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愛原様のたわごと(16年11月27日)




愛原「今日のテーマも前回の続きのような内容で【パニック】。但し、パニックがもたらす集団心理の方ではなく、あくまで個人レベルをメインに考えてみたいと思う。」

鼎「前回取り上げた生存ゲーム的視点だと、パニックに陥った他人を、ある意味傍観する立場というか、あるいはパニックに陥った他人にどれだけ振りまわされずに冷静に対応できるかを試される視点だったよね。」

逆沢「愚かな大衆がパニックに陥った状態を横目に、いかに自分自身が冷静に対応する事で生き延びるか?みたいな立場だったわね。前回は。」

鼎「【やれやれ】系のラノベ主人公が好むシチュエーションだよね。個性的な仲間、あるいは凡俗な大衆があわてふためく様子を、俯瞰的な立場で眺める立場というのは。」

愛原「【自分だけはまとも】と思い込んでる点で、傲慢極まりないタイプでもあるな。世の中を斜めに見たがるタイプに多そうだが。」

逆沢「でも自分だけはまともと思い込んでる人自身こそが、実はパニックの中心にいる事は珍しくないと思うけどねー。」

鼎「振り込め詐欺とかでもそうだけど、自分だけは絶対に騙されないと思い込んでいる人こそが、一番騙されやすいと聞いた事もあるよ。思い込みやすいタイプだけに、本当の意味で冷静に見つめ直す事ができないというか? 考えを改める事ができないというか。」

愛原「パニックというのは、そもそも思い込みが引き起こすものだからな。火星人が攻めてきたと思い込んだり、銀行が破綻すると思い込んだり、トイレットペーパーが不足すると思い込んだり、朝鮮人が暴動を起こすと思い込んだり、そういった思い込みがピークに達した時に最も発生しやすい。自分は正しいとか、自分は冷静だと思い込んでるタイプが、実は一番危ない。」

鼎「パニックに陥りやすい状況では、むしろ自分を疑うくらいの方が良いのかな?」

愛原「前回でも触れたとおり、どれだけ多くの人の意見を参考にして、冷静に判断したつもりでも、間違えるときはどうやっても間違えるので、最終的には自己責任だけどな。ただパニック状態というのは、典型的な【岡目八目】で、第三者からみると明らかにパニックになっている状態であっても、パニックに陥っている本人自身にその自覚が薄いのが特徴だ。その結果、【自分だけはまとも】と思い込みやすいというのはあると思う。他人からみれば十分【変人】であっても。」

鼎「自分自身がパニック状態にあると気付こうとすれば、どうすればいいかなぁ?」

愛原「うーん。これは難しい。しかし普段からパニック状態になりやすい人なら、それを自覚しやすいチャンスがある分はマシかも知れん。たとえば間違った鍵を差し込んで、いつまでもしつこく力任せにガチャガチャやるタイプ。あるいは引いてあげるドアを、いつまでも押して開け続けようとするタイプ。あるいは路上に落ちているロープに足が引っかかって転倒しそうになった際に、そのロープをほどこうとするのではなく、力任せにロープを引っ張って状況を脱しようとするタイプ。あるいは探していた物が見つからない際に、すぐに他人がどこか別の場所に放置したに違いないと決め込んで、他人を断定口調で詰問するタイプ。あるいは相場が明らかに逆行しているにも関わらず、いつまでも損切りしない。もしくはあせって損を取り戻そうとしてさらに損害を増やすタイプ。総じて、短気。短絡的。他罰的。自分の失敗を認められないタイプなどは、パニック状態に陥りやすいといえるかもしれない。」

逆沢「あー、でも上手くいかない時に、イラッと来て、さらに状況を悪化させる事はあるわ。朝寝坊して、あわてて身支度しようとすると、かえって身支度に手間がかかったりするのよねー。靴の紐一つ結ぶのも、慌てて急いだ結果、さらに時間がかかってしまったりとか。」

鼎「慌ててると、いつもなら無意識に出来ているはずのスムーズな日常作業すら、なぜか上手くいかない時があるよね。いつもなら一発でかかる鍵が、なぜかうまくかけられなかったりとか。普通に閉め終わってるはずの扉がちゃんと閉まらなかったりとか。」

愛原「この【慌てている】状況こそが、パニックそのものだ。つまりパニックというのは決して非日常的なものではなく、いつでも起こりえる。仮に【いつもならそこに有るはずの物が無くて、それが無いせいで作業が時間内に完結できない】みたいな状況に陥ったならば、人は簡単にパニックになり得る。慌てて探そうとした結果、さらに別の物までもが下に埋もれて、さらに探さなければならないものが増えたりとか。他人のせいと決めつけて八つ当たりしてしまったりとか。」

逆沢「上手くいかないと、とりあえず誰かに責任転嫁もしたくなるから、それで他人に八つ当たりしたりというのはあるかもね。」

愛原「そうでなくともパニックの場では、人間不信が加速しやすいからな。上手くいかないから、他人のせいにしたくなる。不安だから、他人のせいにしたくなる。他人に責任を転嫁しようとしたり、他人に負担を押しつけようとしたり、他人が悪いという事にしたがる者が多数出る。その結果、パニックの現場では、内ゲバみたいなものがしばしば起きる。」

鼎「一番困るのは、【他人のせいにしたがる人】は、どれだけそれが誤りである事を他人に指摘されても、容易にそれを認めない事だよね。そのせいで周囲の雰囲気が加速度的に悪くなって、パニックが伝染しやすくなるというか。」

愛原「パニック状態というのは、急いで状況を改善しようとした際に、短絡的な解決方法を選択したときに起きやすいものらしい。たとえばロープが足に絡まった場合、より確実なのは時間をかけて紐をほどくという方法だが、それを選択せず、力任せに紐を引っ張ろうとした際にパニックが起きる。あるいはわずかな時間を惜しんで、急いで服を着替えようとしたり、急いで鍵をかけようとしたり、みたいな時に起こりやすい。」

鼎「【他人のせいにする】というのも短絡的な解決方法の一つだよね。他人が罪を背負ってくれたら、それで助かるという事も多いだろうから。だから悪い事が起きると、とりあえず他人を責めたがる人がでやすいというのはあると思うよ。」

愛原「ただ他人のせいにするというのは、心理的には安定しやすいが、根本的な解決方法にはならない方が多いからな。たとえば映画館のような閉鎖空間の廊下で渋滞した際に、【前にいる奴がいつまでも出口に進もうとしないせいだ】と決めつけて、目前で立ち往生している人の背中を後ろから突き飛ばしたら、どういう事になるかは想像できるだろ?」

逆沢「将棋倒しの大惨事になりかねないわね。」

鼎「けど外国では、比較的そういう事件が実際に起きるよね。日本でも起きる時は起きるけど。」

愛原「短気な奴が、他罰的な思考に陥って、短絡的な行動を実行に移すと、パニックは簡単に起きるという好例だな。」

逆沢「パニックが起きやすいような場では、できるだけ寛容に鷹揚に心がける方がいいって事かねー?」

愛原「寛容で鷹揚なのは、パニックを避ける上では有効に働きやすいが、現実逃避になりやすい点だけは注意すべきだろうな。」

鼎「大ピンチのシーンで、意志弱いキャラクターが夢遊病的な現実逃避に走るシーンとかも、たまにあるよね。あるいはすぐにもう駄目だと決めつけたり。」

愛原「相場の世界では、いわゆる損切りが出来ずに大ダメージを受けるトレーダーが多くいるが、現実逃避したがる人間がいかに多いのかを改めて自覚させられる。」

鼎「相場の世界では、損切りとしてしまうとその時点で損が確定してしまうけど、いつか相場が逆転する事を期待して塩漬けにしている間はあくまで【含み損】であり、損が確定している状態じゃないからという理由で、いつまでも持ち続けている人も多いらしいよ。」

愛原「現実逃避というのも、パニック状態の一つでしかないからな。動く恐慌状態と違って見た目には分かりにくいが、実はパニック状態に陥っている事は、キレやすさ等ですぐ分かる。」

逆沢「あー、確かに。彼らは、現実逃避状態から目を覚ましてやろうとすると、すぐにキレたり、徹底的に殻に閉じこもったりしたがるもんねー。人の意見に耳を傾けない点では、他のパニック状態の人と何ら変わるところが無いというか。」

鼎「みんなが必死になって危機的な状況を打破すべく激論を交わしたり、脱出の準備をしている際に、【うるさい!】とか【いちいち騒ぐな!】とか【黙れっ!】とか怒号をかまして、一見すると【自分だけは冷静ですよ!】オーラを出してるけど、実は建設的な意見を出したり前向きな行動をしている訳でもなく、ただその場で、いかつく固まっているだけのようなキャラクターもたまにいたりするよね。」

逆沢「典型的な小田原評定タイプね。責任を負うのが嫌というか、リスクを負うのが嫌というか、だから無駄に時間を過ごすだけしかできないというか。」

鼎「危機的な状況にあるときに、責任転嫁したくなるのは人の心理かも知れないけど、そんな事を考えている場合じゃない方が多いよね。」

愛原「落ち着いて対処することと、現実逃避する事は全然別物だからな。たとえば映画館が火事になった時に、慌てて逃げて将棋倒しを引き起こすような奴は論外だけど、逃げようともしなかったり、急いで逃げようとしてる他人の腕をつかんで逃げるのを妨害する奴も同じくらい論外だ。」

鼎「あ、でも逃げるのを妨害するつもりはないけど、たとえば震えて体が動かなくて、それでそんな動けない自分を助けて欲しいとばかりに、近くの人の腕や足をつかむ人とかは、たまにいそうだよね。」

逆沢「それもパニック系のファンタジーでは定番ね。震えて体が動かない奴ってのは。」

愛原「人は、緊張状態になる程に、体が硬くなるからな。別に危機的な状態じゃなくても、大舞台で緊張してあがってしまってしまう人とかは、案外多そうな気がするし。」

逆沢「あー、分かる。やることは普段と変わらないのに、大舞台とか、重要な場面になるほど、緊張してあがってしまう事は普通にあるわ。」

鼎「失敗が許されないような場面になる程、どうしても緊張してしまうよね。」

愛原「平均台の上を全力で走り開けられるような人でも、より高い場所だと、体が震えてまともに歩く事もできないなんて事は珍しくないわな。同じ幅のブロック塀であるにも関わらず、そのブロック塀の高さが高くなればなる程、恐怖感が増して、その上を歩く際に体が硬直してしまいがちになるというか。」

鼎「とすると、どうしようもない程に危機的な状況になるほど、平常ならできる事ができなくなる程に、体が硬直して動けなくなる事は至極当たり前という事かな?」

逆沢「漫画の世界とかだと、過呼吸状態になるキャラクターすら珍しくないしね。」

愛原「メンタルが弱いキャラと称される事もあるが、そういう緊張しやすい恐がりのタイプもいれば、逆に危機感の足りないタイプもいるだろうし、こればかりは個性だからなぁ。訓練すれば、恐怖感の克服も、逆に散漫な注意力の改善も共に可能にはなるが・・・。」

逆沢「事前準備もしないで、いきなり恐怖感を克服させたり、逆に警戒心を刺激させたりするのは、なかなかしんどそうではあるわね。」

鼎「ピンチの時に恐怖感からか体が硬直して動かないキャラクターも定番だけど、もう一つ、さらにメジャーな定番もあるよね。ピンチの時にやたら悲鳴をあげるキャラとか。」

逆沢「あー、パニック=悲鳴というくらい定番ね。悲鳴の一つも無ければパニックものとはいえないくらい定番中の定番というか。」

鼎「悲鳴が起きてはじめて、【さぁ、盛り上がってまいりました】となる事も多いよね。」

愛原「リアルでは不謹慎な表現だが、ホラーものなら、悲鳴が起きてナンボというくらいの風物詩ではあるな。」

逆沢「しかし、人間はどうしてパニックになるとすぐに悲鳴を上げるんだ?」

愛原「別に人間だけじゃないだろ? 猿だろうが鳥だろうが、群れを作る動物は大体、危機が迫ると悲鳴を上げる事で、群れに危機を知らせようとする。」

鼎「その悲鳴を受けて、群れの動物たちは、一斉に避難活動を始めるよね。」

逆沢「じゃあ何か? 人間の悲鳴も、周囲の仲間に危険を知らせる信号だという事か?」

愛原「悲鳴を上げる事自体は種にきざまれた本能であり、無意識で行っている事が大半だろうけども、機能的には猿や鳥の悲鳴と大差ないと思う。悲鳴をあげ続ける人間に、なぜ悲鳴をあげるかを問いただしたならば、大抵は怖いから(=怖い状態から脱したいから=助けて欲しいから=悲鳴をあげる事で周囲にピンチから私を助けて欲しいという意志を伝える事が出来るから)という事になるんだろうし。まぁ近くにいる家族や仲間に【逃げろっ!】という意志を込めて悲鳴をあげる場合もあるだろうけども、どっちにしろ【仲間に危機を知らせる】という機能自体は共通だ。」

逆沢「現実には、悲鳴を聞いた側がどういう反応をするかは、様々だろうけどね。【助けに向かおう!】となる人もいれば、【逃げよう!】ってなる人もいるだろうし。」

愛原「どっちにしろ、周囲の者に危機を伝えるという最低限の機能自体は果たせているから、アニマル的には危機に際して悲鳴をあげられるのは大正解だ。」

鼎「アニマル的には正解かも知れないけど、ホラーものでは、ピンチを拡大するきっかけにもなりがちだよね。襲撃者に自分達の居場所を知らせてしまうリスクもあるし、恐がりの仲間をさらに不安に陥れてパニックを拡大するリスクもあるし。」

逆沢「できるだけ静かに冷静に対応しなければならない場面で、いたずらに甲高い悲鳴をあげるキャラクターとか、本気で殺意を覚えるわ。」

愛原「気持ちは分かるが、パニック心理に陥る程、悲鳴が飛び出る確率が高まるのはやむを得ないぞ。それが人間を含むアニマルの本能だから。もっとも緊張しすぎて硬直した結果、逆に助けを呼びたくとも声が出ないケースもあるだろうけども。」

逆沢「人間の体は、思い通りに動かないものねー。声を出してはいけない場面で悲鳴が出てしまったり、声を上げなくてはならない場面で声が出なかったり。」

愛原「ファンタジーの世界では、静かに行動すべき場面で悲鳴をあげるキャラが出がちで、それがウザく感じられる事も多いだろうけども、現実世界ではむしろ逆だ。チンピラにカツアゲや引ったくり等をされそうになっても、悲鳴の一つもあげられずにまんまと被害に遭うケースの方がはるかに多い。恐怖で体が動かなかったり、突然起きた事態に頭が付いていかず、呆然としてる間に犯人をまんまと逃がすケースの方がずっと多い。」

鼎「後になって、車のナンバーを覚えておけば良かったとか、犯人の顔を覚えておけば良かったと気付いても、その時にそれを適切に出来る人は、なかなかいないと思うよ。」

愛原「パニックの現場では、事態の把握が正しくできない事による、ある種の現実逃避とか、思考の混乱とか、それに伴う体の硬直などが起きて、本当に何も出来ないことの方が珍しくない。そう考えると、即座に悲鳴を上げられるキャラの方が、動物的本能で素早く危機回避の為に行動できるという意味で、まだ救いがあるかも知れない。虐待行為を受けていても、そこで悲鳴の一つもあげずに耐えていようものなら、誰にも気付いてもらえずにますます状況が悪化するようなもので。」

鼎「学校のイジメでも、職場のパワハラでも、理不尽な危機に陥ったら、まず鬱になったり自殺に追い込まれるまでに、危険を外に知らせるのが基本だよね。といっても、人はなかなかそれが簡単にできないんだけども。」

逆沢「下手すると、洗脳されるからね。実はブラックな自分の職場が普通だと思い込んで、挙げ句の果てに【奴隷の鎖自慢】まで始めてしまったり。岡目八目的視点でみると、救いようがないレベルで現実逃避してるようにしか見えないけど。」

愛原「現実逃避することで、表面上の冷静さを保てるというか、【自分の方がまとも】と思い込めるからかも知れんな。俺からすると【奴隷の鎖自慢】なんか、病んでる以外の何者でもないけど。まぁ悲鳴という方法が適切な手段になり得るかどうかはケース・バイ・ケースだろうけども、危険を早急に外部に知らせる事自体は、危機から早急に脱する上で極めて大切な要素だ。」

逆沢「ホラーものによる悲鳴悪玉論的な扱いは、社会にはこびる隠蔽好きな悪党による陰謀と考えるのは、さすがに飛躍しすぎるかな?」

愛原「多分飛躍しすぎだろうけど、学校から企業から政府に至るまで、日本では隠蔽体質が蔓延しすぎているからなぁ。外部に危険や不正を知らせたがる人が増える事は、少なくともいわゆる上級国民には、決して歓迎されないだろうな。危機をいち早く外部に知らせる事自体は、種が生き延びる上で最も初歩的な動物的本能の一つのはずなんだが、その生存本能が意図的に退化させられているかも知れないという危惧自体は、陰謀論的発想ではあるものの理解はできる。」

逆沢「管理者気取りの人間は、自分達の周りだけで情報を固めて、下々に広く都合の悪い情報が拡散されるような事態を全く好まないからねー。大衆を不安にさせるような都合の悪い情報をうかつに広めると、それこそパニックが広がりかねないから。」

鼎「【悲鳴は、人を不安にさせるからできるだけ発するべきでない】というのと、同じ論拠だよね。」

愛原「【火災報知器を鳴らすと、建物内にいる人々が慌ててパニックを起こしかねないから、火災報知器は鳴らすべきでない】的な論拠でもあるな。実に馬鹿げてる。」

鼎「パニックになるのを怖れて、伝えるべき情報を隠蔽すると、手遅れになりかねないよね。」

逆沢「プロの危機管理責任者は、そういう有事にどういう対応をするのかな?」

愛原「まずは訓練。いざという時にテンパらずに、適切に行動できる為にとにかく訓練。これによって自己中心的な暴走や、心身の硬直などをできるだけ抑止する。あらかじめ避難経路や誘導手順などをきちんと整備しておき、それを適切に運用する。テレビやラジオ・ネットなどの通信手段。建物内なら建物全域に響く放送施設がある事が望ましい。そしてその放送を絶やさず、次に行動すべき内容をひたすら流す事。一般大衆の多くは、情報が無いと勝手な自己判断で行動しがちだが、ちゃんとした情報があればまずはそれに従って盲目的に動く傾向があるからな。」

逆沢「勝手な自己判断でとか、盲目的にとか、お前、大衆を内心で下に見てるだろ?」

愛原「とんでもない。なぜなら、俺も勝手で盲目的な大衆の一人だからだ。情報が無ければ、自己判断で行動するしか無いし、逆に危機の際に救いとなる情報があれば、とりあえず半信半疑でもそれを信じたくなるのが、我々凡人の基本的な行動原理だからな。故に、行政が避難所に移動しろと言えば、とりあえずそれを信じて移動するだろうし、逆に家の中で待機しろといわれたら可能な限りは待機する。」

鼎「行政の安易な指示に従った結果、逆に被害に巻き込まれる事もあると思うけど。行政の判断を信じて前も見えない深夜に避難所に向かった結果、あふれた川の水に足をすくわれて流されるようなケースもあるだろうし。」

愛原「個人的に災害対応に対する事前知識などがあれば、行政の判断がおかしいと思った際に、それに従わない事でより正しい選択も選べるだろう。それができればベストだが、そうでなければ、変な思い込みや現実逃避をしないまともな人間ほど、行政の指示通りに動く可能性が高くなると思われる。プロが言ってるなら間違いないと安直に信じる訳だな。まぁその信頼感が維持される限りは、パニックも抑止されやすいので、それ自体は決して悪い話ではないのだが。」

逆沢「つまり避難誘導が適切に行われている限りは、パニックも起きにくいという事かな?」

愛原「適切ならな。逆を言えば、現場の事情を無視した無茶な避難誘導が行われていたり、避難誘導の指示に従っているにも関わらず全く事態が好転しないとか、納得できる根拠も示さず朝令暮改を繰り返してると、誰も避難誘導案内を信用しなくなり、やがてパニックになりかねない。人は、上官とか行政とか監督責任者など、信頼に値する人が信頼に応える限りは、パニックも起こさずに真面目に指示に従う事が期待されるが、そういった指示者がいい加減な対応をすると、自己判断で行動せざるを得なくなり、やがてパニックにならざるを得なくなるからな。」

逆沢「危機に際して、中身のない【冷静な対応】を呼びかけるだけの政府などは、むしろ害悪にしかならないって事ね。適切な誘導指示を出す気(あるいは能力)がない事を自ら暴露しているのと変わりないから。」

愛原「考える時間が十分にあるような状況なら、【冷静な対応】とやらもパニック防止に寄与する事はあるだろうが、後ろから火や煙や津波や暴漢や群衆が迫っているような状況では、何の役にも立たないだろうな。そうなると悲鳴だの火災報知器だのサイレンだのといったものの方が、余程役に立つ。」

鼎「というかたとえば、暴漢に襲われた時に役立つのは、事実上悲鳴だけだよね。状況に多少なりともゆとりができれば、110番したり、自力で反撃したりできるかも知れないけど。」

愛原「悲鳴は、ホラーものでは気弱なキャラが発するネガティブ要素でしかないが、自分(&周囲にいる者)の身を守る上で最善の行動の一つだ。誰かに虐待されたり、誰かに強盗されそうになったり、あるいは突然倒れてきたタンスに挟まれて身動きが取れなくなったとか、すぐに救急車なり警察なりを呼んで欲しいとか、その他ピンチになった時など、悲鳴は色んな分野で大活躍する。まぁ暴漢の種類によっては、逆ギレされる危険もあるので、裏目に出る事もあるが。」

逆沢「まぁ、そりゃしゃあないわ。ホラーものでも、悲鳴をあげた結果、暴漢に居場所を気付かれてピンチになるか、助っ人が現れて助けてもらえるかは、ある意味バクチだし。」

愛原「ただ動物的生存競争に従えば、現実逃避とか、思考停止とか、それに伴う身体の硬直などの方が、ずっとマイナスに働きやすい。それらは見た目は冷静であるように見えるが、実際はパニック状態の中でも、時間を無駄に空費しやすい分、最も不毛なものだ。」

鼎「ただそういうのも、訓練するしか改善方法はないよね。人間である以上、誰しも起こりえる事だし。」

愛原「そう。だからそういう状態に陥った人に対して、安易に非難するような態度はしたくない。たとえば振り込み詐欺とかに引っかかった人の記事を見る度に、被害者の落ち度を非難したり小馬鹿にする輩も見かけるが、パニックというのは誰しもほんのくだらないきっかけで起こりえるものだと、むしろ警戒すべきだ。豊川信用金庫の取り付け騒ぎにしろ、関東大震災時の朝鮮人虐殺にしろ、人はパニックになると、しばしば想像を超えることを平気でするからな。」

逆沢「火星人の襲撃すら、真に受ける人は真に受けるらしいからね。」

愛原「少なくとも、無闇に他人に八つ当たりしたり、決めつけて行動する癖があったり、ちょっと上手くいかない事があるとすぐにガーッとなったり、挑発や批判をされる度にイラッと来たり、破壊衝動があったり、慌てると普段してる着替えや扉の開け閉めといった動作までが上手くいかなかったり、不幸や不満を何日も引きずったり根に持つタイプは、本当にくだらない事でパニックに陥る可能性が高いから、特に【自分だけは有事でも冷静でいられる】自信みたいな幻想は捨てた方がいい。」

鼎「そこまで寛容で冷静な人ってむしろ珍しいと思うよ。100人中99人の人は、多分その内の何個は当てはまるだろうから。」

愛原「あと、デマを真に受けた人とか、詐欺に騙された人を、安易に笑う傾向にも、あえて俺は警鐘を鳴らしたい。こんな所に暴漢がいるはずがないとか、こんな所で火災が起きるはずがないとか、こんな所まで津波が押し寄せるわけがないとか、こんな工事で事故が起きるはずがないとか、こんな大通りが陥没するわけがないとか、こんな程度で鬱になるはずがないとか、こんな程度で自殺するわけがないとか、こんな詐欺に騙されるはずがないとか、思い込む方が余程危険だからだ。危険には過敏に対応しすぎるくらいで丁度いい事も多い。」

鼎「安心だと思い込んで手遅れになるよりも、勘違いで悲鳴を上げて失笑されるくらいの方がマシという事もあるよね。」

原「喜んでデマを流す悪質なオオカミ少年は残念ながらいくらでもいるが、悲鳴をあげて人を惑わすオオカミ少年はほとんど聞かないしな。まして隠蔽体質と安全神話が蔓延する今のこの国では、勇気を持って声を上げたり、それに敏感に反応できるくらいでちょうどいいのかなと思う時もある。短気・短絡・他罰が引き起こすパニックは忌むべきものだが、平穏を乱す事を怖れるあまりに、人に助けを求める事や、危機を伝える事や、危機に反応する事までも躊躇するようなのも、同様に忌むべきだと思う。」

逆沢「クールさを装う事がカッコいいと考える人が増えてる弊害かもね。危機に際して、無闇に大声で騒ぐ事が恥ずかしいみたいな。」

愛原「無闇も何も、無闇かどうかを再確認したり再検証する余裕すらないからこその危機なんだけどな。」

鼎「台風や津波災害とかも、本当に警報や避難勧告を出すに値する程の災害規模になるかどうかは、後になってからじゃないと分からないし、後になってから避難しても手遅れなんだから、結果的に空騒ぎで済んでも、笑って済ませるくらいの方がいいよね。」

愛原「勘違いだったら恥ずかしいとか、大騒ぎしたせいでみんなに迷惑をかけたとか、そんな事をいちいち心配するような社会はちょっと嫌だな。故意に人を振りまわすオオカミ少年は論外としても、鋭敏に危機を察してそれを周囲に素早く伝えてくれる人に対しては、それなりに敬意を払ってもいいんじゃないかとも感じるし。みんなが暑いのを我慢した結果、誰かが熱中症で倒れてからでは手遅れだし、それよりは率先して【そろそろ休もう】と言えるくらいの環境的余裕も欲しい。」

鼎「ホラーものでも、鋭敏な感覚の持ち主とか、たまたま最初に危険に遭遇したメンバーが何度もヤバいと警告してるにも関わらず、周囲のメンバーが真面目にその警告を受けとめずにいた結果、大変な事になるケースも多いよね。」

逆沢「せっかくメンバーの一人が危険を説いて騒いでるのに、その人に臆病者とか、パニック状態とか、気が触れているとか、レッテルを貼って、誰も真面目に耳を傾けなかった結果、悲劇が拡大するのよね。」

愛原「【いつでも冷静な俺、カッコいい】【慌てて騒いでいるアイツ、カッコ悪い】みたいに思って、クールに構えているつもりかも知れないが、俺に言わせればそれこそ現実逃避だ。そういう奴が偉そうな顔をしている組織では、深刻なイジメなどが起きても、事態を過小評価してロクな対応もできないだろうし、まして有事では全く役に立たないような気がする。」

鼎「大震災などが起きた時にも、変にクールさを気取って何もしない首長よりも、どこの首長よりも早い者勝ちの勢いで、いち早く救援を広く求めるような首長の方が絶対に頼もしいよね。」

愛原「孫子にも【拙速は巧遅に勝る】という言葉もあるしな。少なくともクールさを装うだけで何もしようとしない奴よりは、人一倍早く決断して動ける奴の方がマシな事も多いだろう。冷静かつ迅速であれば最高だが、仮にそこまでの水準が期待できないなら、茫然自失したまま何もしないとか、責任を怖れて何もしないよりは、頭をフル回転させて必死にあがいた方がマシな場合はいくらでもある。冷静である事と、現実逃避して何もしないことは決してイコールではない。」

逆沢「ピンチになったら、カッコいいとかカッコ悪いとかそんな事はどうでもいいから、とにかく声を上げて助けを求めろって事ね。もちろん状況によっては、無闇に声を上げない方がいい事もあるけど。」

鼎「敵の方が多いとか、声を上げてもまず味方の援護が期待できない状況であれば、無闇に声を上げるべきではないけど、現実世界ではそんな局面はほとんどないよね。」

愛原「ファンタジー世界では、敵地に侵入中みたいなシーンも多いし、そんな場面で、声を荒げるのは論外だろう。しかしリアル世界で、声を上げたらかえって危険という場面なんて、滅多に無いからな。」

鼎「他人を攻撃するようなパニックや、自分の殻にこもって現実逃避するようなパニックは困るけど、悲鳴をあげるべき場面で悲鳴をあげるのは、適切な危機回避行動であって、必ずしも非難されるべき行動ではないよね。」

逆沢「こちらが精一杯危険を伝えようとしてるのに、それに真面目に耳を傾けない奴の方が、余程現実逃避しているようにみえる事もあるからね。聞き手は【もっと落ち着いて話せ】とかよく言うけど、最初から落ち着いて話せるくらいの余裕がない場合も多いし、のんびり話してたら危機感や切迫感が伝わらないし、そもそもディベートの達人でもないのに、緊急時にそこまでの話術を期待すんなとも。」

愛原「政治家や危機管理のスポークスマンなどは、大衆を動揺させないように言葉を選んで話す技量というかディベート能力も期待されるけど、そういう分野に無関係の人間にまで、それを求めるのは困難だろうからな。大体、野次馬が100人いても、その中でちゃんと110番や119番をしてる奴なんて数人もいないのが現状であり、そこでただ事態を無責任に傍観するだけでなく、ちゃんと警察や責任者などに通報できているというだけで、むしろ並の人間よりもずっと冷静かつ適切だと評価すべきだ。」

鼎「ファンタジーだと聞き手が【もっと落ち着いて話せ】とかよく言うけど、現実のプロは、そんな煽るような事は言わないよね。」

愛原「俺も警察に通報した事はあるが、彼らは本物のプロだからな。適切に質問もしてくれた上で迅速に情報取得してくれるから助かるわ。こちらが余程支離滅裂な内容で通報でもしない限りは、ちゃんと通報者の意図はくみ取って迅速に判断してくれると思うぞ。野次馬がどれだけ集まっていようと、意外と誰も通報してないままという事はあるから、変にクールに気取ってるくらいなら、有事に際しては迅速に対応した方がいい。本格的なパニック状態ならいざ知らず、見た目的に落ち着いて見える状況の場合、呆然としてるのか、現実逃避してるのか、誰かが動いてくれているはずと楽観的観測で済ませているのか、よく分からんが、みんな硬直して何の役にも立たない状況という事は珍しくないからな。」

鼎「そういえば2006年に、滋賀県内で3回も電車内で強姦事件が起きたにも関わらず、その間誰も通報しなかったというのがあったよね。車掌までもが見て見ぬ振りしてたとか。」

愛原「クールを気取ってるのか、客も車掌も全員が呆然としてたのか、よく分からんが、こういうケースは割と他のケースでも見られるぞ。駅の階段やホームや繁華街などで暴行事件があっても、誰一人として通報も取り押さえもせず、結局犯人に逃げられてしまうなんて事は、首都圏でも何度かあったはずだ。」

逆沢「ひでーな、おい。クールすぎるだろ。東南アジアあたりだったら、野次馬の誰かが、絶対に犯人に跳び蹴りでもしてそうなのに。」

愛原「だから良い意味で慌てて騒げる人間は、むしろ讃えるべきなんだ(もちろん冷静かつ迅速な対応ができる人間がいればなお良いが、そこまでは高望みといえる)。日本人は世界的に見ても珍しいくらいデモも起こさないというか、沖縄などでデモをしてても、それを冷ややかな視線で見捨てるようなクール気取りが多いが、そんなクール気取りに、人を助ける役割とか、状況を改善する役割など期待できるはずも無いからな。」

鼎「今の日本は、みんなが【自分はじっとしてても行政なり誰かが何とかしてくれるに違いない。だから我々は無闇に騒ぎ立てるべきでない】と楽観的観測で現実逃避してそうな人が多いよね。」

逆沢「現代日本を舞台にパニックもののファンタジーを作った場合は、アメリカを舞台にした場合のように暴動と略奪の嵐になるのではなく、むしろ寄生獣的な世界観になるかもね。どれだけ異常な事態が頻発しても、人々は普段の生活を決して変えようとしないみたいな。」

鼎「自分の身が危ない場合は、さすがに全力で逃げるだろうけど、状況が落ち着けばすぐにいつもの生活を取り戻すみたいな世界観ね。逆を言えば、自分の身に危険さえなければ、誰が強姦されてようが、誰が暴行されてようが、別に気に留めないというか、こちらに累が及ばないように見て見ぬ振りして、そっとその場から去って行くみたいな。」

逆沢「いや、それ。どちらかというと痴漢ものAVかエロゲ的シチュエーションだろ?」

愛原「どれだけ叫んで助けを求めても、誰も助けに入ってくれないというのは、ある意味、最も残酷なホラーだな。」

逆沢「今のイジメの現場についてはよく分からないけど、案外そんな状況なんじゃね。人前で公然とカツアゲや暴行が行われても、誰も干渉しない。職場で明らかにブラックな待遇が恒常化してても、誰もおかしいと言わないみたいな。」

愛原「うーん。【自分だけはまとも】と勘違いする理由は、そこらへんにあるかも知れないな。みんながみんな、こんな状況はおかしいと気付いていながら、それでも誰一人として行動できない。その結果、自分以外のみんなが狂ってると思いやすいとか。」

鼎「裸の王様の世界観だよね。内心でみんなが【王様は裸】と感じながらも、みんなが王様の服を讃えるから、自分も同調して讃えざるを得ないみたいな。」

愛原「同調圧力という名のパニック状態だな。現実で明らかに異変が起きていても、異変を口にすると平穏が乱れかねないから、誰も異変を口に出来ない。その結果、異変という名の危険がますます拡大すると。」

逆沢「日本式パニックと言ってもいいかもね。自覚症状のない最も危険でタチの悪いパニック状態というか。冷静な対応を求めれば求める程、大衆がますます危機対応に鈍感になっていく最凶のパニック心理というか。」

鼎「怖くて体が震えて動けないとかじゃなくて、現実逃避してしまう事で動く気になれないというか。あるいは世間体が怖くて動けないというか。」

逆沢「恐怖で体が震えて動けないのではなく、周りの目線が気になって動けないってか。」

愛原「そんなのは冷静でもクールでも何でもないな。周りのみんながトイレットペーパーを急いで買ってるから、自分も同調して急いで買ってるのと全く同じ。周りのみんなが傍観してるから、自分も同調して傍観してるだけに過ぎない。動くパニックじゃなくて、動かないパニックでしかない。群集心理に捕らわれて、特定の方向に踊らされている点でも全く同じだ。」

鼎「それでも話が通じる相手なら、まだその人がまともである可能性は高いと思うけど・・・。」

愛原「まぁその通りだな。パニック状態に陥ると、短気・短絡・他罰的になり、思い込みが激しくなり、人の話を聞かなくなる。現実逃避して殻に閉じこもって動かないようなタイプだと、パニック状態から落ち着くまで放置するしかなくなるが、人の話にちゃんと耳を傾けて、柔軟な態度を取れる状態なら、まだ大丈夫だろう。真面目に聞いてる振りして実は上の空とか、実はどう説得されても結論を替えるつもりはないタイプもいるから、油断は禁物だが。」

鼎「そういえば、そんなキャラが登場するホラー作品も知ってるよ。周囲は化け物と化した人間ばかりの中、ようやく主人公はまともに話が通じそうな人間と出会うんだけど、実はその人も既に人間で無くなっていて、突然そのキャラに襲われるみたいな。」

逆沢「そういうキャラも、割と定番ね。見るからに敵と分かるキャラに混じって、見た目だけはまともに見えるキャラが混じってると、まんまと騙されてしまうというか。ようやく苦労して、まともな人に巡り会ったと思ったのに、裏切られた時の絶望感がヤバイというか。」

愛原「パニック状態と言っても、その程度は様々だ。見るからに既に狂った状態のキャラも多いだろうけども、見た目ではそうと分からないのも実は多い。特に今の日本のような場合は、見た目上はクールを気取ったタイプも多いだろうしな。口では【トイレットペーパーを買い占めてる奴らは、本当にアホだよな】とか言ってながら、実は自分も既にいち早くトイレットペーパーをしこたま買い占め終わってたり。」

逆沢「実際にいそうでワロタ。東日本大震災の時でも水の買い占めとかが起きたけど、ネットでは水を買い占めてる大衆を散々自分勝手と非難する書き込みをしておきながら、実はリアルでは自分も水をしこたま買い占めてたりとか。」

鼎「パニック状態と一口に言っても、実際には分かりやすい暴動を起こすタイプから、陰湿なデマを飛ばすタイプから、現実逃避して動かないタイプから、色んなタイプがいそうだよね。」

愛原「そういう人間模様を描いたパニックものも、実は割と好きだったりする。一目見て危険なタイプから、まともに見えるけど実は邪悪な奴。軽薄なようにみえて芯の太い奴。臆病に見えるけど、その分俊敏に動ける奴。逆に堂々としてるけど、実は現実逃避してるだけの奴。他人に流されるだけの奴。逆に他人の逆ばかり行きたがる奴。思い込みの激しすぎる奴。逆に自分の意思を持たない奴。理想に燃える奴。自分勝手な奴。せこい奴。保身第一の奴。野心に燃える奴。狂った奴。など。」

逆沢「日本では、アメリカ的な暴動や略奪は想定しにくいけど、静かなパニックというのも題材としては面白いかもね。」

鼎「けど日本人は、割と扇動されやすい民族性だから、政府がおかしな対応をしたら、いつタガが外れてもおかしくないかも知れないよ。」

愛原「危機に際して、実際にどんな感じのパニックになるかは分からない。だからこそ想像の余地は広いとも言える。現実世界でのパニックは困るけど、だからこそファンタジーではその分存分に想像力を発揮した作品も味わってみたいなとも思う。」














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