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愛原様のたわごと(16年4月3日)




愛原「ついにシャープが、台湾企業の傘下に入る事で正式合意したらしい。」

逆沢「おいおい。いきなり前回の話の続きか?」

愛原「個人的に、割と注目していたニュースだったからな。まぁ経済ニュースなんてものは、関心のない人からすれば、すさまじく退屈なネタにしかならんのだが。」

逆沢「まぁ関心も興味も無い人に関しては無害だから別に構わないんだけど、ニュース記事のタイトルだけ見て、全てを分かった気になって、したり顔で悪態つく連中に関しては、正直ウザいと思わなくもないけどね。」

鼎「産経新聞のシャープに関する記事とかは、特定方向に世論を煽りたい意思が露骨そうだから、ちょっと苦手かも。」

愛原「俺は別に構わないけどな。俺は【報道の中立性】なんかくそ食らえだとも思ってるし。」

逆沢「おいおい。白塗りお化けの大臣に怒られるぞ。そんな事言ったら。」

愛原「お前の発言の方が、余程危険で怒られそうだわ。とりあえず取り消し線入れておいたぞ。」

鼎「でも私も、【報道の中立性】よりも【報道の自由】の方が好きかな? 人間は偏って当たり前だし、間違っても当たり前だから。」

愛原「安倍総理にしても逆沢が言う所の白○りお化けにしてもそうだが、自分自身の事を中立とか中庸と思い込んでる人間は少なくないからな。実は偏っているのに、自分では偏っていないと思い込んでる人間が、自分の基準で【中立】や【正義】を世の中に押しつけだしたら、その方が余程社会に対して害悪だとも思うし。」

鼎「人間は【正解】を欲する生き物だから、偏った報道ではなく、中立普遍で正しい報道を望む人が多いのは当然だと思うけど、その【中立普遍で正しい報道】とやらが、実際にそうであるかは誰にも分からないよね。」

逆沢「安倍総理はいまだに、日本のファンダメンタルズは良好とか、アベノミクスの成果を高々と喧伝してるけど、仮にその中立性を審査する立場の大臣さんとかが、そういう主張を支持している側の人で、それ以外の論調の報道を【中立でない】として認めなかったとしたら、それはさすがにやぱいくらいは、まぁ私も思うわ。」

愛原「うさんくさい人間が唱える【中立性】とやらの名の元に、画一的な論調の報道しか認められない世の中の方がずっと怖い。そういう意味では、産経新聞だろうが聖教新聞だろうが、まぁ好きにやってくれとしか言えん。デマの拡散や誹謗中傷やいたずらな扇動行為は、さすがにやめて欲しいけどな。」

逆沢「ただ人間が受信できる情報量は有限だから、タチの悪い情報の海の中に、ちゃんとした素晴らしい情報が埋もれてしまうような世の中も困るけどね。資金力のある側が、その資金力を武器に宣伝業界に特定の世論を煽るように依頼して、それに対立する意見が埋もれたりバッシングされるような風潮になるような社会はさすがに危険だとも思うし。」

鼎「そうでなくとも悪意ある人は、自分に都合のいい情報ばかり表面に浮かぶように工作したがるから、私達としても注意しないと駄目だよね。」

愛原「シャープ売却に関する報道でも、明らかに偏っているとしか思えない情報もある一方で、評価の難しい情報もあった。まぁ表面に浮かんだ確定的情報(公式発表)部分だけでいうと、シャープ側が2000億円にものぼる巨額の負債を台湾企業宛に直前まで隠していた事が仇となって、買収の際の条件が、当初案よりシャープ側にとって厳しい内容になったという事にはなろうが。」

逆沢「ま、それは仕方ないんじゃないの? 当初見込みよりシャープの資産が2000億円もマイナスである事が明らかになった以上は、台湾企業も2000億円は出資額を下げないと釣り合いが取れないだろうし。」

愛原「額面としてはそこまでシャープ側にとって不利ではないが、今後の従業員雇用や事業保持などの部分では、小さくない譲歩を迫られたようだ。」

逆沢「シャープに巨額の出資をしていた銀行にとっては、最も有利な交渉結果になったって事かな? 本来なら2000億円は出資額を減らされても文句を言えない状況なのに、そこまで減額されてないって事は、実質銀行が一番救われたって感じだし。」

鼎「台湾企業さんは、プラマイゼロかな? 金額面ではマイナスだけど、今後の経営では事業売却や従業員待遇などの面で、より柔軟な対応が取れるようになったわけだから。」

愛原「そして、一番割りを食ったのが、一般の従業員などだろうな。もっとも台湾企業側としては、自前工場を持つのが夢だったくらいだし、【自分達の手でシャープを再び世界の電子産業のリーダーとし、世界的企業としての栄光を取り戻す】とも言ってるくらいだから、せっかく手に入れた念願の工場を無下には扱わないとは思うが。」

逆沢「まぁ普通に考えたら、いつ潰れてもおかしくない大赤字企業に投資する以上は、再生させる算段があるという事だろうしねー。既に自前工場を持つ会社なら、技術だけ吸い取って解体という手もあるだろうけど、自前工場がない会社である以上、それを育てるか、もしくはどこかに転売するしか、投資に見合う利益を回収する方法はないだろうから。」

愛原「不採算部門の整理という選択肢は当然あるにしても、丸ごと転売という選択肢はないな。下手に買収すると数千万円単位の借金まで漏れなくセットでついてくるハイリスク企業を好んで買い取りたい企業も限られるだろうから。」

逆沢「なら、従業員にとっても、ベストにはほど遠くともベターではあるんじゃね? 放っておいたら倒産して全従業員が強制解雇になるところを、救ってもらっただけでも。」

愛原「まぁ、それは言えるかも知れんな。少なくとも表面的な情報だけでいえば。」

逆沢「ん? 表面的な情報の他に、何か真相に迫る重大な情報でもあるのか?」

愛原「そんなもの、あるわけね〜。ただ色々と妄想がはかどるわけだ。【実は台湾企業側は、シャープが巨額の負債を隠しているのを最初から知っていて、露見後に見直す算段だったからこそ、全従業員の雇用維持とか巨額の資金とか、大盤振る舞いとしか思えない条件を最初に提示したのではないのか?】とか、いや、【実は台湾企業とシャープの経営陣が裏で手を組んでて、隠し負債を後出し発表する事で条件を見直す筋書きまで、裏で用意してたんじゃないのか?】とか。」

逆沢「あー、なるほど。仮に台湾企業側が、隠し負債の事を事前に知っていたら、その事を織り込んで交渉の見直しもできるから、色々と有利になるわね。最初は巨額の支援と手厚い雇用保障を前面に出して、シャープ側のハートをがっちりつかんで、その後、巨額の隠し負債があった事を理由に、条件を渋るとか。」

愛原「不採算事業をいつまでも維持するような約束なんてできっこないけど、それを最初から口にする訳にはいかないから、【巨額の隠し負債】を理由に交渉の最終局面で雇用条件を見直す筋書きで、初めから出来上がってたとしたら、すごくしっくりくると俺なんかは思った。」

逆沢「うるさい日本政府系ファンドを黙らせるために、巨額の負債の話をギリギリまで表に出さなかったとしたら、それも筋書きとして矛盾は無いわね。最初に巨額の負債の話を表に出したら、政府筋としては銀行に債権放棄をより強行に迫る形で、プッシュしてくるのは明白だろうし。それは銀行側にとっては最悪のシナリオだから。」

愛原「不採算事業も維持して、全従業員の雇用を守るなんて初めから不可能。とかいって政府系ファンドを選んだ場合、よりバラバラに解体されるのは明白。銀行も債権放棄を迫られていい事は何も無し。じゃあ、どうするか? 初めは全従業員の雇用維持と巨額の支援を前面に打ち出して、台湾企業の優位性を見せつけて政府系ファンドを撤退させ、その後に巨額の隠し負債を表に出す事で、本来の買収額と雇用条件などに持っていく。そう考えると、全ての辻褄が合うのではと、俺なんかは邪推してしまうわけだ。」

鼎「なんかワイドショーで賢児ぶってるコメンテーターの妄想推理コメントみたいだね。」

愛原「そうだろう、そうだろう。実は何の裏付けも根拠もない、ひどい妄想話に過ぎないんだけどな。自分で言うのも何だが、ある意味、陰謀論そのものでもある。」

鼎「全く見当違いの妄想でしかない可能性が高そうだけど、だからといって公式発表された話だけが唯一の真相って訳でもないだろうし、本当の所は、関係者しか分からない話だよね。」

逆沢「アベノミクスじゃないけど、政界や財界のお偉いさんは、本音とタテマエが全然違うというか、公式発表のほとんどがウソまみれのような気すらしてならないわ。選挙を有利にする為に、衆参同時選挙に持ち込もうとか、ギリギリのタイミングで消費増税延期を発表しようとか、商品券や公共工事でもまたばらまこうかとか、ホンネ部分で思っていても、それじゃ党利党略私利私欲以外の何物でも無く印象悪いから、別のタテマエを今から準備しようとしているようにしか感じないし。」

愛原「基本、良識ハト派を気取っている公明党は、案の定というか、表向きは衆参同時選挙に反対の姿勢だけど、それでも【いざ総理が決断したら、総理の判断について行くと】か言って、さっさと予防線張りだしてるしな。安保法案の時も、【我が党はブレーキ役として与党に必要】といいながら、最終的にはほぼ自民党案を丸呑みする形に賛同したあげく、【平和の党である我が党の尽力で、より穏当な形の安保法案になった】と自画自賛までしてるし、言ってる事とやってる事が正反対だから、ある意味、自民党よりもタチが悪いわ。」

鼎「シャープの経営陣と台湾企業トップが、表面では激しい駆け引き交渉をしているようにみえて、実は裏で筋書き通りのプロレスしてただけの疑惑もそうだけど、実際は対立しているようにみえて、裏でしっかり手を組んでるみたいな構図は、実は割と珍しくないのかなぁ?」

逆沢「いわゆる八百長ね。」

愛原「そうだな。今回のテーマは【八百長】にしよう。談合、プロレス、出来レース・・・。時と場合に応じて色んな表現がされるが、表向きは健全な勝負や闘争・駆け引きをしているように見えるけど、実は裏ではしっかり握手していたり、実は最初からオチが決められていたようなもの全般に関してな。」

鼎「大相撲の八百長疑惑や野球賭博でも大問題になったけど、健全な勝負が期待されている場で、実は八百長が行われていたとしたら、これは健全な勝負を期待している人にとっては、大変な背信行為だよね。」

逆沢「談合行為が違法とされるのも、同じ理由ね。業者に裏で結託されたら、業者の思い通りの相場でしか取引が出来ず、競争原理が全く働かなくなるから。そんなんじゃ手抜き工事とかも、やりたい放題になるだろうし。」

愛原「株や為替の世界で、粉飾決算やインサイダー取引などが違法とされているのも、同様の理由だな。ウソの業績データで騙して業績不振の会社の株を高値づかみさせる行為は詐欺そのものとしか言えないし、逆に関係者しか知り得ない秘密情報を知り得る立場の人間が、公式発表後に暴落する事を織り込んで、その直前に売り抜けたり信用売りをしたりしようものなら、健全な市場が維持できなくなってしまう。」

鼎「でも株や為替の世界では、割と広く行われてそうだよね。先月、黒田日銀総裁が億ションを買ったという報道があったけど、日銀総裁の年俸3千万円台である事と、年齢を考えると、黒田バズーカーを打つ直前に、為替で仕込んでたんじゃないかと疑っちゃったよ。」

逆沢「あはは。まぁ政権中枢にいる側の人間だったら、好きなタイミングで要人発言かましたり、為替介入したり、年金などを市場に投入できる(もしくはそのタイミングを事前入手できる)訳だから、本人さえその気になれば、他人名義使ってインサイダー取引できまくりそうね。私達、個人が株価を操作するような取引をしたら即逮捕だけど、機関投資家や政府機関が相場を不自然に操作して仕掛けても、なぜか逮捕されないから。」

愛原「まぁ行政がらみのインサイダー関係の話は、昔からよく聞く話ではあるけどな。だから高速道路などの大規模な公共工事の計画案が出だすと、公務員やその関係者などが素早く今後の買収予定地を先に安値で買い占めて、それを高値で行政に売り抜けようとする奴が必ず出るらしい。」

逆沢「高速道路の建設計画が公式発表される前に、そのルート上にある二束三文の山を買い占めたりするわけね。」

鼎「田中角栄さんが発案した日本列島改造計画は、その建設計画が露骨に出すぎたせいで、建設計画予定地の相場が異常に跳ね上がってしまって、それで挫折したという話を聞いた事もあるよ。」

愛原「八ッ場ダムとか、故意に買収計画や建設計画を何十年も長引かせる事で、関係者をボロ儲けさせる錬金術とかは、昔からたまに聞く。本当に必要な公共工事なら、東海道新幹線がわずか5年で開通したように速攻で完了させてしまうから、たかがダム一つに何十年もかけるはずがないのだが、まぁ無駄な公共工事だからこそ実行可能な錬金術といえそうだな。」

逆沢「今回のテーマは、陰謀論まがいの話なのに、具体名出すな。取り消し線入れといたぞ。」

愛原「しまった。俺も同じミスやっちまったわ♪」

鼎「でも地方では、似たような錬金術はよく聞くよ。たとえばわざと産業廃棄物処理場建設計画を表に出した上で、反対運動を扇動する事で、行政に高値での建設予定地売却(場合によっては建設計画中断に伴う損害補償金なども)を持ちかけたりとか。」

逆沢「地方のあちこちで起こるマンション建設反対運動なんかも、その類いがあるそうね。わざと反対運動を起こさせる事で、高値で建設予定地を売り抜けるとか。特にその建設予定地に、ちょっと古い建物とか珍しい建物が建ってたら、その建物を価値のある文化財という事にして、取り壊し反対運動という形に持っていったりとか。」

愛原「この手の錬金術は、基本、やるやる詐欺だからな。建てるぞ、建てるぞ、と散々住民を脅すけど、実際はいつまでも建てたりしない。建ててしまったら、もうオシマイだからな。そもそも十分に採算が取れるなら、廃棄物処理場にしろマンションにしろ、さっさと建てて稼働させてしまうだろうし。何年も建設計画だけが続いていながら、一向に着工せず、それでいて行政の買い取りを求める声だけが不自然に出始めたら、もう怪しさ満点というか。」

逆沢「下手すると、市長とかが、一番買収に前向きだったりする事もあるよね。」

愛原「その場合は、市長も、建設業者も、反対運動の指南者も、関係した地ゴロ屋も、全部が裏でつながってる可能性があるな。」

鼎「建設業者と反対運動関係者とでは、表向き、対立関係にしか見えないけど、実は壮大なプロレスという事も珍しくないって事かな?」

愛原「昭和時代では、自民党と社会党が裏で手を組んでる事なんかザラだったからな。【与党は法案を強行採決する事で実利を得る。野党は与党が横暴な採決を強行する際に、激しく抵抗する場面をカメラ前で演出する事で、善玉イメージという名声を得る。】みたいな感じで。もう何日も前から、双方の国対が、そういう演劇日程をかなり前から組んでる事すらあったらしい。」

鼎「与党は悪名と引き替えに実利を得、野党は実績は何も無いけど名声を得るという条件で、裏で手を組むって事かな?」

愛原「その報酬として、官房機密費が共産党以外の主要野党会派全体にも回されてた件が、以前暴露されてた事もあったな。」

逆沢「昔の社会党も、少し前までの民主党(現民進党)もそうだけど、こいつら、直接対決の場では対決色を前面に出すけど、共産党などの異分子が強くなってきたら、いきなりオール与党体制になって、手を結んでくるからねー。政権交代しても大して政策も変わらないし、本当にプロレスしてんじゃねえかと思う事はあるわ。」

愛原「つうか、旧社会党や旧民主党の基盤の一つである旧態労働組合(いわゆる新興の労働者ユニオンなどは基本含まない)自体が、経営陣と裏でつるんでるような状態だからな。ベア交渉なんか、労使談合の完全な演出でしかないし。労働組合に加入しない派遣社員の割合が増えた昨今では、特にそれが露骨になった気もする。」

逆沢「経営陣と労働者が対立している構図に見えるけど、実は経営陣と正社員(もしくは特定の労働貴族)が手を組んで、両者に属さない、もしくは両者にとって都合の悪い構成員をハブる構図なのが実態って事ね。」

鼎「かつて国鉄民営化が実行された時はかなりえぐくて、経営陣側と裏でつながってる組合幹部が、ガチで経営陣と対立しようとする純粋な組合員の情報を経営陣側にこっそりリークして、そういう厄介な組合員だけを優先的にリストラして、組合もその人を一切守ろうとせず、みたいな事が横行していたそうだよね。」

愛原「うん。真面目に純粋に組合員として活動して、特に経営陣を追い詰められる交渉術や策略を次々と献策するような有能な人材ほど、逆に危険視されて、経営陣と組合幹部によって排除されていったようだな。」

逆沢「本気でバトルする気のない経営陣と組合幹部からすれば、本気でバトルする気マンマンの真面目で純粋な組合員なんか、危険要素でしかないって事ね。」

鼎「でもこれって、純粋な正義感の持ち主からすれば、かなり危険な状態だよね。善玉と悪玉が対立しているようにみえて実はつながっているとしたら、本気でバトルする気マンマンの正義漢からすれば、常に自分の情報が要注意人物として敵側に流出している上、ある日突然、味方に切りつけられる可能性すらある状態だから。」

愛原「まぁ漫画の世界じゃないから、表向き味方である者から切りつけられる可能性は必ずしも高くないだろうが、自分の立てた作戦が全て敵側に流出するせいで、常に不利な状態に置かれたり、肝心な場面で味方が助けに来ないとか、割に合わない任務ばかり押しつけられるという事は普通にありうる。はっきりと切りつけてくれたなら、陣営に見切りを付ける機会にもなるし、切りつけてきた味方を糾弾する好機にもなるのだが、表向きは味方ヅラしてるから、余計にタチが悪いというか。」

逆沢「漫画やゲームのシナリオでも、そういうネタは見た事あるわ。天界と魔界は表向き対立関係にあるが、実は裏で談合していて、どちらかの陣営が一方的に強くなりすぎないようにバランスを取っているから、そのバランスを崩す英雄とかが現れると、双方から圧力がかかるとか。」

鼎「警察とヤクザが裏でつながっているとか、政府と反社会組織が裏でつながっているとか、そういう設定の作品もいっぱいあるような気がするよね。」

逆沢「スパイが潜入しているとか、弱みを握られていてやむなくとか、そういう次元じゃなくて、組織のトップ自身が双方の利益のために手を組んで、積極的に裏でつながってる事も珍しくないわね。」

鼎「でも、裏でこっそり手を組むような事をしなくても、堂々とお互いに仲良くすれば、変な対立もしなくていいと思うのに、どうして表向きは対立構造にしちゃうのかな?」

逆沢「やましい事してるという自覚があるからじゃないの? 仲良くしているのがバレても困らない関係なら、普段から堂々と仲良くしていれば済む話だから。」

愛原「まぁ、世の中、なんでも賛成と反対の対立構造になる事は多いが、その対立構造を解消する為にハト派が頑張った結果、そういう後ろめたい談合になる事も多いからなぁ。故にいたずらに非難ばかりできない側面はあるんだけどな。」

逆沢「あー、なる程。世の中の人間がタカ派ばかりなら、【強い者が勝つ】で終わるか、永久に戦い続ける状態になるだけだから、分かりやすいけど、そうじゃない人も多いからねー。」

愛原「話し合いを続ける事で、双方が妥協点を見いだして、WINWINを目指す。そういう解決案もある。勝敗を付ける事を優先しがちなタカ派と異なり、できるだけ穏便に対立解消を目指すハト派寄りの考え方の人も多い。」

鼎「いっぱい話し合って、お互いが納得できるような落としどころを見つける事で、対立自体が解消されたらいいなと私なんかは思ったりもするけど。」

愛原「けど、残念ながらそうならない事も多い。外交問題なんかが分かりやすいが、どんな和解案や関係改善案が発表されても、譲歩しすぎだとか、そもそも和解や関係改善自体が必要ないという意見も必ず出るようにな。」

鼎「確かに言われてみれば、特定国が嫌いな人からすれば、政府がその国とこじれればこじれるほど盛り上がって、逆に関係改善に向かうと、媚びたとか屈したとか非難しまくる人も多いよね。特定国と仲良くするのではなく、特定国に勝つ事が重要だから、特定国にとって圧倒的に不利な交渉内容がまとまった場合なら、関係改善案にも賛同する余地があるかも知れないけど、そうでない限りは、挑発しあったり制裁を強化するなど、関係が深刻化するほど、むしろ好ましく感じるというか。」

逆沢「で、そういううるさい原理主義者を納得させるために、やむなく表向きは対立関係を継続せざるを得ないケースもあるって事かな?」

愛原「ただ、それが行きすぎると、今度はプロレスになってくる。漫画の世界でよくある、政治家とヤクザの癒着構造ではないが、当人同士以外誰も得をしない、反社会的な結びつきに堕ちてしまうケースも珍しくない。」

鼎「そう考えると、たとえ一部のタカ派の人から反発があっても、交渉内容はやっぱりオープンにした方がいいよね。本当は裏で合意した事を隠して、表向きだけ敵対関係を継続するよりも、正直に表に出して、みんなに納得してもらう道を選んだ方が、後で後ろ暗い関係に堕ちなくても済むだろうし。」

逆沢「ただ世の中は、そういう善意で関係改善に動くハト派の人だけじゃないからねー。世の中には、故意に対立を煽って利益を得ようとするマッチポンプ野郎もいるわけだから。」

鼎「さっき上で取り上げた、一部の産廃処理場反対運動とかマンション建設反対運動のようなものだよね。わざと世の中に波紋を起こし、マッチで火を付けてから、同時に用意したポンプで消火を図る事で、利益を得ようとする人とか。」

愛原「【子分のヤンキーに女の子を襲わせて、自分がそれを撃退する事で正義の味方を気取る】奴と同次元なんだけどな。そういうマッチポンプ型の八百長は。」

逆沢「でもアメリカ人や南アジアの人などが特に好む交渉術でもあるらしいけどね。最初は法外な値段で相手をびっくりさせてから、最終的に自分が狙った落としどころの取引内容に持ち込むような交渉術は。」

愛原「マッチポンプ型とは少し違うけど、あらかじめ賛成派と反対派の両方を用意して取り込む手口自体は、政治の世界では、反対派の分断工作としてもよく使われるぞ。たとえばこれも田中角栄のエピソードだが、彼は【全議席の51%獲った政党の過半数の26%を押さえれば国を動かせる】とも言ってたそうだ。つまり国民の大半が反対するような法案でも、与党に反対派議員を半数弱程度混ぜておけば、十分法案を通せるという事。」

逆沢「かつて小泉総理が得意とした手法ね。【自民党をぶっ壊す】と煽る事で、本来なら自民党に投票するはずのない人の何割かは自民党に投票するようになる。そして古い自民党を応援する人も(一部は亀井静香らが率いる国民新党などに流れたけど)大半は引き続き自民党に投票するから、結果的に反自民系の有権者も多く取り込んで、自民党が大勝できるみたいな。」

鼎「消費増税にも、安保法案にも、衆参同時選挙にも、後ろ向きな姿勢を公明党が見せる事で、安倍さんに批判的な層の一部を与党に取り込んで、その上で安倍さんの思い通りに動かすみたいな事も、実は可能って事だよね。」

愛原「建設反対運動を使った錬金術と同様で、あらかじめ賛成する側と反対する側の両陣営を用意する事で、両方の支持者を取り込み、頃合いを見てドッキングさせれば、全てがうまくいくって寸法だな。」

逆沢「汚ねー。自作自演そのものじゃねえか。」

愛原「まぁ世の中がきな臭くなると、この手の自作自演は珍しくなくなるけどな。敵国の兵に扮した味方に自軍を攻撃させて、【敵からケンカを売られた。戦争だ!】みたいな感じで。」

逆沢「逆のパターンもあるわね。昔、チマチョゴリ切り裂き事件が起きたと報道された際に、【自作自演だ】と根拠もなく喧伝してた人もいたし。近年でも中国で覚醒剤売買などに関わって逮捕された人の報道が出た際にも、えん罪とか中国陰謀論を強く唱えてた人はいたし。都合の悪い話は、全て敵対勢力の自作自演という事にしてしまうとか。」

愛原「ただこの手の自作自演行為や八百長行為は、どうしても陰謀論的な話にはなりがちだ。なぜなら大抵の場合、証拠がないから。シャープ経営陣と台湾企業が裏でシナリオ作ってたのか? 黒田日銀総裁がインサイダー取引をしたり、あるいは誰かに情報を横流ししてたのか? 自民党と公明党や民進党が実は裏でつながっているのか? 政界と財界の関係? 政治家や警察とヤクザの関係? 経営側と労働組合の関係? 対立しているようにみえて、裏でどの程度つながっているのかは、我々一般人にはまず分からない事だからな。」

鼎「私達一般人からすると、味方と信じていた人達が実は敵と通じていて、しかも敵の手駒として動いていたら悲惨だなという事くらいかな? こちらが投じた票がまるまる相手陣営に取り込まれても、頑張れば頑張るほど両陣営から苦しめられるのも嫌だし。」

逆沢「どんな理由であれ、八百長は駄目だと思うわ。プロレスなら、私的にはOKだけど♪」

愛原「本来のプロレスは、観客も分かっている(?)エンターテイメントだからなぁ。八百長とは根本的に違う。プロ野球や大相撲でもしも八百長試合が行われてたとしたら、笑って見てられるか? そうじゃない人の方がずっと多いと思うし。」

鼎「昔から、ブームが起きてから商品を作っても間に合わないから、先にブームにする予定の商品を作ってから宣伝屋を動員してブームを起こすみたいな事は言われてたけど、オリンピックのエンブレム問題の時に、実はそれもブームを故意に作り出す為の出来レースだったと聞いて、さすがにこれはやり過ぎだと感じたよ。」

逆沢「実は募集段階から、誰が当確するかはほぼ決められていて、宣伝業界がそれを元に何ヶ月の前からトートバックだかなんだかのスポンサーを募って、公式発表とほぼ同時にキャンペーンしかけたりとか、何重にも渡っての出来レース工作が行われてたそうね。」

愛原「官製談合とかもそうだけど、最初からこっそり勝者が決められていたとするなら、それを知らずに馬鹿正直にエントリーした人は、いいピエロで気の毒だと思う。競売手続きに必要な手間や経費も無駄だし、それなら最初から随意契約だと言えばいいのにと。」

逆沢「不透明な随意契約や引き継ぎではなく、堂々と勝負した上で勝ったことにすれば、箔を付ける意味もあるかも知れないし、何よりも根拠と説得力を持たせられるからじゃね? 一部の独裁国家でも、表向きは選挙で大統領とかを選ぶようになってるけど、実際は票数をねつ造されてたり、特定の層が有利に立候補・当選するようにねじ曲げられてたりしてる所はあるし。それでも表向き、選挙しましたという事にすれば、国民の信任を得られたような体裁を整えられるから。」

鼎「それを言ったら、日本もアメリカも、十分ゲリマンダー上等の選挙やってると思うよ。大政党だけに有利な小選挙区制とか、無所属候補にはポスター貼る条件すら制限されている程だから。」

愛原「公平なバトルにみえて、実はそうじゃない。インチキな確率操作をやってるガチャみたいな真似をやってる所が本当に多くて嫌になる。」

逆沢「ファンタジーの世界なら、そういうインチキ行為をやってる悪玉をやっつけて、気分スッキリできるんだろうけどねー。」

愛原「ゲームの世界でも、確かに強制敗北(or勝利)戦闘イベントとかはあるが、それは八百長やインチキではなくて、誰が見ても分かる演出でしかないからな。だが、これが演出ではなく、一見して分からないような巧妙に仕組まれた八百長イベントだったらどうなるか? ちょっと想像してみて欲しい。」

鼎「つまり【圧倒的な戦力差で叩きのめされる】とか、【実戦闘では勝つ事も可能だけど、その後の会話の流れなどで負けたことにされる】のではなく、いかにもガチ戦闘のようにみえて、実は絶対に勝てないように細工されているという事かな?」

逆沢「プレイヤーのレベルに応じて、CPUの強さも変わるように設定されていて、計算上ギリギリ勝てないように設定されているとか、それでもプレイヤーが有利だと、命中率やクリティカル率や防御力などがこっそり変動して、やはり最終的に負けるように設定されているとか、それでもプレイヤーがギリギリ勝ちそうなら、いきなり強力な回復魔法を使ってくるとか、みたいな感じね。」

鼎「そんな事をされたら、プレイヤーは【今回はレベルがギリギリ足りなかったようだ。もう少しレベル上げをしたら、今度こそ勝てるに違いない】とか【今回は戦術がまずかったかも知れない。もう少し早いターンで倒すようにすれば、敵が回復する前に倒し切れたかもしれない】とか考えて、真面目に何回も何回も再戦に挑んでしまうかも知れないよ。実はどうやっても勝てないように仕組まれているにもかかわらず。」

逆沢「悪徳ガチャの手口と一緒ね。最初はガンガン狙い通りのアイテムが出てくるのに、終盤になる程どんどん出てこなくなって、実はコンプリートするには多額の投資が絶対必要な設計になっているとか。でも馬鹿正直なプレイヤーは、そんなインチキシステムに気付かず、ここまでそろったんだから、あと一歩でコンプリートできるはずと考えて、どんどんカネをつぎ込んでしまうと。」

愛原「健全(?)なプロレス(プロレスである事を隠している不健全な出来レースの事ではない)と八百長が、根本的に別物だという事が分かっただろ? はじめから【絶対に勝てない】と分かった上で流れ全体を楽しむのと、【勝てる可能性がある】と誤認識させた上で、時間や財産を搾り取り、期待と希望も打ち砕くのとでは根本的に内容が違う。」

鼎「賛成派も反対派も裏でつながっていて頃合いを見てドッキングとか、好業績と信じて勝った株が実は粉飾決算だったせいでスクラップとか、それって真面目に信じて応援してきた人からすれば、裏切り行為というか、詐欺でしかないような気もするよ。そんな事を平然とするような組織は、絶対に許しちゃいけないというか。」

愛原「俺は無闇な争いは嫌いだから、適当に譲歩し合う展開は嫌いじゃないけど、ドッキングを繰り返した結果、74%の方が負けて26%の意見の方が勝ったといかいうのは、さすがにペテンと言わざるを得ない。」

逆沢「その数字のマジック。その気になれば、全体の過半数の51%のさらに過半数の26%だけで留まらず、26%の過半数の14%のさらに過半数の8%のさらに過半数の5%のさらに過半数の3%だけの支持でも、理論的には多数派に勝ててしまうからねー。」

愛原「有権者から総スカンの国会議員や県会議員が、なぜか当選ししづける事も珍しくないが、そういう構造だからだろうな。まぁ政治の世界ほど露骨ではなくとも、反対派が出る事を想定して、あらかじめ意のままに操れる反対派を用意したり、あるいは抱き込む手口自体は、大手労働組合をはじめとしてあらゆる場で見られなくもない。また中身が不透明な組織では、出来レースもしばしばみられると思って良さそうだ。」

逆沢「ネットの世界でも、怪しさ満点のなんとかランキングとか、いっぱいあるしね♪ そのランキングの根拠はなんやねん? お前かスポンサーの主観だろとしか言えないものもたくさん有りすぎというか。」

鼎「正々堂々と競争した結果、勝敗が決まっているのではなく、主催者の思惑とか、買収工作とか、そういう目に見えない要素で勝敗が決まることは、オリンピックやワールドカップの誘致合戦でも平然と行われているようだし、もしかしたら公平な競争の方が少ないのかも知れないね。」

愛原「冒頭に触れたけど、そもそも公平や中立というのを過信する方が、余程危険なケースも多いからな。」

逆沢「お。うまく最初の部分につなげてきたな!」

愛原「公式発表を頭ごなしに否定すべきとまではいわんが、八百長や出来レースと疑われる余地がどれだけあるか、その背景を伺う気持ちくらいは持ちたいと思う。高校野球だって李下で冠をかざしたら、サイン盗みを疑われて審判から注意される事もあるし、不審な部分があれば、その部分に目を向けること自体は、別段、根拠のない陰謀論でもなんでもない。」

鼎「サイン盗み行為もそうだけど、八百長行為とかは、証拠が明らかにされない事が多いだけに、その代わりに疑われる要素自体をできるだけ排除したい所だよね。」

愛原「八百長だの、談合だの、サイン盗みだのいうものは、当事者が認めない限り、真相が明らかにされない方が多いし、だからこそ疑われやすい不透明な選考システムや非公開交渉・非公開捜査などは改善されるべきだし、それすら後ろ向きなものに関しては、あらかじめ強い疑惑を持った方がいいだろう。実際は絶対に勝てないシステムになってるのに、馬鹿正直に何度も戦いに挑むのは無駄でしか無いし、下手すると仲間と信じている人間に潰されてしまう危険もあるからな。」

鼎「大相撲でもワールドカップでも、八百長試合や裏金工作などが昔から横行していたにもかかわらず、当事者がなかなか認めない事もあって、何年も真相が明らかにされなかったし、逆に真相を明らかにしようと頑張っていた人が迫害されてた頃もあったよね。」

逆沢「沖縄密約とかもそうだけど、真相を明らかにしようとしてる側が、インチキしてる側の圧力によって社会的に潰される例は珍しくないからねー。この手のインチキ行為は、余程の事がない限り、真相が明らかにされないことを、インチキしてる人間自身が知ってるから、彼らは平気でシラを切るし、そこが厄介なのよねー。」

愛原「性善説的考えに基づけば【証拠がないなら、そんなものは初めから存在しない】という話になるんだろうけど、本当は出来レースで勝ち目ない勝負なのに、それに馬鹿正直に勝負に挑んだ所で得るものは何も無いからな。ネット界隈の怪しさ満点のランキングからアベノミクスに到るまで、世の中、疑わしきものがたくさんある事くらいは覚えておいて損はない。」



















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