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愛原様のたわごと(14年11月3日)






愛原「今回のテーマは【アイテムゲット】。」

逆沢「アイテムゲット? 物を取得するって事か? ただ和訳しただけだけど。」

愛原「うん。日本語で書くとなんだかなぁという感じがしたので、ここは格好良くアイテムゲット。主人公達は物語を進めていく過程で、伝説の剣や貴重な古文書などを手に入れていくが、その所有権について改めて考察してみようというお話だ。」

逆沢「まぁ内容自体は別に構わないけど、なんで今回、そんなネタを思いついた訳?」

愛原「小渕優子が泥棒したらしいという疑惑で日本中で話題持ちきりみたいだからな。」

逆沢「ちょっ、泥棒って!?」

鼎「正確には、野々村竜太郎兵庫県議で一躍話題になった政務調査費問題から続く、一連の政治資金不正流用疑惑の一環だよね。」

逆沢「ああー、あれで火がついたわね。調べてみたら決して野々村元県議が特殊な訳ではなく、他の兵庫県議でも似たような事例が出るわ出るわ。ついでに大臣達も調べてみたら、やっぱり出ました〜♪みたいな感じで。」

鼎「野々村県議の不正流用疑惑を最初にスクープしたのは神戸新聞らしいけど、その余波がいつの間にか未来の首相候補を追い詰めるまで広がったとすれば、すごい破壊力だよね。」

逆沢「小渕は、地元町長に罪をなすりつける気マンマンみたいだけど、公費でベビー用品を購入しただの、姉のお店から百万円単位の商品購入だの、地元町長の裁量を超えてるだろう部分も多すぎて、私的には色々真っ黒な印象をぬぐえないわ。マックスバリューで買った日常品をもいちいち政務調査費に落とそうとしてた野々村元議員と全く同レベルというか。」

愛原「厳密には政治家の収入源は公金の他に政治献金もあるのだが、政治管理団体に混ぜてしまえば同じ事だし、そもそも献金は我々民間でいう所の金銭贈与ではなく、だからこそ税の優遇措置もあり、その代わり使途がしっかり決められている。公金も献金も元を辿れば他人のカネであり、それを目的外使用すれば泥棒と言われても仕方ない。その用途が有権者への買収にも使われれば単なる政治資金流用だけではなく、連座制の対象にもなるより重罪の公職選挙法にもひっかかる。」

逆沢「公職選挙法うんぬんではなく、はっきりと贈収賄と言い切ったらいいのに。要するにカネで票を買うのも、カネで公共工事を回してもらうのも同じ話なんだから。」

愛原「俺としては政治家のスキャンダルにいちいちからみたくはないが、失言やセックススキャンダルによるスキャンダルと泥棒は、根本的に質が違う。そこははっきり区別せざるを得ない。」

鼎「でも世間的には、セックススキャンダルが最も盛り上がって、金権には割と寛容な感じもするよ。世界的にもクリントン元大統領をはじめとして、政治家を最も苦しめるのはセックススキャンダルが一番で、イタリアのベルルスコーニ元大統領にしても、数々の金権疑惑と女性問題を抱えていたけど、マスコミ的に話題になってたのは金権疑惑の方ではなく、常に女性問題の方だったし。」

逆沢「横山ノック元大阪府知事も女性問題で簡単がクビが飛ぶ一方で、森喜朗元総理や鈴木宗男元大臣ら金権疑惑のデパートが長く生き残り、小沢一郎元大臣を最終的に追い詰めたのも数々の金権疑惑の方ではなく奥さんとの離婚スキャンダルである事を考えると、日本もその風潮の例外ではなさそうな気がするわ。カネではなく女が政治家を狂わせるというか。」

鼎「今は別の意味で、女の政治家が政治を混乱させているけど・・・。」

愛原「誰がどの異性と付き合い誰と別れようが、そんな事は俺的には全くどうでもいい。失言も本人が適切に訂正するなら、いちいち追い詰める事もないだろうと思う。そんな事で国会審議をストップさせるなと言いたい気持ちはよく分かる。」

鼎「今、騒ぎになってるのは女性問題ではなく金権疑惑そのものだけど、安倍総理をはじめとして与党関係者や与党支持者からは、もうその話題は終わらせようという声も聞くよ。」

愛原「我々庶民が、お店から一冊のノートを万引きしたり、人様の財布から千円でも盗んだら、まず無事では済まないだろうに、実に寛容な話だな。そういう思考の人達は、チリ人妻に公金を大量に貢いだ職員を発見しても、【これ以上職務を停滞させたくないから、横領の件を沈静化させる代わりに、お前は早く本業に戻れ】とでも言うのかな?」

鼎「兵庫県議会の対応がまさにそれだったよね。たくさんの議員が公金を不正に流用した疑惑が発覚してもそれを深く追求せずに、野々村元議員以外誰も刑事告発もせず、誰に対していくら返金させるという事もはっきり有権者に説明しないまま、一日も早く本業に専念したいという態度がアリアリだったし。」

逆沢「彼らの対応は【自分が問題ないと考えている以上は問題ないはずだ。もうこの話は終わりにしよう】であったり、最終的に追い詰められても【じゃあカネ返すよ。それでいいんだろ。だからこれ以上、この話を蒸し返すな】ばかりだから困るわ。万引きしてバレた少年が【盗んだ商品を返せば文句ないんだろ】と言って免責を主張するのと同じレベルというか。」

愛原「盗んだカネなり商品を返せば罪が無くなるのなら、泥棒の天下だな。バレなければ盗んだものはそっくり自分のものにできるし、バレてもバレた分だけ返せば済むのなら自分の腹は全く痛まない。そんな子供じみた理論が通じると思ってんのか?」

逆沢「政治家は、不適切な献金も、不適切な公金支出も、問題になった分だけ返却すれば済むと考えている人ばかりのような気もするけどね。」

愛原「俺としては、別に政治家だから徹底的に追い詰めるべきとか、そんな事は決して言わんが、政治家だから泥棒しても許されるなんて思うなくらいは言いたい。」

鼎「小渕議員に関しては特捜部も動いたようだけど、それでも現時点ではまだ疑惑でしかないし、その疑惑を証明できる段階にもっていくのは難しそうだよね。」

逆沢「あの野々村元議員でも【政治活動目的の支出だが、誰と会ったかは守秘義務もあるので言えない】の一点張りだったし、小渕議員も【ベビー用品も下仁田ネギも小渕顔が印刷されたワインも選挙区外の関係者への贈り物】と言い張ってるし、そう言い張られると私的にはどうしようもないからね。本当に逃げ道だらけの法律作ってくれちゃって困るわ。」

愛原「まぁ俺としては、与野党が痛み分けの談合でもしない事だけは希望したい。AがXから泥棒した事を追求したBが実は似たような事をしていたとしても、それでAの罪が無くなったら泣き寝入りするのはXだ。別のどの党だからとか関係なく、膿は徹底して出さないと、それで損をするのは国民だ。」

鼎「野々村議員だけが追及されて、それが議長や長老に飛び火した途端に談合して無かったような流れになってしまった兵庫県議会の二の舞になるのだけは避けたいよね。むしろこの機会に埋もれていた問題行為を徹底的に掘り起こさないと。」

逆沢「ただ国民は、税金の使い道には寛容だからねー。電気料金が少し上がるのにも、納める健康保険や年金の額が増えるのにも非寛容だけど、税金で東電を救済したり、核燃料廃棄物処理施設を作ったり、原発立地自治体にカネばらまいたり、グリーンピア作りまくったりするのには割と寛容なように。」

鼎「仮にグリーンピア建設&維持費や東電救済費や小渕議員がベビー用品を買う費用を別途会計で国民から徴収しますと言ったらみんな反対するだろうけど、共有財産として混ぜられてしまった途端に自分のカネという認識が無くなるのは不思議だよね。」

愛原「みんな、自分の財布から千円盗まれることには不寛容だけど、共有財産から百万円盗まれることには割と寛容という事かも知れんな。そういえばこんな話を聞いた事がある。組合費か町内会費か忘れたが、それを会計担当者が不正に着服してドロンした際には、着服した奴を非難してもただそれだけだったが、その穴埋めをする為に新たな会計担当者が組合員or町民から再度徴収に各家庭を訪問したら、各家庭が猛反発して、その組合の幹部らの監督不行届という事で、幹部だけで穴埋めしろとか、責任のなすりつけあいになって紛糾したとか。」

逆沢「共有財産は自分の財産ではないから失われても寛容でいられるけど、失われた共有財産を補填する為に自分の個人財産に手を入れるとなったら断固として抵抗するという流れが面白いわね。」

愛原「庶民がいかに、共有財産を自分の財産の一部とみなしていない事がよく伝わる思いだな。共有財産は他人の財布と同じで所詮自分の物ではないから、それをどう使われようとさほど気にしないという事か?」

鼎「つまりチリ人妻でも小渕優子議員でも誰でもいいけど、そういう人達が不正な使い込みをしても所詮は人ごとだけど、それが原因で、再度徴収されそうになったり、還付されるはずのお金が還付されなくなったら、その時になって初めて人々は本気で怒るという事になるのかな? 東電の賠償費や核廃棄物処理場などの原発維持費が税金で支払われる分には寛容だけど、仮にその経費が電気料金にまるまる加算されるようになったら、人々は決して黙っていないというか、きっとより多くの人が反原発に傾くだろうと。」

愛原「自分の財布から直接出て行くか、一度共有財産にストックされたお金が間接的にそれらに回されるかだけの違いで、元を辿ればどちらも自分の財布から出てる事に代わりはないんだけどな。」

逆沢「つまり他人の財産を穏便に奪い取りたいなら、他人の財布に直接手を突っ込むのではなく、一度共有財産化した上で、その共有財産に手を突っ込めば効果的という事ね。小渕優子が私達の財布から直接お金を抜いたら理由を問わずに即犯罪者だけど、共有財産を私的流用する分には発覚もしにくいし、運悪く発覚しても、部下のせいにしたり、名も明かせぬ他人への合法的な贈答目的という事にしたり、最悪でも【単なる記載ミスです】とか【うっかりミスです。返しますからこれで許して下さい】と言って、とにかくもっともらしい理由さえつけられれば許されるから。」

愛原「さて、この共有財産に関するものの考え方も、本題を進める上で重要な伏線になるのだが、とりあえずは本題そのものに戻そう。我々がアイテムゲットを果たす際、それにはどういう方法が考えられる?」

逆沢「ゲーム的発想でいえば、最も王道なのは、宝箱からゲットするという方法ね。」

愛原「ぶっちゃけていえば、拾うという方法だな。所有権という観点で解釈するなら、所有者が存在しない、もしくは所有者が存在するのか不明な物を自分の所有物として扱うと解釈になると思われる。」

逆沢「拾った犬が野良犬かそうでないか分からないけど、とりあえず自分のペットとして飼うようなものか?」

鼎「けど誰もいないような洞窟に、貴重なアイテムが置いてあるとすれば、それはリアリティー的にはかなり異常だよね。」

逆沢「そんな部分にリアリティーなんかいらんわ。」

愛原「まぁ、そこは馬鹿正直にリアリティーを追求するのではなく、脳内補完で補って欲しい部分だな。民家の宝箱を無断で開けて中身を持ち去ったと解釈するのなら泥棒以外の何者でもないが、民家の住民から譲り受けたとか、色々脳内で物語を創造して欲しいとは思う。」

鼎「他にメジャーなアイテムゲット方法としては、モンスターを倒してお金やアイテムをゲットする方法だよね。」

逆沢「一言で言えば強盗ね。そういえば何かの有名作品で【殺してでもうばいとる】というものがあったか?」

愛原「身も蓋もない言い方だな。それも能力を認め合った結果、相手がお金やアイテムを譲ってくれたとか脳内補完できないのか?」

逆沢「それはさすがの私でも、ご都合過ぎるわ♪ だって相手は戦闘後にアイテムを譲ってくれるかも知れないけど、主人公達が相手に何かを譲るなんて事はまずないし。」

鼎「主人公は色んな場所でアイテムをゲットし続けるけど、逆に誰かにアイテムを譲る事はほとんどないよね。まぁそれくらいの事ができないと、英雄にはなれないかも知れないけど。」

愛原「・・・・・。」

逆沢「まぁ会話イベントもロクにない昔のRPGだと、ゲームの仕様というか、容量や様々な制限の都合もあって、そうせざるを得ない部分も多いから、脳内補完で補うべきという考え方自体は正しいと思うけどね。」

鼎「最近は会話イベントが充実しているゲームも多いから、アイテムゲットイベントにも色々趣向を凝らしたものが増えてるよね。」

逆沢「【試練を乗り越えたらこれあげる】みたいなイベントとか♪」

愛原「試練系アイテムゲットイベントは、ゲーム的にすごく都合がいいからな。すごいアイテムが簡単に手に入ったら面白くないし、困難を乗り越えた先に大きな報酬がある方式にする事で、プレイヤーに強い動機づけをする事もできる。何よりも盛り上がる。」

逆沢「リアリティーでいえば、なんでそんな所にそんな凄いアイテムが保管されているのかという疑問は残るけどね。誰が何のために、わざわざそんな所にアイテムを置いていったのか? そのアイテムはなぜモンスターや他の冒険者達に持ち去られもせず、錆びもせず、きちんと保存され続けているのか? そしてそこにアイテムが眠っているという伝承は、そもそもどうやって伝えられているのか? などなど。」

鼎「ダンジョンに眠っている場合もあれば、王宮や教会で大切に保管されている場合もあるだろうけど、何故に人知れず保存され続けたのか、そういう物語に興味が沸いてきたかも。あまりに広く知られていていれば、他の誰かに奪われていてもおかしくないし、ほとんど誰にも知られていない状態なら、余程の事がない限り、主人公がそのアイテムがそこにあるという情報に遭遇する事もないだろうし。」

逆沢「下々の知らない重要な情報を手に入れられるからこそ英雄なんだろうけどねー。」

愛原「まぁ活躍すればするほど、VIPと知り合える機会も増えるだろうし、VIPと知り合える事で得た情報でさらに強力なアイテムをゲットできれば、さらに活躍できる。RPGなどはその繰り返しではあるが、展開としては別に矛盾はないけどな。あと英雄は、真贋を見抜く能力も持っている。凡人が根拠のないおとぎ話と信じている情報の重要性を見抜いたり、凡人が知ってる世界の歴史や常識が何者かに作られた偽りのものでしかない事を見抜いたり。その真贋を見抜く力があるからこそ、隠された重要なアイテムと出会えたりできるのだろう。」

逆沢「まぁ凡人と同じ判断しかできなければ、凡人と同じアイテムしか手に入らないとしても不思議はないかもね。」

鼎「しかし試練という条件付きであれ、気前よくアイテムをくれる人ばかりなら助かるけど、そんな人ばかりじゃないよね。現実的には。」

逆沢「上の話じゃないけど、現実の人間なら千円でもそう気前よくはくれないからね。個人の所有物を要求しても、それに気前よく応じてくれる人なんてそうはいないと思うわ。貴重品ならなおのこと。」

鼎「既にそのアイテムが他人の所有物になっていて、それでもそのアイテムが必要というか、どうしても欲しいとなった場合は、主人公はどうしたらいいのかな?」

逆沢「それこそ【殺してでもうばいとる】になるんじゃね? 確か有名な【ねんがんのアイスソードを手に入れたぞ】の後に出てくる選択肢の一つがそれだったはずだけど。」

鼎「まともな主人公なら、そのアイテムの重要性をひたすら説いて、そのアイテムを譲ってもらうなり、もしくは借りるなりすると思うけど。」

逆沢「でもその手の作品は大概ご都合的だから、もしもそのアイテムの所有者がとても譲ってくれないようなタイプだった場合は、その所有者自身が殺されてもおかしくないクズであるか、不幸にも別の悪人なりにアイテムを盗まれて、そいつから取り戻すパターンになるのよね。」

鼎「ケチな貴族系キャラクターが持ち主の場合は、大抵本来の持ち主が殺されるよね。で、主人公はその貴族を殺してアイテムを奪い取った悪人を倒してそのアイテムを保有したり。あるいはその貴族自体が悪に染まって主人公とバトルになって倒された結果、晴れて主人公の持ち物になったり。比較的穏便なシナリオの場合は、その持ち主キャラクターがひどい目に遭う事で、初めて目が覚めたように【このまま俺が持ち続けていても、命を狙われ続けるだけでロクな事はない。お前にこのアイテムを譲る。これで世界を救ってくれ】とか【俺にはこのアイテムは使いこなせないようだ。悔しいがお前に預ける。】とか。」

逆沢「要するに、どれだけ最初はアイテム譲渡を断固拒否してようが、主人公にアイテムを譲らない限り、その持ち主は不幸な目に遭い続けるって事か? もしくは殺されて即退場するか?」

鼎「なんとなく地上げ屋に揺すられて、やむなく土地を手放すような感じだね。」

愛原「まぁご都合的シナリオ展開と言われようが、そのアイテムを主人公が手に入れない事にはどうにもならない場合は、そういう展開に持ち込まざるを得ないのだろうな。特にヒーローが善玉系の場合は、殺してでも奪い取るような展開にはできないから。」

鼎「主人公の熱い情熱でなんとかアイテムを譲ってもらえるように説得できる展開ばかりなら、誰も不幸にならなくて済むのにね。」

愛原「そういう発想は、一歩間違えたら、ゲスの発想と紙一重だから気をつけろよ。」

鼎「ほえっ? なんで?」

愛原「ある有名(?)な某作者のツイッターか何かで、以前かなり残念なのを見つけてしまってだな。その人は知り合いから借金をしまくって凌いでいたらしいが、ついに進退窮まって自分のツイッターを観てるネット住民にまでカネを無心したようなのだ。それこそ熱い情熱で、土下座までするような勢いで。」

逆沢「ああ、人にカネを無心する奴は、大体そんな感じね。お金を借りる時はとことん頭を下げて卑屈にもなるけど、相手がそれでも貸してくれなかったり、あるいは返済を迫るようになるとコロッと態度を変えてきたりして。」

愛原「お前、詳しいな・・・。で、上の話の続きだが、案の定というか反応は芳しくなく、やがて【冷たい】だの【慈悲がない】だのと他者を批判するようになっていく。」

逆沢「冷たいのも慈悲がないのもお前だろ。見知らぬ人にカネを無心する前に、借りたカネを先に返せやって言いたくなったわ。他人の善意を踏みにじって借金踏み倒そうとしてる人間が、何言ってるのかとも。」

愛原「しかもそいつは、カネを貸してくれた人や親切を施してきた人に対して【善意に見返りを求めるな】みたいな態度なんだ。」

逆沢「そいつは頭がおかしい。要するに他人は無償で俺に尽くせって事か? どこぞのブラック企業経営者や某大物芸能プロデューサーじゃあるまいし。」

鼎「でもそういう人ってたまにいるよね。人に何かを要求して相手が応じなければ慈悲がないと非難し、応じたらその時だけはうれしそうな顔をするけど、貸した金をそろそろ返せと言ったら、【カネに困っている俺からカネを取り立てようなんて、お前には慈悲がないのか?】とばかりに相手を非難したりとか。貸したお金が返ってこずに困っている相手に対しての慈悲の心は全然なくて、自分が困っているという現状だけを訴えて、相手に慈悲を請う一方というか。」

逆沢「要求一辺倒のクズね。お前は相手のために何をした?って問いただしたくなるわ。まぁそういう奴は、助け合いを口にしても、実際は自分が助ける側に回る事はほとんどないし、あっても賞賛という名の見返りを求めてか、誰も求めてもいなければ聞いてもいないわずかな功績を必死にアピールするんだろうけども。」

鼎「なんかヤクザや詐欺師の手法だよね。自分はこんなにいい奴だと、嘘か本当かも分からない武勇伝や成功話をアピールして、それを盾にして【だからお前も、俺のような人間になるべきだ。という訳でお前は俺を見習って俺の為に尽くせ】と言い放つみたいな感じというか。」

逆沢「確かに【私の言う通りにしたら、貴方も私みたいな大金持ちになれます】みたいな広告は、ネットでも至る所でみられるわね。」

愛原「どんなもっともらしい大義名分を披露しようが、切羽詰まった事情を訴えようが、自分勝手な慈悲を請おうが、だからといって相手に一方的に何かを要求して、断られたら相手を非難するというのは、とても褒められた態度ではない。ちゃんと事情を説明すれば何かを譲ってくれて当然と思い込むのはただの傲慢だ。」

鼎「じゃあ相手がどうしても譲渡に応じてくれないなら、やはり諦めるしかないのかな? たとえそのアイテムが世界を救うのに必要だとしても。」

愛原「ファンタジーの世界の価値観なら、まぁやむなく強奪するのもやむなしという事はあるかも知れん。書庫に眠る歴史書を勝手に持ち出したりする主人公もいるようだしな。剣であろうが、本であろうが、【後でこっそり戻しておけば大丈夫だろう】とか【後で謝っておこう】で済ませる主人公はたまに見かけなくもないからな。」

逆沢「なんともアバウトな世界観ねー。持ち主が悪玉なら殺して奪い取っても問題ないとか、ダンジョンに眠る宝物は全て自分の持ち物にしても構わないとか。」

鼎「現代人の常識でいえば、どんな悪玉の持ち物でも、だからといって自分の持ち物にして良い事にはならないし、持ち主が死んでも相続権がある人に所有権が移転するだけだよね。ダンジョンどころか、放置された森ので自然に生えたタケノコやマツタケでも、実際には山の保有者の許可なく勝手に持ち帰ったら法的にはアウトらしいのに。」

愛原「まぁ現代人の常識とは異なるが、それはやむを得ないだろう。というかファンタジー世界で、現代人の価値観を持ち出すのはナンセンスだ。」

逆沢「現代を舞台にしたドラマでも、人様の持ち物を勝手に持ち出す主人公が登場する作品は珍しくないけどね。」

鼎「それでも仮に罪悪感を感じなくて済むとすれば、原因はなんなのかな? 大義があるからかな? それとも相手がこっそり拝借されている事に気づいていないだろうという安心感があるからかな? 単に相手の迷惑が認識できないからかな? あるいは個人的な利益の為に拝借した訳ではないという思いがあるからとか?」

愛原「大義があるとか、個人的な利益のためでないという理由は、あらゆる場面で通用する究極の自己正当化手法だな。」

逆沢「確かに、大義さえあれば、泥棒どころか戦争でも一方的殺戮でもなんでも容認されると考える人は多いわね。」

鼎「共有財産が不正に使い込みされやすい背景には、【これは自分の財産でもある】という大義があるからかも。」

愛原「ま、俺は原始共産制的な発想を決して否定しない側の人間なので、無闇に所有権を厳密に規定すべきとは決して思わないのだが、所有権というのはその人が人生を賭けて積み上げてきた労働の成果でもあり、貢献の対価でもあるからな。少なくとも【無報酬でクールジャパンに貢献すべき】だとかブラック企業的扱いを正当化しようとは絶対に思わん。もちろん逆を言えば、不正な手段で所有権を我が物とする行為をする奴は最低だという事にもなる。」

逆沢「誰かが不正な手段(泥棒したり、騙したり、労働者をただ働きさせたりなど)でぼろ儲けするという事は、別の誰かが本来の所有権を奪われるという事でもあるからねー。まぁ言いたい事は分かる。」

鼎「その考え方で言えば、いかなる大義があろうとも、人が正当な手段で得た所有物を一方的に奪い取るのはやはり問題という事になるよね。」

愛原「ある人が正当な手段で一生懸命働いて手に入れたアイスソードを、大義を盾に一方的に奪い取るような事が許されるのか?という話になるわな。」

逆沢「そういえば昔、有事の際に必要に応じて、日本国民の土地を米軍などに供与する旨の法律が制定されたりしてなかったか?」

愛原「もしかして小渕恵三内閣の時に話題になった日米ガイドラインの事か?」

逆沢「娘も娘なら、親も親か? 本当にロクな事をしないわね。この一族。」

愛原「有事の際に土地や家屋などを差し押さえる法的根拠を定めたのは自衛隊法。そして必要に応じて物資を米軍にプレゼントする法的根拠になるのが、米軍支援法や日米物品役務提供協定だったかな? 故意に複数の法律を入り組ませて複雑にしているのか、俺も詳しい事は全く分からないのだが、とにかくそういう感じにはなってるらしい。まぁ実際に人様の土地や家屋を差し押さえる際には何らかの補償はあると思うのだが、法律に補償に関する具体的記述がほとんど明記されてなさそうなのが少し気がかりではある。」

逆沢「東電による補償を受けるにも、弁護士でも処理困難な分厚い書類の山を乗り越えなければ満足な補償結果にはたどり着けないらしいし、色々難癖つけてまともな補償もしてもらえない気がするわ。」

鼎「国が国民に補償する以前の問題で、米軍が日本政府に土地を返還する際に原状回復義務も果たさず、結局その費用を日本政府が肩代わりする事になるくらいだから・・・。」

逆沢「アメリカに補償を請求するなんてまず無理だわ。辺野古の基地にしても、兵舎や米軍専用リゾート(ゴルフ場など)にしろ、アメリカはほとんど自腹切らず、日本に費用負担させてるくらいだから。」

鼎「よく考えたら、ファンタジーの主人公達も、色んな場面で貴重なアイテムを譲り受けたり敵から奪ったりしてるけど、まともに補償している場面ってあまりない気がするかも。」

逆沢「世界を救うという形で損失補填してるからいいんじゃね?」

愛原「日本の政治家みたいな発想だな。仕事さえちゃんとしてれば、泥棒しても許されるというのは。」

鼎「民間企業なら、【仕事さえちゃんとしてれば会社のカネを横領しても許される】なんて事には絶対ならないのにね。」

愛原「そいつがどれだけ世界を救おうが、人様のアイスソードを一方的に奪い取ったり、持ち主を斬り殺したりしたら、それはやはりまずいと俺は思う。」

鼎「じゃあ、正義の味方が穏便にアイテムを手に入れるには、どうするのがいいのかな? もちろん説得に応じてくれたり、対価を用意できたら一番ベストだけど。」

愛原「近代国家では、強制立ち退きみたいな形で【必要性に応じて、対価を支払う事で、その人の所有物を強制的に収奪する事が可能】になっている。仮にアイスソードがどうしても必要と感じたならば、多少無理矢理でも対価を用意する事で納得してもらうしかないだろう。もちろん対価を用意しなかったり、ケチるのはアウトだぞ。双方合意の上で売買契約するのと、嫌がる相手から無理矢理取り上げるのとを同列にすべきではないからな。奪う側からすれば単なる中古品でしかなくとも、保有している側からすれば、思い出のこもった大切な品であったり、使い慣れた一品であったり、替えの効かない大切な品である事は珍しくないからな。」

逆沢「泥棒は、その辺の配慮に欠ける人が多そうな気がするわ。自転車泥棒からすれば単なる中古の自転車でしかなくても、盗まれた側からすれば、単に自転車1台分の損失だけに留まらず、バス代などの移動経費が新たに発生したり、目的地に時間内にたどり着けなくなった事による特別損失が発生したり、自転車を探すのに費やす時間的損失とか、色んな被害が発生するのに、そういう配慮がまるで無さそうと言うか。」

鼎「万引き犯からすれば、1冊のノートでしかなくとも、売る側からすれば盗まれた1冊のノートの損失を挽回するには、その何倍ものノートを余分に売りさばく必要がある事もあるらしいよね。」

愛原「奪う側が考える物の価値と、奪われた者が被る被害の額は、決して等価ではない。【返せばいいんだろ】では済まないのだ。」

逆沢「政治家という人種は、不適切な献金もや公金支出に関しても、バレた途端に【返せばいいんだろ】で済ませる人ばかりみたいだけどね。適切な支出とか言い張って最後まで返さない、より悪質なタイプもいっぱいいそうだけど。」

愛原「政治家という職業の大変さは十分に理解できる。真面目にやっていては採算が合わない事も多いだろう。政治資金に関しては色々と見直しの余地があると思う。しかしだからといって泥棒しては駄目だ。」

鼎「誰がみても分かりやすい形で、正々堂々と必要な費用を説明できるようなシステムに変えていく必要がありそうだよね。」

愛原「徴税などを含む共有財産という考え方自体は、合理的なものだと思う。この考え方さえあれば中世ファンタジーの英雄たちも、モンスターや山賊を切り倒してお金を奪いまくったり、ダンジョンに潜っては盗掘者モードになり、時には人様の家屋に忍び込んで拝借という名の窃盗をする必要性も減ると思うのだが。」

鼎「世界を救うのに必要なカネや労力は勇者一行が自腹で負担すべきでなく、救われる世界の住民みんなで負担すべきだという発想だよね。仮にアイスソードが世界を救うのに必要なら、英雄が自腹で買うのでも、殺してでも奪い取るのでもなく、みんなのお金で持ち主に手厚い補償をした上でもらい受けるなり借り受けるべきという考え方というか。」

逆沢「ただ徴税権利者がまともに共有財産を運用する事なんて、歴史的にもほとんどないんじゃないの? 支配者のぜいたくに使われたり、支配者が権力固めする目的で流用されたり。」

鼎「小渕優子議員がばらまいた小渕顔ワインが、選挙区外にばらまかれた事例はほとんど無く、逆に選挙区内にばらまかれたのが確定的な報道もあったけど。他にも地元支持者に対して政治資金を流用して格安ツアーを用意した疑惑とか。いずれも国民の共有財産が、一政治家の支持基盤固めに流用された感じだよね。」

逆沢「地元支持者への公共工事の優遇とかもそうだけど、この手のは贈賄側も収賄側も、お互いに得をする構図だから、お互いに口裏を合わせてそんな事実はないという形で決着しそうな気がしてならんわ。で、損をするのは共有財産を使い込まれたその他大勢の一般の国民だけと。」

愛原「まぁカネや米だけでなく、人様の女房を巻き上げる為政者も、昔はたまにいたそうだからな。ひどい場合は、旦那をぶっ殺した上でその嫁を連れ去って無理矢理ハーレムに入れたり。」

逆沢「共有財産という考え方自体は、一部の人だけに負担を押しつけない助け合いの精神に満ちた素晴らしいものだと思うけど、それを私物化する悪い奴が後を絶たないのが欠点という感じか?」

鼎「共有財産を運用するには、できるだけ公平に集める仕組みと、同様にできるだけ公正に使い道を決める仕組みが必要だよね。特定の人だけ不当に納める負担が多ければ大問題だし、特定の個人や団体だけにしか還元されないような使い道に使われたらもっと悲惨だし。」

逆沢「ああ、それで中世ファンタジーの勇者達は、ちまちま面倒くさくても自力で金策に奔走し続けるのかも知れないわね。共有財産でアイスソードを手に入れても、後でその管理方法などを巡って出資者全員ともめる可能性が出てくるし、それなら自力で所有権を自分一人のものに移転させてしまった方が後腐れもないという事で。」

鼎「共有財産といえば、共有地の固定資産税を、役所が特定の一人だけに全額請求するトラブルが全国で相次いでるそうだよ。本当は共有地の保有権を持つ全員に権利割合に応じて均等に請求すべきなのに、毎年同じ特定の人ばかりに全員分の税金をまとめて請求する自治体がたくさんあるんだって。で、自分一人に他人の分も毎年全額請求された人が役所に文句をいっても、役所は【特定の一人に全額請求しても法的に構わないから、お前以外から一円も請求しない代わりにお前に他人の分も含めて全額請求してるんだ。文句あるなら共有者全員の身元全部調べて全員分の同意書でも取ってこいや。それでも誰か一人でも支払いを拒否したら、お前にその分も請求するのは一緒だけどなwww】みたいな説明をするんだって。特に共有地の持ち主が他県にもまたがってたり、現在の所在が不明な人もいる場合は、取り立てや催促が面倒くさい事もあって、とりあえず近くに住む身元が固い人に全額請求したりとか。」

逆沢「そんな悪質な真似をする自治体は、みんな吹っ飛んで消えて無くなれや。」

鼎「せっかく共有財産化してるのに、その結果、特定の人の負担がゼロになって、別の誰かが他人の分まで負担するようになったら、何のための共有財産か分からないよね。」

愛原「困っている人を助け合うという意味でも、みんなで負担し合うという考え方を強く支持したいというのが本音だが、実際は困った人を助ける為の共有化ではなく、最も立場の弱い人に負担を押しつける為の共有化になってしまうとすれば、あまりにも残念だな。」

逆沢「負担は最も立場の弱い人に押しつけられるけど、利益は最も立場の強い人だけが享受したりするのよね。共有財産を好き放題に使い込めるのは立場の強い人。共有財産が焦げ付いたり足りない時に穴埋めしなければならないのは立場の弱い人みたいに。」

鼎「それでみんなの年金がグリーンピアみたいなものに流用されたりするのかな? 立場の弱い国民がそれを阻止できない事をあざ笑うように、政治家や公務員達が自分や支持者の為だけに共有財産を好き放題に使い込むみたいな感じで。」

逆沢「で、権力者らが食いあさった結果、共有財産の馬桶が空っぽに近づくと、増税という名の儀式で共有財産の枠を増やして、それもまた特定の人達の利権に換る無限ループに陥ると。」

愛原「それでも俺としては、共有財産の有益性自体は訴えたいところなんだけどなぁ。人生が何があるか分からない。生活保護や障害者年金やインフラ整備(但し必要性が高いものから優先)などをはじめとして、共有財産システム自体は社会にとって有益だ。」

逆沢「ただ、その共有財産をだまして奪い取る奴が後を絶たないからねー。ロクに仕事も探そうとしない酒浸りのクズにまで生活保護を支給したりとか、障害者を装って公金をだまし取るとか、貧困ビジネスや福祉を食い物にする事で己を潤わせる事しか考えない悪徳不動産屋や医者とか。政治家や役人や建設会社や電力会社も含めて、共有財産を自分の財布に移し替える事しか考えない者も多くて、共有財産の半分以上は、悪い奴を潤す利権にしかなってない気もしてならんのだわ。もっともらしい理屈付けて、個人財産を搾取して共有財産化した上で、それを権力者らがかすめ取る魂胆にしか思えないというか。」

鼎「そういう世間の煩わしさと無縁でいられるという意味では、中世ファンタジー型の所有権システムは分かりやすくていいかもと思ったかも。」

愛原「現実世界とリンクして考えると問題点も多いが、空想世界にわずらわしい要素を多く詰め込んでも爽快感が損なわれるだけだし、ファンタジーの世界くらいおおっぴらでも良さそうな気はしてきたな。ダンジョンで見つけたアイテムを懐に入れようが、悪い奴から奪い取ったアイテムを我が物としようが、貴重品が納められた書庫や研究室からアイテムをこっそりちょろまかそうが、細かい点は深く突っ込まないのが正解なのかも知れん。」

逆沢「【今、俺が持ってるからこれは俺のもんだ】という分かりやすすぎる価値観ね。所有権争いでもめた時に、血が流れやすいのが欠点だけど。」

愛原「ファンタジー世界の所有権は、基本的に自己責任だからな。盗まれる者が悪い。騙される者が悪い。殺される者が悪いみたいな。良くも悪くもワイルドな世界観であり、現実と空想を区別できる者なら、そういう世界でたくましく生きていく冒険者達に憧れるのも悪くないだろう。海賊になって世界中のお宝をゲットするのもまた良し。怪盗になって世界中のお宝を盗みまくるのもまた良しだ。但し現実世界と混同したら駄目だぞ。」

鼎「現実世界は、人と人が助け合える世の中であり、労働や功績などに応じて所有権がちゃんと保障される世の中でもあるよね。」

愛原「だからこそそれを脅かす泥棒を、安易に許す世の中にしてはならない。まして国会議員は全ての国民の模範にもなるのだから、うやむやにせず、この機に膿を全て出した上で、より逃げ道のない透明性の高い制度に改めていくように頑張って欲しい。」

逆沢「膿を全て出したら、誰も残らなかったりして♪」

愛原「国会を泥棒の巣窟みたいに言うなよ。」















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