怪我という程、大げさなもんでもないけどな。あくまでスポーツ用語で言う所の故障だから。」

鼎「大相撲やプロ野球の世界で故障というと、骨折とか打撲とか結構大変そうなイメージがあるけど。」

愛原「ランナー基準での故障だから、そんな大げさなもんではない。まぁ一応、疲労骨折の疑いもあったから整形外科で看てもらったけど、幸いにして炎症だったわ。」

逆沢「要するに運動のし過ぎって奴か?」

愛原「まぁそんな感じ。運動の強度自体はそう変えてはいなかったのだが、気温の上昇に伴って、体の負担が増えたせいじゃないかと思ってる。同じ距離を走っても、夏と冬では、全然体に対する負担が違うからな。」

逆沢「ん? でも暑い方が汗もたくさん出てよく鍛えられるだろ? ついでに言うと痩せられる♪」

愛原「暑さによる発汗作用では、まるでダイエットにはならんぞ。言っておくが。」

鼎「サウナダイエットという言葉も聞いたことがあるけど、やっぱり実際には効果ないの?」

愛原「ダイエット効果という意味では、限りなくゼロに近い。水分が体外に排出された分だけ体重として軽くなるのは事実だが、脂肪などが燃焼される訳ではないし、水分補給すればすぐに元に戻る。400ミリ献血をした直後だけ、400ミリリットル分の体重が軽くなるのと同じ理屈。普通に食事をしてればすぐに戻ってしまう。」

逆沢「うーん。やっぱりそうか。結局の所、ダイエットを成功させるには、食事制限するか、運動するかくらいしか方法はないって事か?」

鼎「食事制限型ダイエットとしては、レコーディングダイエットとか、ダイエット食品によるものとか、絶食型ダイエットとか、手術による強制ダイエットとか、色んなものがあるらしいね。どれが一番効果的なのかなぁ?」

愛原「ダイエットなんてものは、成功する人と失敗する人がいるし、この方法が特に効果的というものは存在しない。特に根気や我慢が続かない者は、何をやってもまず失敗する。ヤバいクスリを使用するか、特殊な手術をするのなら、話は別だけど。」

逆沢「ヤバいクスリに手を出してまで痩せたくなんかないわ。」

鼎「特殊な手術というと、どんなものがあるのかな?」

愛原「まぁ胃袋を小さくしたり、脂肪を吸引したりとか。ちなみに胃袋を小さくすれば、食欲なども減退する。胃がんなどで胃を切除して強制的に小さくしてしまった場合、その人の食欲も目に見えて落ちてしまうが、色々問題点も多いので、この方法で痩せようとする人はちょっと聞いた事が無い。脂肪切除に関しては、アメリカやオーストラリアにいるような命に関わるレベルの超肥満体型でない限りは、費用面でもリスク面でもやはり薦められるものではない。脂肪吸引についてはよく分からない。」

逆沢「普通に食事制限ダイエットが、最終的には一番近道って事か?」

愛原「我慢と根気に自信があるなら、それが一番手っ取り早い。最低でも3ヶ月は必要だが、継続できればそれなりには胃も小さくなって食欲も以前より減っているだろう。まぁ1ヶ月未満でも体重減少面での効果だけは見込めるが、その場合は胃の大きさまでは変わってないだろうから、リバウンドの可能性が高くなる。」

鼎「つまりダイエットが成功するかどうかは、最終的には、ダイエット前の食事量より落とした状態のまま日常を送れる体を作れるかどうかにかかっているという事か?」

愛原「そういう事。食事を減らせば体重は間違いなく減る。しかし元の食事量に戻せば、体重もそう遠くない内に元通りに戻る。ダイエットに失敗する人というか、リバウンドする人は、十中八九ほぼ間違いなく、食事量がいつの間にか昔のひどい状態に戻っているはずだ。」

鼎「つまりどの食事制限ダイエットを選んでも、より少ない食事量で体が馴染むまでにダイエットをやめてしまうと、元の木阿弥になっちゃうという事かな?」

愛原「うん。ああ、ちなみにより少ない食事量で体が馴染むようになったとしても、放漫な食生活やら怠惰な生活を続けていたら、胃がまた大きくなって、長期的には元に戻っていくからな。レコーディングダイエットだろうがなんだろうが、やめたら少しずつ戻っていく可能性はある。」

逆沢「なるへそ。ところでダイエット食品というのは、実際にはどの程度効果あるの?」

愛原「ダイエット食品には大きく分けて2種類ある。一つは低カロリーでありながら満腹感を刺激しやすいもの。普段の食事の代わりに、これを適量だけ摂取し続けたならば、(ちゃんとした製品なら)効果が見込める可能性はある。言っておくが、普段の食事の代替だからな。普段の食事に加えてこれを食べたら、もっと太るぞ。あと間食などももってのほか。」

鼎「けど間食が大好きな人に、いきなり止めろといってもしんどいと思うよ。」

愛原「だったら間食の量を減らせ。あと間食の中身を変えろ。スナック菓子などは論外。口が恋しくなったら、キシリトール入りのガムかみまくるか、お茶なり炭酸飲料でも飲んでおけ。飴も時間あたりの効率を考えれば、悪い選択ではない。」

逆沢「炭酸飲料はダメだろ?」

愛原「どうしても飲みたいなら別に構わん。但しノンカロリーか、それに近いもの限定だけどな。炭酸系は割と腹が膨らむメリットもあるし。」

鼎「キシリトール入りガムって、ダイエット製品ではなく、虫歯予防の為のものじゃなかった?」

愛原「キシリトールには、おなかを緩くする副次効果もある。つまり一時的な下痢症状になりやすい。これによって肉体がカロリーを無駄に摂取する前に排出しやすくなる。ちなみに2種類あるダイエット食品のもう一つが、この下痢を誘引しやすくする種類のものだな。」

逆沢「なるほど。しかしダイエットに炭酸飲料やキシリトールガムを薦める奴なんて、お前が初めてだわ。」

愛原「俺は専門家じゃないから、うまくいってもいかなくても責任は取らないけどな。所詮たわごとだ。」

逆沢「あ、逃げた!」

愛原「んな事言われてもなぁ。何度も言うが、どうやってもダイエットに成功しそうにない根性無しのヘタレも世の中には多いのだ。そんな奴らの面倒まで見てられんわ。まぁいずれにしろ食事制限は、ダイエットの基本中の基本。肥満度が高いほど、優先して取り組むべきだ。」

鼎「けど絶食ってすごく大変だし、健康にも悪そうだけど・・・。」

愛原「いや、メタボ体型維持する方が、長い目で見たら余程健康に悪いから。まぁ絶食までしろとは言わないけど、肥満傾向の強い人は元々平均以上に食べ過ぎている事が多いから、それを普通の人並みに減らすだけでも効果は十分に見込めるはず。スナック類は当然として、肉類なども摂取を抑えた方がいい(でないと肥満体型の人はメタボや糖尿病にもなりやすい)。炭水化物はエネルギー源そのものなので、ダイエット中であってもある程度は常に摂取しておくべきだが、運動も仕事もあまりせず(要するにカロリーを大きく消費させる予定がない)、ぐうたらに過ごすだけの予定なら、限りなくゼロに近づけても問題ない。」

鼎「炭水化物というと、米やパンが代表的だけど、どちらがいいかなぁ?」

愛原「極端な大差はないから好みで構わないけど、厳密にいうなら米の方がマシかな? バターもジャムも何もつけないのならパンの方がカロリー的には低めだけど、そんな食べ方する奴はあまりいないだろうし、パンの方が結果的に高カロリーになりやすい。あとパンというか、麦類は消化が早く(血糖値が急上昇しやすく)、結果的に早く空腹になりやすいという特徴もある。まぁネットで調べたらこの辺の理屈はよく分かる。」

鼎「運動によるダイエットはどうかなぁ? 人によっては苦労して1キロや2キロ走っても、その疲れを癒やすためにジュース1缶飲んだら、カロリー相殺されてしまうから、全然意味ないって主張する人もいるそうだけど。」

愛原「運動ダイエットの意義は、カロリーうんぬんだけではなく、太りにくい体作りの方にある。なのでそんな言い訳なんか無視して構わん。きちんと運動を続けていれば、筋肉量なども増えるし、それらが増えれば肉体が一日あたりに消費するカロリー量も目に見えて増えるから、結果的に太りにくい体になっていく。アスリートと言われる人は、デブにほど遠い体型をしていても大体大食漢だしな。」

鼎「確か公務員ランナーとして有名な川内選手なども、超大盛りの丼などをしっかり食べてて、あの体型だよね。運動でたくさんエネルギーを消費するから、それに見合うだけの食事を取ろうとすると、あれだけの大盛り丼が必要になるのかなと思ったかも。」

逆沢「体質の問題もあるだろ? 一時期はやった大食いタレントとか、どう見ても特殊体質っぽいし。」

鼎「食事してから排便するまでのサイクルが極端に短い人は、特にそうなりやすいらしいよね。私が知ってる人は、昼食食べ終わって10分以内にいつも大の方をする為に便所に行ってるよ。その人もすごい大食漢だけどむしろやせ形だし。」

愛原「体質の問題もあるが、きちんと体作りをする事で、太りにくい体になるのは間違いなく事実だ。まぁランナーの場合は、カーボローディングの一環として、通常の人の数倍の食事を取るケースもあるけど。俺がテレビで見た時は、ラーメンか丼系か何かだった気がするが、いずれにしても炭水化物主体の食事だった事を考えると、カーボローディングとしての条件をきっちり満たしているから、それだった気がしなくもない。」

逆沢「カーボなんとか言われても意味分かんないけど、ランナーは人一倍食べまくる方が体にいいのか?」

愛原「レース本番の数日前あたりから、通常よりはるかに多くの炭水化物(より厳密に言うとグリコーゲン)を摂取する事で、ばてにくい体を作る事ができる。まぁそんな訳で長距離ランナー系の人は、見た目はガリガリでも、必要に応じてデブに負けないくらい食べまくる人もそこそこいると思われる。まぁ彼らの場合は、ジャンクフードの類いはほとんど食べないだろうけど。俺の場合も、人生最大の楽しみの一つはうまい物を食べる事だと思っている方だから、食事制限ダイエットなんかはあまりやりたいとは思わんし、どうしても痩せたいと思ったら、彼らにならって、まずは運動で体重を制御する方を選ぶわ。」

鼎「その気になればウォーキングとか通勤サイクリングとか、何でも方法はあるよね?」

愛原「まぁ、やらないよりはやる方がマシではあるけど、ダイエットの観点でいえば、ウォーキングや通勤サイクリングレベルでは話にもならないだろ? たとえば高校3年間、毎日30分以上かけて自転車通学したからといって、それだけでダイエットに成功した奴なんか、まずおらんだろ?」

逆沢「言われてみればそうだ♪」

愛原「ウォーキングやママチャリ通勤なんてのは、老化や肉体の衰えの防止にはすごく有益だけど、ダイエットや肉体作りという意味では、あまりにも物足りな過ぎる。仮にサイクリングで体作りをしたいなら、たとえば8万円級以上のクロスバイクなどを買って、その上で本格的に取り組むくらいの覚悟が欲しい。そこまでカネかけられないなら、ウォーキングではなく、ジョギングもしくは水泳などが望ましい。まぁ超肥満体型(&運動習慣無し)の状態でいきなりランニング始めたら、膝関節などを故障する可能性が高いので、そういう人にはランニングは全く薦められないけど。」

逆沢「デブにいきなり走らせるのは危険か?」

愛原「若い内ならまだしも、25過ぎたらさすがになぁ。学生時代なら週に何回か体育の授業で体を動かす機会もあっただろうけど、もう何年も運動らしい運動をした事がないような不健康デブが、いきなり本気で走り込むような真似は、俺としてはちょっと薦められん。筋肉の場合は翌日に筋肉痛になるくらい痛めつけた方が超回復による強化が見込まれてメリットもあるが、関節の方は消耗品に近く、無闇に痛めつけても関節の寿命を縮めるだけでデメリットが大き過ぎる。そもそも走っている時に足に伝わる衝撃の強さは歩いている時の約3倍もあって、元々過重量のデブの膝に通常の3倍の衝撃を加えるのは、あまりにも危険と言わざるを得ない。デブは歩く速度と大差ないようなスロージョギングから徐々に慣らすくらいで丁度いい。それでも十分にダイエット効果はあるから。(但し肥満レベルがかなり高い人は、スロージョギングすら危険なので、素直に食事制限ダイエットに専念するか、運動するならプールの中で歩いたり泳ぐ事から始めた方がいいと思われる。)」

鼎「ウォーキングではダメなのに、スロージョギングならOKなの?」

愛原「スローでもジョギングなら有酸素運動として高い効果が見込める。」

逆沢「あー、有酸素運動か。ダイエットで検索するとよく出てくる言葉だけど、確か20分以上続けると、脂肪が効率よく燃焼してより高い効果が見込めるらしいわね。」

愛原「まぁ短くても悪くはないんだけど、可能なら20分以上である方が望ましいだろうな。ちなみにスロージョギングを薦めるのにはもう一つ理由がある。運動強度が上がると、脂肪ではなく糖質(より厳密に言うとグリコーゲン)をより燃焼するようになり、脂肪の燃焼効率が落ちるからだ。あと可能なら20分以上というのも同じ理由で、運動開始後20分ほどは、糖質が主に燃焼される時間帯だから。ハイブリッドカーでいうところのガソリンが糖質で、電気が脂肪と思ってくれたら構わない。車が走り出すときにはガソリンがたくさん必要だけど、ある程度走り出したら電気の力をメインにしても十分走り続けられる。しかし高速で走り続けたいなら、やっぱりガソリンの燃焼が不可欠といった所だな。」

逆沢「なる程。つまり無理にスピードを出すのではなく、スロージョギング状態を維持した方が、脂肪燃焼効率としてはむしろ良いって訳ね。」

愛原「ついでに言うと、スロージョギングの方が長時間走れる。ガソリンに相当する糖質の消費が抑えられるからだ。そしてその分だけ脂肪が優先して燃焼されていく。まぁそれでも限度はあるけどな。なぜなら人間の体は無補給では2時間程度までしか走れないように出来ているから。それ以上入り続けようとしても、糖分が枯渇してガス欠を起こしてしまうからだ。」

逆沢「要するにガソリンが切れてしまう訳ね。」

愛原「ちなみに夏は、より稼働時間が短くなる。糖分を効率よく燃焼させるには水分が必要になるが、夏は暑さで水分が通常以上に不足するからだ。水分や糖分が足りないのに無理して走り続けようとすると、脳や関節など多機能に渡って故障させる可能性があるので、通常は全く薦められない。」

鼎「でも市民マラソンランナーの中には、4時間でも5時間でも走り続けられる人がいるよね? あれはどうして?」

愛原「走りながらでも栄養補給を続けているから。いわゆるスペシャルドリンクとか、ああいう感じの。」

逆沢「あれは乾いたのどを潤す為だけのものじゃなかったのか?」

愛原「水分補給ももちろん必要だけど、栄養補給の意味も含まれている。10000メートル走レベルなら必ずしも必要ないけど、ハーフマラソンレベル以上になるとエイドステーション(補給ポイント)が必ず設置されているはず。もっとも2011年に静岡県の富士山界隈で行われた【ふじのくに新東名マラソン】大会では、17キロもの間、給水ポイントがなくなるトラブルがあって、【バターン死の行進】とか呼ばれてた事があったな。側溝の水をすくって飲むランナーなども現れる程の惨状だったとか。」

逆沢「それ、命の危険すらあるだろ?」

愛原「だから【バターン死の行進】とも揶揄されたのだ。まぁその大会は、トイレ対策も不十分で何十分もトイレ行列待ちさせられたあげく、トイレットペーパー無しでの用足しを余儀なくされた人も出たり、色々問題だらけだったらしいが。故に当時、スカトロGPと並び称されて、ネットで密かに話題にされていたようだ。」

逆沢「何、そのスカトロGPって?」

愛原「静岡県内にある【富士スピードウェイ】というサーキット場で2007年に起きた不祥事。多少の話の誇張はあってもおかしくないが、主催者側の不手際で子供や女性客を含む複数の客が野糞を余儀なくされたとかいう噂まで流れて、その過程でウ○コ祭りとかスカトログランプリ(スカトロGP)とか揶揄された(のち、2013年にサーキット場側に慰謝料などの賠償判決も下される)。で、どちらも同じ静岡富士山界隈が舞台と言う事もあって、セットで語られる事もあったようだ。って、ウ○コの話なんかこれ以上したくもないので話を戻すが、フルマラソンでは補給ポイントがちゃんと用意されているかは、極めて重要な要素になる。公務員ランナーとして有名な川内選手も、たった一カ所エイドステーションで補給し損ねただけで、タイムを一気に落とした事もあったし、フルマラソン規模では、たった一回の補給ミスが命取りになる事は珍しくないのだ。まして中盤以降で17キロも補給不能になったら、並のランナーではグロッキー状態不可避だわ。」

鼎「17キロ走ろうとすると、どれくらいの時間がかかるかな?」

愛原「個人差が大きいから、何とも言えないな。というか、一般人の大半は17キロ入りきる事自体無理だろ?」

逆沢「まぁそこらの中年メタボ親父の大半でいえば、1キロ走る事もできない気がするわ♪」

鼎「でも根性さえあればなんとかなりそうな気がするけどなぁ。確か【愛は地球を救う】で有名なテレビ番組で恒例のマラソン企画でお笑いの森三中の大島美幸さんも、24時間かけて88キロ走ったんでしょ?」

愛原「厳密には24時間を30分オーバーしてるけど、ほぼ24時間だな。」

逆沢「あの体型でよく88キロも走り続けたと思うわ。」

愛原「88キロを24時間で割ってみろ。」

逆沢「ん? 時速3.7キロ未満か。んんんん?? なんかおかしくないか? 普通の人の歩く速度より遅いじゃねえかっ!!!」

鼎「確か普通の人の歩行速度は大体4キロくらいらしいよね。もっとも広告でよく見られる【駅から歩いて○○分】というのは時速4.8キロで計算されているらしいから、実際はもっと早いのかも知れないけど。日本最速を争う東京人や大阪人のビジネス街における歩行速度が大体時速5.7キロくらいだったかな? それらと比べると確かに時速3.7キロは遅い気がしなくもないかも。」

愛原「別におかしくない。凡人が眠気に耐えて24時間頑張って歩き続けたら、大体こんなものだろ?」

逆沢「数字上の辻褄はあうかも知れないけど、これ、24時間マラソンじゃなくて、24時間ウォーキングじゃねえか〜!!!」

愛原「そもそもあの体型で24時間も走れるわけないだろ? 常識で考えて。つうか少々鍛えてる人でも、24時間走り続けるのはかなりキツい。だから企画としては間違ってない。ちなみに24時間マラソンの第1回は、挑戦者が間寛平で距離は200キロだったが、結局失敗に終わっている(翌年度にリベンジして成功)。あの間寛平ですら、24時間走り続けるのは相当キツい。まして大島嬢ではまず無理に決まっている。」

逆沢「つう事は、大島某に限らず、ほとんどの24時間テレビのランナーは、まともに入ってないという事か? まぁあのマラソンイベントは、色々インチキ疑惑もあるらしいけど。テレビで映している時だけ走っている疑惑なんか軽い方で、1時間で20キロも進んだ疑惑とか、3歩で610メートル進んだ疑惑とか、色々あるし。」

鼎「高橋尚子さんのフルマラソンベストタイムが約2時間20分だから、1時間で20キロも走れたら、オリンピックで世界新記録が狙えるレベルだよね。どう考えても不自然すぎるよ。」

愛原「近年はネットの普及もあってか視聴者による監視が進んでズルはほぼ不可能になったとも言われるが・・・。ちなみに大島嬢は88キロだったけど、徳光和夫の時は66キロ、萩本欽一の時は70キロ、はるな愛が85キロ、丸山和也でようやく100キロだからな。大島嬢はよく頑張ってる方だぞ。まぁ88キロだろうが24時間だろうが、ウォーキングだけで痩せるのはほぼ無理だけどな♪」

鼎「改めて間寛平さんのすごさが分かったかも。」

愛原「間寛平氏は、かつて1週間かけて神戸〜東京間600キロを完走したとされる程の猛者だからな。並のランナーなら、確実に途中で棄権するか、故障するわ。」

鼎「漫画の世界だと、それでも気合いで走り抜く事も珍しくないだろうけど・・・。」

愛原「まぁダイエットにしろマラソンにしろ、根性がない事には始まらないのは事実だ。しかし根性だけではどうにもならないのもまた事実。漫画の世界では、凡人の数倍ハードなトレーニングをする事で、凡人の数倍は強靱な肉体を手に入れる事も珍しくないが、凡人が実際にそれをやると確実に故障する。」

逆沢「運動不足の百貫デブがいきなり本気ペースでマラソンをやろうとしても、膝関節などを壊してアウトになりやすいようなもんか?」

愛原「そんな感じ。肉体改造というのは、根性論だけでやるものではない。」

鼎「でも昭和時代には、水は飲まないとか、ウサギ跳び上等みたいな無茶なトレーニングも横行していたらしいけど、それでも平成の若者よりもはるかに鍛え上げられた肉体を持っている人は多かった気がするけど・・・。」

愛原「スポーツの世界では、常に成功者だけしか取り上げられないからな。一握りの成功者の影には、無茶なトレーニングによって取り返しの付かない故障に泣いた無数の屍が転がっているだろう。もちろん成功者が一握りしかいないのは現在でも同じだけど、成功しなかった人間が屍になっている率は、今の方がはるかに低いと思う。」

逆沢「まぁ現在は、泣き寝入りしない世の中だからねー。無能な指導者によって一生治らない傷を負わされたり、むごい【かわいがり】をされようものなら、訴えられてもおかしくないし。」

鼎「人一倍ハードなトレーニングをしても耐えられるような強靱な肉体を持っている人だからこそ成功するんだろうと思うけど、そんなトレーニングを凡人にも要求したら、肉体が壊れちゃってもおかしくないよね?」

愛原「その通り。本来、トレーニングというのは、その人の素質や習熟レベルによって変えていくべき種類のものだ。かけ算割り算も出来ないものに因数分解や微分積分を教えても無意味であるように、その人の能力を超えたトレーニングは害にしかならない。肉体改造というのは、本来はもっと科学的・段階的に実践されなければならないものだ。」

逆沢「ただファンタジー世界では、科学的トレーニングを重視するキャラクターは、根性論的トレーニングを重視する熱い魂をもった主人公達に、必ず破れる宿命みたいだけどね。」

鼎「どんな最先端技術も、主人公達の根性パワーとか友情パワーとか諦めない心の前に打ち砕かれるパターンばかりだよね。」

愛原「俺としては正直、無闇な根性論賛美路線は支持したくない。根性論だけで切り抜けられるのは、元々とてつもない素質に恵まれているか、もしくは幸運(指導者に恵まれているとか、選んだ鍛錬方法が偶然その人にとって理にかなった最善のものであった等)に恵まれているか、あるいはその両方に恵まれている者だけだ。大半の凡人、特に人一倍優れた才も何も無い俺のような凡人の場合は、ちゃんとした科学的トレーニングを心がけないと、故障に泣く可能性が極めて高くなる。」

鼎「人より優れた才能に恵まれていても、年齢を重ねれば衰えは避けられないし、若い頃と同じようなトレーニングをしてたら、いつか確実に故障すると思うよ。」

逆沢「老人が若者と同じレベルで体動かそうとしても、そりゃあ無茶だわ。漫画の世界なら若者顔負けのスーパー老人も珍しくないけど、現実は非情だから。」

愛原「その点で言えば、連載終了直前の【スランダンク】は、漫画らしくないリアリティーがあったな。ひどい無茶をした天才主人公がちゃんと故障していた。」

逆沢「主人公が故障した直後に連載も終了したけどね。まぁリアリティーにこだわるなら、あそこで連載終了するしかなかったんだろうけど。でないとスポーツ漫画ではなく、一生完治しないかもしれない故障と闘っていく主人公によるリハビリ漫画になっちゃうから。」

鼎「ご都合的ファンタジーものなら、驚異の身体能力とやらでどんな重傷であっても、次の大会までに必ず怪我を克服して、再び大活躍できるのにね。」

愛原「現実は残念ながらそうはいかない。プロ野球選手だろうが相撲取りであろうが陸上選手であろうが、一度故障すると、時には半年一年以上、治療とリハビリに専念しなければならないケースは珍しくないし、故障が原因で引退に追い込まれる事も珍しくない。」

鼎「ファンタジーだったら、ヒーローが怪我をすればするほど物語は盛り上がるし、故障を怖れて逃げるようなプレイをする事を恥と考える傾向も多いけど、現実はそう単純じゃないって事かな?」

愛原「決死のダイビングキャッチでチームを救えばその時はヒーローになれるかも知れないけど、それで故障して一年を棒に振った場合、その選手の年俸に響くのはもちろんだが、チーム全体もその選手抜きで残りのシーズンを戦わなければならなくなり、チーム全体にとっても大きなマイナスにもなりかねないからな。」

逆沢「うーん。観戦してる方としては、ダイビングキャッチしてくれた方が絵になるんだけどねー。ワンバウンドキャッチで捕球されても、正直怠慢プレーにしか見えないし。」

鼎「けど世界の盗塁王として有名な福本豊さんも、成功の秘訣を聞かれたら【まずは怪我をしない事】を第一にあげるそうだし、実際にヘッドスライディングなどの危険なプレイをほとんどしなかったそうだよね。【一度トロフィーで怪我してから邪魔やと思って欲しい人にあげとる】なんて迷言すらあるそうだし。 」

愛原「まぁ、厳密には状況にもよるだろうけどな。まぁ目の肥えたファンなら、シーンに応じて、少しくらいは無理をして欲しい場面(それすらできないなら、プロとしての価値はないと思える場面)と、そうでないシーンの区別くらいはつくし、選手達自身ならより分かっているだろうから、状況に応じて判断してもらうしかないが。プロでないなら、もう本人のこだわりの問題としか言えん。」

逆沢「まぁ状況にもよるだろうけど、リミッターを外して無茶をやるのまでは全く薦められないって事ね。」

愛原「歴史に名を残したいのなら、無茶をして大きな代償を背負っても挑戦する価値はあるだろう。またあえて自分の限界に挑戦したい人なら、今こそが人生の晴れ舞台と信じて無茶に挑む価値もあるだろう。しかし健康やダイエットの為に無茶をして故障したら、それはバカと言われても仕方ない。スラムダンクの主人公にとって、あの試合にどれだけの価値があったのかは分からないが、もしも将来もっと大きな夢があったのなら、あまり無茶はすべきでなかったかも知れないとも思う。もちろん彼が【この程度で引き下がるようなら、とても大成は出来ない】とか【今こそが人生最大の晴れ舞台】と考えていたならば、無茶をする価値もあったであろうから、どっちが正解と断じる事はできないけど。」

逆沢「まぁ一流の世界に生きていない凡人からすれば、無茶をする意味自体全くないんだけどね。」

愛原「俺のような凡人の場合、故障してまで得られるメリットなんかほとんどないからな。正直、適度に休養も挟みながら地道に鍛えていく(or衰えを防ぐ)しかない。自分の才能を超えるハードトレーニングに挑んでも、ボーダーラインを超えたら故障してしまうからな。」

鼎「でも故障を怖れて何もしないのも、それはそれで決して良い結果はもたらさないよね。」

愛原「まぁ、それはその通り。たとえば関節などは基本的に消耗品なので酷使は避けるべきだが、じゃあ全く使わないとどういう事になるか? 実はもっと早く劣化する。結論的に言うと、適度に運動して筋肉や骨を強靱化した方が、衝撃に対するクッション性も上がるので、関節をより痛めにくくもなって、より長持ちもする。逆に運動不足な状態が長引くと、いずれは歩くのもつらくなる程、関節も劣化する。特にメタボデブの場合、体重全体が重りとなって各関節に乗りかかるので、関節にかかる負担は半端ない状態になる。特に糖尿病を併発すると、病気に対する自然治癒力も落ちるので、そのまま要介護路線に直行しやすくもなる。」

逆沢「結局の所、凡人に必要なのは、身の程のわきまえた適度の運動って事になる訳か? なんとも当たり前すぎてつまんないオチだけど。」

愛原「ただ現実問題として、ハードトレーニングで故障する人よりも、運動不足の人の方がずっと多いからな。そして運動不足の人ほど、色々理屈をつけて最小限の運動すら避けようとする。上にあげた【少々走っても、その後にジュース飲んだら、どうせカロリーは相殺されてしまうから無意味】論なんか、まさにその典型だな。」

逆沢「典型的なサボリの口実ね。」

愛原「【今の(太った)掛布雅之や岡田彰布をみたら、運動しても無意味】論【今の(少し体型を戻しつつある)岡田斗司夫をみたら、レコーディングダイエットも無意味】論も見受けた事があるが、これらもひどいサボリ口実の典型だな。」

逆沢「彼らが太ったりリバウンドしてるのは、年齢のせいもあるかもしれないけど、まずはプロを引退したことで以前ほど運動をしなくなったとか、以前ほど真剣にダイエットに取り組まなくなっただけだろうからねー。少なくとも彼らが運動やレコーディングダイエットに真剣に取り組んでいた頃はちゃんと成果が出ている以上、それら自体の効果に問題があった訳じゃない事は明らかだし。」

愛原「彼らサボリ系の人々は、根性論を非常に嫌う。しかし根性の代わりに自分が何を取り入れているかといえば、実は何も取り入れようとしない。うまくいかない理由ばかり考えて、何もしようとしない自分を正当化するだけ。現実に肉体改造やダイエットに成功している人が存在しているにも関わらず、そういう成功例をちゃんと分析しようとせず、失敗例ばかりを引き合いに出してサボりの口実にする。物事を成すには、根性ややる気だけでは足りないかも知れないが、だからといって根性ややる気を全否定したら何をやっても成功しない事を理解しようとしない。」

鼎「物事を成そうとすれば、正しい知識(科学など)やる気(根気など)の両方がバランス良く必要だよね。少なくとも、屁理屈ばかりごねて全く動こうとしない人が何かを成し遂げる事は絶対に無いし。」

逆沢「逆に知識なきやる気を暴走させても、その先にあるのは故障とか、そんなだけどね。」

愛原「まぁ凡人の場合は、知識無きやる気を暴走させて故障に至る事すら困難だけどな。たまたま上手くいけばいいが、そうでない場合は【努力しても上手くいかない】現実に幻滅して、故障する前に諦める事になるから。故障しかねないレベルまで諦めずがんばり続けられるだけの根性の持ち主なら、余程のアホでない限りは、一定の成果が出る事も珍しくないし。人間には高い学習能力があるから、バカならバカなりに試行錯誤もするし、並以上のやる気や根気の持ち主なら、最初は間違った努力を重ねていたとしても、試行錯誤の末に正解にたどり着く事も珍しくないからな。」

逆沢「つうか神でもない以上、どんな頭のいい人でも、試行錯誤の毎日だと思うわ。天才と言われる人ほど、何百回と試行錯誤した結果、より正しい道にたどり着く事も珍しくないだろうし。」

鼎「正しい知識に到達するにも、ある程度のやる気や根気は必要だよね。」

逆沢「つまり根性論だけで切り抜けられるほど世の中は甘くないといっても、根性論を全否定してしまったら、全く話にもならないって事ね。」

愛原「今回はダイエットや肉体改造の話を通じて、根性論と科学的識見のバランスについて軽く取り上げてみた。根性論だけで全てを切り抜けようとする古典的スポ根ファンタジーに軽く異議を放つ一方で、根性論を馬鹿にしてるだけで自分では何もしない怠惰な人種にも一石を投じてみたが、何か感じるところがあればいいなと思う。」

逆沢「まぁ根性は必要だけど、根性だけで、側溝の水を飲まないように辛抱し続けたり、野糞しないように我慢し続けるのも限界はあるだろうしね。」

愛原「無理矢理、バターン死の行進やスカトロGPを思い起こすようなオチに持っていくなよ。」
















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