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愛原様のたわごと(14年9月7日)






愛原「久々にやばいフリゲを遊んだぞ。」

逆沢「何がどうやばいのだ?」

愛原「色んな意味でヤバイ。無論、その作品の出来には個人的に大変満足しており、褒め言葉としての意味合いを多分に含まれているけどな。」

鼎「やばいって単語には、危険って意味も含まれているはずだけど、危険なのに満足な出来だったの?」

愛原「ウチのゲームも、人を選ぶやばいゲームの範疇に入ると思われるが、そういう解釈をしてもらえると助かるかも知れん。」

逆沢「あー、なるほど。人を選ぶという意味でやばいという事か? 要するに万人向けの味覚で調理されていない作品という意味で。」

鼎「少なくともウチの作品に関しては、確信犯的にそういう内容になっているよね。」

愛原「はじめから人を選ぶゲームという触れ込みで公開している事もあって、やばいゲームなりに平穏に時を過ごせたと思って満足している。」

逆沢「【味覚が合わなくても一切保証せんよ】という前提で運営してきたからねー。万人向けって触れ込みだったら、このサイトもとっくに焼け落ちてるかもしれんわ。」

鼎「味覚というのは、批評する上ですごく難しい要素だよね。たとえば一口でクソゲといっても、誰がみてもクソゲ以外の何者でないのか、単にその人の好みから外れているだけなのか、その評価はすごく難しいだろうし。」

逆沢「ネットの世界では、自分の抱いた感想を、いかにも【みんなも自分と同じように思っているに違いない】と思い込んで、力一杯作品叩きしている人もたまに見なくはないけどねー。」

愛原「個人的な味覚をどう判断するかは、作品批評する上で非常に重要な要素になるだろうな。なんでもかんでも【個人の感想です】で済ませるのも、得体の知れない商品のCMみたいでアレだが、【売り上げNO1!】みたいに何かの数だけを基準に善し悪しを判断するのも安直だ。」

鼎「一番よく売れている商品が、一番優れているとは限らないよね。ユニクロの服やマクドナルドのハンバーガーが、どれだけ業界で大きなシェアを持っていても、だからといって必ずしも品質に最も優れているとは限らないだろうし。」

逆沢「一番よく売れている(広まっている)から、一番素晴らしい作品とは限らないという論理は分かるわ。」

鼎「けどどこかの大手出版社の就職採用試験で、【よく売れている作品の編集者】【自分が一番面白いと思う作品の編集者】のどちらに成りたいかを問う設問があって、そこでは前者と答えた内定希望の学生の方を評価するらしいよ。」

逆沢「つまり出版社としては、面白いけど売れない作品よりは、面白くなくとも売れる作品の方を高く評価するって事ね。要するに利益第一主義って事か? どれだけ優れた作品でも、会社に利益をもたらさない作品に用はないと。」

鼎「その出版社の担当者いわく、【その作品はなぜ売れているのか?】という観点がすごく大事らしいよ。売れているには何か理由があるって事らしいけど。」

逆沢「つまりユニクロだろうがマクドナルドだろうが、売れているならば何か理由があるって事ね。」

鼎「人気漫画として知られるONE PIECEの作者の尾田栄一郎さんなどは、特に売れる理由を意識した作品作りを心がけているそうだよね。売れる仕掛けや演出(ギミックという表現をした方が適切かも知れない)を作中の至る所に用意できるというか、良く言えば読者の満足を第一に置いた作品作りを常に心がけているらしいよ。」

愛原「尾田栄一郎氏は、作品にメッセージを込めないように特に意識された作品作りをされているそうだ。下手にメッセージ性を込めると、そのメッセージに拒否反応を示す者が必ず出るからという事かも知れない。故に人の死や殺人行為を強調したり、無闇に恋愛シーンを入れたりするさえも避けているらしい。」

逆沢「人を殺す事は悪か?とか、余計な事を読者に考えられると困るって事ね。」

鼎「鳥山明さんも、メッセージ性を込めない事を重視した作者さんらしいけど、人気作家さんにはそういうタイプも多いのかな?」

逆沢「つうかジャンプ系特有なんじゃないの? ジャンプ系は死んだはずのキャラがあっさり戻ってくる事も珍しくないし、読者が色々真面目に考えると困るようなシーンも多いから。メッセージ性を入れると、そうでなくても読者は我にかえって色々冷静に考えてしまうからねー。」

鼎「尾田さんは、人が面白いと感じる仕掛けや演出を重視する作者さんだけあって、まず盛り上がるシーンを最初に想像して、そのシーンに結びつくようにシナリオを紡いでいくタイプの作者さんらしいよね。」

愛原「【その作品はなぜ売れているのか?】という視点で考えた場合、尾田栄一郎氏のこだわりや手法に学べる所は非常に多いと思う。【この作品はこんなに面白いのに、なぜもっと評価されないんだ?!】と憤りを感じている方は、一度そういう仕掛けの部分を意識して見直してみてもいいかも知れない。」

逆沢「つまり【面白いのに売れていない】作品には、その仕掛け部分の何かしらに欠陥があるって事か?」

愛原「広報力や見せ場の演出方法といったポジティブ要素と、人に何を考えさせたり、叩かれる要素がないかなどといったネガティブ要素の両面から、作品を一度洗い出してもいいかも知れないな。」

逆沢「そういう意味では、ウチのゲームなんかは、どう考えても売れる要素を満たしてないわね。尾田さんや鳥山さんが一番避けるメッセージ性が強い時点でもう色々アウトというか。」

愛原「とはいえ強いメッセージ性を持つ作品が、必ずしも売れない訳でもない。メッセージ性に一本の芯があれば、それをテーマに置く事で重厚な作品になる事も多い。」

逆沢「重厚な作品というか、よりリアリティーを重視した作品になりやすい気はするわ。読者やプレイヤーに色々考えさせて、なおかつ作品に整合性があれば、その作品はすごく感情移入しやすい佳作になるだろうから。」

鼎「ファンから高く評価されるような面白さに定評のある作品には、世界観や主人公らに強く感情移入できるような佳作が多い気がするよ。作品によっては、自分もその作品の世界の中に入り込んで、一人の市民、一人の武人として生きてみたいと思わせたり。」

逆沢「けどコアなファンがたくさんいる作品が、必ずしも万人向けの人気作品になりうるとは限らないのよねー。不思議なことに。」

愛原「そこらは味覚の問題としか言えないな。商業の論理でいえばたくさんの人に受け容れられる方がいいに決まっているが、個人の味覚の観点でいえば、必ずしもユニクロやマクドナルドやONE PIECEを至上と考えていない人も多いという事だ。」

逆沢「素晴らしい作品売れている作品が、必ずしもイコールで結びつかない事だけはよく理解できたわ。」

愛原「多くの人に受け容れられる万人向けの作品というのは、フリーサイズの服やサンダルと同じようなもので、必ずしも大多数の人にぴったりフィットするサイズというわけではないからな。」

鼎「逆を言うと、ある人にぴったりフィットするような作品を目指せば目指すほど、多くの人の好みからは外れてしまうという事かな? オーダーメイドの靴やメガネを他人が身につけても駄目なように。」

逆沢「商業の論理でいえば、万人向けを目指した方が利益につながりやすい気はするけどね。」

愛原「フリゲ界の論理でいえば、利益は度外視だから、自分の作りたい物を作ればそれでいい。というかフリゲ界の住民には、商業作品の物足りなさを感じて、こちらにやってくる層が少なからずいるからな。商業作品にないようなゲームを作りたい。商業作品にないようなゲームを遊びたい。そういう人間は間違いなくいるし、俺もそういう側の人間だからこそ、必ずしも万人に媚びない作品を応援したいと考えている。」

逆沢「で、そんなあんたでも、これはやばくて面白いと感じるようなゲームを見つけたって事か?」

鼎「最近のフリゲ界は、かつて不謹慎ゲームといわれたような尖った作品が衰退している一方で、商業作品の劣化版のようなフリゲの比率が高くなっているから、そういう尖った作品にはちょっと期待しちゃうかも。」

愛原「今回、個人的に紹介したいのは【悲湯〜遺伝子レベルの殺意】という作品。ジャンルは推理サスペンスもの。推理ものとしては正統派の作りをしている一方で、登場人物の思想などが大変に面白い。コメディー的な面白さだけでなく、球だと思ったら実は円錐だったみたいな感じの感嘆を禁じ得ないタイプの面白さ。推理物としてもなかなか手が込んでいて、真のエンディングにはなかなか驚かされた。」

逆沢「あー、ウディタ界では知る人ぞ知るアマゾネス管理人氏の作品じゃね? あんたとは違った意味で人を選ぶ作品を多数出しておられる一種の鬼才というか。」

愛原「氏の名前くらいは昔から知っていたが、個人的にスクリーンショットの絵などに必ずしも好みでは無かったものもあった事もあって、興味はあったもののプレイが後回しになっていた。氏が【セドール〜人の創りし天女達】というウディタ製のSRPGも出されたという事で興味本位で氏の作品にトライしてみたのが最初のきっかけであったが、プレイがを後回しにしていたのを後悔する程度には、その作品の出来に驚かされた。ウディタでSRPGを制作されたくらいだから、氏のスクリプト技術力自体も相当だと感じたものだが、そんな事はどうでもよくなるくらいに、とにかく氏の作品は、総じてシナリオが濃い。そして色々やばい。」

逆沢「氏の作品などに関する評判は、ネットでも割とみられる方だけど、かなり好き嫌いが分かれるというか、かなり極端な作風みたいねー。」

鼎「ウチの作品もそれなりに尖っている方だと思ってたけど、尖り方も格が違うって感じかな?」

愛原「氏の作品が賛否両論に分かれやすいのは、ウチのように万人向けを捨てているからではなく、作者さん自身はおそらくそれなりにはメジャー狙いであるにも関わらず、作風が必ずしも万人向けでない事によるミスマッチのせいだろうと、個人的には推測する。氏の作品の中でおそらく最も評価が過去に荒れたであろう怪盗ラフィン〜セミーラミスの秘法などをプレイすれば、なる程と感じられるはず。全年齢向きに出しているバージョンであるにも関わらず、というかだからこそ人を選ぶ。」

逆沢「大衆向けカレーと銘打っておきながら、実態は超激辛カレーだったみたいなものか?」

愛原「故にはまる人はすごくはまるだろうが、一口食べて逃げていく人も少なからずいると思われる。しかし品質自体は、フリゲをよく知る者ならまず高く評価できるレベルのはず。」

逆沢「少なくともフリゲがどういうものかを理解できてない人が、商業ゲームと同じ感覚でプレイすると、火傷しかねないタイプのゲームって事か?」

愛原「フリゲがどうこう以前に、人にはそれぞれ色んな考え方があるという事を念頭に置いておかないと、ちゃんと楽しむ事は難しいと思われる。自分の価値観を基準に善悪を判断したがるタイプの人間とは、おそらく相性が合わないだろう。そういう人は、自分の価値観と異なる考え方に遭遇する度に拒否反応を起こして、戸惑いや場合によっては嫌悪感を隠せないだろうから。しかし異文化との遭遇や交流を期待感をもって受けとめられる度量のあるタイプなら、考え方を受け容れるにしろ受け流すにしろ、糧になる部分はあると思う。」

逆沢「異文化との遭遇とか交流とか、いくら何でも大げさじゃね?」

愛原「自分でも大げさな言い回しをしてしまったとは思うが、たとえとしての方向性自体は間違っていないと思う。そもそも万人向け作品というのは、作品の方が万人に向けて降りていく事で成り立っている部分も多い。しかし世の中には、大衆に迎合する事で人気を獲得するタイプだけでなく、読み手に強く訴えかけるというか、作品が読み手に挑むスタイルというか、作品が読み手に受け入れを要求するようなスタイルも存在する。そして大衆に訴えかけるタイプというのは、大衆に新しい価値観をもたらし、感銘を与える効果もあるが、拒否反応を示される事も珍しくない。そして氏の作風は総じて後者だろうと思われる。」

逆沢「作品にメッセージを込めない大衆迎合型に徹する事で成功した尾田氏とは真逆のタイプで、作品に強いメッセージを込めて、何らかの鮮烈な印象を残さんとするタイプの作品って事ね。」

鼎「世の中には【面白かったけど、内容は良く思い出せない】作品も多い一方で、【好き嫌いは別にして、内容が深く記憶に刻まれている】ような作品も多いよね。その人の人生観などにも影響を与えるという意味では、私は後者のメッセージ性の強い作品も好きだよ。」

愛原「そういや昔、テーブルトークしてた時の話だが、【そこそこは面白かったような気はするが、内容が全然思い出せない】GMと、【今でも当時の事がはっきりと思い出される】GMがいたものだ。後者のGMに関していえば、とにかく記憶に残るような濃いNPCを出してきたり、そう来るかと思わせるようなシナリオ運びをしたり、そういうGMは時にプレイヤーからも反感を買う事もあったが、俺の記憶にしっかりと刻み込んだという意味だけでやはり流石なんだろう。」

鼎「内容も思い出せないような作品は、その良さを他人に伝える事すら困難だけど、記憶にしっかり残るような佳作は、何年経ってもずっと気になっちゃう事すらあるよね。引退されたであろう事を自覚してなお、その人が復帰されている事を期待してついネットを検索しちゃったり。」

愛原「俺からみても、そういう作者さんは何人かいるぞ。またこの人の作品をプレイしたいなぁと思って、ついつい探してしまうような作者さんとか。そういう作者さんの動向に関しては、ブログの更新だけでも一喜一憂してしまう。ある意味、信者だな。」

逆沢「コアな作品には一定数のコアな信者もつきやすい印象だけど、まさにそれを体現してくれちゃってるわねー。」

愛原「今はヒット作とまでは評価されていなくとも、それでも【俺はお前の作品が大好きだ!】といいたくなる作品はいくつかある。」

鼎「けどごくまれに、復帰してくれたのはうれしいけど、残念な復帰作を出すクリエイターもいるらしいから、切ないよね。」

逆沢「あー、そういえば女神転生シリーズで肩で風を切る勢いの人気を博した鈴木一也氏(通称、大司教)が、お得意のホラーものの新作を出したのはいいものの、その内容があまりにイマイチで、往年のメガテンファンを失望の海に沈めたらしいわね。」

鼎「大司教さん自身のツイッターも、かつて一流の業界人として名を馳せたとは思えないようなネトウヨまがいのつぶやきばかりになってて、一部では大司教さんの変貌を不安視する声もあったらしいけど、その悪い予感が当たったらしいというか。プロローグ段階でDQNが車で犬をひいてしまうシーンをみて主人公が【そして僕は、現実社会への不満を感じつつ・・・】みたいな感想をもらす一方で、自身はノーヘルでバイクの二人乗りしてみせたりとか。」

逆沢「つうか裏パッケージの主人公キャラクター紹介欄に【頭脳明晰でクールだが、その内面には社会に対する漠然とした怒りがある。】って書いてあるんだけど、いかにも自分自身は頭が良いと思い込んでいて、世の中を斜めから見るのが大好きっぽそうな厨二病キャラ想像して不覚にも笑ったわ。脇役キャラクターならいいんだけど、商業作品の主人公にするのは意欲的すぎるというか。」

愛原「その割りに、ネットでつけられた主人公のあだなが【鳥頭】とか【知空っぽ】とからしいな。仲間の存在を無視して勝手に飛び出していっては後悔し、次からは仲間を守ると誓いながらも、次の瞬間には再び仲間の存在を無視して飛び出す事の繰り返しだかららしいけど。RPGなのに、主人公の頭は全く成長しないという評価も見られた。あと某ポルナレフアスキーアートで表現したくなるほど、シナリオ自体も読み続けるのが苦痛になるなど、色々支離滅裂という話らしい。」

逆沢「大司教のネームバリューもあって、SPECIAL PACKAGE版12800円とか、強気の価格設定でも割と売れたらしいけど、彼が全面的な担当したシナリオ面などで大きく評価が下がって、某レビューサイトでは平均点も中央値も30点割って、KOTYe(クソゲーオブザイヤー)にもノミネートされたらしいけど。」

愛原「まぁ、クソゲーでも注目されれば、ある意味では名誉かも知れないが。以前、某PCゲームショップで【クソゲーオブザイヤーで頂点に立ったたあの作品!】みたいな感じでポップ広告貼られてて、不覚にも笑った事がある。」

逆沢「クソゲーの頂点に立っても、店から宣伝してもらえるのか?! 怖い業界すぎるわ。」

鼎「けどあの大司教さんがどうしてこんなに劣化しちゃったのかなぁ。単にネトウヨ化(?)したから、衰えてしまったというだけではないかも知れないけど。」

愛原「多少業界ネタになるが、ある程度以上力のあるメーカーだと、推敲というか校正が専門家の手で細かく入ったりするし、シナリオとゲーム本体で進行上の矛盾が起きないように色々細かく配慮もされたりもするが、今回はそういうのがあまりなさげで、それで本来の大司教のありのままの実力が表に出てしまったという酷評もあるにはある。本当の所は分からん。」

鼎「復活してくれたのはすごくうれしいけど、こんな復活の仕方はちょっと悲しいよ。」

逆沢「でも単なる尖った作品なら、嫌う人も出るかも知れないけど、コアな信者も出てきておかしくないと思うけど。」

愛原「うん。俺自身が尖った作品好きという事もあって、主人公が厨二病丸出しであろうが、それはそれで意欲的だとしか思わない。だがシナリオが支離滅裂というのは、さすがにまずい。【壮大なシナリオを描こうとしていたが、結局描ききれず、トンデモ展開になってしまったようだ】という感想もみられたが。」

逆沢「あー、それはフリゲでも割とある気がするわ。ライター自身の脳内ではちゃんと整合性が取れているんだけど、描写が全然足りないせいで、そうなってしまう例は。【風が吹いたら桶屋が儲かる】ということわざがあるけど、途中の過程を全部吹っ飛ばして、起(風が吹いたシーン)と結(桶屋が儲かったシーン)しか描かないと、単なるトンデモにしかならないからねー。」

愛原「自分が描きたいかっこいいシーンを魅せたければ、その前後のシーンもそれなりに丁寧に描く必要がある。そういう過程を無視して、魅せたい部分、言いたい部分だけしか前面に出さないようになった場合、シナリオは多分にトンデモになりやすい。」

鼎「尾田さんの成功は、そういう配慮のなせる技かもしれないよね。読者が余計な事を考えないように余計なシーンは一切入れないかわりに、必要なシーンを魅せる為の前後の流れは丁寧に描くという配慮が出来ているからかも知れないけど。」

逆沢「大司教の失敗は、頭脳明晰でクールで世の中を斜めに見る主人公という設定だけが先にある一方で、その設定を裏付ける説得力あるシーンが足りない(というか、設定に反する行動ばかり主人公がとる)からおかしくなったと言い換える事もできるかな? 頭脳明晰とはほど遠い行動しか取らないのに、妙な事に因縁をつけて【現実社会への不満】とやらに結びつけたりとか。」

愛原「まぁネットでもいかにも知的ぶった口調で間の抜けた指摘ばかり他人にしてみせては周囲を唖然とさせるネットユーザーもたまにいるので、氏だけの悪癖ではないけどな。」

鼎「他人に迎合した作品といえば聞こえが悪いけど、他者に配慮した作品作りができる人と考えたらそれも長所だし、逆にどんなに優れた発想に裏付けられた尖った作品であっても、読者やプレイヤーの事を全く考えないで突っ走ると、自分の脳内では物語の整合性は取れていても実際は裏付けや説得力ある背景描写や補完エピソードが足りない為に、シナリオがトンデモになってしまったりする懸念がつきまとうって事かな?」

愛原「今時の日本の若者なら、一度や二度は脳内で超面白いオリジナル漫画やオリジナルゲームを妄想する事はあると思う。しかしそれを実現するのは容易ではない。その脳内で活躍するはずのカッコいいキャラクター達に説得力をもたせるのは簡単ではないからな。」

逆沢「小説家志望の若者の中にも、脳内では物語が出来ていると言いながら、実際に書かせてみると最初の一行すら書けないで困ってる人がたまにいるそうだわ。そのカッコいい活躍をするはずの主人公を、そのカッコいいシーンまでたどり着かせるノウハウが足りないと、そうなりやすいんだけど。」

愛原「過程を無視しておいしいシーンだけを描こうとしても、そうは問屋が卸さない。【頭脳明晰でクール】なかっこいいキャラを描きたければ、そう思わせる工夫が必要だ。それを無視していたずらに賢こぶってみせても、ネットで賢こぶっておかしな持論をふりまくキャラのようにしか見えなくなってしまう。」

鼎「ひとそれの三方監督は、そういう意味では真逆なキャラ設定だよね。」

愛原「自分を実態以上に偉くみせるのがネトウヨ流とすれば、真逆ではあるかも知れんな。第一印象としては腰が低く、頼りなげでもあるが、物語を進めていく内に、それなりの実力と実績の持ち主である事がじわじわ伝わればいいなと期待して、造形した。そうでなくとも過程を無視して、いきなり【頭脳明晰でクール】を表現するのは、シロートの筆力では意外と難しい。」

逆沢「プロの筆力でも、実は難しいみたいだけどね♪」

愛原「うん。正直、尖った作品であればあるほど、独りよがりにならない工夫は必要なのかも知れない。無論、どれだけ読み手に配慮しても、味覚が合わない人が出るのは仕方ない。しかし丁寧に描けばファンになってくれるはずの層からも、独りよがりが災いして愛想を尽かされるようであれば悔しいからな。」

逆沢「メガテンで一世を風靡した大司教が、多くの往年のファンの期待に応えられなかった結果を考えると、しみじみそう思うわ。」

鼎「今回ちょっと紹介してみせたフリゲに関しては、その点は大丈夫かな?」

愛原「フリゲに商業ゲーム(プロ)のクオリティーを求める奴はアホだし、フリゲがどういうものか分かってる人なら、十分尖っていて、かつ水準以上だと思う。というか水準未満の作品を紹介して作品が叩かれる結果になると、俺としても面白くないし、作者様にも迷惑をかける事になるので、明らかに水準未満ならはじめから紹介なんかしない。まぁ尖った作品であればあるほど、作品を快く思わない層から、揚げ足取りをするかのような悪い部分探しをされる懸念はあるが、ウチのような尖ったサイトを訪れられるような懐の深い御仁なら大丈夫だと思う。60点までだと凡作なので、とりあえず100点評価目指して頑張ってくれ。」


















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