トップページに戻る


愛原様のたわごと(16年4月18日)







愛原「熊本城の崩壊をみて、思わず涙腺が緩んだ。まだ未確定情報だが、復旧には何年もかかるかも知れないとか。」

逆沢「お城マニアにはキツいわねー。まぁお城マニアでなくとも、震災が起きた事自体が、思いっきりキツい災厄そのものなんだけど。」

鼎「阪神大震災以降、大震災といっていい規模の地震が、日本国内でもかなり増えているような気がするけど気のせいかな?」

愛原「どの規模以上の地震を大震災と呼んでいいのかは議論のあるところだろうけど、とりあえず記憶に大きく残る範囲でも、新潟県中越地震、東日本大震災。そして今回の熊本地震も、今後の展開次第では十分大震災規模の震災として歴史に刻む可能性はあるかも知れない。まぁそんな事で歴史に残したいとは誰も思わないだろうけども。」

逆沢「ま、阪神大震災の時のような大火災や、東日本大震災の時のような大津波が発生せずに済んだ事自体は、不幸中の幸いかも知れないけど。ああいうのが連鎖すると、死者の数がケタ2つくらい変わってくるから。逆に中越地震や今回の熊本地震の場合は、規模のデカさの割りには今の所だけど、まだ数十人規模に留まっているっぽいから。」

愛原「別に震災じゃなくても、2年前に広島市で起きた土砂災害でも44人の死者は出てるし、福知山線の脱線事故では100人以上が亡くなってるからなぁ。人はいつ、何らかの災害や事故・事件に巻き込まれてもおかしくない。自分自身やその身内が、今までそれなりに安全に暮らすことができているとするならば、それ自体が大変に有り難い事なんだろうなと、改めて思わざるを得ない。」

鼎「そういう危険を事前に察知できたらいいのにね。」

逆沢「ゲームの世界なら、セーブ&ロードでいくらでも危険を回避できるんだけどねー。あるいはリセット&ニューゲームで。」

愛原「リアル人生とゲームの世界の差を語る上で、最も大きな差とされるのが、まさにそれだな。ゲームの世界は何度でもやり直せるが、リアルの人生は一度きり。」

鼎「ネット内でも、【もしも人生をやり直せるなら】みたいなテーマで盛り上がっている記事を見なくもないよ。」

逆沢「漫画の世界でも、割と見かけるような気がするわ。【人生やり直し】系のネタは。」

愛原「仕事などでミスをして、5分前に戻ってやり直したいとか、そういうのは割とあるが、何年か前に戻って人生そのものをやり直したいとか、そういうのは思った事はないけどな。俺の場合。」

逆沢「そりゃ結構。私の知人は、今の嫁と結婚する前に戻ってやり直したいとか、本気で言ってたわ。結婚した事自体が人生最大の失敗だとか何とか。」

愛原「うーん。それはどうツッコんでいいのか、分からん悩みだな。事故や災害に巻き込まれる前に戻りたいとかなら、素直に同意できるんだが・・・。本人にしてみれば極めて深刻な悩みかも知れないが、余程詳しく事情を聞かない事には、俺には適切なお悩み回答をできる自信ないわ。その手の悩みには。」

鼎「そもそも人生をやり直したからといって、それでやり直す前の人生より上手くいくとは限らないよね。」

愛原「だな。5分前に戻って、仕事上のミスを修正するくらいならともかく、数年前に戻ってやり直しても、それで今の人生より上手くいくとは限らない。宝くじで高額当選するよりも、交通事故で大怪我をする可能性の方が高い世の中でもある訳だし、それなりに平穏に今まで生き残れているだけでも、ある意味、人生の勝者と言えなくもないからな。別に人並み以上の何の努力もしてないけど。」

逆沢「それも結構。成功者と言われる人ほど、自分が努力者だとアピールして、成功している自分を正当化したがる傾向があるからねー。」

愛原「どれだけ努力していても、事故や災害に巻き込まれたらそれで終わりだし、そもそも努力の方向が正しいとも限らないからな。逆をいえば、怠惰に過ごしていても、それなりに幸福な人生を歩めるものもいる。まぁも今の日本で生まれた事自体が【強くてニューゲーム】状態とか、【人生ゲームの難易度ベリーイージー】とか、言われる事すらあるが。」

鼎「北朝鮮とかで生まれたら、それだけで難易度高そうだよね。平民だとかなり苦しい生活を強いられそうだし、高級幹部でも偉い人の機嫌を損ねたら銃殺刑にされる可能性ありそうだし。」

逆沢「かつて小泉純一郎が【亀井静香は、戦国時代なら死んでいる】と評したそうだけど、今の世の中だからこそ政争に負けても離党や除籍で済むけど、世が世なら政争に負けたら即、死だからねー。確かに今の日本で生まれた事自体が、難易度ベリーイージーモードと言われたら、返す言葉もないわ。」

鼎「それでも人は、何か不幸な事があると、つい【人生をやり直せたら】とか【時間を戻せたら】と妄想したがるものだよね。」

愛原「まぁ俺も、年単位で時間を戻したいと思った事はないが、分や日単位なら、時間を戻してやり直したいと思う事はあるからな。」

逆沢「株価が大変動したり競馬レースが始まる前に戻りたいなんて人の声も聞くわね。あらかじめ勝てる株や馬が分かってたら、ぼろ儲け確実だから。」

愛原「その手のネタも、ファンタジーの定番だな。現在の知識や道具を保持したまま過去に飛ばされた人間が織りなすドラマというのも。」

鼎「【バック・トゥ・ザ・フューチャー】とか【戦国自衛隊】とかは、割と有名だよね。」

愛原「この手のタイム・パラドックス系ネタは、割とマニアな人も多く、うかつに触れると大やけどしかねないのだが、所詮とは素人のたわごとという前提で、ちょっと色々と考えてみようか。という訳で今回のテーマは【過去に戻ってやり直すということ】。」

鼎「過去に戻るといっても、色んなパターンがあるよね。ドラえもんの世界みたいに、いつでも気軽に現在と過去を行き来できるパターンと、一度過去に戻ったらいつ現在に戻れるか分からないパターン(あるいは二度と現在に戻れないパターン)とでは、全然前提が違うだろうし。」

逆沢「自分の意思で過去に移動できるケースと、不意に過去に飛ばされるケースでも、状況は全然違うわね。前者ならあらかじめしっかりと準備した上だから、状況に戸惑うことも少ないだろうけど、後者ならきっとパニックになっちゃうだろうし。」

鼎「あと、自分以外の存在を過去に持ち込めるか否かも、大事だよね。過去に持ち込めるのは自分の衣服だけなのか? 自動車や携帯電話やお金なども持ち込めるのか? あるいはもっと範囲を広く取って、隣にいる友人なども一緒に過去に移転されるのか? あるいは街ごと?とか。」

逆沢「私的には、【過去の世界に当時の自分自身がいるのか?】の方が気になるわ。たとえば10年前の世界に戻ったとして、そこに10年前の親や友人がいるのは当然として、10年前の自分自身もそこにいるのか? あるいは10年前の自分自身に憑依した状態になっているのかなど。」

愛原「今の逆沢の指摘は、真面目にタイム・パラドックスを議論した際に、大きな論点になりそうな疑問そのものだな。たとえば【バック・トゥ・ザ・フューチャー】の主人公は、自分の両親が結婚するきっかけとなった年代の過去にタイムスリップする事になるが、この場合、仮に主人公が未来を変える行いを一切せずに傍観し続けたなら、どうなるのか?」

逆沢「そのまま数年ほど傍観していた場合、やがて赤ん坊当時の主人公と、現在時間からタイムスリップしてきた主人公が、同時に同じ世界に存在する形になるわね。」

鼎「逆に主人公が、両親の結婚の妨害に成功した場合は、どうなるのかな?」

逆沢「その場合は、3通りの解釈ができそうね。パラレルワールドとして、少なくともその世界では新しい歴史が紡がれていくケースが一つ。この場合、両親との間に主人公が生まれないが、別世界からやってきた主人公には何の影響も与えない。次に主人公自体の生が無かった事になり、主人公自身も消滅するというケース。キン肉マンの世界観ね。3つ目は、そもそも歴史を変える事はできないというケース。主人公がどんな手を尽くしても、いずれ2人は結婚し、主人公を生む事になってしまう。あるいはその時点での歴史だけは変える事が出来ても、大きな歴史の流れの中で徐々に本来の流れに収束していって、最終的にどこかで歴史の辻褄が合ってしまう。ドラえもんは、割とこちらに近い世界観になってそうね。話によって解釈にかなり変化はありそうだけど。」

愛原「但し今回のテーマは、あくまで【過去に戻って自分の人生をやり直す】事であり、【タイムトラベル】する事ではない。なので自分自身が生きていない時代の過去にまで戻る事はできないし、過去に戻った際には、必ず当時の自分に憑依するという前提で考えてもらえたらありがたい。」

逆沢「つまりたとえば【戦国時代にタイムスリップして、その時代で人生をやり直す】みたいな事は考えなくていい訳ね。」

愛原「その前提でIFをした場合、考えなくてはならない事が数倍に増えるからなぁ。たとえば徳川家康を暗殺した場合、その後の日本の歴史はどう変わるのか? あるいは歴史を変えることで自分自身が将来生まれてくる可能性も変わるのではないのか? あるいはそもそも徳川家康の暗殺等、歴史を変える行為は、はじめから必ず成功しないようになっているのではないのか?・・・・など。」

逆沢「要するに、難しい事は考えたくないと。」

愛原「うん。あくまで過去の自分自身に、憑依する形態と考えてもらいたい。ちなみに憑依する際に持ち込めるのは、自分の精神や記憶のみ。」

鼎「たとえば小学生時代に戻った場合は、たとえ現在の自分が大人でも、大人の自分の今の記憶をもって過去に戻れるという前提でいいのかな?」

愛原「まぁ、そういう形にはなる。というか、記憶の持ち込みが不可能だと、結局同じ人生の繰り返しになって、過去に戻る意味がなくなってしまうからな。」

逆沢「けどその場合、かなり浮き世離れしたマセガキになりそうねー。周囲の人間からしたら、違和感バリバリというか。」

鼎「なんか名探偵コナンみたいな感じになりそうだよね。体は子供でも、知識は大人並みとか。」

愛原「まぁ実際に、そうだからな。子供の肉体に大人の記憶と精神が憑依している状態でしかないわけだから。」

逆沢「そんなマセガキ、何かの拍子でイジメの対象になりそうだわ。まー、案外器用に世渡りできるかも知れないけど、それはそれで誰かに自分の正体を怪しまれるリスクもありそうだし。」

鼎「未来を知っている子供とか、そんな人間がいる事を政府機関などに知られたら、いずれ良からぬ組織にさらわれてしまいそうだよね。」

逆沢「軽い気持ちで将来、上がるであろう株とかを買い占めたりすると、いずれ上級国民(笑)とやらにマークされて、本当にさらわれかねないかもね♪」

愛原「過去の記憶を頼りに株やFXでこっそり大金を稼いだつもりでも、実は証券会社などがこっそり税務署などにチクってそうだからな。というか近年は、ゴールドなどでも一定金額以上の売買記録は関係部署に報告するように法改正されてた気がする。なので不自然に儲けまくっていると、政府のお偉いさんなどに要注意人物としてしっかりとマークされそうな気はしなくもない。逆沢が言うところのいわゆる上級国民様なら、タックスヘイブンに儲けを移転させて、白々しく生き延びることも可能かも知れないけどな。」

逆沢「我々、上級国民(笑)でない一般国民が過去に戻って、株や競馬などで荒稼ぎをしたとしても、あまり派手にやり過ぎると、当局からマークされる可能性があるって事ね。」

愛原「当局からマークされないレベルの稼ぎに留めておくか、あるいは適当にわざと負けて、それっぽく振る舞うくらいの配慮は欲しいところだな。」

鼎「けど名探偵コナン君ならまだしも、大の大人が小学生の中に混じって、怪しまれずに生きていくのはやはり大変だよね。当時の学力を大きく逸脱した成績をあげ続けても不自然だし、そもそも日常会話のレベルが同級生達と合いそうもないし。」

逆沢「昔の自分に戻ってやり直したいと思って、仮にそれが実行可能だとしても、小学生の頃の自分にまで戻るのは、自然な立ち振る舞いをできるかどうかという点で、かなり難易度が高そうね。うまくやれば、しっかり勉強していい高校、いい大学に入って、大きく人生を変えることもできそうだけど。」

愛原「ただ、人生というのは、本当に分からないからなぁ。いわゆるいい高校、いい大学とやらに入ったからといって、じゃあそれでいい人生になるかというと、正直かなり怪しいというか。」

逆沢「まぁ大ざっぱなイメージとして、高い学歴自体は武器になる事も多いし、高い教養もある方が何かとプラスになるだろうから、若い内にしっかりと勉強しておく事自体は推奨されてもその逆はあまりないだろうけど、だからといって、それだけで安心するような奴なら、遅かれ早かれ、人生のどこかで失敗しそうな気がするわ。」

鼎「いい学校に入った事で安心したとか、いい就職ができたことで安心したとか、いい結婚ができたことで安心したみたいな感じで、スタートをゴールと勘違いして安心しちゃうような人は、その時点でいきなり下り坂に入る危険があるから、注意が必要だよね。」

逆沢「努力の質と量に応じて、報われる確率も上昇するような気はするけど、逆をいえば、過去に戻って努力の量を増やしても、何かのハードルを越えた時点で努力をやめて安心してしまったら、結局、トータルの努力量は変わらなくなって、最終的に元の人生と同じ道を歩む可能性は高い気もするわね。」

愛原「ドラえもんでも、そんな話があった記憶があるぞ。幼い頃の自分に戻ったのび太君は、最初の頃こそ無双するが、長じるに従って、今まで何も勉強しなくても無双できたから勉強も何もしなかった事があだになって、勉強の仕方も分からず、結局、転生前より前より惨い状態になるというオチになるんだが。」

鼎「努力や才能の先食いをしても、意味がないって事かな?」

逆沢「消費税増税直前の駆け込み需要のようなものか? 先食いをしてるだけに過ぎないから、トータルでは何も変化は無いと。」

愛原「若い頃に努力してこなかった事を後悔して、仮に若い頃に戻って努力できたとしても、それに安心して満足してしまうと、結局、最終的には元の人生に近い生き様に戻りかねないという事かも知れんな。」

逆沢「デブの自分に不満を抱いて、デブでない頃の自分に戻ってダイエットに取り組んだとしても、途中でダイエットをやめたら、結局デブに戻ってしまうようなものね。」

愛原「なんちゅうたとえや。でもまぁ、案外そういう事かも知れん。まぁ成功体験が人間を変えるという事もあるから、人生をやり直して成功体験をする(or増やす)事で、人生そのものの方向性を大きく好転させられる可能性もあるだろうけどな。」

逆沢「そうでなくとも人によっては、ちょっとした事で人生の方向が大きく変わる事もあるからねー。たった一つのエラーが、プロからスカウトされるか否かの分岐点になる事もあるし。たった一つの失言が、その後の名声や評価に強い影響を与えることもあるだろうし。」

鼎「仮に過去に戻って人生をやり直すとするなら、大ざっぱに数年前、数十年前に戻って勉強をやり直すとかじゃなくて、そういうここぞのポイントに絞った方が、劇的な変化が見込めるかも知れないね。」

愛原「まぁプロ野球選手になるのと、普通のサラリーマンになるのとでは、明らかに人生に変化はあるだろうし、そういう人生の分岐点が明らかなら、その部分に絞って時間を戻すという選択肢はアリかも知れん。もしかしたらプロ入りする事で大金を手にできるかも知れないし、逆に2軍に埋もれたまま戦力外食らうくらいなら、堅実なサラリーマン人生の方が良かったと思えるかも知れんしな。ただ失言を無かったことにするとか、そういうのは、俺的にはあまり意味がないような気がするのだが。」

逆沢「え? 【その一言が命取り】みたいな政治家や有名人は一杯いるし、そういうのを無かった事にしたい人も多そうに思えるけど。」

愛原「失言癖のある人は、何度失敗しても、懲りずに失言を繰り返す傾向があるからなぁ。何度でも無限に過去に戻れるのならともかく、そうでないなら、一回や二回、失言を無かった事にしても、トータルでは大して人生に差が出ないと思うぞ。」

逆沢「言われてみれば確かに・・・。」

愛原「失言癖だけに限らず、浮気性にしても、暴力癖にしても、遅刻癖にしても、浪費癖にしても、ギャンブル症候群にしても、短気や早とちりや優柔不断や臆病やドジな性格にしても、この手の性格に依存した失敗は、一度や二度、失敗を無かった事にしても、トータルではほとんど人生に影響を与えないと思われる。例えばギャンブル狂の人間が、たった1回の爆損を無かった事にしたり、あるいは爆益の未来に変えた所で、そういう人間は、どうせ遅いか早いか、またギャンブルにのめり込んで有り金を溶かす羽目になる可能性が高い。」

鼎「本人なりに反省しているつもりでも、ほとぼりが冷めたらまた同じ失敗を繰り返す人って、意外と多いよね。」

愛原「無限に時間を戻せるのならともかく、そうでないなら、性格依存の失敗を帳消しにする為に時間を戻しても、おそらく何の解決にもならないと思う。上の方で触れた【努力】もまさにそうで、怠け者が何度人生をやり直しても、どうせ高い確率で努力を投げ出すのは目に見えている。」

逆沢「【明日から本気出す】と決意した所で、それを実際にできないような人間が、人生をやり直せたら努力すると決意しても、どっちみち同じ人生を繰り返すのは目に見えているって事か?」

愛原「個人差はあるだろうけど、まぁ大半の人間に当てはまるような気はする。」

鼎「つまり浪費癖のある人が、過去に戻って、負債を帳消しにしたり、一時的にお金持ちになっても、そんなのは長い目で見れば焼け石に水にしかならないし、そういう自分の性格に起因したミスは、たとえ時間を一回二回戻しても、長い目でみればほとんど無意味って事かなぁ?」

愛原「まぁ【タバコをやめられる】とか【ダイエットを成功させる】以上の意思の強さがある人なら、性格依存のミスを帳消しにする為に時間を戻すという選択肢もアリだとは思うけどな。逆に、何度非難されても失言を繰り返すような人間なら、これはもう無駄な行為そのものと断言できる。」

逆沢「禁煙やダイエットはともかく、失言癖はほとんどの人が直せないと思うわ。性格依存の中でも、特に根深いところにあるものだから。ある意味、人格形成自体に関わっているものだから。」

鼎「思想や肉体改造は、まだ変化させやすい方だと思うけど、人格は私もほとんど無理だと思うよ。短気な性格をのんびり屋にしようとしても、早とちりな性格を慎重な性格にしようとしても、優柔不断な性格を決断力のある性格にしようとしても、悲観的な性格を楽観的な性格にするのも、それらはほとんど無謀だし、むしろそれは性格として受け容れて、長所として活用すべき部分だとも思うから。」

愛原「まぁ、それが一番無難かな? 無論、短気な性格とか、楽観的な性格とか、そういうのがあだになって大きな失敗をする事もあるだろうけど、それは失敗を無かった事にするのではなく、受け容れた上で糧として、強い意志をもって同じ失敗をしないように制御し、あるいは長所として活かすようにする方が建設的かも知れんな。」

逆沢「つまり安易に過去に戻ってやり直そうとしても無意味だし、むしろ失敗は失敗で糧とするべく受け容れた方が賢明って事か?」

愛原「仮に過去に戻ってやり直す事ができるとするなら、それは自分の責による失敗を無かった事にするのではなく、たとえば今回の震災のような、不慮の事故や災害による被害を最小限に留める為に活用する方が、ずっと有意義な気がする。」

逆沢「あー、不慮の事故や災難とかねー。」

愛原「人間、いつ事件や事故、災害等に巻き込まれるか分からない。本人に責は無くとも、ある時、突然、交通事故に巻き込まれる時もあるだろうし、【誰でも良かった】的な暴漢に襲われる事もあるだろうし、災害や災難に遭う事もあるだろう。こういう不慮の災難に遭った時こそ、最も試したいと思わなくもない。」

鼎「保険的な発想だよね。」

逆沢「けど、ファンタジー的には、とてもメジャーとはいえない動機ね。主人公が過去に戻りたいと考える動機は、何かをやり直したいとか、真相を知りたいとか、そういうのが主な気がするから。」

鼎「けどこれはこれで、面白い発想かもとは思ったかも。」

逆沢「面白いか? 事故や災害に遭う未来を無かった事にするために過去に戻って、それで仮に事故や災害を避けられたとしても、その場合、平凡な日常が再スタートするだけで、まるで物語にもならないだろ?」

鼎「自分一人の身を守るだけなら、それはその通りだけど、仮に自分以外の人間も救いたいと考えたら、話は大きく変わってくると思うよ。」

愛原「仮に、本来なら助からない人の命を助けようとした場合、何らかの干渉が必要になる。事前に説得して、行動を翻意させるか? あるいは突き飛ばすなり、縄で縛るなりして、無理矢理そいつの動きを拘束するか? とにかく何らかの干渉を行って、そいつが辿るであろう歴史をねじ曲げる必要が出てくる。なるほど、これは簡単ではないかも知れないな。」

鼎「たとえば、私達が学校なり会社なりに行こうとした際に、誰かが止めたとして、それを素直に受け容れられるかって事だよ。」

逆沢「あー、なるほど。露骨に怪しいというか、不審な気持ちにはなるわね。なんでその日に限って通学や通勤をやめなきゃならんのかって、気持ちにはなるかも知れないわね。」

愛原「正直に【私は未来から来ました】とか【自分には未来が見えている】と言った所で、凡人にはただの危ない人にしか思えんからな。」

鼎「それに仮に信じてもらえたとしても、それならそれで【未来が見えている】人間に対して、尋常ならざる感情を抱かれるリスクもあると思うよ。」

逆沢「上の話じゃないけど、未来が見えている人間なんて存在が上級国民(笑)の耳に入ったら、それこそ何をされるか、分かったもんじゃないわね♪」

愛原「仮に助けたい人間が、1人2人レベルならまだ何とかなるかも知れない。しかし今回の震災や、福知山線脱線事故みたいなもので、一人でも多く助けたいと考えたならば、その負担とリスクは、何十倍にもなると思われる。」

逆沢「それは言えるわね。まぁ商売の種にしたいだけなら、ブログやツイッターに【○月○日○時に△△という大災害が起こります】とでも事前に書いておけば、【予言者現る】みたいな感じで盛り上がるかも知れないけど、それを最初から真に受ける人はほとんどいないだろうから、一人でも多くの人を助けるという趣旨からすれば、無意味だろうし。」

鼎「ものすごい扇動能力が必要になるよね。凡人ならまず信じないような予言を、大人数に信じさせようとすると。」

愛原「それを成功させようとするなら、かなり事前からの準備が必要になるだろうな。たとえば大震災の直前ではなく、少なくとも数ヶ月前の時点に戻った上で、まず予言者としての実績を作りまくる。明日の天気でも、明日の株価でも、何でもいいから、とにかく予言を繰り返しては的中させまくって、予言者としての実績をしっかり作った上でなら、もしかしたら【いついつ、どこどこで大震災が起こります】と予言しても、多くの人が信じてくれるかも知れない。」

逆沢「けど、それはそれで上級国民(笑)に、もろマークされそうだわ♪」

鼎「魔女狩りじゃないけど、大震災を予言しただけのつもりが、大震災を引き起こした元凶そのものとの悪評も広められそうで怖いとも思ったかも。凡人は、神のごとき異能の持ち主をあがめるだけでなく、気持ち悪さを感じる生き物でもあるから。」

逆沢「なるほど。アベノミクスの失敗だの、株価急落だの、そういうのを事前に当て続ける事によって、ただ賞賛されるだけと思いきや、株価を急落させた元凶と噂される可能性もあるって事ね。」

愛原「あと、予言する事によって未来が変わる可能性もある。たとえば選挙で【与党大物の××が負ける】と予言する事によって、勝って当然と思って油断している与党大物の××が油断しないようになってしまって、自分が知っている未来と逆の結果が起きる事は十分にあり得る。」

逆沢「そう考えると、株価や為替の予言なども危険かも知れないわね。たとえば【マイナス金利発表後、数日待たずして1ドル115円を一気に割って、その後しばらくしてさらに110円も割る】と予言した場合、びびった黒田総裁がマイナス金利の導入自体をやめて、未来が大きく変わる可能性もあるわけだから。」

愛原「地震が起きるという未来自体は変えられなくとも、脱線事故などの未来は変わる可能性もある。予言を真に受けて、運転手が気を引き締めたり、あるいは運転手が交替する可能性もあるわけだから。」

鼎「まぁ、より大きな不幸が回避されるとするなら、それはそれで万歳なんだけど、当事者からすれば、得体の知れない誹謗中傷のせいで左遷されたと考えるかも知れないし、モヤモヤ感が残りそうなのが問題かな?」

逆沢「あと、上級国民(笑)に狙われやすくなるデメリットもあるし♪」

愛原「とりうえず上級国民とやらの話は置いておけ。言いたい事は十分伝わったから。」

鼎「こうしてみると、過去に戻って未来を変えるというのは、なかなか大変そうだよね。」

逆沢「少なくとも自分が未来から来た人間である事を悟られないようにしないと、色々面倒くさい事になりそうだとは思ったわ。」

愛原「あるいは、もう開き直るしか無いな。一人でも多くの人間を助けられるのなら、自分の身がどうなろうと構わないくらいに。」

逆沢「うーん。私は聖人じゃないから、さすがにそれは無理だわ♪」

鼎「ゲームの世界みたいにセーブ&ロードというか、何度でも過去に戻ってやり直しがきくなら、色んなパターンで何度でも試して、自分の身も守れて、なおかつ周りの人もたくさん守れるような方法に、いずれたどり着けるかも知れないけど。」

愛原「まぁ、何度でも過去に戻れるのなら、どれだけ惨い失言癖があろうが、浪費癖があろうが、無敵だけどな。失敗する度にチャラにすればいいんだから。」

逆沢「無敵かも知れないけど、それはそれで面白みが無いわね。何度もチャンスがないからこそ、人は知恵を絞ったり、リスク管理をしたり、最善を尽くすわけで。」

愛原「現実世界では、残念ながら(少なくとも現在の科学では)過去に戻す事はできない。だから知恵を絞ったり、リスク管理を怠らないようにするくらいしか、対処方法はない。しかし一度失敗した人間や、災厄に巻き込まれた人間を安易に切り捨てるのではなく、周りの人の寛容性と好意と感謝の意でもって、再チャレンジできる世の中であればいいなとは思う。」

鼎「西南戦争で一度は消失した熊本城が雄々しく復活したように、今度も元気に復活してくれたらいいよね。」

愛原「時間を戻せるのなら、それは超した事は無いかも知れない。しかし時間を戻さずとも、多くの人の力で再び復活したものには、それだけの人の心が宿っており、それだけの価値が以前にも増して新たに加わっている。人間自身もそうで、失敗や不幸を糧にできた人間には、それを経験していない人間にはない人生経験の深みがある。また、そうであって欲しいと思う。」
















トップページに戻る