トップページに戻る


愛原様のたわごと(15年1月18日)





愛原「お前ら、SAN値って聞いた事があるか?」

逆沢「って、分からない人向けにしっかりリンク貼ってるじゃねえか? えらいえらい。」

鼎「正気を保っている度合いというか、ゲーム的に表現すれば【SAN値が少なくなるほど、より発狂した精神状態になっている事を表すパラメータ】という事になるのかな? ネットでは、怖い物と見たり、恐ろしいものに遭遇してしまった時に【SAN値をガリガリ削られた】みたいな表現をする人もいるよね。」


逆沢「要するに発狂度合いを表すパラメータという事か?」

愛原「まぁ逆からみれば、その通りだな。」

鼎「SAN値直葬なんて、うまい表現をする人もいるよね。」

逆沢「で、そのSAN値とやらが、どうかしたのか?」

愛原「SAN値というのは、人間の精神状態の変化を表現する上で、すごく上手いパラメータだと思わないか?」

逆沢「ああ、そういえば冷静さとか、義理堅さとか、気の短さとか、人の精神を表すパラメータは色々聞くけど、大体、それは固定値なのよね。冷静さが高いキャラは常に冷静で、義理堅いキャラは常に義理堅いみたいな感じで。」

鼎「でも現実の人間は、そんな単純じゃないよね。普段どれだけクールを気取っていても、何かのきっかけで取り乱したみたいな状態になったりする事があってもおかしくないし。普段は真面目な人でも、追い詰められた時に魔が差してつい悪事に手を出してしまう事もあるだろうし。」

逆沢「人間誰しも、慌てたり、怖れたり、パニックになったり、浮かれてたり、怒っていたり、悔しがってたり、ハイになってたり、逆に落ち込んでいたり、精神状態がノーマルからかけ離れれば離れる程、普段の自分からすると想像できないような行動を取りやすくなるからねー。」

愛原「だからこそ人間は面白くもあり、愚かでもあり、潜在能力を秘めているともいえる。SAN値のような概念をゲームに取り入れることで、より人間っぽさを表現できそうな気はしないか?」

逆沢「まぁSAN値が低くなるにつれて、人がどんどんあり得ない行動を取るようになるって仕様も、それなりには面白いかも知れないわね。」

愛原「そうだろう、そうだろう。実は今作成中のゲームにも、SAN値そのものではないが、そういうデフォルトの精神状態に変化を付ける概念を加えてみたのだが、これがなかなか期待できそうだ。」

鼎「けど逆を言えば、デフォルトの精神状態というのは、どういう状態の事を指すのかな?」

逆沢「そりゃあ、普通の精神状態の事を指すんじゃないの? 特に動揺もしてなくて、浮かれても落ち込んでもいない、ごく自然体の状態というか。」

鼎「じゃあゲームによく登場する、精神異常状態というのは、自然な精神状態から逸脱した不自然な状態という事になるのかな?」

逆沢「そうなるんじゃないの? 魔法の力で無理矢理相手を混乱させられたりとか。」

愛原「ドラクエシリーズのメダパニの呪文とかが代表的だな。まぁ精神異常状態がはっきりと表現できるようなものは、ゲーム的にも大変ありがたい。」

逆沢「ゲームの世界だと、効果を強調する事で、簡単に精神異常状態を表現できるわね。勇気を与える呪文で味方の攻撃力アップとか、恐怖を与える呪文で敵の攻撃力をダウンとか、冷静さを失わせてバーサーク状態にすることで、攻撃力アップと防御力ダウンを同時に付与するとか。」

愛原「7lcwでは、混乱・鼓舞・威圧といった計略名で表現されているけど、まぁ精神異常付与系という意味では同じことだな。そしてこれらに共通しているのは、精神異常状態にする事で、相手の行動を束縛したり、自身の能力を引き出す効果があるという事。」

鼎「つまり精神異常状態とは何か?を問われた場合、ゲーム的には【特定の精神状態に強制的に変更させられている状態】という事になるのかなぁ? 無理矢理パニックにさせられて混乱したり、無理矢理元気づけられて高揚したり、無理矢理恐怖心を増幅させられて能力が低下したりみたいに。」

逆沢「その定義をリアルに持ち込んだ場合、【精神病状態というのは、何者かによって特定の精神状態に強制的に変更させられている状態】という形になるのかねー? いや、素朴な問題提起でしかないけど。」

愛原「まぁ冒頭でとりあげたSAN値も、本来は【恐ろしい存在と遭遇した事によって、どんどん精神を病んでいく様】を表現する為に生まれたパラメータだからな。何者かをクトゥルフ神話の怪物(?)達と定義すれば、彼らによって病んだ精神状態に強制的に変更させられていく過程そのものであり、定義的にはぴったり当てはまらなくもない。まぁせっかくだから今回はこのまま【精神異常状態】について、もう少し掘り下げてみるとするか?」

逆沢「お、そう来たか? まぁたまにはそういうネタもいいもんだ。」

鼎「けどゲーム的な精神異常ステータスの話だけならいいけど、リアルの精神病の話にまで踏み込むと、ちょっと私達では手に負えない気もするんだけど・・・。」

愛原「まぁ所詮は、門外漢のたわごとだから難しい事は気にするな。俺は医者でも学者でもないから、その方面の学術的観点で偉そうな事を言うつもりはないし、あくまで個人的な見聞の範囲から、ほんの少しだけさわりを入れるつもりでしかないから。」

鼎「そうでなくとも現実世界の精神異常状態は、ゲームの精神異常状態と違って、普通の精神状態と精神異常状態の境界線がすごく分かりにくいらしいよね。」

逆沢「見た目には普通の人と区別がつかない精神病患者もたくさんいるそうだしね。逆に普通の人が精神病患者のふりをする事も、別に難しくはないらしいし。」

愛原「犯罪者が無罪を勝ち取るために精神異常者のふりをしたり、怠け者が公的支援をアテにして精神障害者のふりをする例も多いらしいからな。」

逆沢「耳が聞こえないふりをして障害者年金を詐取できるくらいの世の中だから、物理的障害者ではなく精神的障害者のふりをするくらいなら、何倍も楽勝かもね。最近は新型うつ病とか広汎性発達障害とか、色々訳分からない精神障害病名もはやってるみたいだし。」

愛原「かつて重度の精神障害者として法的に認定された者は、禁治産者とか準禁治産者とか呼ばれていて、彼らには財産権や参政権すら無かった。つまり精神障害者と認定されるという事は、純然な人として法的に扱われなくなるという事であり、人ではないから誰かを傷つけても裁かれないけど(犬猫と同じようなもの)、その代わり人ではないから選挙で一票を投じる事も出来ないし、お金も自由に使えなかった(犬猫に参政権は与えられないようなもの)。だが精神障害者に対する扱いが近年どんどん改められ、法律用語から禁治産者などの用語も消え(現在は【成年被後見人】という用語に代わり、中身も大きく変質している)、精神障害者をとりまくペナルティーだけが取り払われ、権利だけが残るような状態になったせいで、本来なら健常者の枠にいるはずの人間までもが、安易に精神障害者認定を望むような有様になっている。」

逆沢「あんまこういう言い方はしたくないけど、【精神障害者認定をされても、メリットはあっても、デメリットはありません】みたいなうたい文句で、【精神障害者手帳をもらえるまで、貴方を全面的にサポートします】みたいなビジネスすらあるらしいからねー。」

鼎「精神障害者手帳をもらうと、どんなお得な事があるのかな?」

愛原「精神障害者手帳にも等級があって、1級と2級は国に障害年金を請求できる。3級はもらえない。だからお金目的の人は大体最終的に2級以上を目指す。但し耳が全く聞こえない事になっていた佐村河内なにがしの人が2級だったが、逆を言えば耳が聞こえないレベルの重度障害をアピールする必要があり、2級以上を取得するのは元来は険しい。」

逆沢「3級はお金はもらえないみたいだけど、それでも何かしらのメリットはあるのか?」

愛原「昔は作業場といわれる働き場所を提供されて、そこで高給とはほど遠くともそれなりに食いつないでいけるというメリットが主だったようだ。今はそれとは別の職業訓練施設もあって、そこで職業訓練をしつつ別の働き場所を紹介される流れになっているようではあるが・・・。」

逆沢「あるが・・・って事は、何か問題でもあるのか?」

愛原「まぁ貧困ビジネスが大流行の時代だけにこういう問題もあるし。まぁ障害者を虐待するような所なら表に出やすいけど、そうじゃない所。つまり障害者をぬるま湯につけて搾取する所の方が、俺的にはさらに怖い。経営者としては障害者にやらせる仕事の中身なんかどうでもいいから(公金詐取が目的だから)、楽な仕事をやらせてある程度の賃金を渡しておけば障害者も不満を持ちにくいし、彼らに(面接で落ちるような所ばかり紹介するなどして)いつまでもまともな仕事を紹介せず、いつまでも飼い殺しにする図というか。」

逆沢「ああ、なる程ねぇ。まぁ故意に精神障害者のふりをして障害者手帳を入手するような人なら、楽な仕事ばかりで収入も得られるような環境は天国そのものだし、3時間折り紙を作り続けるだけで月給をもらえるような訓練所にいても、何の違和感も不満も覚えず、それで納得しそうな気もするわ。で、税金だけが悪徳経営者と似非障害者の為に浪費されていくと。」

鼎「でも安倍政権は生活保護や障害者年金の不正受給には厳しく対応する方針みたいだし、私はこれから改善されていく事を期待したいと思ってるよ。」

愛原「本当に困っている人を切り捨てるのは大反対だが、不正受給者をピンポイントに狙い撃ちにする分には俺も賛成だ。本当に困っている人からすれば、不正受給者がたくさん現れる程、肩身が狭くなるだけだしな。一昔、芸能人家族達の生活保護不正受給問題で騒がれた時にネット右翼を中心とした層から【生活保護を廃止しろor減らせ】みたいな論調が強く出て、本当に困っている人の生活まで脅かされそうで個人的に引っかかるものも感じたが、善意の者も悪意の者も一律に減らすのではなく、悪意の者だけをピンポイントで懲らしめるというなら、俺としては拍手喝采をするのみだ。」

鼎「最近は都道府県によっても、精神障害者手帳の取りやすさがかなり異なるという報道も出つつあるようだけど。」

愛原「このコーナーでは、報道で話題になる何ヶ月前かの時点で既にその点には少し触れていたけどな。3級の取りやすさ。2級以上の取りやすさ。いずれも地域差はかなりある。まぁ2級以上になると直接公金支出しなくてはならなくなるので、大体どこでもハードルは高くなるけど。ただ3級くらいは地域によってはかなり簡単に取れてしまい、そいつらの中で欲の突っ張ったのが安直に2級以上を申請してはねつけられる例もあるようだ。この地域差に関する問題点もいよいよ見直される流れになりつつあるようだが。」

鼎「本来の姿で言えば、精神障害2級以上というのは、やはりかなり精神的にまずい状態なのかなぁ。耳が聞こえない状態と同レベルの障害扱いらしいから。」

愛原「知人の中で精神障害2級の持ち主が一人だけいるけど、見た目や言動は普通っぽいけどな。」

逆沢「そいつ、似非精神障害者じゃねえのか?」

愛原「いや、元々重度のうつ病患者だったのは間違いない。そのかなりヤバい状態の頃の氏を知っている自分としては、安直に似非扱いはしたくない。かなり長い年月の闘病生活を経て、いつの頃からか自宅と病院などを行き来する生活になって、まぁ今も定期通院とSSRIか何かの薬は欠かせないらしいけど。薬が効いているせいだからかどうかは知らんが、ただ会話してる分にはここ数年は全く違和感を感じないというか、どこをどう見ても普通だ。」

逆沢「薬を断ったらどうなるかは分からないけど、薬を飲み続けている分には極めて普通って事か? なんかてんかん症状の人みたいねー。昔、栃木県かどこかで薬を飲み忘れたてんかん症状の作業員が、仕事中に発症して、大変な交通事故を起こしてしまったことがあったけど。」

鼎「うつ病って、本当は凄く怖い病気だったんだね。最近は新型うつ病とか、色々怪しそうな病名も出てきて、ちょっと疑問符もあったんだけど。」

愛原「うつ病を発症して自殺に至った例も非常に多いし、本当はすごくすごく怖い病気だぞ。精神障害手帳自体は持っていないけど、うつ病になった経験のある別の知り合いもいるが、まぁやはり同居家族の生活も脅かす程に大変なものらしい。」

逆沢「ん? うつ病でも精神障害者手帳があるケースと無いケースに分かれるのか? あと完治するケースと完治しないケースがあるって事か?」

愛原「医学的見地でいえば、うつ病に関して厳密な意味での完治という概念は無いらしいけどな。日常生活に差し障りのないレベルまで精神を戻した状態で、とりあえず治療終了となるだけで。あと一度でもうつ病を発症すると、何度でも再発しやすくなるものらしい。SSRIなどの薬も、飲めば飲むほど、効果が薄れて、より強度の強い薬でないと効かなくなる事から、本来はあまり多用すべきものではないらしいな。」

鼎「睡眠薬と同じ性質を持っているという事だよね。あのマイケル・ジャクソンさんも、相当強度の強い睡眠薬を服用し続けないと寝れない体質になってしまって、ついに睡眠薬の飲み過ぎで死んじゃったそうだけど。」

逆沢「家を遊園地にできるほどの大金持ちでも、精神の病とクスリの魔性からは逃れられなかったという事か?」

愛原「SSRIなどの薬はあくまで精神異常を一時的に抑えるだけの効果しか無く、早い話、痛み止めと同類の効果しか無い。そしてうつ病の治療には、その人をうつ病に至らしめた環境そのものを変える必要があるという事だ。仮に職場の上司がうつ病の原因なら、その上司を職場から追放するか、もしくは自分が会社を去るかの二択。芸能界での活動が原因なら、芸能界から身を洗い、誰も自分をあの有名人と気づかないような環境に身を置くなど。で、環境を改める事でうつ病自体は通常快方に向かうのだけども、うつ病状態が長引きすぎたり、その治療過程で薬漬けにしてしまうと、今度は薬無しでの生活が困難になったり、別の問題が出てくるらしい。彼らから聞いた伝聞によると。」

逆沢「なる程。うつ病も早期治療が不可欠って事ね。」

愛原「といっても、うつ病にかかった本人自体がうつ病を自覚する例は必ずしも多くないらしい。精神障害2級を持ってる氏の場合も、当時一人暮らしだったのが災いしたようだ。会社の人間がもっと早く気づいてあげていれば・・・と切実に思う。」

逆沢「つうか従業員を重度のうつ病に追い込むようなブラック企業が、会社側から進んで【お前はうつ病かも知れないから早く病院に行け】なんて言う訳ないと思うけど。劣悪な労働環境が表に出かねないし、さらに言えば労災ものだし。」

愛原「あともう一つの質問についての回答だが、障害者手帳は通常は申請しないともらえないからな。逆を言うと、申請さえすれば、簡単な検査だけで受け付けてくれる自治体もある。2級以上は簡単ではないが、精神障害3級くらいなら。」

逆沢「つまり後者の人は、申請自体しなかったって事か?」

愛原「多分な。もっとも通常はもらえないというだけで、本人が望まなくとももらえてしまう例も、精神病関連では無くはないらしいけど。」

逆沢「本人が望まなくても精神障害者手帳が押しつけられてしまう事があるって事か?」

愛原「親の介護をするようになってから、その方面に色々詳しくなった某君の話によると、精神病に関しては家族による代理権が法的に強く認められているらしい。たとえば認知症とか。もちろんうつ病なども含めて、精神病関連に関しては、本人が同意してなくても、家族の同意だけで特定の病院に患者を無理矢理入院させたり、治療を受けさせたり、場合によっては隔離病棟に押し込んだりできるそうだ。」

逆沢「うーん。精神病患者に意思を問いただしてもまともな回答が期待できない事もあるだろうし、まぁ冷静に考えたら妥当な法的処理なんだろうけど、頭がおかしい状態と判断された時点で、本人の意思なんてやはり無視されてしまう現状は残っているわけね。」

愛原「ここで話を少しだけ戻そう。うつ病というのは、本来正常な精神状態というのが基盤としてあって、その上で本来より大きくうつ方向に精神状態がぶれて固定されたような状態を指すと思われる。その意味では、ゲーム的な意味での精神異常状態と何ら変わりないわな?」

逆沢「職場の悪環境が、何らかの呪文と同じ悪影響をその人の精神にもたらせたと解釈すれば、同様と考えてもおかしくないかもね。」

鼎「とするとSSRIなどの薬も、何らかの呪文と同じだよね。特定の精神干渉呪文を打ち消す効果があるという。」

逆沢「でも厳密には打ち消す効果ではなく、上書きする効果でしかないけどね。便秘症状に対する便秘薬(下痢症状を促進する効果がある)と同じで、普通の人にそんな薬を飲ませたら毒にしかならないし、飲み過ぎてもやはり毒にしかならないしで。」

愛原「職場の悪環境にしても、クスリにしても、人の精神状態を無理矢理特定の方向に変えてしまうようなものは、個人的にはやはりハイリスクと言わざるを得ない。」

鼎「私達がいわゆる普通の精神状態を維持するには、どうすればいいって事になるのかな?」

愛原「少なくとも精神状態を固定させない事だけは推奨できそうだな。追い込みすぎると鬱になる。恐ろしい状態が続くとSAN値がガリガリ削られる。気持ちいい状態が続くとクスリでラリッたような状態になる。悩みも急ぐ用も何もないぼけっとした状態が続くと認知症になるリスクが高まる。逆に慌てているときにこそ冷静になるように心がけたり、怒っている時ほど相手や周りに配慮できる心の余裕を持つように心がけたり、自分の精神を自分で制御できる状態を維持できればなおベターだろう。そんな事は口では言えても、実際には簡単な話ではないが。」

逆沢「そんな事が簡単にできるなら、誰もうつ病になったりせんわ。」

愛原「けど脱法ドラッグや睡眠薬やSSRIやお酒に安易に逃げないとか、そういう気持ちくらいはもって欲しいけどな。クスリの力で無理矢理、自分の精神状態を変えようとしても、その効果があるのは一時だけ。やがてその効果は薄まり、さらに強いクスリでないと肉体も精神も満足しなくなっていく(ひどいアル中になると、酒で酔ってる自分の方が素の自分と言い張るケースすらあるらしい)。そしてやがて精神も肉体も崩壊していく。人間の精神なんて、クスリや酒一つで簡単に操作できる程、本来はすごく弱いものだ。ああ、ちなみに余談だが、うつ病治療期間中は、原則的にアルコール摂取も禁止だそうだ。精神状態を予測外の方向に狂わせるお酒という要素は、やはり精神異常を治す治療を進める上で有害らしい。上に取り上げた二人も、うつ病治療期間を経て、(付き合い上、口にする以上の)お酒は全く飲まなくなった。うち現在2級を持っている側は、昔はアル中とまではいかなくともそれなりに酒好きだったんだが。」

鼎「もしもアル中だったら、治療に支障をきたしてもっと大変な事になってたかもね。」

逆沢「つうかそれなりに酒好きだった分、余計に病状が悪化したんじゃね?」

愛原「それは肯定も否定もできんな。よく分からんとしか言いようがない。ただ普段から酒やクスリで自分の精神状態を人為的に狂わせる行為は、自分の精神状態を正常で保つ上では本来好ましくはないようだ。」

鼎「ふと思ったんだけど、精神病って、うつ病のような外的要因で精神異常を来した結果、起こるものばかりじゃないよね? たとえば今はやりの発達障害とか?」

逆沢「ああ、生まれついての精神異常って奴か?」

愛原「また面倒な例を出してくれたな。まぁいわゆる特別支援学級とか養護学校に行くレベルについてなら、話は分かる。しかし普通の学校で普通の教育を受けて普通の人と同じ生活をしてきたのに、ある日突然【私は生まれついての発達障害者です】みたいなアピールをする人の事は、正直俺的には理解の範疇を超える。ぶっちゃけ、新型うつ病並に理解できない。仮にそんなのに精神障害認定するくらいなら、児童虐待を繰り返すバカ親や、セクハラや痴漢の常習者や、他人をどれだけ追い込んでも良心の痛みを感じないいじめっ子やブラック企業経営者や、ところ構わずメンチ切って周辺の人に恫喝しまわりながら街歩いてるようなチンピラや、アル中やネット中毒の連中を先に精神障害認定してやれよと、正直言いたくなる。」

逆沢「そんなのまでいちいち精神障害認定していたら、日本人の半分以上が精神障害者扱いになったりして♪ 日本人の多くが実は潜在的な広汎性発達障害者だと主張する人達も、まれにいるそうだし♪」

愛原「しかし嫌な仕事をしてるときだけ鬱状態になるとか、空気読めないだの、そんな事だけで精神障害扱いするのなら、彼らよりももっと先に隔離・治療しなければいけない危険な人種なんて、他にいっぱいいるような気がしてならんのだがな。」

逆沢「あはは。まぁ私達のような医学のシロートの発想では、どうしてもそうなっちゃうわね。飲酒運転を平気で繰り返したり、悪事に良心の呵責を感じない人種の方が、余程社会からみて驚異なのは確かだし。」

愛原「別に新型うつ病や広汎性発達障害と診断された彼らを一方的に非難する意図ではなく、正直、俺の知能レベルと社会経験レベルでは、彼らが普通の人と全く異なる精神構造をもった別の生命体と認識する事ができないのだ。俺は彼らは普通の人だと認識しているし、当然、差別する事なく普通の人として普通に接し、彼らと同じ人権を共に守りたいと思うと同時に、普通に人間としての責務を果たしてもらいたいと考えている。逆を言えば、仮に彼らを普通の人じゃないと認識せざるを得なくなった場合は、彼らにはそれなりの十字架を背負って貰う必要があると考えている。たとえば去年の9月末に発達障害の生徒が、教師の頭を何度も机や床に叩きつけて脳挫傷を負わせて意識不明にしたなんて記事があったが、さすがにこういう真似をする人を普通の精神の持ち主と見なす事は、俺にはできないからな。」

鼎「脳挫傷で意識不明って、植物人間状態も含めたら致死率5割くらいだったと思うけど。精神障害や記憶障害や半身麻痺などの脳障害が一切ない状態で意識回復できたら、幸運とされる程の確率というか。その後、回復したという続報も全くないし、学校内での不祥事と言う事で、誰かが裁判にでも訴えるか、回復したというのでもない限り、もう記事にはならないような気がしてならないけど・・・。」

逆沢「発達障害もピンキリねー。ネットで話題になってるアスペルガーなんて、養護学校にいるようなガチと比べたら、全く中身が違うというか。」

愛原「この事件を起こした学生に関しては、養護学校ながら高等教育を受けていたみたいだから、いわゆる知能(記憶したり計算したり考えたり、勉強する力)などは普通とされる水準から大きくは逸脱しないレベルだったんだろう。但し、キレると何するか分からないタイプだったんだろうな。」

逆沢「記事によると先生に注意されてキレたという事らしいけど、仮に彼をキレさせないようにしようとすれば、銀英伝のフォーク准将じゃないけど【逆らってはいけません。挫折感や敗北感を与えてはいけません。誰もが彼の言う事に従い、あらゆることが彼の思い通りに運ばなければなりません】って事か? それが仮に発達障害者に対する模範的対応だとするなら、冗談にしても笑えないんだけど。」

愛原「こういう深刻な精神の病を背負った彼らもつらいとは思う。しかし同情はできるが、じゃあ彼を普通の人に対する態度そのままで交流せよと言われれば、俺には正直難しい。それなりに距離を置かざるを得ない。こちらも彼に対して遠慮するし、彼にも色々遠慮して貰わざるを得ない。とてもとても重い十字架だが、お互いがより傷つかない為にもやむを得ない。」

逆沢「まぁ誰がみても普通の人ではないと一目で区別が付くような仕組みくらいは欲しいかもね。普通の人だと思って接したら、突然キレて暴れられたり、しつこくからまれても困るし。もちろん薬や付添人などによって、ちゃんとした状態を保てるのならその限りではないけど。」

鼎「精神障害1級や2級とかも、本来はそういう人たちを想定して設立された概念だよね。今は都道府県によっては、異様なまでにハードルが下がっているようだけど。」

逆沢「まぁ政治に口出しすべきでないレベルと判断される程の精神障害者なら、分からなくもないけどね。それでも人を傷つけても無罪というのだけは、私的には納得しかねるけど。」

愛原「というわけでそんなガチの生まれついての精神障害については、今回はパスさせてくれ。たわごとで触れるにはあまりにも重すぎる話題だし、今回のテーマからも外れる。今回のテーマはあくまで外的要因によって、本来のまともな精神状態を狂わされる状態についてだからな。」

逆沢「まぁ細かい事まで言い出すと、ほとんどの日本人が何らかの精神の病を抱えている事になりかねないからねー。学術的にはどうか知らないけど、そういうのまでいちいち精神障害だの精神異常と扱ってたらキリがないし、まぁシロートは深入りしないのが賢明だと思うわ。」

鼎「ファンタジーの世界では、現実離れした強烈な個性の持ち主がゴロゴロいるから、そもそも生まれついての精神障害という概念自体が、意味を成さないかも知れないよ。」

愛原「よって俺も、ゲーム内での精神異常ステータスに関しては、何らかの外的要因によって強制的に本来の人格や精神をねじ曲げられたという定義でまとめたいと思う。生まれた時から元々狂ってるというケースは、特別支援学級だのといったレベル以上でない限り、基本的には想定しない。」

逆沢「まぁ精神異常の理由を外的要因だけに限定したとしても、誰もが精神異常ステータスになる可能性がある事に変わりは無いけどね。人の心は簡単に壊れるから。」

鼎「つらい事があったり、ショックな出来事に遭遇したり、酒や薬に依存したり、本当に人の精神はちょっとしたきっかけで病んじゃうよね。」

愛原「とかいってどんな事があっても、喜びも悲しみも動揺もしない人間が魅力的かと言われたら、そんな事は決してないからな。人が感情で揺れまくるのは仕方ない。ただ健康な精神の人間は、どれだけ激しく精神が揺れても、精神の天秤は必ず元の位置に戻る。人の頭を床に何度も叩きつけるみたいな無茶な感情の揺れ方ならまだしも、常識的な範囲なら全く揺れないよりも適度に揺れた方がずっと良い。」

鼎「けどうつ病のような状態に陥ると、なかなか元の精神の状態に戻れなくなってしまうんだよね。不自然な状態で天秤が固定されちゃうというか。」

逆沢「精神異常というのは、精神が揺れる事ではなく、不正常な位置で精神が固定される状態ともいえそうね。混乱の呪文も恐怖の呪文も、特定の感情で精神を固定させる呪文と解釈すれば、まさしくその通りだし。」

鼎「鉄のごとき固い精神が正常なのではなく、風に吹かれた柳のようにどれだけ揺れてもいいから、ちゃんと元の位置に戻れる精神こそが一番安定しているともいえそうだよね。人一倍いっぱい笑っていっぱい泣いてもいいから、最後はちゃんといつもの自分に戻れる精神というか。」

逆沢「固い精神の持ち主ほど、何か強いショックを受けた時にボキッといきそうな気がするわ。誰よりも強く信じている人ほど、信じているものに裏切られたときにボキッといったり、逆に妄想の殻に閉じこもりそうというか。」

愛原「日頃から柔軟な精神の持ち主でありたいものだな。外的要因で自分の精神を簡単に狂わされたりしないように。」














トップページに戻る