トップページに戻る


愛原様のたわごと(15年2月15日)






愛原「攻略本とか攻略サイトのあるゲームってどう思う?」

逆沢「ん? なんだいきなりその設問は?」

愛原「いや。何となく、なんかカッコいいなぁと思って。」

鼎「そういえば最近は、wikiという便利なものがあるせいか、攻略本というのは随分下火になっちゃった気がするよね。」

逆沢「スーファミとか、家庭用テレビゲーム全盛期の頃は、攻略本もすごい売れてたような気がするわ。あと裏技本とかも。」

愛原「攻略本がないとクリア困難なゲームすら、無くも無かった時代だからな。」

鼎「でも当時の攻略本って、読んでてすごくワクワクするのも多かったよね。役に立つテクニックとか、効率の良いプレーとか、隠しアイテムのありかとか、そういう情報も大事だけど、キャラクター紹介とか、アイテム紹介とか、そういうのにもすごくワクワクできた気もするし。」

逆沢「まぁ今風に言えば、ファンブックとか設定資料集の意味合いも兼ねてたからねー。今はファンブックや設定資料集の中に、マル秘テクニックとか隠しイベント情報とかがおまけについてる印象だけど。」

愛原「まぁ純粋な攻略情報だけなら、wikiで事足りるというのもあるかも知れんな。」

逆沢「まぁそれは言えるかもね。もっとも全てのゲームにwikiや攻略サイトが用意されている訳じゃないけど。」

愛原「それが悩みなんだよなぁ。たまに面白いゲームに当たっても、壁にぶち当たった時に攻略サイトがなくて弱る時も全く無いと言えば嘘になるからなぁ。市販ゲ、フリゲ問わず。」

鼎「特にフリゲとかだと、その傾向が強くなるよね。」

逆沢「つうか、攻略wikiや有志による攻略サイトまであるようなフリゲなんて、全体の1%にも満たないだろ? 計算方法次第では0.1%割りそうというか。」

鼎「あったとしても、その大半は有志ではなく作者自身のセルフだよね。」

逆沢「公式攻略本ならぬ、公式攻略サイトってやつね。まぁ中には、ダウンロードしたゲームフォルダの中に、こっそり攻略情報が載ったテキストファイルが同梱されているケースもあるくらいだし。」

愛原「そういうのも、まぁ十分、親切設計だなぁとは思う。」

鼎「ただプレイヤーの性格によっては、プレイする前に攻略情報を読んでしまう人も出そうなのが難点だけど。」

逆沢「ま、それはそれでいいんじゃないの? テレビゲーム全盛期の頃でも、ゲームソフト自体は持っていないけど、攻略本だけは持っていたなんて人も結構いたらしいし。」

鼎「ゲーム本体を持ってなくても、攻略本を読むだけでもそれなりに遊んだ気になれるというか、ワクワクできるというか、楽しめる攻略本というのも、そういえばあったような気がするかも。」

愛原「たとえば0.01%の確率で入手できるレアアイテムなんて情報が攻略本に載っていても、それを実際に試すプレイヤーは少ないと思う。しかしその事実を知った事による満足度はそれなりに得られるようなものかも知れんな。」

鼎「テーブルトークのゲームシステムブックとかも、読んでるだけでワクワクできるものがたくさんあったよね。実際に仲間を集めてプレイする機会が無くても、そういう世界観やゲームルールを知るだけでワクワクできちゃうというか。」

逆沢「ゲームそのものを遊ばなくても、ゲームの設定だけを知るだけでワクワクできちゃうというのが、攻略本やファンブックの素晴らしい所といえなくもないわね。」

愛原「攻略本や攻略サイトを見た結果、個人的にひいきにしているキャラクターが低評価なのを知ってムッとする時もあるけど、逆にその低評価ぶりにニヤリとする時もある。的確というか、うまいコメントがついてたりすると特に。そのムッとしたりニヤリとしたり、一喜一憂できる事自体も楽しいしな。」

逆沢「攻略本や攻略サイトじゃなくて、ただの感想文だろとツッコミたくなる時もあるけど、コメントが共感できるものであったり、面白かったりすると、それはそれで笑って許せるのよね。」

鼎「人気作品だと、レビューや感想文の類いも珍しくないけど、そういうのも読んでて楽しい時もあるよね。」

逆沢「自分の意見と全く同意な人がいる事に満足感を覚えたり、逆に自分が想像もしなかったようなプレイをしてる人の存在を知って驚嘆したり、自分とは正反対の感想を持つ人がいるのを知って新しい視点に気づかされる時もあるけど、それらもまぁ楽しいケースが多いしね。」

愛原「ただ悲しいかな。フリゲではそういう機会が恵まれる事はほとんどないんだな。」

逆沢「感想がどうこうは二の次にしても、攻略情報くらいは欲しいときがあるわね。特に攻略に詰まった時とか。」

鼎「攻略自体には詰まってなくても、再プレイしたくなるような秘密の情報くらいは欲しいと思う時はあるかも。」

逆沢「秘密の情報自体が初めから存在しない方が多いだろうけど♪ それでも満足した作品であればあるほど、そういうのに期待しちゃうのはあるかもね。そういう意味では、クリア後のおまけコーナーがあるようなゲームは、私的に割と大好物というか。」

鼎「フリゲ作者さんには、クリア後のおまけコーナーとか、作者部屋とか、そういうのを用意するのが好きな作者さんも割といるよね。初心者寄りの作者さんの方が、そういうのを設置したがるようなイメージもあるけど。」

逆沢「で、そのおまけコーナーでは、ボツになった設定とか、秘密のアイテムのありかとか、そういうのが語られたりする事も多かったりするわけだけど。」

愛原「攻略本における【製作スタッフへのインタビューコーナー】みたいなものだな。まぁ興味の無い人も少なからずいるだろうけど、ファンにはたまらないものだ。」

逆沢「フリゲの場合、有志が勝手にwikiなり攻略サイトなりを立ち上げてくれる可能性はかなり低いから、そういうのを期待する場合、どうしても作者のセルフサービスに頼らざるを得ないからねー。」

愛原「ごく一部の作者だが、そういうファンサービスに熱心な作者様もいなくはない。攻略本ばりとまでは言わなくても、ファン向けにキャラクターイラストやキャラクターステータスを公開したり、たまにブログなどでボツネタとか裏エピソードを公開してくれたりとか。」

逆沢「そういう自分の好きなゲームの作者さんがそういうタイプだったら、ますます応援したくなるわ。」

鼎「ただそういうのを期待しても、現実はそうじゃない方が多いよね。ぽつんとゲームフォルダだけが置いてあるだけで、攻略ヒントも何も無いサイトの方が圧倒的に多いというか。」

愛原「作者も人間だからなぁ。いい反響が得られてこそ、それなりにファンサービスもしたくなるけど、全く反応がないのに、いちいち手間暇かけて公式攻略サイトだの公式設定サイトまで別途用意したくもなりにくいからなぁ。」

逆沢「攻略本やファンブックと同じパターンね。それなりに売れる見込みがあってこそ、攻略本やファンブックも世に出るけど、あまり売れそうにない作品の攻略本やファンブックが制作されるはずが無いのと同じ理由というか。」

愛原「まぁゲームを遊ぶ側の視点で言えば、好きなゲームの攻略本や攻略サイトが無いと悲しくなるだけなのだが、ゲームを作る側の視点で言うと、難易度調整などにもからまずにはいられないから、なお困る事がある。」

逆沢「お、次はゲームクリエイター側の視点か?」

鼎「やっぱり攻略サイトなどが登場するであろう前提と、そうでない前提では、ゲーム製作自体にも影響してくるって事かな?」

愛原「放っておいても攻略wikiなどが作られるであろう前提なら、難易度は少々高くても構わない。秘密のアイテムだの隠しボスだのトゥルーエンドだのといった、作り込みもしておいた方が良い。縛りプレイなど、独特のプレイが可能な仕様にしておけばなお良し。その方が話題性も出てくるし、長くかつ深く遊んでもらえる可能性が高まるからだ。」

逆沢「けど攻略サイトなどが全く作られない前提だと、難易度の高いゲームは、ゲームを途中放棄させる原因にしかならないわね。秘密のアイテムも隠しボスもトゥルーエンドも、そういう存在に気づかれないままゲームを終えられる可能性も高くなるし。」

鼎「せっかく感動の真エンディングを用意してても、プレイヤーがその存在に気づかずゲーム終了してしまって、凡作という印象でゲームを終えられたら、作者としてはすごく悲しいよね。」

逆沢「せっかくの隠し要素が、ぜーんぶ無駄に終わっちゃうからねー。」

愛原「とかいって、最初からフルオープンにして、隠し要素一切無しというのも、味気ない。最初にネタばらしをした上で、手品をやるようなものだ。」

逆沢「作者的には、難易度の高い山を越えた先にある感動を味わって欲しいと思っても、それがかなわないって事か?」

愛原「難易度が高すぎると投げられる。低すぎると感動が薄れる。そしてプレイヤーごとに適正とされる難易度も様々。その極めて困難な難易度調整作業ができれば良いのだが、実際には一流の商業メーカーでも、そんな神調整は難しい。」

鼎「ゲーム作者的には、たとえば秘密の仕掛けを見つけて感動して欲しいと思っても、それすら難しいって事だよね。仕掛けが簡単すぎると、感動もしてもらえないし、それどころか仕掛けがチープとか安直とかバレバレと馬鹿にされる可能性もある。でも難しいとゲームが進められなくなって、クソゲ呼ばわりされたり、時にはバグ扱いされる事すらあると。」

逆沢「そういう時に、攻略サイトでもwikiでも2chの専用スレでもなんでもいいから、そういうものがあれば、万事解決なんだけどねー。」

愛原「現実には、攻略サイトやwikiや専用スレが立つレベルの作品なんか、ほんの一握りしかないけどな。」

鼎「そう考えると、クリア後のおまけコーナーも、仕様としてはすごく有効だよね。とりあえずクリアできるまでの難易度は下げておく必要があるけど、クリア後に真エンディングが別にある事をお知らせしたり、秘密のアイテムがあるとか、隠されたエピソードがあるとかお知らせするだけでも、再プレイの動機付けになったり、作品に対する愛着や奥行きの評価につながるだろうから。」

逆沢「まぁ途中で投げ出す事なくクリア段階までプレイしてくれたプレイヤーなら、その作品のことをそれなりには気に入ってくれている可能性も高そうだしね。そういうプレイヤーに対するファンサービス兼攻略お得情報を、最後に用意するというのは、ゲームの価値を高める上でかなり有効だとは思うわ。」

愛原「だな。まぁ作者側の視点で言えば、一番うれしいのは、作者の手でネタばらしするのではなく、プレイヤーの有志の方に攻略サイトなりファンサイトなりを立ち上げてもらって、勝手にネタばらししてもらう方なのだが。」

逆沢「作者に無断で、ネタばらしされても構わないのか?」

愛原「アニメやゲームを楽しんだファンが、そのオチやネタで(悪意なく)盛り上がったからといって怒る作者なんてまずおらんだろ? そりゃあ作品公開直後に嫌がらせのようなネタバレをしたり、何の配慮もなく動画などにアップするのは、さすがにNGだとは思うけど。」

鼎「推理小説の目次のページに犯人の名前を落書きするようなのは、さすがにNGだけど、その小説を読み終えたファンなどが集まって真犯人のヤスについて盛り上がるようなのは、作者としてもむしろ歓迎って事かな?」

愛原「たとえば推理ゲームを作ったとして、作者自身のセルフサービスで真犯人の名前を出すような事は絶対にしたくない。作者の本音としても、確信になるヒントはなるだけ言いたくない。でもそれでプレイヤーが謎を解けずに投げ出すのはもっと困る。そんな時、作者以外の他人がどこかの非公式攻略サイトでこっそりネタバレしてくれると助かるという事もあると思う。」

逆沢「なるほど。あうんの呼吸って奴ね。」

鼎「同人文化の根幹をなすものだよね。建前上は二次創作禁止とせざるを得ないけど、実際には適度に二次創作などで盛り上がってくれた方が、作者としてもうれしい例があるようなもので。」

愛原「うん。秘密の隠しアイテムという扱いなんだから、作者自らそれをばらすという真似は、本当はやりたくないのだ。でもせっかく隠しアイテムを用意したのだから、最終的には是非とも見つけてもらいたい。そう考える作者は非常に多いと思う。ネタばらしの件についても同様で、推理小説の目次に犯人の名前を落書きされるのは論外としても、最終的に作者が用意した真犯人のトリックについて、どこかで盛り上がって欲しいと考えるのは自然だと思うんだ。」

逆沢「せっかく巧妙なシナリオを用意したのに、誰も話題にしてもらえなかったら、それはそれで寂しいもんねー。まぁ言いたい事は分かる。」

愛原「悪意あるネタバレは困るけど、そうでないなら有志による攻略サイトや感想レビューコーナーは、作者にとって大きな喜びになっても、その逆にはほとんど作用しない。タテマエ上は無断転載や二次創作やネタバレなどを制限せざるを得なくとも、本音としてはある程度は話題になって盛り上がって欲しいと考えるのがクリエイターというものだ。」

逆沢「TPPの動向次第では、ディズニーなどを背景に持つアメリカの圧力で、親告罪扱いになっている著作権の扱いが変わるかもしれないらしいけどね。少なくとも安倍サイドいわくでは、著作権関連では全くTPPの争点になってないらしいけど。」

鼎「争点にすらなってないとすれば、日本がアメリカを一方的に言いなりにしたか、日本がアメリカの要求の言いなりになったか、ディズニーを初めとするアメリカ発の著作権は日本国内で厳しく制限するけど日本発の漫画やアニメの著作権はアメリカでもパクリ放題という現状のダブルスタンダード状態を法的に担保してしまうかの三択って事かな?」

愛原「まぁどう転ぶか分からないTPPの話は置くとして、作者自身がネタバレしたり、作者自身が無断転載などを公認すると、色々面倒くさい事になる事もあるし、とかいって【ファンが作品のオチについて話題にするのは一切禁止】とか【ゲーム画面の無断転載は一切禁止】とやるのも極端だ(ディズニーはその極端な横槍をたまに入れてくるけど)。」

逆沢「つうか私が作者側の立場なら、少々辛口でも、ファンによるプレイ感想や攻略情報などは大歓迎だけどねー。」

鼎「小説家の作家自身が【私の小説は面白いです。是非読んで下さい。オススメです。】とアピールするのではなく、どこかのファンの口から【この小説はすごく面白かったです。是非読んでみて下さい。オススメです。】と紹介してもらえた方が、作家としても何百倍もうれしくなるようなものだよね。」

逆沢「ただ悲しいかな? フリゲ界だと、作者自らネタバレしないと、隠しアイテムは永遠に隠れたままになりがちなのよね。昔のファミコン全盛期の頃だったら、普通ならまず見つけられないような隠しコマンドでも、誰かが見つけてくれたりしたものだけど。」

愛原「うん。仕方ないから、7lcwでも、クリア後特典という形で隠しステージや隠しイベントをいくつか公開している。オススメは宮田編と北狄編のクリア後特典かな?」

逆沢「今頃、そんなネタ振っても誰も喜ばんわ。」

鼎「今、作ってるゲームでも、クリア後特典とか用意する予定?」

愛原「どうしようかな? ただ、ジャンル的に隠しイベントとかがあるゲームじゃないしなぁ。ただQ&A形式のヒント集という形で、テキストファイルは同梱しておいた方がいいかも知れないとは思っている。」

逆沢「攻略で詰まった時の為か?」

愛原「今作は自由度が高いが故に、遊び方自体が分からないプレイヤーが出る怖れがあるからな。」

逆沢「テーブルトークもそうだけど、自由度が高いゲームは、プレイヤーがとんでもない方向に動いてとんでもない展開になって、【なんじゃこのクソシナリオは〜!!】ってオチで終わる危険性があるからねー。」

鼎「一本道シナリオと真逆のタイプって事かな?」

愛原「一本道シナリオの場合は、作者側にとって魅せたいシーンを確実に順序に沿ってプレイヤーに体験させられるメリットがあるが、その代わり自由度にどうしても難がある。逆に自由度の高いゲームは、プレイヤーが意図しないルートに進む危険がどうしてもつきまとう。」

逆沢「RPGでいえば、いきなり強敵ゾーンに足を踏み入れて、プレイヤーが瞬殺される可能性もあるって事ね。必ずしも決められたルートに進まなくていい自由はあるけど、その代わり、望ましいルートを大きく離れると、ゲームバランスやゲームシナリオが崩壊してるとしか思えない展開にしかならないというか。」

愛原「あと自由は、誰でもうまく使いこなせるものではないからな。【好きな絵を描きなさい】と言ったからといって、必ずしも皆が上手い絵を描いてくるとは限らない。何の絵を描くか優柔不断に迷って時間切れになる人もいるだろうし、そういうタイプに対してなら、自由を与えずに、決められた条件で拘束した方が良い事もある。」

逆沢「まぁ一本道シナリオの方が、余計な事に迷ったりせず、純粋に楽しめるというプレイヤーも多いだろうしね。この辺は好みの問題としかいえんわ。」

愛原「自由度の高いゲームの場合、プレイヤーのゲームスタイルによっては、面白いプレイの仕方に気づいてもらえない可能性も高まるので、こういうプレイの仕方もありますよという形で、ヒント集みたいなものを作者側から事前に出すのもアリかなとは思っている。その上で道を外れたい人は外れたらいいしみたいな感じで。」

逆沢「前回のテーマで触れたお遊びコマンドという視点から考えると、実は道から外れた方が面白くなりそうな気もするんだけど♪」

愛原「人によっては当てはまるかもしれんな・・・。タテマエとしては道から外れるととんでもない展開になってしまうから、公式としてはまず薦められないんだけど・・・。作者に無許可で誰かが勝手に攻略サイトなり、レビューサイトなり立ち上げてもらった方が色々都合のいいジャンルになるかも知れない。」

鼎「7lcwでは黒藤編が、そんな扱いだったかな? 公式としてはあまりオススメできないシナリオだけど、一番アクが強いのも実は黒藤編という・・・。」

逆沢「黒藤編は商業ゲーム化不可能な無茶シナリオだったけど、フリゲとしても公式で堂々とアピールするには難しいという強烈なアクがあったからねー。」

愛原「どこかで黒藤編の攻略サイトやレビューサイトがあったら、是非とも一度は見てみたいものだな。」


















トップページに戻る