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愛原様のたわごと(15年6月21日)






愛原「いやあ、パリーグは強いなぁ。」

逆沢「つうかセリーグが弱すぎるだけじゃね? 交流戦の無残な結果をみる限り。」

鼎「今日の夕方の時点で、セリーグは1位の巨人だけがかろうじて貯金1で、残りのチームは全部借金なんだよね。」

逆沢「つまり巨人があと2連敗すると、セリーグ全球団が借金持ちになるわけね。」

愛原「もう交流戦自体は終わってるから、仮に巨人が借金持ちに転落しても、別の球団が勝ち続ければ、その球団が新たに貯金持ちになるだけで、全球団が借金持ちになるケースなんて、極めてまれな気はするけどな。」

逆沢「全球団が借金持ちになれば、それもネタ的には面白いんだけど、そう簡単にはいかないって事か? うーん、これは残念。」

愛原「仮に交流戦という概念がなければ、全球団合わせての貯金と借金は、合算すれば必ずゼロになるからな。交流戦が導入された事で、プラマイゼロには必ずしもならなくはなったけど。ちなみに現在、セリーグ全体で借金17だから、6球団全部が借金持ちになるには、1位から6位の差が約3試合差までという、かなりレアな大接戦にならなければならない。」

逆沢「うーん。理論的には不可能ではないけど、確率としては極めて難しい状況という事か?」

鼎「みんなが借金持ちという状況は、実際にはすごく難しいという事かな?」

愛原「もっともペナントレースで全球団が借金持ちになったからといって、どこかの球団が優勝する点も、どこかの球団が日本シリーズに出る点も、翌年に借金を繰り越さない点も同じだから、各球団やセリーグ全体として、なんら実害がある訳ではないけどな。」

逆沢「でも全球団が借金持ちになった方が、ネタ的にはおいしいし、各球団も開き直れるんじゃね? 今の日本人も実はすごい借金持ちだけど、みんなで借金背負ってるからか、結構気楽に構えているみたいだし。」

鼎「自分だけが借金持ちだったりすると、すごくあせったり、残念な気持ちになるけど、みんなで背負えば怖くないって事かな? 借金も。」

愛原「財政破綻論の話題になれば、必ずと言っていいほど【破綻するわけが無い】とか【破綻してもどうって事無い】みたいな主張をする人が出るが、【みんなが借金持ちである】というシチュエーションがイマイチイメージできない事から来るのかも知れんな。」

鼎「そうでなくても、日本と言えば世界でも有数の豊かな国という印象だから、財政危機時のソビエト連邦やギリシャやキプロスやアルゼンチンみたいな状況に陥るイメージが全然わかないよね。」

逆沢「財政破綻のイメージを思い浮かべると、なんとなく不景気のどん底みたいな印象だけはあるけどねー。」

愛原「いい機会だ。複数の国家が登場するRPGでは豊かな国と貧しい国といった様々な国が登場するが、その中でも最悪状態である財政破綻状態について、この際だから検証してみよう。どういう国が本当の意味で裕福なのか? どういう国が貧しくなったり、借金だらけになるのか? そして貧しさを通り越して財政破綻すると、国民生活にどういう影響が出るのかについても含めて。」

逆沢「それ、プロ野球の話から始まったとは、誰も思えないようなド変化球テーマねー。」

愛原「借金まみれのセリーグの話をしていたら、とんでもない方向に話題がねじ曲がった感じだが、まぁこれはこれで俺達らしいのでGoだ! という訳でまずは豊かな国からイメージしてみようか?」

逆沢「うーん。物資に恵まれていて、国民の生活水準も高ければ、とりあえず豊かな国って事になるんじゃないの?」

鼎「私は、税金が安い国の事を指すような気もするよ。いわゆる産油国の中には、税金がほとんどタダ同然で、それでも国家が借金まみれになる事もなく、健全に運営されている国もあるよね。」

愛原「逆沢の目線は、国民目線でいう所の豊かさ。鼎の目線は、国家目線でいう所の豊かさだな。とすると貧しい国というのは、その逆という事でいいのかな?」

逆沢「そうなるんじゃないの? 少なくとも国民がカネを持ってない国ほど、全体としての生活水準も低くなるわけだし。」

鼎「とすると今の日本は、少し不思議な国だよね。国家財政でいえば小渕恵三さんがかつて【世界一の借金王だ!】とはしゃいで以来、世界トップレベルの大借金国家であるにも関わらず、国民の生活水準や総資産額では先進国でも上位レベルだし。」

愛原「実際には不思議でも何でも無いんだけどな。人一倍カネを稼ぐ芸能人や大企業ほど、巨大な借金を抱えている事は珍しくないだろ? 逆に貧乏人が何百億も借金するのは不可能だ。なぜなら誰も貸してくれないから。」

逆沢「あはは、まぁそりゃそうだ。貧乏人が【必ず働いて返すから、とりあえず百億ほど貸してくれ】と銀行に融資を申し込んだところで、誰も相手にする訳がないからねー。」

愛原「現在、ギリシャが財政危機で問題視されているが、借金の額で言えば、日本政府が抱えている借金と比べれば、極めてわずかな額だ。にも関わらず、今、世界的に問題視されているのは、額の大きさうんぬんではなく、返済能力を強く疑われているのが第一だ。」

鼎「つまり超圧倒的な借金を抱えているはずの日本が、今の段階で問題視されていないのは、返済能力をそれほど強く疑われていないという事かな?」

愛原「日本政府が抱えている借金は、配分で言うと国内向けがほどんどだからな。今、直ちに外国の政府や投資家から問題視される水準には至っていない。もっとも今月行われたサミットで、オバマから少し釘を刺されたようだから、黄信号ではあるけども。」

逆沢「それでも黄信号水準にまでは悪化してるのか?」

愛原「黒田バズーカーの名目で、日本円の価値がここ数年で大きく下落している。日本国債を買っている外国人投資家からみれば、かなりゆゆしき事態であり、これに対してオバマらが安倍に釘を刺したのだ。で、これに一番慌てたのが日本円のバラマキそのものを担当している日本銀行総裁の黒田で、サミットが終わった直後に【これ以上の円安はない】と釈明関係を行う羽目になり、直後に円相場が大きく高騰し、為替関係者を混乱させた。けど紙幣を大量に刷る以外に、有効な借金返済方法が今の日本政府にあるかというと、アベノミクス3本の矢の内で最も重要とされている成長戦略が絵に描いた餅である以上、全くないわけで、状況は極めてまずい。もっとも日本国民にとってまずいだけで、オバマら外国勢からすれば、日本円が紙くずになるよりもずっとマシという考え方のようだが。」

鼎「日本国債を最も買っているのは、いわゆる外国人投資家達ではなく、まず第一に郵便局で、その次が銀行だったかな?」

愛原「うん。つまり国民が郵便局や銀行に預けている郵貯や預金が、ほぼそのまま国債に化けている形になる。しかし麻生財務大臣の発言などをみる限り、銀行がこれ以上国債を買い入れる余力はもうほとんどなさそうだ。郵貯の方ももう限界なのか、この前、郵貯の限度額を1000万円から3倍に引き上げたいみたいな報道が出ていたな。」

逆沢「もう完全に自転車操業じゃねえか? しかもそれもそろそろ限界に近づきつつあるという。」

鼎「借金もなく税率も低い国が豊かな国で、多額の借金を抱えててその返済の為に増税を続けざるを得ない国を貧しい国とすると、日本は豊かにみえて実は貧しい国だったのかなぁ?」

逆沢「人一倍豪華な暮らしを続けてみせてはいるけど、実は借金まみれとか、絵に描いたような見栄っ張り家庭みたいねー。」

鼎「今は郵貯や銀行のお金でかろうじて国家財政を回しているみたいだけど、それも底を突いたらどうなるのかな?」

愛原「当然、踏み倒すしかないな。江戸時代までなら徳政令みたいなものを出して、無理矢理借金を棒引きにしていたみたいだが。」

逆沢「今の世の中では、徳政令は出せないのか?」

愛原「出せるよ。というか本当に財政が行き詰まったら、紙幣を大量に刷るか、デフォルト(政府による徳政令)宣言するしかなくなる。但し、カネ余りの大商人が余剰資金をお奉行様らに貸し出していた江戸時代と比べると、現代は貸し手の事情が全く異なる。銀行や郵貯が保有しているお金は、元々小市民達のわずかな資産の集合体だ。つまり政府が借金を踏み倒すという事は、小市民が銀行や郵貯に預けているお金が、まるまる溶ける事を意味する。そのままでは国内の金融機関の総倒れは必至となり、当然ながら、国民は慌てふためいて銀行や郵便局から、全財産を引き出そうとするだろう。」

鼎「それでキプロスでは、預金封鎖が行われたんだよね。国民に一斉に資金を引き揚げられたら、国内全ての金融機関が破綻しかねないから。」

逆沢「日本でも敗戦直後に、預金封鎖したんだっけか、確か?」

鼎「マイナンバー制度も、預金封鎖をしやすくする為の制度と言われているけど、もしかしたら安倍政権も、デフォルトに向けて密かに準備を進めているという事かなぁ?」

愛原「可能性は高いだろうな。というか現状、日本の財政破綻を回避する方法自体、俺には全く思い浮かばない。【財政破綻なんて起きるはずが無い】という意見もよく聞くのは事実だが、なぜ起きるはずがないと言い切れるのか、その根拠が原発神話並に願望と混同している中身に終始しており、正直困る。財政破綻なんて世界中で起きているし、日本でも徳政令なり預金封鎖なり、何度でも破綻劇は体験済みなのに、なぜ世界一の借金王状態になって改善の兆しも無い今更、【財政破綻なんて起きるはずが無い】なんて無責任な事を恥ずかしげも無くいえるのか? 原発事故が起こってなお、原発は安全と言い切る人並みに無責任と言わざるを得ない。」

逆沢「ま、仮に財政破綻が起きっこないというなら、国民の借金はどんどん減ってないとおかしい訳だしねー。普通に考えても。」

鼎「けど逆を言うと、日本で何度財政破綻劇を迎えても、それで日本が滅亡した事も無いし、そんなに深刻に考える程でないと考えても良さそうな気はするけど・・・。」

愛原「まぁ、その通りだな。別に財政破綻したからといって、日本が滅亡する訳では無い。戦後、奇跡の大復興を遂げたように、さっさと破綻宣言して不良債権はさっさと処分した上で再建に向かった方が、将来的にみてプラスになる事すらある。」

鼎「民間企業でも、民事再生法の手続きを経て、一度は破綻した企業が再生するケースも多いよね。」

逆沢「一般人でも、破産宣告で借金をチャラにする事で、人生をやり直せる人もいるし、もう駄目だと思ったら、故意に破綻させてしまう方法もありって事か?」

愛原「自治体が破綻した例としては、夕張市などが分かりやすいだろう。夕張市も、財政破綻した事で、今までの放漫財政が見直され、今、まさに財政再建への道を歩み出している。」

逆沢「確か夕張市は、炭鉱産業の不振で財政悪化が深刻になったにも関わらず、今までの放漫財政を見直さないどころか、【積極経済で財政再建♪】みたいな思考で、公共工事中心の箱物行政に注力した結果、借金が雪だるま式に増えて、ついに破産したんだっけか?」

鼎「けど今は、放漫財政も見直されて、ほんの少しずつだけど、財政も改善の兆しが現れたらしいよね。」

愛原「但し、その代償は大きいけどな。住民税や水道代などは通常の自治体の約1.5倍。ゴミ処理場も稼働できない為、ゴミ捨て場に山積みのまま。土地だけは余っている北海道の寒村だから、ゴミを山積み放置したままでも何とかなっているのかも知れんが・・・。当然ながら住民も企業も、市内から逃げていく一方。財政状況は改善に向かっているとも言われるが、実態としては国や県からの支援で、かろうじて凌いでいるのが現状といってもいい。」

逆沢「なんともまぁ・・・。なんか良い方法でもないのか?」

愛原「土地だけは余っているらしいから、太陽光発電パネルをひたすら市内に敷き詰めるのも一興かも知れんが、安倍政権になって買い取り価格が減少したから、それも難しいか? 放射能廃棄物の引き取りとか、産業廃棄物処理場の誘致とか、色々禁断の手に頼らざるを得ないかも知れん。」

逆沢「どうせなら米軍基地でも誘致すれば♪ 原発立地なんて目じゃ無い巨額の地元支援費が国から出るみたいだし。」

愛原「かつてソビエト連邦が健在だった頃に北海道への米軍誘致を鈴木宗男らが検討した時もあったそうだが、寒いところは嫌だの、ソビエトとの最前線で戦いに巻き込まれる怖れがあるだのの理由で、アメリカに拒否されたらしい。今でもロシアや北朝鮮を牽制する意味で北海道は重要拠点になりそうではあるが、北海道移転案だけは全く出ていない。仮にオスプレイの訓練を行うにしても、狭い岩国や横田などを拠点とするよりも北海道の方が広いとも思えるのだが。」

逆沢「最前線は嫌やって、日本を守る気ゼロやんけ。」

愛原「本気でアメリカに日本を守る意図があるなら、沖縄基地にすぐそばにある尖閣問題に対して他人ごとであり続けたりせんよ。フィリピンに米軍基地があろうとなかろうと、南シナ海問題でもアメリカは口先しか出さんし。安倍自身も、内心ではアメリカ軍なんか全くアテにならないと思っているのか、離島奪還計画などを自前で策定中だし。って、また話がそれそうだから、とりあえす夕張市の話あたりに戻そうか?」

鼎「RPGでよく貧しい国とか、貧しい村が登場するけど、そういう国や村は、夕張市みたいな状態なのかもと思ったかも。」

愛原「果たしてそうかな? 日本国内には、夕張市よりももっと厳しい環境の市町村なんていくらでもあるぞ。いや、むしろ夕張市は炭鉱でウハウハ状態だった時代があった分、ずっと恵まれていたはずだ。」

逆沢「あ、そうか。夕張市には、ボーナスタイムといっていい時代まであったのよねー。」

鼎「かつて並の市町村以上に豊かな時代もあったのに、気がついたら財政再建団体まで落ちぶれちゃったんだよね。どうしてそんな急転落状態になっちゃったのかなぁ?」

愛原「もしかしたら、一時期だけ成功して有頂天になっていた芸能人やベンチャー企業の経営者の心理に陥ってしまったのかも知れんな。」

逆沢「あ、そうか。昔からずっと貧しいままの人は、貧しいなりの生活で生きていくから、そう簡単には家計も破綻しないけど、下手に豊かな時代があって、一度でも生活水準を上げた人の方がヤバいってのはあるかもね。」

鼎「言われてみれば、一時期だけ成功していた人ほど、気がついたら借金まみれになっている人の率が高そうな気もするかも。」

逆沢「豊かな人ほど、何かのきっかけで大きくおちぶれる可能性も高いって事か? 元々貧しいままの人よりも。」

愛原「国や地域でも、そうだな。昔、豊かだったからといって、油断すると大変な事になる。夕張市以外にも日本国内ではいくつも財政危機を騒がれている自治体はあるが、意外と無名の寒村は厳しいラインながらも何十年もほぼ横ばい状態でしぶとく頑張っていて、逆に政令指定都市などの方が急転落してたり、ヤバい所は多かったりする。」

逆沢「橋下が大騒ぎしたせいで、大阪市の財政もかなりヤバい事が明るみに出てるしねー。」

愛原「大阪オリンピックの失敗などが大きく響いたな。まぁ他にも無駄なハコモノとか、二重行政の弊害とか、原因はいっぱいあるけど。あと大阪府内ではかつて泉佐野市が一番ヤバイと言われてたが、これは関空が出来てこれから街が大発展するはずとばかりに大投資をしたら、思いっきりアテが外れて、財政が黒焦げになったのが大きい。」

鼎「首都圏も、団塊世代の高齢化に伴って、今後、急激に厳しい状態になるであろうと言われてたりするよね。」

愛原「関西でも一部のニュータウンといわれてる地域では、既に問題が表面化していたりするぞ。高度成長期にほぼ同時に地方から移住してきた層ばかりが集まっている街があって、当然ながら同時期に高齢化がまとめて進むから・・・。東京などは関西のニュータウンよりは時期的に少し遅くなるだろうが、規模がそもそも段違いだから、あと10年か、長くとも20年待たずして、かなりヤバい事になると思われる。逆に東北地方や山陰地方などでは今が高齢化のピークだから、これからさらに加速度的に悪くなる事はない(良くもならないけど)と分析されているようだ。」

逆沢「うーん。豊かな国とか、貧しい国とか、言われてるけど、実は表裏一体という事か? 豊かな国だったからこそ、どこよりも貧しい国に転落する可能性もあるわけで。」

愛原「ウチの作品で言えば、黒藤軍の国がまさにそういう設定になっている。科学水準も文化水準も高い進歩した先進国ではあるが、にも関わらず積極財政(=放漫財政)の失敗で財政は火の車で、それを打開する為に対外侵略に大きく舵を切った軍事大国という設定になっているというか。」

鼎「よく考えたら、昭和初期の日本も、財政危機のせいでファシズム国家に変貌したりしてたよね。技術レベルでは中国や朝鮮半島や東南アジア諸国などと比べてもずっと高かったにも関わらず。」

逆沢「元々豊かで進歩した国が、何らかの原因で急に落ちぶれた時に取りたがる手段が、対外侵略という形になるのかねー?」

鼎「アメリカでも、景気対策目的の戦争みたいな事を主張したがる人が、たまにいるよね。」

逆沢「安倍総理が戦争できる国にしようとしてるとか話題になってるけど、もしかして将来の財政破綻に備えての侵略準備だったりするのか?」

愛原「俺としては、そんな時代錯誤の発想の持ち主とまでは全く思ってないけどな。ただ、21世紀の今の世の中で日本の財政が破綻したら、まず間違いなく預けている預金などが没収される事くらいは覚悟した方がいい。また財政が破綻すると、銀行の機能が麻痺するので、中小企業を中心として多くの企業が死亡する。預金が引き出せなくなる上に銀行からお金を借り入れられなくもなるという事は、起業どころか、日々の生活にも困窮する形になるが、輸入産業も外国の取引先に対価を支払うのが困難になるため、石油から食糧まであらゆる生活物資の調達が困難になる。食糧自給率が低い日本としては、これが一番効くかも知れん。あと、当然ながら年金などもほとんどもらえなくなると思われる。」

逆沢「ギリシャなどでは、いまだに年金や公務員給与の大幅削減に踏み切ろうとせず、関係諸国をいらだたせているようだけどね。」

愛原「ギリシャの場合は、一応ユーロ加盟国だから、財政規律が維持されているのが大きい。日本国内における夕張市のようなものだ。」

逆沢「あー、夕張市民も円で買い物できるし、いざとなれば市外の病院を利用したり、市外のスーパーで買い物したり、市外の企業で働いたり、市外に転居も可能だから、それでそんなに深刻に考えずにいられるようなものね。」

愛原「ところが現在、ギリシャからユーロ加盟国としての資格を剥奪しようとか、逆にギリシャ側からユーロから離脱しようという声もごく一部ながら出ていたりする。これはつまり、夕張市民から円という通貨を切り離すのと同義。そうなると夕張市役所は、独自で通貨を発行に迫られる事になるし、(現在の日本政府が大量に紙幣を刷っているように)市役所が自由に新通貨を発行できるようにはなるが、そもそも破綻した地域の通貨なんか、対外的には紙くずと同じだから、そんな紙くずを外に持ち出しても、ジンバブエドル同様の扱いしか受けなくなる。」

逆沢「財政破綻で一番恐ろしいのは、自国通貨が紙くずになってしまうリスクって事ね。」

愛原「鎖国していた上、ゴールド(小判)を通貨として使用していた江戸時代なら、そんなリスクは皆無だったが、食糧から石油まで外国に依存しまくっている上、不換紙幣を使用している今の日本で相場が崩壊すると、本気で恐ろしい事になる。」

鼎「今の日本でも、以前なら1ドル100円未満だったのに、今では1ドル120円以上になって、輸入する原材料費などが高騰してるけど・・・。」

愛原「外国からみたら、日本紙幣という名の不換紙幣が増えただけに過ぎないからな。紙幣が2割増えたら、紙幣一枚あたりの価値は2割弱減る。それだけの話だ。我々が保有する資産にしても、本来なら2割分は保有資産が減っているのだから、2割以上、給料が増えないと採算が合わないのだが、実際には消費税増税分なんか目じゃないレベルで、インフレという名の見えない税を国に巻き上げられている形にはなっている。」

逆沢「恐るべし、アベノミクス。景気を良くしているように見せかけて、国民の資産を2割も目減りさせるなんて。」

愛原「それでも財政破綻を回避する目的からすれば、この点に関して安倍政権の財政政策(経済政策ではなく、あくまで財政政策として)は意欲的と評価する気にはなれど、逆に非難する気まではなれんけどな。共済年金とか遺族年金とかで、ありえない額を維持してたり、そういう穴の空いたバケツ状態の部分に関しては、強く非難せざるを得ないが。」

逆沢「ギリシャも夕張市もそうだけど、放漫状態の歳出を見直させるには、一度痛い目みせるしかなさそうって事か?」

鼎「歳入よりも歳出を見直した方が、絶対に効果あるのにね。」

愛原「成金の芸能人や実業者が借金火だるまになりやすいのは、収入がどうこう以前に、一度上昇させた生活水準を戻せない方が大きいようなものだな。」

鼎「結局の所、身の丈を越えた生活レベルを維持しようとすると、後に待つのは深刻な破綻劇って事だよね。」

愛原「確かに、元々貧しい人、貧しい村、貧しい国というのは、存在する。しかし身の丈を知っていれば、貧しくとも大きなトラブルでもない限りは破綻まではしない。」

逆沢「貧しい身であるにも関わらず、それ以上の生活水準を望んだり、昔の豊かだった頃の生活水準を無理に維持しようとすると、危なくなるという事ね。」

愛原「我々は豊かな状態の下に貧しい状態があって、さらにその下に破綻した状態をイメージするが、実際は必ずしもそうではない。身の程を越えたぜいたくを続けたら、誰でも破綻する可能性はあるし、元々豊かである程、転落幅も大きくなる。また【破綻するはずがない】などとタカをくくって、対策が遅れれば遅れるほど、破綻時のダメージも大きくなる。」

鼎「私達個人が破産しても生活保護は申請できるし、地方自治体が破綻しても、ある程度は国などから支援はしてもらえるだろうけど・・・。」

逆沢「国が破綻したら、さすがにお手上げね。ギリシャレベルの国なら、それなりには国際社会から支援してもらえるかも知れないけど。」

愛原「日本が破綻したからといって、それでも日本人がマグロを食べ続けられるような支援を国際社会がしてくれるとは、とても想像できないしな。有力な企業は海外資本に買収され、優れた技術や特許権・著作権も二束三文で海外資本に投げ売られて、海外資本に食い荒らされる姿が目に浮かぶわ。」

逆沢「どことは言わないけど、落ちぶれたり破綻した企業は、即座に他社に食い荒らされて解体されまくる世の中だしねー。日本企業同士でも、買収された企業は即座にバラバラに解体されて、おいしい部分だけ買収先に吸収されて、それ以外は即座にゴミのように処分されるほどの情の無さだし。」

鼎「たとえ食い荒らされるだけと分かっていても、今ある資本を投げ売りしなければ生きていけないとなったら、投げ打ってでも生き延びるしか無いし。破綻したら、本当に悲惨な状態になりそうだよね。」

愛原「ファンタジーの世界でも、現実世界でも、貧しい国や、肥沃といえない地方に住む狩猟民族が、生き延びる為に武器を手に取り侵略活動を始めるケースは珍しくない。しかし元々豊かな国が散々ぜいたくしたあげく破綻しても、とても同情してもらえるとは思えない。」

逆沢「ザマーミロと思われて終わりね。今、首都圏の高齢化問題が少し話題になってるけど、ザマーミロとか自業自得としか感じない地方人も少なからずいそうだし。今まで首都圏が地方から若者と富を搾取してきたという感情が、地方側には少なからずあるから。」

愛原「故に豊かであればある程、その事実に感謝し、謙虚でなければならない。将来破綻しかねないような背伸びを続けたり、将来のツケを考慮せず今のことしか考えないというのも軽率だ。」

鼎「原発の放射能廃棄物問題と同じだよね。」

愛原「黒藤軍のように自国の放漫財政による財政破綻を回避する為に他国から富を奪うような選択をすれば間違いなく悪役確定だし、東京が地方から医療や介護のスタッフを奪い取り、介護が必要となり富を生み出せなくなった高齢者だけを地方に送り込もうと企むならば、やはり嫌われてもやむを得ない。」

鼎「というか、身の程を越えたぜいたくを維持する為に、弱い人から物を奪うとか、不要な物だけ押しつけるという発想自体、人としてまともじゃないよ。」

逆沢「悪役としては、理想なんだけどねー。そういう設定だけでムカつくタイプは。」

愛原「身の程を越えたぜいたくを続け、それでいよいよ破綻しようとなる度に罪を重ねるのは、悪玉の典型パターンだな。人から奪ったカネでぜいたくを続けて、カネが無くなるとまた人から金を奪う悪党と同じというか。逆に身の程を知る謙虚な善人は、貧しくても通常は破綻はしない。」

逆沢「悪党になけなしのカネとか命を奪われて、無理矢理破綻させられる可能性はあるけどね。どれだけ善良な人間でも。」

愛原「ま、慎ましく生きている善良な他人を破綻させても、自分だけは破綻しないように企むからこそ、悪党なんだろうけどな。」

鼎「日本の財政がここまで悪化した背景には、それで身の程を越えて私腹を肥やそうとした悪党がバックにいるのかも知れないね。票が目的か、カネや権力が目的なのかは知らないけど。」

愛原「悪党だけが破綻するなら自業自得であり、勧善懲悪ものの視点で言えば痛快ですらあるが、慎ましく生きているだけの善良な人間を無闇に巻き込むのは、さすがに邪悪と言わざるを得ない。何とかハッピーエンドになるようなシナリオで解決して欲しいものだな。」





















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